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シネオールの定量的ニオイ物質刺激による ヒト嘆覚
明治械灸医学第39号: 4 3 4 3-5 7( 2 0 0 6 ) シネオールの定量的ニオイ物質刺激による ヒト嘆覚誘発電位の解析 守宮脇太朗 明治誠灸大学大学院誠灸基礎医学 E 要旨:支葉の精油成分の大半はシネオールが占めているが,そのニオイがヒト脳中枢に及ぼす影響につい ての電気生理学的報告は少ない.また嘆覚誘発電位測定と同時にニオイ刺激物質を定量した報告はない. そこで本研究では臭覚誘発電位を用いてその影響を検討するため,ニオイ刺激物質濃度モニター機能を 持つ圧トリガ一式ニオイ刺激装置を作製した.日臭覚誘発電位とニオイ物質刺激の同時定量を可能とするた め,半導体ガスセンサーを用いたニオイ刺激物質濃度モニターを作製した. この濃度モニターをニオイ刺 激装置に組み込むことで臭覚誘発電位測定時におけるこオイ物質刺激の定量を可能とした.この装置を 用いたシネオールと酢酸アミルによるニオイ刺激によって,蒸留水刺激ではみられなかった陽性波を H臭覚 誘発電位として測定することが出来た. 2 種類のニオイ刺激によって得られた日臭覚誘発電位は, Fz と Cz で 最も多い被験者数で, pzで最も少ない被験者数で得られた.また,振幅と潜時に関してニオイ刺激物質問 や電極部位聞における有意差はみられなかった 以上の事実は嘆覚誘発電位研究においてシネオールのニ オイ情報は,酢酸アミルと同様の処理過程を経て処理されている可能性を示唆している. オルファクトメーターを用いた基準H臭覚検査やア I はじめに 灸治療がもたらす刺激には温熱刺激やニオイ物 リナミン注射による静脈性嘆覚検査が一般的に用 質刺激(以下ニオイ刺激)がある.灸治療の温熱 いられている 10) しかしこれらの検査方法はニオ 刺激による生体への影響として,温熱効果,血液 イに対する被験者自身の主観的な評価に基づくも や免疫系に対する効果について多くの研究が報告 のであり,客観的な評価に基づくものではない. されてきている 1-5) それに対して,ニオイ刺激のヒト脳中枢への影響 しかし,灸治療時のニオイ刺 激がヒト脳中枢に及ぼす影響についての研究は報 を研究する客観的な方法として唄覚誘発電位があ 告されていない. る 1 1. l~) 灸治療に用いられる支は ヨモギ葉から作られ この I嘆覚誘発電位測定法は,ニオイ刺激 に対する大脳皮質の反応を電気現象として記録す ており,その主成分には水分,蛋白質,炭水化物 る方法であり,時間分解能に優れた方法である. 以外に精油,脂肪,蝋質,酵素,タンニン酸,無 しかし,口県覚誘発電位は化学的刺激による誘発電 機質,ビタミン類などが含まれる. これらの内の 位であるため,体性感覚,視覚,および聴覚にお 精油成分は灸治療時に特有のニオイを放ち,支全 ける圧,光,音のような物理的刺激による誘発電 体の約 0.02% 含有されている.精油成分として 位に比べて刺激負荷の制御が困難である.そのた 1 , 8- シネオールが約 50% を占め,残りはツイルア め,それら物理的刺激に基づく感覚に関する研究 ルコール,ツヨン,セスキテルペン,ボルネオロー の進展に比し,日臭覚誘発電位による嘆覚の研究は ル,デヒドロマトリカリアエステルなどであ 進んでいるとは言い難い.日臭覚刺激方法も,ニオ る 6-8) このようにシネオールが精油成分の大半を イ刺激時以外において定常的に空気を流す方 占めるが,シネオールがニオイ物質としてヒト脳 法 12 凶や,呼吸と同期してニオイ刺激物質を噴き 中枢に及ぼす影響に関する電気生理学的研究は少 つける方法 15 川があるが ないへ ない. ヒト嘆覚機能の検査法としては,現在, T&T 全ての誘発電位測定は いまだに確立されてい 同種同量の刺激を反復 平成 18年 11 月 15 日受付,平成 19 年 1 月 4 日受理 KeyWords:ヒト human ニオイ刺激装置 o l f a c t o r yevokedp o t e n t i a l(OEP) , o l f a c t o r ystimulator ,支 moxa,シネオール c i n e o l e 嘆覚誘発電位 す連絡先:干 629-0392 京都府南丹市日吉町保野田ヒノ谷 6 T e l :0 7 7 1 7 2 1 1 8 1 (内線 276) F a x :0 7 7 1 7 2 0 3 2 6 明治織灸大学大学院蹴灸基礎医学 E e m a i l :t _ m i y a w a k i @ m e i j i u . a c . j p 4 4 シネオールの定量的ニオイ物質刺激によるヒト嘆覚誘発電位の解析 して与え,各刺激の開始時点をトリガーとして記 オイが生体に及ぼす影響を明らかにするため,精 録された誘発脳波を加算平均する方法によって電 油の主成分であるシネオールを定量的に刺激する 位反応を得るーそのため嘆覚誘発電位測定にお ことで唄覚誘発電位を測定し,蒸留水や通常のニ いては,ニオイ刺激物質濃度の定量が不可欠であ オイ刺激である酢酸アミルによる H臭覚誘発電位と る. 比較検討した.③さらに,宮能評価法による被験 Kobal らゆや Murphy ら凶はガスクロマトグ ラフィーを, Nordin ら 19) は赤外線分光法を用い 者の主観的な評価と嘆覚誘発電位との関係につい てニオイ刺激物質濃度の測定を行っているが,加 て検討した 算平均時のニオイ刺激毎にニオイ刺激物質の定量 測定を行った報告は無く,上記のニオイ刺激物質 E 材料と方法 濃度測定法では測定に要する時間の時間分解能が 1.新しい圧トリガ一式ニオイ刺激装置の作製 低いことからも嘆覚誘発電位測定時にニオイ刺激 1)新しい圧トリガ一式ニオイ刺激装置の構成 毎にニオイ刺激物質の定量を行うことは不可能で とその動作 ある.ニオイ物質を客観的に測定する方法として, 圧をトリガーとして用いるための圧センサーを 上記のニオイ刺激物質濃度測定法以外では,半導 組み込むことが出来る回路を設計した新しい圧ト 体ガスセンサ_ リガ一式ニオイ刺激装置は Kobal ら lへ サ ~24-2G) : . ! O 2 3 ) 水晶振動子ガスセン 電子鼻釘 30) や生体関連物質を用いた方 法 31. 32) がある. しかし, ら 13) や, de Wijk Murphy ら 14) が I県覚誘発電位を測定する これらのセンサーを用い ために作製したニオイ刺激装置の回路を参考にし て臭覚誘発電位測定と同時にニオイ物質刺激を て作製された.図 1 にそのブロックダイヤグラム 定量した報告はない. を示す. 本研究では,①嘆覚誘発電位を測定するための, 刺激装置全体に流す気体には空気ボンベの圧縮 高い時間分解能で制御することができる圧をトリ 乾燥空気を用い,それを加湿器内の蒸留水によっ ガーとして用いる新しいニオイ刺激装置と,ニオ て加湿した.それに続いて,刺激装置内の回路の イ刺激装置から与えられるニオイ刺激物質濃度を 圧を圧センサーによって測定し,所定の圧(0 .065 刺激毎に定量化するためのニオイ濃度モニターを 作製した.②この装置を用い,灸治療におけるこ MPa) に達すると電般弁 c (図 1 )が聞き,テ フロンチューブを通じて鼻腔へと気体が流入する 主主五週. . 負麓笠M 正己li1=孟 ニオイ副理量並置 図 1 ニオイ刺激物質濃度モニター付き圧トリガ一式ニオイ刺激装置のブロックダイヤグラム 圧トリガ一式ニオイ刺激装置は,ボンベ,加湿器,電磁弁 ニオイ容器,温調器 0 , (A~F) ,圧レギ、ユレーター 0 , 2) ,蒸留水容器, 2) ,流量言 1- (1 , 2) ,圧センサーにより構成された. ニオイ刺激物質濃度モニターは,半導体ガスセンサー,基板部分,デジタルマルチメーターにより構成され, 半導体ガスセンサーは刺激回路内のニオイ刺激負荷マスク直前に組み込まれた. 