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心肺蘇生中に自らも心肺停止に陥った 肥大型心筋症の1例 - J

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心肺蘇生中に自らも心肺停止に陥った 肥大型心筋症の1例 - J
症例報告
心肺蘇生中に自らも心肺停止に陥った
肥大型心筋症の 1 例
白子 隆志 1 加藤 雅康 1 藤山 芳樹 1 田尻下敏弘 1
沖 一 匡 1 吉田 隆浩 2 小倉 真治 2
要旨 介護老人保健施設(以下,老健施設)に入所中の 83 歳女性が心肺停止になり,勤務中の
看護師らスタッフによる心肺蘇生が実施された。心肺蘇生中の看護師 A(53 歳,女性)が突然意
識を消失したため,残りのスタッフが入所者の心肺蘇生を引き継ぐとともに看護師 A の心肺停止
を確認し,救急隊の追加要請と看護師 A の cardiopulmonary resuscitation(CPR)を開始した。施
設唯一の automated external defibrillator(AED)は入所者に装着されたため,救急隊到着後に救急
隊の半自動式除細動器を入所者に装着し,施設の AED を看護師 A に装着した。
「shock advised」
の指示に従いスタッフが 1 回目のショックを看護師 A に実施した。先着救急隊により入所者を搬
送後,追加要請された後着救急隊により看護師 A を救命救急センターに搬送した。救急外来にて
看護師 A の心肺停止,VF を確認後 2 回目のショックを実施し,アドレナリン 1mg を投与後に自
己心拍が再開した。抗不整脈薬投与,人工呼吸管理,低体温療法を行い,その後 implantable cardioverter defibrillator(ICD)を移植し,完全社会復帰した。看護師 A は既往歴に肥大型心筋症を
罹患しており,今回の心肺停止は急激な心肺蘇生によって身体的・精神的負荷がかかったために,
VF を発症したものと推測した。本症例は,日常の訓練とスタッフを含む適切な救命の連鎖が看
護師 A の社会復帰につながったものと考えられた。院内の事後検証において老健施設の AED の
機種,設置場所,台数,予備パッドの管理体制の不備を指摘し,既設の AED を廃棄後 2 台新設
した。Japan Resuscitation Council(JRC)ガイドライン 2010 によると心肺蘇生中の救助者が心肺
停止に陥ることは極めて稀であるが,救助者の安全についても十分考慮する必要がある。
(日救急医会誌 . 2014; 25: 897-903)
キーワード:バイスタンダー CPR,AED,救助者安全,介護老人保健施設
はじめに
より救命される症例が増加している 1)。2010 European
Resuscitation Council(ERC) ガ イ ド ラ イ ン 2),Japan
近年 AED(automated external defibrillator)の普及に
Resuscitation Council(JRC)
(日本版)ガイドライン
伴い,致死性不整脈での心肺停止(cardiopulmonary
2010 3) において CPA に対して確実な CPR,特に速く
arrest: CPA)症例が病院前の一般市民による心肺蘇生
強い胸骨圧迫の重要性が強調され,1 分間に 100 回以
(cardiopulmonary resuscitation: CPR)
,電気ショックに
上の胸骨圧迫は救助者に疲労を蓄積させ,長時間の
CPR によってその質の低下することから 2 分毎の交
A case of cardiopulmonary arrest during cardiopulmonary resuscitation on rescuer with hypertrophic cardiomyopathy
1
高山赤十字病院救命救急センター
岐阜大学医学部高度救命救急センター
著者連絡先:〒 506-8550 岐阜県高山市天満町 3-11
原稿受理日:2014 年 4 月 28 日(14-038)
2
日救急医会誌 . 2014; 25: 897-903
代が推奨されている。医療施設内で CPA に遭遇した
場合,救助者は救急要請や蘇生道具の確保のために
現場に急行することが多く,過度の緊張状態が救助
者に精神的かつ身体的に影響を与えていることが推
測される。特に同僚や近親者の CPA では,パニック
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白子 隆志,他
