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2016・4 - 香川県薬剤師会

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2016・4 - 香川県薬剤師会
№430
2016・4
発行・編集 (一般
香川県薬剤師会
社団 )
〒760 - 0006 高松市亀岡町9番20号
087−831−3093
☎
087−831−0508
http://www.kagayaku.jp/
( 本 号 目 次 )
△ 最近話題の副作用・トピックス他
………………………………………………………………………………………
2
主な使用上の注意改訂情報(平成28年 02 月 16 日 指示分)
1)重大な副作用欄の改訂として▷リタリン®、コンサータ®に“肝不全、肝機能障害”▷
ネキシウム®に“横紋筋融解症”▷ハラヴェン®に“皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑”▷バ
ラクルード®に“肝機能障害”を追記し注意喚起する。
△ D
I 実 例 集 …………………………………………………………………………………………………………………………… 3
質問1.妊娠・産褥期に処方される経口抗凝固薬について教えてください
△ 話 題 を 追 っ て …………………………………………………………………………………………………………………………… 4
1.アトピー性皮膚炎のガイドライン概説
2.早期慢性膵炎の治療薬
△ 行 政 の 窓…………………………………………………………………………………………………………………………… 10
1.
「医薬品・医療機器等安全性情報」No.330
2 .厚生労働省通知
(1)新たに薬事・食品衛生審議会において公知申請に関する事前評価を受けた医薬品の適
応外使用について
─1─
△ 最近話題の副作用・トピックス他
使用上の注意改訂情報(平成28年02月16日指示分)
厚生労働省が製薬企業に指示した、医薬品を使う上での新たな注意事項。製薬企業はこれに基づき添付文書を
改訂する。
117 精神神経用剤(中枢神経刺激薬)
(1)
メチルフェニデート(リタリン®、コンサータ®)
「重大な副作用」の項に
「肝不全、肝機能障害:肝不全(急性肝不全等)、肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十
分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」を追記する。
232 消化性潰瘍用剤(PPI)
(2)
エソメプラゾール(ネキシウム®)
「重大な副作用」の項に
「横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、
CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な
処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。」を追記する。
429 その他の腫瘍用薬(手術不能または再発乳がん)
(3)
エリブリンメシル酸塩(ハラヴェン®)
「重大な副作用」の項に
「皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、多形紅斑:皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれ
ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う
こと。
」を追記する。
─2─
625 抗ウイルス剤(B 型肝炎治療剤)
(4)
エンテカビル水和物(バラクルード®)
「重大な副作用」の項に
「肝機能障害:本剤での治療中に AST(GOT)、ALT(GPT)が上昇することがある。AST(GOT)、
ALT(GPT)の上昇が認められた場合、より頻回に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。
検査値等の経過から、肝機能障害が回復する兆候が 認められない場合には、投与を中止するなど
適切な処置を行うこと。」を追記する。
【参考文献】
1)添付文書改訂/厚労省主な使用上の注意改訂情報 (2016/02/16 指示分 )
2)医薬品安全性情報 Vol.14 No.04(2016/02/25)
3)医薬品安全性情報 Vol.14 No.03(2016/02/10)
△ D
I 実 例 集
質問1.
妊娠・産褥期に処方される経口抗凝固薬について教えてください。
妊娠・産褥期における抗凝固療法の対象疾患は、表 1 に示すような妊娠に関連する疾患が多い。妊娠という
特別な過凝固状態(表 2)によって生じる疾患に対する治療が目的となる。
─3─
妊婦に対して経口の抗凝固薬を選択する際は、ワルファリンやリバーロキサバンが使用できないことに注意
する。ワルファリンは妊娠初期には催奇形性があり、中期以降は胎児の凝固因子の低下による子宮内で頭蓋内
出血が起こることが知られている。また、リバーロキサバンでは動物実験レベルで催奇形性などがあることか
ら禁忌となっている。ダビガトランやアピキサバン、エドキサバンの使用については「有益性が危険性を上回
るとき」であり、個々のケースで主治医の意向に委ねられる。しかし実際には、これらの NOAC は発売され
てまだ日も浅いうえに、表 1 のような疾患の方が多いわけではないため、投与実績はほとんどないと思われる。
経口ではないが、実臨床では妊娠中に抗凝固療法が必要なときは、状態によっては入院のうえヘパリナイゼー
ションする(経静脈的にヘパリンを持続点滴する)方が安全かつ確実な方法である。外来で治療する場合など
は、ヘパリン製剤の皮下注射を自宅で患者自身にしてもらい、定期的に APTT を測定しコントロールすると
いう方法も行われている。
産褥期の女性では、ワルファリンは母乳移行しないため使用できる。ダビガトラン、リバーロキサバン、ア
ピキサバン、エドキサバンの添付文書には、母乳移行が動物実験で認められていると記載されているため、産
褥期の女性に対するこれらの薬剤の使用経験がほとんどない現状では、ワルファリンを選択する方が無難と思
われる。
(杢保)
【参考文献】
Rp.+ レシピプラス Vol.15, No.1
各医薬品 添付文書
△ 話 題 を 追 っ て
1.
