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3年道徳「生活を支えてくれる人々に感謝の心を」s043(PDF:138KB)

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3年道徳「生活を支えてくれる人々に感謝の心を」s043(PDF:138KB)
プログラムを取り入れた指導事例(小学校3年 道徳)
第3学年 道徳学習指導案
1.主題名
生活を支えてくれる人々に感謝の心を 2-(4)尊敬・感謝
2.ねらいと資料名
(1)ねらい 自分はいろいろな人に支えられていることを知り、それらの人々に尊敬と感謝の念を持っ
て生活しようとする。
(2)資料
「ぼうや、生きていてくれよ」
(出典『あたらしいどうとく・3年』光文書院)
3.主題設定の理由
(1)ねらいとする道徳的価値
本主題は、内容項目2-(4)
「生活を支えている人々や高齢者に、尊敬と感謝の気持ちを持って接
する。
」ことをねらいとしている。人々は、自分の生活を維持するために働いているが、それだけを目
的に働いているわけではない。様々な職業を通して、社会との関わり合いの中で、自分の仕事を全う
することにより、他の人々を支えているのだという自覚や、それを成し遂げているという自分なりの
生きがいが根底にある。人々のそのような心を知ることにより、私たちの生活を支えてくれる人々へ
の尊敬が生まれ、ありがたいと思う感謝の心が生まれてくると考える。
これまでに児童は、生活科や道徳の時間を通して家族や友達など、身の回りの人々について考える
機会が多く、自分を見守ってくれる人へ感謝の気持ちをもって接することができるようになってきて
いる。さらに3年生になり、社会科の学習が始まり、スーパーマーケットや梨畑、牧場などで働く人々
について学習することにより、働く人の工夫や苦労などについても視野を広げてきている。
ここでは「消防士」という仕事を通して、仕事の様子や仕事に対する思いに触れることで、
「仕事だ
から」という表面的なとらえ方だけでなく、自分の仕事によって人々を支えているという社会性や生
きがいを自覚していることに気付いてほしい。そして、それらの仕事は自分たちの生活に欠かせない
ものであり、誇りをもって仕事をしている消防士さん、さらには私たちの生活を支えてくれる人々に
対して、尊敬、感謝する心をもたせていきたいと考え、本主題を設定した。
(2)児童の実態(省略)
(3)仮説との関わり
自分の考えをもとに、話し合ったり書いたりするなどの表現の場を充実させれば、考えを深めることが
でき、思考し表現する力が高まるだろう。
①指導の流れ(学習モデルプログラムを活用)
〈見出す〉
消防士の仕事の様子について、火災現場で働く人の動画を観せることにより、
この資料に興味を持たせる。
〈調べる〉
資料『ぼうや、生きていてくれよ』を読んで、岡村さんの仕事の様子をとらえ
る。
〈深める〉
岡村さんの仕事に対する苦しみや喜びなどの両面をとらえ、集団での話し合い
を通して、その苦しみを超えた喜びの気持ちを感じさせ、仕事に対する思いを
深める。
〈まとめあげる〉 消防士さんなどに手紙を書き、自分たちを支えている人たちへの感謝の気持ち
を表す。
②具体的な手立て
・いろいろな場面での主人公の気持ちを考えることで、危険を顧みず子どもの命を救おうとする
主人公の思いや願いを感じ取ることができるだろう。
・自分の考えをもとに、話し合ったり書いたりする表現活動を通して、より多くの意見に触れるこ
とで、友だちの考えの良さに気づき、自分の考えを深めることができるだろう。
・自分のために働いてくれる人たちがいることを考え、感謝の気持ちを手紙に書くことで、自分た
ちを支えてくれている人々の心や行為に尊敬の念を抱き、
感謝の心をもつことができるであろう。
