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SNCM26お よ びSCM2ー鋼〝の 円筒プランジ研削について
11 SNCM26およびSCM21鋼の 円筒プランジ研削について 横尾嘉道・瀬戸雅文・田戸 保 Cylindrical Plunge Grinding for SNCM26 and SCM21 Steels Yoshimichi YoKoo, Masafumi SETo, ・Tamotsu TADo Abstract This paper descrjbes some experiments with cylindrical plunge grinding to select the adaptive wheels and the grinding conditions for SNCM26 and SCM21 steels. The main results obtajned are as follows. (1) The best of the used wheels is WA46KMV. (2) The perjpheral speed 1900m/mjn and the velpcity ratio 40 are the best of the grinding conditions. (3) Three types of wheel wear are observed with increasing infeed rate. (j) ln the 1 st region, grinding wheels wear a little mainly by attritious wear and grain fracture. (ji) ln the 2 nd region, grinding wheel wear changes rapidly from attritious wear and grain fracture to bond fracture. (111) In the 3 rd region, grinding wheels wear mainly by bond fracture. 1. 緒 言 円筒プランジ研削は円筒トラ?'' 一一ス研削と並んで工作 物の円周外面の精密研削加工に多く用いられているが, 現在では重研削加工にも相当利用されている1). しかし 実験に使用した装置ならびに供試材料は表1に示す通 りであるが,研削盤の砥石車回転炉度,テーブル送り速 度および砥石切込み速度はいずれも引摂変速できるよう に改造したものである. ながら,研削加工結果に影響する因子は非常に多く,幾 多の先進研究者の手により,その機構の解明が急がれて いるが,精密研削加工の分野でさえ,その一部を除いて は不明なところが多い. まして重研削加工の分野では, 2. 2 実験方法 実験の方法は表2に示す通りである. 数種の砥石を用 いてその性能を比較するのに,まずどのような加工条件 まだ研究成果の発表されたものは数少ない現状である. で行うべきかが問題であるので,比較する加工条件の選 著者らは歯車・軸用として広く用いられている SNCM26およびSCM21を円筒プランジ研削する場合の 定を最初に行った. この場合は速度比として20,40なら 加工条件とそれらを重研削加工するのに適した研削砥石 m/minの2種類を採用した. つぎに選定した加工条件 を選定する目的で実験的研究を行った. 実験結果の判定 (研削速度1900m/min,速度比40)によって,表1に示 びに60の3種類を,研削速度として1900ならびに1700 資料として砥石損耗量,研削抵抗ならびに工作物表面あ した4種の砥石につき切込み速度を表2の6種類に変化 らさなどを測定したが,砥石の選定に当たっては,一定 させて実験を行った. いずれの実験においても,工作物 研削量に対する砥石損耗量を主体的に考え,他のものを はマンドレルに固定し,一つの実験条件に対して2分間 補助的な参考資料とした. のプランジ研削を行い,スパーク・アウトは行わなかっ た. 2. 