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1 郵便事業財政
第4節 郵便事業 1 郵便事業財政 平成14年度の郵便事業は2年ぶりに赤字 郵便事業財政は、平成6年度から9年度まで4年間連 続して黒字を確保したものの、平成9年度下半期以降 の我が国経済低迷の影響を受け、平成9年度は郵便業 実に現れたことにより、赤字幅は年々縮小し、平成13 年度には、9年度以来4年ぶりに黒字を計上した。 平成14年度においては、収益が景気の低迷等により 2兆1,673億円と対前年度比1.8%減となる一方で、費用 務収入が戦後初めて前年度実績を下回った(図表) 。 平成10年度以降も、郵便業務収入は減収あるいは伸 は郵便事業定員の削減等の効率化及び物件費全般にわ び悩み、様々な効率化施策の実施等により経費の節減 たる削減を行ったものの2兆1,898億円と対前年度比 を図ったものの、平成10年度は625億円の赤字となり、 0.4%減にとどまったことから、平成12年度以来2年ぶ 11年度は553億円、12年度は100億円と3年連続して赤 りに赤字を計上した。 情 報 通 信 の 現 況 郵便事業損益(決算)の推移 (億円) 3,000 2,504 2,306 累積損益 2,000 1,879 1,326 単年度損益 1,000 1,226 1,306 1,081 943 198 80 0 −100 −225 −625 −1,000 平成8 2 章 字を計上した。しかしながら、効率化施策の効果が着 図表 第 9 10 −553 11 12 13 14 (年度) 収益・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23,362・・・・・・・・・・ 23,138・・・・・・・・・・22,365 ・・・・・・・・・・22,438 ・・・・・・・・・・22,424 ・・・・・・・・・・22,075 ・・・・・・・・・ 21,673 (−1.6%) ・・・・・(−1.8%) (−3.3%)・・・・・・・・(0.3%)・・・・・(−0.1%) (−1.0%) (2.2%) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (対前年度増減率) 郵便業務収入・・・・・・・・・・・・・・ 21,559・・・・・・・・・・ 21,403・・・・・・・・・・20,591 ・・・・・・・・・・20,605 ・・・・・・・・・・20,552 ・・・・・・・・・ 20,207 ・・・・・・・・・ 19,582 その他 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,803・・・・・・・・・・・・1,753・・・・・・・・・・・・1,774 ・・・・・・・・・・・・1,833 ・・・・・・・・・・・・1,872 ・・・・・・・・・・・1,868 ・・・・・・・・・・・2,091 費用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22,419・・・・・・・・・・ 22,940・・・・・・・・・・22,990 ・・・・・・・・・・22,991 ・・・・・・・・・・22,524 ・・・・・・・・・ 21,995 ・・・・・・・・・ 21,898 (−2.3%)・・・・・(−0.4%) (−2.0%)・・・・・・ (0.0%)・・・・・・ (0.2%) (2.3%) (3.6%) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (対前年度増減率) 人件費 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13,776・・・・・・・・・・ 13,985・・・・・・・・・・14,140 ・・・・・・・・・・14,190 ・・・・・・・・・・13,902 ・・・・・・・・・・13,705 ・・・・・・・・・ 13,566 物件費 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7,074・・・・・・・・・・・・7,384・・・・・・・・・・・・7,312 ・・・・・・・・・・・・7,344 ・・・・・・・・・・・・7,133 ・・・・・・・・・・・6,848 ・・・・・・・・・・ 6,736 その他 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,569・・・・・・・・・・・・1,571・・・・・・・・・・・・1,538 ・・・・・・・・・・・・1,457 ・・・・・・・・・・・・1,489 ・・・・・・・・・・・1,442 ・・・・・・・・・・ 1,596 単年度損益 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・943・・・・・・・・・・・・・・ 198・・・・・・・・・・ −625 ・・・・・・・・・・ −553 ・・・・・・・・・・−100 ・・・・・・・・・・・・・・ 80 ・・・・・・・・・・ −225 累積損益 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2,306・・・・・・・・・・・・2,504・・・・・・・・・・・1,879 ・・・・・・・・・・ 1,326 ・・・・・・・・・・ 1,226 ・・・・・・・・・・・1,306 ・・・・・・・・・・ 1,081 日本郵政公社 「郵便2003」 により作成 平成16年版 情報通信白書 177 第4節 郵便事業 2 取扱郵便物数 平成15年度における総引受郵便物数は256億通 平成15年度における総引受郵便物数(内国郵便物数 は6億9,801万個(同57.8%増)となっている(図表②) 。 