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第5章 三階直結直圧式給水設計・施行基準

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第5章 三階直結直圧式給水設計・施行基準
第5章 三階直結直圧式給水設計・施行基準
第5章 三階直結直圧式給水設計・施行基準
5.1 基本事項
この基準は、三階建て建築物へ直結直圧で給水する場合の給水装置の設計及び施行に関して
必要な事項を定める。 なお、この基準に定めのない事項については、「第4章 給水装置の基本
計画」による。
5.2 適用の範囲
寝屋川市水道事業の給水区域内において、管理者が三階建て建築物で、以下の要件に適
合するものは直結直圧式の給水を認める。
1. 三階直結直圧式給水の要件
次に掲げる要件を満たす場合には、直結直圧式により給水できる。
(1) 三階建ての建築物であること。
(2) 第4章 給水装置の基本計画、直結直圧式給水に適合するもの。
(3) 配水管の最小動水圧が年間を通じて、原則として将来とも1戸建て住宅等は 0.196M ㎩以
上、共同住宅及び事務所ビル等は 0.245M ㎩以上確保できる区域であること。
(4) 管理者が決定する設計水圧に基づき水理計算を満たすもの。
(5) 分岐される配水管が布設されている道路の上端を基準として、地上三階建て以下の建物
で設置される給水栓の最高位置が、その道路の上端より 10m以下であること。
(6) 配水管の口径は 50mm 以上であること。
(7) 配水管からの分岐口径は、20mm 以上 75mm 以下であり、かつ、配水管口径の2口径以上
下位であること。
(8) メーターの口径は 20mm 以上 75mm 以下であること。
(9) その他管理者が、適当と認めた建物。
5.3 最小動水圧が基準以下の区域における取扱い
1. 1 戸建て住宅等
配水管の最小動水圧が 0.196M ㎩未満の区域における、1 戸建て住宅等の三階直結直圧式
給水は、三階部分の給水栓は2栓以下とし、水洗トイレ(水槽式)、洗面器等出水量の少ない給
水用具とすること。
2. 共同住宅及び事務所ビル等
配水管の最小動水圧が 0.196M ㎩以上 0.245M ㎩未満の地域における三階直結直圧式給
水は、管理者が決定する設計水圧 0.196M ㎩に基づき水理計算を満足すること。
164
5.4 共同住宅及び事務所ビル等の取扱い
1. 共同住宅及び事務所ビル等の三階直結直圧式給水の取扱いは以下のとおりとする。
(1) メーターを地付け(地中)設置する場合は、三階部分の各戸に給水するメーターは 25mm
とし、メーター下流側にメーター取替時等の逆流防止のため、ボールバルブ等を設置す
る。
(2) 公私境界(道路境界)より敷地側、概ね1m以内の給水主管に第1止水栓を設置し、上下
水道局において行う給水管の維持管理の責任分界点とする。
(3) 口径 40mm 以上の給水主管を設ける場合は、第1止水栓下流側直近に、逆流を防止する
ために逆止弁を設置する。
(4) 給水主管口径 75mmを布設する場合は、給水主管の末端にドレン設備を設置する。
(5) 1 つの給水主管により給水することができる戸数は、「第4章 給水装置の基本計画 直結
直圧式給水の共同住宅の給水主管口径と給水戸数 表4-20 又は表4-21 のとおりとす
る。
5.5 調査及び事前協議
三階建て建築物への直結直圧式給水を希望する申込者は、指定工事事業者に給水装置
工事の申込み前に事前調査及び現地調査を十分行わせること。
1. 調査
(1) 配水管の口径及び布設状況調査
(2) 既設給水管を使用する場合は、その給水管の出水量調査
(3) その他、三階直結直圧式給水に必要な調査
2. 事前協議
(1) 事前調査及び現地調査完了後、申込者は指定工事事業者等を通じて 「様式第43号」
設計水圧調査・確認依頼書を管理者に提出し事前協議を行うこと。
(2) 管理者は、設計水圧・確認依頼書の提出に基づき 「様式第44号」 設計水圧回答書兼
可否判定書で申込者に設計水圧の決定及び三階直結直圧式給水の可否について回答
する。
(3) 前項(2)の結果により次のとおりとする。