実験装置,供試材料ならびに実験方法 2. 1実験装置ならびに供試材料 *宇部工業高等専門学校機械工学科教室 12 横尾嘉道・瀬戸雅丈・田戸保 表1. 実験装置および供試材料 (1) 筒盤 削 帳綴 近藤製作所製GLOSS 450H型 (砥石軸駆動用電動機2. 2KW) 研削しうる最大長さ470mm 研削しうる最大直径120mm ) ( 分 成 2 種 工作物 別 C ブリネル (%) Mo l Ni si 1 Mn i cr f SNCM26 O,14 O,26 i O. 93 1. 51 O. 48 SCM21 O. 16 O. 28 i O. 69 O. 99 O. 16 硬度 2. 96 343 236 共に熱処理したもの 寸法(D×T×H) 120×10×24 WA60KMV, WA60LMV WA46KMV, WA46LMV (3) 削石 研砥 寸法(D×T×H) 表2. 実 305×27×127 法 方 験 (1) 円筒プランジ研削(湿式) 研削方式 一一ntl (2) 目直し1 条 件 (3) 加工条件 ドレッサ BCD 1 S''一1 単石1カラット 砥石軸回転数 1800 r. p. m. 目直し速度 360mm/min (O. 2mm/rev) 切一込み 25μで2往復(注油) (A)研削速度 1900, 1700*m/min (B)速度比 20*, 40, 60* (c)切込み速度 O. 5, 1. 0, 1. 5, 2,0, 2. 5, 3. Omm/min (D)研削油剤 (E)研削時間 エマルジョン1%溶液. 20〃min 2分間(スパごグアウトなし) 註 曇印は加工条件を比較する時にのみ使用 砥石損耗量の測定は転写法によって行い,損耗量の少 い時には前実験2)と同様に仕上面検査機を利用したが, 損耗量の多い時には,この方法は行えないので,型板を 工具顕微鏡で測定してその値より算出した. 3. 加工条件の選定結果ならびに考察 この実験では,工作物としてはSNCM26を,研削砥 石としてはWA60KMVを使用した. 表2の加工条件の うち,研削速度を1900m/min一定として(B)の速度比を 研削量は,研削前後の工作物直径をマイクロ・メータ で測定し,それらの値より算出した. 変えた場合を図1-a,bおよび。に,速度比を40一定と して(A)の研削速度を変えた場合を図2-aおよびbに示 研削抵抗は,心押台側センタにストレーン・ゲージを す. 砥石損耗量は切込み速度との関連よりは研削量:との 張り,その出ガを動ひずみ計を通じて記録計に導;き,記 関連がより重要と考えられるので,図1-aおよび図2 録した曲線より平均の抵抗値を算出した. -aにおいては横軸に研削量を採用した. これより一般 工作物表面あらさの測定は,東京精密製のサーブコム 2B型によりカット・:オフ0. 8mmで円周上8箇所で平 均あらさ(Ra)を測定し,その平均値を求めた. Res. Rep. に多く用いられている研削比は 研削比一舗削畏一難灘 of Ube Tech. Coll. . No. 18 March, 1974 13 SNCM26およびSCM21鋼の円筒プランジ研削について とレてその概略値を知ることができる. q へ 20 o一一一〇 40 〇‘一''''O 60 e一一一一 ソロ 弦 ご 1 1 . k:・Q い . 卿・tny Fx わ : 第三域 12 凄 1 δ (豆) と ,ん4 1. 一,. i ,',' 第1領域一一一一〉,第2領域 川 ゆロ ー 刈(醤)颯濯論陣遵 速度比 農…e一・・+・・+㌘兼㍗ ﹂\!﹂ 図1-aからわかるごとく,砥石損耗量はいずれもは ' if 2 V4 6 . 8一 . 10. . SNCM26,・ 12 14'IU'' 第1領域一→l 「垂 竃 ' L?『 ×103mm3ぐらいから急激に増加する. この急速}こ曲る 点は渡辺氏3)が提唱した臨界外力が働いている点(以下 6cl av一一一一一一¢ Fl 図1-a速度比を変えた場合の砥石損耗 じめ研削量に比例してわずかずつ増加するが,研削量:8, O一一一・一K) 読癖;・ 4 量と研削量との関係 a''一一一一a 10 →第∼領域1々一一一第3盆白丸一一一一一 6 vA灘鴇肖機19・・。