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病院幹部と患者の意識調査

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病院幹部と患者の意識調査
デルサーベイ:病院幹部と患者の意識調査
The Dell Executive & Patient Survey
F
R
U
U
T
E
この資料は2010年に米国デルが行った医療機関並びに患者に行った意識調査資料を日本語翻訳したものです。
デルは、ヘルス・ケア産業が持つ様々な問題に対し、その対応や考え方を調査するため、米国150人の病院幹部および309人の入院患者対し、2010年秋に調査実施。このレポートは病院
アメリカ復興・再投資法(ARRA 2009)の両方に含まれる変更に対し機関がどのような準備をしているかを調べた調査結果になります。
幹部に対し、2010年医療保険改革案(PPACA)、
日本のような健康保険制度の無い米国では医療に対する姿勢、認識、
アプローチに違いがあります。ただ米国政府による制度改革並びに投資刺激策に連動したIT投資に関連する考え方、
シームレス、患者参加型、医療クラウド、ナショナルデータベース、医療エコシス
情報が含まれておりIT先進業界である米国医療業界の動向が読み取れます。地域医療連携、医療福祉連携、
I
T部門の役割は大きく重くなり今後の医療機関の最重要課題の一つになります。
I
T課題に取り組む
テムなど、
日本でも今後の医療業界を形成する様々なキーワードがある中、ITシステム、
医療機関の姿勢を参考に今後の病院経営、
I
Tシステムの構築をより良いものにしましょう。 *内容は米国のレポート原本をそのまま翻訳しております。
米国と日本の違い例:
自己の負担分が異なる。
健康保険:米国では通常民間の保険会社と契約する、保険プランによって、
日本のような「外来」はない。
(ただし、救急医療(ER)
は別)
入院:米国では通常、病院は入院するだけの場所であり、
かかりつけ医: 米国では通常かかりつけ医がおり、外科手術をすることになった場合などはどこかの病院施設を間借りすることがある。医者と患者ともども、手術施設のある病院を借りて
手術・入院することもある。
病院幹部と患者の共通見解
「医療改革後の先行きは不明。
しかし、ITが鍵となるのは確実」
るのでは、
と懸念しています。
「新たに被保険
病院の経営幹部にも、その患者にも、医療保
険制度の未来ははっきりと見えていません。
者となった人々への、確実な対応策を考えな
しかし両者とも、
「 いま国が抱える最大の問
いとなりません。」(バーグマン氏)
題は経済問題」であり、
「 医療制度改革は楽
観的に見ても大きな成果は期待できない」
と
テネシー州ブレンウッドに本部を置くライフ
いう点で一致しています。とは言え、やはり
ポイントホスピタルは、17州に52の病院を展
「改革は断行すべき」であり、
「 その実現に情
開しており、その多くが、地域の緊急医療を
報技術 (IT)の果たす役割は大きい」というの
が共通の見解です。
去る2010年秋、
デルは150名の病院経営幹
部と309 名の現患者を対象に、健康医療 ( ヘ
クライストホスピタル
最高財務責任者
担っています。上級バイスプレジデント兼最
高情報責任者 (CIO) のショーン・チューレイ
クリス・バーグマン氏
氏によると、
「この抜本的改革は時間との戦
在シンシナティのクライストホスピタル(病床
急激に変化したことは、
かつてありません。他
い」と言います。
「ヘルスケア業界がここまで
ルスケア) 業界が直面している問題について
数555床)で最高財務責任者を務めるバーグ
の業界も大掛かりな法律改正や技術革新を
意識調査をしました。幹部に尋ねたのは主に、
マン氏は、医療全体に確保された資金がこれ
経験してきましたが、今回ヘルスケアは、
この
以上増えることはないのに、医療制度改革に
両方を一度に進めているので大変です。医療
米国の医療制度改革法 (Patient Protection and Affordable Care Act of
2010) と経済刺激策(American Recovery and Reinvestment Act of 2009)
で謳われた変革に対する、組織の対応につい
