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第2四半期 - NHKオンライン

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第2四半期 - NHKオンライン
平成20年度
第2四半期業務報告書
平成20年度四半期業務報告
目次
3
1 財務状況(貸借対照表、損益計算書)
財務状況(貸借対照表、損益計算書)
2 予算・事業計画の執行状況(事業収支)
3
5
事業収入
(1)受信料
6
(2)その他の収入(副次収入など)
8
事業支出
(1)国内放送(地域放送含む)
9
“NHKだからできる”放送を通して放送の公共的役割を追求
9
24
地域放送充実への取り組み
(2)国際放送
27
国際放送による海外への情報発信の強化
(3)契約収納
30
受信料の公平負担に向けた契約収納活動の強化と経費の節減
(4)調査研究
33
新たな放送サービスの開発や放送の発展に向けた調査研究の推進
(5)管理関係
37
(6)人件費
37
(7)減価償却費等
37
(8)建設費、その他特記事項
38
(参考)主な設備契約の状況
38
地上デジタル放送の普及促進
39
視聴者のみなさまとの結びつきの強化
41
信頼される公共放送のための業務運営の改革
50
子会社等の改革
53
(9)番組アーカイブ業務(区分経理)
56
(10)受託業務等(9条3項業務
56
区分経理)
57
3 地域放送局の取り組み
2
1
財務状況(貸借対照表、損益計算書)
( 一 般 勘 定 )
貸 借 対 照 表
資産の部:現金預金・有価証券の105億円増加などにより、流動資産は135億円増加の2,007億円と
なっている。また、長期保有有価証券が175億円増加した一方で、減価償却などにより
有形・無形固定資産が208億円減少し、固定資産は6億円減の5,866億円となっている。
以上により、資産合計は128億円増加した7,981億円となっている。
負債の部:建設費関連の未払金が年度末に大きくなる傾向にあることから、その他の流動負債が
356億円減少し、流動負債は270億円減少した1,813億円となっている。一方で、放送法
施行規則の改正に伴う国際催事放送権料引当金の固定区分への振り替えなどにより、
固定負債は199億円増加した738億円となっている。
以上により、負債合計は71億円減少した2,552億円となっている。
純資産の部:事業収支差金が199億円発生し、5,429億円となっている。
国内放送費の増大などに伴い、事業収支差金は減少しているものの、引き続き黒字であるため
純資産は増加している。そのため、自己資本比率は上昇し、財務状態は安定している。
(貸借対照表)
(単位 億円)
前年度決算額
区 分
20年9月末
増 減 額
前年同月末
( 資 産 の 部 )
1,872
2,007
135
1,820
現金 預金 ・ 有価 証 券
受 信 料 未 収 金
1,628
41
1,733
86
105
45
1,548
90
そ の 他 の 流 動 資 産
固
定
資
産
202
5,872
188
5,866
△ 14
△ 6
180
5,684
流
動
資
産
有形 ・無 形 固定 資 産
4,329
4,121
△ 208
4,196
長 期 保 有 有 価 証 券
1,436
1,611
175
1,380
出
資
そ の 他 の 固 定 資 産
106
0
108
24
2
23
107
0
108
108
108
108
-
82
82
計
7,853
7,981
128
7,586
債
2,084
1,813
△ 270
1,968
金
7
1,173
1,267
△ 7
94
1,230
そ の 他 の 流 動 負 債
902
546
△ 356
737
特
定
資
産
放 送 債券 償 還 積 立 資 産
資
流
産
合
( 負 債 の 部 )
動
負
1年 以内に返済する長期借入金
受
信
固
料
定
前
受
負
債
◎
539
738
199
505
放 送 債券 ・ 長 期 借 入 金
退 職 給 付 引 当 金
263
263
263
260
△ 2
270
221
国 際 催 事放 送 権 料引 当 金
-
201
201
-
そ の 他 の 固 定 負 債
負
債
合
計
( 純資産 の 部 )
承継資本・固定資産充当資本
剰
純
余
資
産
金
合
計
負 債 ・ 純 資 産 合 計
◎
12
12
0
13
2,623
2,552
△ 71
2,473
4,296
932
5,229
4,305
1,124
5,429
8
191
4,296
816
5,113
(66.6%)
(68.0%)
7,853
7,981
199
128
(67.4%)
7,586
(100.0%)
(100.0%)
(100.0%)
◎放送法施行規則の改正により、一部の科目について区分が変更された。
差入保証金:流動資産→固定資産 国際催事放送権料引当金:流動負債(未払金)→固定負債
3
損 益 計 算 書
経常事業収入:契約総数・衛星契約の増加に伴い、受信料収入が44億円増加したことなどにより、経常
事業収入は47億円増の3,495億円となっている。
経常事業支出:国内放送費については、前年度決算時に翌年度番組関係費の範囲を拡大したことに伴い29
億円増加した他、北京五輪関係の経費として25億円計上したことなどにより、69億円増加
している。さらに、地上デジタル放送への移行などに関連する建設費予算の増大に伴い、
減価償却費が17億円増加している。
これらの結果、経常事業支出は92億円増の3,278億円となっている。
経常収支差金:上記の結果、経常事業収支差金が45億円減少したが、関連団体からの配当収入が大幅に増
加したことなどにより、経常収支差金は30億円減の211億円にとどまっている。
事業収支差金:固定資産の売却件数が年度前半に少なかったため、9月時点の特別収入は23億円減少した
2億円にとどまっている。また、秋田放送会館移転に伴う除却損の計上などにより特別
損失が6億円増加し、事業収支差金は59億円減の199億円となっている。
(損益計算書)
(単位 億円)
区
経
経
業
収
経
常
事
業
外
収
支
経
特
別
収
支
事
業
収
信
付
副
金
収
次
常
収
事
業
支
20年9月末
実 績 額
増 減 額
増減率・%
前年度
決算額
入
3,448
3,495
47
1.4
6,847
料※
3,387
3,431
44
1.3
6,729
入
14
16
2
17.7
26
入
47
47
0
0.9
92
出
3,185
3,278
92
2.9
6,416
国
内
放
送
費
1,280
1,350
69
5.4
2,598
国
際
放
送
費
37
43
5
14.0
78
契
約
収
納
費
296
293
△ 3
△ 1.2
612
調
査
研
究
費
26
31
4
16.6
78
管
理
関
係
費
79
84
4
10.6
166
費
907
909
1
0.2
1,784
費
346
363
17
5.1
679
未収受信料欠損償却費
210
203
△ 6
△ 3.3
417
経 常 事 業 収 支 差 金
263
217
△ 45
等
54
83
費
76
経 常 事 業 外 収 支 差 金
人
減
支
事
受
経
事
分
常
交
常
前年同月末
実 績 額
財
件
価
務
財
常
償
収
却
入
務
収
支
差
金
-
431
28
52.3
85
89
13
17.5
154
△ 21
△ 6
15
-
△ 69
241
211
△ 30
-
361
特
別
収
入
25
2
△ 23
△ 90.7
41
特
別
支
出
7
13
6
81.0
28
259
199
△ 59
-
375
業
収
支
差
金
※受信料(損益計算書)=受信料(事業収支)+未収受信料欠損償却費(損益計算書)
4
2
予算・事業計画の執行状況(事業収支)
予算の執行状況
【事業収入】
・受信料収入は、契約総数、衛星契約ともに増加し、前年度を51億円上回って推移している。
・関連団体からの配当収入の増により財務収入が伸びている。
・特別収入は、固定資産の売却件数が年度前半に少なかったため、計理率が低くなっている。
【事業支出】
・国内放送費は、翌年度番組関係費の範囲の拡大等により前年度を上回って推移している。
・国際放送費は、年度後半より英語化率100%の編成を実施、調査研究費はデジタル化関連調査を
年度後半を中心に実施するため、ともに低い計理率となっている。
・特別支出は、会館移転やデジタル関連設備更新に伴い発生した除却損などにより、高い計理率
となっている。
( 事 業 収 支 )
区
事
(単位 億円)
業
予算残額
計理率
前年同月末
計理率
入
6,575
3,378
△ 3,196
51.4%
52.3%
料
6,350
3,228
△ 3,122
50.8%
51.8%
交 付 金 収 入
33
16
△ 16
49.8%
54.8%
入
100
47
△ 53
47.1%
46.7%
財 務 収 入 等
63
83
20
132.4%
116.2%
特
入
26
2
△ 24
8.8%
56.9%
出
6,472
3,178
3,294
49.1%
48.5%
国 内 放 送 費
2,774
1,350
1,424
48.7%
47.7%
国 際 放 送 費
111
43
67
38.9%
44.2%
契 約 収 納 費
590
293
297
49.7%
50.1%
調 査 研 究 費
92
31
61
33.6%
37.0%
管 理 関 係 費
179
84
95
46.9%
46.1%
費
1,802
909
893
50.4%
49.7%
減 価 償 却 費
718
363
354
50.6%
51.3%
財
費
149
89
60
59.9%
52.6%
出
22
13
9
59.5%
31.8%
費
30
0
30
0.0%
0.0%
事 業 収 支 差 金
102
199
97
-
-
受
副
事
信
次
人
予
収
別
業
特
収
9月末
実績額
予算額
分
収
支
件
務
別
支
備
5
事
業
収
入
(1)受信料
受信料収入状況
・受信料収入は、契約総数、衛星契約ともに増加していることや、欠損償却費が6億円
下回っていることから、前年度を51億円上回って推移している。
(単位 億円)
区 分
19年度
受信料収入(A)
〔 損益計算書・債権額 〕
〔 事 業 収 支 〕
増減額
3,387
3,431
44
210
203
△ 6
3,176
3,228
欠損償却費(B)
受信料収入(A-B)
20年度
※
51
受信料収納額の期別推移
(単位 億円)
1100
1083
1070
1080
1052
1060
1044
1040
1020
1053
1055
1023
1055
1034
1030
1019
1003
1000
1008
1000
980
976
960
940
920
9000
1期
2期
※受信料収入=受信料収納額(
〔事業収支〕
3期
4期
)+3期末での未収額
6
5期
6期
18年度
19年度
20年度
受信料契約状況
・契約総数は、前年度の実績を下回るものの、年間目標の50%以上を確保している。
・衛星契約は、北京オリンピックの効果などもあり、前年度の実績を上回っている。
・未収数は、郵便による文書請求などにより、19年度末から5万件削減しているものの
目標の未収削減30万件に対して進捗に遅れが生じている。
(単位 万件)
20年度
年間目標 9月末累計 達成率
19年度
年間目標 9月末累計 達成率
区 分
契 約 総 数
20
19.5
97.6%
25
13.2
52.8%
衛 星 契 約
40
24.4
61.0%
45
24.6
54.7%
契約総数・衛星契約の対前年度増減数の推移
【契約総数】※
(単位 万件)
30
25
目標25万件
⑲9月末 19.5万件
⑱9月末 ▲0.9万件
20年度
20
⑲ 22.3万件
19年度
15
18年度
10
⑳9月末 13.2万件
5
0
⑱ 0.3万件
△5
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
【衛星契約】※
2月
3月
(単位 万件)
60
50
目標45万件
20年度
40
⑲49.5万件
⑲9月末 24.4万件
⑱9月末 16.9万件
19年度
⑳9月末 24.6万件
18年度
30
⑱37.4万件
20
10
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
※有料件数
未収数の状況
20 年 9 月末
263 万件
(19 年度末 268 万件に対して
7
△5 万件)
(2)その他の収入
(単位 億円)
区
分
予算額
交 付 金 収 入
9 月末実績額
計理率・%
備
考
33
16
49.8
国からの交付金 等
副
次
収
入
100
47
47.1
放送番組の活用収入 等
財
務
収
入
58
72
124.8
出資に対する配当金 等
入
5
11
221.3
前々年度以前受信料の
回収 等
入
26
2
8.8
雑
特
収
別
収
固定資産売却益 等
<その他収入の状況>
【財務収入】
関連団体からの配当収入により、予算を上回る収入となっている。
20 年度・・・53.0 億円 19 年度・・・18.5 億
【雑収入】
前々年度以前受信料の回収が順調であるため、予算を上回る収入となっている。
前々年度以前受信料・・・9.4 億円
8
事
業
支
出
(1) 国内放送
(単位
予算額
国
内
放
送
費
9 月末実績額
計理率・%
1,350
48.7
2,774
備
億円)
考
“NHKだからできる”放送を通して放送の公共的役割を追求
7 月から 9 月にかけては、北海道洞爺湖サミット関連の報道、北京オリンピック、北京
パラリンピックの放送、様々な夏の特集番組などを中心に多彩な番組を放送した。
夏の大会としてアジアで 20 年ぶりの開催となった北京オリンピックは、17 日間の期間
中、全 28 競技の熱戦をテレビ、ラジオ、インターネットなどを通じてしっかりと伝えた。
日本と北京の時差は 1 時間、日本時間の日中から夜間にかけて注目の競技が行われたこと
もあり、視聴者の高い関心をよんだ。
7 月中旬から 8 月中旬には、総合、教育、衛星、音声の各波で夏の特集番組を放送し、
オリンピックだけでなく幅広い内容で視聴者の期待に応える編成を実施した。
(各波の夏の特集編成のポイント)
【総合テレビ】
“平和・核・戦争関連など公共放送の存在感を示す番組”、
“定時番組のスペ
シャル版”、“新年度の午後 10 時台を目指す開発番組”
【教育テレビ】
“語学番組、趣味実用番組のスペシャル版”、
“新しいタイプの福祉番組、教
養番組の開発”
【BSハイビジョン】
“北京オリンピック競技中継”、“戦争と平和”関連の特集、“季節感
たっぷりの中継番組”
【衛星第 1】“核”関連のドキュメンタリー
【衛星第 2】“とことんエンターテインメント&スペシャル!”アニメ・ライブ・映画
【音声波】
“戦争と平和”関連の特集、
“夏休み子ども科学電話相談”
“ビッグアーティスト”
7 月から 9 月の総合テレビ ゴールデンタイムの平均世帯視聴率は 14.5%(前年同期
12.5%、今年度第1四半期 12.7%)と好調であった。
「NHKニュース7」
「ニュースウオ
ッチ9」
「篤姫」
「ダーウィンが来た!」
「NHK歌謡コンサート」などのニュースや番組が
よく見られたとともに、夏期特集、北京オリンピックがよく見られたことなどが要因。ま
た、上半期(3/31~9/28)のゴールデンタイム(午後 7 時~10 時)の平均視聴率(関東地
9
区)が、13.6%となり、NHKが民放をおさえて第1位となった。
9 月に行ったNHKの放送に対する「放送評価調査」
(NHK放送文化研究所)によれば、
社会貢献(58%)と信頼(58%)の項目は前年度の平均(62%、61%)同様高いが、親しみ
(43%)は前年度平均(48%)より低い。
幅広い世代に親しまれる多彩な番組
(主な実績)
・ “平和・核・戦争関連番組”
NHKスペシャル「見過ごされた被爆」(8/6)、「果てなき消耗戦 証言記録 レイテ決
戦」(8/15)、
「調査報告 日本軍と阿片」(8/17)、広島発特集ドラマ「帽子」(8/2)、B
S世界のドキュメンタリー「シリーズ・核の時代」(7/14~18)、
「シリーズ・20世紀
“核”の内幕」(7/21~24)
・ “定時番組のスペシャル版”
「特集 NHK歌謡コンサート」(8/5)、「鶴瓶の家族に乾杯スペシャル」(7/28)、
「プロフェッショナル 仕事の流儀 スペシャル 宮崎駿のすべて
~「ポニョ」密着300日~」(8/5)
・ “新年度の午後 10 時台を目指す開発番組”
「歴史秘話ヒストリア」(7/23)、「今宵ゴージャス!」(7/29)、「たった一人の反乱」
(7/30)、「アレ今どうなった?」(7/31)、「うわさのプロファイリング」(8/1)
・ “語学番組、趣味実用番組のスペシャル”
「加油!北京オリンピック 体あたり中国語」(7/25)、
「きわめる!韓流・ドラマ徹底
解剖」(7/26)、「リトル・チャロ ケータイで試そうあなたの英語力」(7/27)
・ “新しいタイプの福祉番組、教養番組”
「今夜はつながりたい」(7/28)、
「fukushi調査団がゆく」(7/29)、
「CHAN
GING 変える人」(7/30)、
「名作探偵KOTEN」(7/28)、
「傑作のススメ」(7/29)、
「特命ミッション ガリレオ」(7/26)
・
“とことんエンターテインメント&スペシャル”
「BSアニメ夜話スペジャル とことん!ルパン三世」(7/28~31)、「BSまるごと
大全集 作詞家・阿久悠の世界」(8/17)、「輝け!部活~にっぽん熱中クラブスペシ
ャル」(8/9)
・ 北京オリンピックは、柔軟な編成で、人々の関心の高い競技を数多く放送した。
(詳細は後述)
・ 10 代の子とその母をターゲットにした「ドラマ8」、深夜0時台の若年層向け番組
10
ゾーン「EYES」に続き、平日夜 10 時台の視聴者拡大をめざす番組を放送した。