明治鋪灸医学第 39号: 4 3-5 7( 2 0 0 6 ) 4 5 ょう作製した.圧の制御には,圧レギュレーター YENCE社) ,⑮部品聞を結合するテフロンチュー と流量計を用いた電磁弁 C (図1)からのテフ ブ (TL0403-20, SMC社) • 口ンチューブは,顔面部に装着したニオイ刺激負 荷マスクを通じて右鼻腔内に約 1cm 挿入するよ 3) 圧トリガ一式ニオイ刺激装置の作製手順 うにした.圧センサー直後に設置した電磁弁 C ニオイ刺激装置を構成する部品は図 2 に示すよ (図1)の開放時の信号を うに鉄製ボックスの内外に配置された.鉄製ボッ H臭覚誘発電位測定に おける刺激開始のトリガ一信号として用いるため クス内壁に圧レギ、ユレーター に,コンビューター制御装置を用いた.ニオイ容 (1),流量計 器や蒸留水容器は圧レギュレーターと温調器聞に イ洗浄口 設置した.装置内に残留したニオイ物質を除去す ( E ),蒸留水容器(D1);ニオイ容器 (D2) を, るためのニオイ洗浄口は圧レギュレーター 2 (図 空気ボンベ (A) 1)の後から装置外部へと繋がるように作製した. にそれぞれ配置した.ボックス内各部品はテフロ 蒸留水によるコントロール刺激では,図 1 におい ンチューブにより接続された.コントロール刺激 て,空気ボンべからの空気は加湿器,電磁弁A の 化1),ニオイ刺激 (L2) ,およびニオイ除去 後,圧レギ、ユレーター 1 ,蒸留水容器,温調器 1 , 3) 流量計 1 を通り,電磁弁B ,圧センサー,電磁弁 C 器内の温度表示モニター (K) はボックス外から の順に通り,鼻腔へ流入する.ニオイ刺激では, 操作できるよう図 2 に示すように鉄製ボックス上 図 1 において,空気ボンべからの空気は加湿器, 面に取り付けた.温調器,流量計,圧センサー, 電磁弁 A の後,圧レギュレーター 2 ,電磁弁 D , 電磁弁,および刺激のためのスイッチはそれぞれ, 電磁弁 E ,ニオイ容器,電磁弁 F ,温調器 2 ,流量 制御プログラムをインストールしたコンビューター 言十 2 を通り,電磁弁 B ,圧センサー,電磁弁C の順 制御装置 (M) に通り,ニオイ物質を含み鼻腔へ流入する.ニオ と制御をできるものとした. (F1 , (H) (C1 , C2) , F2) ,圧センサー 電磁弁 (G) ,ニオ を,ボックス内下部には温調器 と加湿器(B)をボックス外部 (L のためのスイッチ,電源スイッチ (J) ,温調 に結合し 任意に測定条件の設定 イ除去では,図 1 において,空気ボンべからの空 鉄製ボックス 気は加湿器,電磁弁A,ニオイ洗浄口の順に通り, 目回目 1 0 上面図 品 この空気の流れによる陰圧を利用して,鼻腔,電 磁弁 C ,圧センサー,電磁弁 B ,流量計 2 ,温調器 2 ,電磁弁 F ,電磁弁 E ,電磁弁 D ,ニオイ洗浄口 の順で刺激装置外部へとニオイ物質が除去される. なお、ニオイ除去の回路ではニオイ容器を通らな 2) 圧トリガ一式ニオイ刺激装置の構成部品 刺激装置を作製するために 。前面図 A 図 l のブロックダイヤグラムに基づいたニオイ 次の 11 種類の部品を 用いた.①圧縮空気の入った空気ボンベ(充填容 量 l , OOO .e , 型, 京都医療酸素社) ,②加湿器 (FS-300 2 2( T F 4 1 KAWASAKI 社) ,③圧レギュレーター 1 , (SRP11 0l -M5 , SMC社) ,④温調器 1 , OV , KEYENCE 社に市販の保温瓶を組み合わせ たものに⑤流量計 1 , 2 (PFA-7 1O, SMC 社) , ⑥圧センサー (AP-C33 , KEYENCE 社) ,⑦蒸 留水容器とニオイ容器に用いた櫨過フラスコ (53 40FK50 , IWAKI 社) ,⑧ニオイ洗浄口 CISE 2 , SMC社) ,⑨電磁弁 A~F (VDW シリーズ, SM C 社) ,⑩圧トリガ一式ニオイ刺激装置全体を制 御するコンビューター制御装置 (KV-40DT , KE ~一一-JL Y 外部 図2 J 内部 圧トリガ一式ニオイ刺激装置の各部品の配置 A: 空気ボンベ, Dl:蒸留水容器, 流量計, B: 加湿器, G: 圧センサー, 電源スイッチ, Cl , D2: ニオイ容器 C2: 圧レギ、ユレータ一. E: 保温瓶, H: ニオイ洗浄口, K: 温調器外部モニター, Fl , F2: I: 電磁弁, J: Ll: コントロール 刺激スイッチ, L2: ニオイ刺激スイッチ, L3: ニオイ除去ス イッチ. M: コンビューター制御装置.A と B を鉄製ボックス の外部に, C~I と M を内部に. J~L を上面に配置した. 4 6 2. シネオールの定量的ニオイ物質刺激によるヒト H臭覚誘発電位の解析 ニオイ刺激物質濃度モニターの作製 ニオイ刺激物質濃度モニターは,圧トリガ一式 均値±標準偏差)を対象とした. これら被験者に おいて喫煙者は4 名,非喫煙者は 11 名であった. ニオイ刺激装置から送るニオイ刺激物質濃度を嘆 なお,本実験では性周期による嘆覚への影響を考 覚誘発電位測定と同時に定量するために作製し, 慮、して女性を被験者の対象から除外した.また, 図 3 に示すように鼻腔へ繋がるニオイ刺激負荷マ 加齢による日臭覚への影響を考慮して被験者の年齢 スクの直前に設置されたニオイ刺激物質濃度モ を 10代後半から 20 代とした.被験者には,測定開 ニターは,ニオイ刺激物質を検知できる半導体ガ 始前に嘆覚機能に関わる以下の事項を口頭と書面 スセンサー (TGS -2602 ,フィガ口技研社), 0 上で指示した.①測定中は 鼻腔内の気流の乱れ P アンプ IC (NJU7034 ,新日本無線社) ,発光ダ や口からの吸気の逆流を最大限に防ぐために口蓋 イオード 帆咽頭閉鎖を目的として (LED) ,カーボン皮膜抵抗,積層セラ 口のみで呼吸を行うこ ミックコンデンサー,アルミ電解コンデンサー, と 14. 34) ②実験時に風邪,鼻炎,花粉症などの鼻 半固定抵抗器からなる基板部分と,ニオイ刺激物 や咽頭に関わる疾患や呼吸器系疾患に曜患してい 質濃度を電圧として表示するためのデジタルマル ないこと,また鼻聞のような自覚的違和感も持っ チメーター ていないこと,③測定当日には,強いニオイのも た 33) (SK-6511 , KAISE 社)で構成され 本装置によるニオイ刺激物質濃度測定では, のや,強い刺激のものを食べないこと,④測定当 半導体ガスセンサーで検知したニオイ刺激物質濃 日には,強い香りの化粧品,オーデコロン,整髪 度を,電圧 (mV) として清浄な空気下での出力 料を使用しないこと,⑤測定に使用するニオイ刺 電圧との差により相対的に表示した.ニオイ刺激 激物質以外の刺激物質が混入することを避けるた 物質濃度モニターの出力を安定して得るため,そ め,喫煙者は測定開始の 30分前から喫煙を避ける の使用時に,毎回未使用のオキシライド乾電池 ことなお本研究の H臭覚誘発電位測定は,明治誠 (Panasonic社)を用い,また測定に先立つ 3 時間 灸大学研究倫理委員会による承認(受付番号 以上前に電源を入れた. 18-15) を得,被験者に研究の趣旨と安全性の説 明を十分に行い,かつ口頭と書面上で承認を得て 3 . p臭覚誘発電位測定 行った. 1)対象 被験者は健康成人男性 15 名 (2 1. 6 士 2.1 歳,平 ( A ) ( 8 ) │+│+ 図 3 嘆覚誘発電位測定時の電極位置および装置の構成 (A) は頭頂部からの, (B) は前面部からの図を示す.