てです。次に、患者には、医療制度改革で自分
のヘルスケアにどんな変化が期待でき、自分
と医療との関わり方がどう変わり得るか尋ね
ました。さらに、最近医療機関から受けた対応
について採点してもらい、今後どのような改
善を求めるかについても聞いています。
まず、国の差し迫る問題を聞いたところ、筆
頭に挙げられたのは「経済問題」であり(幹部
の72%、患者の60%)、二位の「医療問題」を
大きく引き離しました( 幹部の 22 % 、患者の
27 %) 。しかし、質問が医療改革に及ぶと、幹
部の見方は患者よりも不透明感が増します。
総じて好意的に見ている幹部は 37 %に過ぎ
ず、過半数(55%)が好意的だった患者に比べ
て対照的です。実質、今回調査した幹部全員
よってこれまで対象外だった範囲までカバー
の提供形態が変わることは分かっていても、
せざるを得なくなると、病院側の負担が増え
その具体的な実現方法が分かりません。」
病院が直面するテクノロジー上の課題
「多少不安」または「非常に不安」を選んだ回答者の割合
が、その財源は一体どこから出るのか」と一
様に不安を訴えました。
85%
テクノロジーへの初期投資や継続的投資の資金繰り
作業効率の向上と時間の節約を目指した、
医師と病院職員のトレーニング
79%
米経済再生法(ARRA)の報奨金を全額受給するための整備
78%
HIEを通して効果的に医療情報を交換する仕組みづくり
78%
HIMSS Analytics EMR採用モデル「レベル 7」の達成
73%
病院の診療システムを「常にオン、常に利用可」にし、
医療提供者がいつでも使えるようにすること
72%
合理化策およびビジネスインテリジェンス用に
収集したデータの有効活用
71%
災害やシステム障害からのデータ復旧
66%
保護された医療情報を共有する、安全なネットワークの構築
66%
情報のプライバシーとセキュリティについて定めたHIPAA法の遵守
在宅看護/在宅介護の患者を結ぶテクノロジーインタフェースの整備
増え続けるデータストレージ需要への円滑な対応
が、
「国が医療制度やその他の施策を通して、
医療財政への役割を広げてくれるのはいい
(%)
データへのリモートアクセスの提供
医療従事者のモビリティ強化を狙った、
スマートフォンなどの携帯デバイスの導入
62%
54%
53%
52%
51%
日々の運用や治療時に電子カルテ(EMR)等の医療システムを積極的に利用するようになると、
質問:病院やその他の医療機関が、
どんな点が懸念されますか? 下記の項目について不安の度合いを答えてください。
1
変革を睨んだ病院の投資先
医療保険サービスの確立または提供
66%
他の病院の買収
17%
58%
プライベートなHIE(医療情報交換)システムの確立
42%
27%
ITコストの削減を目指した仮想化やクラウドソリューション
21%
米政府が奨励する
「アカウンタブルケアオーガニゼーション」(ACO)の確立
17%
ビジネスインテリジェンス(BI)
医療情報科学
9%
ICD-10の準備
8%
患者とのコミュニケーション強化
7%
診療データのアーカイブと保管
5%
患者に対する医療連携(ケアコーディネーション)
5%
医師間の連携
5%
プライバシー&セキュリティプロセスと安全対策の強化
4%
に病院が積極関与、または、ある程度関与す
ちまちです。
ある回答者は「大きな網を拡げるように、
ト
23%
ピックスを広く浅く取り上げれば十分。個々の
グループや改革の詳細にこだわる必要はな
39%
い」
と書いています。
34%
52%
44%
一方、別の回答者は、
「改革によって直接もた
46%
らされる変更点、制約 /制限事項などをリスト
アップすべき。極めて具体的に示す必要があ
34%
56%
45%
る」
と書いています。
47%
23%
いずれにせよ、
これは病院にとって大変な仕
71%
47%
事となります。な ぜ なら、調 査した 患 者 の
48%
68 %が「医療制度改革について良く知らな
い」
と答えたからです。
しかし、新法を詳しく知
56%
37%
らなくても、55 % の回答者が( 多分、または、
63%
33%
絶対に「
) ほとんどの米国市民をカバーするよ
■ 投資しておらず、今後も予定なし ■ 実装予定だがまだ未着手 ■ 現在投資中
うな皆保険制度になる」と考えており、43 %