・ 番組の質的な側面を計る指標を開発するため、
「番組の質的 WEB 調査」
(9/15~21)を
実施、総合夜間の定時番組の視聴理由や視聴継続意向などを把握。
(評価)
・ 7 月から 9 月の総合テレビ ゴールデンタイムの平均世帯視聴率は 14.5%(前年同期
12.5%、今年度第1四半期 12.7%)と好調であった。このため、今年度上半期(3/31
~9/28)のゴールデンタイム(午後 7~10 時)の平均視聴率が 13.6%(関東地区)で
第 1 位となった。
・ 夏の特集期間(7/28~8/7)の平日平均世帯視聴率(午後 7 時台 14.7%、9時台 13.2%)
は、この5年間で最も高い値となり、午後 10 時台も前年度よりやや上向いた(5.9%
→6.9%)。番組としては、「特集 NHK歌謡コンサート」(視聴率 18.7%・広がり指
数※1 154)、
「鶴瓶の家族に乾杯スペシャル」(16.8%・141)、「プロフェッショナル 仕
事の流儀 スペシャル 宮崎駿のすべて ~「ポニョ」密着300日~」(11.4%・261)
など、定時番組のスペシャル版がよく見られた。
・ 通常番組では、第1四半期に引き続き、大河ドラマ「篤姫」が好調で、番組の最高視
聴率を更新(27.7%、8/17)した他、「NHK歌謡コンサート」19.0%(7/8)、「鶴瓶の
家族に乾杯」17.5%(7/14)、
「NHKスペシャル 幻のサメを探せ」14.7%(8/31)など
がよく見られた
・ 「ドラマ8」の第2シリーズ「乙女のパンチ」は、前作(「バッテリー」)と比較して
世帯視聴率は上向いたものの(7.9%→8.7%)
、20 才未満男性の視聴率は低下、幅広
い年層への視聴の広がりという点では後退した。
・ 若年層向け番組ゾーン「EYES」は、まだ視聴率では成果は現れていないが、ホー
ムページ投稿数や海外展開など、放送外での反響が大きい。
「テレ遊び パフォー!」世帯視聴率平均 2.6%(第1四半期 2.0%)
*アクセス数:一日平均 332,369 ページビュー(第1四半期 197,807 ページビュー)
*作品投稿数:一日平均 10.6 件(第1四半期 17.6 件)…第1四半期は 4 月スタート
時に殺到した 1,000 件あまりの影響が大きい。
「東京カワイイ★TV」世帯視聴率平均 3.0%(第1四半期 3.4%)
*海外展開:香港TVBで 7 月 6 日から放送開始。中国・上海教育テレビで 10 月中
の放送開始に向け契約準備中。香港キャセイパシフィック機内放送でも
10 月末から放送開始。その他、イギリス、シンガポール、タイ、イン
ドネシア、ブラジルの放送局からオファーが寄せられている。
・ BSハイビジョンの“戦争と平和”関連の特集番組については、
「オリンピックが盛り
上がっているなか、夜間の視聴好適時間帯に集中編成を行うなど際立った存在感があ
11
った」など、多くの視聴者から編集方針を評価する声が寄せられ、昨年を上回る数の
反響(411 件→491 件)があった。8 月 16 日(土)付けの毎日新聞夕刊でも“BSハ
イビジョンという波を、改めて評価したい”という記事が掲載された。
・ 「番組の質的 WEB 調査」の結果は編成改定のための基礎データとした。
また、視聴者層拡大の状況をはかる「広がり指数」については検証を継続中。
※1“広がり指数”
「これまで見られていない年層にどれだけ見られたか」を知る指標として開発中。高齢層に偏っ
ている年度平均の年層別視聴率に対して、当該番組の年層別視聴率がどの程度偏りを是正してい
るかを得点化したもの。100 を基準とし、100 より値が大きいか小さいかが目安となる。数値が
大きいほど、これまで見られなかった視聴者層を取り込んでいることになる。
(課題・今後の取り組み)
・ 平日夜 10 時台の開発については、開発番組と既存番組のグループインタビューを通じ
て番組の内容を検討、21 年度改定に反映させる。
・ 10 月 6 日~11 日深夜まで、EYESゾーンで新規開発番組を集中編成。反響を分析し
次年度以降の展開を検討する。
・ “戦争と平和”関連特集は質、量ともに十分な放送ができた。来年度も継続する。こ
れらの特集番組の中で、テレビとラジオで同時放送番組では、ラジオでの放送開始が
深夜時間帯になったことから、今後はラジオの聴取者にも配慮し編成を検討する。
オリンピック北京大会およびパラリンピック放送の実施
(主な実績)
北京オリンピックの大会は8月8日から24日まで。17日間にわたって全28競技をハイビ
ジョン制作し、地上波、衛星波で放送した。(一部の競技は8月6日から競技開始)
【地上波】総合テレビを中心に放送。注目競技は、その進行に合わせて中継を教育テ
レビにスライドするなど、柔軟な編成で日本選手の活躍を伝えた。放送実
績225時間15分(うち教育7時間30分)。
【衛星波】BS1では全28競技を取り上げた。放送実績352時間40分。BSハイビジョ
ンでは競技の状況が一目で分かるデータ放送と連動して競技を中継した。
放送実績75時間2分。
【音声波】R1で野球全試合を中継した他、注目種目を柔軟に編成し放送した。放送
実績124時間21分。
・ オリンピック全放送の視聴率トップ10のうち9番組をNHK総合が占めた。上位5番組
については幅広い年層で見られた。
・ 現地の競技結果の速報データを東京に伝送し、ワンセグやNHKオンライン、NHK
の携帯サイトでもリアルタイムに五輪競技の情報をサービスした。このうちインター
ネットの北京オリンピック放送の情報サイト「NHK 北京オリンピックオンライン」
12
には、一日で最高189万ページビューと、平日のニュースの2~3倍のアクセスがあり、
期間中のトータルは1,690万ページビューにのぼった。
・ 体操・新体操・トランポリンの国際信号制作、NHKユニ番組の制作を行った。
・ 五輪では初めて全競技をハイビジョン、音声5.1サラウンドの国際信号で制作するた
め、BOB(北京オリンピック放送機構)の要請で、技術職員2名を北京に派遣し、
各国五輪放送関係者に技術指導。五輪初の全競技ハイビジョン、5.1サラウンド制作
を成功させた。
※ パラリンピック放送については次項「“ともに生きる社会”の実現をめざす番組
の充実」。
(評価)
・ 北京オリンピックの世帯視聴率トップ10(全局)
① 開会式 37.3%
② ソフトボール決勝 30.6%
③ 女子マラソン 28.1%(日本テレビ)
④ 野球予選 日本対キューバ 27.0%
⑤ 女子レスリング63キロ級表彰式、72キロ級3位決定戦 26.0%
⑥ 柔道女子78キロ超級、男子100キロ超級決勝 25.4%
⑦ 閉会式 25.1%
⑧ 女子レスリング48キロ級表彰式、55キロ級決勝 24.9%
⑨ 女子レスリング72キロ級決勝 22.8%
⑩ 野球予選 日本対アメリカ 22.4%
・ NHKの北京オリンピック電話調査では、「編成への感想」として、「ナマ中継によ
り、競技の結果を早く知ることができて、よかった」79%、「競技のハイライトが見
やすい時間に放送されたのでよかった」71%、「ニュースやハイライト放送で感動の
場面を何回も見ることができて、よかった」70%、などの意見が多かった。(実施日:
8/25~28)
・ 高視聴率の要因としては、次の三つが考えられる。
①毎日視聴好適時間帯にオリンピックを集中編成した。
②日本人選手にメダルが期待される注目種目を優先して選択、その多くが的中した。
③優先種目以外でも、直近に決まる試合時間の決定やトーナメントの勝ちあがりに
素早く対応し柔軟に編成した。
・ インターネット等での情報提供に多くのアクセスがあった。
【PC】
…インターネットの「NHK北京オリンピックオンライン」の動画ニュースは、
13
一日平均120万アクセスという高い人気を集め、視聴者の動画ニーズが強いこと
を改めて裏付けた。
【ワンセグ・携帯】
…ワンセグデータ放送は今回のオリンピックで初めて実施。一次リンク(通信)
のアクセスは、最高21万と紅白歌合戦当日に匹敵。
…携帯サイトは甲子園サイトには及ばなかったものの、日本選手の活躍が目立っ
た8月11日から19日にかけて毎日40万~50万アクセスが集中し、期間中合わせて
634万アクセスを獲得した。
【データ放送】
…具体的なアクセス数等のデータは集計できないが、モニター報告などでは「情
報量が豊富」
「必要な情報が探しやすい」などの好評意見が多い反面、コンテン
ツのサイズが大きくなり、結果的にコンテンツの起動や表示が遅いという指摘
も寄せられた。
・ コンテンツの制作は、データ放送、インターネット、ワンセグ、携帯サイトの制作機
能を東館8階の1室に集約して効率的な運用をはかった。
・ ハイビジョン関係の技術協力については、IOC(国際オリンピック委員会)からも
NHKに対し感謝の意と高い評価が示された。
・ 編成面では、全国高校野球選手権大会(8月2日~28日)と競合するなか、229回にの
ぼる流動編成(番組編成の随時変更)を放送事故ゼロで対応することができた。
(課題・今後の取り組み)
・ 次のロンドン大会は 2012 年。地上アナログ放送が終わり、NHKのBSチャンネル
も現行の 3 チャンネルから 2 チャンネルになる見込み。今後の 3-Screens 展開も含め
て効果的な編成を検討していく。
・ 2010 年バンクーバー冬季五輪、2012 年ロンドン夏季五輪に向けて、大規模イベント
の中継・制作技術の育成・継承を図る。ロンドン大会では、英国BBC研究所と連携
したスーパーハイビジョンの応用も検討されていることもあり、スーパーハイビジョ
ンの制作技術の育成と機材の改善に取り組んでいく。オリンピックは新たな映像表現
など放送技術を発展させる絶好の機会であり、新技術の開発にも取り組んでいく。
“ともに生きる社会”の実現をめざす番組の充実
(主な実績)
・ 教育テレビの夏の特集で「福祉の未来を考える ハートネットTV」として3本の番
組を放送。「今夜はつながりたい」(7/28)、「fukushi調査団がゆく」(7/29)、
「CHANGING 変える人」(7/30)
14
・ 9 月 6 日開幕のパラリンピックに向けて、
「福祉ネットワーク」では 3 本シリーズ「パ
ラリンピックへの挑戦」を放送。①”声”に向かって跳べ~視覚障害者アスリート・
高田晃一~(8/6)、②43 歳 連覇に向けて~全盲のマラソンランナー・高橋勇市~
(8/7)、③一瞬の音をつかめ~ゴールボール日本女子代表~(8/14)
・ 北京オリンピック(総合テレビ)の生字幕放送は 59 時間 9 分。前回のアテネ大会よ
り約 10 時間増。今大会から「競泳」
「シンクロ」に初めて字幕を付与した他、サッカ
ー女子では、
“なでしこジャパン”の活躍により、当初計画していた1試合に急きょ 3
試合を追加し、4 試合で実施した。
・ パラリンピックは開会式を教育テレビで生中継、閉会式も一部生中継を入れて放送し
た。競技は日本人選手の注目競技を中心に、毎日、教育テレビ午後 10 時からのダイ
ジェスト番組で、全種目を幅広く取り上げた。(翌日午前 10 時台に再放送)
放送実績は関連番組を含めて 42 時間 50 分。
・ パラリンピックのダイジェスト番組(教育テレビ)では、視覚障害者のための解説放
送も実施。翌日の再放送(総合テレビ)には、字幕も加えて放送した。パラリンピッ
クの字幕放送時間は 13 時間 13 分(関連番組を除く)。前回のアテネ大会を 1 時間 13
分上回った。
(評価)
・ 夏の特集の世帯視聴率は、「今夜はつながりたい」(0.6%)、「fukushi調査団
がゆく」
(0.5%)、
「CHANGING 変える人」
(0.6%)。前年同時期平均(0.7%)
と比べて数字的には大きな変化はないが、自らも様々な困難を抱えて生きる著名人が
集まり、寄せられたメールに思いを寄せながら視聴者に語りかけるなどの新しい番組
のスタイルに対して、視聴者からは「“うつ”に対してこれほど前向きになれるよう
扱った番組は見たことがない」
(30 代女性)、
「30 分では放送しきれない。この続きを
枠を広げて放送して欲しい」(30 代男性)、「もっと掘り下げてほしい」(40 代男性)
といった意見が寄せられた。
・ 「パラリンピックへの挑戦 ②43 歳 連覇に向けて~全盲のマラソンランナー・高橋
勇市~」は、視聴率 2.7%と関心が高かった。
・ パラリンピックの世帯視聴率は、開会式(2.7%)、ダイジェスト番組(平均 0.9%)。
(課題・今後の取り組み)
・ 教育テレビの夏の特集「福祉の未来を考える ハートネットTV」での取り組みは、
定時番組の中でシリーズとして継続を検討するなど、次の展開につなげていく。
・ 生字幕は、生のコメントを即時に文字変換していくため、その正確性を高める準備と
して事前の辞書作成とシステムへの登録が必須である。競技種目が多岐に渡るパラリ
ンピックでは、対応に更に工夫が必要である。
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信頼に応える迅速・的確な報道
(主な実績)
・ 福田首相の辞意表明を他社に先駆け速報、放送中の「ニュースウオッチ9」を1時間
拡大して詳細に伝えた。他にも、マラソンの野口みずき選手の北京オリンピック大会
欠場、明治乳業と明治製菓の合併など、多くの人々の関心事をいち早く的確に報道し
た。
・ 各地で発生した「都市型ゲリラ豪雨」については、気象警報を速報スーパーで報じた
他、特設ニュースや逆L字画面 を使って刻々と変わる気象情報や住民の避難状況、
交通情報などをきめ細かく伝えた。また、「クローズアップ現代 ゲリラ豪雨 日本
の空で何が」(8/28)で、そのメカニズムを分析し、対策を探るなど、防災の観点か
らも役立つ様々な情報を放送した。(視聴率 13.7%)
・ 大分県の教員採用をめぐる汚職事件(7 月)や、事故米の不正転売事件(9 月)など
の社会問題についても「クローズアップ現代」などの番組で詳しく掘り下げて問題の
真相や背景に迫った。
・ 緊急地震速報(地図付き)を、通常の文字だけの地震速報へ切り替える際、これまで
は画面上に表示される速報が 15 秒程度途切れていたが、情報の空白が生じないよう
送出システムの操作手順を改めた。
・ 緊急地震速報のスーパー時間を 30 秒間から 120 秒間に変更することで、地震情報が
終了してしまったかのような誤解を与えないように改修した(8/2~)。
(評価)
・ 集中豪雨関連報道世帯視聴率(8/29) NHKニュース7…21.0%、ニュースウオッチ
9…16.0%
・ 首相辞意表明報道(9/1) ニュースウオッチ9…午後 9 時台 20.5% 10 時台 13.7%
岩手県沿岸北部地震(7/24、震度6強)の緊急初動対応では、深夜にも関わらず相当
数の職員が自主出局し、日ごろの緊急地震訓練の成果を発揮できた。
(課題・今後の取り組み)
・ 衆議院の解散・総選挙に向けた準備に取り組む。
・ 新しい都市型の災害についても、防災・減災の視点から災害報道に取り組む。
・ 「NHKニュースおはよう日本」の改定に向け、今後、拠点局などの意見も聞いた上
で内容の向上を図る。
・ 災害緊急初動対応を迅速・的確に行えるよう、今後も、報道と編成、技術の連携・情
報共有を図るとともに、日々の緊急地震訓練で意識の高揚とスキルの向上に取り組
む。
16
地域からの情報発信力の強化
(主な実績)
・ 広島局では開局 80 年を記念し、広島発特集ドラマ「帽子」を制作、放送した。
また、8月6日をはさんで、総合テレビやラジオ第1で広島原爆関連の番組を数多く放
送。国際放送を通して世界にも発信した。
・ 長崎局では、今年、新たな取り組みとして8月9日の午前中を“長崎原爆の日 平和へ
の祈り”と題して、計1時間40分の特集編成を行った。「長崎平和祈念式典」中継に、
長崎局制作のドキュメンタリー「しげちゃんにあいたい」を入れ込む形で放送し、原
爆の悲惨さを語り伝えようとする被爆地ナガサキの思いを伝えた。
・ 今年から「沖縄全戦没者追悼式」(6/23)の放送を開始し、
「広島平和記念式典」(8/6)、
「長崎平和祈念式典」(8/9)、「全国戦没者追悼式」(8/15)の 4 式典を中継した。
・ 恒例となった「ハイビジョン生中継 秋田大曲 全国花火競技大会2008」(8/23)、
「ハイビジョン生中継 青森ねぶた祭り」(8/6)など、季節感たっぷりの中継番組を
放送した。
・ 編成センターの地域支援事務局に専任の管理職を配置。地域放送番組の中から優れた
作品を選び、全国放送へとつなげる窓口を務める他、地域局に直接出向いて番組制作
面で若手PD及び、副部長へのアドバイスを行っている。
(評価)
・ 広島平和記念式典の前日深夜にラジオ第1と連動して放送した「ヒバクシャからの手
紙」には、国内外から被爆体験を語る手紙 389 通が寄せられた。メール・FAXでの
投稿は 1,004 通にのぼり、10 代の聴取者からも「涙が止まりません」
(高校生)
「初め
て広島や長崎のことを実感できました」
(16 才女性)など多くの声が寄せられるなど、
戦争の悲惨さを伝えることができた。
・ 広島発特集ドラマ「帽子」は、土曜夜間で民放各局も力を入れた編成をしている中、
世帯視聴率は、関東で 11.6%、関西で 10.3%(ビデオリサーチ社、関西ピープルメ
ーター)と、ともに 10%を超えてよく見られた。
・ 「秋田大曲 全国花火競技大会2008」には、事前の放送日問い合わせをはじめと
して、反響件数は非常に多く(275 件)、このイベント中継への関心の高さがうかがわ
れた。また、放送後には、カメラの切り替えやカメラワークといった、演出に対する
意見もあった。
(課題・今後の取り組み)
・ “戦争と平和”関連の特集は、戦争証言記録プロジェクトとも連動させて、効果的
に展開させる。
・ 地域支援事務局では、地域局の若手PDの話を聞く中で、
「同期の仕事を互いに視聴
する機会が少ない」という声が多いことを受け止め、刺激しあえる環境を作れない
か検討する。
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地球環境など公共放送キャンペーンの展開
(主な実績)
・ 北海道洞爺湖サミットに合わせ、7 月 1 日(火)から、サミット・環境関連番組を集中
