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1
今週米国株を取り巻くブルベア材料
4 月 19 日
森
崇
ブル要因
1.3 月の小売売上高は前月比 0.7%増加し、予想(0.6%増)を上回り、この3
カ月で最大となった。2月も 0.5%増加(速報 0.1%増)に上方修正された。
3 月の売上高を項目別に見ると、変動の大きい自動車を除いたベースでは前
月比 0.8%増加。予想(0.9%)には届かなかった。前月は 0.4%増加(速報
0.1%減少)に上方修正された。
(内訳)
衣料品の売上高は 2.4%増加。スポーツ用品・書籍・趣味用品は同 1.1%の伸
び。建築資材は 1.4%増加した。スポーツ用品と建築資材はいずれも 2006 年
1月以来の強い伸びとなった。ガソリン価格上昇が寄与し、ガソリンスタン
ドの売上高は 3.1%増加。前月の 1.5%増加を上回る伸びだった。
2.ノキア(NOK)
携帯電話機メーカー世界最大手、フィンランドのノキアは、モバイルTVの
導入の迅速化を目指し、競合企業の韓国のサムスン電子と提携すると発表。
両社はモバイルTV規格「DVB−H」による携帯電話でのTV受信で互換
性を実現するため協力する。
3.サリーメイ(SLM)
米学資ローン最大手の SLM(サリーメイ)は 16 日、米銀大手JPモルガン・
チェースとバンク・オブ・アメリカにプライベートエクイティ(PE、未公
開株)投資会社2社を加えた企業連合が提示した 250 億ドルの買収案を受け
入れた。買収価格は1株当たり 60 ドル。12 日の株価終値に対して 47%の上
乗せに相当する。買収後の持ち株比率はPEファンド2社が 50.2%、米銀2
行がそれぞれ 24.9%。身売り後も経営陣は変わらず、本社は引き続きレスト
ンを拠点にするという。学資ローンの需要はこの6年間、年平均 27%のペー
スで伸びている。サリーメイは学資ローンの第2市場を通じて高等教育への
進学を容易にする目的から、1972 年に政府系住宅金融機関として創設された。
学資ローン債権は 1420 億ドル。学生 1000 万人近くが利用している。また総
額 150 億ドル以上の学資貯蓄プランを運用する。
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4.セントルイス連銀のプール総裁は 16 日、ブリュッセルで講演。
(要旨)
不均衡な世界の貿易と投資の流れは、米人口の平均年齢が欧州や日本よりも
若いことが関係している可能性がある。高齢化の度合いは各国によって異な
るが、これが今の経常赤字・黒字のパターンに一部関係している。こうした
赤字や黒字というのは、不均衡というより最適化行動による望ましい結果か
もしれない。
5.フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は 16 日講演。
(要旨)
インフレ目標を公表することにより、ECBひいてはユーロ圏すべての国が
物価安定に向けた責任を制度化している。この制度化がECBの信認を高め
ている。過去に比べFOMCの透明性は格段に良くなっているが、ほかの多
くの中央銀行よりも恐らく透明性は低い。
6.イーライ・リリー(LLY)
製薬大手イーライリリーが 16 日寄り前業績発表。2007 年1−3月(第1四
半期)の売上高は 42 億ドル、純利益は5億 900 万ドル(1株当たり 47 セン
ト)と、前年同期の8億 3500 万ドル(同 77 セント)から減少。買収費用な
ど一部経費を除いた1株利益は 84 セントと、予想(79 セント)を上回った。
主力薬ジプレキサの需要減退は、一部の患者が同薬服用中の体重の増加や糖
尿病などの副作用を訴えたことも一因。抗うつ剤「シンバルタ」の販売促進
する意向。通期の一部項目を除く利益見通しについて、同社は1株当たり
3.30-3.40 ドルと、従来予想の 3.25−3.35 ドルから引き上げた。
7.ワコビア(WB)
米銀4位のワコビアが 16 日寄り前業績発表。2007 年1−3月(第1四半
期)の純利益は 23 億ドル(1株当たり 1.20 ドル)と、前年同期の 17 億
3000 万ドル(同 1.09 ドル)から増加。予想(1.16 ドル)を上回った。
昨年 10 月に米貯蓄貸付組合(S&L)のゴールデン・ウエスト・フィナンシ
ャルを買収したことで住宅ローン事業が拡大したほか、予想を下回るコスト
が増益に寄与した。
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8.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカは 16 日、中国市場のクレジットカード事業で中国建