① 三階直結直圧式給水が可の判定の場合、申込者は管理者に 「様式第45号」 給水装
置工事協議書に水理計算書等必要な書類を添付し提出する。
② 否の場合、給水方式について上下水道局と協議を行う。
(4) 管理者は給水装置工事協議書の提出に基づき、水理計算等の審査を行い 「様式第46
号」 給水装置工事協議回答書で承認または不承認を回答する。
(5) 前項(4)の結果により次のとおりとする。
165
① 三階直結直圧式給水が承認された場合、申込者は給水装置工事申込書に給水装置工
事協議回答書の写し及び必要な書類を添付し給水装置工事の申込みを行う。
② 不承認の場合、給水方式について上下水道局と協議を行う。
3. 事前協議を不要とするもの
(1) 1 戸建て住宅等の場合
1戸建て住宅等の場合は、付近の上下水道局水圧調査データーにより水圧が判明し、「本
章5.7建築物の用途及び設計水圧」により施行するものについては、事前協議は不要と
する。
(2) 共同住宅の場合
各戸のメーターを地付け設置(地付けメーター)するものについては、設計水圧が 0.196M
㎩以上の場合は、事前協議は不要とする。
(3) 事務所ビル等の場合
給水管口径 20mm及び 25mmの場合は、1戸建住宅と同じ取扱いを行い、事前協議は不
要とする。
166
5.6 三階直結直圧式給水の設計
1. 設計水圧
管理者が決定する設計水圧は、0.196M ㎩又は 0.245M ㎩とする。
2. 計画使用水量の決定
(1) 同時に使用する給水用具を設定して求める。
(2) 給水用具給水負荷単位により求める。
3. 給水管の口径決定
(1) 給水管の口径決定は、設計水圧、計画使用水量を考慮して水理計算により決定するこ
と。
(2) 残存水頭は、最高・最遠の給水栓において使用する給水用具の作動圧または最低必要
水圧について十分考慮すること。
(3) 給水管内の流速は、過大にならないよう考慮すること。 (表 5-1)
(空気調和・衛生工学では 2.0m/sec 以下としている。)
表 5-1 給水管の流速・流量の上限
管 径 (mm)
動水勾配 (‰)
流 速 (m/sec)
流 量 (L/min)
13
390
2.0
17
20
250
2.0
38
25
180
2.0
59
40
110
2.0
151
50
90
2.0
236
75
70
2.0
530
100
50
2.0
942
150
30
2.0
2,121
200
20
2.0
3,770
4. メーター口径の決定
(1) メーター口径の決定にあたっては、給水装置の使用実態に照らして適正な口径を決定す
ること。なお、メーターは原則として給水管と同口径とする。
(2) 給水管の最大流量は、メーターの性能を超過しないこと。したがって、給水管の口径決定
に際してメーターの性能範囲内で水理計算を行うこと。
167
5.7 建築物の用途及び設計水圧による基準
1. 1 戸建て住宅等の施行基準は設計水圧及び給水管口径により下図のとおりとする。
(1) 設計水圧 0.196M ㎩以上の場合
① 三階部分の給水栓数については、メーター口径が 20mm の場合、4栓以下とし出水量が
多い給水用具の設置は原則不可とする。なお、三階部分までの立上り管は、メーターと同
口径の 20mmの給水管で配管を行うこと。 (図 5-1)
給水栓は 4 栓以下、出水量が多い給 水 用 具 は不 可
3F
道路側
敷地側
2F
給 水高 さ 10.0m 以 下
3Fまで20mm の口径で配 管
1F
M
メーター口 径 20mm
配水管
逆 止 弁 付 伸 縮ボール止 水 栓
図 5-1 給水管口径 20mm の三階直結直圧式給水標準図
② 三階部分の給水栓数が5栓以上または出水量の多い給水用具を設置する場合は、メー
ター口径を25mmとすること。なお、この場合において、三階部分までの立上り管はメータ
ーと同口径の 25mmの給水管で配管を行うこと。 (図 5-2)
給水栓が5栓以上または出水量が多い給 水 用 具を使 用 する場 合
3F
道路側
敷地 側
2F
1F
M
メーター口 径 25mm
配水管
逆 止 弁 付 伸 縮ボール止 水 栓
図 5-2 給水管口径 25mm の三階直結直圧式給水標準図
168
給 水 高さ 10.0m 以 下
3F末端給水栓まで25mm の口径で配 管