アトピー性皮膚炎のガイドライン概説
(はじめに)
2015 年に改訂された日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)診療ガイドラインを中心
に紹介する.①瘙痒,②特徴的皮疹と分布,③慢性・反復性経過の 3 基本項目を満たすものを症状の軽重を問
わず AD と診断する.治療方針は,①薬物療法,②皮膚の生理学的異常に対する外用療法・スキンケア,③
悪化因子の検索と対策の 3 点が基本になる.薬物療法の中心は,抗炎症外用薬であるステロイド外用薬とタク
ロリムス軟膏である.ステロイド外用薬は薬効の強さにより 5 つに分類されるが,“個々の皮疹の重症度”に
みあったランクの薬剤を適切に選択することが重要である.タクロリムス軟膏はとくに顔面・頸部の皮疹に対
して高い適応のある薬剤として位置づけられている.抗ヒスタミン薬は痒みの緩和を目的として補助的に用い
られる.スキンケアの基本は皮膚の保湿である.悪化因子は年齢による特徴もあり,個々の症例で十分に吟味
する必要がある.
アトピー性皮膚炎治療ガイドラインの主なものとして,日本皮膚科学会によるものと日本アレルギー学会に
よるものの 2 つがある.両者は大筋において大きな差異はないが,前者は皮膚科診療を専門とする医師を対象
としているのに対して,後者は AD の診療にかかわる臨床医を広く対象としている.この 2 つのガイドライ
ンは将来的には統合される予定である.
(アトピー性皮膚炎の定義)
AD は増悪・寛解を繰り返す,瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり,患者の多くはアトピー素因を持
つ.アトピー素因とは,①家族歴・既往歴(気管支喘息,アレルギー性鼻炎・結膜炎,AD のうちいずれか,
─4─
あるいは複数の疾患)があること,または,② IgE 抗体を産生しやすい素因をさす.
(ADの病態)
AD の病態は,①皮膚バリア,②アレルギー炎症,③瘙痒の 3 つの観点から考えると理解しやすい.
1.
皮膚バリア
AD の患者では皮膚バリア機能の低下のため,非特異的な刺激に対する皮膚の被刺激性が亢進し,炎症がお
こりやすくなると想定されている.
2.
アレルギー炎症
皮膚バリア機能の低下は,抗原(アレルゲン)の皮膚への侵入しやすさにつながる.ダニや花粉のようなア
レルゲンは蛋白抗原として作用するだけでなく,含まれるプロテアーゼによって Th2 型の免疫応答を誘導す
る.
3.
瘙痒
ヒスタミン H1 受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)が著効する蕁麻疹と異なり,AD の瘙痒に対する抗ヒスタ
ミン薬の効果は症例によって異なることから,ヒスタミン以外のメディエーターの存在が想起されている.近
年,Th2 細胞が産生するサイトカインのひとつである IL-31 が瘙痒を誘導することが報告された.
(ADの診断)
1.
診断基準
日本皮膚科学会による AD の診断基準に基づき,①瘙痒,②特徴的皮疹と分布,③慢性・反復性経過の 3
基本項目を満たすものを症状の軽重を問わず AD と診断する(表 1).皮疹の分布は左右対称性で,屈側部に
好発する.年齢による特徴もあり,乳児期には,頭,顔から皮疹が出現し,体幹や四肢に拡大する.幼少児期
には,頸部,肘下,膝窩などの AD に最も特徴的な部位に皮疹が出現する.思春期・成人期には顔面を含む
上半身に皮疹が強くなる傾向がある.疑診例では急性あるいは慢性の湿疹とし,年齢や経過を参考にして診断
する.なお,世界的には Hanifin & Rajka の診断基準が頻用されている.