/mi, ?一〇 速鳴『七L @ Off/. 5 1 1. 0 1. 5 2. cT 2. 5 ,{Ti 切込み速度tmm/mln> SNCM26, WA6〔}KMV,酬削速席1qけum/min 図1 一b速度比を変えた場合の研削抵抗と 臨界点という)と考えられる. そして,この臨界点まで 切込み速度との関係 は,砥石の減耗を支配していたものは主として砥粒の摩 滅摩耗と破砕摩耗であるので砥石の損耗量は少ない. し かし臨界点を過ぎると,砥石の減耗は主として脱落摩耗 比も最小である. つぎに工作物表面あらさについていえば,図1-Cか に支配されるようになるので,砥粒の脱落が急激に多く なり,砥石損耗量は急激に増大するものと考える. 以上 8 速度比 のことや,後に検:即する研削抵抗ならびに工作物表面あ (- らさのことを総合して考えれば,砥石損耗の形態とし つぎに研削抵抗について言えば,図1-bからわかる ごとく,接線抵抗(FT)・法線抵抗(FN)ともに切込み 速度1. Omm/minまでは切込み速度にほぼ比例する(第 1領域)が,臨界点近く(第2領域)でその増加の度合 は小さくなり,その後(第3領域)は切込み速度の増加 ,∠グ の場合の砥石損耗量が:最も小さい. 〆≡ また,3種の速度二間の差はわずかであるが,速渡比40 ム 焔 矛 嚇する領域. ' 7 つ (3)第3領域……主として砥粒の脱落により砥石が損 りの 脱落摩耗に急激に変化する領域. れ (2)第2領域……砥粒の摩i滅摩耗・破砕摩耗が一粒の ら 砕摩耗により砥石が損耗する領域. へ莱邸餌)掬燈総憎凹鷹鼻避] (1)第1領域……主として砥粒の摩滅摩耗ならびに破 凹 e一一一一e 第1領域→i第2領域ドー一二3領域一一 お て,次の3つの領域に分けて考えると都合がよい. 20 40 60 t A一. . 15 20. 2..5 S. , t). 7) 1. () v ヒ刀込み速度imm/min) 5NCM2f;WA60KMV. 研削速度19〔}Omんnm 図1-c速度比を変えた場合の工作物衰 面あらさと切込み速度との関係 とともにゆるやかに増加する. また速度比の異った3者 らわかるごとく,表面あらさは切込み速度の増加につれ 間の相違について述べれば,Frでは顕著な差はないが, て増加するが,その増加の傾きが始めゆるやかで中頃は FNでは速度比40の場合が最も小さく,したがって抵抗 急で終りにまたゆるやかになり,緩一急一緩の形をなし 宇部工業高等専門学校研究報告 第18号 昭和49年3月 14 横尾嘉道・瀬戸雅文・田戸保 ており,この変化は前述第1一第2一第3領域に対応し わかるように,同一量研削するの}〈,研削速度1900m/ ている. 第1領域では,砥粒の脱落はほとんどなく,砥 minの方が明らかに砥石損耗量が少いといえる. これに 石の表面で工作物表面がこすられるのみであるから表面 ついては,砥粒切刃は負のすくい角であるが,佐々木氏 あらさも小さいが,第2領域では急増していく脱落砥粒 ほか2名4)が述べて硫るごとく,研削速度を高くすれ によって工作物が傷つけられるので,表面あらさも急上 ば,切くずは生成され易くなり,研削抵抗の実測の結果 昇するようになる. それより切込み速度の大きい第3領 は,図2-bに示すごとく,接線抵抗ではあまり差異は 域では,脱落砥粒の数は増加するが,工作物はほぼ一定 ないが,法線抵抗では研削速度1900m/minの場合が明 の大きさの砥粒で傷められるめみであるから,表面あら らかに小さな値を示している. さはさほど増加しないものと考える. また同図より,速 以上のようにして砥石損耗量,研削抵抗ならびに工作 度比の異った3者の表面あらさは大差ないといえる. つぎに研削速度の影響についていえば,図2-aから 物表面あらさに及ぼす加工条件の影響を調べたが,実際 に研削する場合には砥石損耗量が経済的にみて一番問題 になると考えられるので,それに重点を置くこ. とにし 190U mo ×・一一一一・x た. そこで実験を行った範囲内で最も砥石損耗量の少な も へ壇日、掘濯畢胆曽唱 L﹁iーーIl﹂﹁IIl﹁﹂一L、 ロ メ' x∼〆/ 1700 {m/mln) コ OU 研削速度 かった研削速度11900m/min,速成比40を研削砥石の比 較加工条件として採用することにした. 