(2) 設計水圧 0.196M ㎩以下の場合
三階部分の給水栓は2栓以下とし、水洗トイレ(水槽式)、洗面器等出水量の少ない給水
用具とすること。この場合において、3階部分の末端給水栓の取付け位置までメーターと同口
径の給水管で配管を行うこと。 (図 5-3)
給水栓は2栓以下、出水量が多い給 水 用具は不可
3F
道路側
敷地側
2F
1F
M
配水管
メーター口径20mm 以上
逆止弁付 伸縮ボール止水栓
図 5-3 設計水圧 0.196M ㎩以下の三階直結直圧式給水標準図
169
給水高さ 10.0m 以下
3F末端給水栓まで20mm 以上の口径 で配管
2. 共同住宅の施行基準は、給水管口径及びメーターの設置場所により 図5-4~7 のとお
りとする。
(1) 各階のパイプシャフト等にメーター設置する場合
① 給水主管から各階への立ち上がり管の最大口径は 50mm以下とする。
② 給水主管から各階への立ち上がり管が2本以上ある場合、その分岐部に維持管理用
のバルブを設置すること。
③ 給水主管から各階の立ち上がり管の最頂部に吸排気弁及び吸排気弁流側に保守点
検用のバルブを設置すること。なお、この場合において排水に必要な排水設備を設置
すること。
④ 原則として各戸に局のメーターを設置する。
メーターユニット又は伸縮ボール止水 栓+逆止弁
吸排気弁
補修用弁(常 時開)
各戸メーター(局)
逆流防止 用止水 栓等
給水栓
M
道 路 側
敷 地 側
M
3F
共用給水 栓
2F
メーター(局)地付け
逆止弁付 伸縮ボール止水栓
給水高さ 10.0m 以下
パイプシャフトにメーターを設置
第1止水栓
1F
M
建物の補修用バルブの設置は任意
単式逆止 弁
配水管
複数の分岐がある場合は設置
青銅製ソフトシール弁
図 5-4 給水管口径 40mm・50mm の三階直結直圧式給水標準図
170
メーターユニット又は伸縮ボール止水 栓+逆止弁
各戸メーター(局)
吸排気弁
逆流防止 用止水 栓等
補修用弁(常 時開)
給水栓
M
道 路 側
M
敷 地 側
3F
共用給水 栓
2F
メーター(局)地付け
逆止弁付 伸縮ボール止水栓
給水高さ 10.0m 以下
パイプシャフトにメーターを設置
第1止水栓
1F
M
建物の補修用バルブの設置は任意
複数の分岐がある場合は設置
単式逆止 弁
ソフトシール仕切弁
ソフトシール仕切弁
ソフトシール仕切弁(ドレン用)
配水管
ドレン吐出口は雨水 集水桝等へ
図 5-5 給水管口径 75mm の三階直結直圧式給水標準図
171
(2) メーターを地付け(地中)設置する場合
3階部分の各戸へ給水するメーター口径は25mmとする。
給水栓
3F
逆止弁付伸縮ボール止水栓
道路側
給水高さ 10.0m 以下
共用給水栓
メーター(局)
2F
敷地側
ボールバルブ等
1F
M
M M M M M M
単式逆止弁
各メーター(局)
第1止水栓
1F・2F メーター20mm(局)
青銅製ソフトシール弁
3F メーター25mm(局)
1F・2F メーター20mm(局)
配水管
逆止弁付伸縮ボール止水栓
(各メーター共)
図 5-6 給水管口径 40mm・50mm の三階直結直圧式給水標準図
給水栓
3F
逆止弁付伸縮ボール止水栓
道路側
2F
敷地側
ボールバルブ等
給水高さ 10.0m 以下
供用給水栓
メーター(局)
1F
M
M M M M M M
単式逆止弁
ドレン吐出口は
雨水集水桝等へ
第1止水栓
ソフトシール仕切弁
ソフトシール仕切弁
ソフトシール仕切弁
配水管
1F・2F メーター20mm(局)
3F メーター25mm(局)
(ドレン用)
逆止弁付伸縮ボール止水栓
(各メーター共)
1F・2F メーター20mm(局)
図 5-7 給水管口径 75mm の三階直結直圧式給水標準図
172
3. 事務所ビル等
(1) 各階または各所に局のメーターを設置する場合は共同住宅に準じるものとする。
(2) 各階または各所に局のメーターを設置しない場合は、図 5-8~図 5-10 のとおりとす
る。
給水栓
3F
道路側
敷地側
2F
給水高さ 10.0m 以下
吸排気弁
補修用弁(常時開)
1F
M
青銅製ソフトシール弁(※)
メーター口径40mm 以下
配水管
逆止弁付伸縮ボール止水栓