設銀行(CCB)と提携したことを明らかにした。まずCCBがクレジット
カード部門を設立し、現在同行が手掛けるクレジットカード事業もこの新会
社に移行する。バンカメは新会社に 37%出資する。中国クレジットカード市
場でのCCBのシェアは 20%、発行数は 634 万枚と第2位。中国ではクレジ
ットカード利用は拡大しているものの、なかなか浸透していない。英HSB
Cや米シティグループもクレジットカード利用の促進に苦戦している。
9.クエスト・ダイアグノスティクス(DGX)
米医療検査機器メーカー最大手のクエスト・ダイアグノスティクスは 16 日、
同業のアメリパスを約 20 億ドルで買収すると発表。がん検査機器を拡充する
のが狙い。買収は第2四半期中に完了する見通し。
10.フリーモント・ゼネラル(FMT)
カリフォルニア州で不動産担保融資を手がけるフリーモント・ゼネラルは 16
日、29 億ドル相当のサブプライム住宅ローンを売却することで合意したと発
表した。買い手は明らかにされていない。同社はこれらを割引して売却する
ため、1 億ドルの税引き前損失を計上する。また、買い手はフリーモントの
住宅不動産事業と資産の大半を購入することでも同意。
11.アドビ・システムズ(ADBE)
バロンズ紙によると、ソフトウエア大手のアドビ・システムズの株価は1年
以内に 50 ドル以上に上昇する可能性がある。ブロードバンド・インターネッ
ト通信や通信機器がさらに普及することが理由。
12.アマゾン・ドット・コム(AMZN)
ドイツ銀行はオンライン通販最大手のアマゾン・ドット・コムの投資判断を
「中立」から「買い」へ引き上げた。営業利益が上昇するとの見通しが背景。
13.シティグループ(C)
米銀最大手のシティグループが 16 日発表した 2007 年1−3月(第1四半
期)決算は、一株利益が 1.18 ドルと、予想(1.09 ドル)を上回った。
14.ファニーメイ(FNM)
バンク・オブ・アメリカ証券は米住宅金融大手のファニーメイ(連邦住宅抵
当金庫)の投資判断を「中立」から「買い」へ引き上げた。透明性と規制問
題が改善するとの見通しが理由。
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15.AT&T(T)
米通信サービス最大手のAT&Tは 16 日、イタリアの電話最大手、テレコ
ム・イタリアの株式3分の1の取得を目指して進めていた持ち株会社との交
渉を打ち切ったことを発表。イタリア政府がこの取引に反対したことが理由
という。AT&Tはこれまで、テレコム・イタリアの株式約 18%を保有する
持ち株会社オリンピアと交渉してきた。一方、AT&Tと共同でテレコム・
イタリア株の取得を目指すとしていたメキシコのアメリカ・モビルはこの日、
株式取得には依然関心があるとの見解を発表した。
16.3月の米消費者物価指数統計によると、全体指数は前月比 0.6%上昇(前月は
0.4%)し、予想中央値と一致した。 一方、変動の大きい食品・エネルギーを
除いたコア指数は3月に前月比 0.1%上昇と、エコノミスト予想(0.2%上
昇)を下回った。前月は 0.2%上昇だった。3月のCPI指数は前年同月比
2.8%の上昇(前月は 2.4%上昇)。コア指数は前年同月比で 2.5%上昇した。
(特徴)
エネルギー価格は前月比 5.9%上昇と、前月の 0.9%上昇から伸びが加速。燃
料コストと天然ガスはそれぞれ 3.8%と3%の上昇だった。ガソリンは 11%
、食品は3月に前月比で 0.3%の上昇(前月は 0.8%上昇)だった。居住費は
0.2%上昇と、前月の 0.4%上昇から伸びが鈍化。帰属家賃は前月に引き続き
0.3%上昇だった。このほか医療費は 0.1%上昇(前月は 0.5%上昇)に伸びが
鈍化した。被服費は1%低下した。
17.3月の住宅着工件数は前月比 0.8%増の年率 151 万 8000 戸と、予想
(149 万 5000 戸)を上回った。2月は 150 万 6000 戸と、速報値の 152 万
5000 戸から下方修正された。先行指標となる3月の住宅着工許可件数は 154
万 4000 件と、2月の 153 万 2000 件(速報値 153 万 2000 戸)から増加した。
許可件数の予想は 151 万件だった。
18.EMC コープ(EMC)
ストレージ(外部記憶装置)最大手の EMC が 17 日寄り前に業績発表。2007
年1−3月の売上高は同 17%増加し 29 億 8000 万ドルに達し、ブル予想(29
億 4000 万ドル)を上回った。税効果を除いたベースでの利益は1株当たり
14 セントと、アナリスト予想と一致した。
19.ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