質問:下記のうち、貴院が現在投資しているもの、
または、投資予定のものを教えてください。
付属施設(検査ラボ、放射線科、薬局)の設置
政府の「Meaningful
Use」(電子データの有効活用)基準を
満たすERM技術の選択 % 15%
オンライン医師ポータルの作成
コアITインフラシステムのアップデート/強化を通した、
より高度な治療のサポート
4% 9%
災害復旧(DR)と運営の継続性(BC)
%
19%
完全なEMRシステムのインストール
2%
データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス/データ解析
7%
遠隔治療(テレメディスン)の対応強化
オンラインポータル経由で患者が
自分の記録にアクセスできる仕組み
患者との電子診療記録の共有
50%
54%
9%
7%
41%
21%
40%
34%
19%
9%
52%
34%
29%
12%
26%
37%
16%
17%
57%
30%
患者がセルフサービスで操作できる
情報検索・入院/来院受付機の設置
る患者はわずか1/3にとどまりました。
28%
23%
病院専用のプライベートHIEの実装
「質の向上」
「全体的な支出の削減」を期待す
29%
51%
17%
しかし、医療制度改革から「医療連携の促進」
30%
52%
9%
ています。
38%
28%
18%
EMR の使用を通した医師間の連携 %
れる」、40%が「個人の医療費が減る」
と考え
63%
45%
%
地元、地域、州レベルのHIEへの参加
が「医療消費者により多くの選択肢が与えら
26%
2%9%
者に説明すべき」
と考えており、
この患者教育
その具体的な実施方法は回答者によってま
46%
44%
10%
17%
べきと答えた数は86%に上りました。
しかし、
56%
15%
て医療財政と提供形態がどう変わるのか、患
30%
35%
19%
調査した幹部の多くは、
「医療制度改革によっ
18%
51%
36%
24%
新しい施設の増築
14%
17%
38%
医院の買収(医師とそれに伴う診療施設+患者の一括獲得)
地域医療連携の促進
患者教育が課題
49%
6%
9% 5%
13% 5%
62%
62%
16%
■ 投資しておらず、今後も予定なし ■ 実装予定だがまだ未着手 ■ 一部実装済み ■ 完全に実装済み
質問:下記の項目について、貴院での実装状況を教えてください。
2
5%
アカウンタブルケア:
山積する不確定要素
この 3 項目をすべて達成するため、改革法案
の主要条項として掲げられたのが、
「アカウン
タブルケアオーガニゼーション」(ACO) で
す。これは、医療機関同士が連携して患者に
継続的ケアを提供し、病気の治療のみなら
ず、
疾病予防にも力を入れる体制のことです。
デルのヘルスケア&ライフサイエンスサービ
ス部門でメディカル事業の最高責任者を務め
るハリー・グリーンスパン(医学博士)は、ACO
を次の新しいステップと捉えています。
患者と繋がる病院
訴えています。
「私の場合、患者支援団体の
「非常にそう思う」を選んだ回答者の割合
おかげで年間数千ドルもの出費が節約でき
(%)
医師が患者にもっとコンタクトし、
積極的に関われるようになるための仕組み
50%
病院が提供する患者ケアの質について評価、
共有するためのテクノロジーツール開発
48%
情報のセキュリティ強化と、
プライバシー法(州法と連邦法)の遵守
44%
37%
医療制度改革がもたらす影響についての患者教育
慢性疾患の経過を見守る、在宅ケア監視システムの利用拡大
36%
たことになる」ともコメントしています。
アカウンタブルケア体制下の病院は、いくつ
もの新しい役割に適応していく必要がある
とチューレイ氏は言います。
「小さな地域で
あれば、すべての医療機関を把握できるた
め、病院がハブとなって連携体制を手配する
こともできますが、特定のサービスは我々か
患者情報ポータルの作成
33%
ら提供できないため、2 ∼ 3 時間先にある第
患者がインターネットやWebサイトから
病院をもっと利用できるようにする仕組み
32%
得ます。つまり、
この病院は、ハブであると同
来院/入院時の受け付けや情報検索を
患者自身が行えるセルフサービス式マシンの設置
時にスポークでもあります。」
19%
点滴など、
より進んだ在宅治療ができる仕組み