に陥る可能性が高く,正常な判断や蘇生手順への影
(10:11)
。CPR を継続 していたところ,追加要請さ
響も否定できない。我々は,介護老人保健施設(以
れた救急隊が到着した(10:12)
。後着救急隊が看護
下,老健施設)内で発生した入所者の CPR を施行中
師 A の CPA を確認し,スタッフから CPR を引き継ぎ
の看護師が致死性不整脈による CPA となったが,職
当院救命センターに救急搬送した。10:20 に当院救
員を含めた救急システムのスムーズな起動と連携に
急外来に到着し,入所者と看護師 A の心肺蘇生を 2
より完全社会復帰できた,極めて稀な救助者 CPA 症
チームで並行して実施した。
例を経験したので報告する。
症 例
患 者:53 歳の女性(看護師 A)
主 訴:CPR 中の意識消失
来院時現症:看護師 A の意識レベルは JCS 300,
CPA であった。来院時も AED による心電図記録は
VF であった。心肺停止による組織からの逸脱酵素
と乳酸の上昇などが認められた。
院内経過(Table 1):看護師 A の救急外来搬入後,
既往歴:2004 年に健康診断時の心電図異常から
再度 VF を確認したため,2 回目の除細動(200J)を
肥大型心筋症と診断され薬物療法(βブロッカー)
実施し,アドレナリン 1㎎を静脈注射した。その後
を受けていた。
気管挿管を実施し自己心拍再開を確認した。さらに
現病歴:老健施設に入所中の 83 歳の女性が 3 階居
自発呼吸も再開したため人工呼吸管理下に救命セン
室で突然意識消失(9:50 頃)を来した。目撃した
ターに入室した。入室後,3 時間で冷却し,低体温
職員により CPA 状態と確認され,直ちに職員の招
療法 33-34℃を約 15 時間維持し,徐々に復温した。
集と救急要請を行うとともに,2 階詰所前の AED を
3 日後意識レベルの改善を確認し,6 日目に人工呼
確保している間に駆けつけた看護師 A と他の看護師
吸器を離脱した。心エコーでは左室流出路狭窄を伴
と 2 人で心肺蘇生を開始した。約 2 分間の CPR 後に
う肥大型心筋症であった(Fig. 2)。2 週間後に ICD
心肺蘇生中の看護師 A が突然意識消失を来し(10:
造設目的に転院し,手術施行後 1 週間で当院に再入
00)
,CPR 中のベッド脇に倒れたため,入所者の
院した。その後 2 週間のリハビリ後,独歩退院した。
CPR を他のスタッフが引き継いだ。到着した老健施
βブロッカーの内服治療中であるが,後遺症なく完
設唯一の AED を入所者に装着したところ(10:01)
,
全社会復帰を果たした。
解析結果は No shock advised であり,そのまま CPR
を継続した。現場に到着した先着救急隊が入所者に
接触し CPA を確認するとともに(10:03)
,CPR を
継続しながら当院救急外来への搬送を開始した。
考 察
本邦では,AED の普及と啓発により致死性不整脈
での CPA 症例が病院前の一般市民による心肺蘇生,
一方,他の看護師が看護師 A の心肺停止状態を確
電気ショックにより救命され,社会復帰する症例が
認し(10:02)
,追加救急要請を依頼するとともに心
増加している 1)。JRC(日本版)ガイドライン 2010
肺蘇生と搬出の妨げになるため隣室に看護師 A を移
では CPA において確実な CPR,速く強く絶え間ない
動し,CPR を開始した(10:03)
。当施設の AED が
胸骨圧迫の重要性が強調されている 3) 一方で,救助
入所者に装着されたため看護師 A に AED を装着でき
者の疲労についても触れられている 4)。
ず,救急隊の到着を待ちながら CPR を継続した。入
一般的に CPA に遭遇した場合,救助者は救急要請
所者を先着救急隊が搬出する際に施設の AED を新し
や蘇生道具などを持って急行するため CPR 開始前に
いパッドの到着を待って看護師 A に切り替えた(10:
も全力で走ることが多い。さらに過度の緊張状態が
10)
。解析結果が Shock advised(Fig. 1)であったため,
精神的かつ身体的ストレスを救助者に引き起こすた
スタッフが AED の指示に従ってショックを実施した
め 4),医療者であってもパニックに陥り,正常な判
898
JJAAM. 2014; 25: 897-903
心肺蘇生中の救助者が心肺停止に陥った 1 例
Fig. 1. Stored ECG data at the first shock on AED.
