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カーナビの未来ってどうなるの?
熊本電波高専 一般向け広報誌 KUMAMOTO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY Vol. 6 カーナビの未来ってどうなるの? ∼のぞいてみよう次世代カーナビ∼ 特集 カーナビの未来ってどうなるの? 特集 社会で活躍する電波高専 OB 特集 コンピュータ・グラフィクス(CG)の扉を開こう お知 らせ 電波高専と地域振興会ではこのような事業もしています 1 2 3 -情報技術が支えるアートの世界を作る- 想いを形に、創る力を君に KUMAMOTO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY 特集 1 カーナビの未来ってどうなるの? ~のぞいてみよう次世代カーナビ~ 最近の自動車では、もはや必需品ともいえるカーナビ。また、高速道路を走るとき、必 ず目にするのが ETC です。今も日々進化を続けている自動車や交通システムの世界。こ れからの自動車や交通システムの世界はいったいどうなっていくのでしょうか。今回は、 熊本電波高専の卒業生で、慶應義塾大学特別研究准教授の植原啓介さんに今後の自動車通 信システムの展望について、説明していただきました。 『ITS: 自動車と ICT とインターネット』 ITS という言葉をご存知でしょうか ? Intelligent Transport Systems の略で、日本では高度道路交通シス テムと訳されています。情報通信技術 (Information and Communication Technology: ICT) を使って人と車 と道路をつなぎ、交通システムの高度化を目指す分野の名称です。代表的なものに、カーナビゲーションシス テム(以後カーナビ)や VICS、ETC といったシステムがあります。ここでは、最新の ITS の世界をご紹介し たいと思います。 カーナビの時代からテレマティクスの時代へ カーナビは今や自動車の必需品となっています。2006 年度の国内のカーナビ出荷台数は約 400 万台です。 これは、軽自動車を含む新車販売台数の約 7 割に相当します。カーナビは、1990 年に GPS を搭載したカー ナビが登場してから、飛躍的にその性能を高めてきています。しかし、カーナビのナビゲーションとしての機能 はおおよそ固定化されてきた感があり、現在はオーディオやテレビを統合した多機能化に力が注がれています。 その中でも、テレマティクスと呼ばれる分野が、次のキーテクノロジとなると考えられています。テレマティ クスは “Telecommunication(通信) ” と “Informatics(情報技術) ” から成る造語で、情報通信を使って自動 車などに情報を伝える、 あるいは自動車から情報を受け取るようなシステムを指しています。既に自動車メーカー は、自社の純正カーナビに渋滞情報や店舗情報、天気情報などを提供するサービスを実現しています。これか らは、ますます自動車と外の世界がつながったサービスが増えていくことでしょう。 国主導の ITS さて、交通の世界は、道路などの公共的な要素があります。このため、交通システムの高度化も、渋滞によ る時間的経済損失や CO₂の削減、交通事故の低減などといった、社会的な目的を持つものについては国が主導 で進めています。たとえば、 VICS(Vehicle Information and Communication System)や ETC(Electronic Toll Collection System)がその代表的なシステムです。VICS では、警察や道路管理者が収集した道路交通 情報を、VICS センターを通じて、FM 多重放送や赤外線ビーコン、電波ビーコンで自動車に提供しており、こ れによって渋滞を削減することを目的としています(図 1) 。また、ETC は、料金所近くでの渋滞の緩和や通過 時間の削減などを狙って、高速道路の料金所での自動決済を実現しています。 図 1 VICS の仕組み ( 財団法人 道路交通情報通信システムセンター HP より ) VICS や ETC といったシステムは更なる高度化が検討されており、VICS では渋滞末尾などの危険地点の情 報提供サービスなどが、ETC では駐車場やドライブスルーでの決済などが研究されています。近い将来、この ようなサービスが実現するかも知れません。 1 KUMAMOTO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY 細かな情報も集めれば宝 国が進める ITS 以外にも、自動車メーカーなどの民間主導で進めているサービスもあります。このようなサー ビスの中で最近注目されているのがプローブ情報システムです。