米医療機器・医薬品大手のジョンソン・アンド・ジョンソンが 17 日寄り前業
績発表。2007 年1−3月(第1四半期)は堅調な決算だった。心臓用ステン
ト、および貧血治療薬の売行き不振を、コンスマー向け製品の好調が補った。
うがい液“Listerine”や、風邪薬“Sudafed”、使い捨てコンタクト・レンズ
“Vistakon”が絶好調だった。2007 年度通期ベース EPS ガイダンスも上方修
正され、予想を大幅に上回った。
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20.コーラ(KO)
世界最大の清涼飲料水メーカー、コカ・コーラが 17 日寄り前業績発表。2007
年1−3月期(第1四半期)の売上高、EPS はともに予想を上回った。
北米での不振をアジア(特に日本、中国)で相殺した。ノーカロリーのコ
カ・コーラ・ゼロは、北米でも 10%増収となった。ダイエット商品に注力し
た同社の戦略は奏功している。缶コーヒー“ジョージア”も日本で売行き好
調だった。
21.インテル(INTC)
17 日引け後業績発表。2007 年1−3月(第1四半期)は、やはり弱い四半期
だった。売上高が予想を下回り、EPS も税負担減から 5 セントの押し上げ要
因となったものの、これを除くと、予想を下回った。また、続く第 2 四半期
ガイダンスも弱い。ただし、プラス面がやや勝った。第 1 四半期の粗利率が
予想を上回ったこと、及び、2007 年度通期ベースガイダンスで、粗利率が上
方修正されたことだ。本日引け後の OTC 取引では、引け値(20.98 ドル)に
対し、21.13 ドル(NY 時間午後 5 時 30 分現在)である。粗利率悪化は、過剰
設備、在庫増加、高価格帯ラップ・トップコンピュータ用 MPU(高利益率製
品)販売不振から来る平均販売価格低下等の存在を示唆するものだ。インテ
ル株の株価反発へのカタリストは、在庫整理が進み、粗利率が底打ちするこ
とだっただけに、今回の決算結果は先行き幾分勇気付ける内容である。
22.ウェルズ・ファーゴ(WFC)
米銀大手ウェルズ・ファーゴが 17 日寄り前業績発表。1−3月期(第1四半
期)は純利益が前年同期比 11%増と過去最高を記録した。法人向け融資が好
調だった。純利益は 22 億 4000 万ドル(1 株当たり 66 セント)と前年同期の
20 億 2000 万ドル(同 60 セント)から増加した。1 株利益の平均予想は 65 セ
ントだった。収入は 10%増の 94 億 4000 万ドルだった。
23.モトローラ(MOT)
携帯電話端末2位のモトローラが 18 日寄り前業績発表。2007 年1−3月
(第1四半期)の売上高は 94 億 3000 万ドルと、予想(92 億 5000 万ドル)を
上回った。モトローラは3月 21 日、1−3月売上高見通しを1月予想の最大
106 億ドルから下方修正し、92 億−93 億ドルとしていた。 一部コストを除い
たベースでの1株損益は2セントの黒字。予想平均と一致した。モトローラ
は4−6月期の売上高について、前年同期比で 13%減少し、約 94 億ドルに
とどまるとみている。これは予想(99 億 8000 万ドル)を下回る。1株利益
のガイダンスは約2−3セント。同社は下期には売上高と収益率が四半期ご
とに徐々に改善するとみている。悲観的見方が強く、株価は悪材料をかなり
織り込んでおり、株価は反発。
6
24.ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)
ジェットエンジンやエレベーター製造のユナイテッド・テクノロジーズ(U
TX)が 18 日寄り前業績発表。1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期
比 16%増の 123 億ドル、純利益は8億 1900 万ドル(1株当たり 82 セント)
と、前年同期の7億 6800 万ドル(同 76 セント)から増加した。ドル安によ
る為替差益が 1 株当たり3セント寄与した。予想は 1 株利益が 80 セント、売
上高が 112 億ドルだった。航空会社や政府、海外の商業向け建設業者からの
需要が強かった。海外売り上げが全体の 60%を超えており、海外からの航空
機部品の需要が過去最高になったことが増益に寄与した。ヘリコプターの売
り上げはほぼ倍増となった。
25.TXU コープ(TXU)
米電力会社 TXU は 18 日、先月合意に達した投資会社コールバーグ・クラビ
ス・ロバーツ(KKR)とテキサス・パシフィック・グループ(TPG)に
よる買収案について、これを上回る対抗案は提示されなかったと明らかにし
た。これによりKKR連合による 440 億ドル規模のレバレッジド・バイアウ