在シンシナティのクライストホスピタルは、
18%
入院患者と見舞客が病室で楽しめる娯楽オプションの拡充
三のケアパートナーが必要になることもあり
アカウンタブルケアオーガニゼーションの
15%
パートナーと成り得る組織をリストアップし
質問:医療現場でのテクノロジー利用は増え続けていますが、下記の分野にテクノロジーが使われれば、
患者参加型の医療がもっと進むと思いますか? 賛同するか否かでお答えください。
ており、既に緊密なローカルネットワークと
定着した患者基盤を築いています。しかし、
新法のうちいくつかの側面が明らかになら
「マクロ経済から見れば、長生きするほどヘ
門とする病院と連携してほしい」と答えた患
ない限り、
プランは確定できないとバーグマ
ン氏は言います。
「継続的ケアで医療体制は
ルスケアの消費も増えるため、今後の正しい
者が37 % いた一方で、
「 医療保険会社とやり
方向性とは、被保険者の健康増進に力を入
取りする方を好む」とした患者も37 % いまし
良くなると思いますが、
これが完全な病院へ
れることです。
しかし自分自身の健康維持を
た。
のリスク転嫁となってしまうと、
うまくいきま
せん。」
報奨するのは難しいため、国の医療制度が
それを行う必要があります。」
何人かの患者は、
「患者支援団体や患者コー
デルが調査した幹部のうち
23% が「本病院
メントしており、場合によっては大幅に改善
ディネータがケアの質を高めてくれる」とコ
テクノロジー投資は必須
は、既に ACO の確立に向け投資をしてい
することもあります。ある患者は、
「検査結
景気刺激法案には医療 IT の採用促進に約
る」と答え、56 % が「まだ着手していないが
果、記録、その他の情報を各医療機関に行き
投資予定」と答えています。
しかし、医療連携
わたらせるのに、
これらの団体が助けてくれ
200億ドルの予算が盛り込まれ、さらに医療
改革法案には、対象 IT の評価基準も含まれ
の陣頭指揮を誰が執るべきかについては、
る」と称賛する一方、
「 医師は、患者の紹介状
ました。調査した幹部の過半数は、これらの
意見が分かれました。
「医師やスペシャリスト
は書いてくれても、医師同士でコミュニケー
条項、特に電子カルテ (EHR) テクノロジー
の役割を減らすべき」と答えた数は77 %に、
ションを取ることはほとんどない」と不満も
の採用に対する報奨金と、採用しなかった場
また、
「病院の役割を減らすべき」と答えた
合の罰金が医療業界に総じて良い効果をも
数は
たらすと見ています。
69%に上りました。しかし、医療連携の
一環として、かかりつけの医者を支える組織
をどうしても選ばなければならないとすれ
「 IT の観点から見た場合、ヘルスケアにとっ
ば、58 % が「病院にその責任がある」と答え
て最も画期的な十年となるでしょう。医療業
ています。
界は長い間変革の必要性が叫ばれてきまし
たが、やっと政府が変革を制度化してくれ、
し
調査した患者側もまた、自分の治療に対する
かも、いくばくかの補助金まで用意してくれ
医療連携についてはっきりとした傾向が見ら
ました。これで、
より効率的なケア、患者の安
「かかりつけの医
れません。一般医療では、
全性向上、
コミュニケーションの改善に再投
者と最も緊密に連携してほしい組織」として
資することができます。」(チューレイ氏)
41 % が「病院」と答えたものの、36 % は「保
険会社」にその責務を果たして欲しいと望ん
でいます。
ライフポイントホスピタル
上級バイスプレジデント兼 CIO
ショーン・チューレイ氏
次に、慢性疾患については、
「 その治療を専
3
段があると見ています。たとえば、調査対象
件も満たせると見ています。
病院が報奨金を受けるには、電子カルテシス
者の 87 %が「ケアの質を評価・共有するツー
テムをインストールするだけでなく、国の特
定の基準に従った「有効利用
調査した幹部の 3 / 4は、ある種の EHRが部
(Meaningful
Use)」も達成しなければなりません。いくつ
かのライフポイントホスピタルでは、2011年
内に「 有 効 利 用 」が 示 せる見 通しですが 、
チューレイ氏のゴールは、満額の報奨金が受
ルの開発が役立つ」と答え、また、84 % が
分 的 ∼ 全 面 的 に 実 装 さ れて い ると答 え 、