プローブ情報システムは、自動車が持つ様々 な情報を、ネットワークを使って共有することによって、交通状況などの世の中の状況を把握しようとするシス テムです(図 2) 。最近の自動車は、ほとんどロボットと言っても過言ではないような電子制御システムを備え ています。高級車では、300 種程度のセンサー / スイッチ情報を 100 台程度のコンピュータで処理し、機械 システムを制御しながら走っています。ここで使われる様々な情報を、 ネットワークを通じて共有することによっ て、世の中の状況を把握しようというのです。たとえば、速度情報を共有することによって、道路の混雑状況を 知ることができます。また、ワイパーが動いているかといった情報を共有することによって降雨情報を生成する こともできます。自動車と関係ないところでは、ラジオや CD の聴取情報を共有することによって「湘南の海岸 線を走る車がかける音楽ベストテン」なんていうものもできるかも知れません。 図 2 プローブ情報システム(㈶自動車走行電子技術協会 ( 現 ㈶日本自動車研究所 ) 作成) このようなプローブ情報システムは、既に大手自動車メーカーがサービスを始めています。ホンダのインター ナビ・プレミアムクラブ、トヨタの G-BOOK ALPHA などがそれです。現在のところ、交通情報の提供に絞ら れていますが、今後の展開が期待されるサービスです。 今後の方向性 現在、交通分野では官民を問わず、様々なサービス / システムが検討されています。特に安全や環境といっ たキーワードが注目を浴びています。今後はこれらの分野を狙った研究開発が加速すると考えられます。また、 自動車は未だ閉空間であり、外界とのつながりの弱い世界です。しかし、今の情報化社会、自動車だけが隔離さ れた空間であってよいはずがありません。必要な時には外界と空間を共有でき、不必要な時には個室となる。そ んな環境が実現するとよいですね。 筆 者 紹 介 植 原 啓 介 さん 慶應義塾大学 政策・メディア研究科特別研究准教授 2007 年 6 月 モナコにて 私は、1991 年に電子工学科を卒業(電子 10 期)しま した。卒業後は、電気通信大学の情報工学科に編入して 修士まで在籍し、その後、慶應義塾大学の湘南藤沢キャ ンパスに移りました。今思えば、高専時代からコンピュー タネットワークに興味を持ち、インターネットの勉強を始 めたのが今に至るきっかけでした。現在は、インターネッ ト移動体通信や地理位置情報、ITS などを専門として、学 生や同僚と一緒に研究活動に勤しんでいます。私たちの 研究室では、学内だけの活動に留まらず、企業や国などと も協力をしながら、社会の役に立つ研究をすることを信条 としています。自分たちが開発した技術が社会を変える。 そんなことを夢見て活動する毎日です。 2 KUMAMOTO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY 特集 2 社会で活躍する電波高専OB ものづくりの原点を見つめて AITOS 株式会社 取締役兼テクニカルサポート部部長 新 山 尚 寿さん (平成5年 電子制御工学科卒業) ★略歴 平成 5 年 平成 17 年 平成 19 年 テラダイン株式会社入社 同社退社 株式会社 iST 設立し取締役就任 AITOS 株式会社と合併し同社取締役就任 現在に至る ★出発 進学か就職かで悩んだ 4 年生の頃、「早く技術者として世の中に役立って行きたい」という気持ちから就職の 道を選び、テラダイン株式会社に入社したのが 15 年前のこと。初々しくスリムだった好青年?も、世間の荒波 に揉まれ随分と図々しく貫禄のある(メタボリックな)中年になってしまいました。 テラダイン株式会社は ATE(Auto Test Equipment) と呼ばれる半導体検査装置のメーカーです。そこで技 術者、社会人として右も左も分からない私に製品の設計 / 開発から製造、出荷、そしてお客様へのサポートと在 職した 12 年間の間にものづくりとして一通りのことを経験さてもらいました。 ★転機 13 年目に差し掛かったある時「自分の目指す技術者とは何か?」という漠然ながらも大きなテーマ にぶつかることになりました。 「もっと別の世界を見て見識を広めたい」「自分で納得するものづくりをやってみたい」という技術者 としての単純な欲求から退社を決意し、知人ら数名で株式会社 iST を設立しました。そこでは、全くの 無名で実績もないまさにゼロからのスタートでした。吹けば飛ぶような会社で一刻も早く成功を収める ために、株式会社の一つの目的でもある「利潤の追求」と「どうすればお客様は喜んでくれるのか?」 との狭間で暗中模索しながら自分たちの「ものづくり」を追い求めていきました。 やがて 1 年が経とうとしたとき、それらの苦労が実を結び世界大手の自動車部品メーカーから車載セ ンサー用検査装置の受注に成功を収めることとなりました。