圧トリガ一式ニオイ刺激装置から発生させたニオイ刺 激は,ニオイ刺激物質濃度モニターを通って,シールドルーム内の被験者の右鼻腔内へ流入した. この刺激時の 誘発脳波信号は,生体信号増幅器によって増幅され,データレコーダーで記録され,同時に信号解析装置によっ て加算平均処理される.圧トリガ一式ニオイ刺激装置において所定の圧を感知することにより発生するトリガ一 信号は,データレコーダーと信号解析装置で刺激開始時点を示す .Eはアースを示す. 明治鏑灸医学第 39号: 4 7 4 3-5 7( 2 0 0 6 ) 2) ニオイ刺激条件 4) 測定手順 ニオイ刺激物質として,シネオール(09042-32 , 嘆覚誘発電位測定とニオイ刺激物質濃度モニター によるニオイ刺激物質濃度の測定は,図 4 に示す Na c a l a it e s que 社)を 10% エタノールで 1 , 000 p pm に希釈し,酢酸アミル (02708-32 , N a c a l a it ように,蒸留水刺激,酢酸アミル刺激,シネオー esque 社)を蒸留水で 1 , 500 ppm に希釈した. シ ル刺激の順で行われた.被験者は,各刺激終了後 ネオールは樟脳様のニオイが,酢酸アミルはバナ にアンケート方式による官能評価を行った.各 H臭 ナ様のニオイがする.酢酸アミルは嘆覚実験で多 覚誘発電位測定セッションの間隔は,被験者の l奥 用されるニオイ物質である 11. 1 6 .1 9 . 3,抑.コントロー 覚の疲労を防ぐため,またニオイ刺激物質濃度モ ル刺激物質として蒸留水を用いた.被験者の慣れ ニターの出力が安定するに要する時間として約 を考慮して,各刺激物質は室温で,刺激持続時間 20 分とした 300msec ,刺激間隔 60sec ,刺激回数 25 回の条件 で提示された.各ニオイ刺激終了後には,測定時 5 ) 0臭覚誘発電位の記録条件 間を通してニオイの感じ方に変化があったか否か H臭覚誘発電位は,室内の照明をうす暗くしたシー を被験者に確認した臭覚誘発電位を測定するこ ルドルーム内で、室温 24.9 :t 0 .4 0C オイ刺激物質以外のニオイ刺激物質の混入を防ぐ 準偏差) ,相対湿度 55.9 士 3.3% ため,異なるニオイ刺激を行うごとに,ニオイ容 差)の条件下で測定された測定電極として銀 器とそこから鼻腔へ繋がるテフロンチューブとニ 塩化銀電極を使用し,電極ペーストを用いて各部 オイ刺激負荷マスクを全て交換した. 位に装着した.電極は図 3 に示すように,国際 10 20 法による Fz、 C3 、 (平均値士標 (平均値±標準偏 C4、 Cz、 pz を探査電極と 3) 官能評価方法 し,両耳栗の A1 と A2 を基準電極とする単極誘導 ニオイ刺激に対する主観的評価のために,被験 とした.接地電極は眉間に装着した.電極配置部 者に TIA ( t o t a li n t e n s i t yo faroma) 不快度評価 37) により 位をアルコール綿花で清浄し,各電極の接触イン 尺度と快・ ピーダンスが 2 kQ 未満になるように処置した. 各ニオイ刺激による H臭覚 誘発電位測定終了後にアンケート方式での評価を 測定周波数帯域を 0.05'"'-'30 Hz とし,得られた信 指示した. 号は生体信号増幅器 (Bio におう J , TIA 尺度は 10 :無臭 J , 12: はっきりわかる J , 11: わず、かに 三栄社)で増幅した後にデータレコーダー 13: 強くにおう J 常に不快J , 1-2: 不快J , 快でも不快でもな v'J , 1 +3:非常に快 J , 1-3: 非 1-1: やや不快J , 1+1: やや快J , (XR 50 , TEAC 社)で記録し,信号解析装置 (Sig n a lP r o c e s s o r 7T18A 日本電気三栄社)にて 5 0 0Hzでデ、ジタル化した(図 3). データレコーダー の 4段階でニオイ刺激の強度を主観的に評価する. 快・不快度評価は 1 -4:極端に不快J , Top 6R12 , 日本電気 1 0 : で記録された信号はオフライン解析時に用いられ 1+2: 快J , た臭覚誘発電位は,圧センサーによるトリガー 1+4: 極端に快」の 9 段階でニ オイ刺激に対する快・不快度を主観的に評価する. 前 512 msecからトリガー後 1 , 536 msec までの計 2 , いずれの評価においても 0 4 8 msec を加算平均して得た.被験者には測定 先入観による評価の偏 りを防ぐため,ニオイ刺激物質の種類に関する告 中開眼しているように指示し,電磁弁の開閉時に 知は行わなかった. 生じるクリック音による聴覚誘発電位が混入する ‘ー 図 4 約 25 分 約 20 分 約 25 分 争4 ~ 約 20分約 25 分 ~~ 争唾 ー' ;JlIJ 定手順 日奥覚誘発電位決11 定とニオイ刺激物質濃度測定は,蒸留水刺激,酢酸アミル刺激,シネオール刺激の順で行われ た.各刺激の終了後にそれぞれのニオイに対する官能評価を行った.各刺激セッションの間隔は約 20 分とした. するトリガ一信号は,データレコーダーと信号解析装置で刺激開始時点を示す. E はアースを示す. 48 シネオールの定量的ニオイ物質刺激によるヒト喚覚誘発電位の解析 ことを防ぐために耳栓を装着させた. E 6) データ処理と解析 結果 1.二オイ刺激物質濃度モニターの出力応答特性 ニオイ刺激物質濃度モニターの出力から,ニオ 様々な濃度のエタノール (99.5 %, 5 0 . 0%, イ刺激物質濃度が定常状態を示す刺激開始後6 回 10.0% , 4.0% , 2.0% , 1. 0% , 目から 25 回目までの計20 回の脳波信号を,オフラ 水を,刺激持続時間 300msec ,刺激間隔 30sec , インでデータレコーダーから信号解析装置に取り 刺激回数40回の条件でニオイ刺激物質濃度モニター 0.5%) および蒸留 込み加算平均処理し,嘆覚誘発電位波形を解析し の出力電圧を測定し,図 5 に示した.各刺激 40 回 た. 分の出力電圧 (mV) は, エタノールでは 83.1 : 1 :9 8 . 5 99.5% で -58.7 ::1:: 10 1.1. 50.0% で 7) 統計処理 10.0% で -136.0 ::1:: 92 .4, 4.0% で 376.3 ::1:: 62.5 , 各ニオイ刺激によって得られた H臭覚誘発電位波 2.0% で- 528.7 士 49.3 , 1. 0% で 648 .4::1:: 24.7 , 形の潜時と振幅について統計解析を行った.蒸留 0.5% で- 水,酢酸アミル,シネオール刺激の全てにおいて であった.エタノールの濃度が 10.0% 以上の刺激 共通して出現した波形について,同一刺激物質で 群では,刺激開始後3 回目から 4 回目で出力電圧が の電極部位聞の差と同一電極部位での刺激物質問 安定した.それ未満の濃度での刺激群では,出力 の差に対して Kruskal Wallis 検定を行った.ニ 電圧が安定するのに必要な刺激回数が増加する傾 オイ刺激物質であるシネオールと酢酸アミル使用 向にあった. 7 2 9 . 8: 1 :15.6 ,蒸留水では 719.3 土 22.1 圧トリガ一式二オイ刺激装置に組み込んだニオ 時において得られた嘆覚誘発電位波形について, 同一ニオイ刺激物質での電極部位間の差に対して イ刺激物質濃度モニターの出力電圧を図 6 に示し Kruskal Wallis 検定を,同一電極部位でのニオ イ刺激物質問の差に対して Mann -Whi tney検定 た.各刺激25 回分の出力電圧 (mV) は,蒸留水 では 7 1 7 . 2: 1 :12.0 , 1 ,500 ppm 酢酸アミルでは 9 . 7 を行った.