4. 研削砥石の比較実験結果ならびに考察 ' ご ノ 4. 1SNCM26加工用研削砥石の比較 前述の加工条件で表1の研前砥石を用いて実験した場 ' ノ 合の砥石損耗量,研削抵抗および工作物表面あらさの値 S 6 8 IU 12 14 ×103 研:削量(m血D L) 一 を図3-a,bおよびCに示す. これらの図においてWA SNCM26, WA60KMV,速度比40 46LMVの砥石の場合は,研削量で9. 9×103mm3まで, 図2-a研削速度を変えた場合め砥石損 耗量と研削量との関係 切込み速度で1. 5mm/minまでしか示してないが,これ は一段上の切込み速度(2. Omm/min)では研削動力が 過大となってブレーキ音を発し,砥石の回転が停止しそ バ ご ﹂﹂︾﹂ うになったので研削を中止したためである. 図3一一aから,粒度60の砥石では結合度をKからしに 耀一 12 Vt;,A 6''1. TVIV ・] am }一一一e 、、へ46KMV v一一 いへ46LM㌧ ①一・・一Φ ノ t コ ?懸 マ) '' (⑪ thへbi置KMV 一・ lll・ 190{} 17{}0 8 冒甑 へ届)噸濯喪頃鍾 Y疹 エ 14 ♪←一一一。ウ( 溢 ノ/ 6 . . ・・終●. 軸鴨鱒 一 F1・ 一一一 ;) z・ttl 4 !i1E{ICLHmL一一 i2 14 x tu'' R繭量6(㎡)'{' ・・ 研削速度19uOm/min,速度比40 2 図3-a砥石を変えてSNCM26を研削した場 OLM'(:ib;M-T15一一一i''Tii-1. o l rs 2. o 2. 5 3・O 合の砥石損耗量と研削量との関係 切込み速度(㎜/min) SNCM26, WA60KMV. 速度比40 変えて硬くしても,砥石損耗量は大差なく,多少減少し 図2∴b研削速度を変え『た場合の研削抵 抗と切込み速度どの関係 Res. Rep. of Ube Tech. ている程度であるが,粒度を60から46に変えると砥石損 Coll. , /No;18 March, 1974 SNCM26回目びSCM21鋼の円筒プランジ研削について 15 WA60KMV WA60LMV ●一一一。つ WA46KMV b一一e WA46LMV ''一〇 o・一一一一一く) 8 をあらくした方が砥石損耗量は少くてすむといえる. 次に,接線方向の研削抵抗は研削砥石の種類によって 7 ◇ 6 一→46K一→46:しの1頂に大きくなっていることが図3暫り bよりわかる. また,図3∴aおよびbより,60Kおよび ア 『大差ないが,法線方向のそれは研削砥石の60K一→60 L ﹁、 重研削の場合には結合度を変えて硬くするよりも,粒度 / 耗量は格段に減少しているといえる. この点から見て, / 4 tl i 1 ∼ 3 ↑﹂\/﹂ /{ト・ro 伽・ ヨー. : ノ ・…● 9﹄ 16 1 P・g. ll. ・・一一!一一一e 。 f'' 14 O. 5 1. 0 1. 5 2. 0 2. 5 i{D一 切込み速度(m皿/min) 研削速度1900m/mm,速度Lt 40 仏沢 F,y 12 ⑪メ︸隼 m 瓢 8 6 腎迦 霞 4 WA6UKMV WA60LMV 図3-c砥石を変えてSNCM26を研削した o一一一〇 W A46KMV W A46LMV e…e- 場合の工作物表面あらさと切込み Gト・・一G 速度との関係 b-t おいては,e46の方は第1領域に近く(第2領域にある ノ /・Os馬 ' ノ〆'…一・一一 が)砥粒の脱落が少ないのに比べ講60の方は砥粒の脱 'zryr F r 落が多く,これらが工作物の表面を損傷して表面あらさ 2 o ee'7' 2 ,,A ,,p-i: 5 :一 ii を悪しくていると考える. 