編成。総合テレビ夜 10 時台、4 夜連続の特別番組や、解説委員による双方向の解説番
組のスペシャル版、NHKスペシャルを放送した。
・ NHKの環境アーカイブス番組を、アジア諸国の環境問題への啓発に役立ててもらお
うと、7月のABU(アジア太平洋放送連合)会議で提供を提案。11か国・地域の12
放送局(アフガニスタンSMO、香港TVB、ブータンBBSなど)への提供が実現
した。
・ 7月7日に環境省の呼びかけで行われた「七夕ライトダウン」のイベントに先駆けて、
教育テレビは6日(日)夜11時で放送を終了。放送時間を2時間35分短縮して温暖化防
止の行動に参加した。
・ 北海道洞爺湖サミットの中継現場にサミットのテーマにふさわしい“エコ機材”を導
入し、環境に配慮した報道体制で対応した。具体的には、取材用ライトとしてLED
スポットライトを10基使用、バッテリーにはメタノール型燃料電池を2台使用した。
また、廃食油から生成した100%バイオディーゼル燃料を衛星伝送車やエコロジア号
(汎用中継車)など3台の車両に使用したほか、パーム油から精製したバイオディー
ゼル燃料をディーゼルエンジンで動く中継車やマイクロバスなどのほとんどの車両
で使用した。
(評価)
・ サミット・環境関連の主な特集番組の視聴率
●夜 10 時台 4 夜連続編成 地球エコ2008
7月1日(火)「スバルバル号北極海を行く」(6.7%)
2日(水)フードマイレージをへらせ!「ニッポンの食卓大研究」(6.1%)
3日(木)世界一周!地球に触れる・エコ大紀行「地中海そしてアフリカへ」(6.2%)
4日(金)「洞爺湖~命をつなぐ破壊と再生~」 (4.3%)
●拡大版「双方向解説・そこが知りたい!」
5日(土)「温暖化とわたしたちの未来」(1.5%)
●NHKスペシャル2夜連続
6日(日)「CO2は減らせるか」~巨大都市東京の苦闘~ (8.3%)
7日(月)「極秘交渉シェルパたちの 180 日を追う」 (6.8%)
・ 主な反響としては、「過去、現在、将来という縦軸、国際色や地理など横軸が絶妙。
貴重な観測船での自然との出会いや人間味ある生活があり、一種のミステリーやサス
ペンスも楽しめた。何度も再放送・再構成して温暖化の現状を子ども達に伝えてほし
い」
(「スバルバル号」40 代女性)、
「多くの解説委員が出演し各分野でのエコ問題を議
論するのは素晴らしい。今後もこのような企画を期待する」(双方向解説/50 代女性)
など。様々な角度から環境問題を訴えることができた。
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・ 7 月 6 日の教育テレビ放送時間短縮による電力削減量は約 2400KWh。CO2排出削減
量は約 864kg。また、エコ機材による節電では、従来型の照明の 1/5 程度の消費電力
のLEDライトのほか、水素と酸素の化学反応を利用したメタノール型燃料電池やバ
イオディーゼル燃料の利用により、CO2削減など地球環境への負荷を小さくする活
動に取り組んだ。NHKが取り組む環境経営の一端を「見える形」で示すことができ
た。
(課題・今後の取り組み)
・ 教育テレビで 10 月から金、土、日曜の放送を 35~60 分繰り上げて終了させる。また、
アナログ波に限っては毎日、放送休止時間中の電波送信そのものを止め、半年間で二
酸化炭素(CO2)の排出量 300 トンを削減する。
・ デジタル波では、現在、放送休止中にデジタル機器の更新プログラムを流しているた
め停波できないが、21 年 4 月から東名阪エリアで放送終了後停波を目標に、調整を行
う。
次の世代を担う青少年に向けた教育番組の充実
(主な実績)
・ 小中学生の親世代に向けた「土よう親時間」(教育)では、新しいシリーズを開発す
る他、定時枠内スペシャル「親のバカぢから」(8/9)を放送した。
・ 毎年大人気の人形劇「がんこちゃんの自然教室」(教育)では、身近な環境問題をテ
ーマに、
「カッパさん、大ピンチ!」
(水質汚濁)、
「さばくのむこうのけむりの町」
(大
気汚染)、「ガガイアーの赤い花」(ごみ問題)の 3 本を放送した。(7/28~30)
・ 第 75 回NHK全国学校音楽コンクールの課題曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」、この
曲に自分の気持ちを託して舞台に立つ中学生たちと、作詞・作曲を担当したアンジェ
ラ・アキさんとの交流を描いた番組「続・拝啓 十五の君へ」(総合)を放送。(9/18)
・ NHK全国学校音楽コンクールのホームページで、今回、初めて過去の課題曲から 200
曲近く(全都道府県コンクール大会のおよそ 8 割)を音声ストリーミングで提供。
・ 4年目を迎えた「ABUアジア子どもドラマシリーズ」(教育)は、モンゴル、ブル
ネイ、ブータンなど 9 カ国の番組を 5 日間にわたって放送した。
・ ネット社会の危険性について伝えてきたシリーズの第 4 弾「ネットいじめに向き合う
ために」
(教育)。今回は、実際に問題となったケースをもとに 3 本のミニドラマを制
作、放送した。(8/4)
(評価)
・ 「土よう親時間」7~9 月の平均世帯視聴率は 0.6%。(第1四半期 0.5%)
「育てた親に聞いてみる」シリーズは今期最高の 1.3%(7/26)を獲得するなど好調。
19
ホームページ、携帯サイトへのアクセスもNHKサイト内で 23 位と上位につけて
いる。
・ 「NHK全国学校音楽コンクール」のホームページへのアクセス数は、448,232 ペー
ジビュー。目標値(35 万)を大きく上回り 128%の達成率。イベント紹介のページだ
けだった昨年までに比べ、ウエブならではの音声サービスやデータの一覧提供により
全国の参加者の満足度を高めた。
・ 「ネットいじめに向き合うために」には、学校関係者等から 50 件以上反響が寄せら
れた。文科省が「学校裏サイト」に関する調査結果が発表した直後であったというタ
イミングや、具体的な対策を中心としてすぐに役立つ内容だったことが、関心の高さ、
また好評の理由と考えられる。
(課題・今後の取り組み)
・ 「土よう親時間」について 7 月に行ったグループインタビューでは、今の親世代の関
心事が想像以上に多様で、一つのテーマでも解決への導き方が異なるなど、検討すべ
き課題が明らかになった。ホームページへの書き込みを一層分析し、より多くの視聴
者が納得できる具体的事例を示せるよう、ホームページとの連動も含めて検討してい
く。
“ラジオルネサンス”音声放送の大幅刷新
(主な実績)
・ 聴取者参加で環境問題を考える特集「ラジオ環境ウィーク」を 7 月上旬に実施。定時
番組の中でもエコ生活のアイデアなどを紹介した。
・ 放送開始 25 年を迎えた「夏休み子ども科学電話相談」では、今年、新しい相談ジャ
ンルとして「いのちの不思議」を加え、中継など演出にも工夫をこらすとともに、事
前特集の放送やホームページなどでのPRに力を入れた。
・ 北京オリンピックの模様をソフトボール、野球、競泳など人気競技を中心に124時間
21分にわたって放送した。
・ 広島放送局制作の「ヒバクシャからの手紙」(8/5~6)、「NHK広島放送局開局80年
ラジオドラマ 放送を続けよ!~広島中央放送局の8月6日~」(8/6)や、「ラジオ深夜
便」枠内での戦争インタビューシリーズ(8/12~16)などを、原爆の日や終戦の日前後
に集中編成した。効果音や音楽にも力を入れたことで、「ラジオでしか伝えられない
ことがあると実感した」「音響効果が良かった」などの反響があった。
(評価)
・ 聴取者参加の環境特集番組のホームページに 200 件程度の意見が寄せられた。
・ 「夏休み子ども科学電話相談」には、のべ 22 日間で、およそ 21,000 件の質問が寄せ
られたほか、番組ホームページへのアクセス数は、期間中で 164,600 件に達し、ラジ
20
オ第1の定番特集として存在感を示した。
・ 「ラジオ深夜便 戦争インタビュー」には、全国から 50 本の提案が寄せられ、80 才を
超える戦争体験者の貴重なインタビューをシリーズで放送した。9 月に一部を再放送
した。
(課題・今後の取り組み)
・ ラジオ環境ウィークに続く聴取者参加型特集として、10 月にラジオデー「いのちを考
える」を放送する。聴取者から「たった一つの命だから」という言葉を使ったメッセ
ージを募集、この言葉をキーワードにして、命について考える輪を広げていく。
・ 「ヒバクシャからの手紙」「ラジオ深夜便 戦争インタビュー」のように、貴重な証言
を後世に伝えていくことで、平和について考える取り組みは、来年度以降も継続する。
多様なメディアに向けたサービスの展開
(主な実績)
・ 放送と通信を連携させた番組を積極的に制作、放送した。
「リトル・チャロ ケータイで試そうあなたの英語力」(7/27)
…視聴者が携帯電話で英語テストに参加、全国順位も即座にわかるサービス実施。
「EYES」クイズラリー(9 月下旬)
…深夜帯EYESの各番組が連携、インターネット上でのクイズラリー実施。
「天才てれびくんMAX ビットワールド~緊急生放送!閉じこめられたトーヤを
救え~」(9/26)
…独自に開発した「脱出ゲーム」にインターネットを通じて視聴者が参加、出演者
と協力して迷宮からの脱出に挑んだ。
・ 7月 14 日よりデジタルラジオで動画番組の放送を開始した(東京、大阪)。高品質の
音声と曲にちなんだ映像による「毎日モーツァルト」、日本語・英語・中国語・韓国
語の4か国語の放送の中から視聴者が好きな言語で視聴できる「多言語むかしばな
し」など、デジタルラジオならではの独自コンテンツを制作、放送した。(一日あた
り 4 時間、20 番組を放送)
・ 9 月にワンセグ独自放送関連の改定提案に関するコンセプト調査と、コンテンツに対
するグループインタビュー(20 代、30 代の男女を対象)を実施した。
(評価)
・ 「リトル・チャロ ケータイで試そうあなたの英語力」は、視聴率は 0.7%とそれほど
高くはなかったが、参加者はおよそ 2 万人、半数が 20 代・30 代で、19 歳以下も 25%
いた。若い人の意見としては、「主人と一緒に参加。結果は 4,000 番台だったが結構
楽しめた」(30 代女性)「ケータイで英語テストに参加できるなど、企画自体が斬新」
21
・
・
・
・
(30 代男性)「全国順位もすぐにわかり、臨場感があった」(20 代女性)など、好評
を得た。
EYESのクイズラリー参加者は 16,631 人。その 9 割近くが 20~30 代であった。放
送とは違う回路を通じたターゲット層への接触に可能性を示した。
「脱出ゲーム」の当日、「天才てれびくんMAX」のホームページへのアクセス数は
通常(5 万ページビュー)の 22 倍にあたる 110 万ページビューを記録。(NHK全番
組中 1 位。2 位はニュースで 55 万ページビュー)
デジタルラジオの番組について、KDDIと共同でモニター調査を実施。音楽系コン
テンツ、語学系コンテンツが好評という結果であったが、デジタルラジオの聴取者が
まだ少ないため、正確なニーズを把握できたとは言えない。
ワンセグ独自放送のコンテンツについてのグループインタビューでは、対象者が普段
NHKに接触していない層であるにもかかわらず、ほとんどの人が大きな興味・関心
を示し、サービスとしての将来性を感じさせた。
(課題・今後の取り組み)
・ パソコンや携帯電話と連動した視聴者参加の企画は、今後も積極的に開発していく。
・ ワンセグ放送については調査結果を精査し、21 年度ワンセグ独自放送の編成に反映さ
せる。
(注) 視聴率については、特に表記のない限り、ビデオリサーチ社、関東ピープルメーターによ
る視聴率調査のデータを使用
<第 2 四半期の主な受賞>
第 60 回イタリア賞
【ハイビジョン特別賞】
探査機“かぐや”月の謎に迫る
~史上初!「地球の出」をとらえた~
(平成 19 年 11 月 14 日放送)
※ 前回は「シリーズドラマ部門」最優秀賞(イタリア賞)を受賞
○以下は毎年参加ではなく、各分野の戦略に応じて参加するコンクールや見本市
第 4 回ヨーロッパ・環境フェスティバル(ブルガリア)
【科学・教育番組部門 最優秀賞】
NHKスペシャル「気候大異変 第 1 回地球シミュレータからの警告」
(平成 18 年 3 月 18 日放送)
22
第 44 回ヒューゴ・テレビ賞(アメリカ)
【特別パフォーマンス番組部門 銀賞】
星新一ショートショート劇場
(平成 19 年 11 月 11 日放送)
【ドキュメンタリー(人間・芸術)部門 金賞】
ハイビジョン特集フロンティア「旅するバイオリン~「四季」4つの街の物語
(平成 19 年 5 月 3 日放送)
23
地域放送充実への取り組み
(単位
予算額
地域放送番組費(再掲)
9 月末実績額
141
63
計理率・%
45.1
備
億円)
考
国内放送費に含む
(注)地域放送番組費は地域放送局が番組制作をするためにあらかじめ配付されている予算です。地域
放送局が制作し全国発信した番組については制作費が別途「全国放送番組費」から配付されます。
地域社会に貢献する放送の充実
(主な実績)
・ 広島局では「原爆の日」にあわせて、「ピースコンサート」や広島発特集ドラマ
「帽子」の上映会、「市民が描いた原爆の絵」展など、数々の催しを開いてNHKの
「平和への取り組み」をアピールした。
・ 長崎局では、8 月 1 日から自局のホームページに過去の平和・原爆関連の放送記録をま
とめた「NAGASAKI×PEACE」(ナガサキ・ピース)を立ち上げ、ローカ
ルで放送した「長崎原爆 100 人の証言」の動画公開を始めた。
・ 和歌山局と静岡局では、それぞれの県の小学生が参加し、クイズ形式で防災の知識を
学ぶ番組「動く!防災スタジアム」を共同制作、近畿地方と東海3県で放送した。
・ 熊本局、佐賀局では、防災の日に合わせ、県内の民放ラジオ局と合同で防災ラジオ特
集を制作、各局同時に生放送した。
・ 仙台局では、開局 80 周年記念ドラマ「お米のなみだ」を制作、東北地方で放送。
(9/19)
・ 奈良局では、かんさい特集「ドラマ 万葉ラブストーリー 夏」を制作、近畿地方で放
送。(9/19)
・ 地域放送局がインターネットや携帯電話を使って行う地域サービスを推進する「ネッ
ト技術推進会議」で、20 年度に取り組む 7 局(4 件)の開発項目を決定。
(仙台局)FMローカル番組にて視聴者からメールで写真とコメントを募集し、
スタジオの様子とあわせてHPに掲載。
(京都局)河川水位情報や避難情報を放送とHPでマルチ展開。
(広島局)パソコンに番組告知を自動配信するガジェットを作成。
(松山、他 3 局)観光情報を携帯やワンセグデータ放送に配信。
・ 高校野球地方大会では、各局が地上デジタルデータ放送で試合結果や出場校の情報を
地域向けに提供した。そのデータを集約し、BShiのデータ放送やNHKオンライ
ンで全国向けにも提供した。
・ 7 月 1 日からワンセグローカルデータ放送による災害情報提供を開始した。
24
(評価)
・ 広島発特集ドラマ「帽子」をPRする「帽子顔プロジェクト」(帽子をかぶった写真
を送ってもらい、ドラマの出演者の顔をモザイクアートで作成、ポスターにする)に
は、70 日間で 5,138 人から応募が寄せられ、番組への関心を高めることができた。
・ 仙台局「お米のなみだ」の視聴率は 14.6%(ビデオリサーチ社、仙台地区)、奈良局
「万葉ラブストーリー夏」は 5.5%。
(ビデオリサーチ社、関西ピープルメーター)そ
れぞれ 10 月に全国放送の予定。
・ 地域局のインターネット活用については、視聴者のNHKへの接触機会を放送以外に
も広げていけるよう、今年度の開発を視聴者サービスに直接寄与できるものにしぼっ
た。各局、年度内完成を目指して取り組んでいる。
・ ワンセグローカルデータ放送により、地震、大雨など災害時に、その地域の視聴者が
必要とする情報をより的確に提供することができるようになった。
(課題・今後の取り組み)
・ 公式携帯サイトの全局開設を目指し、効率的な業務フローで高品質のサービスを提供
できる簡易なツール、システムの活用を更に進めていく。
・ データ放送についても、地域局での入力態勢を整備し、さらに内容を向上させること
ができるよう取り組んでいく。
・ 各放送局の技術と編成が連携し、地域に役立つより的確な災害情報を迅速に提供する
よう、ワンセグローカルデータ放送の運用およびコンテンツの充実に取り組む。
放送設備のハイビジョン化、老朽化した放送会館の建て替え等、地域放送局の設備投資
(主な実績)
・ 番組制作設備のハイビジョン化を進めた。
9 拠点局 4 局のスタジオハイビジョン化整備では、大阪、名古屋のスタジオが整備
完了。札幌は建築工事中。
9 DAW(デジタル音声編集機)整備では、本部 10 式、名古屋、京都、松山各 1
式の整備が完了。
9 拠点局の音声ダビング(MA)スタジオ更新では松山局が 9 月に整備完了。
9 FPU基地局のハイビジョン化は、2 カ所(札幌・手稲山、福井・久須夜)の整
備が完了。
9 CSKのハイビジョン化は 6 台(岐阜、鳥取、佐賀、旭川、高松、秋田)、ニュー
スカーのハイビジョン化は 9 台(東京 2、福山、下関、佐世保、仙台、いわき、
八戸、札幌)を整備中。
・ 放送会館の建て替えにあたり、環境に対する配慮に努めた。
25
9 横浜会館は建設工事中。平成 22 年度に建物の完成予定。太陽光発電、屋上緑化、
照明器具など機器の省エネ化により環境負荷低減を図る設計を採用。
9 千葉会館は、設計者を決定し、基本設計中。平成 23 年度に建物の完成予定。コン
セプトに「エコ会館」を掲げ、CO2排出量の 3 割削減を目指して設計中。
(評価)
・ 設備整備は、ほぼ予定どおりに進捗している。
9 スタジオは 4 局中 2 局で整備が完了。名古屋のスタジオは、競争契約に加え、製
作・工事の一括発注などにより約 30%のコストを削減したほか映像設備の小型
化・低消費電力化を実現。
(主要映像モニターに液晶を採用し、消費電力を約 75%
低減)
9 DAWは今年度 36 式整備する予定のうち、14 式の整備が完了。