全ての検定の有意水準は 5% とした. -407.7 士 34 .4, 1 ,000 なお,統計学的処理は, 士 7.1 であった. 2種類のニオイ物質,特に酢酸ア 4例以上の嘆覚誘発電位 波形が得られたものについてのみ行った. ppm シネオールでは これら ミルでは刺激開始時から 5 回固までは検出濃度が 1 3 . 0 Jf o r Windows を用 一定とならず, 6 回目以降に一定になる傾向にあっ いた.測定データの値は全て平均値士標準偏差で た.そこで,嘆覚誘発電位測定は刺激開始後6 回 示した. 目から 25 回固までとし,その 20 回分の出力電圧 の統計処理には SPSS 。 (>E)出制宍司 200 400 川=xxベ)-( -600 -800 10 品川努 h口 詞 古山市 蹴 図 5 1+l -1000 20 30 40 刺激回数(回) 様々な濃度のエタノールおよび、蒸留水刺激によるニオイ刺激物質濃度モニターの出力電圧 様々な濃度のエタノール刺激と蒸留水刺激に対するこオイ刺激物質濃度モニターの出力電圧を示す..は 99.5 %, .は 50.0% ,可F は 10.0% ,・は 4.0% , 刺激を示す. 0 は 2.0% ,ムは1. 0% ,マは 0.5% エタノール刺激を示す.口は蒸留水 第 39 号: 明治鍋灸医学 4 3-5 7( 2 0 0 6 ) 4 9 。 nLPO nunu nuhu (〉 ε)出細択召 -400 -800 機感織機感機感機感機感蕊蕊機感蕊機感機感関 -1000 56 10 1 5 2 0 2 5 刺激回数(回) • 刺激開始 図 6 ニオイ刺激物質濃度モニターの出力応答特性 各刺激に対する嘆覚誘発電位測定と同時測定のニオイ刺激物質濃度モニターの出力電圧を示す .0 はシネオー ル刺激,ムは酢酸アミル刺激,口は蒸留水刺激に対する出力電圧である.日臭覚誘発電位測定のために加算平均し た区域は斜線部分 (6 回目の刺激から 25 回目の刺激)である. (mV) は,蒸留水では -714.0 :t 9.5 ,酢酸アミル 盈墜主ユ では -396.3 士 18.2 ,シネオールでは -7.4 :t 3.5 で あった. 2 . シネオール p臭覚誘発電位 本研究で作製した,ニオイ刺激物質濃度モニター 蒸留水 を組み込んだ圧トリガ一式ニオイ刺激装置を用い Nl て得られた日臭覚誘発電位の代表例を図 7 に示した. 蒸留水,酢酸アミル,シネオールのそれぞれの刺 0匿盈函→ 盤墜主2 P2 激で共通して得られ,ピークの潜時が約 200 から 400msec の間にあり,ピークの半値幅が 50msec以 酢酸アミル 上の陰性波を N1 成分と定義した.酢酸アミルと シネオールのニオイ刺激で出現したが蒸留水刺激 Nl では出現せず,ピークの潜時が約 450 から 800msec 蒸留水 の間にあり,ピークの半値幅が 100msec以上の広 い陽性波を, Evans らお Thesen ら却や Geisler ら 35) に従って P2 成分と定義した.解析は,それ ぞれの刺激による N1 成分の潜時と振幅,ニオイ 刺激による P2 成分の潜時と振幅,および N1jP2 ( p e a kt o -peak) の振幅について行った. 日臭覚誘発電位測定で N1 成分が出現した電極部 位と被験者数(名)を次に示す.蒸留水刺激では Fzで 13, C3で 14, C4で 14, Czで 14, た.酢酸アミル刺激では Fz で 11 , 11 , Cz で 11 , pzで'14で、あっ C3 で 11 , pz で 12 であった(表 1 オール刺激では Fz で 14 , C3 で 14 , C4 で (A)). シネ C4 で 14 , Cz で 14 , pz で 15 であった.電極部位と N1 成分の潜時 一一 1 10μV 200msec/div 図 7 嘆覚誘発電位の代表例 被験者 l で得られたシネオールおよび蒸留水による 嘆覚誘発電位と.被験者 2 で得られた酢酸アミルおよ び蒸留水による E臭覚誘発電位の Czで、の代表例を示す. 斜線部分は刺激持続時間 (300 msec) を示す. (msec) を次に示す.蒸留水刺激で、は Fz で 320.3 :t 53.9 , C3 で 324.3 士 52.9 , で 323.7 : t53 .4, C4 で 324.9 :t 53.1 , Cz pz で 325.6 :t 52.9 であった.酢酸 アミル刺激では Fz で 310.9 士 53 .4, C3 で 306 .5 : t 55.3 , C4 で 308.5 :t 57.2 , Cz で 308.2 士 55.7, pz で、 3 11 .2: t54.3 であった.シネオール刺激では Fz で 5 0 シネオールの定量的ニオイ物質刺激によるヒト嘆覚誘発電位の解析 317. 4 : : 1 : :7 l. 2, C3 で 317.9 士 66.8, Cz で 319.6 ::1:: 68.7 , C4 で 320.1 士 69.2 , pz で、 320.0 ::1:: 69.0 であった(図 8 (A)). 電極部位と N1 成分の振幅 (μV) 示す. 蒸留水刺激では Fz で- 8 . 6: 1 :5.9 , C4 で -11.2 士 4.8, -11.0 ::1:: 5.7 , C4 で 642.0 士 125.6 , Cz で 630.9 士 142.8 , pz で 715.3 士 115.9 であった.シネオール刺激では Fz で 662.8 を次に 士 65.3 , C3 で C3 で 672.7 士 75.1 , で 66 l. 5 ::1:: Cz C4 で 669.3 ::1:: 69 .4, 67.2 , pz で 695.3 ::1:: 93.2 であった(図 9 (A)). 電極部位と P2 成分の振幅 (μV) を次に Cz で -11.3 ::1:: 5.9, pz で -13.7 士 5.5 であった.酢酸アミル刺激では 示す.酢酸アミル刺激では Fz で 1 l. 1 士 3.5 , C3 で Fz で 9 . 2: 1 :2 . 3 . pz で 9.3 ::1:: 6.2 , Czで 6.3 , C3 で -12.2 ::1:: 5.4 , 12.9 土 5.8, 12.5 士 Fz で- 9 . 5: 1 :6.6 , C4 で -11.2 ::1:: 5.3. C4 で 10.0 ::1:: l .6 . Cz で 9.3 士 3. l. 8.2 士 0.9 であった.シネオール刺激では Fz で 8.5 pzで -14.0 士 6.0 であった. シネオール刺激では, -12.1: 1 :6 . 4 . C4 で C3 で C3 で 6.6 ::1:: 3 . 8 . C4 で 6.7 ::1:: 3.5. 士 3. 1. Cz で、 7.0 ::1:: 3.5 , pz で 7.9 士l. 1 であった(図 9 (B)).潜時と Cz で -12.0 ::1:: 6.2 潜時と振 振幅に関して,同一ニオイ刺激物質での電極部位 幅に関して,同一刺激物質での電極部位聞の差と 聞の差と同一電極部位でのこオイ刺激物質問の差 同一電極部位での刺激物質問の差において有意差 において有意差はみられなかった. pz で 13.0 士 6.2 であった(図 8 (B)). 日臭覚誘発電位測定で N1 成分と P2 成分の両方が はみられなかった. 11臭覚誘発電位測定で P2 成分が出現した電極部 得られた電極部位と被験者数(名)を次に示す. 位と被験者数(名)を次に示す.酢酸アミル刺激 酢酸アミル刺激では Fz で 4 , では Fzで 7, で4, た(表 1 で6, C3 で 6 , C4で 5 , Czで 7, (B)). シネオール刺激では Fz で 8 , C4 で 8 , Cz で 8 , と P2 成分の潜時 C3 pz で 2 であった(表 1 激では Fz で 8 , pz で 3 であった.