トが完了に向けて動き出すことになった。KKR連合への身売りの是非を問
う株主総会はこの夏に開催される見通しという。TXUの買収にはゴールド
マン・サックス・グループやその他銀行3行が参加。買収を完了させるには、
米原子力規制委員会(NRC)と米連邦エネルギー規制委員会(FERC)
の承認を要する。
26.リサーチ・イン・モーション(RIMM)
北米で携帯電子メール端末「ブラックベリー」のメール送受信が遅れるサー
ビス障害が起きていた問題で、18 日、ほぼサービスが復旧したと言う。
27.フレディマック(FRE)
米住宅ローン2位の連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は 18 日、信用
力の低い借り手が引き続き住宅資金の融資を受けられるよう、最大 200 億ド
ルのサブプライム住宅ローン債権を買い取る計画を公表。サイロンCEOは、
今年7月以降2−5年かけて、借り換えを含め、最大 200 億ドルのサブプラ
イム住宅ローン債権を買い取る方針だと語った。
28.JP モルガン・チェース(JPM)
寄り前業績発表。純利益は過去最高を記録した。投資銀行業務(M&A 仲介
と、株・債券の引き受け)の絶好調が、サブプライム住宅ローンや、クレジッ
トカード部門の不振を補って有り余った。ROE も 17%へと(前年同期
11% )改善している。6 年ぶりの増配決定もあり、先行き明るい。株価は 52
週高値を一気に更新した。
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第 1 四半期(1‐3 月期)実績
○総収入…190 億ドル(コンセンサス予想は 169億 2,122万ドル)
○1 株当たり利益…1.34 ドル(コンセンサス予想は 1.02 ドル)
29.E ベイ(EBAY)
オンライン・オークション会社が引け後に業績発表。
素晴らしい業績であった。先行きガイダンスも含めて強気の内容である。ド
ル安効果もあり、とりわけ西ヨーロッパで売上げを伸ばした。
第 1 四半期(1‐3 月期)実績
○売上高…17 億 7000 万ドル(会社側ガイダンスは 16 億 7,000 万∼17 億 2,000
万ドル、コンセンサス予想は 17 億 2000 万ドル)
○1 株当たり利益(一部項目を除く)…0.33 ドル(会社側ガイダンスは 0.28
∼0.30 ドル、コンセンサス予想は
0.30 ドル)
(売上げ状況)
○海外・・・対前年同期比 38%増収。
○米国内・・・同 18% 増収。
(部門別売上高)
○オークション売上高…12 億 5,000 万ドル(同 23%増収)
○オンライン決済サービスのペイパル・ペイメント・サービス…4 億 3,930 万ド
ル(同 31%増収)
○スカイプ・インターネット・フォンサービス…7,850 万ドル(同 100% 増収)
○新規リスティング件数・・・5 億 8,800 万(前四半期は 6 億 1,000 万)
第 2 四半期(4‐6 月期)実績
○1 株当たり利益(一部項目を除く)…0.31∼0.33 ドル(コンセンサス予想は
0.30 ドル)
○売上高…17 億 5000 万ドル∼18 億ドル(コンセンサス予想は 17 億 5000 万
ドル)
2007 年通期ベース・ガインダンス
○売上高…72 億ドル∼74 億 5000 万ドル(会社側ガイダンスは 70 億 5,000 万
∼73 億ドル、コンセンサス予想は 73 億 3000 万ドル)
○1 株当たり利益…1.30 ドル∼1.34 ドル(会社側が提示したガイダンスは
1.25∼1.29 ドル、コンセンサス予想は 1.27 ドル)
8
30.米銀バンク・オブ・アメリカのルイス最高経営責任者(CEO)は 18 日、オ
ランダ最大の銀行ABNアムロ・ホールディングが買収された場合は、欧州
の銀行の間で買収が活発化するだろうとの見方を示した。
31.ワシントン・ミューチュアル(WM)
米S&L(貯蓄・貸付組合)最大手のワシントン・ミューチュアルが 17
日寄り前発表した 2007 年1−3月(第1四半期)決算は1株利益が 86 セン
トとなった。84 セントが見込まれていた。
32.リニア・テクノロジー(LLTC)
携帯電話やコンピューター向けの半導体メーカー、リニア・テクノロジー
が発表した1−3月期(第3四半期)決算は特別項目を除く 1 株利益が 37 セ
ントとなり、予想の平均である 33 セントを上回った。最大 30 億ドル相当の
自社株買い計画も明らかにした。
33.ノベラス・システムズ(NVLS)
半導体製造装置メーカーのノベラス・システムズが 18 日発表した 2006 年1
−3月(第1四半期)決算は、利益が2倍以上に増加した。