「医師から患者へのコンタクトと関与を増や
83 % が、国の「有効利用」要件を満足する
EHRを選択 / 実装したと答えました。また、
回答者の 1 / 3 は、複数の医療提供者が同じ
すのにITが役立つ」と答えています。ポータ
ルやその他の方法を通して患者と病院を直
接結び、オンラインで処理ができるようにす
け取れる2013年の期日までに全院で達成す
患者データにアクセスできる地元、地域、ま
る方法も 83 % の回答者が有効と見ていま
ることです。
たは、州レベルの医療情報交換 (HIE) に参
す。ただし、患者ポータルを部分的または全
加していると答え、残りのうち 54 % も、HIE
クライストホスピタルでは、既に大規模な IT
の参加を予定していると答えました。オンラ
投資が完了しているとバーグマン氏は言い
イン医師ポータルを部分的∼全面的に実装
ます。数年前に大規模システムから分割した
済みの病院は、ほぼ70%に上ります。
ときは、同病院のコンピュータはあまり使わ
れ て い ま せ ん でした が 、今 や 、H I M S S
Analytics( 医療情報管理システム学会の
コンサルティング部門 ) が評価するEHR の
採用規模から言って、全米トップ 2 % に入る
EHRユーザとなりました。バーグマン氏は、
政府からの EHR 報奨金を全額受給する条
患者と医療機関に
もたらされる IT のメリット
幹部達は、病院の IT 利用を促進し、ヘルスケ
参加型医療」の実現に、いくつかの有効な手
を使えば、病院の経営陣が知っておくべき多
くの重要な評価基準をまとめることも比較
的簡単です。
「ビジネスインテリジェンスを扱うとき最も
苦労するのは、本当に必要なものを見極め
います。パイロットは気が遠くなるほど多く
(%)
のスイッチとダイヤルに囲まれながら、5 つ
この病院で受けた治療や質が、将来の再来院を決める判断材料になる
45%
この病院は、自宅での健康回復に必要な情報や指示をくれた
33%
この病院の医師/職員は私の病状、病歴、
ここで受けている治療について把握しており、
十分な情報に基づいて私の治療方針を決めてくれた
30%
30%
入院先の病院を決めるとき、私の担当医が重要な役割を果たしてくれた
シフトの交代時や、新しい治療が始まるとき、
医療従事者間で自分の治療情報がきちんと伝わっていると確信できた
27%
来院受付時に、自分の病歴を調べることができた。
また、情報が既に院内の各担当者間で利用可能となっていた
27%
「担当の医療従事者間で情報が正しく伝わらず治療ミスが起こる」
といった不安は感じなかった
25%
病院がきちんとサポートしてくれたので、退院はとてもスムーズだった
25%
この病院は、退院後の情報や治療オプションについて詳しく説明してくれた
22%
入院全般の快適さ―病室の付属品 (アメニティ)、娯楽オプション、
一般職員の対応 (ホスピタリティ) ―は、
この病院を推奨するか否かの最も重要な決め手になる
21%
入院中、何度も自分の病歴を話さなければならなかった
17%
保険会社から送られてきた請求書や書類はわかりやすく、
保険でカバーされる医療費と自分の負担分とが明記されていた
保険会社は、私が可能な限り最善の治療を受けられるようにしてくれ、
複数の医療提供者間で調整を図るのに重要な役割を果たしてくれた
きなメリットがあると言います。テクノロジー
ることです。これは飛行機の操縦に良く似て
患者はどう考えているか
担当医は、私の治療についてもっとフォローアップすべきだと思った
チューレイ氏によると、診療情報に電子アク
セスできるようにすれば、病院の戦略上、大
アプロセスに患者を引き込む言わば「患者
「非常にそう思う」を選んだ回答者の割合
この病院の請求・支払いプロセスは簡便でわかりやすかった
面的に実装したのはわずか 18 % に過ぎず、
62%はプラン中とのことでした。
15%
13%
12%
10%
質問:最近の入院について、下記の項目に賛同するか否かをお答えください。
4
の計器だけ見なければなりません。どの計
器も重要なのですが、そのとき絶対必要な
のは5つだけなのです。」(チューレイ氏)
テクノロジーの採用に難航
少なくとも費用の一部は国から還付される
としても、幹部の 85 % は、EHR の初期投資
と継続的な運用費の捻出に不安を感じてい