電極部位 (msec) C3 で 6. (C)). C4 で 8 , の振幅 (μV) C3 で 646.3 士 152.8 , それぞ‘れの刺激によって得られた各電極部位 Cz C4 で 3 , シネオール刺 Cz で 8 , pz で 3 で (peak-t o-peak) あった.電極部位と N l/ P2 を次に示す.酢酸アミ ル刺激で、は Fzで、 630.9 ::1:: 138.4 , 表 1 pzで、 3 で、あっ C3 で 4 , を次に示す.酢酸アミル刺激では Fz で 18.6 ::1:: 2.6 , C3 で 20.9 士 3.9 , C4 で 20.1 ::1::l. 6 , Czで 2 l. 5 士 3.7, pzで 22.3 ::1::l. 5であった.シネオー (A) での各電位成分の出現被験者数 ( A ) N1 成分の出現被験者数, ( B ) P2 成分の出現被 験者数, ( C ) Nl/P2 (peak-to-peak) の出現被験 者数.被験者全体の数は 15 人である. 400 F z C 3 C4 C z p z C z p z 300 ~ GtU 2 3 J (A) E F z C 3 C 4 C z p z 世 200 梗 蒸留水 1 3 1 4 1 4 1 4 1 4 酢酸アミル 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 シネオール 1 4 1 4 1 4 1 4 1 5 F z C 3 C 4 C z p z 酢酸アミル 7 6 5 7 3 些蝉 -10 シネオル 8 6 8 8 3 -5 。 (8) 「つ: C 3 C4 : >-15 川い ( 8 ) 100 : : : t o ( C ) F z C 3 C 4 C z p z 酢酸アミル 4 4 3 4 2 シネオール 8 6 8 8 3 図 8 それぞれの刺激によって得られた各電極部位での N1 成分の潜時と振幅 蒸留水,酢酸アミル,シネオールの各刺激によって得 られた E臭覚誘発電位における各電極部位での N1 成分に ついて. (A) は潜時 (msec) , (B) は振 l幅 (μV) を示 す.黒色は蒸留水,灰色は酢酸アミル,白色はシネオー ルを示す. 明治鋪灸医学 ル刺激では Fz で 16.5 ::1:: 5. 1. C3 で 17.7 士 4.1 , 16.9 士 5.7. pz で 20.5:::!::3.1 であっ Cz で 17.9 土 6.7. 第四号: C4 で 4 3-5 7( 2 0 0 6 ) 5 1 おいて有意差はみられなかった P2 成分の出現電極部位について,シネオール た(図 10) .同一ニオイ刺激物質での電極部位聞 刺激では Fz , の差と同一電極部位でのニオイ刺激物質問の差に と Cz で最も多くの被験者でみられた.一方, C3 ど ちらのこオイ刺激においても Pz での P2 成分の出 (A) Fz C4 と Cz で,酢酸アミル刺激では Fz Cz C4 現者数が最も少なかった.酢酸アミル刺激によっ pz て P2 成分が出現した被験者の中には N1 成分が消 800 nunu nunu aUA 宮) 町間 (OBE 失した者がいた.なお,喫煙歴は P2 成分の出現 に影響を及ぼさなかった. 斗 3. 200 官能評価と P2成分の出現 表 2 にニオイ刺激による P2 成分が出現した被験 者の数と二つの官能評価との関係を示す.ニオイ 。 刺激に対する TIA尺度での分類では,酢酸アミル (8) 刺激では「わずかににおう」が 1 名はっきり 20 Fz C3 Cz C4 とわかる」が 10 名強くにおう j が4 名であっ pz た.シネオール刺激では「はっきりとわかる j が 〉ミ)哩蝉 15 9 名強くにおう」が 6 名であった(表 2 (A) ), 10 TIA尺度は,ニオイ刺激が被験者の検知闇値を越 5 果,いずれのニオイ刺激においても,全ての被験 えて提示されていることの確認に用いた.その結 者で検知闇値を越えていることが確認された.ま 。 表2 図 9 それぞれのニオイ刺激によって得られた各電極 部位での P2成分の潜時と振幅 ( A ) TIA 尺度による官能評価と P2 成分の出現被験者 数, 酢酸アミルとシネオールのニオイ刺激によって得ら 各官能評価と P2成分の出現被験者数 (B) 快・不快度評価と P2 成分の出現被験者数. (A) 酢酸アミル れた H臭覚誘発電位における各電極部位での P2 成分につ いて, (A) は潜時 (msec) , (B) は振幅 (μV) を示 す.灰色は酢酸アミル,白色はシネオールを示す. 無臭 P2 成分 C 4 Cz p z 2 5 被験者数 。 (〉ミ)里弾 1 0 5 P2 成分 出現者数 非出現者数 被験者数 P2成分 P2 成分 非出現者数 被験者数 図 10 それぞれのニオイ刺激によって得られた各電極 酢酸アミルとシネオールのニオイ刺激によって得ら o-peak) の振幅 (μV) を示す.灰色は酢酸ア ak-t ミル,白色はシネオールを示す. 1 0 4 わずかに はっきりと 強〈 におう わかる におう 。 。 5 3 。 。 4 3 。 。 9 日 極端に 不快 非常に 。 。 不快 。 。 1 不快 やや 不快 快でも 不快でも ない やや 快 候 2 3 。 3 E 。 5 。 。 2 非常に 快 極端に 快 。 。 5 。 。 之主主三1.!< 部位での N 1 / P 2 (peak-t o-pealく)の振幅 れた嘆覚誘発電位における各電極部位での Nl/P2 ( pe 3 (6) 整監土三1.!< 出現者数 。 5 シネオール P2 成分 1 5 におう 。 無臭 2 0 強く わかる 5 。 非出現者数 C 3 はっきりと におう 。 出現者数 P2成分 F z わずかに 極端に P2成分 出現者数 P2 成分 非出現者数 被験者数 快でも 不快でも 不快 非常に 不快 。 。 1 。 。 。 3 2 2 。 。 1 4 5 2 不快 やや 不快 ない 3 やや 快 訣 。 。 非常に 快 2 。 。 。 2 5 2 シネオールの定量的ニオイ物質刺激によるヒト嘆覚誘発電位の解析 た,測定中にニオイ刺激が減弱して感じた被験者 激物質が混在すると,吸着していた酸素が酸化反 はなかった.ニオイ刺激に対する快・不快度評価 応により取り除かれ電気抵抗が低下する ël. 3 3 .3 9 .4 0 ) での分類では,酢酸アミル刺激では「非常に不快」 したがって,ニオイ刺激物質を検知したときのニ が l 名やや不快」が 1 名快でも不快でもな オイ刺激物質濃度モニターが示す出力電圧は,蒸 い」が 5 名やや快」が 2 名快」が 5 名非 留水刺激によるコントロールと比較して高い値を 常に快」が 1 名であった.シネオール刺激では 示す.また,半導体ガスセンサーはニオイ刺激物 「不快」が 1 名やや不快」が4名快でも不快 質によって感度が異なるため,異なるニオイ刺激 でもない」が 5 名 物質問で生じる出力電圧の違いはニオイ刺激物質 rやや快J が2 名 r快J が 1 名, 「非常に J快J が 2 名であった(表 2 ( B ) ) . シネオール刺激と酢酸アミル刺激のいずれのニ 問のニオイ刺激物質の濃度の差異を示すものでは ない. TIA尺度や快・不快度評価 半導体ガスセンサーはニオイ物質に対する応答 に対する評価は P2 成分の出現に影響を及ぼさな が比較的速く,同一ニオイ物質の各刺激負荷の間 かった. 隔中にニオイ刺激物質濃度をモニターに表示する オイ刺激においても, ことが可能であるため 2 1. 33. ぬ 40) N 考察 嘆覚誘発電位測 定と同時にニオイ刺激物質濃度の定量を行うこと 1.新しい圧トリガ一式ニオイ刺激装置 ができる.