9 MAスタジオは、広島と松山の 2 局が整備完了。残りの大阪、仙台、札幌局を整
備中。
9 伝送設備のハイビジョン化率は、FPU基地局が全体の 34%、CSKが全体の
76%、ニュースカーが全体の 79%を達成。
(課題・今後の取り組み)
・年度内に予定どおり整備を終えられるよう整備スケジュールを調整していく。
・甲府局以降の地域放送局会館建設について、規模、経費の面から仕様の再検討を行う
こととなり、新会館の基本要件の策定に着手している。
26
(2)国際放送
(単位
予算額
国 際 放 送 費
計理率・%
9 月末実績額
111
43
備
億円)
考
38.9
国際放送による海外への情報発信の強化
テレビ国際放送の充実・強化
(主な実績)
・ アジア発の国際放送の充実を目指して、北京、バンコクなどでのスタジオ整備や、キ
ャスターの採用などに向け準備を開始した。報道局・国際部等の連携も強化、6 人を
報道局・アジアセンターとの兼務とし、ニュース・リポート等の連絡調整にあたるこ
ととした。
・ NHKワールドTVの視聴機会を増やすために、世界各地で地域衛星の中継器やチャ
ンネルを借り上げる交渉を続けている。
a. フィジーなど南太平洋諸国 12 カ国で新たに視聴可能となった。
b. 9 月から北・東ヨーロッパ向けのアストラ衛星の試験放送を開始した。
c. 英国、西ヨーロッパ向け衛星交渉を本格的に開始した。
<NHKワールドTV受信環境整備の進捗状況、今後の見込み>
19 年度
20 年度
第 1 四半期 第 2 四半期 第 3 四半期 第 4 四半期
ワシントン DC 地域
イ
ン
ト
゙
オ ー ス ト ラ リ ア
中東・北アフリカ
香
港
マ レ ー シ ア 等
欧
州
北
米
青色は衛星放送、黄色は地上波・ケーブル・IPTV等
27
・ ワシントンDCにおいてNHKワールドTVの認知度調査を実施した。
<調査結果概要>
a. 視聴したことがある人の割合は 1 割
b. 2 割近くが 「NHKワールドTVについて聞いたことがある」と回答
c. 知ったきっかけとしては 「チャンネル・サーフィン(ザッピング)
」がトップ
・ 10 月から業務委託を行う㈱日本国際放送との連携の実施
a. 実務者レベルの連絡会を設置し、委託業務の円滑な遂行を目指す。
b. ㈱日本国際放送への出向要員を確定。
・ テレビ国際運行装置の更新、整備のため、詳細を設計中である。
・ 国際放送スタジオおよびニュース・番組制作のトータルシステムの実機の組み立てを
工場で行い、システムテストを実施中。スタジオ設置スペースを建築工事中である。
(評価)
・ アジア・中東エリアに続いて、ヨーロッパの衛星確保で受信環境整備が進み、10 月に
はのべ 7,000 万世帯でNHKワールドTVが受信可能となる予定。英国、西ヨーロッパ
向けの衛星の契約交渉も精力的に進めている。
・ テレビ国際運行、国際スタジオトータルシステムの整備は計画どおり進捗している。
(課題・今後の取り組み)
・ 平成 21 年 2 月の英語ニュース大幅拡充に向けて、スタジオ、アート、編集機器、英語
原稿システムなどハード面の整備を進める。
・ 外部パワーの導入で制作要員を拡充する。
・ 受信環境整備については、マレーシア等アジアで、衛星中継器不足等の理由で若干遅れ
気味。新規参入が困難なアメリカ市場の攻略に力を注ぐ。
・ 認知度・視聴者調査を引き続き各地で行う。次回は香港で実施予定。
・ NHKワールドTVの充実・強化に向け、㈱日本国際放送と緊密な連携を保ってゆく。
・ テレビ国際運行設備の整備は、平成 21 年 12 月の切り替えを目指して推進。
・ 平成 21 年 2 月の新スタジオへの切り替えに向けて、現運行装置との結合テストなど詳
細な手順について関係部局間で詰めていく。
テレビ国際放送の英語化率 100%を達成
(主な実績)
・ 「NHK NEWSLINE」の放送回数増設と「ASIAN VOICES」の新設
を盛り込んだ平成 20 年度後半期改定を、9 月 29 日にスタートした。
(評価)
・ 計画どおり平成 20 年度後半期改定において英語化率 100%を達成した。
28
(課題・今後の取り組み)
・ 2009 年 2 月から平日原則毎時 30 分放送となる英語ニュース「NHK NEWSLIN
E」により、日本に加えてアジアの情報、世界の経済情報などの充実強化を図る
<ラジオ国際放送の主な取り組み>
◇ ベトナム語の番組「やさしい日本語」が 8 月からベトナムの国営ラジオ局で週 2 回放
送(リブロ※)されるようになり、聴取者の好評を得ている。この他に、スワヒリ語、
フランス語、ロシア語、インドネシア語などでリブロ実現に向け、現地放送局と交渉
が進んでいる。
◇ 従来の短波放送中心の制作体制や番組編成の見直しの可能性などを検討し、リブロや
インターネットへの発信手段の移行を念頭に、多言語サービスの効率的で効果的な業
務運営を実現していく。
※ リブロ・・・リブロードキャスティング。ラジオ国際放送の番組を海外の現地放送局に提供し、現
地放送局を通して放送をおこなうこと。
29
(3)契約収納
(単位
予算額
契 約 収 納 費
9 月末実績額
590
293
計理率・%
備
億円)
考
49.7
受信料の公平負担に向けた契約収納活動の強化と経費の削減
訪問集金の廃止と、それによる効果的・効率的な契約収納体制の構築
(主な実績)
・ 訪問集金廃止後の受信料収納率を維持・向上させるため、訪問集金・継続振込利用者に
対する口座振替・クレジットカード継続払の利用促進に取り組み、地域スタッフ等によ
る重点的な勧奨活動や利用申込書の郵送などを実施した。地域スタッフによる勧奨にあ
たっては、電子決済端末(Qbit 端末)を 1,000 台追加配備し、8 月より運用を開始した
(全配備数 4,000 台)。
・ 訪問集金廃止後に向けて、各営業部・センターの地域特性に応じた新しい地域スタッフ
契約・収納体制を構築するとともに、業務転換に関する事前の指導を徹底することによ
り、10 月以降の円滑な業務移行を準備した。
・ 重度の障害により継続振込による支払いが困難な方などに対して特別に訪問による集
金を継続する「ふれあい収納」について、8 月から地域スタッフの訪問時などにおいて
周知を行い、事前受付を開始した。
(評価)
・ 口座振替・クレジットカード継続払の利用促進の結果、利用者は 19 年度末に比べて
68 万件増加し、前年度(9 月末 25 万件増加)をはるかに上回る実績を確保した。間接
集金(口座振替・クレジットカード継続払・継続振込)の利用率は、19 年度末に比べ
て 1.8 ポイント向上して 88.4%となった。
・ 電子決済端末の追加配備により、口座振替・クレジットカード継続払の利用促進ととも
に、事務処理の迅速化が図られた。
・ ふれあい収納については、9 月末までに 15 件の事前受付を行った。10 月に継続振込の
払込用紙が新たに郵送されるようになってから、申込みが増加するものと考えられる。
(課題・今後の取り組み)
・ 10 月の訪問集金廃止後の新しい契約・収納体制を定着させ、訪問集金に費やしていた
30
パワーを未契約対策や未収対策に着実にシフトし、業績を向上させていく。
・ 従来は訪問集金で 10 月以降継続振込になった方を対象に、確実な振込のための電話で
の督促を強化するとともに、口座振替やクレジットカード継続払への変更の勧奨に引き
続き取り組み、未収の発生を抑止していく。
外部委託の強化・促進による契約収納活動の展開
(主な実績)
・ 受信料の契約・収納業務の公開競争入札については、東京都荒川区、神奈川県厚木市の
一部、大阪府大阪市天王寺区・生野区の3つの地域を対象に、7 月に入札公告、入札説
明会、入札に関する質問の受付を行い、8 月に入札に関する質問の回答公表、入札、9
月に開札を実施した。
・ 3 地域中 2 地域において、入札価格が基準を下回る入札が行われたため、9 月末現在、
低入札価格調査を行っており、落札事業者の決定には至っていない。
(評価)
・ 落札価格が予定価格を下回っており、今後の営業経費の削減が期待できる。
・ 公開競争入札の各過程において内容をホームページで公開し、報道発表を行ったことに
より、新聞等に記事として紹介されており、営業活動の新しい取り組みについて視聴者
の理解を促進し、業務の透明性の向上に結びついている。
・ のべ 22 社の事業者が応札しており、受信料の契約・収納業務が新たなビジネスチャン
スと捉えられている。
(課題・今後の取り組み)
・ 速やかに落札事業者を決定し、業務委託契約を締結する。(10 月 20 日までに締結済)
・ 21 年 2 月からの万全な体制での業務開始に向けて、落札事業者に対して指導や研修を
実施していく。
多様な活動による未契約・未収対策の強化
(主な実績)
・ 9 月末における不動産会社と引越し会社による新規契約・住所変更取次件数は 3.4 万件、
電器店・量販店による衛星契約取次件数は 3.5 万件となった。
・ 滞納者に対しては、訪問活動による対策に加え、4 月から 9 月末までにのべ 477 万件の
郵便による受信料請求を行った。
・ 支払督促の申立てを、7 月に神奈川県で 18 件、9 月に千葉県・埼玉県で 31 件実施した。
これにより、申立て地域は 9 月末までに 13 都道府県(48 営業部・センター)、申立て
総件数は 252 件となっている。
31
(評価)
・ 不動産会社や引越し会社による取次件数は、前年度を上回る実績を確保している。
・ 滞納者への郵便による受信料請求の結果、7 月末で約 3 万件の払い込みがあった。払い
込み率は低いものの、入金額は約 10 億円となっている。
・ 252 件の支払督促申立て総件数のうち、9 月末で 177 件が支払い、または支払意志を表
明している。地方紙などに窓口変更や支払督促申立ての記事が掲載されることにより、
地域における支払いの促進にも貢献している。
(課題・今後の取り組み)
・ 委託先会社との連携強化や、新規業務委託会社の開発により、面接困難世帯を中心とし
た未契約者・未収者へのアプローチをさらに強化していく。
・ 11 月には新たに 2 県(2 営業部)で支払督促を申立てる予定であり、支払督促の実施地
域を今後も拡大していくとともに、未契約者に対する民事手続きの準備を進めていく。
より公平で合理的な受信料体系への改定
(主な実績)
・ 訪問集金廃止について、視聴者への多面的な周知を実施した。
✓ 年間振替予定通知に受信料体系に関する文面を記載(9 月末までに約 2 千万件発送)
✓ 訪問集金廃止を伝えるとともに口座振替・クレジットカード継続払の利用を勧める
広報スポットを、6 月以降にテレビで約 300 回放送
✓ 訪問集金領収証の裏面に訪問集金廃止の文面を掲載
・ 障害者免除拡大について、パンフレットを 200 万部作成し、全国の自治体等に配布する
とともに、各自治体に対し、免除事由の証明事務や広報誌掲載等の協力を依頼した。ま
た、広報スポットを 9 月からテレビ・ラジオで放送した。
・ 事業所割引について、8 月から段階的に事業所の契約者に対して申込書等を郵送し
(9 月末までに約 13 万件)、専用コールセンターでの問合せ対応を開始した。
(評価)
・ 10 月実施の障害者免除拡大については、9 月末までに約 5 万件の申請を事前に受け付け
ており、視聴者への周知が進んでいる。
・ 事業所割引コールセンターでは、一日平均約 300 件の問合せに対応している。
(課題・今後の取り組み)
・ 21 年 2 月の事業所割引の導入・家族割引の拡大の円滑な実施に向け、周知活動など諸
準備を進めていくとともに、制度を利用した契約件数増加の活動に取り組んでいく。
32
(4)調査研究
(単位
予算額
調 査 研 究 費
9 月末実績額
92
31
計理率・%
備
億円)
考
33.6
新たな放送サービスの開発や放送の発展に向けた調査研究の推進
放送と通信の連携サービスの開発
放送法の改正を受け、NHKが放送した番組を、ブロードバンド回線を通じて、PCや
高機能テレビ等に有料で配信するVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスである「N
HKオンデマンド(NOD)」を 20 年 12 月に開始する予定。現在放送中の番組の中から毎
日 10~15 番組とニュース 5 番組を放送後 1 週間程度配信する「見逃し番組」サービスと、
過去に放送したNHKの映像資産であるアーカイブス番組の中から配信する「特選ライブ
ラリー」サービスがある。当初は、PCを提供端末としてNHKが配信するサービスと、
テレビ向けに既存のプラットフォーム事業者 3 社を介して配信するサービスの計 4 形態で
実施する。
(主な実績)
・ 12 月 1 日のサービス開始に向けて、PC向けサービスの仕組みの整備とテレビ向けプ
ラットフォーム(3 社)の整備、各サービス用のユーザーインターフェース画面の設計
と実装、提供するコンテンツの本編映像、メタデータ(テキスト、静止画)、試聴用映
像の準備、NODコールセンターの設置準備を進めている。
・ NODを実施するために必要な権利の確保を行うため、各権利者団体との個別交渉を行
い、諸条件について基本合意に達した。これを受け、個別番組毎に許諾の確認と交渉を
進め、9 月 17 日の放送総局長会見において、82 本の「見逃し番組」の定時番組タイト
ルと交渉が終了した 238 本の「特選ライブラリー」番組を発表するに至った。
・ 放送法に定められている「放送法第 9 条第 2 項第 2 号の業務の基準(案)」を作成し、9
月にホームページで公表することにより意見募集を実施した。この結果、個人や団体等
から 37 件の意見が寄せられた。
(評価)
・ PC向けおよび各テレビ向けサービスの整備に関しては設計が完了し、開発/製造/検
証に入っている。一部の業務に当初スケジュールからの遅れがあるが、12 月 1 日のサ
ービス開始に向けて支障の無い準備状況となっている。
33
・ NODの公共性や非営利性について、多くの権利者団体の理解を得つつあり、権利確保
へ向けた基盤が整備されつつある。
・ 「放送法第 9 条第 2 項第 2 号の業務の基準(案)」に対して寄せられた意見については、
各々に対するNHKの考え方を付して公表を行った。また、基準案についても、必要な
修正を行い、補足資料とともに公表を行った。
(課題・今後の取り組み)
・ PC向けおよび各テレビ向けサービスの整備に関しては、今後、検証シナリオの洗い出
しや作業手順の見直し等を早急に行い、効率的に作業を進めることにより、12 月 1 日
のサービス開始に向け、確実な準備を進める。
・ 今後、権利処理、経理処理、危機対応等の業務フローを確定させ、できるだけ多くの番
組の配信が可能となるように環境を整備していく。
・ 修正後の「放送法第 9 条第 2 項第 2 号の業務の基準(案)」について、総務省に認可申
請を行う。
スーパーハイビジョン等未来を創造する技術研究
(主な実績)
NHK放送技術研究所は、第2四半期において新たな目標のもとに平成 20 年度の研究活
動を推進した。特に欧州との連携のもとIBC2008(欧州最大の放送機器展)におい
て、スーパーハイビジョンの国際伝送実験を成功させたことは、スーパーハイビジョンの
国際展開を大きく前進させた。
・ スーパーハイビジョンの研究
サービス実現に向けた基盤研究を推進した。スーパーハイビジョン用カメラの小型
化に向けて開発を進めた。
・ 次世代コンテンツ制作環境の研究
ロボットカメラを使ったバーチャルシステムを北京オリンピック放送で利用する
とともに、IBC2008で展示した。
・ 地上デジタル放送のあまねくに向けた研究
地上デジタル放送の難視解消に向けた受信技術の高度化のため、家庭用受信機向け
のデジタル混信除去技術を考案。
・ 国際共同研究の推進
IBC2008(9/12~16)で、欧州のBBC、RAI、EBUなどと共同で、初
のスーパーハイビジョンの国際伝送(ロンドン-アムステルダム間IP伝送、トリ
ノ-アムステルダム間衛星伝送)に成功、IBC2008特別賞を受賞。
NHKが考案したスーパーハイビジョンの音声フォーマットがSMPTE規格と
して 7 月 9 日に発効された。
34
・ 研究成果の社会還元と副次収入の増加施策の推進
ARIB((社)電波産業会)規格デジタル放送パテントプール(※)と新規のC
ATVデジタル放送パテントプールについて、新たな関連特許を掘り起こし、必須
特許の判定申立対応を行った。
※
複数の特許権者から持ち寄られた必須特許を、ライセンス管理を任されたプール管理会社な
どが利用を希望する企業に一括ライセンスする仕組み。
(評価)
・ ロボットカメラを使ったバーチャル映像によりオリンピック放送をわかりやすく伝
えることができ、その効果を検証することができた。
・ 国際伝送実験をIBC2008で公開展示したことで、スーパーハイビジョンの技術
的可能性を海外に示すことができたとともに、BBCからメタデータ関連、アーカイ
ブスのデジタル化など新たな項目についてさらなる連携強化に向けた提案を受けた。
・ 昨年のSMPTEでの映像フォーマットの規格化に続き、音声規格を策定できたこと
で、スーパーハイビジョンの国際標準化がさらに前進した。
・ CATVパテントプールでは、この四半期に必須特許が新たに 3 件追加され、計 12
件の必須特許を保有することになった。ARIBのデジタル放送パテントプールで
は、計 22 件の必須特許を保有している。
(課題・今後の取り組み)
・ スーパーハイビジョン用カメラの小型化を目指したデバイスの開発等を促進する。
・ 家庭用受信機向けのデジタル混信除去装置を試作し、実験検証する。
・ スーパーハイビジョンの一層の国際展開に向け、韓国KBSなどアジアとの連携を強
めていく。
・ スーパーハイビジョンの映像フォーマットの追加修正、インターフェイス、三次元音
響の規格化を進める。
・ パテントプールについては、必須特許の追加申立により副次収入の継続確保に努めて
いく。
放送の発展に向けた調査研究の推進
(主な実績)
・ シンポジウム「地上テレビ完全デジタル化への課題」を実施。放送事業者、消費者、