表 1 アトピー性皮膚炎の診断基準(日本皮膚科学会)
2.
重症度分類
簡便な重症度分類として,日本アレルギー学会によるガイドラインでは重症度の目安が提唱されている.す
なわち,軽度の皮疹のみがみられる場合を軽症,強い炎症を伴う皮疹が体表面積の 10%未満にみられる場合
を中等症,10%以上 30%未満にみられる場合を中重症,30%以上にみられる場合を最重症と定めている.なお,
世界的には Severity Scoring of Atopic Dermatitis(SCORAD)や,Eczema Area and Severity Index(EASI)
─5─
が頻用されている.
一方,治療の主体である外用療法の選択は“個々の皮疹の重症度”(表 2)により決定される.すなわち,
範囲は狭くとも高度な皮疹には十分に強力な外用療法が選択されるが,範囲は広くとも軽度の皮疹には強力な
外用療法は必要としない.
表 2 皮膚の重症度とステロイド外用薬の選択
3.
診断や重症度の参考になる検査
血清総 I g E 値は AD 患者の約 80%で高値を示し診断の参考となり,長期的な重症度や病勢を反映するが,
短期的な変化は反映しない.AD の短期的な重症度や病勢の参考となる検査には,末梢血好酸球数,血清
LDH 値や TARC 値などがある.特に血清 TARC 値は短期的な病勢を鋭敏に反映する指標といえる.
(ADの治療)
1.
治療の目標
治療の最終目標は,症状がないか,あっても軽微で,日常生活に支障がなく,薬物療法もあまり必要としな
い状態に到達し,その状態を維持することである.また,このレベルに到達しない場合でも,症状が軽微また
は軽度で,日常生活に支障をきたすような急な悪化が起こらない状態を維持することを目標とする.
2.
治療方法
AD の治療方法はその病態に基づいて,①薬物療法,②皮膚の生理学的異常に対する外用療法・スキンケア,
③悪化因子の検索と対策の 3 点が基本になる.これらはいずれも重要であり,個々の患者ごとに症状の程度や
背景などを考慮して適切に組み合わされる.
3.
薬物療法
現時点において AD の炎症を十分に鎮静するための薬剤で有効性と安全性が科学的に十分に検討されてい
るものは,ステロイド外用薬とタクロリムス軟膏である.
ステロイド外用薬は薬効の強さにより,Ⅰ群(ストロンゲスト),Ⅱ群(ベリーストロング),Ⅲ群(ストロ
ング)
,Ⅳ群(ミディアム)
,Ⅴ群(ウィーク)の 5 つに分けられる.ステロイド外用薬を使用する際,“個々
の皮疹の重症度”にみあったランクの薬剤を適切に選択することが重要である(表 2).ステロイド外用薬の
外用量としては第 2 指の先端から第 1 関節部までチューブから押し出した量(約 0.5g)が,成人の手で 2 枚分,
すなわち成人の体表面積のおよそ 2%に対する適量である.
タクロリムスはカルシニューリンを抑制する薬剤である.タクロリムス軟膏はとくに顔面・頸部の皮疹に対
して高い適応のある薬剤として位置づけられている.しかし,びらん,潰瘍面には使用できない.薬効の強さ
には上限があるなど,ステロイド軟膏にはない使用上の制約がある.なお,発癌のリスクに関しては,タクロ
リムス軟膏の使用が皮膚癌やリンパ腫の発症リスクを高めることはないというエビデンスが集積されてきている.
プロアクティブ(proactive)療法は急性期の治療によって寛解導入した皮膚に,保湿外用薬によるスキン
ケアに加え,ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を定期的に(週 2 回など)塗布し,寛解状態を維持する治
─6─
療法である.ただし,抗炎症外用薬の連日塗布からプロアクティブ療法を行っている間も保湿外用薬などによ
る毎日のスキンケアは継続することが必要である.