半導体ガスセンサー素子にはその特性 H臭覚誘発電位研究の分野では電位測定時のニオ 上,①複数のニオイ刺激物質が含まれている場合 イ刺激方法において確立されたものは無い.近年 はそれぞれの物質の識別が出来ない,②出力安定 では, のため素子部分を加熱する必要がある,③出力 Kobal ら 12) や de Wijk ら 13), Murphy ら 14) の用いた,ニオイ刺激時以外にも常に一定流 応答が電圧で表示される, 量の空気を流し続ける方法や, る 2 1. 33. 組 40) oike16) ら, Harada ら 17) Wada15) や Ton の用いた,呼吸と同 という制約があ しかし,それらの制約は本研究にお いて,① l 回の刺激セッションで用いるニオイ刺 期してニオイ刺激物質を噴きつける方法がある. 激物質は 1 種類である 前者のニオイ刺激方法では ②測定開始の 3 時間以上 非ニオイ刺激時から 前に電源を入れ,ニオイ刺激物質濃度測定時には ニオイ刺激時へ回路を切り替えるときに,加算平 素子部分は十分に加熱されている,③鼻腔へ送ら 均に必須のトリガ一信号と同時に所定のニオイ刺 れるニオイ刺激物質濃度と出力電圧は比例関係に 激が鼻腔へ到達することが難しい.後者のニオイ ある.以上の点から,半導体ガスセンサーの制約 刺激方法では,吸気と同期してニオイ刺激を提示 は嘆覚誘発電位と同時にニオイ刺激物質濃度を出 するため,吸気に関連した電位も混入した誘発電 力電圧で定量することにおいて支障にはならない. 位を測定する可能性がある.そこで本研究では, データは示していないが,清浄空気内において, それらのニオイ刺激負荷における短所を改善し, マンガン乾電池,アルカリ乾電池,オキシライド 嘆覚誘発電位を測定するために,圧センサーを用 乾電池を用いたこオイ刺激物質濃度モニターの出 いることでニオイ刺激負荷をより高い時間分解能 力と,乾電池 1 本あたりの電圧を測定した.オキ で制御し,かつ定量的に行うことができるように シライド乾電池は他の 2 種類の乾電池と比べて, 工夫した新しい圧トリガ一式ニオイ刺激装置を作 安定するまでの時間が早く 製した.圧トリガ一式ニオイ刺激装置は圧レギ、ユ 出力電圧の低下が最も小さかった.このことから, レーターを用いて回路内の圧を所定の圧に維持し 二オイ刺激物質濃度モニターの電源としてオキシ かっ長時間使用での ているため,ニオイ刺激を送るための電磁弁の開 ライド乾電池を使用することが適切であることが 放と同時にニオイ刺激物質を鼻腔へ流入させるこ 明らかとなった. とが出来る. ニオイ刺激物質濃度モニターのニオイ物質検知 に用いた半導体ガスセンサーは,エタノールなど 2. 半導体ガスセンサーを用いたこオイ刺激物質 濃度モニターの特性 半導体ガスセンサーは清浄な空気中にあると, のアルコール類に対して高い感度を示す.そこで 本研究では,蒸留水とさまざまな濃度のエタノー ルをニオイ刺激物質として,被験者を対象とせず 感ガス素子の表面に酸素が吸着することで電気抵 に,ニオイ刺激装置の回路末端を開放した条件で 抗が増大する.一方,空気中に還元性のニオイ刺 ニオイ刺激物質濃度モニターの動作確認を行った. 明治誠灸医学第四号: その結果, 1. 0% 以上のエタノール刺激で,蒸留 水刺激を上回る電圧を示した. 10.0% から 99.5% のエタノール刺激による出力電圧の差は, 1 .0% 4 3-5 7( 2 0 0 6 ) 5 3 れない 25 回目までの計 20 回の脳波信号を加算平 均した嘆覚誘発電位を解析した本研究で作製し たニオイ刺激物質濃度モニターを用いることで, から 10.0% のエタノール刺激による出力電圧の差 ニオイ物質濃度が一定に達していないニオイ刺激 と比較して小さかった(図 5). を検出することが可能になり,この範囲のデータ このことから, ニオイ刺激物質濃度モニターは特定のニオイ刺激 を解析から除くことにより,よりよい S/N比の嘆 物質に対する定量が可能である.すなわち,一定 覚誘発電位を得ることが可能になった の濃度範囲内においてはニオイ刺激物質濃度に依 存した出力電圧を示す.ニオイ刺激物質濃度モニ 3. ニオイ刺激物質提示方法 ターを組み込んだ圧トリガ一式ニオイ刺激装置は 日臭覚誘発電位測定中,ニオイ刺激物質の提示時 刺激毎のニオイ刺激物質濃度をモニターすること における鼻腔内の気流の発生と呼吸の影響を防ぐ が可能であると言える.なお,蒸留水刺激による ため,被験者に口蓋帆咽頭閉鎖見刊を行うよう コントロールで示された出力電圧は,ニオイ刺激 指示した.被験者に,測定開始前に口蓋帆咽頭閉 物質濃度モニターをニオイ刺激装置の回路から外 鎖のための練習を次の手順で行わせた①鼻孔を し,清浄空気内に設置した条件でも出力電圧が変 指で塞ぎ口のみで呼吸する.②鼻孔を指で塞ぐこ 動することは無かった.これは蒸留水刺激をコン となく口のみで呼吸をする.本実験では被験者が トロールとして用いることが可能であることと, ニオイ刺激装置の回路内にニオイ刺激物質が残留 していないことを客観的に示している. 口蓋帆咽頭閉鎖条件下での呼吸が出来るようになっ た後に測定を開始した. Sobel ら 4 1)は白IRI研究において,ニオイの snif 本研究で作製したニオイ刺激物質濃度モニター f i n g (嘆ぎこみ動作)で梨状皮質や眼宮前頭野が は,日臭覚誘発電位との同時測定において,シネオー 賦活しただけでなく,無臭の空気の sniffing でも ルと酢酸アミルの両ニオイ刺激で得られた出力電 ニオイの sniffing 時よりも小さいが梨状皮質が賦 圧が,蒸留水刺激による出力電圧と比較して高い 活したと報告した.そのため, sniffing の脳への 出力電圧を示し,刺激開始後 6 回目以降のニオイ 反応を防ぐため,本研究でのニオイ刺激物質濃度 刺激ではその値がほぼ一定であったこのことは, は,被験者が sniffingすること無く検知できるよ このニオイ刺激物質濃度モニターは I臭覚誘発電位 うに設定した.酢酸アミルは,無日臭覚症患者にお 測定と同時にシネオールと酢酸アミルの両ニオイ いても知覚が可能となる鼻腔内の三叉神経の 刺激の定量が可能であることを示している. pungency (鼻を刺すような感覚)闘値未満の濃 ニオイ刺激装置内の圧センサーが所定の圧を感 度 42) で提示した.ニオイ刺激物質には,濃度を 知することによる電磁弁の開放と鼻腔へニオイ 変化させることで主観的なニオイの種類が変化す 刺激物質が流入するまでの聞に,チューブの容積 るものもあるが,本研究で用いたニオイ刺激物質 による少量のデッドスペースのため遅延時間が生 は希釈による主観的なニオイの種類の変化は生じ じる可能性がある.これを解消するため,測定前 ていないことを事前に確認した. に負荷に使用する気体をあらかじめニオイ刺激装 置の回路内に流して気体を充満させた.その際, 4. p臭覚誘発電位成分 測定前にニオイ刺激が被験者に提示されることを 本研究で作製した,ニオイ刺激物質濃度モニター 防ぐために,被験者は上記の処置終了直後にニオ を組み込んだ圧トリガ一式ニオイ刺激装置を用い イ刺激負荷マスクを装着するようにした.ニオイ て嘆覚誘発電位を測定することが出来た. 刺激負荷マスクの装着時にニオイ刺激物質に対し 分は蒸留水,酢酸アミル,シネオールのいずれの て安定していた出力電圧が一過性に低下する.そ 刺激においても出現した. のため,刺激装置の回路内のニオイ刺激物質濃度 いたニオイ刺激物質(酢酸アミル)の溶媒である が一定に達するまで,図 6 での酢酸アミル刺激時 蒸留水刺激によっても得られた成分であることか にみられたように,ニオイ刺激開始時から 5 回固 ら,ニオイ刺激物質のみに由来する成分ではない までの問で出力電圧の変化が生じたと考えられる. と言える.