※ 口径 40mm の場合は、メーター下流側に青銅製ソフトシール弁を設置する。
図 5-8 給水管口径 40mm 以下の三階直結直圧式給水標準図
給水栓
吸排気弁
3F
道路側
敷地側
2F
1F
M
青 銅 製 ソフトシール弁
単式逆止弁
配水管
メーター口 径 50mm
青銅製 ソフトシール弁
図 5-9 給水管口径 50mm の三階直結直圧式給水標準図
173
給 水高 さ 10.0m 以 下
補修用弁(常 時 開 )
給水栓
吸排気弁
3F
道路側
敷地側
2F
1F
M
ソフトシール仕 切 弁
配水管
単式逆止弁
メーター口 径 75mm
ソフトシール仕 切 弁
ソフトシール仕 切 弁
図 5-10 給水管口径 75mm の三階直結直圧式給水標準図
174
給 水 高 さ 10.0m 以 下
補修 用 弁(常 時 開 )
水理計算例(5-1)
直結直圧式の口径決定(共同住宅)
設計条件
三階建共同住宅(ファミリータイプ)
設計水圧
0.245M㎩
各戸の給水栓数 5栓
戸数 18戸
パイプシャフト内に各戸メーターを設置した場合
M
M
G
大便器
浴槽
B
大便器
M
M
浴槽
M
洗濯
C
洗面
台所
メーターユニット・メーター
給水用具
台所流し
洗面
洗濯流し
A
1.0
M
4.5
F 2.0 E 2.5 D
2.3
3.4
M
M
M
M
M
H
M
3.4
共用栓
M
バルブ
M
M
M
M
バルブ
バルブ
M
M
12.0
12.0
17.0
I
バルブ
J
K
L
逆止弁
配水管
M
【水理計算方法】
・直管換算長及び計画使用水量はBL基準により計算する。
・共用栓は散水等で使用するため水理計算上考慮しない。
【解 答】
1.計画使用水量
(1) 同時使用栓数は、(表4-2)により5栓→3栓、計画使用水量は、(表4-3)より算出する。
(2) 三階末端の住戸での計画使用水量
給水用具
大便器
洗面器
台所流し
口径
13
13
13
計
計画使用水量
12 L/min
8 L/min
12 L/min
32 L/min
175
0.6
0.8
(3) 建物全体での計画使用水量(BL基準)
42× 20.33= 53(L/min)
42× 40.33= 66(L/min)
42× 60.33= 76(L/min)
19×120. 67=10 0(L/min)
19×180. 67=13 2(L/min)
2戸目
4戸目
6戸目
12戸目
18戸目
2.口径の決定
(1) 各区間の口径を図のように仮定する。
M
M
大便器
浴槽
M
M
M
M
M
G
B
A
1.0
M
F E
D
φ20-4.5 φ20-2.0
φ20-2.5
φ40-3.4
H
大便器
M
浴槽
M
洗濯
C
M
洗面
台所
メーターユニット・メーター
給水用具
台所流し
洗面
洗濯流し
φ13-2.3
3.4
M
φ40-3.4
共用栓
M
バルブ
M
M
I
M
0.6
バルブ
φ40-0.6
J
K
L
0.8
φ50-12.0
φ50-12.0
φ50-17.0
M
バルブ
バルブ
M
逆止弁
配水管
M
M
3.4
(2) 直管換算長による計算 (動水勾配はウエストン公式の簡略式を使用)
区 間
流量Q
L/min
L /s ec
口径
動水勾配
(mm )
I (‰ )
損 失水 頭 の 直 菅換 算 長 (m )
管長
止水栓
メ ー ター
給 水栓
分水 栓
損失 水 頭 (m)
その 他 小 計 計 L= l× 1.1 h1 =L × I/1000
立 上 り高 さ (m ) 所 要 水 頭 (m)
h2
h1 + h 2
備 考
A -D
12
0.20
13
228
2. 3
5. 3
5. 83
1.33
1.0
2. 33
表 4 -17
D-E
12
0.20
20
32
2. 5
2. 5
2. 75
0.09
―
0. 09
表 4 -15
E-F
20
0.33
20
77
2. 0
2. 0
2. 20
0.17
―
0. 17
14. 3
15. 73
2.77
―
2. 77
3.4
3. 74
0.07
3.4
3. 47
F- G
32
0.53
20
176
4. 5
G- H
53
0.88
40
18
3. 4
H- I
66
1.11
40
26
3. 4
I-J
76
1.26
40
33
0. 6
J- K
76
