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パクシュ原子力発電所での 破損燃料管理

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パクシュ原子力発電所での 破損燃料管理
パクシュ原子力発電所での
破損燃料管理
ラリーザ・ゾーケ
核燃料部長
プロジェクト副リーダー(密閉燃料管理プロジェクト)
第1回 福島第一廃炉国際フォーラム
2016年4月11日
1
仮訳
一般情報(ハンガリー、パクシュ原子力発電所)
場所:中欧
面積:93,000平方キロメートル
人口:1000万人以下
4 VVER-440型ユニット;
試運転時期:1982年~1987年
当初の設計: 1375 MW、440 Mwe
出力向上プロジェクト後:
1435 MW、500 MWe
2000 MW  国内発電量の50%
2
事故原因
• 2002年、1~3号機を低出力で運転していた(燃料集合体(FA)へのマグネタイト(磁鉄
鉱)堆積物により冷却水流量が低下していた)。
• パクシュ原発では、堆積物除去のため定検時にFAを洗浄することに決定。
• 2003年4月、パクシュ原発2号機のピットNo.1にて、特別に設計、製造された洗浄タンク内で燃
料集合体の洗浄中に冷却管理体制違反のため、燃料集合体の破損に至った。
2003年4月11日、30体
の照射燃料集合体を
洗浄中に冷却問題が
発生して事象を引き起
こし30体の燃料集合体
が破損した。
ピット
原子炉
洗浄タンク&
破損燃料
3
プール
事象の影響処理の第1段階
パクシュ原発の場合、事象による影響からの完全復旧に
11年以上を要した。
第1段階の目的は:
 事故の原因を調査し、燃料やピットの状態を把握すること(4週間)
 燃料を安定化させ、破損燃料とユニットを確実に安全な状態にすること(4カ月)
 復旧担当プロジェクトを設置すること(2カ月)
作業は主に発電所の専門家と国内の研究機関や設計組織に
よって実行された
∑ 使用済み燃料質量  6 t
UO2  3.5トン
U-235  70 kg
Pu  20 kg
損傷のみ、溶融なし
2003年
4
2007年
2013年
2014
年
コミュニケーション
地域・国レベル両方での積極的で開かれた体系的な公衆とのコミュニ
ケーション。
目標:
• 状況について公衆に理解してもらう
• 正しい情報を提供し、地域住民からの信頼を高める
• 想定される安全な方法での破損燃料管理について説明する
事故当日に最初のプレスリリースを発行。2003年4月22日に原子炉ホールからの最
初のプレスリリース;状況安定後(5月)、新情報を掲載したプレスリリースを毎日発行。
7月~11月までは毎週プレスリリースを発行。洗浄タンクから燃料撤去後、現場で大
規模な国際カンファレンスを開催。
5
事象の影響処理の第2段階
第2段階の目的:
 燃料取出し準備(技術開発、機器や工具の設計)、認可
 燃料取出し
主な事実:
• 2003年当時、パクシュ発電所とハンガリーでは安定化技術を保有しておらず、事
象の影響処理についても十分な経験がなかった。
• 作業は運転中の発電所環境において実施しなければならなかった。
2003年、原子力・放射線安全のあらゆる要件に従い、ロシアの専門家である
OAO“TVEL”社とパクシュ原子力発電所が契約を締結した。洗浄タンクから破損
した燃料集合体を撤去し、ピットNo.1を空にするとともに、実用的な作業を実施す
るための技術を考案することに取り組んだ。これらの
タスクの解決のため、ロシアではOAO“TVEL”社の
リーダーシップの下、産業界の大手企業を
含めたチームが編成されている。
6
キャニスタ&キャスク
+
7
主な復旧機器、工具
24.7 t
13.9 m
80種類を超える
工具
• 固定
• 穴開け
• 切断
• キャッチング
• 吸引
• 洗浄
• 吊上げ
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燃料取出し作業
• 適用した技術の特徴:
–
–
–
–
–
遠隔、空気式/手動用具による水中での燃料の積み込み
ヘッド/レグなしのFAを半密閉式キャニスタへ
燃料棒とデブリをスペース・ホルダ、キャニスタへ
ヘッド/レグをSRWキャスクへ
水中計測(安全策、充てん限界)
使用済燃料集合体(SFA)からタンクの上部プレート、燃料棒破片を撤去
SFAの末端部分と燃料カラムとを分離し、SRW(放射性固体廃棄物)容器へ積み込む
• 燃料取出しの方向性:
タンクの中から燃料棒破片を除去
上部プレートを破片状に切断
SFA破片をプレート下から除去
使用済原子燃料(SNF)塊とSFAの破片を下部プレートから除去
ドリルで穴を開け、下部プレートの中央部を撤去
準備期間
SNF塊とSFA破片をタンク底部から除去
キャニスタへ燃料積み込み
2003年
9
2007年
2013年
2014
年
制御盤&ディスプレイ
ピット内足場
燃料交換機
制御盤
ディスプレイ
10
上部から見た足場
水平切断機
ディスプレイ
作業溝
鉛ガラス窓
ディスプレイ
警報ユニット
11
クレーン操作
使用済燃料プールでのキャニスタ貯蔵
「乾式」貯蔵=「換気補償装置」
キャニスタ24基、
タイプ28(大)
pit
SRWキャスク8基
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キャニスタ44基、タイプ29(小)
事象の影響処理の第3段階
目的:プラントを事象発生前の状態に戻すこと!