その装置は多大なる好評を博し、追加注文 や新たな装置開発などビジネスの拡大に繋がっていくきっかけとなりました。そしてそれは、自分たち の「ものづくり」に一つの光明が見え初めて来た時でもありました。 なぜ弱小な会社が成功を収めることができたのか?目先の利潤ばかりにとらわれず、「どうすればお 客様に喜んでもらえるのか?」をとことん考え抜き、それを製品にフィードバックしたことが大きな理 由の一つだと確信しています。 ★ものづくりの原点を見つめて 現在、ATO ホールディングス傘下の CMOS イメージセンサー検査用照明装置ではトップシェアをも つ AITOS 株式会社と合併をし、更なる会社の発展と新たなものづくりへのチャレンジを進めています。 この会社が掲げるテーマは、まさに「ものづくりの原点をみつめて」。 これからの時代、 「要望するものを要望通り作る」 ことや、 「単に高性能」であることだけでは世間に容 易に受け入れられる製品にはなりません。料理でも 隠し味が主役そのものを引き立たせる重要なエッセ ンスであるように、 「今お客様は何で困っているの か?」 「どうしたらお客様がハッピーになってくれる のか?」というエッセンスを加えていくことが「単 なる製品」から「魅力ある製品」になる大事な要素 であり、これこそが「ものづくりの原点であり」「こ れから先のものづくり」ではないかと考えています。 いつ答が見つかるのか、いやきっといつまでも見 つからない「ものづくりの原点」を追い続け、決し て今に満足することなく今後も技術者として歩み続 けていきたいと思っています。 3 評価装置(自社製)を使用した評価実験の様子 KUMAMOTO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY 社会で活躍する電波高専OB 縁の下の力持ち KDDI 株式会社 福岡テクニカルセンター 越 智 明さん (平成9年 情報通信工学科卒業) ★明和寮での経験 時の流れは早いもので、私も高専を卒業して 11 年が経ちました。 私は高専在学中の 5 年間を明和寮で過ごしましたが、当時は男子寮 のみで部屋の設備も調整の利かない?暖房だけでした。現在では、各 【車載型無線基地局】 災害時等に通信衛星を利用し、被災地域での携帯 電話(通話やメールなど)の利用を可能にします。 部屋に冷暖房や LAN 環境があり、快適な居住空間が整備されているようで、羨ましい限りです。私の時代は設備こ そ整ってはいませんでしたが、寮生活を通じて得たものは数多くありました。生活態度は勿論のこと、コミュニケー ションの大切さや思いやりの心、助け合い精神、周りへの気配りなど、数え挙げれば切りがないほど多くを学びました。 社会に出て 11 年目を迎えた私ですが、明和寮で得た経験が日々役に立っていると感じています。 ★責任ある業務 KDDI では携帯電話サービス (au) や固定電話サービス (メタルプラス , ひかり one)、 インターネットサービス (au one net)の他にも、法人向けネットワークサービスや映像伝送サービスなど様々なサービスを展開しています。 映像伝送サービスではニュース中継やスポーツ中継などをメディア各社へ伝送提供しており、今年は北京オリン ピックを中国網通(チャイナネットコム)と協力して、日本のメディア各社へ伝送提供します。 私が所属している福岡テクニカルセンターでは、九州エリアの各サービス設備の保守を担当しています。au の 保守業務では無線基地局や交換局、IP 機器の設備故障対応や新機能追加作業などを実施しています。九州エリア の無線基地局は、北は長崎県対馬、南は鹿児島県与論島まで九州全域に数千箇所にも上ります。故障対応は、即 時遠隔操作にて実施しますが、遠隔操作にて復旧しない場合は基地局へ出向き復旧対応を実施します。 (九州全域 を駆け回るので、基地局の数だけ職場があるようなものでしょうか。 ) 設備故障対応ではお客様へのサービス影響を最小限に抑えるよう、迅速且つ正確な復旧対応が求められます。 保守を行う技術舞台(部隊)は " 縁の下の力持ち " 的な役割で、お客さまの " 顔 " が見えにくい環境にありますが、 その責任は重大で、役割は非常に重要です。お客さまの顔が見えない分、より満足して頂けるサービスを提供・ 維持する為に、操作するコマンド 1 つ 1 つにまで神経を集中させるよう常に心がけています。 KDDI には電波高専出身の方が多数在籍しています。au の基地局や交換局の建設業務、au 設備の監視業務、au 端末のデザイン企画業務、映像サービス業務、線路保守業務などなど、各フィールドの第一線で活躍している方々 ばかりです。先輩方の活躍や後輩たちの頑張りが私にとって良い刺激となっています。 ★通信技術の進歩 通信技術の進歩は驚くほど速く、次々と新技術が登場してきます。