ECG shows Ventricular fibrillation before the first defibrillation
断や蘇生の手順への影響や救助者の精神的な有害事
れまでにいくつか報告されている。胸骨圧迫の実施
象が存在すると推測される 5)。
に伴う背筋損傷が発生した事例,あるいは看護師,
JRC(日本版)ガイドライン 2010 では,CPR およ
パラメディックを対象に行われた質問調査において
び CPR の講習における救助者への危険性について触
CPR による背部痛が高頻度で発生したことが報告
れているが,講習ではもちろん,実際の CPR でも救
されている。実際の CPR および CPR 講習で救助者
助者に重大な身体的有害事象が発生することは稀で
や受講生に心筋梗塞,気胸,胸痛,呼吸困難,神経
あると報告している 。さらに CPR 中の救助者自身
損傷,アレルギー,めまいなどの有害事象が発生し
が CPR 中に CPA に陥ることは極めて稀で,我々が調
たという報告もあった 4)。
4)
べた限り,CPR 中に目撃のある救助者が CPA に至っ
た報告は,文献検索上発見できなかった。
CPR が救助者に及ぼす身体的影響については,こ
日救急医会誌 . 2014; 25: 897-903
渡辺らは,持続的な胸骨圧迫が術者の生理学的,
身体的に及ぼす影響について定量化したところ,胸
骨圧迫の運動量は比較的低く,有酸素性作業能力が
899
白子 隆志,他
Table 1. Clinical time course.
Time
83-year-old Female
53 year-old nurse
9:50
Speaking in front of staff
Seeing the patient
9:53
unconscious, 119 call ①
Take care of the patient
9:56
CPA and Bystander CPR
Start CPR for the patient with staff
Collapse during CPR
10:00
10:01
10:02
10:03
10:10
10:11
10:12
10:15
10:16
10:20
10:22
10:23
10:25
10:28
10:29
10:45
11:00
AED was attached (No shock advised)
EMS1 CPR
↓
↓
Transport her to ER
CPR(ER), Asystole
Adrenaline 1mg iv
Adrenalin 1mg iv
Adrenalin 1mg iv
ROSC
CPA
119 call ② & Bystander CPR
AED was attached (shock advised)
Defibrillation 1 (200J)
EMS2 CPR
↓
↓
Transport her to ER
CPR(ER), Vf
Defibrillation 2 (200J)
Adrenalin iv
ROSC
ICU
Died (Family decides DNAR)
CPA: cardioplumonary arrest, CPR: cardioplumonary resuscitation, ER: emergency room, DNAR: do not
attempt resuscitation, ROSC: return of spontaneous circulation, AED: automated external defibrillation,
EMS: emergency medical service
Fig. 2. Echocardiograms after return of spontaneous circulation.
Parasternal long-axis view depicting asymmetric hypertrophy.
Interventricular septum/ posterior wall: 23.6/7.3mm.
