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(MBL産生菌)への対応について

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(MBL産生菌)への対応について
平成 26 年 6 月 1 日
メタロβラクタマーゼ産生腸内細菌科(MBL産生菌)への対応について
当院では、3 月にMBL産生菌の集積を公表いたしました。現在、感染対策を一層強化し、
感染の収束に努めております。患者様や家族の方には多大なご迷惑をおかけしたことを
深くお詫び申し上げます。その間、感染予防について多くのご質問を受けております。そ
こで、簡単ではありますがQA集を作成しました。皆様のご理解と感染対策に役立てて頂
ければと存じます。
○多剤耐性菌とは
多剤耐性菌とは、もともとは特定の抗菌薬が効果的であったはずの菌が変異を獲得し、
それらの抗菌薬(抗生物質)が効かない、または効きにくくなってしまった菌のことをい
います。こういった菌は一般的な環境にも生息していますが、病院内ではより多く生息
していることがわかっております。一般的には身体の中に入ったり、皮膚に付着したり
するだけではすぐに病気として発症する訳ではありません(この状態を保菌といいま
す)。健康な方にはほとんどの場合、問題になりません。しかしながら身体の抵抗力が
落ちているとき(大きな手術後や抗がん剤治療を受けている患者様など)では、多剤耐
性菌による感染症が発症することがあります。当院では、その多剤耐性菌のひとつであ
るMBL産生菌が、院内で検出されております。
○治療について
身体の一部から耐性菌が検出されたとしても、必ずしも全例で治療が必要ということ
ではなく、何の症状も示さず、菌もやがて身体からいなくなってしまう場合も多いこと
がわかっています。多剤耐性菌では、多くの抗菌薬(抗生物質)が効かない、または効き
にくくなっています。なお、報道などで表現されている“ほとんどの抗生物質に対して
耐性を示す”ような多剤耐性菌であっても、まだ一部の抗菌薬は使用可能なため、治療
の手段が無いわけではありません。ただし、耐性菌による感染症が発症してしまった場
合は、耐性のない菌による感染症よりも死亡率が高くなることがわかっております。
○感染経路と感染対策について
耐性菌が検出された場合は、治療が必要かどうかを検討いたします。当院で問題とな
っているMBL産生菌は通常、接触感染という形式でひろがります。つまり、感染した
人の便や尿、分泌物に直接触ったり、あるいは環境にいる菌に触れて感染する様式です。
当院ではこのような菌が患者さんの検体から検出された場合は、一般的な感染予防に加
え、接触予防策というものを講じております。その中でも最も重要なのは手指消毒です。
○面会者の皆様に
上述のように接触予防がとても重要ですので、病室の出入りの際には備え付けの手指
消毒薬での手指衛生へのご協力をお願いいたします。
○その他よくある質問
Q:子供や家族にうつることはありますか?
A:健康な日常生活を送っている方々では過度に心配する必要はありません。日頃より
石けんで手指を洗うことが大切です。
Q:検出された方が特に注意することは何ですか
A:健康な日常生活を送っている方々では過度に心配する必要はありません。日頃より
石けんで手指を洗うことが大切です。
腸内細菌ですので、便や尿に菌がいることが多いため、トイレの後は、特にしっかりと
石けんで手指を洗うことが大切です。
Q:洗濯はどうすればよいですか?
A:共有することで感染するということはありませんので、普段通りで構いません。
Q:食事や食器の共用で感染しますか?
A:感染しません。普段通り、食事の前に石けんで手指を洗えば問題ありません。
Q:つばや喀痰で感染しますか?
A:接触で感染しますので、つばや喀痰に直接、接触しない限り感染はしません。つば
や喀痰が付着した場所をアルコール消毒薬やハイターなどで消毒してください。また、
つばや喀痰に触れた場合は、石けんで手指を洗えば問題ありません。
Q:排泄物(便、尿)の処理はどうすればよいですか?
A:耐性菌が検出されている患者さんの便や尿、おむつなどの処置や処理の際には、手
袋を用い、終了後には、石けんで手指を洗えば問題ありません。
更に詳しい情報がご希望の方は 日本感染症学会 homepage の Q&A
http://www.kansensho.or.jp/mrsa/100913publicqa.html をご参照ください。
国立病院機構 大阪医療センター
院長 楠岡 英雄
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