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「北海道の港湾振興ビジョン」《平成26年11月見直し》 概要版

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「北海道の港湾振興ビジョン」《平成26年11月見直し》 概要版
「北海道の港湾振興ビジョン 」《平成26年11月見直し》
Ⅰ
概要版
港湾振興ビジョンの見直しにあたって
1
見直しの趣旨
道においては、港湾の特徴を活かし、本道経済や地域の活性化及び道民生活の向上を支えるため、
平成21年10月に「北海道の港湾振興ビジョン」を策定した。その後、国においては、新たな港湾政策
が進められているほか、大規模災害に備えた港湾整備の重要性の高まりや外航クルーズ船の道内への
寄港の増加など、道内港湾を取り巻く環境が変化してきている。
そのほか、陸上・海上・航空の各分野において、本道の交通を取り巻く環境が変化していることか
ら、道の交通政策の基本指針である「交通ネットワーク総合ビジョン」が平成26年3月に改訂された。
このような環境変化に伴う課題に的確に対応し、本道の経済や地域の活性化につなげるため、見直
しを行う。
2
性 格
新・北海道総合計画の特定分野別計画である「交通ネットワーク総合ビジョン」における港湾振興に
関する分野に特化し、関連する施策などを取りまとめたもの。
3
期 間
「交通ネットワーク総合ビジョン」の計画期間を踏まえ、平成29年度までを基本とする。
Ⅱ
北海道港湾を取り巻く潮流
本道の港湾振興の取り組みを考える上で、特に考慮すべき潮流を整理
1
社会経済情勢
《人口減少・少子高齢化の進行》
・本道の経済活動の規模縮小、地域活力の低下、取扱貨物量の減少、公共交通機関の利用減少
《広域分散型の地域構造など》
・貨物の輸送時間や輸送コストがかかることや、厳しい気象条件による物流サービスや災害対応など
への制約
《グローバル化の進展》
・国際海上輸送における船舶の大型化、貨物のユニット化等
《地球環境問題への対応》
・モーダルシフトなど環境負荷低減の取組
《国・地方の厳しい財政》
・効果的・効率的な施策の推進、施設の老朽化が進む中での適切な維持管理・更新
2
国における港湾関連政策の動向
《港湾政策》
・国際競争力強化に向けた港湾法の改正
・産業の競争力強化や国民生活の向上に不可欠な物資の安定的かつ安価な供給を実現するため、国際
バルク戦略港湾の選定
・ばら積み貨物の輸入拠点を形成するため、「特定貨物輸入拠点港湾」を指定し、民間事業者等との
共同化の促進に関する協定制度の創設
・対岸諸国の経済発展を我が国に取り入るため、日本海側拠点港の選定
・国土強靭化基本法の制定や国土強靭化基本計画の策定による、防災・減災の取組や災害時の事業継
続計画の策定の推進
《物流政策》
・効果的な物流の実現、環境負荷低減、安全・安心の確保に向けた取組を推進する「総合物流施策大
綱(2013ー2017)」の策定
3
道や市町村における港湾関連政策など動向
・北海道全体が北東アジアのターミナル機能を果たすことを目指す「北東アジア・ターミナル構想」
の策定
・本道が国民生活の安全、安心に貢献するとしたバックアップ拠点構想の取りまとめ
・北方領土隣接地域を安定した地域社会として形成するのに資するために必要な施策のひとつとし
て、北方四島との玄関口や交流拠点となる根室港の港湾機能の充実や港湾整備の推進
・港湾管理者などによる人流拡大の重要な取組としてクルーズ船誘致を位置づけ
- 1 -
Ⅲ
北海道港湾の歴史と現状
1
北海道港湾の歴史
(1)港湾の成り立ち
明治∼戦前:北海道開拓や資源積出などのため、又経済活動活発化に伴い港湾を整備
戦後∼現在:工業開発や貨物量増大、近年は物流効率化や観光利用、耐震性を備えた港湾を整備
(2)港湾の整備主体と管理主体
重要港湾や避難港以外の地方港湾での直轄工事の特例により、港湾整備の大半を国が実施
港湾管理者は、地元市町または道と地元市で設立する一部事務組合(苫小牧港、石狩湾新港)
2
北海道港湾の現状
(1)港湾の概要
国際拠点港湾2港、重要港湾10港、地方港湾23港
(2)定期航路
東北・関東・北陸等への内貿定期航路、韓国・中国・北米・極東ロシアへの外貿定期航路
(3)港湾取扱貨物
道外貨物輸送の約9割が船舶利用
全道の港湾取扱貨物量は平成8年をピークに減少傾向、平成21年の世界的金融危機後は緩やかに
回復、全道取扱貨物量の約半分が苫小牧港