KDDI でも、au(セルラー時代含む)の通 信方式だけで、ここ 10 年で TACS(アナログ)⇒ PDC(デジタル)⇒ CDMA ⇒ EVDO と変革しています。 これからも、モバイル WiMAX サービスの展開や UMB(Ultra Mobile Broadband)等の次世代規格を導入して 行く予定です。さらに、KDDI では固定通信と移動通信と放送を融 合 さ せ た FMBC(Fixed Mobile and Broadcast Convergence) を実現させ、お客さまが利用デバイスを区別することなく高速デー タサービスや高品質マルチメディアサービスをいつでもどこでも、 最適な通信環境でご利用頂くことを目指しています。学生の皆さん には、技術変革の流れに順応できる目を養い、即戦力と適応力を持っ て社会へ羽ばたいて頂きたいと願っています。 最後に、これから社会へ飛躍される皆さんへ、私の好きな言葉を 一つ紹介します。 『ひと粒のトマトの種には、トマトになるというたったひとつの 可能性しかない。 バラはバラになること以外、何もできない。その運命はたったひ 【無線基地局】 高さ 50 m程の鉄塔に送受信アンテナを装備。 写真は平屋建て局舎 とつの現実のなかに閉じ込められている。しかしあなたには無限の 潜在性がある。「 なりたい自分」の種子は、すべてあなた自身の中 にある。 』 《ジョン・キーオ》 4 KUMAMOTO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY 社会で活躍する電波高専OB OA通信サービス株式会社 企業ソリューションビジネス部 前 田 俊さん (平成 17 年 電子工学科卒業) 熊本電波高専を卒業し3年という月日が経ちました が、今でこそ感じ取れる部分があるのではないかと、 高専での生活を少しふりかえってみようと思います。 とはいえ、決して良い手本となるような学生ではあり ませんでしたし、もっぱら活躍の場はクラスマッチぐ らいでしたが。 電波高専生活をふりかえって ★憧れがあった開発や設計 元々開発や設計など、物をつくるということに憧れを持っており、熊本電波高専という道を選びました。しか し思い描いていたような内容とは少し違い、違和感を覚えたことを憶えています。皆さんにもあてはまるような ふしはありませんか?また、最先端の電子機器が身の回りに溢れている環境の中で、昔の技術や知識を学ぶこと はつまらなく思う人もいるのではないでしょうか?私もその一人でした。 当時どれだけのことを理解し、何をもって違和感なのかと考えると非常に気恥ずかしい気持ちになります。何 も知らない 16 歳にとっては、あまりにも広く深い世界 ( 業界 ) で、周りを見ることが出来なかったのかと思い ます。一歩違う環境、社会に出てみてふりかえってみると、1つ1つの授業や実験の大きな意味に気づかずに、 ただただ「こなす」ような、ある意味作業に近いスタイルになってしまっていたようにも思います。 ★卒業して思うこと クラスマッチの団結力は未だ途切れてはおらず、関東圏の仲間とは月 1 回程度会う機会があります。 様々な業種の会話が聞けるので非常に興味深い話ばかりですが、最先端の次期製品開発、設計に携わっ ている現役の高専同期の仲間の一人は、今でなお高専時代に学んだ教科書を引っ張りだすことがあるそ うです。私の抱いていた考えは、見事に打ち砕かれることとなりました。 皆さんの生活にかかせない最先端の家電や電子機器を作り上げている技術なのだと感じることが出来 れば、これからの授業は一層興味深いものになるのではないでしょうか。実経験や様々な分野に精通さ れた先生方から学ぶということは、社会に出てもそうそう出来ません。今いる環境は、とても恵まれて いる貴重な時間だと思いますよ。 ★現在の仕事 私は、OA 通信サービス株式の企業ソリューショ ンビジネス部という部署の東京で働いています。仕 事の内容は、様々な業種のお客様における問題点を、 ヒアリングしながら具体化し、解決に向けた提案を 行うことなどです。業務効率化、コスト削減はもち ろんのこと、お客様の現状や環境を最大限に考慮し たシステム構築を行うことが求められています。 現在の情報社会においては、セキュリティが重要 課題の1つとしてあげられ、日々条件が厳しくなる 中で、お客様のビジネスに直結するシステム構築な ど、様々な条件が求められるのも事実です。 弊社では、これまでの経験や培った技術に加え、 フットワークを生かした「現場力」を発揮し「トー タルソリューション」をお客様へ提供しております。 5 KUMAMOTO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY 特集 コンピュータ・グラフィックス(CG)の 扉を開こう 情報工学科 准教授 そ ん 孫 寧平先生 ねい へい 3 −情報技術が支えるアートの世界を作る− 大昔、まだ文字が使われていない時代、人間は山、岩、大地、壁に絵を描いて祈りをしたり、 日常生活の風景を表現したりしていました。