純利益は 5380 万ドル(1株当たり 42 セント)と、前年同期の 2470 万ドル
(同 19 セント)から増加。売上高は前年同期比 8.5%増の3億 9700 万ドル。
予想は1株利益が 44 セント、売上高が4億 180 万ドルで、決算はいずれも下
回った。ただし、粗利益率は 49.1%と、前年同期の 46%から上昇した。同
社の目標は 52−54%。ヒルCEOが1月示した見通しによると、下期(7−
12 月)の売上高は上期(1−6月)を上回る見込みだ。
34.キャタピラ(CAT)
ワコビアが投資判断を中立から買いへ引き上げた。2008 年初頭に利益率が急
上昇すると言う。
35.ノキア(NOK)
携帯電話端末メーカー最大手、フィンランドのノキアが 19 日発表した 2007
年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比 3.7%増の 98 億 6000 万ユー
ロ、純利益は9億 7900 万ユーロ(1株当たり 0.25 ユーロ)と、前年同期の
10 億 5000 万ユーロ(同 0.25 ユーロ)から減少。純利益は9億 8300 万ユーロ
(同 0.25 ユーロ)、売上高は 103 億 4000 万ユーロと見込まれていた。
ただし、ノキアの1−3月期営業利益率は 12.9%と前年同期の 14.4%から低
下したものの、アナリスト予想の 12.5%を上回った。
9
36.マイクロソフト(MSFT)
ソフトウエア最大手、マイクロソフトは 19 日、基本ソフト(OS)「ウィン
ドウズ」とビジネスソフト「オフィス」、教育用ソフトのパッケージを、学
生向けパソコンへの導入を望む各国政府に3ドル(約 350 円)で販売するこ
とを明らかにした。
37.CBOT(BOT)
シカゴ商品取引所(CBOT)の親会社CBOTホールディングスが 19 日発
表した 2007 年1−3月(第1四半期)決算によると、純利益は前年同期比
58%増加となった。純利益は 5540 万ドル(1株当たり 1.05 ドル)と、前年
同期の 3510 万ドル(同 0.66 ドル)から増加。総収入は 34%増の1億 8770
万ドルだった。
38.シェリング・プラウ(SGP)
米製薬大手シェリング・プラウが 19 日寄り前業績発表。2007 年1−3月
(第1四半期)の売上高は前年同期比 17%増の 30 億ドルとなった。純利益
は5億 6500 万ドル(1株当たり 36 セント)と、前年同期の3億 7200 万ドル
(同 24 セント)から増加した。 予想は、売上高が 27 億 4000 万ドル、一株
当たり利益は 29 セントだった。コレステロール降下剤の「バイトリン」と
「ゼチア」の需要拡大が寄与した。
39.バクスター・インターナショナル(BAX)
血液病治療最大手のバクスター・インターナショナルが 19 日寄り前業績発表。
2007 年1−3月期(第1四半期)の売上高は 26 億 7500 万ドル(予想は 25 億
6100 万ドル)、純利益は4億 300 万ドル(1株当たり 61 セント)と、前年
同期の2億 8200 万ドル(同 43 セント)から増加した。予想1株利益は 55 セ
ントだった。
40.メルク(MRK)
米製薬大手のメルクが 19 日寄り前業績発表。1−3月期(第1四半期)の売
上高は前年同期比 6.7%増の 57 億 7000 万ドル、純利益は 17 億ドル(1 株当た
り 78 セント)と前年同期の 15 億 2000 万ドル(同 69 セント)から増加した。
工場閉鎖と人員削減に絡む費用を除いたベースの 1 株利益は 84 セントとアナ
リストの予想を上回った。売上高予想は 54 億ドルだった。糖尿病治療薬「ジ
ャヌビア」や子宮頸がんワクチン「ガーバシル」などの新薬の需要が強かっ
た。同社は 13 日に1−3月期決算の暫定集計値を発表しており、株価は急伸
した。コレステロール降下剤「ゾコール」の特許期限切れにより、売上高が
8億ドル減少した影響は限定的だった。4−6月期については 1 株利益が 62
−68 セントと、前年同期の 69 セントから減少するとの見通しを示した。売
上高については1−3月期と同程度と予想した。リストラ費用を除く 1 株利
益は 67−71 セントと、予想(67 セント)に沿う内容となった。
10
41.3 月の米景気先行指数は前月比 0.1% 上昇と、予想に一致した。2 月分は 0.6%
低下と、速報値の 0.5%低下から下方修正された。
42.アドバンスト・マイクロデバイシーズ(AMD)
半導体大手に、シルバーレイク・パートナーズが 25%出資するとの観測が出て
いる。
43.アムジェン(AMGN)
貧血治療薬“アラネスプ”のがん患者への投与に関し、安全性を示すデータ
が得られたと言う。