いずれの刺激においても共通して被験 本研究ではニオイ刺激物質濃度が安定するニオイ 者に提示されたのは,刺激物質を噴きつけるとき 刺激の 6 回目からニオイ刺激に対する慣れのみら の空気圧のみである.また,同一刺激物質により N1 成 N1 成分は本実験で用 5 4 シネオールの定量的ニオイ物質刺激によるヒト口臭覚誘発電位の解析 Nl 成分が得られた被験者の数は電極部位間で大 Frye ら却は喫煙者では嘆覚機能が低下すると きな差異はみられず,潜時と振幅においても,同 報告したが,本研究では喫煙者においても H臭覚誘 一刺激物質での電極部位聞の差や,同一電極部位 発電位成分の出現に影響はみられなかった での刺激物質問の差に有意な違いがみられなかっ たことから, Nl 成分はニオイ刺激と電極部位に 5. ニオイ刺激に対する官能評価と おける特異性を示さない成分であると考えられる. P2成分との関係 これらのことから Nl 成分は,刺激物質を噴きつ TIA尺度は被験者が,用いたニオイ刺激に対す けるときの空気圧によって鼻腔内の三叉神経が刺 る経験が少ないときの臭気強度表示法のーっとし 激されたことにより誘発された体性感覚誘発電位 て用いられる.快・不快度評価は比較的短時間で である可能性が示唆される.しかし,酢酸アミル のニオイ暴露に対する評価方法として用いられ 刺激で Nl/P2 振幅が得られた被験者の数は P2 成 る 3n 分が出現した被験者の約半数であったが,シネオー TIA 尺度による官能評価は,酢酸アミル刺激で ル刺激では P2 成分が出現した被験者全員で Nl/P は「わずかににおう j から「強くにおう」に,シ 2 振幅が得られた. ネオール刺激では「はっきりとわかる J このようにニオイ刺激物質に より異なる反応を示すことから, Nl 成分は噴き におう J に分布した. と「強く しかし TIA 尺度の評価は つけによる三叉神経刺激からの体性感覚誘発電位 P2 成分の出現に影響を及ぼさなかった.快・不 だけではなく,別の嘆覚要因が関わる誘発電位で 快度評価による官能評価は,酢酸アミル刺激では あることも考えられる. 「非常に不快」から「非常に快」に,シネオール したがって, Nl 成分の 同定にはさらなる研究が必要であると考えられる. 刺激では「不快」から「非常に快」に分布した. P2 成分は蒸留水刺激では得られず,酢酸アミル 酢酸アミル刺激では「快J 側に評価する被験者が とシネオールのおのおののニオイ刺激で出現した. 多く,シネオール刺激では「不快」側と「快J 側 本研究で記録された酢酸アミル刺激による P2 成 に評価する被験者数は等しかった酢酸アミル刺 分は,刺激時以外でも常に一定流量の空気を流し 激で P2 成分が出現した被験者は不快」側では 続ける方法により嘆覚誘発電位を測定した Evans みられず r快でも不快でもない」から「快J 側 m s e c ) . Thesen ら(約 500 から に存在した.一方,それと同じ範囲で P2 成分が や Geisler ら(約 450 から 700 msec) お) 出現しなかった被験者が存在したシネオール刺 が P2 成分と定義した陽性波と同じ潜時で出現し 激では P2 成分が出現した被験者は不快」側か たこれら事実より,本研究で記録された酢酸ア ら「快」側の聞で存在したが, ミル刺激による P2 成分はニオイ刺激に由来する なかった被験者もまた同じ範囲で存在した. 電位であると言える.シネオール刺激による嘆覚 ら事実は,ニオイ刺激は同一物質でかつ同一濃度 誘発電位に関する研究報告はみられない.シネオー であっても,被験者によって主観的な評価は大き ル刺激による P2 成分の特徴として, P2 成分が出 く異なるということを示している.また,官能評 現した被験者の数は酢酸アミル刺激時と同じく 価の結果が P2 成分の出現に影響を及ぼさなかっ FZ と CZ で最も多く, たことから, ら 38) (約 540 から 800 8 5 0msec)ω PZ で最も少ないこと,およ び電極部位間で有意差は見られなかったが, と CZ での潜時が短く, FZ PZ での潜時が長い傾向を P2 成分が出現し これ P2 成分の成因はニオイ刺激に対す る判断や認知処理過程に関する脳活動とは関連し ていないことが考えられる. 示すことが挙げられる.これら事実より,本実験 で測定した電極部位における,シネオール刺激に 謝辞 よる P2 成分は酢酸アミル刺激と同様の処理過程 本研究に際し,終始ご指導,御高聞を賜りまし を経て出現したニオイ刺激由来の電位であると考 た明治誠灸大学生理学教室西川|弘恭教授,中山登 えられる.日臭覚は,ヒト脳中枢において眼宮前頭 稔助教授,林知也講師に甚大なる謝意を表します. 野の嘆皮質に投射され 圧トリガ一式ニオイ刺激装置の作製において多大 嘆皮質は大脳半球の内側 P2 成分が出現 な協力をいただいた株式会社サンパック内海正氏, した被験者の人数と潜時の違いは,脳内電源であ ニオイ刺激物質濃度センサーについて多大な協力 底面に位置する. このことから, ると考えられる嘆皮質から本実験で測定した電極 をいただいた市立福知山市民病院放射線科羽柴光 位置までの距離の違いを反映するものと考えられる. 起先生に深謝いたします. 明治械灸医学第 39 号: 参考文献 1)佐藤隆一,藤本司,向山正孝ら:脳血流に及ぼす Neurosonology, 1 3 :175-178, 2 0 0 0 . 温灸の効果. 2) 染谷芳明:灸の中枢作用の検討 灸刺激及び温熱 刺激の fMRI による解析.明治鋪灸医学 29 :5~ 6 8 .2 0 0 2 . 3) 栗山欣蒲:餓灸療法の中枢作用機序における物質 的基盤の構築.J. 原記念生命科学財団研究報告集. 1 7:1 9 9 2 0 2 .2 0 0 : { . 1) 仲西宏元:灸の臨床的効果の科学 灸による皮膚 の脂質過酸化物への影響.今西二郎編:医学のあ ゆみ別冊現代西洋医学からみた東洋医学,医柄薬 出版,東京, pp111-11t , 2 0 0 3 . 5) 戸田静男:灸の臨床的効果の科学 抗炎症作用を 中心に.今西二郎編:医学のあゆみ別冊現代西洋 医学からみた東洋医学,医歯薬出!被,東京, 1 1: ' j - 117 , 2 0 0 : { . 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E l e c t r o e n c e phalographyandC l i n i c a lN e u r o p h y s i o l o g y . 9 5:2 9 3 3 01 .1 9 9 5 . 39) 島ノ江憲江:においセンサー.ぶんせき, 8 :6 6 3 668 , 1 9 9 9 . 40) 吉江康城,塩津浩明:ニオイセンサを用いた臭気 測定技術.臭気の研究, 2 8 :241-248 , 1 9 9 7 . 41 )S o b e lN, PrabhakaranV, DesmondJE, e ta l: S n i f f i n g and sme l 1 ing:s e p a r a t e subsystems i nt h ehumano l f a c t o r yc o r t e x .Nature, 3 9 2: 1143-1154, 1 9 9 8 . a i nWS:N a s a lpungency, 4 2 )C o m e t t o M u n i zJE, C odor, and eye i r r i t a t i o n t h r e s h o l d s f o r homologousa c e t a t e s .PharmacologyB i o c h e ュ m i s t r y &Behavior, 3 9:983-989 , 1 9 91 . 