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2ページ - 東京農業大学
写真 1 挨拶をする、大澤貫寿東京農大学長 か、について講演があり、次に米国コールドスプリン グハーバー研究所のリチャード・マッコンビー博士が 現在のシーケンサーよりも更に高速解読が行える機種 の使用経験や、ゲノム情報の中から遺伝子部分を効率 的に読み取る新たな方法を紹介された。引き続き行わ れた一般講演では、以下の 9 人の先生方の講演があっ た。海外からの 4 人の招待講演者では、英国ウェルカ ムトラスト・サンガー研究所のアールノ・パロティ博 士からヒトの遺伝病について塩基配列情報を利用して 原因遺伝子を解明する最新の手段の紹介が、英国バブ ラハム研究所のガビン・ケルセイ博士からマウス卵母 細胞で後天的に起きる塩基の化学的変化と遺伝子発現 の関連について、 英国ロスリン研究所のデビッド・バー ト博士からゲノム構造の特徴から解析した鳥類の進化 について、また米国デラウエア大学のブレイク・マイ ヤーズ教授からは植物の病気防御に関わる遺伝子を制 御しているマイクロRNAの特徴についてそれぞれ講 演があった。国内からの 5 人の招待講演者では、動物 遺伝研究所の杉本喜憲博士からはウシゲノム情報を利 用した 1 塩基多型(SNP)の収集について、東京大学 大学院の嶋田透教授からはカイコが桑葉を唯一の食餌 としている生理的理由の解明について、東京大学大学 院の小林一三教授からはピロリ菌におけるゲノム構造 の再編と病原性の関係について、農業生物資源研究所 写真 2 招待講演者と実行委員の集合写真 の黄川田隆洋博士からはネムリユスリカの乾燥耐性と 遺伝子の相関について、同じく農業生物資源研究所 の大野陽子博士からはリン欠乏・過剰ストレス条件下 でのイネ発現遺伝子の網羅的解析についてそれぞれ講 演があった。20題のポスター発表は大学院生・ポスト ドクなど若手研究者を中心に行われ、説明と討論が熱 心に行われた。招待講演者と実行委員の集合写真を写 真 に、またプログラムの詳細をhttp://www.nodaigenome.org/event_1.htmlに掲載した。 国際ゲノムシンポジウム当日はあいにくの雨模様の 天気であったが、173名の参加があり、そのうち52名 は他大学や研究所、官庁など学外の方々であった。今 回のシンポジウムへの関心の高さが伺える。また、ゲ ノム解析センター関係者をはじめ、農大からの参加者 にとっても現在研究中の課題の遂行あるいは今後の新 しい研究課題の設定に役立つと考えられる。生物資源 ゲノム解析センターへの文部科学省からの財政支援は 平成24年度で終了する。しかし、農業生物の生産性や 資源としての有用性、あるいは育種改良にはこれらの ゲノムを解析し、その生命維持の基盤となる情報を獲 得して遺伝、生殖、あるいは進化等を理解することが 重要である。センターの継続した運営・活動の重要性 も今回の国際シンポジウムで併せて示されたと信じて いる。 東京農大「食と農」の博物館 東京農大「食と農」の博物館(世田谷区上用賀24-28)では、 3 月30日から 3 つの企画展がスタート した。 醸造のふしぎ−微生物が醸す世界−展 醸造の過去から未来に触れて、観て、体験して、 「醸 造」とは何か、感じて頂きたい。(平成26年 月23日 まで、展示は定期的に入れ替える予定) 馬を知る−馬好きも知らない馬のこと−展 JRA日本中央競馬会、馬事公苑の企画による展示。 2 新・実学ジャーナル 2012.4・5 企画展示 人間と密接に関わってきた馬について、さまざまな 角度から紹介する。( 月23日まで) 熱帯農業の魅力展 日本とは違う自然資源や自然環境のもとで栽培さ れる熱帯産農産物の来歴や栽培技術、用途などの話 がとても興味深い。( 月26日まで) 詳しくは、同博物館のホームページをご覧になる か、電話(03-5477-4033)でお問い合わせください。