と国際引受郵便物数の合計)は255.9億通(対前年度比 他方、国際郵便物数では、国際引受郵便物数が8,417万 2.3%減)となっている(図表①) 。 通(対前年度比9.6%減)、到着物数が2億3,771万通 内訳は、内国郵便物数では、通常郵便物が248億通 (同10.7%減)となっている(図表③) 。 (対前年度比3.3%減)と減少したものの、小包郵便物 第 図表① 2 総引受郵便物数の推移 (億通) 270 章 267 265 情 報 通 信 の 現 況 260 258 262 261 259 256 255 250 248 245 244 240 240 230 220 図表② 平成4 5 6 7 8 9 12 13 14 15(年度) 【小包郵便物】 (億個) 8 (億通) 300 17 16 34 20 19 20 37 37 36 36 35 33 69 71 72 75 77 78 7.0 7 18 18 6 200 150 11 内国郵便物数の推移 【通常郵便物】 250 10 5 4.1 76 4 3.3 3.2 3.2 3.1 平成9 10 11 12 4.4 3 100 127 128 129 132 132 128 50 2 123 1 0 0 平成9 10 第一種 (封書) 11 12 13 第二種 (はがき) 14 年賀 ※ その他は、第三種・第四種・選挙及び特殊郵便物 178 平成16年版 情報通信白書 15 (年度) その他※ 13 14 15 (年度) 第4節 郵便事業 郵便物数でみると、我が国は世界第16位であり、第1 2002年度における各国の総引受郵便物数を比較する と、我が国は米国に次いで世界第2位である(図表④) 。 位である米国の約31%となっている(図表⑤) 。 しかし、2002年度における国民1人当たりの年間差出 図表③ 国際郵便物数の推移 (億通) 4 2.98 2.92 2.75 3 第 引受郵便物数 到着郵便物数 3.09 2.87 2 2.69 2.38 章 2 1.31 1.19 1.13 1.06 0.98 1 0.91 0.84 0 平成9 10 11 図表④ 各国・地域の総引受郵便物数(2002年度、上 位20か国・地域) 0 500 1,000 1,500 12 13 15 0 200 400 600 262 フランス 261 1,926 552 ノルウェー 508 スウェーデン イギリス 211 スイス 453 ドイツ 210 フランス 441 インド 109 オランダ カナダ 108 カナダ 107 イギリス 中国 (香港・マカオ含む) 430 374 354 ブラジル 95 ベルギー 345 オランダ 69 ルクセンブルグ 336 イタリア 63 スロヴェニア 韓国 53 デンマーク 262 オーストラリア 47 ドイツ 256 スウェーデン 45 オーストラリア スペイン 43 アイスランド ベルギー 35 日本 205 スイス 33 アイルランド 199 ノルウェー 198 25 シンガポール ポーランド 22 香港 南アフリカ 19 フィンランド ※ フランス、スイス及び南アフリカは2001年、ベルギーは1999年、スウェー デンは1996年、カナダは1993年の資料 (通・個) 800 668 米国 日本 (年度) 図表⑤ 各国・地域の国民1人当たりの年間差出郵便物 数(2002年度、上位20か国・地域) (億通・個) 2,000 米国 14 308 240 217 184 163 ※ フランス、スイス及び南アフリカは2001年、ベルギーは1999年、スウェー デンは1996年、カナダは1993年の資料 図表④、⑤ UPU (万国郵便連合) 「郵便業務統計 (2002年) 」 により作成 平成16年版 情報通信白書 179 情 報 通 信 の 現 況 第4節 郵便事業 3 郵便局ネットワーク 郵便局数はほぼ横ばいで推移 無集配局が15,453局(同25局増)となっている(図表 平成15年度末における郵便を取り扱う施設数は、郵 便局が24,715局(対前年度比0.1%減)となっている 。 ②) その他、平成10年6月から、民間運送業者と提携し、 。 (図表①) 郵便局ネットワークを活用して荷物(主に保冷荷物) 郵便局数について内訳をみると、普通郵便局が1,310 第 2 章 情 報 通 信 の 現 況 局、特定郵便局が18,935局(対前年度比6局減) 、簡易 を郵便小包として届ける協力体制を築いている。この 郵便局が4,470局(同31局減)となっている。また、普 ような業務提携を行っている事業者は、平成15年度末 通郵便局及び特定郵便局について、集配局と無集配局 現在16社となっている。 