AD の瘙痒に対してヒスタミン H1 受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)が広く用いられているが,その効果は
症例による差が大きい.AD の治療においてはステロイドやタクロリムスなどの抗炎症外用薬によって皮膚炎
を鎮静化することが最も重要であり,抗ヒスタミン薬の内服はその補助療法として勧められる.抗ヒスタミン
薬には抗コリン作用や鎮静作用が比較的強い第一世代抗ヒスタミンと抗コリン作用の少ない抗ヒスタミン薬が
ある.治療効果には差がなく,眠気,倦怠感や自覚を伴わない能力低下(インペアードパフォーマンス)など
の副作用が少ないことから,非鎮静性の第二世代抗ヒスタミン薬の使用が勧められる.
シクロスポリンは,日本においては 2008 年に既存治療で十分な効果が得られない最重症の成人 AD 患者に
対する使用が承認された.3mg/kg/day を開始用量とし,症状により 5mg/kg/day を超えないよう適宜増減し,
8 ~ 12 週間で終了する.使用中は腎障害や高血圧、感染症などに注意する。症状が軽快した後は,速やかに
一般的な外用治療に切り替えることが重要である.長期投与が必要な場合は 2 週間の休薬期間を挟む間欠投与
とする.
4.
皮膚バリア機能の異常に対する外用療法・スキンケア
AD では,角質の水分含有量が低下して皮膚が乾燥し,皮膚バリア機能の低下をきたしている.保湿外用薬
(保湿剤・保護剤)の使用は低下した角質水分量を改善し,皮膚バリア機能を回復させることで,皮膚炎の再
燃予防とアレルゲンの侵入予防,痒みの抑制につながる.保湿外用薬による維持療法中に皮膚炎の再燃がみら
れた部位には,炎症の程度に応じてステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などを使用し,炎症の早期鎮静化お
よび維持療法へと回帰することをめざす.
(ADの治療手順)
最後に AD の治療手順を図 1 に示す.確実な診断と重症度の評価の後,患者の皮疹の状態に応じて適切な
治療アドヒアランスへの配慮
図 1 アトピー性皮膚炎の診断治療アルゴリズム
─7─
治療をうまく組み合わせて行うことが重要である.とくに初診時には,AD の病態や治療法をわかりやすく具
体的に説明して認識を共有することが大切である.
(大西)
【参考文献】
佐伯 秀久:医学のあゆみ
アトピー性皮膚炎 Update
P.43-48(2016)
2.
早期慢性膵炎の治療薬
─8─
─9─
△ 行 政 の 窓
1.
「医薬品・医療機器等安全性情報」No.330
平成 28 年 2 月 9 日に厚生労働省から発行されましたので、情報の概要を掲載します。詳細は、医薬品医
療機器総合機構(PMDA)ホームページを御覧ください。
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/safety-info/0043.html
No.
1
2
医薬品等
子どもによる医薬品誤飲事故
の防止対策について
アムロジピンベシル酸塩
他(1件)
3
アジルサルタン 他(12 件)
4
市販直後調査の対象品目一覧
情報の概要
近年、子どもによる医薬品誤飲事故が多く発生していることが
報告されています。 誤飲事故の防止のために医療関係者の方々
へお願いしていることを改めて紹介します。
平成 28 年1月 12 日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意の
うち重要な副作用等について、改訂内容等とともに改訂の根拠
となった症例の概要等に関する情報を紹介します。
使用上の注意の改訂について(その 271)
平成 27 年 12 月末日現在、市販直後調査の対象品目を紹介しま
す。
2.厚生労働省通知
最近の厚生労働省通知の概要を掲載します。通知の全文は、香川県庁薬務感染症対策課ホームページ「薬務
のページ」に掲載しています。
─ 10 ─
http://www.pref.kagawa.lg.jp/yakumukansen/yakujinotice/iyaku/yakujishido.htm
(1)
新たに薬事・食品衛生審議会において公知申請に関する事前評価を受けた医薬品の適応外使
用について
平成28年2月26日付け薬生審査発0226第1号・薬生安発0226第1号
各都道府県、保健所設置市、特別区衛生主管部(局)長宛
厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課長、安全対策課長通知
薬事・食品衛生審議会において公知申請(注1)に関する事前評価が行われた次の医薬品については、公知申請