次に,この実験中における研削抵抗(FN成分)の時間 O. 5 1. 0 1. 5 2. 0 2,5 3. 0 切込み速度(㎜/min} 的変化の様子を示すと図4の通りである. 同図より第1 研削速度1900m/mln,速度比40 図3-b砥石を変えてSNCM26を研削した場 合の研削抵抗と切込み速度との関係 60 しの砥石が研削量:約8×103mm3(切込み速度1. 5mm 切込み速度WA60KMV WA60LMV 'WA46KMV WA461Mv 皿1偲5n1〔〔∫一∫ヘユ ,. ,nnnn /min)で臨界点に達するのに,46Kの砥石は研削量:約 12×103mm3(切込み速:度2. Omm/min)で臨界点に達 するので,そこまでは抵抗が直線的に増加することにな り,それ以上で比較的高い法線抵抗値となることは止む を得ないことであると考える. むしろ,切込み速度1. 5 ,. , ::欲卸 mm/minまでは46Kの法線抵抗が60しのそれと大差な いことを考えれば,重研削の場合には,結合度を硬くす るよりも,粒度をあらくした方が好ましいことを裏付け ているものと考える. 次に工作物表面あらさについて は,図3 一一。より,前に述べた緩一夕一緩の傾斜で表面 あらさが大きくなっているといえる. ここで特筆したい のは,切込み速度1. 5mm/minでは全般的にみて粒度め あらい#46の砥石の方が#60の砥石の方より工作物の表面 あらさが小さいことである. これは上述の切込み速度に 研削速度 1900m/min,速度比40 11繍}(分) 図4 砥石を変えてSNCM26を研削した場合の 研削抵抗(FN成分)の時間的変化 宇部工業高等専門学校研究報告 第18号 昭和49・年3月 16 横尾嘉道・瀬戸雅文・田戸 保 領域の臨界点に達する前(#60の砥石で切込み速度1. O ・函\ζ mm/min以下, e46の砥石で切込み速度1. 5mm/min以 tt 噂 下の時)の抵抗の値は漸増するものもありゴ漸減するも 二===念譲宏 3 2 のもあるが,大体において振ぼで定値を示す. つぎに第 2領域の臨界点近傍(砦60の砥石で切込み速度1. 5mm/ e ' 16 min,嗣6の砥石で切込み速度2. Omm/minの時)の抵抗 14 の値は全体的に漸減の傾向がある. また,第3領域の臨 界. 点以上(柘0の砥石で切込み速度2. Omm/mjn以上, /ク i2 546の砥石で切込み速度2. 5mm/min以上の時)・の抵抗値 /' 's ぎ10 して,後ではほぼ一定の値に落付いて行く傾向がある. /' WA6UKMV WA60LMV WA46KMV WA46LMV C4,9 砺 は研削開始とともec一一時大きな値になるが,急速に低下 聡8 竈 夢' 4 前述の条件にてSCM21を研削した場合の砥石損耗 量,研削抵抗ならびに工作物表面あらさの値を図5-a, ●…一。● 0一・一〇 Q一一・D ''. e k6 障 4. 2SCM21加工用研削砥石の比較 O一一一K) FT 2 bならびにCに示す. o O. 5 1. 0 1. 5 2. 0 2. 5 3. 0 切込み速度(m/min) 研削速度1900皿/min,速度比40' 図5-aからわかるごとく,SごM21を研削した場合の VL, A60 KTVTV ) lli, 図5-b砥石を変えてSCM21を研削した場合の 圓 WA60LMV e一一e ''t A46 Kl IV ''' A461H. MV 研削抵抗と切込み速度との関係 v-t Gト・。くD 一 8 Vt, A60 U V e一一一e 1 Wへ46KMV ''一〇 WAa6LMV ろ/ ヨ 図5-a砥石を変えてSCM21を研削した場合の o一一一〇i ''一一 ' 鴨㌔一● ぐ 研削速度19{IOm/mln,速度比4() 砥石損耗量はSNCM26を研削した時と傾向は似ている ダ 砥石損耗量と研削量との関係 a 1 が,後者に比べて臨界点は右に寄っており,第1領域に Dahlin氏ら5)が示す りO. 5 1. 