の別でみると、集配局が4,792局(対前年度比31局減) 、 図表① 郵便を取り扱う施設数の推移 30,000 郵 便 局 数 300,000 ゆうパック 取次所 郵便ポスト 25,000 郵便切手類販売所・ 印紙売りさばき所 250,000 20,000 200,000 ゆ郵郵 う便便 パ切ポ ッ手ス 150,000 ク 類 ト 取販 次売 所所 等 100,000 15,000 10,000 5,000 0 50,000 平成9 10 11 12 13 0 15(年度末) 14 郵便局・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24,689・・・・・ 24,732・・・・・ 24,764・・・・・ 24,774・・・・・24,773 ・・・・・24,752 ・・・・・ 24,715 郵便ポスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 171,168・・・ 173,206・・・ 175,570・・・ 177,217・・・178,160 ・・・185,966 ・・・・・186,200 郵便切手類販売所・印紙売りさばき所 ・・・・・・・・ 151,134・・・ 150,595・・・ 151,482・・・ 151,838・・・151,722 ・・・150,617 ・・・・・148,889 ゆうパック取次所 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81,075・・・・・ 82,423・・・・・ 83,667・・・・・ 82,419・・・・・78,939 ・・・・・71,194 ・・・・・ 65,850 図表② 郵便局数の推移 年度末 区別 平成9 10 11 12 13 14 15 普通郵便局 1,320 1,311 1,307 1,308 1,308 1,310 1,310 (うち)集配局 1,265 1,257 1,256 1,257 1,257 1,260 1,262 (うち)無集配局 特定郵便局 (うち)集配局 (うち)無集配局 簡易郵便局 合 計 180 平成16年版 情報通信白書 55 54 51 51 51 50 48 18,764 18,832 18,878 18,916 18,934 18,941 18,935 3,655 3,656 3,651 3,641 3,627 3,563 3,530 15,109 15,176 15,227 15,275 15,307 15,378 15,405 4,605 4,589 4,579 4,550 4,531 4,501 4,470 24,689 24,732 24,764 24,774 24,773 24,752 24,715 第4節 郵便事業 4 信書便事業 41社が新規に特定信書便事業に参入 平成15年度に信書便事業に参入した事業者は、特定 までに事業を開始している。 信書便事業の41社であり、うち37社が平成16年4月末 図表 特定信書便事業への参入状況(平成15年度末) 事業者名 ㈱バイク急便 提供サービス※ 1号 2号 ○ ○ ㈱ソクハイ 許可日 事業開始(予定)日 ○ 平成 15年04月25日 平成 15年07月01日 ○ 15年04月25日 15年06月02日 3号 15年04月25日 15年07月01日 ㈱Q−POST ○ 15年04月25日 15年09月01日 ㈲東海メッセンジャービービー ○ 15年04月25日 15年06月01日 ㈱キューカーゴ ○ ○ 15年05月27日 15年07月01日 ○ ○ 15年05月27日 15年08月01日 ㈱セルート ○ ○ 15年05月27日 15年08月01日 富士ビューテックサービス㈱ ○ 15年06月23日 15年10月01日 バイクエクスプレス㈲ ○ ○ 15年06月23日 15年08月20日 名鉄運輸㈱ ○ 15年06月23日 15年08月06日 ○ 15年08月05日 15年10月01日 ○ 15年08月05日 15年10月01日 ○ ㈲プロ・サポート ㈱新和託送 ○ ㈱宅配 軽貨急配㈱ ○ 15年09月30日 16年01月01日 15年09月30日 15年12月02日 15年09月30日 16年03月01日 ○ 15年09月30日 15年12月01日 ○ 15年11月21日 16年02月02日 ○ 15年11月21日 16年02月02日 ○ 15年11月21日 16年03月01日 ○ ㈱マッハ五十 ㈱スカイ・スモールパッケージ ○ フクオカサイクルメッセンジャー ○ ㈲SAKURA特急便 ㈲スポット便 ㈱聖 ○ 上伊那貨物自動車㈱ ○ 日本貨物急送㈱ ○ 16年01月28日 16年04月01日 ㈱春秋商事 ○ 16年01月28日 16年04月01日 富国運輸㈱ ○ 16年01月28日 16年04月01日 ㈱タカスズ ○ 16年01月28日 16年04月01日 楠原輸送㈱ ○ 16年01月28日 16年04月01日 置田運輸㈲ ○ 16年01月28日 16年04月01日 西多摩運送㈱ ○ 16年01月28日 16年04月02日 神奈川舗装㈱ ○ 16年01月28日 16年04月01日 中丸産業運輸㈱ ○ 16年01月28日 16年04月01日 萬運輸㈱ ○ 山一産業㈱ ○ ㈱中山運輸 16年01月28日 16年04月01日 16年01月28日 16年04月01日 ○ 16年01月28日 16年04月01日 日本通運㈱ ○ 16年01月28日 16年04月01日 モードテック㈲ ○ 16年01月28日 16年05月15日 ○ ○ 16年01月28日 16年04月01日 ○ ○ 16年01月28日 16年04月01日 ○ ○ 16年01月28日 16年04月01日 16年03月30日 16年06月01日 16年03月30日 16年06月01日 16年03月30日 16年07月01日 16年03月30日 16年07月01日 ㈱慶弔メッセージサービス ナイスカンパニー㈲ ジャパンメッセンジャーサービス㈱ ○ 大栄空輸㈱ ○ ㈱リンケージ ㈲寿屋 ㈲札幌郵送 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ※ 1号・・・90cm・4kg超の信書便物送達の役務、2号・・・3時間以内の送達の役務、3号・・・1,000円超の料金の役務 平成16年版 情報通信白書 181 第 2 章 情 報 通 信 の 現 況