行政それぞれの立場から議論。(実施:7/18)
・ NHKの放送に対する「放送評価調査」の実施、分析・報告。(実施:9/5~7)
・ 第 8 回「日本人の意識調査2008」の集計、分析。(実施:6/28~30)
・ 「多文化社会における放送の役割と可能性~在日外国人のメディア環境とニーズに
関する調査・研究」として日系ブラジル人を対象としたアンケート。
(実施:9/6~7)
35
(評価)
・ シンポジウムでは完全デジタル化にあたっての事業者側・消費者側それぞれの課題を
整理して提示した。
・ 9月の「放送評価調査」でNHKの放送に対する「親しみ」は 43%(前年度平均 48%)。
・ 「日本人の意識調査」は、1973 年から 5 年ごとに実施しており、日本を代表する時系
列の基本的な社会調査として評価されている。今回の調査は、集計を済ませ、現在、
結果を分析中。
・ 「多文化社会における放送の役割と可能性」についての調査では、日系ブラジル人の
間でNHKの認知度は高いが、視聴頻度はあまり高くない。また、ブラジル人コミュ
ニティー向けの放送サービスに対する強い要望があることがうかがえた。
(課題・今後の取り組み)
・ 「放送評価調査」は今年度あと 2 回(11 月、3 月)実施。質問数が限られる電話調査
のため、背景分析が難しい。補完調査について検討中。
・ 「日本人の意識調査」については、過去7回の結果を合わせた時系列の変化や特徴を
紹介、分析する。結果は、放送や出版、ホームページへの掲載などで公表し、社会的
な還元を図る。12 月に所内報告予定。
・ 日本に住む外国人が 200 万人を超える中で、NHKとして国内の外国人サービスをど
う実現するか考える必要がある。今後も同様の調査を継続的に行っていく。
36
(5)管理関係
(単位
予算額
計理率・%
9 月末実績額
備
億円)
考
受 信 対 策 費
16
6
38.5
地域・個別受信相談の実施
経費 等
広
費
35
14
39.8
ふれあいミーティングの実
施経費 等
共 通 管 理 費
127
63
49.9
局舎の維持補修、水道光熱
費、固定資産税 等
報
(6)人件費
(単位
予算額
給
与
計理率・%
9 月末実績額
備
億円)
考
1,290
634
49.2 役員報酬、職員給与
512
274
53.6
退職手当・厚生費
役員退任手当、退職給付費
社会保険費、福利厚生費
(7)減価償却費等
(単位
予算額
計理率・%
9 月末実績額
備
億円)
考
減 価 償 却 費
718
363
財
費
149
89
59.9 支払利息、消費税 等
出
22
13
59.5 固定資産除却損 等
費
30
0
特
予
務
別
支
備
37
50.6 建物・構築物等の減価償却費
-
(8)建設費、その他特記事項
(単位
予算額
建
設
費
計理率・%
9 月末実績額
803
169
備
億円)
考
21.2
※9 月末実績額とは、既に納入され、支払い済みの金額である。
<設備整備等の主な実績>
◇ NHKオンデマンド(NOD)の 12 月サービス開始に向けて、局内設備の設計・製造
を完了し、設置工事中。配信システムを開発中。
◇ デジタルラジオの簡易動画サービスを 7 月 14 日から東京、大阪で開始。(※再掲)
◇ ワンセグ独自サービスは、21 年 4 月開始に向けて先行設備(手動割込み・送出)を製
作中。地域放送局では、9 月に新潟局(1 局目)が工事完了。
◇ ハイビジョン映像切り出し機能(スーパーハイビジョン用に制作した映像を任意の範囲
でハイビジョン映像に切り出す機能)を持つ、スーパーハイビジョン用の小型ダウンコ
ンバーターを開発。
◇ 北京オリンピックの国際放送センターとNHK放送センターとの間で、超高速インター
ネット衛星「きずな」を使ったIP伝送実験を実施し、ハイビジョン映像を同時に 3
本リアルタイム伝送する多重伝送実験に成功。
(8/2~24、宇宙航空研究開発機構(JA
XA)と共同)
(参考)主な設備契約の状況(契約金額の上位 5 件)
(単位
契
約
名
称
契約金額
ワンセグ独自放送
契約方式
719
随
意
ハイビジョン対応HVCSK車
667
競
争
ハイビジョン対応HVCSK車
333
競
争
314
競
争
308
競
争
本部情報管理制御システム改修
局外用・BSNC天気カメラ用・
富士山静岡空港天気カメラ用HVリモコン雲台
放送センター
空調配管・ファンコイルユニッ
ト・空調機更新工事
百万円)
※主な設備契約の状況は、7~9 月中に契約したものであり、9 月末計理済額とは一致しない。
38
(参考)調達契約の状況
(単位
平成 20 年度(4~9 月)
件
合
数
金
額
百万円)
平成 19 年度(4~9 月)
件
数
金
額
計
4,166
82,072
3,548
60,670
競
争
契
約
2,026
55,267
1,384
38,378
随
意
契
約
2,140
26,805
2,164
22,291
地上デジタル放送の普及促進
地上デジタル放送中継局の整備とNHK共同受信施設のデジタル化対応による視聴可能
地域の拡大
(主な実績)
・ デジタル中継局 113 局、NHK共聴へのデジタル導入 694 施設が完了(今年度累計)。
・ 「各地域の地上デジタル放送推進協議会(地域協議会)において、約 6,000 地区の「新
たな難視」の調査地点を選定した。
・ 自主共聴へのデジタル導入促進をめざし、自治体説明会を 44 回実施(21 の自治体の
552 施設、7~9 月)、受信点調査は 576 施設で実施した。
・ 主要不動産団体を通じて賃貸集合住宅の共聴施設情報を入手、70,000 棟の地上デジ
タルの受信状況を整理中である。
・ 地上デジタル放送が良好に受信できるかどうか簡単に判定のできる地上デジタル受
信マージンチェッカーを、集合住宅の管理会社に貸し出し、管理物件の共聴施設の地
デジ対応状況調査に着手した(10,000 万棟の確認調査の準備中)。
(評価)
・ 今年度目標に対し、デジタル中継局は 37%、NHK共聴は 57%の整備を完了した。9
月末までの累計で親局を含む 453 局所の送信所でサービスを開始しており、電波カバ
ー率は約 94%。デジタル中継局、NHK共聴とも、ほぼ計画通りに進捗している。
・ 自主共聴の自治体説明会、受信点調査については、自治体や共聴施設組合からの依頼
を受けて対応するため、進捗として遅れ気味。
・ 障害対策共聴や集合住宅共聴については、管理会社との連携により、デジタル化に
徐々に活動に弾みがついている。
39
(課題・今後の取り組み)
・ 今年度の整備目標であるデジタル中継局約 440 局、NHK共聴約 1,600 施設の達成に
向けて、工程の平準化など適切な管理を図ると共に、共聴施設のうち新たな受信点の
確保が必要な施設について迅速に対応していく。
・ 選定した「新たな難視」6,000 地区のうちNHKの発注分 4,000 地区について、10
月から来年 2 月にかけて実測調査を行い、来年 6 月頃までに難視聴世帯解消のための
対策計画を作成していく。
・ 自主共聴の調査受付数は、今年の目標 6,000 施設に対し 34%で、遅れ気味。調査受
付数の拡大に向けて、自治体・施設組合へのさらなる周知徹底を行っていく。今年度
下半期からは、調査依頼を待つのではなく、共聴施設組合をNHKが直接訪問するこ
とでデジタル化を促していく。
地上デジタル放送の普及促進と国や民放と連携した難視聴解消策の検討
(主な実績)
・ 地上デジタルの普及、セーフティネット、アナログ放送終了にむけた対応について、
全国地上デジタル放送推進協議会(全国協)の技術部会、対策部会、総合推進部会お
よび各 WG で検討を進めている。
a. セーフティネットの制度整備を受けて、技術的要求・要件を取りまとめ、セー
フティネット実現のための設備仕様の骨子を確定。
b. テレビ受信者支援センターが実施するデジタル混信調査の要領書案をまとめ、
全国6地域でサンプル調査を実施。また、過渡的にデジタル混信が発生する可
能性のある地域に関する世帯数などのデータ作成。
c. アナログ終了計画案〔全国協〕に基づき、地上アナログテレビ放送に「アナロ
グ」のロゴを 7 月 24 日から常時スーパー。
・ 諸外国におけるアナログ終了・デジタル移行に関する事例を調査した。
・ デジタル混信対策では、全国協の秋田・新潟合同会議のもと、新潟・秋田親局間のダ
クト性フェージング(天候の関係で大気中の急激な屈折率の変化が発生し、電波を非
常に遠くまで伝播するダクトを形成する現象)による混信の改善施策を実施した。
(※
「地域放送局の取り組み)でも記述)
・ 総務省、DPAなど諸機関と調整しつつ、国の補助事業としての実施・運営体制であ
る「総務省テレビ受信者支援センター」設置準備に協力。21 年度の全国展開に向け
て要員手配や体制作りなど準備に着手した。NHKは、同センターに対し、すでに本
体職員 12 名、OB13 名の計 25 名の要員を派遣している
・ 受信側にデジタル化を推進してもらうためには、地域密着型の指導・相談体制を整え
ることが必要。総務省は「総務省 テレビ受信者支援センター」を各都道府県 51 箇
所に設置し、共同受信施設のデジタル化促進対応、デジタル混信や難視地区等への受
信環境調査、受信相談、周知広報などの業務を全国規模で展開していく(10 月に統
括本部(東京)と全国 11 箇所の地域支援センター開所予定)。
40
(評価)
・ セーフティネットやデジタル混信、新たな難視、アナログ終了など、全国協での検討
に積極的に取り組み、さまざまな課題の解決に向けた取り組みに寄与した。
・ 米国アナログ一斉停波(2009 年 2 月)に先立ち、ノースカロライナ州ウィルミント
ン市で行われたデジタル先行移行の実施状況や課題を調査し、日本のアナログ終了に
向けた貴重な参考情報を収集できた。
・ 新潟・秋田間のデジタル混信対策では、それぞれの親局の送信空中線のパターンを変
更し、フェージングによる混信を抑制、安定した放送を届けることができるよう改善
された。
・ 「総務省 テレビ受信者支援センター」設置にむけては、9 月 3 日に実施団体として
DPAが採択され、5 日に交付決定。2011 年の円滑なデジタル移行に向けて、受信側
の対策を行う体制が整いつつある。
(課題・今後の取り組み)
・ セーフティネットの運用面の課題について引き続き検討していく。
・ 「総務省 テレビ受信者支援センター」は、総務省、NHK、民放含めたオールジャ
パンの体制で行っていくが、業務にはNHKが長年にわたって蓄積してきた受信技術
や視聴者対応のノウハウが必須であり、NHKとして、役割分担を明確にしつつ支援
していく。支援センター要員だけでなく業務の遂行においても中核となって先導的役
割を果たしていく。特に、21 年度に予定されている支援センターの全国展開が総務
省の要請で前倒しされる予定であり、要員を含めた体制作りに向けて早急の検討、調
整を進める必要がある。各支援センター開所の前倒しをできるだけ平成 20 年度内に
できるよう、総務省の要請を受けてさらに 76 名の要員支援を行うことを含め早急に
検討していく。
視聴者のみなさまとの結びつきの強化
CS(お客様満足)向上活動の推進
(主な実績)
・ 電話で寄せられた視聴者意向は、北京オリンピックへの問合せや意見が加わり、着信
件数、受付件数ともに前年同期を 3 ポイント上回った。電話応答率は 86.7%(7~9
月平均)で前年同期と変わらなかった。(視聴者コールセンターの電話受付件数は、
一日平均およそ 3,000 件) 北京オリンピック期間中(8/9~24)は、視聴者コール
センターの受付時間を 2 時間延長し 24 時まで対応した。
41
・ コールセンターでのよりていねいな電話対応とサービス向上を図るため、研修を実施
した。
・ 「つながる・伝わる・身近なお客様窓口」を目指し、コールセンターの刷新計画を作
成。
・ 毎月の視聴者対応報告では、誤字誤読の指摘や営業スタッフの苦情などを取り上げ、
再発防止に取り組んだ。
・ 放送や業務の改善件数は、上半期累計で 557 件となった。
・ ふれあいミーティング実施回数は上半期累計で 848 回。
・ 7 月~9 月にかけて受信料支払者限定観覧募集の公開番組・イベントを全国で 44 本実
施した。
・ 地域放送局に対する視聴者総局の支援機能を整備し、編成局、報道局、人事総務局と
も連携を図りながら地域支援を行うための「地域放送局支援検討委員会」が発足。
(7
月。編成局、視聴者サービス局、広報局、営業局、人事総務局)。
(評価)
・ 電話応答率は年度目標の 89%には達していないものの、第1四半期を 6.6 ポイント
上回った。
・ 北京オリンピック関連では、20,000 件の意向に対応し、制作現場にも視聴者の声を
届けた。
・ コールセンターの研修は 221 人全員が受講し、受講者の 92%が役立ったと回答する
など、サービス技術向上が図られた。
・ 誤字誤読の指摘については、放送課題検討分科会や放送倫理連絡会などで問題提起
し、現場への働きかけを行った。
・ 放送や業務の改善の年間目標 1,000 件に対する進捗率は 55.7%で順調に推移してい
る。
9 「動く!防災スタジアム」(※「地域放送充実への取り組み」で既述)は、地方
局の連携で視聴者参加型の番組が成功したもの。
9 「関東でも『ちりとてちん』のイベントを!」とのお客様の声に応えて開催した
「ちりとてちんファンミーティング in 東京」に対しては、
「NHKが自分たちの
声を聞いてくれたことが嬉しい」との声が寄せられた。
9 「番組ホームページの深夜の時間表記がわかりにくい」という意見に対し、改善
の実現へ向けて「放送課題検討分科会」で検討するほか、
「放送用語委員会」に
議題として提案するなど、視聴者の声に応えた改善に取り組んだ。
・ ふれあいミーティング全体の実施回数はほぼ順調に推移しているが、テーマを設定し
番組制作者の講演やスタジオ収録番組の見学などと組み合わせて実施する「企画型」
ふれあいミーティングは、年間目標(270 回)に対する達成率が 28.5%に留まってい
る。
・ ふれあいミーティング参加者のアンケートについては、9 月末までの平均で、「好感
42
度が上がった」と答えた人は 73%、また「NHKへの理解度が深まった」と答えた
人は 70%。いずれも目標(好感度アップ 78%、NHKへの理解の深まり 79%)を下
回っている。
・ 支払者限定観覧募集の公開番組・イベントを実施。本部では「NHK歌謡コンサート」
「BS永遠の音楽大全集」など 15 本。地方では、
「ぐ~チョコランタン小劇場」を中
心に 29 本。
(課題・今後の取り組み)
・ ピーク時の予測、土日祝日の対応要員の計画的な配置をさらに徹底し、応答率の向上
を図る。
・ コールセンターでは対応事例の情報の共有を進めるなど、組織的に担当者のフォロー
アップを図る。
・ 受付時間の延長は、必要に応じて今後も臨機に対応していく。
・ 新コールセンターの評価指標(アウトカム目標)を 11 月末までに明確にする。新コ
ールセンターの開発業者を決定する国際調達の手続きを 10 月から開始する。
・ 誤字誤読は、引き続き現場と一体となって減少に努めていく。
・ 下半期には、お客様の要望を改善につなげるまでのスピードも評価の指標の一つとす
ることを検討したい。また、大河ドラマ「篤姫」が高視聴率を記録していることから、
「篤姫」をご覧いただいているお客様への感謝イベントを 11 月にNHKホールで開
催し、視聴者満足の向上に資することとしている。
・ 「企画型」ふれあいミーティングで、好感度アップ 92%、理解度アップ 81%と、い
ずれも高い数値が出ている本部の実施ノウハウを、各放送局に提供し、参加者の受益
感の高いふれあいミーティングを数多く実施することで、目標の達成を目指す。また
「企画型」ふれあいミーティングは、参加者アンケートを必須としているため、各放
送局にもアンケートの実施を強く働きかけていく。
・ 支払者限定観覧募集は、年間目標(150 本程度)に向け、引き続き全国展開していく。
・ 地域放送局の業務支援は、年内には委員会で具体的な支援策を固め、新年度(21 年
度)から新しい体制で行っていく。
イベントや携帯サイトを活用した若い世代との結びつきの強化
(主な実績)
・ 今年度の重点事項である、若い世代との接触率向上を目的とした新たなイベント、
「N
HK WONDER STREET」(8/15~16)、「NHKアニメ館2008」(8/13
~16)を開催した。
・ 若者向け公開番組(爆笑オンエアバトル、MUSIC JAPAN、最新ヒット ウ
エンズデーJ-POP、ザ少年倶楽部、“笑”たいむ2008等)をNHKホール、
NHKふれあいホール等で実施した(計 37 本)。また、チアリーディング日本選手権
43
・
・
・
・
・
大会(8/22~24)を開催し、15,030 人が参加した。参加者・観客ともNHKと接触
率の低い若い女性が大半を占めた。
「防災パーク2008」を開催。スタンプラリーなどを展開し子どもたちへの参加を
よびかけた。(8/30~31)
未来を担う世代に、放送を身近に感じでもらうコンテストを実施した。
NHK杯全国高校放送コンテスト全国大会 決勝 (7/25)
NHK杯全国中学校放送コンテスト全国大会 決勝(8/22)
子ども、ファミリー層に人気のある公開番組を実施した。
(「NHKこどもミュージカ
ル」、「天才てれびくんMAX」など)
「北京故宮 書の名宝展」では夏休み期間の開催を考慮し、子どもを対象としたガイ
ドブックを 7 万部製作・配布するなど若年層へのPRを積極的に展開した。(7/15~
9/15、江戸東京博物館)
ハートプラザ巡回展は、9 月末までに 18 局で計 25 回実施し、来館者数は累計で 142
万 856 人となった。
(評価)
・ 下記イベントは 20 年度の重点事項である「若い世代との結びつき強化」の具現化に
向けて初めて開催。いずれもターゲットとした 10~30 代の若年層が多く訪れ、NH
Kと若い世代をつなぐ“架け橋”として大きな成果を挙げた。
NHK WONDER STREET
(満足度:71.0%。10~30 代の参加者では 73.1%)