Systolic anterior motion: negative, Peak pressure gap: 51mmHg
HCM (midventricular obstruction with Maron type 3) with pericardial effusion
900
JJAAM. 2014; 25: 897-903
心肺蘇生中の救助者が心肺停止に陥った 1 例
高い者(持久力のある者)ほど運動量は低い傾向に
室性頻拍,心房細動,心不全などがあるが,自然経
あり,安定した胸骨圧迫の遂行には有酸素性作業能
過・予後予測は難しい。突然死症例の剖検による検
率の維持・増進が課題であると結論付けた 7,8)。病院
討では肥大型心筋症が約 10.9%を占め,心筋梗塞,
前救護では様々な条件下での CPR が行われる可能性
解離性大動脈瘤に次いで多かったと報告されてい
があり,ストレッチャーの高さや胸骨圧迫の強さな
る 17)。自験例では,看護師 A が肥大型心筋症の既往
ど環境の変化によって疲労度,エネルギー代謝が増
を有し,βブロッカーを投与されていた(Fig. 3)。
加する可能性もある 。また,医師と医学生を対象
看護師 A は,救急部門看護師として多くの心肺蘇生
とした研究では,CPR によって救助者の酸素消費量
や教育・指導を行ってきたが,まったく無症状で
が増加し,冠動脈疾患があれば心筋虚血の原因にな
あった。今回の事故は,老健施設への配置転換に関
り得ると考察している 10)。CPR の疲労度についての
わる身体的・精神的疲労がストレスとなって致死的
他の研究では,開始後 90 秒までに酸素消費が上昇
不整脈を誘発させたと推測した。
9)
し,その後 10 分間消費量はプラトーに達するが,2
当老健施設は病院と距離があるため,救急症例発
分以内に適切な胸骨圧迫の深さを保つ確率が低下す
生時には院外対応となり。消防への救急要請による
ることを報告した 。心拍数,血清乳酸値,最大酸
救急搬送となる。また,常勤医師は 24 時間勤務体制
素消費量の点から,CPR に及ぼす CPR 実施者の体調
ではなく,入所者急変時の対応は看護スタッフが中
が有意に関与している可能性が示唆された 。心肺
心となるため,AED の装備と心肺蘇生法講習会を定
蘇生における疲労と正確性の問題から,JRC 蘇生ガ
期的に行ってきた。当施設では年に 2 回程度 AED を
イドライン 2010 では CPR を複数で行い,1 ∼ 2 分で
使用することがあったが,CPA が同時に発生するこ
交代することを推奨している 3)。
とは想定しておらず,AED を 1 台配置していた。本
11)
12)
一方,心臓リハビリテーションを受けている患者
症例について当院と消防機関で事後検証を行ったと
を対象としたランダム化研究では,CPR の訓練で身
ころ,CPA の発生時に多くの職員がいたこと,赤十
体的有害事象は発生しなかった 13)。いずれにせよ救
字救急蘇生法の指導者のもとに絶え間ない CPR と早
助者は CPR を開始する前に自身の危険性と環境の危
期除細動がなされたことが看護師 A の社会復帰につ
険性を考慮すべきで,実際の CPR 中でも重大な症状
ながったと考えられた。しかし心肺停止時に施設内
を生じた救助者は CPR の中断を考慮すべきとされて
の AED へのアクセスが悪く,予備のパッドがケー
いる 4)。
ス内に収納されていなかったことが問題であった。
PAD(public access defibrillation)に関する大規模な
これらの反省を踏まえ,既存の AED を廃棄し,病
RCT においても一般人の救助者が AED を安全に使用
院内と同一機種の AED を各階に 1 台ずつ設置し,計
できることが報告された 14)。電気ショックの危険性
2 台とした。今回看護師 A から病院に対して肥大型
については感電事例の報告があるが,救助者や周囲
心筋症についての自己申告がなかったために労務管
の者に害が及ぶことは稀であると言われている 15)。
理ができなかったことも反省点としてあげられた。
しかしながら,CPR 中は正常な判断ができないこと
急速に進行する高齢化社会において,在宅,介護
もあり,救助者のみならず周囲のスタッフが互いに
施設入所患者が増加することが予想されるため,病
十分注意してAEDを使用することは言うまでもない。
院,救急隊,地域ぐるみの救命の連鎖の構築が必要
肥大型心筋症は,主に左室,ときに左右心室の肥
大を特徴とし,半数は遺伝子異常であると言われ本
邦での有病率は 10 万人当たり 374 人であり,家族内
発症が約 10%程度ある 16)。合併症として突然死,心
日救急医会誌 . 2014; 25: 897-903
であると考える。
結 語
極めて稀な心肺蘇生中の救助者の心肺停止症例を
901
白子 隆志,他
経験した。職員の適切な心肺蘇生と救急隊との連
携,心拍再開後の低体温療法により,後遺症状なく
完全社会復帰できた。日常の蘇生訓練の重要性と救
助者の安全管理が重要であると考えられた。
文 献
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5) 日本救急医療財団 / 日本蘇生協議会 : JRC 蘇生ガイドライ
ン 2010, 第 7 章普及 ・ 教育のための方策
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6) 日本救急医療財団 / 日本蘇生協議会 : JRC 蘇生ガイドライ
ン 2010, 第 7 章普及 ・ 教育のための方策(EIT). 3-1.CPR の
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心臓マッサージが術者の生理的および自覚的強度に及ぼ
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JJAAM. 2014; 25: 897-903