44.ハインズ(HNZ)
ケチャップ・メーカーが身売り、もしくは非公開会社化を目論んでいるとの記
事がディール・レポーター・ドット・コムに掲載された。
45.インターシル(ISIL)
コンピュータ・チップ・メーカーの第 1 四半期 EPS は 24 セントと、予想(23
セント)を上回った。
46.ユニオン・パシフィック(UNP)
全米最大手鉄道会社が業績発表。第 1 四半期の売上高が 38 億 4900 万ドル、
EPS が 1.41 ドルになったと言う。予想は、売上高が 38 億 2900 万ドル、EPS
が 1.29 ドルだった。エタノール業界からの高需要が好決算の背景。
ベア要因
1.ニューヨーク連銀が 16 日に発表した4月の同地区の製造業景況指数は 3.8
(前月 1.9)と、予想値(7.5)を下回った。同指数ではゼロが景況の拡大と
縮小の境目を示す。6カ月後の見通しを示す期待指数は 33.9(前月 35.2)だ
った。
(主要コンポーネント内訳)
★新規受注・・・3.9(前月 3.1)。
★出荷・・・8.7(前月 18.5)。
★在庫水準・・・7.1(前月はマイナス 4.7)。
★仕入れ価格・・・40.5(前月 30.2)。
★販売価格・・・7.1(前月 10.5)。
11
2.米財務省が 16 日に発表した統計によると、外国の政府と投資家が保有する長
期金融資産額は2月に 581 億ドルの買い越しと、前月の買い越し額 988 億ド
ル(速報値 974 億ドル)から減少し、予想(750 億ドル)も下回った。
(内訳)
海外からの対米証券投資のうち、民間投資家による長期金融証券の買い越し
額は 653 億ドルとなり、前月の 1045 億ドルから減少。中央銀行など公的
機関による買い越し額は 126 億ドル(前月 123 億ドル)。海外からの米株式
の買い越しは 135 億ドル(前月 228 億ドル)に減少。政府機関債の買い越し
額は 20 億ドルと、前月の 358 億ドルから減少。社債投資の買い越し額は 454
億ドル(前月は 430 億ドル)。海外からの米中長期国債投資の買い越し額は
170 億ドルと前月の 152 億ドルから増加。
(米国債保有状況)
日本の米国債(短期債含む)投資は 96 億ドル純減し、米国債保有額総額は
6178 億ドル。中国は 153 億ドル純増して、保有総額は 4162 億ドル。OPEC 加
盟国など石油輸出国による投資は 10 億ドルの売り越し。英国は 161 億ドル純
増した。一方、カリブ諸国は 19 億ドルの売り越しだった。
3.欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーであるノワイエ仏中銀総裁は 16
日、ヘッジファンドに関する報告書の中で、ヘッジファンドは市場の効率化
を催す一方で、システミック・リスクを作り出すとの見方を示した。
4.全米ホームビルダー協会(NAHB)が 16 日発表した4月の米住宅市場指数
は 33(前月 36)と、予想(35)を下回った。同指数で 50 を下回る数値は住
宅建設業者の多くが現況を軟調とみていることを示す。購買見込み客足指数
は 27(前月 28)に低下、一戸建て販売の現在指数も 33 に下げた。向こう6
カ月間の一戸建て住宅販売見通し指数は4月に 44 と、前月の 50 から低下し
た。
5.関連情報サイトのフォークロージャーズ・ドット・コムが 16 日発表したとこ
ろによると、1−3月に延滞を理由に貸し手が差し押さえを申請したとの通
知を受けた住宅保有者は 16 万 8829 人と、前年同期の8万 3154 人から増えた。
6.リーマン・ブラザーズは 16 日、住宅ローン債権の不良債権化によって、債務
担保証券(CDO)は 180 億−250 億ドルの損失を抱えているとの試算を示
した。 時価評価に基づく損失の大半は、CDOに含まれているとしている。
資産担保証券(ABS)を含んでいるCDOの損失額は「現在のCDO保有
者にとっては非常に大きい」が、「資本市場全体という視点からは、手に負
えない額ではない」としている。
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7.3月の米鉱工業生産指数は前月比 0.2%低下した。予想は、前月比変わらずだ
った。前月は、0.8%上昇と、速報の1%上昇から下方修正された。3月の鉱
工業設備稼働率は 81.4%。前月は 81.6%と速報値の 82%から修正された。
8. フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は、CPIについて、「3月の指数
は明らかに過去数カ月の数値に比べ改善されている。肝心なのは、これが継
続するのかどうかという点だ」と語った。