を行うことが認められた。
ついては、医療機関での当該医薬品の適応外使用にあたっては、その適正使用を通じた安全確保等を図るた
めに、下記事項(注2)に留意の上で取扱いされたい。
◇当該医薬品の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書」
(http://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/p-drugs/0017.html)の内容を
熟知し、個別の患者の状態に合わせた用法用量の調整等を行った上で、適切かつ慎重に使用する。
◇当該医薬品の使用上の注意等を熟知し、治療内容や発生しうる副作用等に関する患者への事前説明と同意
の取得に努める。
◇重篤な副作用を知った場合には、遅滞なく関係企業又は厚生労働省に報告する。
◇当該適応外使用を行った症例の把握に努める。
平成 28 年 2 月 26 日開催の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において公知申請を行うことが認められた医薬品
一般名
【販売名】
(会社名)
追加または変更予定の
効能・効果
追加または変更予定の用法・用量の概略
《追加される予定の効能・効果》 《追加される予定の用法・用量》
コルヒチン
通常、成人には、コルヒチンとして 1 日 0.5mg を 1 回又は
【 コ ル ヒ チ ン 錠 0.5mg 家族性地中海熱
2 回に分けて経口投与する。なお、患者の状態により適宜
「タカタ」
】
(高田)
増減するが、1 日最大投与量は 1.5mg までとする。
通常、小児には、コルヒチンとして 1 日 0.01 ~ 0.02mg/kg
を 1 回又は 2 回に分けて経口投与する。なお、患者の状態
により適宜増減するが、1 日最大投与量は 0.03mg/kg まで
とし、かつ成人の 1 日最大投与量を超えないこととする。
バルガンシクロビル塩 《追加される予定の効能・効 《追加される予定の用法・用量》
酸塩
果》
通 常、 成 人 に は バ ル ガ ン シ ク ロ ビ ル と し て 1 回 900mg
【 バ リ キ サ 錠 450mg】 臓器移植(造血幹細胞移植 (450mg 錠 2 錠)を 1 日 1 回、食後に経口投与する。
(田辺三菱)
を除く)におけるサイトメガロウ
イルス感染症の発症抑制
カペシタビン
《追加される予定の効能・効 《追加される予定の用法・用量》
【 ゼ ロ ー ダ 錠 300】
( 中 果》
直腸癌における補助化学療法には B 法を使用する。
外)
直腸癌における補助化学療 直腸癌における補助化学療法で放射線照射と併用する場合
法
には D 法を使用する。
D法:体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後 30
分以内に 1 日 2 回、5 日間連日経口投与し、その後 2 日間
休薬する。これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜
減量する。
体表面積
1.31 ㎡未満
─ 11 ─
1回用量
900mg
1.31 ㎡以上 1.64 ㎡未満
1,200mg
1.64 ㎡以上
1,500mg
※ 追加予定の使用上の注意等については記載省略。上記効能・効果への使用にあたっては、必ず事前に通知全文、検討会議報告書その他
必要な情報を入手し、熟知した上で使用されたい。
注1)通常の承認申請時には臨床試験等の試験成績に関する資料の添付が必要であるが、その申請に係る事項が医学薬学上公知であると認
められる場合等には、添付資料を省略できる(医薬品医療機器等法施行規則第 40 条第 2 項)。また、平成 22 年 8 月 25 日の中央社会保険
医療協議会で、適応外薬について公知申請の事前評価が終了した段階から保険適用し、患者負担を軽減する方針が決定されている。
注2)平成 22 年 8 月 30 日付け薬食審査発 0830 第 9 号・薬食安発 0830 第 1 号厚生労働省医薬食品局審査管理課長及び安全対策課長連名通
知「薬事・食品衛生審議会において公知申請に関する事前評価を受けた医薬品の適応外使用について」(医薬品情報 No.364 2010 年 10 月
号に掲載。)で示された取扱いと同様の取扱いを行う。
編集委員 地 一、荻田 幸、阿部 武由、中島 弘毅、沖上 朋美、安藤 智美、
小畑 雅彦、橋本はる奈、近藤 勇人、森末 健也
─ 12 ─
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