NHKアニメ館2008
(満足度:95.0%。10~30 代の参加者では 88.0%)
※いずれも参加者アンケート結果
・ 若者向け公開番組を本部で 37 本開催した。参加者アンケートによると満足度は平均
78.3%であった。また、
「MUSIC JAPAN」
「ザ少年倶楽部」ではウエブ応募
を試行した。
・ 「防災パーク2008」では、起震車や煙体験ハウス、巨大迷路など体験型の企画を
多数取り入れたり、都内小学校へ事前にスタンプラリー用紙を配布したりした。参加
者アンケートによると満足度は 86.8%と昨年より 5.6 ポイント上昇した。
・ 全国高校放送コンテストでは、コンテストOB・OGの大学生の運営参加を通じてイ
ベントに広がりを持たせるとともに、共にイベントを創ることで若年層との関係を構
築することができた。また、初の試みとして「Nコン番組セミナー」を開催。定員の
2 倍の応募があり好評を博した。全国中学校放送コンテストも立ち見が出るほど盛況
であった。
・ 子ども、ファミリー層に人気のある公開番組は、参加者アンケートによると、いずれ
も非常に高い満足度を得た。
「NHKこどもミュージカル」(満足度:88.3%)
「天才てれびくんMAX」(満足度:93.1%)
44
・ 「北京故宮 書の名宝展」は、子ども向けガイドブックの製作・配布の効果もあり、
小・中高校生の割合が 6%と、最近のNHK主催展覧会では「インカ・マヤ・アステ
カ展」(9%)に次いで高い数値となった。
・ ハートプラザ来館者数は、前年度比 3 ポイント増の 299 万 3,821 人を目標としている
が、目標に対する進捗率は 47.7%に留まっている。
(課題・今後の取り組み)
・ 「NHK WONDER STREET」、
「NHKアニメ館2008」ともに初めて取
り組み、大きな手応えを得た。来年度も引き続きイベントを通じた若い世代との接触
機会拡大、若い世代の理解促進を重点事項として推進していく。12 月には「NHK
紅白歌合戦」と連動した会館公開型イベントを、若者対象の企画内容を取り入れて実
施予定。
・ 「NHK音楽祭」の関連企画として大学生対象のリハーサル公開(12 月)、若者に人
気のある劇団による「NHKシアター・コレクション」
(1~2 月)を、若者向け公開
番組として開催する。また、食料キャンペーン、福祉キャンペーンでは大学生を中心
に参画型の企画を検討している。美術大学生等の作品を展示するアートギャラリー
「エコール・ド・渋谷」の第 2 弾および第 3 弾を年度内に開催する予定。
・ 「秋のふれあい広場」
(11 月)、
「食料フェスティバル」
(3 月)で参加感のあるファミ
リー向けの企画を一層推進する。
・ 10 月に開催する「NHK全国学校音楽コンクール 全国コンクール」や「アイデア対
決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」など、伝統あるコンテストを若い世代と
NHKの貴重な接点として一層活性化させていく。
・ 平成 21 年度はETV50 年記念企画として「天才てれびくんMAX」を東京以外でも
実施し、地域の視聴者の期待に応えていきたい。
・ 展覧会、NHK音楽祭などの大型文化事業および関連イベントを通じ、若い世代に対
してアピールしていきたい。(源氏物語の 1000 年展、NHK音楽祭2008等)
・ 平成 20 年度下半期は、イベントや公開番組の現場に出向いて実施する「出張型」ハ
ートプラザ巡回展を積極的に開催し、接触者数の増加に注力したい。
公共放送の理解促進に向けた活動の推進
(主な実績)
・ NHK次期経営計画の検討状況や地上デジタル放送移行対策、NHKオンデマンド、
国際放送などについて、会長会見や記者ブリーフィングなどを通じて、可能な限りの
情報発信を行った。また、NHKへの信頼を大きく揺るがした職員のインサイダー取
引の再発防止などについて、丁寧に説明し、マスコミを通じて、NHKの取り組みに
ついて視聴者の理解促進を図った。
・ 2011 年の円滑な完全デジタル化に向け、積極的できめ細かな周知活動を目的に、関
45
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
連部局をメンバーとした「デジタル・技術広報連絡会」を設置した。
9 月 1 日の「防災の日」にあわせ、NHK放送技術研究所や放送技術現場で研究開発
を進めている最新の成果について、積極的に記者ブリーフィングを行った。
平成 21 年 2 月に本格的にスタートする国際放送や、新しく設立された㈱日本国際放
送について、あらゆる機会を通じて国内外にPRした。
「三つのたまご」や「土曜スタジオパーク」で地域局や各部局の地域貢献の取り組み
を積極的に伝えた。
a. 広島局開局 80 周年ドラマ「帽子」の制作中、小学生がロケ現場を見学したり、
地元の帽子職人が俳優に演技指導をしたりしてドラマ作りをささえる様子を、
「三つのたまご」で伝えた(7/13)。
b. 「三つのたまご」に新コーナー“あなたの街のNHK”を設け、和歌山局のシ
ョッピングセンターでのFM公開生番組、静岡局の富士山写真展、自ら撮影し
編集してリポートする釧路局の女性リポーター、香川県内の“しあわせ人”を
探しながら旅する高松局のローカル紀行番組を紹介した(9/14~)。
c. 「土曜スタジオパーク」(9/6)で、佐賀局が民放ラジオ局と 3 局合同で防災特
番に取り組んだ模様も伝えた。
「デジタルQ」でデジタル化に参考となる情報を分かりやすく伝えている。7 月から
は、番組ホームページで過去の放送分のストリーミング配信を始めた。完全デジタル
化の 3 年前にあたる今年 7 月 24 日には、特番「備えあれば映りよし」を制作。3 年
後にアナログが停波することや、デジタル化に必要な機器や費用についてわかりやす
く伝えた。
「もうすぐ8時プレマップ」では、
「環境特番」「アーカイブス検定」「広島いのちの
歌」「大河ドラマ出演者発表」など、番組以外のNHKの様々な情報も伝えた。
周知が届きにくい高齢者をターゲットに経営広報スポットを集中編成した。(アナロ
グ停波周知スポット、受信料訪問集金廃止・障害者割引拡大スポットなど)
若い人たちがなじんでいる携帯電話やパソコンを意識し、放送総局長会見には、携帯
コンテンツの紹介や北京オリンピックのパソコンでの動画配信など、テレビ以外のメ
ディアに関するリリースも盛り込むよう心がけた。また会見で、8 月の公開収録を含
む「EYESスペシャル」のPRも行うなど、「EYES」の定着に向けた活動を展
開した。
「土曜スタジオパーク」では、10 代の若者たちと親世代をメインタ-ゲットとした
ドラマ8の主演・山崎静代さん(南海キャンディーズ、7/5)や、
「篤姫」に出演中の
堀北真希さん(8/23)をゲストで迎えた。また、若者向け番組「ザ☆ネットスター!」
の紹介を行った。
連続テレビ小説の制作現場と広報局の協力で、ドラマの舞台裏を紹介する「勇蔵のキ
ミの瞳にぞっこん」を制作、番組ホームページとの連携も図った。
「BSティーンズ倶楽部」は、引き続き、中高生向けにBSの番組をPRしている。
また通常番組についても 10 代を意識した紹介をしている(「素敵にガーデニングライ
フ」の“コンテナガーデン作り”など)。
46
・ 若年層対策として実施している「NHKミニミニ映像大賞」(11/16 グランプリ決定
予定)の広報活動として、全国 13 カ所の大学・専門学校で映像制作ワークショップ
を開催(7/10~8/25)。学生を中心に、約 1,050 名が参加。開催地の地元局と共に「ふ
れあいミーティング」も実施し、直接、NHKと触れ合う機会拡大に努めた。
・ 10 代向けの番組パンフレット「ワンダー(上半期版)」を、全国の若者向けイベント、
コンクールや公開番組などで配付(14 万 7 千部、7~9 月期)。さらに 9 月末、下半期
版として 32 万部を発行した。
・ 新たに 20~30 代向けの番組パンフレット「ウォッチ」を、
「EYES」ゾーンなど若
者層向け番組の認知度向上・視聴促進を目指した紙面構成で作成した。9 月末、全国
の放送局向けに 18 万部発行。また、20 年 6 月から一年間、「EYES」ゾーンの広
告を、東京ニュース通信社発行の若者向け月刊TV情報誌「デジタルTVガイド」
(発
行部数 25 万部(月刊))の番組表内に掲載し、周知広報を図っている。
・ 「出前授業」を小学校 16 校の 922 人を対象に実施したほか、「ふれあい隊」を埼玉、
群馬で実施し、放送とNHKを身近に感じてもらうよう努めた
【情報公開】
1.「開示の求め」の受付および対応
○「開示の求め」の件数
情報公開
36 件
個人情報
1件
○
対応結果
情報公開:開示 5 件、一部開示 4 件、対象外 5 件(うち情報提供 3 件)、
不開示 5 件
個人情報保護:開示 1 件
2. 全国「情報公開・個人情報保護担当者講習会」の実施
7月 30 日: 本部・放送総局以外の各局、技研、都内営業センター等の
担当者
7月 31 日: 本部・放送総局内各局、文研
8 月 1 日: 各地域放送局・支局、各関連団体等
・ 視聴者からの再検討の求めに対し、この間、審議委員会を 4 回開催、以下 2 件の答申
を得た。
「秋葉原タワー直下における電子機器への妨害実験」(7/22、答申第 79 号)
「受信料の訴訟費用」(9/4、答申第 80 号)
(評価)
・ 完全デジタル化の周知広報に関しては、年間の活動スケジュールにもとづき、7 月か
ら 9 月末までに 7 件の報道発表を実施した。また、地上デジタル放送に関連した記者
ブリーフィングを頻繁に行っている。
47
・ 「防災の日」にあわせた技術開発のフリーフィング内容については、全国紙や業界紙
にも多数掲載された。
・ 新しい国際放送については国内の新聞、雑誌だけでなく、海外のメディアにも取り上
げられ、NHKの国際放送に対する取り組みを広く知ってもらった。
・ 「三つのたまご」「土曜スタジオパーク」で紹介した視聴者のための多彩な取り組み
が好評であることが、各局への視聴者の反響から伺える。
・ 「デジタルQ」の視聴率は、早朝にもかかわらず 7~8%台と、好調である。またホ
ームページのアクセス数はストリーミング配信を始めた 7 月以降増加している。
・
・
・
・
・
・
・
・
4月
9,923 件
5月
6,244 件
6月
6,187 件
7月
13,003 件
8月
11,557 件
9月
11,686 件
視聴者からは、ホームページでまとめて番組が見られるのは便利で参考になるとい
う声も寄せられている。
7~9 月の「もうすぐ8時 プレマップ」の平均視聴率は 11.6%と好調であった。
若い人たちにも人気を得ている大河ドラマ「篤姫」などを、従来NHKの番組を紹介
していただく機会の少なかった若い人たち向けのファッション誌、情報誌など 30 余
りのメディアに取り上げてもらうなど、NHKへの接触の少ない視聴者にも届く広報
が実現できた。
「土曜スタジオパーク」でドラマ8を特集することにより、10~20 代の視聴者から
の質問やメッセージが増加。堀北真希さんの回では、若者中心に約 120 名の観覧希望
者がつめかけた。また、認知度の低かった「ザ☆ネットスター!」の紹介には、「面
白そうな番組を初めて知った」という反響が寄せられた。
連続テレビ小説の「勇蔵のキミの瞳にぞっこん」に対しても、ホームページに様々な
反響や要望が寄せられた。
「素敵にガーデニングライフ」を見た複数の 10 代の視聴者から、
「ガーデニングはお
金のある大人のものだと思っていたが、
“コンテナガーデン”なら若者でも楽しめる」
という声が寄せられた。
映像制作ワークショップの会場で参加者アンケートを実施。ワークショップ開催につ
いて、「大変、参考になり満足した」(約 85%)、「NHKに対するイメージが変わっ
た」
(約 40%)など、NHKのイメージ向上にかなり効果があったという回答を得た。
「ワンダー」について、電通によるモニター調査を実施。ターゲットの 10 代層で「紙
面を読んで見たい」と思った割合が 69%、
「紹介番組をひとつでも視聴したい」と思
った割合が 63%。この調査結果により、パンフレットが一定の受容性が得られてい
るとの報告を受けた。20 年度から年 2 回発行、視聴者層拡大を目指している。
出前授業は、20 年度累計 25 校 1,415 人、ふれあい隊は 20 年度予定の 6 箇所中 4 箇
所で終了。児童からは、
「大きくなったらカメラマンになりたい」
「人を傷つけるよう
48
な放送をしてはいけないことが良く分かった」、先生からは、
「これからも子供たちの
ためになる良い番組を作り続けて欲しい」などの感想や励ましが寄せられた。
【情報公開】
・ 新聞各紙に掲載されたNHK関連記事を受けたものも含め、第2四半期は「開示の求
め」の件数が増加した。関連部局と調整しつつ迅速な返答に努めるとともに、対象外
案件の場合でも情報提供を行うこと、透明性の確保や説明責任を果たすことに努め
た。第2四半期末までの累計開示率は 71%だった。
・ NHKグループ全体での個人情報保護への対応が求められているため、毎年、全国の
担当責任者を対象に実施する講習会には、今年初めて関連団体の個人情報保護担当者
も参加。また講師陣は、情報公開センターに加え、総合リスク管理室・総合企画室[情
報システム]の三者で行う体制とし、丁寧で分かりやすい講習会となるよう心掛けた。
後日、講習会に参加した新宿営業センターの担当管理職が、同センター内で地域スタ
ッフ向けの独自研修を行うなど、講習会の深まりがあった。
・ 視聴者からの再検討の求めについて、NHKは当初不開示としたが、審議を経る中で
一部開示すると判断するに至り、審議委員会も同様の判断を行った。開示できないと
するNHKの判断は妥当とされた。
(課題・今後の取り組み)
・ 10 月公表予定の次期経営計画、信頼回復の取り組み、地上デジタル放送移行への取
り組みなどについて、NHKの主張・考え方がきちんと伝わるよう効果的な会見や取
材対応に努める。
・ 平成 21~23 年度次期経営計画について、特番や「三つのたまご」の枠を拡大して、
視聴者にわかりやすく伝える。
・ 完全デジタル化、防災関連の技術開発、国際放送、いずれも今後も継続して、積極的
に周知広報活動を進めていく。特に、アナログ家庭のデジタル移行を促す特番を取材、
制作中(12/1放送予定)。また、冬のボーナスキャンペーンのパンフレット制作を通
じて、デジタル放送の普及を推進する。
・ 10 月からスタートさせる新番組「週末プレマップ」でも、NHKの様々な情報を伝
えることで、一層の理解促進・信頼回復を図りたい。
・ 10 月以降「受信料の口座振替」を、11 月には「歳末助け合い」を呼びかけるスポッ
トを制作予定。
・ リリースなどの配信先が従来からの「紙媒体」に偏りがちな傾向がある。10 月にリ
ニューアル稼働した電子広報システム「エプロン」にはデジタル系メディアも登録さ
れており、ここを通じたPRにより一層の力を入れていきたい。
・ 「BSティーンズ倶楽部」は、“ティーンズ自身が体験して、ティーンズ目線で番組
の魅力を紹介する”という番組の特長を生かし、総合テレビや教育テレビの番組もよ
り多くの若者にPRできるよう改定提案中(21 年度)。
・ 10 月 17 日に「NHKミニミニ映像大賞」の審査を予定。11 月 16 日に、グランプリ
49
や入賞作品を紹介する番組を収録し、12 月上旬に放送予定。
・ NHK社内報「ネットワークNHK」10 月号に「ワンダー」と「ウォッチ」を紹介。
コミュニケーションツールとして各放送局で視聴者活動などに活用してもらえるよ
う図っていく。
・ 出前授業で訪れた学校の教職員や父兄との「ふれあいミーティング」を積極的に行い、
公共放送の理解促進に取り組む。
【情報公開】
・ 経営の説明責任を果たし透明性を確保するため、今後も情報公開の推進に努力する。
また、審議を通じて、情報公開の重要性を各部局に浸透させるとともに、引き続き、
厳正、適正な審議を進める。
信頼される公共放送のための業務運営の改革
内部統制機能の整備、コンプライアンスの徹底
(主な実績)
・ リスクマネジメント委員会を第 2 四半期で 4 回開催した。委員会を通じ、①「大規模
地震発生時の対応についての情報共有」②「パンデミック(新型インフルエンザの世
界的大流行)対応の推進」③「労務課題への対処」④「放送総局課題の対応」につい
て関係部局への対応要請。
・ 「職員の株取引問題に関する第三者委員会」の調査報告の提言を受けた再発防止策と
して、インサイダー取引防止規程を新設した。インサイダー取引防止規程に基づく特
定有価証券に関わる売却等届提出は 4 件。
・ 倫理・行動憲章及び行動指針の全面改定に向けた第 2 次案作成にあたっては、初めて
の試みとして職員の意見募集を行った。
・ 「業務プロセスの見える化」は視聴者総局、人事総務局、考査室と、仙台局、札幌局
など各放送局の「見える化作業」に着手した。
・ 第 2 四半期の内部通報件数は、5 件。内部窓口 2 件、外部窓口 3 件(すべて匿名)。
現在、NHKグループ全体を網羅する通報規定の体系づくりに取り組んでいる。
・ 現場から寄せられる様々な種類の相談に対して、案件の整理、法的問題点の抽出、必
要に応じた法的検討を行い、相談者が理解して対応できるよう解説、助言、指導した。
・ 内部統制、リスクマネジメント、クライシスマネジメント、コンプライアンスに関す
る、職員研修や各部局、関連団体での勉強会に講師派遣(7~9 月で 26 回)。
・ コンプライアンスに関する講義を各種研修(経営研修、新副局長研修、新ポスト長研
修、専任職研修、デスク研修、入局 1 年目研修など計 10 回)で実施した。(参加者
50
・
・
・
・
630 名)
入局 10 年目および管理職、マスター級Ⅱ、D3、D6昇進者の公金意識研修(受信
料収納)を継続して実施した。(平成 20 年度受講対象者 約 1,000 名)
各職場レベルでの勉強会の展開に向けて、全国人材育成担当者会議を開催した。
第1四半期および第2四半期に実施した研修(管理者・指導層への研修、新採用者へ
の研修など)のアンケート分析を実施した。