ます。システムの幅広い採用が各関係者に
どう作用するか尋ねたところ、意見は分かれ
ました。
「この変革は病院に良い影響を与え
る」と答えたのは47%にとどまり、
「医師に良
い影響を与えると思う」と答えたのはわずか
37% でした。新テクノロジーの使用法を医
師や職員にトレーニングする見通しについて
は、ほぼ80%の回答者が心配しています。
患者が望むもの
「ある程度そう思う」または「非常にそう思う」を選んだ回答者の割合
(%)
病院を選ぶときに参考になる電子情報
81%
(診療科の専門性、医師の経験、対応する医療保険、他) の提供
紙を使わずに医師と薬局がコミュニケーションできる、
電子処方箋システム
デルヘルスケア&ライフサイエンスサービス
医療事業最高責任者
ハリー・グリーンスパン (医学博士)
しかしデルのグリーンスパンは、
このような不
安の少なくとも一部は杞憂に過ぎないと言
76%
医師、病院、
リハビリセンター、
検査ラボ間で電子カルテを共有できる、EHRシステム
74%
より充実した電子情報の提供
73%
(たとえば、退院の詳細や退院後の治療方針など)
担当医に電子メールで自分の健康について
話し合ったり、質問したりできる仕組み
71%
います。
「若い世代の医師や看護師は、
これら
のテクノロジーと共に成 長してきたので、
電子カルテシステム(HER)の実装
RFIDタグの付いたスマートフォンを渡せば、
すぐに使いこなせるようになります。彼らは、
このような最新機器を使う業界で働けること
を歓迎するものです。」
病院や医師の評価ランキングを
67%
Web上に公表し、患者が参照できる仕組み
医師、病院、診療所の対応を患者が評価できる、
独立系サードパーティのインターネットポータル
65%
(客観性を守るため、医療提供者がスポンサーとならないもの)
患者はテクノロジー推進派
個人情報のセキュリティについては多少不安
が残るものの、患者達も医療
69%
IT
の進化とい
患者の自宅にある機器を使って、バイタルや
治療反応 (血圧など) をチェックし、遠隔地にいる医師が
患者の健康状態をモニタリングできる新テクノロジー
64%
インターネットや電話を通して医師と健康問題を
話し合うことのできる、遠隔治療 (テレメディスン) 機能の拡充
62%
う方向性を支持しています。患者に「利用す
る病院で最も実現してほしい変革」を挙げて
もらったところ、予想どおり
「医療費の削減」
「病院食の改善」
「看護師の増員」などの回答
が出ましたが、注目すべきは「コミュニケー
ションの改善」
「記録管理の改善」を求める声
が多かったことです。
インターネットポータルやプライベートWebサイトを
通した、自分の電子カルテへのアクセス
61%
診療所の外来受付や病院の入院受付が
セルフサービスでできるマシンの設置
60%
健康保険会社が患者のバイタル情報や治療反応をリモート追跡し、
処方箋の管理や慢性疾患への対応を支援するテクノロジー
48%
質問:ご自身のより良い健康管理や治療のため、医療提供者側にできることを考えてください。
下記のような新しい技術やツールができたら患者の待遇が改善すると思いますか?
ある回答者は「どの病院からも自分のあらゆ
る診療記録にアクセスできるデータバンクが
あったらとても助かる」
と答えています。
また、
「少なくとも地域規模のシステム、つ
まり、
この地域内にあるすべての病院が、検
査結果、術後の経過、現在の投薬リストを含
む同じ患者情報にアクセスできるようなシ
ステムなら賛 成できる。医 療 従 事 者 達は、
互いにコミュニケーションを取る暇などな
いからそうしない。しかしそのせいで、重要
な情報を見過ごしてしまっている」との回答
がありました。
患者が心配すること
「多少不安」または「非常に不安」を選んだ回答者の割合
(%)
保管されている自分の健康情報の安全性とセキュリティ
69%
自分の健康情報がインターネットを通じて送信されること
66%
病院やその他の医療提供者が
プライバシー保護法(HIPAA など)を遵守すること
60%
治療効果を判断するため、自分の健康情報が他者と比較されること
46%
自分の健康情報が病院間で共有されること
45%
自分の健康情報が医師間で共有されること
37%
質問:病院やその他の医療提供者によって電子カルテ(HER)の利用が増えることに懸念はありますか?