③資料の活用
本資料は、消防士が火災現場で懸命になって人を助ける姿を描いている。主人公である岡村さん
は、真冬の夜中に火災発生の合図とともにベッドから起きる。そしてたったの30秒という素早い
準備から、逃げ遅れた人がいないことを願いながら現場に向かっていく。 火事現場では、2階に
子どもが取り残されていることを知らされる。煙のうずの中、必死に子どもを探し当て、
「ぼうや生
きていてくれよ。
」と願いながら助け出す。くたくたに疲れながらも命を救った満足感を感じ、心か
ら消防士になってよかったと感じる内容である。
ここには、消防士の苦労や火災現場での危険な人命救助の様子が具体的に表れている。また、岡
村さんの、仕事に対する社会性の自覚や誇り等についても描かれている。特に、
「消防士になってよ
かった」という岡村さんの話は、自分たちの模範として尊敬と感謝の念を抱かせるのに適切な資料
であるといえよう。
(4)市原市小中一貫教育との関連
市原市では、
「平成25年度市原市学校教育推進プラン」において、
「生き生き学ぶ子 楽しい学
校・園~学び・育ち・地域をつなぐ幼小中一貫教育~」をテーマに掲げ、
「自ら学び、思考し表現で
きる子の育成」
「思いやりのある豊かな子の育成」
「健康でたくましい子の育成」を目標にしている。
また、この三つの目標の達成のための方策として、
「幼小中一貫教育の推進」を示している。小中一
貫教育については、
『
「一体型」小中一貫教育校として加茂中学校、他の21中学校区は「連携型」
小中一貫教育に取り組む』としている。
目標達成のための各教科・領域の取り組み<道徳>では、市原市の子どもにつけたい道徳性として、
「人と人、人と社会、人と自然などの豊かな触れ合いの中で、自分と自分を取り巻くものとの関わ
りやつながりを深く意識し、自他を尊重し自らの人生をよりよく生きていけるよう『支え合う喜び』
を育成すること」としている。
そこで、
「市原市小中連携カリキュラムプラン」において、
「市原市小中連携道徳全体構想」を明
確にし、
「市原の子ども4つの約束」を基盤とした「礼節の心」
「思いやりの心」
「生命を大切にする
心」
「郷土を愛する心」を共通重点項目とした 9 年間を通した指導を行うこととしている。
本主題は、以上のことを受けて、道徳では、次のことに関連づけて指導する。
①日ごろお世話になっている身の回りの人々だけでなく、生活を支えている様々な人々へ目を向け
る。
②自分たちの生活を支えるために、仕事をしている人々がいることを知り、理解を深めることで、
その他にも社会で働く人が多くいることに気付く一歩としたい。
4.ねらい
人命救助のために懸命に働く岡村さんの姿に触れ、自分たちを支えてくれている人々の心や行為に
尊敬の念を抱き、感謝の心をもって生活しようとする心情を養う。
5.展開
過
程
導 見
入 出
3 す
展 調
開 べ
33 る
学習活動
主な発問(○)と予想される児童の反応(・)
指導上の留意点(○)
と評価(◎)
1.消防士について知 ○以前、消防士さんの仕事についてアンケート ○アンケートの結果を
る。
をとりました。そこでは、このようなものが 知らせることで、消
【一斉】 ありました。
防士の仕事を理解さ
(2) ・火を消す。
・訓練をする。
せる。
・人を助ける。 ・パソコンでまとめる。
○消防士の仕事の様子 ○今日は、私たちのために働いてくれている消 ○消防士の仕事の現場
を映像で観る。
防士さんのお話です。どんな仕事をしている の映像を観せ、この
【一斉】
のか観てみましょう。
資料に興味をもたせ
(1)
る。
2.資料を読んで、岡村 ○これから消防士のお話を読みます。どんな気 ○聞き取る内容の観点
さんの気持ちにつ
持ちで仕事をしているのかを考えて聞きま を与えることで、話
いて考える。
しょう。