1.26
50
12
K- L
100
1.66
50
L - M
132
2.20
50
8.0
1. 8
3.4
3. 74
0.10
3.4
3. 50
1. 1
1. 21
0.04
0.6
0. 64
12. 0
12. 0
13. 20
0.16
―
0. 16
19
12. 0
12. 0
13. 20
0.25
―
0. 25
31
17. 0
35. 1
38. 61
1.20
0.8
2. 00
計
15. 38
(判定) (設計水圧の水頭)
25.00m
3.0
l
-
(全損失水頭)
15.38m
0. 5
8. 0
10. 1
(給水栓の残存水頭)
-
5.00m
(余裕水頭)
=
4.62m > 0
よって、水理計算が成立するので仮定口径とおりの口径で適当である。
176
4.62m
水理計算例(5-2)
直結直圧式の口径決定(事業用ビル)
設計条件
三階建事業用ビル(同一所有者・同一用途)
詳細図
設計水圧 0.245M ㎩
青銅製ソフトシール弁
3.5
青銅製ソフトシール弁
逆止弁付伸縮ボール止水栓
3.5
共用給水栓
1.0
メーター
M
0.5
18.0
大 便器
大 便器
詳細図
小便器
小便器
配水管
0.5
3.5
1.5
4.0
0.8
6.0
1.2
1.0
手洗器
台所流し
手洗器
大 便器
ボール止水栓
2.0
【水理計算方法】
次の条件で計算例を示す。
・ 直管換算長及びウエストン公式の簡略式を用いて計算する。
・ 使用水量を給水用具給水負荷単位及び給水用具給水負荷単位流量早見表により計算し予
測する。
・ 最上階(三階)部分は、同時使用栓数及び給水用具種類別吐水量から算出し、建物全体で
は、給水用具給水負荷単位により算出する。
・ 建物の立上り管の口径を末端まで落さないものと仮定する。
・ 共用給水栓は停電時又は散水等で使用するため、水理計算上考慮しない。
・ 各階とも同じ給水用具数とする。
177
【解 答】
1.計画使用水量
1.計画使用水量
(1) 三階部分は、同時使用栓数及び給水用具種類別吐水量から算出する。(8栓→3栓)
器具名
口径
所要水量(L/min)
同時使用
大便器(FT)
13
12
○
大便器(FT)
13
12
手洗器
13
5
台所流し
13
20
手洗器
13
5
大便器(FT)
13
12
小便器(FV)
13
15
小便器(FV)
13
15
○
○
(2) 給水用具給水負荷単位の算出
1階当たりの給水用具給水負荷単位
建物全体での給水用具給水負荷単位
器具名
器具数
器具単位数
計
階 数
器具単位数
大便器(FT)
3
5
15
1 F
30
小便器(FV)
2
5
10
2 F
30
手洗器
2
1
2
3 F
30
台所流し
1
3
3
計
90
計
30
(3) 各階及び建物全体の計画使用水量(瞬時最大給水量)の算出
三階部分 → 47L/min
二階・三階部分 負荷単位 60 → 113L/min
建物全体 負荷単位 90 → 149L/min(瞬時最大給水量)
※ 2階・3階部分の計画使用水量は給水用具給水負荷単位流量早見表(大便器洗浄水槽
が多い場合) 表 4-11 により算出。
2.メーターの選定
本市では、メーター口径40mmの瞬時最大流量は 266.6L/min、また、適正使用範囲(参考)の最
大流量 108.3L/min であるが、今回の計画使用水量は 149L/min、瞬時最大流量の範囲内であるの
で40mmとする。
178
3.口径の決定
(1)各区間の口径を図のように仮定する。
口径40mmの瞬時最大給水量は151L/min(管内流速 2.0m/sec)、今回149L/min であるの
で給水主管を口径40mmと仮定する。
詳細図
E
φ40-3.5
3.5
φ40-3.5
3.5
青銅製ソフトシール弁
F
青銅製ソフトシール弁
共用給水栓
逆止弁付伸縮ボール止水栓
G
メーター
1.0
φ40-1.0
M
H
0.5
I
φ40-18.0
大 便器
小便器
配水管
詳細図
12L/min
15L/min
φ25-3.5
A
φ13-0.5
φ20-8.8
C
E
φ20-5.2
D
B
φ13-2.5
台所流し
ボール止水栓
20L/min
(2) 直管換算長による計算 (導水勾配はウエストン公式の簡略式を使用)