下記の項目について不安の度合いを教えてください。
5
TSA はスキャナーがなぜ必要なのか十分
日間の入院中、担当医と看護師が変わ
76 %「処方箋は、薬局に電子送信して欲し
り続け、交代時にきちんと申し送りしなかった
い」と考えています。患者の健康情報を医師
に説 明しなかったために、世 論でプライバ
ために、毎日自分の病状を話さなければなら
間で共有することに懸念を示したのは37 %
シーの問題ばかりが取り沙汰されてしまっ
なかった」
と不満を訴える患者もいました。
に過ぎませんでしたが、病院間での共有に懸
「10
念を示したのは 45 % に上りました ( ただし、
「非常に不安」
と回答したのは17%のみ)。
多くの患者は既に電子ツールを使ってヘル
たのです。
電 子 記 録には閲 覧した人 物を一 人 一 人 追
跡する機能が含まれますし、一部の情報に
スケア関連情報に繰り返し接続しており、今
アクセス制限をかけることも簡単なため、
後、
さらに利用が増えると思われます。3/4の
この件についてグリーンスパンは警告を発し
回答者は、健康上の心配事について調べる
ています。
「医療提供者は、患者が抱くプライ
多くの 面で紙 の 記 録より安 全 、とグリーン
ため、WebMD などのサイトを「時々」また
バシーの懸念を早急に解決すべきです。でな
スパンは指摘します。
「私達も、金融業界の
いと、HERの普及に伴い、不安が膨れ上がっ
ように、情 報を守るためどんな対 策を取っ
は「頻繁」に閲覧しています。
てしまいます。」
ているのか人々に知ってもらう必要があり
ます。人々が潜 在的なリスクしか目に入ら
また、3/4の回答者が、
「自分の電子記録を医
療提供者間で共有して欲しい」と答え、81 %
昨年、空港のセキュリティチェックに全身ス
なくなるような事態を避けるには、メリット
が「病院や医師の電子情報にアクセスした
キャナーを導入した米運輸保安局
をきちんと伝えることが大切です。」
(TSA)
が
い」と考えています。さらに、70 %以上が「医
猛反発を浴びたことから、
「健康医療業界は、
師に電 子メー ルで問 い 合 せたい 」と答え、
TSA の失敗から学ぶべき」とも訴えます。
患者がしていること
健康上の問題について調べるため、
WebMDなどのオンライン情報源を利用している
自分の医療情報を自分が選んだ病院や
他の医療機関の医師と共有するよう担当医に話している
どうしたら医療連携 (医師、病院、その他の医療提供者間の連携) が
スムーズに運ぶか、担当医と話し合っている
22%
16%
病気、けが、治療に備え、
どの病院が
入院に最適か事前にリサーチしている
担当医/病院を変えることを考えている
緊急を要さない治療や健康診断には、予約なしで
診療してもらえる
「ウォークインクリニック」を利用している
医師や病院との情報共有は電子的に行っている
どうしたら医療連携 (医師、病院、その他の医療提供者間の連携)が
スムーズに運ぶか、保険会社と話し合っている
30%
41%
34%
31%
31%
21%
16%
35%
30%
29%
■ 一度もしたことがない ■ ごく稀にする ■ 時々する ■ 頻繁にする
質問:下記の項目を、
どれくらいの頻度で行っていますか?
6
34%
17%
31%
17%
12%
30%
25%
40%
20%
37%
29%
44%
21%
23%
16%
18%
22%
41%
26%
19%
血圧計、血糖値測定器、その他の家庭用診断機器を使用している
自分では健康保険が適用されるべきと思っていても、
保険が適用されなかった治療について、還付を働きかけている
44%
16%
10%
11%
22%
25%
9%
6%
健全な地域社会は
健全経営の地域病院から
マウントシナイホスピタルは、シカゴの地域社会になくてはならない
存在です。
しかし、非営利主義の病院にありがちな収入サイクルの悪
化が、マウントシナイホスピタルにも起きていました。入院治療費の
未払いを招く請求 / 事務処理の不備、未収金の回収遅れ、キャッシュ
フロー不足のせいで、同病院最大の使命である「コミュニティケア」
(地域社会への貢献) に専念することができません。
そこで同病院は、デルに救済策を求めました。病院収入サイクルの効
率化と請求漏れの回避に豊富な実績があるデルなら、
この窮地を脱
する方法を熟知しているからです。デルはまず、病院側の担当チーム
と密接に協働する収入サイクル対策チームを編成しました。次に、共
同で財務プロセスと請求システムを見直し、合理化策と収益向上策
を特定しました。
その結果、未決済勘定の 40 % 削減、2 , 900 万ドル以上のキャッシュ
フロー増など、今やシカゴ市民が頼りにする本病院は、かつてないほ
どの健全経営へと移り変わっています。
病院経営の活性化は、デルにお任せください。明るい未来を切り開く
お手伝いを致します。詳細は、dell.com/services( 米国サイト)を
ご覧ください。日本サイトはこちらwww.dell.co.jp
*一部日本では提供の無いサービスがございます。
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ビジネスプロセス、
コンサルティング、
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