の内容を正確にとら
えさせる。
○資料を読む。
【一斉】
(3)
○話の中で、印象に残 ○岡村さんの仕事の中で、びっくりしたり、感 ○かかった時間やそれ
った場面を話し合う。
心したりしたところはどこですか。
までの様子に着目さ
【一斉】 ・消防自動車に乗り込むまでたったの三十秒
せ、一刻も早く火災
(3) ・耳がちぎれるほどの寒さの中で働いている。 現場に向かいたい気
・死んでいった仲間や大けがした先ぱい。
持ちを感じ取らせ
る。
○岡村さんの二つの思
い(
「こわい」
「助けた
い」
)について話し合
う。
【一斉】
(3)
○岡村さんは炎とけむりの中でどんなことを ○どうして「こわい」
考えていたと思いますか。
や「助けたい」とい
・早く助けなきゃ。
う気持ちになるのか
・こわい。
を考えさせ、岡村さ
・逃げ出したい。
んの心の葛藤を押さ
える。
○死んでいった仲間
や、大けがをした先
輩のことについても
触れ、死と直面した
仕事であることをと
らえさせる。
○岡村さんの命を大切 ○子どもを抱きしめ、
「ぼうや、生きていてく ○相手のことを思う気
に思う気持ちについ
れよ。」といのる岡村さんをどう思います
持ちに焦点を当て
て話し合う。
か。
て、命を大切に思う
【一斉】 ・命を大切に思っているんだと思う。
気持ちを感じ取らせ
(3) ・自分の時もそう思ってくれるのかな。
る。
・まねできない、すごいな。
○岡村さんの仕事に対
○仕事をやり遂げたと
○岡村さんは、どうして心から「消防士に
する思いを話し合う。
きの岡村さんの様子
なってよかった」と思ったのでしょうか。
・ワークシートに書く。
を考えさせながら、
【個別】
岡村さんを支えてい
(5) ・仲間との協力で、また困っている人を救う
るものを捉えさせ
ことができた。
る。
・グループで話し合う。 ・これまで亡くなったりけがしたりした仲間
【グループ】 に対しても堂々と胸を張れる。
◎岡村さんの仕事を成
(5) ・みんなのよろこぶ声を聞けてうれしい。
し遂げた充実感や人
・発表する。
を支える仕事に従事
【一斉】
している誇りと喜び
(5)
の思いを書くことが
できているか。
【観察・ワークシート】
深
め
る
終 ま
末 と
9 め
あ
げ
る
3.消防士さんからの ○消防士さんにいくつかインタビューしてき
話を映像で観る。
ました。どんな気持ちで働いてくださって
【一斉】 いるのか聞きましょう。
(5) ○消防士さんの話を聞いてどんなことを感じ
ましたか。
・私たちのことを考えてくれているんだ。
・うれしい、ありがとう。
・すごい勇気だと思う。
○消防士の他にも私た ○今日は消防士さんがどういう気持ちで仕事
ちのために働いてく
をしているのかについて考えました。他に
れている人たちがい
も私たちの生活のために見えないところで
ることを伝える。
働いてくれている人たちがたくさんいま
【一斉】 す。どんな人たちがいるでしょうか。
(1) ・スーパーマーケットの店員さん
・牧場の人たち
・農家の人たち
○悩んでいる児童に
対しては、社会科見
学やトライ学習の
経験から、どんな人
がいたかを考えさ
せる。
4.私たちのために働い ○私たちのために働いてくれている人たち
てくれている人たち
に、どんな気持ちを伝えたいですか。消防
に手紙を書く。
士さんか、その他の人たちに手紙に書いて
【個別】 みましょう。
(6)
○書けないで悩んで
いる児童に対して
は、消防士さんがど
んな仕事をしてい
るのか考えさせる。
・書いた手紙を発表す
る。
【一斉】
(3)
◎消防士が、自分たち
の生活を支えてく
れていることに尊
敬の念を抱き、感謝
の気持ちを書くこ
とができているか。
【観察・ワークシート】
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