9.メリルリンチが 18 日発表した月例調査によると、機関投資家は欧州株により
楽観的になっている一方で、米株に対しては悲観的となっていることが明ら
かになった。米企業の業績見通しが落ち込んでいることが背景。メリルリン
チが4月5日から 12 日にかけて世界の機関投資家 214 人を対象に実施した。
同調査によると、欧州株への期待感は 2005 年8月以来の高い水準となった。
一方で、米国の株式に対しては過去1年で最も悲観的な結果となった。
10.アボット・ラボラトリーズ(ABT)
医療機器メーカー大手が寄り前業績発表。買収した製薬会社、コス・ファーマ
スーティカルの関連費用がかさんだ。一株あたり利益が予想を下回った。決
算は本日寄り前に発表されたが、株価が既に高値にあった為、売り先行の展
開だった。
第 1 半期(1−3 月期)実績
○売上高…52 億 9,000 万ドル(コンセンサス予想は 52 億 5,150 万ドル)
○1 株当たり利益…0.45 ドル(コンセンサス予想は 0.52 ドル)
2007 年通期および第 2 四半期予想
○2007 年通期間 1 株当たり利益…2.79 ドル∼2.85 ドル(コンセンサス予想は
2.81 ドル)
○第 2 四半期 1 株当たり利益…0.67 ドル∼0.69 ドル(会社側予想を据え置い
た。コンセンサス予想は 0.67 ドル)
11.シーゲート・テクノロジー(STX)
世界最大のコンピューター・ディスク駆動装置メーカー、シーゲート・テク
ノロジーは4−6月期(第4四半期)の売上高が 26 億 5000 万−27 億 5000
万ドルになるとの見通しを示した。予想の平均は 28 億 1000 万ドル。
12.ヤフー(YHOO)
ポータル(玄関)サイト大手の米ヤフーが 17 日発表した 2007 年1−3月
(第1四半期)決算は提携先サイトに支払う部分を除いた売上高が前年同期
比9%増の 11 億 8000 万ドル。予想平均である 12 億 1000 万ドルを下回った。
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13.IBM(IBM)
世界最大のコンピューター・サービス会社、IBMは総額 111 億ドルのサー
ビス契約で合意したと発表。ただ、一部アナリストの予想には及ばなかった。
ゴールドマン・サックスはIBMの投資判断を「買い」から「中立」へ引き
下げた。テクノロジー関連への米設備投資の減速が背景。
14.バンク・オブ・アメリカ(BAC)
米銀2位のバンク・オブ・アメリカが 19 日寄り前業績発表。2007 年1−3
月(第1四半期)の総収入は 184 億 2000 万ドルと、予想 184 億 7700 万ドル
を下回った。純利益は 52 億 6000 万ドル(1株当たり 1.16 ドル)と、前年同
期の 49 億 9000 万ドル(1.07 ドル)から増加。合併関連のコストを除いたベ
ースでは1株当たり利益は 1.17 ドルとなり、予想 1.16 ドルを上回った。投資
銀行部門の収入が 35%伸び、消費者向け不良債権の増加を補った。
15.アルトリア・グループ(MO)
米たばこのフィリップ・モリスなどを傘下に持つアルトリア・グループが 19
日寄り前業績発表。2007 年1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比
8.2%増加し 176 億ドル、継続事業ベースの特別項目控除後の一株当たり利益
は 1.03 ドルと、予想(1.04 ドル)を下回った。アルトリアは 2007 年通期の
利益見通しを1株当たり 4.20−4.25 ドルとし、1月時点の見通しから5セン
ト引き上げた。予想は 4.24 ドル。海外のたばこ事業の好調を反映したもの。
アルトリアはまた、海外のたばこ事業をスピンオフ(分離・独立)する方向
で検討していることも明らかにした。
16.デルファイ
経営再建中の自動車部品メーカー、デルファイは 19 日、同社に出資案を提示
していた投資会社 5 社のうち、サーべラスが脱退することになったと言う。
サーべラスは 34 億ドルの出資案を提示していた。
17.ユナイテッドヘルス・グ
米医療保険最大手、ユナイテッドヘルス・グループが 19 日寄り前業績発表。
2007 年1−3月(第1四半期)の総売上高は前年同期比 8.3%増の 190 億
5000 万ドルと、予想(192 億 8000 万ドル)を下回った。 一部コストを除い
た1株利益は 74 セントと、予想(71 セント)を上回った。政府支援の医薬
品関連給付金実施で契約者数が増えた。
18.4月 14 日に終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比 4000 件減の