区 間
流量Q
口径
L/ mi n L/ sec ( mm)
損 失 水 頭 の直 菅 換 算 長 (m )
動水勾配
I ( ‰ )
管 長 止 水 栓 メー タ ー 給 水 栓 分 水 栓 そ の他 小 計 l
A- B
12
0 .2 0
13
22 8
3 .0
B- C
12
0 .2 0
20
32
5 .2
C-D
32
0 .5 3
20
17 6
8 .8
D- E
47
0 .7 8
25
12 4
3 .5
E-F
47
0 .7 8
40
14
F- G
113
1 .8 8
40
66
6.60
1 .5 0
0.5 0
2 .00
0 .1 8
―
0 .18
8.8
9.68
1 .7 0
―
1 .70
4.0
4.40
0 .5 4
―
0 .54
3 .5
3.5
3.8 5
0 .0 5
3.5 0
3 .55
3 .5
3.5
3.8 5
0 .2 5
3.5 0
3 .75
1 .17
149
2 .4 8
40
10 8
1 .0
2 .4 8
40
10 8
1 8.0
-
所 要 水 頭 (m )
h1 + h 2
5.72
149
25.00m
立 上 り 高 さ (m )
h2
6.0
H-I
(判定) (設計水圧の水頭)
損 失 水 頭 (m )
h 1 = L× I /1 0 00
5.2
G-H
3 .0
計 L= l× 1.1
0 .5
1 1 .7
2 0 .0
(全損失水頭)
19.97m
5.2
0 .5
1.5
1.65
0 .1 7
1.0 0
0 .5
5 5 .4
6 0.9 4
6 .5 8
0.5 0
7 .08
計
10 .97
9.0 0
1 9.9 7
(給水栓の残存水頭)
-
5.00m
=
(余裕水頭)
0.03m > 0
よって、水理計算が成立するので仮定口径とおりの口径で適当である。
179
0.03m
N
O
最
大
口
径
φ
7
5
m
m
ま
で
タ
ー
YES
N
O
引
込
口
径
が
配
水
管
口
径
の
2
口
径
以
下
YES
対
象
建
築
物
は
?
受水槽方式の検討及び給水計画の見直し
※詳細は3階直結直圧式給水設計・施行基準参照
共同住宅以外(事務所ビル・倉庫等)
メーター口径φ40mm~φ75mmの場合
⑤ φ25mm以下の場合は①、②に準じる。
※詳細は3階直結直圧式給水設計・施行基準参照
ただし、給水立管はφ50mm以下とする。
指
定
工
事
店
等
よ
り
提
出
)
現況給水計画では否判定の場合
メーター口径φ40mm以上
共同住宅等 ※( )内戸数はワンルームタイプ
引き込み口径φ25mm→戸数 2戸 (2戸)
引き込み口径φ40mm→戸数 9戸 (14戸)
④ 引き込み口径φ50mm→戸数18戸 (31戸)
引き込み口径φ75mm→戸数36戸 (50戸)
※詳細は3階直結直圧式給水設計・施行基準参照
上
下
水
道
局
よ
り
回
答
設
計
水
圧
回
答
書
兼
可
否
判
定
書
)
設計可能な場合
設計可能な場合
※地付けメーターの場合
協議不要。給水装置工事
申込書の受付へ
設計可能な場合
給
水
装
置
工
事
協
議
書
の
提
出
180
※このフローチャートはあくまで参考です。諸条件等により直結直圧式給水が不可能の場合もありますので、詳細については必ず給水担当と協議を行ってください。
YES
ー
メ
メーター口径φ75mm以下
設
計
水
圧
調
査
・
確
認
依
頼
書
の
提
出
通常は協議不要。給水装置
工事申込書の受付へ
通常は協議不要。給水装置
工事申込書の受付へ
(
N
O
給
水
高
さ
が
G
L
よ
り
1
0
m
ま
で
③ 水栓数16栓以上の場合
メーター口径φ40mm以上
メーター口径φ25mm
メーター口径φ20mm
(
一戸建て住宅等
水栓数10栓まで、3階栓数4栓以下
①
(台所、ふろ、給湯器)設置不可能
水栓数15栓まで、3階栓数不問
②
ただし、要協議の場合あり。
三 階 直 結 直 圧 式 給 水 フ ロ ー チ ャ ー ト 申
込
時
に
協
議
回
答
書
等
添
付
書
類
必
要
給
水
装
置
工
事
申
込
書
の
受
付
(
)
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