4 3 ) Frye RE, Schwartz BS, Doty RL :Dose r e l a t e de f f e c t so fc i g a r e t t e smoking on o l f a c t o r yf u n c t i o n .t h eJ o u r n a lo ft h eAme r i c a n M e d i c a lAssociation, 2 6 3:1233-1236 , 1 9 9 0 . 明治鋪灸医学第四号: 4 3-5 7( 2 0 0 6 ) 57 A n a l y s i so fo l f a c t o r yevokedp o t e n t i a l s(OEPs)induced byq u a n t i t a t i v ec i n e o l eodors t i m u l a t i o n す MIY AWAKIT aro D e p a r t m e n t01Physiology, B a s i cM e d i c i n e01A c u p u n c t u r eandMoxibustion , G r a d u a t eS c h o o / 0 1A c u p u n c t u r eandMoxibustion , Meυ University 01O r i e n t a lM e d i c i n e A b s t r a c t O b j e c t i v e :C i n e o l ei st h emain e s s e n t i a lo i l component o fm o x a .T h e r ea r e fewr e p o r t st h a td e s c r i b e dt h e e f f e c to fo i lo d o r on human c e n t r a ln e r v o u ss y s t e m (CNS) by e l e c t r o p h y s i o l o g i c a lm e t h o d .I nt h ep a s t h e r ew e r en o tr e p o r t so fr e c o r d i n g OEPs a n d quanti今i 昭 odor stimular山 simultaneously. I nt h i s studies , t study , f o rt h ep u r p o s eo fi n v e s t i g a t i n gt h ee f f e c to fc i n e o l e on human CNS , a new o l f a c t o r ys t i m u l a t o r d e v i c ewasmadea n du s e di tt om e a s u r et h ea c t i v i t yo fOEPs. Methods: A new o l f a c t o r ys t i m u l a t o rd e v i c et r i g g e r e d by a i rp r e s s u r ea n d combined w i t ha no d o r a n t c o n c e n t r a t i o nm o n i t o rt h a t composed o fa s e m i c o n d u c t o rg a ss e n s o r was m a d e .B o t ho fa m y la c e t a t e and c i n e o l ea sa no d o rstimulant, a n dd i s t i l l e dw a t e ra s ac o n t r o lwere u s e d .A l ls t i m u l a t i o n sf o rs u b j e c t swere p r o v i d e dbyanewo l f a c t o r ys t i m u l a t o rw i t h 300msec duration , 6 0s e ci n t e r s t i m u l u s interval , a n d2 5t i m e s . OEPswerem e a s u r e di nt h es t a b l ec o n c e n t r a t i o np h a s eo fo d o rs t i m u l a n t sby20t i m e sa v e r a g e d .I m m e d i a t e l y a f t e rOEPs recording , s e n s o r ya s s e s s m e n t swerep e r f o r m e dt os u b j e c t R e s u l t s :U s i n gt h i s new o l f a c t o r ys t i m u l a t o r which combined a c o n c e n t r a t i o nm o n i t o ro fo d o r stimulants , t h ec o n c e n t r a t i o no fv a r i o u so d o r sc o u l db eq u a n t i f i e da n da l s o OEPs c o u l db em e a s u r e ds i m u l t a n e o u s l y . The c o m p o n e n t s onNl a n dP2 were o b t a i n e di nt h e OEP m e a s u r e m e n t s . The component onP2 t h a twas i t ht h eg r e a t e s ts u b j e c t sa tFZ a n d CZ 司 and t h el e a s t i n d u c e dby c i n e o l ea n damyl a c e t a t e w出 obtained w a tP Z .B o t ha m p l i t u d ea n dl a t e n c yo fP2 component showed no s i g n i f i c a n tc h a n g e sb e t w e e ne a c ho d o r s t i m u l a n ta n de a c he l e c t r o d eplacement , a n da l s oe a c hs e n s o r ya s s e s s m e n . t C o n c l u s i o n s :T h e s ef a c t ss u g g e s t e dt h a tt h eo d o ri n f o r m a t i o no fCNS i n d u c e dbyc i n e o l em i g h tb et h esame t r e a t i n gp r o c e s sa samyla c e t a t ef o rOEPs s t u d y . Received onNovember 15 , 2006;Accepted onJ an 4, 2007 tTowhomcorrespondence shouldbea d d r e s s e d . M e i j iU n i v e r s i t yo fO r i e n t a l Medicine , Hiyoshi-cho , Nantanshi , Kyoto 629-0392 , Japan