19 年度の「職場環境調査」を総括し、報告書を作成した。また、
「職場環境評価」ホ
ームページを作成し、総括(報告書)を掲載した。
(評価)
・ リスクマネジメント委員会を通じた「大規模地震発生時の対応についての情報共有」
は完了し、「パンデミック対応の推進」も報道局、人事総務局などにより全協会的体
制作りが始まった。
「労務課題への対処」
「放送総局課題の対応」については対応要請
中。NHKの抱えるリスクについて議論し改善を行う体制が定着した。
・ 4 月のリスクマネジメント委員会で決定した委託業務の点検は、7 拠点局で作業が終
了し、現場向けのマニュアル完成につながった。
・ 「倫理・行動憲章及び行動指針」改定に向けた意見募集には、個人・職場あわせて
238 件の意見が寄せられた。自らの行動を促す新しい取り組みとして歓迎する意見や
具体的な提案などが目立った。
・ 法務関連では、一日平均 10 件程度の相談に対応しており、法務職員と職員弁護士が
連日フル稼働状況である。気軽に相談できる体制を整え、リスクが顕在化する前の予
防法務的な相談対応に力を入れている。
・ 研修アンケートの分析結果は、ほとんどの研修で昨年を上回る評価となった。要因と
しては、従来の座講形式を対話形式、事例研究の合同講義に変更したことにより、研
修への参加感が高まったこと、理解度が高まったことなどが挙げられる。
a. 「経営研修」で実施した多面観察調査(360 度評価)、「新管理者研修」で実施
した考課面接ロールプレイは、参加者の 3/4 以上が「今後の仕事に役立つ」と
回答している。
b. 新採用者の公金意識研修(受信料収納)では、「受信料1件の重み」「営業実態
の厳しさ」「信頼回復の重要性」「良い番組を作ることの重要さ」等を感じてお
り、ほぼ全員が研修の意義に納得している。反面、期間が長いという意見も 1/3
程度あった。
・ 「職場環境調査」のホームページでは“難問解決!各局の底力”と題して、各局の活
動内容を掲載しているが、「自局の活動を紹介したい」との声が寄せられるなど、部
局を越えた情報の共有が進んだと思われる。
(課題・今後の取り組み)
・ 計画に沿った「見える化作業」の着実な進行と、作業を通じたリスクマネジメント意
識の浸透が課題。
・ 「倫理・行動憲章及び行動指針」改定版は 10 月 15 日施行。
51
・ 10 月~12 月をコンプライアンス強化月間として、各部局で理解促進活動を実施。
・ 内部通報のうち特徴的な傾向を示す案件について、リスクマネジメント推進担当者会
議等を通じて注意喚起を行う。
・ 10 月以降、職員弁護士の増員・体制強化によって、よりきめ細かな法務相談や各種
研修への講師派遣等の強化を実施し、更なる予防法務に資していくこととしたい。
・ 年度後半に向けて、各種セミナーの開催、講師派遣を引き続き積極的に行うほか、併
行して局内HPを利用した意識喚起を充実していく。
・ 21 年度に向けて、アンケート評価・研修レポートをベースに各研修のカリキュラム
を検証し、参加者により「伝わる」研修を目指してブラッシュアップを図る。
・ 新採用者の公金意識研修(受信料収納)については、各局担当者の意見や受講者アン
ケートをもとに、新採用者研修全体の設計の中で、期間の調整を含めた改善を検討す
る。
・ 職場での勉強会については、関係部局間の連携や各研修での事例を収集するなどによ
って、職場で役立つ仕組み・ツールの開発を行う。
徹底した業務の見直しと経費削減の継続
(主な実績)
・ 事業計画に基づき、放送実施経費の削減や契約収納費の削減等を進めている。
・ 全部門・全組織を対象に、既存の業務で廃止・簡素化できるものがないか、業務内容・
手順を検証して大胆な業務整理を行う活動を実施している。
(評価)
・ 上記のうち、「自局で完結できない」業務の改善要望・提案などが全国で 1,000 件を
超えて事務局に寄せられており、該当業務の主管部局で廃止・集約・簡素化への検討
を行っている。
(課題・今後の取り組み)
・ 予算に掲げた経費削減 172 億円の達成に向けて取り組みを進めていく。
・ 「自局で所管・完結するもの」を含めて取りまとめ・分類のうえ、10 月中には活動
報告をする予定である。
「3 か年経営計画」で掲げた要員削減△1,200 人の達成
(主な実績)
・ 現行の経営計画に基づき、平成 18 年度から 3 か年で職員の 1 割にあたる 1,200 人の
削減を進めている。最終年度となる 20 年度は 420 人の削減達成に向け、個別計画を
着実に実施している。
52
・ 削減にあたっては、あらゆる部門で業務や組織の見直しを行う一方で、全部門一律の
削減ではなく、放送サービスの質の確保、放送制作力を高めることに重点をおいた。
組織の統廃合や事務部門等の要員削減のほか、番組制作や技術関係の業務について
は、アウトソーシングを拡大した。
≪部門別削減率⇒放送:6.1%、技術:11.5%、営業:11.4%、事務:18.5%≫
・ 本部に比べ地方の削減率を抑制し、地上デジタルによるサービス拡大など地域放送全
体の質の確保に留意した。1,200 人削減のうち、放送局放送部門の削減は 19 人(削
減率:1.6%)である。
≪本部・地域別削減率⇒本部:14.0%、拠点局:11.3%、放送局:5.9%≫
(評価)
・ 1,200 人削減による人件費削減効果は、△110 億円程度を見込んでいる。
・ 1,200 人削減にあたっては、アウトソーシング(700 人程度。関連団体への業務移行
を含む)だけではなく、業務のスクラップによる 550 人程度の削減もあわせて実施し、
より効率的・効果的な業務実施体制の実現に努めた。
・ 要員が減少する一方で、新たに地上デジタルなど放送サービスの充実、コンプライア
ンスや内部統制の強化、受信料収入確保への対応などの新規重点業務等へ要員を配置
する必要があるため、すべての現場に十分な要員配置が行えていない。
(課題・今後の取り組み)
・ 全体的なパワー不足による現場の繁忙感・疲弊感の増大や,放送番組の質の低下への
懸念、現場での人材育成が十分に行えなくなるという不安などがあり、職員全体のモ
ラールの低下が危惧される状況にある。
・ 公共放送の使命達成のためには一定の要員規模が必要であり、現場の繁忙感・疲弊感
をできる限り解消するよう努めていくが、単純な要員増は将来のリスク要因でもあ
る。このため、21 年度以降は、組織・業務の不断の見直しによる構造改革を推進し、
必要な部門・組織に要員をシフトするとともに、関連団体も含めたNHKグループ全
体として、効率的・効果的な体制の構築をめざしていく。
子会社等の改革
子会社等の再編・統合
(主な実績)
・ 次期経営計画の検討を通じて、子会社等の再編・統合に関する方針を策定した。子会社
等の業務の位置づけを明確化することにより、今後 5 年間で現在の子会社 17 社を 12~
53
13 社に削減することをめざす。また、関連公益法人については、真に公益性の高い団
体に限定し、必要最小限の体制に再編する。
・ 21 年 4 月に向けて報道系子会社 2 社、業務支援系子会社 2 社をそれぞれ 1 社に統合す
るための調整を進めてきたが、9 月までに合併の基本事項等についてほぼ合意が得られ
た。
・ 地域子会社 6 社の統合により 4 月に発足した「NHKプラネット」は、ネットワークを
生かした番組・地域イベントの強化、開発等に取り組んだ。
・ 技術系子会社 2 社の統合により 4 月に発足した「NHKメディアテクノロジー」は、放
送技術とITの融合を生かし、各種放送システムの開発に取り組んだ。
(評価)
・ 「NHKプラネット」担当番組では、BS2「にっぽん熱中クラブ」が好評。地方分は
支社が制作し、BS2放送後はローカル枠でも放送。イベントでは、「島津の国宝と篤
姫の世界展」が、入場者 15 万人超を集めた。来年度以降に向けて、NHK事業センタ
ー、NHKプロモーションとの新規事業開発プロジェクトも動き出した。
・ 「NHKメディアテクノロジー」は、ニュース番組に関連した回線情報を事前にアナウ
ンスするサポートシステムを大阪放送局に設置した。放送技術とITを組み合わせた新
規事業開発の活性化を確認できた。
(課題・今後の取り組み)
・ 子会社の削減については、経営計画記載事項の実現に向け、担当者、スケジュール等を
明確にしたうえで、具体的検討を進めていく。
・ 関連公益法人の見直しにおいては、新制度下における公益性認定基準がどうなるのかを
見定めたうえで、事業ごとに位置づけの整理を行っていく必要がある。このため他の企
業グループ等における対応も参考にしつつ、再編戦略作りに早急に着手したい。
(単位
予算額
受取配当金(再掲)
9 月末実績額
25
53
計理率・%
209.3
備
億円)
考
財務収入に含む
大型配当によるNHK財政への貢献
(主な実績)
・ 子会社各社の 19 年度業績に基づく 20 年度配当総額は 73 億円で、このうちNHKの
受取額は 53 億円。
54
(評価)
・ 20 年度配当総額 73 億円は、過去最大規模である。直近 3 か年(18~20 年度)の配当
額は 156 億円で、このうちNHK受取額は 108 億円となり、NHK財政に大きく貢献
している。
(課題・今後の取り組み)
・ 現在、各社の 20 年度業績見通しをとりまとめ中であるが、事業計画を完遂し、さら
に自主事業の拡大に積極的に取り組むことで、当期利益の増加を図り、普通配当の増
額をめざす。また、各社の財務状況や再編計画、新規事業への投資計画等を勘案し、
大型配当の実施についても積極的に検討する。
<子会社等の番組活用による副次収入状況>
(主な実績)
◇ メディアミックス権料は 9 月末現在 10 億 8700 万円で、前年同期比 1 億 7300 万円減
少。
◇ 上半期のメディアミックス配分収入は、NHKエデュケーショナルが 2 億 1000 万円
(昨年度年間 3 億 1000 万円)、NHKエンタープライズ 8200 万円(昨年度年間 2 億
2000 万円)と好調な出足。エデュケーショナルは「いないいないばあっ!」、エンタ
ープライズは連続テレビ小説「ちりとてちん」の展開が大きく貢献。
◇ NHK出版発行のドラマガイド「篤姫」が好調。前編 8 刷 34 万部、後編 7 刷 30 万部。
3500 万円を超える印税収入。年末に 3 冊目の完結編発行、DVDも発売予定。
◇ テキスト上半期権料は 1 億 7500 万円。実売率は 65.5%で、前年同期比、語学テキス
トはほぼ同様だが、「おしゃれ工房」「きょうの料理」が約 20 ポイント減少。
(評価)
◇ 年度当初不振だったテキスト売上が、夏以降、挽回の兆しがあり、年度後半に期待し
たい。
◇ メディアミックスはアニメやNHKスペシャルの提案に期待。昨年並みに届くかどう
かという見込み。
(課題・今後の取り組み)
◇ 子会社等による「副次収入タスクフォース」(副次収入の増収施策の検討プロジェク
ト)を立上げ、二次展開活性策や増収策を策定する。
(単位
予算額
番組活用収入等
(再掲)
9 月末実績額
68
34
55
計理率・%
50.0
備
副次収入に含む
考
億円)
(9)番組アーカイブ業務(区分経理)
(単位
区
分
予算額
9 月末実績額
計理率・%
事 業 収 入
4
0
0.0
事 業 支 出
18
3
19.3
△ 14
△ 3
-
事 業 収 支 差 金
(10)受託業務等(9 条 3 項業務
備
億円)
考
区分経理)
(単位
区
事
分
業
収
入
予算額
9 月末実績額
19
11
計理率・%
60.1
備
億円)
考
NHK ホール利用料
オリンピック北京大会
事
業
支
出
16
9
58.3
事業収支差金
2
1
-
国際信号制作
北海道洞爺湖サミットIBC
56
運営
等
3
地域放送局の取り組み
局地的な豪雨への対応・防災情報提供の充実をはかる取り組み
(主な実績)
■今夏、局地的な豪雨が各地を襲った。突然の災害発生に迅速に対応し、防災上の課題に
ついても掘り下げた報道を行った。
神戸 7 月 28 日、神戸市灘区の都賀川が雨で急激に増水し、5 人が亡くなった。取材
クルーが、橋げたにつかまって救助を求める人の迫真の映像を撮影。また、神戸市の
河川カメラ映像もいち早く入手し放送した。
金沢 7 月 28 日の集中豪雨で金沢市の浅野川が 55 年ぶりに氾濫。初動で的確に対応。
当日夜のニュースでは、堤防の切れ間を閉じるのが遅れたことが被害につながったと
記者解説で伝えた。
宇都宮 8 月 16 日、鹿沼市でおきた軽乗用車水没死亡事故について、「NHK週刊ニ
ュース」などの企画で背景を詳しく報じた。
■被害を未然に防ぐための情報提供では、データ放送やホームページを活用した取り組み
が意欲的に行われた。
名古屋 8 月 28 日から 30 日にかけて、東海地方の記録的豪雨による災害報道にあた
った。視聴者への迅速・的確な情報提供のため、速報スーパー、上乗せ、L字送出は、
8 月 28 日は 63 回、29 日は 93 回、30 日は 52 回にのぼった。災害ホームページを立ち
上げるとともにデータ放送でも避難所、警戒情報を放送した。
千葉 突然の豪雨に対して、通常のニュースに加え地上デジタルのデータ放送のニュ
ースできめ細かく情報提供した。
高知 台風 13 号が接近した 9 月 18 日夜に「気象災害ホームページ」を立ち上げた。
19 日午後まで、10 数回の更新を行い、台風の位置や降雨状況、注意点の情報提供を行
った。
■よりきめ細かな防災情報提供のための開発を、各局が積極的にすすめている。
大阪 インターネットに公開されている国交省などの河川情報カメラ映像を定期的に
パソコンに取り込み、間欠動画として再生するシステムを開発。
沖縄 自動で台風位置画像を作画するシステム「全自動台風位置スーパー作画送出シ
ステム」を独自に開発。7 月の台風 7 号接近から放送への利用を開始した。
岡山 地上デジタルのデータ放送で、県総合防災システムの河川水位、潮位、雨量を
6 月からオンライン提供しているが、9 月 19 日からは、各市町村が出す「避難情報(避
難指示・勧告等)」をリアルタイムで提供できるようになった。
京都 データ放送で提供している「河川水位・防災」コンテンツに河川カメラ映像を
提供できるよう改修中である。
57
(評価)
■いずれの報道内容もNHKに対する信頼にこたえるものとして高く評価されている。神
戸局の映像、金沢局の問題点の掘り下げは以下のような評価である。
神戸 河川カメラの映像は、豪雨を象徴する映像として高く評価された。
金沢 防災上の問題点の掘り下げは新聞各紙など他社を大きくリード。
■きめこまかな情報提供について、名古屋局・千葉局・高知局は、組織横断的な協力体制
と普段からの習熟訓練の成果と分析している。
■防災情報提供のためのシステムの開発の成果は、大阪局、沖縄局で次のようにあらわれ
ている。
大阪 システム開始後間もなく、集中豪雨による大和川の水位上昇映像が、ニュース
の中で使われた。
沖縄 全自動での送出が可能となり、業務負担の軽減につながった。
(課題・今後の取り組み)
■緊急報道については、視聴者からの信頼に引き続きこたえていかねばならない。開発し
たシステムについては、今後、以下のように計画している。
大阪 今年度の番組技術展に出展して、広く紹介することを考えている。
沖縄 さらに見やすい画面に改善するとともに、データ放送への展開も検討中である。
岡山 避難情報が誤って放送されないよう安全装置を設け、情報を確認した上で、解
除することになっている。継続的な訓練を行っていく。
北京五輪に合わせたイベント・企画
(主な実績)
■北京五輪に合わせ、地元出身の出場選手を放送で取り上げる一方、様々なイベントで
CS向上を図った。
奈良 8 月 10 日、ホッケー日本女子代表試合の受信公開を天理市で実施。天理市は代
表チームが練習拠点にしていた。合わせて地上デジタル放送の受信相談を行った。
福井 8 月 11~24 日、福井市内の大型ショッピングセンターで競技中継とEPGやデ
ータ放送の受信公開を行った。うち 2 日間はデジタル相談を実施した。
■地元大学の学生などの協力を得て、イベントを行った局もあった。
福島 7 月 9 日、福島大学で、五輪メダリスト、スポーツジャーナリストをゲストに
北京五輪の展望や楽しみ方を紹介するトークショーを実施。同大学は、現役、出身者
合わせて 5 人が北京五輪に出場した陸上の盛んな大学。学生のアイデアで世界記録に
挑戦できる体験コーナーや用具の展示コーナーを設けた。
58
富山 8 月7~24 日、富山市の商業施設内の広場でパブリックビューイングを行った
ほか、土曜、日曜には、富山大学陸上部の皆さんがハードル走や棒高跳びを披露した
り、バスケットボールのフリースロー大会を行ったりするなど、体感できるイベント
にした。
(評価)
■CS向上活動に取り組んだ奈良局、福井局では、地上デジタル放送のPRのよい機会と
なった。
■大学生などとともにイベントを作り上げた福島局、富山局は以下のような評価である。
福島 トークショーへの参加は一般の応募者を含め 350 人。アンケートでは 7 割以上
が満足と答え「北京五輪が楽しみになった」
「陸上の展示ブースが素晴らしかった」と
いう声が寄せられた。大学生の皆さんといっしょにイベントを作り上げたことで、N
HKと若い人たちの距離を縮める効果があった。
富山 イベント期間中に、のべ 12 万 5 千人が来場。サッカー教室など、参加型のイベ
ントが多く、満足度も高かった。中心市街地活性化も課題となっているだけに、各方
面から高い評価を得た。
(課題・今後の取り組み)
■五輪をきっかけにしたイベントであるが、若年層へアプローチする取り組みもあり、継
続性のあるイベントにつなげていくことが求められる。
地域スポーツへのサポート
(主な実績)
■地域に本拠地を置き球団を運営する様々なスポーツチームができている。各放送局で
は、中継放送を実施したり、情報番組に応援コーナーを設けたり、サポートをする動きが
活発である。
横浜 サッカーJリーグに所属する神奈川県内のチーム同士の対戦、“神奈川ダービ
ー”を、7 月と 9 月にFMで中継放送。