主なステップ:
• 乾燥、キャニスタの密閉技術の考案と具体化、認可
• 輸送の具体化、認可
• キャニスタのドライアウト、すべてのキャニスタを再処理施設へ輸送
技術要件:
•
•
•
必要なリソースを最適化すること
廃棄物の量、放射能放出、人員や公衆の放射線被ばくを最小限に留めること
作業は1、2号機の通常運転を妨げないこと
キャニスタ内の破損原子燃料の挙動を研究し、ドライング(乾燥)技術の実現可能性を検
証する実験を実施する必要があった(実験は、ロシアの研究開発機関であるSosny、ロシア
の研究機関NIIARにて実施されている)
研究活動に基き、燃料のドライアウトとロシアの再処理施設へのキャニスタ移送が実現可能と
なった(ハンガリーには再処理工場がなく、既存の使用済燃料中間貯蔵施設は、通常の(非
破損)使用済燃料に対してのみ認可されている)。
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キャニスタの乾燥と密閉技術
2013年後半、使用済燃料を収納した68個のカプセルすべてのドライ
アウト(乾燥)に成功。
14
再処理施設へのSFの輸送
2014年夏、ロシアのマヤーク工場へのカプセル輸送を成功裏に完了。この時点まで
に、2003年の事故の影響からの完全復旧プロジェクトが完遂。
事故後の安定化
第1段階
第2段階
洗浄タンクからのSF取出し準備
2003年
15
洗浄タンクから
のSF取出し
乾燥技術の開発
2007年
輸送前貯蔵
第3段階
乾燥、
密閉
輸送
機器の設計・製造
2013年
2014
年
成功に向けた主な手掛かり (1)
 世界中の情報を収集、解析、活用。
 責任プロジェクト組織の設立、発電所の経営陣からの恒久的な支援
 安全が最優先事項(原子力安全、人員保護、運転安全)
 あらゆる準備作業に十分な時間を割く(過密スケジュールではない)(我々の
場合11年!)
 タスクの解決に向け、ロシアとハンガリーの原子力産業界における大手企業(設
計、研究、エンジニアリング、製造)が関与
 すべての作業において保守的な考え方を適用
 少なくとも2カ所の独立組織にてすべての重要な解析を実施し、その結果を比較
・評価した
 全段階でモックアップ試験を実施
 実行前に、加工場および実際のサイトでの状況(ただし非放射性)において、す
べての機器・技術の試験を実施
 追加試験後、十分に訓練を受けた人員のみが作業を担当
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成功に向けた主な手掛かり (2)
 作業の各ステップは、ハンガリー原子力機関(HAEA)による認可を受けたもの。
国の原子力規則やIAEAの安全基準の全要件を考慮。
 復旧のほぼすべての段階において、ハンガリー原子力機関は厳格な追加基準を課
した。
 すべての作業は、常にハンガリー原子力機関との相談および機関の監督の下に実
施された。
 開発した燃料取出し技術についてのロシア/米国の規制評価(HAEAのNSD(
原子力安全理事会)の要請による)実施。
ГАН
ФЕДЕРАЛЬНОЕ ГОСУДАРСТВЕННОЕ
УНИТАРНОЕ ПРЕДПРИЯТИЕ
ВО «БЕЗОПАСНОСТЬ»
ГОСАТОМНАДЗОРА РОССИИ
ЭКСПЕРТНОЕ ЗАКЛЮЧЕНИЕ
на отчет Федерального Государственного
Унитарного Предприятия (ФГУП) “Гидропресс”
«Разработка технологии выполнения работ”
(У213-Пр-1764) по теме “Ликвидация
последствий разрушения кассет в колодце №1
на блоке 2 АЭС “Пакш”».
06.0001.01.00010.04
US NRC
Regulatory Observations for
Recovery of Damaged Fuel
Presented by George Kalman and Mikey Brady Raap
Pacific Northwest National Laboratory
USNRC-HAEA Consultation, Budapest, Hungary
April 19-21, 2004
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ご清聴ありがとうございました
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