品目は内貿ではフェリー貨物、石油製品、砂利・砂、外貿では原油、石炭、木材チップ
(4)港湾背後地の産業等
製鉄業、製紙業、自動車関連産業、飼料製造業、水産加工業、リサイクル産業など、本道港湾の
背後地や周辺地域には、本道への経済波及効果の高い産業が集積
Ⅳ
港湾振興ビジョンの目的
交通ネットワーク総合ビジョンが掲げる
「力強い経済構造の実現を支える」と「安全・安心で快適な暮らしを支える」を目的と
して設定
Ⅴ
北海道港湾の課題
本道を取り巻く潮流や港湾に求められる役割を踏まえ、課題を明確化
1
本道の経済を支える
(1)力強い食産業を構築する
・競争力の強化に資する物流ネットワークの形成や充実
・港湾における漁業利用に必要な機能の向上
(2)観光による交流人口を拡大する
・クルーズ船に対応した施設整備や海外観光客の受入体制の充実
・港湾周辺の観光資源の活用やホスピタリティの向上
(3)ものづくり産業の集積を促進する
・効果的な立地支援策の展開や戦略的な企業誘致活動、物流機能の充実
(4)北東アジアなどとの物流を拡大する
・大幅な輸入超過や多くの輸出品のロットが小
・効率的な物流を支えるインフラの整備や交通手段の確保
2
安全・安心な地域の暮らしを支える
(1)災害に強い物流機能を確保する
・港湾施設の耐震性・耐津波性の向上など災害に備えた港湾の機能の向上
(2)安全で安定した海上輸送を確保する
・港内静穏度などの安全性の向上
・老朽化が進行している施設の機能を維持するための適切な点検・管理や計画的な補修・更新
(3)地域の暮らしを支える
・効率的かつ安定的な海上輸送ネットワークの形成
・離島における地域交通の確保
3
環境にやさしい港湾を実現する
・効率的で環境にやさしい物流体系の構築
・循環型社会の形成を推進するため、資源のリサイクルなどの支援
- 2 -
Ⅵ
港湾振興施策
明確化された課題について、多様な主体と連携・協力しながら取組を進める。
1
国際海上輸送拠点の形成
・道産品の輸出拡大と併せ、国際的な海上輸送拠点の機能強化やロシア極東などとを結ぶ航路の充実
・国際バルク戦略港湾や日本海側において拠点となる港湾の機能強化
・国際海上輸送の拠点となる港湾の競争力の強化に向けた港湾運営の促進
・高規格幹線道路などの整備による港湾へのアクセス機能の強化
・海外からの農林水産品・食品需要の増大に対する国際コンテナターミナルの機能強化や衛生管
理対応の推進などの流通機能の強化、道産食品の小口混載輸送サービスの推進
・外航クルーズ船の誘致に向けた港湾整備や海外観光客の受入体制の充実
など
2
国内海上輸送拠点の形成
・国内物流を担う港湾の国内物流ターミナル機能の強化および国内海上輸送ネットワークの維
持・充実
・複合一貫輸送の拠点となる港湾の機能充実
・農水産物の輸送について、需要に応じた輸送力、出荷時期の平準化や農水産品の高付加価値化
に資する保管・貯蔵能力の確保・充実
・安全安心な水産物を供給するための施設の機能強化
3
暮らしを支え安全安心な拠点の形成
・安全性を高めるための施設整備
・耐震性の向上などの施設整備や事業継続計画の策定
・施設の老朽化対策および適切な点検・管理や計画的な補修・更新
・離島振興のための諸施策による需要の喚起
4
環境にやさしい拠点の形成
・モーダルシフトの推進に向け、エネルギー効率の向上や二酸化炭素排出量の削減に資する取組
・荷役機械等の省エネルギー化、船舶版アイドリングストップなどの取組
・リサイクルポートなどでの循環資源を取り扱う埠頭などの整備
Ⅶ
港湾振興ビジョンの推進にあたって
適切な役割分担のもと港湾管理者と国や道、港湾利用者などが連携し施策を展開する。
1 道の取組
・各関係機関の連携が図られるよう適切な調整
・地域事情に応じた具体的な取組への支援
・道と港湾管理者で構成する「北海道港湾連絡協議会」の場などにおける、情報の共有や連絡・調整
2 港湾管理者の取組
・国や道、事業者や住民などとの連携のもと、港湾果たす役割を踏まえた港湾の振興に向けた取組
3 各関係主体に期待される役割
《国》
・港湾施設の整備や航路の充実・強化などの促進
《港湾運送事業者などの港湾利用者》
・港湾管理者と連携を図りながら、効率的で利便性の高いサービスの提供、専門的な知見に基づく
港湾管理者等への提案
4
ビジョンの推進にあたって
・交通ネットワーク総合ビジョンにおける点検・評価の実施や見直しの検討などを踏まえる
・必要に応じたビジョンの見直
- 3 -
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