...

パルス幅変調を 使用した 制御信号の シミュレーション

by user

on
Category: Documents
14

views

Report

Comments

Transcript

パルス幅変調を 使用した 制御信号の シミュレーション
測定のヒント
2 巻 -3 号
パルス幅変調を
使用した
制御信号の
シミュレーション
シミュレーション信号によるデザイン検証
実例:ブラシレス・モータのテスト
パルス幅変調(PWM)は、デジタル信
ブラシ・モータとのコスト差が縮まってきたこともあり、ブラシレス・
号でアナログ回路を制御するための手
モータの使用が増加しています。あるメーカは、既存製品の1つでブラ
法 と し て、 一 般 的 に な っ て い ま す。
シレスに変更することの利点を調べたいと思っていました。整流子とし
PWM はエンジン制御、電力管理/電
源、デジタル・オーディオのアナログ
変換などの、幅広いアプリケーション
で使用されています。マイクロコント
ローラの多くがデジタル制御ロジック
てのブラシを使用しなくなることにより、メーカはメンテナンス・フリー
の長寿命と静音動作の実現を期待しました。さまざまなモデルのブラシ
レス・モータを比較するために、さまざまな動作速度でエアフローや音
響ノイズをテストしたいと思いました。ブラシレス・
用の手法として PWM 機能を備え、ア
モータへのデューティ・サイクルを増加させる
ナログと等価な制御を実現していま
と、平均パワーが増えて、モータはより高速
す。Agilent 33220A ファンクション/
任意波形発生器などを使用すると、こ
れらの波形をすぐに作成できます。
に回転します。パルス幅変調の使用により、
長期にわたる自動テストで連続的にモータ
速度を変化させることができました。メー
カはその結果に満足し、信頼性向上と低コ
ストの実現のために、新型のブラシレス・
モータを使用するように製品デザインを変更
しました。
PWM の基本
まとめ
パルス幅変調の基準は、デューティ・サイクルが 50% の方形
波です。デューティ・サイクルを変更して、その結果として
のパルス幅の変化を、情報の伝達や負荷に送るパワーの制御
として使用できます。以下に例を示します。
汎用のファンクション・ジェネレータを使用して、パルス波
形を作成したり、マイクロコントローラでの使用が増えてい
る PWM 機能を実現できます。ここでは、PWM の基本を説
明しました。また、パルス幅を変化させて、情報の伝達や負
荷へのパワー伝送の制御に使用する方法を説明しました。最
●リモート・コントロールされた玩具内のサーボ・モータが、
後に、汎用のファンクション・ジェネレータで PWM 信号を
デューティ・サイクルの変化に基づいて情報を伝達します。
設定する方法を示しました。
サーボ機構がパルスを受信すると、パルス幅に比例した位
置へ移動します。
調光器でデューティ・サイクルを変化させることにより、
負荷に送るパワーを制御します。デューティ・サイクルを
小さくして信号が「オン」である時間を減らすと、照明が
暗くなります。
●
PWM 波形の作成
Agilent 33220A などのファンクション・ジェネレータは、
PWM のパルス機能を内蔵しています。PWM パラメータ(周
波数、振幅、変調度)に簡単にアクセスできるので、波形の変
更やそれを使用した実験が簡単に行えます。
最初のステップは、基本パルスの設定です。33220A では、周
波数や周期などの類似したパラメータの調整を簡単に行える
ようになっています。青いソフトキ-を繰り返し押すことに
よりパラメータをトグルできるので、パラメータを簡単に調
節できます。同様の方法により、パルス幅またはデューティ・
サイクルも変更できます。
Agilent 任意波形ライブラリを
無料で提供(期間限定)
www.agilent.co.jp/find/measurement_tips2
にアクセスしてください。
以下をご提供しています。
1.無料波形ライブラリのダウンロード
2.アプリケーション・ノート「ファンクション・
ジェネレータをさらに活用するための 8 つの
ヒント」のダウンロード
3.本シリーズファンクション・ジェネレータ測
定のヒント集のダウンロード
次のステップは、変調をオンにして、パラメータを調整する
ことです。33220A では、パルス・モードのときに変調を選択
す る と 自 動 的 に PWM が オ ン に な り ま す。「duty cycle
deviation」は、基本パルスの設定時に選択したデューティ・
サイクルを変更します。例えば、50% のデューティ・サイク
ルと 35% の偏移を選択すると、33220A は 15% ~ 85% の間の
デューティ・サイクルを生成します。パルス幅を使って基本
正弦波を設定すると、33220A はデューティ・サイクルの代わ
りに「width deviation」を自動的に使用します。
Agilent 33220A ファンクション・ジェネレータ(写真の上)
についての詳細は、以下をご覧ください。
www.agilent.co.jp/find/33220A
Agilent 33250A ファンクション・ジェネレータ(写真の下)
についての詳細は、以下をご覧ください。
www.agilent.co.jp/find/33250A
三角波などの信号を使って変調を行うと、この例のように、エンジンのベンチュリ
を開閉する動的な PWM 信号を作成できます。
測定のヒント
アジレント・テクノロジー株式会社
計 測お 客 様窓口:TEL 0120-421-345
デューティ・サイクルによる変調か、パルス幅による変
調かの選択
アプリケーションでデューティ・サイクルを指定して
いたり、全体の周期に対するパルス幅が必要な場合は
「デューティ・サイクル」を使用します。周期を変更
すると、デューティ・サイクルを維持するためにパル
ス幅も変化します。
●
アプリケーションで特定の「オン」時間やパルス幅が
必要な場合、あるいは全体の周期に無関係なパルス幅
が必要な場合は「パルス幅」を使用します。周期を変
更しても、デューティ・サイクルは変化しません。
●
June 12, 2008
5989-8034JAJP
0000-00DEP
Fly UP