これはアートの原型とも言えます。芸術表現の歴 史において長い間、絵を描くことはコンピュータと無縁でした。何故ならば、数年前まではコン ピュータの性能が低かったからです。近年、急速なディジタルメディア技術の変遷と進化につれ、 コンピュータ・グラフィックスが皆に知られ、コンピュータ・グラフィックスに関する研究と開 発は日々進歩しています。 コンピュータ・グラフィックスは、英語で computer graphics、略してCGと呼ばれます。 CGとは、コンピュータによって絵を描いたり、画像(写真)を処理したり、アニメを作ったり して、アートを表現することを意味します。今日、CGは芸術の境界を超え、いろいろな分野に 応用され、私たちの暮らしに貢献しています。 私たちの研究室では、CG、特に3DCGにおいてより使いやすく機能のよい表現方法を提案 し、面白いCGソフトを開発しています。以下に私たちが取り組んでいる研究を紹介します。 ☆センサをもつ 3DCG システムの開発 傾きや方位、加速度を測定する磁気センサを用い た 3 次元入力装置を開発しています。この装置を使 用することで、よりわかりやすく効率的に、3DCG の開発や学習を行うことができるようになります。 ☆アニメエンジンの開発 アニメエンジンはアニメの製作を自動で行うこと を目標として、開発しているソフトです。現在、ア ニメの作成には大変な労力を必要としますが、それ をできるだけ軽減することを目指しています。 3DCG センサにより学習する ☆進路誘導システムの開発 視覚・身体障害者が安全に歩行するために、道案 内の役割をもつ進路誘導ツールを開発中です。迷路 を壁にぶつかることなく最短経路で誘導するシミュ レーションを行い、迷路を実際の建物の中や道のモ デルにすることで障害者の進路誘導に応用すること を考えています。 このようにCGソフトを開発することで、コン ピュータ・グラフィックスを様々な分野に応用する ことができ、同時に新しい発見にもつながります。 すなわち、私たちは夢のアートの世界を作っている のです。 アニメエンジンを使ってアニメを作成する 迷路誘導シミュレーション 6 小・中学校向けに 出前授業 近隣の小・中学校に出前授業に行きました。「総合学習の時間」など を活用し、電子実験・ロボット製作を行いました。生徒たちは普段の 授業とは違う「ものづくりの楽しさを実感!」 この他に夏休みを利用して公開講座も実施しています。 新聞や全国の小学校配布向け DVDにも取り上げられました! 一般社会人向けに 市民向け教養講座 「南阿蘇・蘇陽の水巡り」 県内の湧水を巡り、味や由来について講義を行いました。毎年好評で、 昨年は南阿蘇・蘇陽の水巡りをし、水道水とのうまさの違いを体感。 社会人文化講座 ~「楽しむ」シリーズ講座 ~ 短歌、随筆などの文芸的な内容から音・映像などの科学の話、デジタ ルカメラの効果的な使い方などちょっと素敵なことを知ってもらい、 毎日の生活を「楽しむ」をテーマとした社会人文化講座を開催。 この他に IT 講習会、体力診断測定会も開催しています。 熱心なファンの方も いらっしゃいます! 企業向けに 企業説明会 技術相談会 電波高専と地場産業との共同研究や受託研究による研究成果の紹介を パネル展示で行うとともに、専門技術について電波高専の先生が回答 する技術相談を行いました。 この他にも企業向けに半導体・高周波技術・知能システム・情報デザ イン・ヒューマン情報等に関する各種セミナーを実施しています。 熊本電波高専地域振興会とは、熊本電波高専が持つ「人・知・物」的資源を通して地域社会との連携・交流 を深めることを目的に平成 16 年 5 月に設立されました。詳しい説明は、地域振興会ホームページ http:// www.knct-card.jp/ で公開中です。会員の方には、各種イベントのご案内をしています(不定期)。 地域振興会では会員を募集しています。詳細はこちらまでご連絡下さい。 熊本電波高専地域振興会事務局 TEL 096 - 242 - 6433 E-mail [email protected] 年会費 法人会費(企業、団体) 20,000 円 一般会員(個人) 5,000 円 E-mail [email protected] URL http://www.knct.ac.jp/ 地域振興会会員企業のうち地場企業を中心に 27 社が参加し、就職活 動の始まる3年生、4年生及び専攻科生1年生に対し、企業概要や就 職するに当たっての心構え等の説明を行っていただきました。電波高 専体育館で実施しました。OB・OG が説明する企業もあり、説明に熱 がこもる! 平成二十年三月発行 発行 熊本電波工業高等専門学校総務委員会 お問い合わせ 総務課研究協力担当 ☎(〇九六)二四二ー六四三三 電波高専と地域振興会では、 このような事業もしています