0 1. 5 2. U 2. 5 3. U ように,前者が後者よりも硬度が低い点に原因があると 切込み速度(㎜/min) 研削速度190(lm/min,速度比40 思われる. しかし,臨界点を過ぎると砥石損耗量はSN 図5-c砥石を変えてSCM21を研削した場合の CM26より急速に増大する傾向がある. 工作物表面あらさと切込み速度と関係 つぎに,図5-bからわかるごとく,SCM21を研削し た場合の研削抵抗もSNCM26の時とほとんど変らない が,どちらかといえば前者の法線抵抗が全般的に小さ い. 工作物表面あらさについても,図5-cからわかるご とく,SNCM26を研削した場合と大差ないが, WA46K Res. CN)1 曾伊/ 0∠4n810正Z 1481〔ド 研 削 量(田nD はいる範囲が広い. これはR。A. VL, A60 Kr,VIV にり (莱娼鑑)拘O縄魑窺§''︸口, ソ一 !!﹂ 4 ' β!Φ1ノ P ,グ. ズ ^ E目)鯉四妬眠師ゆ曽略 L﹁1一量一﹂﹁I﹂﹁IIl-r 8 ( Rep. of Ube Tech. 砥石の切込み速:度2. 5および3. Omm!minの場合にかな り大きい値を示しているのが目立つ. これについては scM21の延性が大であることが原因ではないかと考え る. Coll. , No. 18. March, 1974 ダ SNCM26およびSCM21鋼の円筒プランジ研削について 17 砥石の減耗は主として脱落摩耗に支配されて砥 5. 論 結 石の損耗は多く,切込み速度の増加につれて急増 WA砥石によってSNCM26およびSCM21の円筒ブラ ンジ研削を行った本実験で得られたおもな結果はつぎの する. 研削抵抗は両分力ともにゆるやカ・に増加す る. 工作物表面あらさは,第2領域の憩増後,一 般的にゆるやかな増加お続ける. 通りである. ① 本実験で行った範囲内では,加工条件としては研 なお,本研究は精機学会の鉄鋼材料の重研凱に関する 削速度1900m/min,速度比40の時が砥石損耗量:は 研究分科会の共同研究の一部であり,本分科会の主査熊 最も少ない. 本大学工学部松尾哲夫教授はじめ各委員の方々の御指導; (2)SNCM26ならびにSCM21のいつれの場合も,研 の賜であり,ここに感謝の意を表します. まセ,本実験 削砥石としてはWA46KMVが最もよいように思わ に材料の提供その他で種々ご便宜を与えて下さいました れる. 三菱製鋼長崎製鋸所,住:友金属工業小倉製銀所クレト (3)切込み速度を変えて研削を行った場合,砥石損耗 量,研削量ならびに工作物表面あらさはつぎの3つ イシ株式会社ならびに日本陶器小倉営業所のこ好意に深 く感謝します. の領域に区別することができる. 参 (i)第1領域 砥石の減耗は主として摩滅摩耗や破砕摩耗に支 配されてその損耗量は少なく,切込み速度に比例 して増加する. ・研削抵撹は接線・法線両分力とも に切込み速度に比例して増加する. 工作表面あら さは切込み速度の増加とともにゆるやかに増加す 考 丈 献 1)研削加工研究会:研削加工条件に関する謀;査結果, 技研所報,7,5(昭妬)163. 2)横尾,瀬戸,田戸:研削性能に及ぼす入直し速度の 影響,精密機械,36,9(1970)645. 3)渡辺半十:砥石の結合度に関する研究 (第1報), 精密機械,27,1(1961)8. る. (ii) 第2領域 4)佐々木,岡村,宮島:砥粒の切削機構について(第 砥石の減耗は摩滅摩耗や破砕摩耗から脱落摩耗 へ変換する区間で,砥石の損耗量も急変し,研削 2報),日本機械学会論文集,29,199(昭38)533. s) R. A. Dahlin, W. R. Backer: Cylindrical 抵抗も第1領域の比例関係が失われる. 工作物表 Abrasive Machining, Machinery, (10s5) 8一一11, 面あらさは急激に大きくなる. p. 310. (jii)第3領域 宇部工業高等専門学校研究報告 第18号 昭和49年3月