前橋 J2“ザスパ草津”や、野球の独立リーグのBCリーグ北信越地区に所属する
“群馬ダイヤモンドペガサス”の情報を、FM番組できめ細かく伝えている。
水戸 茨城Jリーグアワ―として、今期も 9 月に、
“鹿島アントラーズ”の試合を地上
デジタル総合で県域放送した。
松山 9 月に、野球の独立リーグ、
“四国・九州アイランドリーグ”の 3 試合をラジオ
中継。愛媛のチームが初優勝(後期)を決めた試合や、年間優勝決定シリーズを中継
した。優勝決定シリーズは、全試合、データ放送とホームページでもスコア速報を実
59
施した。
高松 “四国・九州アイランドリーグ”に所属する香川のチームの試合を年間5試合
ラジオ中継した。中継の 2 回目以降、ホームページを通して募集した応援メッセージ
を実況の中で随時紹介した。
(評価)
■反響についての報告は以下の通りである。
水戸 茨城県内のスポーツの振興に寄与。ファンからも好評。
松山 優勝決定シリーズのホームページのアクセスは通常の 2 倍だった。
(課題・今後の取り組み)
■前橋局では、12 月、仙台での試合の中継を予定している。高松局は、携帯ホームページ
の充実に合わせ、取り組みを強化していく。
イベントなどを通し、地域とのつながりを深める活動
(主な実績)
■放送会館を拠点に、つながりを深める活動が多彩に行われた。
秋田 20 年 3 月にオープンした新会館を“開かれた会館”とする活動の一環で、8 月
中、2~3 日「☆まるごと宇宙デー」、4~6 日「夏のふれあい上映会」、8~24 日「北京
オリンピック受信公開」、24 日「大曲全国花火競技大会受信公開」と、切れ目なくイベ
ントを実施した。
徳島 8 月 13~15 日の 3 日間、「会館阿波踊り」を実施し、一階ロビーに設置したミ
ニ演舞場で 32 の連の皆さんに踊っていただいた。2年目の今年から「ちびっこ阿波お
どり大会」も開催。会場の設営や場内整備などは、地元の皆さんと共同であたった。
北九州 現在の会館に移転以来、5 年にわたって「サンデーコンサート」を 250 回開
催。来場者は 2 万人あまり。9 月末に 5 周年を記念した特別演奏会を実施した。
■視聴者満足につながる工夫が、各地のイベントで見られた。
北見 9 月、紋別市で「つくってあそぼショー」を開催し、今年度中に開局する紋別
地区の地上デジタル放送のPRに役立てた。
旭川 NHKのど自慢予選会出場者へのサービスとして、歌唱シーンを静止画に取り
込みロゴを入れプリントして配付した。
帯広 デジタル放送の普及活動をさまざまな形で行っているが、7 月には視覚障害者
の方たちに対して説明会を実施し、点字放送システムのデモンストレーションを行っ
た。
盛岡 開局 70 周年を機会に地域とともに歩むNHKをアピールするため、市内のショ
ッピングセンターで、9 月にNHK盛岡開局 70 周年展を開催。
60
仙台 8 月 19、20 日仙台市内のイベントスペースで「NHK仙台夏休みわくわくまつ
りを実施。若いファミリー層を対象にしたイベントのほか、
「篤姫パネル展」など行っ
た。
甲府 8 月に行った「NHK全国学校音楽コンクール山梨県大会」で、出場者の顔が
よく見えるように、これまでのスタンドマイクから、3 点吊りマイクに初めて変更した。
この模様は教育テレビの 1 時間の特集番組で紹介した。
鹿児島 大河ドラマ「篤姫」の人気で観光面など大きな効果をあげている鹿児島で、7
月 26 日、主演の宮﨑あおいさんらを招いて「篤姫トークショー」が開かれた。定員 1,500
人に対し 10 倍以上の申し込みがあった。会場となった市内のホールに入れない人のた
め、駅前広場の大型ビジョンにその模様を流した。
(評価)
■放送会館を拠点にした取り組みでは、秋田局では効果が数字に表れた。徳島局、北九州
局でも、地域とのつながりを深めることに手ごたえがあった。
秋田 7~9 月の来館者数は、35,979 人。会館にそなえたライブラリーの利用者は 3,914
人で全国の放送局でトップの利用率。
徳島 「ちびっこ阿波おどり大会」に参加した子どもたちから「楽しかった」
「また踊
りたい」と好評だった。地元の伝統文化を通して地域とのふれあいを深められた。
北九州 「サンデーコンサート」は音楽家の貴重な発表の場として定着。地域文化に
貢献するNHKをアピール。
■旭川局、甲府局で行った工夫は好評を得た。その他、反響について、以下のような報告
があった。
北見 「つくってあそぼショー」には 817 人が参加し、地デジの普及と同時に、若い
母親層の親近感の醸成に役立った。
旭川 ロゴ入り写真は出場記念になると大変好評。
盛岡 番組や地上デジタルのPRのほか、訪問集金廃止の理解促進の機会にもなった。
仙台 このイベントは、今回で 4 年目を迎えるが参加者 15,139 人は過去最高。
甲府 吊りマイクへの変更は、出場者、観客、視聴者のいずれにも好評だった。
鹿児島 「篤姫トークショー」は地元民放や新聞でトップニュースとして扱われるな
ど、大きな反響だった。
(課題・今後の取り組み)
■各局とも好評だった点をさらに強化し、イベントの充実を考えている。秋田局は自治体
との連携、徳島局は局内体制の強化を図る、としている
仙台 アンケートを見ると、受信料支払者限定を求める声もある。本部とも相談しな
がら検討していく。
秋田 隣接する秋田市の施設との連携も含め、“開かれた会館”の創出に取り組む。
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徳島 実施体制の見直しや放送との連動など、局内プロジェクトを立ち上げ、徳島局
の目玉イベントとして、全局体制で来年度の実施に備えていく。
地域社会に貢献する活動
(主な実績)
■富山局、岐阜局、釧路局では、放送局ならではの地域貢献活動を行っている。
富山 うつ・自殺・介護などの問題に正面から向き合い、人と人とのつながりの大切
さを訴えるキャンペーンを展開。
「金とく北陸スペシャル・あなたの心を救いたい~う
つ・自殺に向きあう」
(43 分)を 9 月に放送したほか、夕方のニュース情報番組で「ひ
とりじゃないリポート」を、今期 10 本制作。リポートの内容や問い合わせ先をホーム
ページに掲載している。
「ひとりじゃない~うつ・自殺と向きあう」というテーマのフ
ォーラムを、7 月に高岡市で、9 月には富山市で開催。
岐阜 「子育て支援キャンペーン」を全局体制で実施。子育て支援サービスの取り組
みなどの企画を放送する一方、「子育て支援放送懇話会」を 7、9 月の 2 回開催。一階
玄関のキッズプラザで「絵本ライブ」
「アーカイブスこども番組上映会」のイベントを
7 月に実施した。
釧路 ロシア人が多く訪れる根室市のコミュニティーFM局『FMねむろ』で、9 月 1
日から、NHK国際放送のロシア語ニュースを放送することを、釧路市役所と根室市
役所で記者発表した。国際放送のニュースを民間の放送局に提供するのは初めてのケ
ース。
(評価)
富山 フォーラムの入場者は、高岡市では 290 人、富山市では 260 人。記者・PD・
アナウンサー・編成事業の代表でプロジェクトをつくり推進しており、縦割りを超え
た形の取り組みが成果をあげている。
岐阜 懇話会に参加したNPO代表からは多様な意見と情報がよせられ、有意義な場
となった。「絵本ライブ」に対しては、子どもを持つ世代に好評だった。
釧路 国際放送という本部の動きを地元で広報するケーススタディとなった。地元紙
が大きく扱ったほか、全国紙にも記事が掲載され、反響は大きかった。
(課題・今後の取り組み)
富山 フォーラムは、他の地域での開催を検討。質疑の時間を充分にとり充実をはか
る。
岐阜 「絵本ライブ」などイベントを継続して来館者増加を図る。11 月に「子育て支
援キャンペーン」のスポットを制作する。
釧路 『FMねむろ』のロシア語ニュースについては、随時取り上げていく。
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若い世代を対象としたアプローチ(企画・大学セミナー)
(主な実績)
■広島局では、番組と連動し、若者にアプローチする企画に取り組んだ。
広島 若年層へ広島発特集ドラマ「帽子」をPRするため、携帯電話やデジタルカメ
ラで撮影した「帽子顔写真」を募集し、その数多くの応募写真を細かく並べて全体が、
出演者の顔となる番組宣伝ポスターを作成した。(※再掲)
■大学でのセミナーを実施した局も多かった。その中から2例をあげる。
福岡 「NHK講座」
(情報と社会~テレビ新時代と公共放送NHK)を県内の大学で
実施。福岡大学の前期全講座を修了。後期は、九州大学、九州産業大学で 9 月より、
実施。
松江 9 月 16 日、島根県立大学短期大学部のキャリア講演会で、松江局に勤務してい
る島根県出身のディレクターが講師を務め、故郷の魅力をいかに見つけ、全国発信し
ていくか、「郷土愛」を原動力に取り組む日々の経験などを話した。
(評価)
広島 「帽子顔写真」には 5,138 人から応募があった。実施後、この取り組みが「ド
ラマの視聴につながったか」の問いに 97%が「はい」と答えており、PR効果は高か
った。
福岡 福岡大学では、講義実施時間を前年度の第 5 時限から受講しやすい第 4 時限に
繰り上げた結果、受講者数が前年より 71 人増えて、186 人となった。
松江 キャリア講演会には 145 人の学生と 17 人の教員が参加。学校からは、
「こんな
に学生を賑わせていただいた講演会は珍しい」という感謝の言葉をいただいた。
(課題・今後の取り組み)
■大学セミナーの反響から、課題の指摘があった。
福岡 学生アンケートでは、感謝の言葉と同時に、NHKに対する厳しい意見も寄せ
られている。誤解に基づくものも多いので、丁寧に理解を求めることが必要。
3-Screens を通した接触者率向上の取り組み
(主な実績)
■スポーツコンテンツは人気が高く、アクセス数の増加につながる。さいたま局は独自に
「高校総体」のサイトを開設した。「高校野球」については、各局で取り組んでいるが、
なかでも、山口局では大きな成果が得られた。
さいたま 埼玉県で開かれた「高校総体」の応援サイトをホームページに開設。応援
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メッセージの投稿を求めたほか、競技ダイジェストを掲載した。
山口 全局体制で立ち上げた「デジタルコンテンツ開発プロジェクト」の活動として、
夏の高校野球山口県大会 4 球場のイニング情報を 1 回戦から決勝戦まで、インターネ
ット、12 セグ、ワンセグ携帯のデータ放送で情報提供。
■放送局として掲げるテーマにもとづきコンテンツを開発した長崎局、接触率を高めるア
イデアを具体化した和歌山局、局内体制を整備した山形局の実績は以下の通り。
長崎 原爆の記憶を未来につなぎ全国に発信するため、8 月からホームページに「N
AGASAKI×PEACE」を開設した。
(※再掲)ニュース番組の企画で放送した
「長崎原爆100人の証言」の動画再生などができる。
和歌山 携帯サイトをより多くの視聴者に接してもらうため、職員・スタッフの名刺
に、携帯電話のバーコードリーダーで読み取ると携帯サイトのアドレスに誘導する「二
次元バーコード」を印刷し、アクセス数の増加を図っている。印刷経費は従来と変わ
らないので、効率的である。
山形 一般職異動の時期に合わせ、
「編成事業」を「編成デジタル推進」に改め、デジ
タルコンテンツ制作体制を整備した。
(評価)
■スポーツコンテンツに対する反響は大きく、効果が出ている。
さいたま 「高校総体」の応援サイトには全国からメッセージが寄せられた。競技ダ
イジェストは出場校の選手や応援団にとり貴重な視聴機会となり喜ばれた。
山口 インターネットのアクセス数は、7 月 22 日、平常時の 30 倍、10 万に達し、N
HK全体のランキングで 10 位になった。
■長崎局、和歌山局、山形局で以下の成果が得られた。
長崎 「長崎原爆100人の証言」は番組モニターからも高い評価を得たコンテンツ。
平和関連の番組情報へのアクセスは、前年の 3 倍近くに増加している。
和歌山 「二次元バーコード」の名刺への印刷は名古屋局でも導入された。
山形 デジタルコンテンツ制作の新規の取り組みに踏み出せる体制ができた。
(課題・今後の取り組み)
さいたま 「高校総体」の取り組みは今後、VODサービス、携帯サイトとの連動な
ど、若者対策の一つとして検討していく必要がある。
山口 インターネット、12 セグ、ワンセグ携帯のデータ放送によるイニング情報提供
は来年度も実施予定。
長崎 関連する機関と相互リンクを貼ることなどで、「NAGASAKI×PEAC
E」へのアクセス数を増やしたい。
和歌山 「二次元バーコード」の利用はさらに多くの局への導入が期待される。
山形 公開ホームページのリニューアルなどに取り組む。
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良好な受信環境を目指して
(主な実績)
■新潟局と秋田局では地上デジタルの混信対策に取り組んでいる。また多くの局で課題と
なっているEスポ障害に対して福井局はユニークな取り組みを行った。
Eスポ障害=自然現象で上空 100kmくらいに突発的に電波を反射するスポラディッ
クE層(電離層)が発生し、普段は受信できない近隣アジア諸国の放送が混信する障害。
新潟・秋田 両局で親局アンテナ指向性工事を実施。新潟局では、発生していた受信
障害 61 件を北京五輪開幕前に全て対策を完了。秋田局では、受信状態の変動が予想さ
れた地域へ事前周知を行うとともに、およそ 70 件の受信対策を実施した。
福井 Eスポ障害についてわかりやすく解説する、ドラマ仕立ての 30 秒スポットを制
作。7 月から 2 か月間、放送した。
(評価)
新潟・秋田
新潟局では、早期の対応が、CS向上につながった。秋田局では、さら
に効果を検証、県北部では効果が確認された。
福井 「サラリーマンNEO」タッチの映像作りに視聴者の反応があった。
(課題・今後の取り組み)
新潟・秋田 恒久対策は「秋田・新潟合同会議」で検討する。
福井 視聴者の反応を見て、技術解説の続編を検討。
訪問集金廃止についての丁寧な説明
(主な実績)
■訪問集金廃止の周知については、営業職員の番組出演などで積極的に取り組んだ。
津 訪問集金廃止のPRスポットを営業職員が出演して制作。9 月末に集中的に放送。
青森 営業職員が、7 月と 9 月、6 時台の番組に出演し、訪問集金廃止を説明。
宮崎 営業職員が夕方5時台の番組に 7、9 月の 2 回出演して説明したほか、
「BS日
本のうた」(7 月)「NHKのど自慢」(9 月)の前説でも営業職員が説明を行った。
大分 地域イベントに積極的に参加し、地上デジタルのPRと同時に、訪問集金廃止
を周知するパンフレットを配っている。8 月には、大型団地の夏祭りで「NHKみん
なのカラオケのど自慢」を開催した。
函館 訪問集金廃止の周知に合わせ「口座お勧めスポット」を地元信用金庫職員の出
演で独自制作し放送。
(評価)
■丁寧な説明を行っていると受けとめられている。イベントを企画した大分局に対して
65
は、好感が寄せられている。
大分 NHKに対する親しみが向上し、理解促進がはかれた。
(課題・今後の取り組み)
■10 月以降の制度スタート後も、継続的な取り組みが求められる。
環境経営の推進
(主な実績)
■地域活動に参加し、環境保全に取り組む局も多い。大津局、鳥取局は、息長く活動を
続け、今期も活動に参加した。
大津 7 月 1 日の「びわ湖の日」や、月一回県が実施する「エコ・フォスター活動」
環境美化活動に参加している。
鳥取 9 月 28 日の「鳥取砂丘一斉清掃」に参加。この活動には平成 13 年から継続的
に参加している。
■イベントによる啓発活動を行い、地域に働きかけている局も多い。
長野 8 月 23、24 日、“信州環境フェア”に主催者として今年から出展参加。環境ク
イズやキャラクターショーを実施。
熊本 ニュース情報番組で環境問題を取り上げる企画を今期 9 本放送したほか、9 月
には、県内の大学を対象に“環境”をテーマにした「大学対抗映像コンテスト」を実
施。
佐賀 “地域から環境を考える”をテーマに、佐賀局と地元の実行委員会の協力で野
外音楽イベント「三瀬プラネットジャム」を 7 月 5 日に開催。コンサートの模様は、
7 月に県域で、8 月にはBS2でも放送された。
■数値目標など、数字を示すことで具体的な行動を喚起している局もある。
金沢 省エネ施策の励行を全職員に一斉メールで周知、徹底。さらに、電力使用量な
ど、18~20 年度の比較表を掲示して、意識の向上をはかっている。
札幌 オフィス部門のCO2排出量を5年間で 10%削減することを目標に活動を推
進。オフィス部分の電力使用量を計測器の設置などを実施。
室蘭 室蘭局の事業運営に伴い発生する環境負荷を可能な限り、低減することを目的
として、HES(北海道環境マネージメントスタンダード=北海道商工会議所連合会
が推進機構をつとめる)の認証取得に取り組むこととし、局内の体制づくりと具体的
な目標設定を進めた。
66
(評価)
■地域活動やイベントに参加することで、NHKの存在感を高めた。
長野 信州環境フェアには 2 日間で 16,285 人が来場。去年より 6,000 人増加した。
熊本 環境問題に積極的に取り組む局の姿勢をアピールすることができた。
■数字による、行動喚起を図っている金沢局では、効果が数字として表れている。
金沢 8 月末の前年同月比は、電力使用量-3.6%、コピー用紙-13.6%、エレベータ
ー走行時間-20.4%など、効果があらわれている。
札幌 職員の省エネや環境保護に対する意識改革が確実に進んでいる。
室蘭 HESマニュアルの骨子が固まり、10 月から実践を開始することが可能な段階
まですすんだ。
(課題・今後の取り組み)
■札幌局・室蘭局の今後の計画は以下の通り。
札幌 道内各局でも計測器を設置し、削減状況を検証する。
室蘭
継続的に実践できる体制・仕組みを確立することが課題。
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