心肺蘇生中の救助者が心肺停止に陥った 1 例
ABSTRACT
A case of cardiopulmonary arrest during cardiopulmonary resuscitation on rescuer
with hypertrophic cardiomyopathy
Takashi Shiroko 1, Masayasu Kato 1, Yoshiki Fujiyama 1, Toshihiro Tajirika 1
Kazutada Oki 1, Takahiro Yoshida 2, Shinji Ogura 2
1
Emergency and Critical Care Center, Takayama Red Cross Hospital
2
Advanced Critical Care Center, Gifu University Hospital
A 53-year-old female nurse (Nurse A) collapsed suddenly during cardiopulmonary resuscitation (CPR) of an
83-year-old female resident who was experiencing cardiopulmonary arrest (CPA) in a geriatric health services facility near our hospital. Although Nurse A applied shock treatment using an automated external defibrillator (AED)
available at the facility, CPR was required. When Nurse A happened to collapse during CPR, another staff member
at the scene started CPR for Nurse A. While the resident was being transported to our hospital by Emergency Medical Service (EMS) personnel, the AED used for the patient was used for Nurse A. According to AED instructions,
shock treatment for ventricular fibrillation (VF) was performed. Another EMS staff member continued CPR and
transported Nurse A to our emergency room. As the AED monitor still showed VF on Nurse A’s arrival, we performed electric shock treatment and administered adrenaline 1 mg intravenously, and her heartbeat was restored. After artificial respiration for 6 days and hypothermia for 3 days in the intensive care unit, her consciousness was fully
recovered. An implantable cardioverter defibrillator was placed at Gifu University Hospital 2 weeks after initial admission and she was discharged without neurological deficits after cardiac rehabilitation. Nurse A had been diagnosed with hypertrophic cardiomyopathy at a medical check 8 years earlier. Following a review meeting, we placed
two new AEDs in the nearby geriatric health services facility. Although there have been several reports of rescuer’s
fatigue during chest compression performed according to JRC Guideline 2010, we could find no reports of rescuer’s
CPA during bystander CPR. It is important to prevent rescuer’s fatigue during CPR as well as to consider stopping
CPR if rescuers develop significant symptoms while performing it.
(JJAAM. 2014; 25: 897-903)
Keywords: by-stander CPR (cardiopulmonary resuscitation), AED (automated external defibrillator), rescuer’s safety,
geriatric health services facility
Received on April 28, 2014 (14-038)
日救急医会誌 . 2014; 25: 897-903
903
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