33 万 9000 件。予想は 32 万件だった。前週は 34 万 3000 件(速報値 34 万
2000 件)。前週(7日まで)は学校や行政機関などで春期休暇を迎えた週に
あたり、スクールバスの運転手やカフェテリアの従業員などは一時帰休の対
象になった。
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19.フィラデルフィア連銀が 19 日に発表した4月の同地区の製造業景況指数は
0.2 で前月と変わらず、予想(2)を下回った。フィラデルフィア連銀の6カ
月先の見通しを示す予想指数は 25.8 と、前月の 17.4 を上回った。
(主要コンポーネント内訳)
★仕入れ価格・・・24.3(前月 21.8)
★販売価格・・・5.2(前月 16.3)
★新規受注・・・2.8(前月 1.9)
★出荷・・・4.3(前月 6.8)
20.調査会社ガートナーは、2007 年の半導体製造装置の売上げ見通しを前年比
3.2%減の 406 億ドルと、昨年 12 月時点の予想(同 0.7% 減)から下方修正し
た。エレクトロニクス製品に対する需要落ち込みが背景。今年の第 1 四半期
は 3% 増加したが、第 2 四半期、第 3 四半期は売上げが軟調になると見てい
る。
21.ノベラス・システムズ(NVLS)
半導体製造装置メーカーが業績発表。
第 1 四半期の売上高は 3 億 9700 万ドル、EPS は 42 セントだった。予想は、
売上高が 4 億 180 万ドル、EPS は 44 セントだった。粗利率は 49.1% と、前年
同期の 46%から上昇した。
22.マリオット・インターナショナル(MAR)
ホテル大手が第 1 四半期の業績発表。売上高は 29 億ドル、EPS は 40 セント
だった。予想は、売上高が 27 億 6000 万ドル、EPS が 38 セントだった。
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グーグル(GOOG)決算速報
4 月 19 日
森
崇
第 1 四半期(1‐3 月期)実績
○売上高(TAC 費用を除く)…25 億 3000 万ドル(コンセンサス予想は 25 億
8900 万ドル)
○1 株当たり利益(非 GAAP ベース)…3.68 ドル(コンセンサス予想は 3.28 ド
ル)
○設備投資額は 5 億 9,700 万ドルだった。
(シュミット CEO コメント)
○業績内容には狂喜している。
○これから例年並のスローな夏季シーズンに入る。
○コア事業はとても良好だ。また、プリント広告も極めて好調。
(CFO コメント)
○海外は絶好調だ。
○提携先に支払う額がかさみつつある。
○利益率は将来減少する可能性がある。
○人員は引き続き増やす計画だ。
○ユーチューブの利用度は加速度的に増加している。
私見
調査会社 comScore や、NetRatings の市場シェア、トラフィック・データ等によれ
ば、堅調な決算をうかがわせる内容だった。しかし、ヤフーの決算が期待外れだ
ったことから、アナリスト予想も徐々に慎重なスタンスに変わった。
加えて、ユーチューブ(16 億 5000 万ドル)、ダブルクリック(31 億ドル)等大
型買収を行い、経費負担に注目が集まっていた。しかし、今日の決算では一株当
たり利益が予想を 40 セントも上回った。良くぞここまで利益を確保できたものだ
と感心させられるほどだ。69% 増益だ。また、グーグル自身のサイトからの売上
高の伸びは 76%(売上高 22 億 8,000 万ドル)と、提携先サイトでの伸び(45%で、
売上高は 13 億 5,000 万ドル)を大きく上回っている。グーグルは、ネット検索の
キーワードに関連する広告を表示する「検索連動型広告」の収入にずっと固執す
る方針を打ち出している。オンライン広告のイノベーションは計り知れない成長
力をもたらすと依然よりコメントしている通り、これをベースにしたビジネスモ
デルを推し進めるだろう。また、海外部門に力を入れている。グーグルの売上高
全体に占める米国外からの収入は 48%で、前期の 44%から着実に増加している。
投資家の不安を打ち消し、株価は再騰に向け、ねじまきが終わった。
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本日引け後の OTC 取引で、同社株は引け値(471.65 ドル)に対して 11 ドル以上
上昇し、482.80 ドルで取引されている。これでいよいよ史上最高値更新に向け
動き出すだろう。
(GOOG 株直近 1 年間チャート:茶線=100 日移動平均線、青線=200 日移動平均線)
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