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ボールねじの特長

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ボールねじの特長
510J
特長と分類
ボールねじ
ボールねじの特長
すべりねじに比べ駆動トルクが1/3になる
ボールねじは、ねじ軸とナット間でボールが転がり運動をするので高い効率が得られ、従来のすべり
ねじに比べ駆動トルクが1/3以下になります。
(図1、図2)従って回転運動を直線運動に変えること
だけでなく、
直線運動を回転運動に変えることも容易にできます。
100
80
90
μ=0.01
80
ボールねじ
ボールねじ
70
逆効率 η 2
(%)
60
50
1
0.
0.2
μ=
30
μ=
20
10
10
すべりねじ
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
リード角
(° )
リード角
(° )
図1 正効率
(回転→直線)
図2 逆効率(直線→回転)
【リード角の算出】
Ph
π • dP

:リード角
dP
:ボール中心径
(mm)
Ph :送りねじのリード
(mm)
B15-6
40
30
すべりねじ
20
50
1
40
60
0.
正効率 η 1
(%)
70
tanβ =
.003
5
.00 μ =0.01
μ =0
μ =0
μ=
90
100
.003
05
0.0
μ=
μ =0
()
510J
特長と分類
ボールねじの特長
【推力とトルクの関係】
推力またはトルクを与えたときの発生トルクまたは発生推力は(1)∼(3)式により求められます。
●推力を得るための駆動トルク
T=
Fa • Ph
2π • η 1
T
:駆動トルク
………
(1)
Fa:摩擦抵抗
(N・mm)
Fa :案内面の摩擦抵抗
(N)
Fa=×mg
m:質量
T:駆動トルク
 :案内面の摩擦係数
送りねじ
(9.8m/s2)
g :重力加速度
m :搬送物の質量
(kg)
Ph :送りねじのリード
(mm)
1 :送りねじの正効率
(B15-6 図1参照)
案内面
●トルクを与えたときの発生推力
Fa =
2π • η 1 • T
Ph
………(2)
T
ボールねじ
Fa :発生推力
(N)
:駆動トルク
(N・mm)
Ph :送りねじのリード
(mm)
1 :送りねじの正効率
(B15-6 図1参照)
●推力を与えたときの発生トルク
T=
T
Ph• Fa
2π• η 2
………
(3)
:発生トルク
Fa :入力推力
(N・mm)
(N)
Ph :送りねじのリード
(mm)
2 :送りねじの逆効率
(B15-6 図2参照)
B15-7
510J
駆動トルク算出例
質量500kgのものを有効径:33mm、リード:10mm(リード角:530´)のねじで動かすのに必要なトルクは
つぎのようになります。
転がり案内(=0.003)
ボールねじ(=0.003より効率 =0.96)
Fa:摩擦抵抗
(14.7N)
m:質量
(500kg)
T:駆動トルク
(24N・mm)
送りねじ
(ボールねじ
効率η = 96%)
案内面
(転がり
:摩擦係数μ= 0.003)
案内面の摩擦抵抗
駆動トルク
Fa=0.003×500×9.8=14.7N
T=
14.7 × 10
2π × 0.96
= 24 N • mm
転がり案内(=0.003)
すべりねじ(=0.2より効率 =0.32)
Fa:摩擦抵抗
(14.7N)
T:駆動トルク
(73N・mm)
m:質量
(500kg)
送りねじ
(すべりねじ
効率η = 32%)
案内面
(転がり
:摩擦係数μ= 0.003)
案内面の摩擦抵抗
Fa=0.003×500×9.8=14.7N
B15-8
駆動トルク
T=
14.7 × 10
2π × 0.32
= 73 N • mm
510J
特長と分類
ボールねじの特長
高精度を保証する
ボールねじは厳しく温度管理された工場で、最高水準の設備機械によって研削され、組立、検査に至
るまで徹底した品質管理体制のもとで精度保証されています。
レーザによる自動リード測長機
10
0
+MAX a = 0.9
長さ
(mm)
0
100
200
300
400
500
‒MAX a = ‒0.8
‒10
ACCUMULATED LEAD
‒20
図3 リード精度測定データ
[条 件]
使用形番:BIF3205‒10RRG0+903LC2
表1 リード精度測定データ
項 目
規格値
単位:mm
実測値
方向性目標値
0
̶
代表移動量誤差
0.011
‒0.0012
変 動
0.008
0.0017
B15-9
ボールねじ
リード誤差
(μ m)
20
510J
微動送りができる
ボールねじはボールによる転がり運動のため起動トルクが極めて小さく、すべり運動のようにス
ティックスリップを起こさないので、正確な微動送りができます。
移動量
(μ m)
図4はボールねじで1パルス0.1m送りをさせたときの移動量です。
(案内面はLMガイド使用)
0.2μ m
時間
(s)
図4 0.1m送りの移動データ
B15-10
510J
特長と分類
ボールねじの特長
バックラッシがなく剛性が高い
ボールねじは、予圧を与えられるので、予圧により軸方向すきまをゼロ以下にでき、高い剛性が得ら
れます。図5で軸方向荷重を(+)方向に加えるとテーブルは(+)側に変位します。また軸方向荷重を
逆(−)方向に加えるとテーブルは(−)側に変位します。軸方向荷重と軸方向変位量の関係を図6に示
します。図6よりわかるように、軸方向荷重の方向が変わると軸方向すきまが変位量として表れます。
また、軸方向すきまゼロに対してボールねじに予圧を与えると、剛性が高くなり軸方向変位量が小さ
くなります。
軸方向変位量
ー
( )
(+)
軸方向荷重
(+)
ー
( )
ボールねじ
図5
(+)
軸方向変位量
ー
( )
0.02
きま:
向す
方
0
軸
きま:
向す
)
×Ca
軸方
1
.
(0
荷重
圧
予
(+)
軸方向荷重
ー
( )
図6 軸方向荷重に対する軸方向変位量
B15-11
510J
高速送りができる
ボールねじは効率が高く発熱が小さいので、高速送りができます。
【高速例】
大リード転造ボールねじを使用し2m/sで使用した場合の速度線図を図7に示します。
[条 件]
項 目
内 容
試料
大リード転造ボールねじ
WTF3060
(軸径30mm、リード60mm)
最高速度
2m/s
(ボールねじ回転数:2000min-1)
案内面
LMガイド SR25W
速度
(m/s)
2
0
2000ms
時間
(ms)
図7 速度線図
B15-12
510J
特長と分類
ボールねじの特長
【発熱例】
図8の動作パターンでボールねじを使用した場合のねじ軸の発熱データを図9に示します。
[条 件]
項 目
内 容
試料
ダブルナット精密ボールねじ
BIF4010-5
(軸径40mm、リード10mm、予圧荷重2700N)
最高速度
0.217m/s(13m/min)
(ボールねじ回転数:1300min-1)
低速度
0.0042m/s(0.25m/min)
(ボールねじ回転数:25min-1)
案内面
LMガイド HSR35CA
潤滑剤
リチウム系グリース(2号)
t1 = 0.2
t2 = 1.4、1.3
t3 = 0.2
(1)
(1)
(2)
時間
(s)
0.0042m/s
t1
t2 = 1.4
1.9
t3 0.1
15.9
t = 19.6 × 3回
t1
t2 = 1.3
ボールねじ
t3
図8 動作パターン
30
温度
(℃)
速度
(m/s)
0.217m/s
25
20
0
30
60
90
120
150
180
時間
(min)
図9 ボールねじ発熱データ
B15-13
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