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【5】-2 (別紙1)事業の実施状況

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【5】-2 (別紙1)事業の実施状況
(別紙1)
事 業 の 実 施 状 況
概要
本事業は、住民が基本的に住むことができない原発周辺の地域において、取り残された犬猫(現在ではほぼ猫
のみ)や、その子孫の救済を、現地および関東圏のボランティアや保護団体、獣医師、市町村とのネットワーク
を作りながら実施することを主眼としている。
本事業提案後、原発周辺の状況は刻々と変わっている。「良い方に」変わったのは、避難指示区域の緩和であ
る。これにより富岡町・楢葉町に昼間は特別の許可なく入れるようになった(注.TNR等の活動は、許可をもらっ
た場所で実施している)。これは、地域に入るだけでも許可が必要だった昨年度とは劇的な違いである。おかげ
で、この地域の活動については、行政とのかかわりはほとんど意識せずにできるようになった。昨年度精力的に
活動した南相馬は、依然として6号線が途中封鎖されているため、やはり片道6時間かかる。活動は昼間の時間帯
だけ許可されているので、これは依然として大きな制約である。このため現在、南相馬では現地ボランティアの
方が中心となって活動している。我々は通行不可区域から茨城県側にある富岡・楢葉を中心に活動するように変
わった。一方、
「悪い方に」変わったのは、除染作業である。6月ごろから開始されたが、道脇といわず田んぼと
言わず家屋の庭と言わず、あらゆるところの地表を削る一大土木作業である(写真等後出)。猫、特に野良猫は
元来警戒心の強い生き物である。この除染作業によって散ってしまい、捕獲が難しくなった可能性がある。
本事業では、2つの動物病院と捕獲した猫の避妊去勢や診療を実施してもらう委託契約を結んでいる。各病
院とも先生は一人で、1日に可能な手術は1、2匹となる。一般の手術や診療もあるので、予約して時間を空け
ておいてもらうわけだが、予定より多く捕獲した場合はシェルターに留め置いて、順次手術を実施してもらうこ
とになる。しかし、被災地で捕獲した猫は感染症の可能性が高く、診察無しでシェルターに留め置くのは、感染
を防ぎながら世話をするため、大変な労力が必要となる。さて、本事業では他の団体や個人と協力して被災地の
活動を実施しているが、この協力体制を組んだことによる最も大きな変化は、この動物病院の問題である。協力
団体の一つ「犬猫救済の輪」さんは、TNR専門の動物病院(TNR日本動物福祉病院)を所有されており、捕獲
頭数に関係なく病院に収容し、順次手術を実施することができる。また料金も安い。このため、12月現在で1
6匹の被災地の猫について手術を実施したが、このうちわれわれが手術を受け持ったのは1件のみであった。そ
の代り、手術後の猫の一部をわれわれのシェルターで預かるなどの協力体制を組んでいる。これにより医療費(委
託費)は、病気治療などが主たる出費となり、申請時の想定より大幅に下回る見込みとなった。一方、被災地域
立ち入りに関して行政の許可が不要となったこともあり、現地での活動が大幅に進み、交通費が当初の想定を超
えて増えている。この点に関して、後日計画変更をお願いしたい。
前年度から引き続きシェルターにいる被災地の猫や協力団体から依頼された被災地猫など、12月現在で約2
0匹の被災地の猫を保護している。これらの猫の譲渡に関しては、今年度7匹の里親が決まっており、白血病や
エイズの猫を除けば順調に進んでいると言える。
状況報告書 別紙 1(1/12)
(別紙1)
1
実施経過
(1) 事務手続き関係
平成25年 4月 1日 内定通知書受理(4/1付)
5月31日 交付申請書提出
6月8日
交付決定通知書受理(6/4付)
6月28日 誓約書・前金払申請書・振込依頼届提出
7月11日 補助金受領(3,000,000円)
(2) 事業関係
・他団体や現地ボランティアとの連携
(→ 11月9日に共同捕獲活動を実施)
(たとえばhttp://banbihouse.blog69.fc2.com/blog-entry-3596.html参照)
5つの他団体および現地個人ボランティアと連携が進んでいる。
5他団体内訳:

「動物たちのマイホームを探して」さん

一般社団法人ニャンダ-ガード & 支援ボランティア

高円寺ニャンダラーズ & 支援ボランティア

犬猫救済の輪 & 支援ボランティア

TNR日本動物福祉病院獣医師チーム
現地ボランティア内訳:
 岳っちさん、またたびさん、ねこかつさん
 楢葉拠点住民さん、他
・行政への申し入れ (10月初旬)
保護活動に対して厳しい姿勢の双葉町に、保護活動への理解を求めた申し入れを実施。具体的には
双葉町住民生活課に申し入れ 環境衛生担当 宇名根様より回答をもらった。
回答概略:住民の財産等を守る上で、給餌等はねずみ、カラス、イノシシの害を招く恐れがあるの
で、町民の要請や依頼があった場合に限り対応します。
↓
町民から保護の依頼が必要という立場
今後は、双葉町住民の方で保護活動に理解のある方を探すとともに、設置カメラなどによる科学的
事実を積み上げて、町役場に理解を求めて行く予定。
・設置カメラ(トレイルカメラ)による調査
状況報告書 別紙 1(2/12)
(別紙1)
2月末現在で富岡町内2か所において実施。有用な情報が多いので、今後台数を増やして実施
したい。
・原発周辺での犬猫レスキュー
6月15日 富岡町・楢葉町 捕獲:1匹(リリース) 給餌
犬猫救済の輪さんと共同捕獲・給餌
1匹捕獲したが子育て中だったためリリース
6月29日 富岡町 給餌のみ
9:30 富岡町
12:00 富岡町にて子猫2匹と母猫確認
16:00 終了
7月6日 富岡町 捕獲:2匹 給餌
犬猫救済の輪さんと共同捕獲・給餌
9:30 富岡町
2匹捕獲
1匹は子育て中だったためリリース
1匹はCAPINで去勢手術後リリース(TNR)
この後、11か所の給餌を実施
16:30 終了
7月13日 富岡町・楢葉町 給餌のみ
8:30 楢葉到着
避妊手術した先週の猫を戻す
16:00
終了
7月27日 富岡町 捕獲:1匹 給餌
8:30 楢葉到着
犬猫救済の輪さんと共同捕獲・給餌
2週間前と同じ場所で1匹捕獲
TNRは犬猫救済の輪さん依頼
16時終了
8月10日 富岡町・楢葉町 給餌のみ
(記録未確認)
8月24日 富岡町 捕獲:0匹 給餌のみ
(記録未確認)
8月31日 富岡町 給餌のみ
状況報告書 別紙 1(3/12)
(別紙1)
9:30 楢葉到着
10:30 富岡町
15:00 終了
9月7日
富岡町・楢葉町 給餌のみ
7:30 楢葉到着
14:00 終了
9月14日 富岡町・楢葉町 給餌のみ
(記録未確認)
9月21日 富岡町・楢葉町 給餌のみ
9:30 富岡町
イノブタが届かない位置にフード入れ設置作業
9月28日 富岡町・楢葉町 給餌のみ
8:30 楢葉町到着
10:00 富岡町
10月6日 富岡町・楢葉町 給餌のみ
8:30楢葉、 9:30大熊町との境
午後2:00 富岡町中心部 春生まれの猫確認
10月12日 富岡町・楢葉町 給餌のみ
8:30楢葉、大熊町との境で若い猫2匹確認
新しい愛護団体RAIFと話し合い
午後2時 楢葉町 津波エリア 猫4匹確認 イノブタ被害あり
午後4時 終了
10月19日 富岡・楢葉町 捕獲2匹 1匹リリース 給餌
8:30楢葉
犬猫救済の輪さんと共同給餌・捕獲
午後2時 楢葉 猫1匹捕獲
午後3時 大熊との境 猫1匹捕獲(授乳中のためリリース)
子猫死骸 2匹
10月26日 富岡・楢葉町 給餌のみ
10時 富岡町
12時 富岡町中心部 猫1匹確認
16時 犬猫救済の輪さんから引き継いだ給餌場所に行く
11月2日
富岡・楢葉町 給餌のみ
(記録未確認)
11月9日
富岡・楢葉町 5団体、ボランティアとの共同TNR 7匹捕獲
状況報告書 別紙 1(4/12)
(別紙1)
参加団体は、
「動物たちのマイホームを探して」さん
一般社団法人ニャンダ-ガード &
高円寺ニャンダラーズ &
支援ボランティア
支援ボランティア
犬猫救済の輪 & 支援ボランティア
TNR日本動物福祉病院獣医師チーム
現地ボランティアは
岳っちさん、またたびさん、ねこかつさん
捕獲した猫は、TNR日本動物福祉病院に運ばれた。
11月16日 富岡・楢葉町 給餌のみ
9:00 楢葉
17:30 終了
11月23日 富岡・楢葉町 給餌のみ
8:30 楢葉
11:00 富岡町 給餌場所に子猫確認
16:00 楢葉町 給餌場所に未TNRの猫確認
11月30日 富岡・楢葉町 給餌のみ
8:30 楢葉
16:00 楢葉給餌場所で未TNRの猫2匹確認
12月7日
富岡・楢葉町 給餌のみ
8:30 楢葉
14:00 富岡~楢葉間の津波エリアで
未TNRの猫数匹確認
午後4時過ぎ 終了
12月14日 富岡・楢葉町 給餌のみ
11:00 富岡
15:00 楢葉 未TNR猫数匹確認
12月21日 富岡・楢葉町 3匹捕獲、給餌、設置カメラによる調査
犬猫救済の輪さんと共同TNR
9台トラップを仕掛ける。9時開始15時回収
3匹捕獲。TNR病院に搬送。
12月27日 設置カメラ設置
12月28日 富岡・楢葉町 給餌、設置カメラ回収
9:00 富岡町
11:00 設置カメラ回収
状況報告書 別紙 1(5/12)
(別紙1)
1月4日
富岡 給餌のみ
10:00~
http://ameblo.jp/capin-blog/theme12-10075808548.html
1月11日 富岡 給餌のみ
9:00~
http://ameblo.jp/capin-blog/theme11-10075808548.html
1月18日 富岡 給餌のみ
9:00~
http://ameblo.jp/capin-blog/theme10-10075808548.html
1月25日 富岡 給餌・捕獲(トラップ10台設置)
2匹捕獲
http://ameblo.jp/capin-blog/theme7-10075808548.html
1月31日 富岡 捕獲用トラップ設置(5台)
2月1日 富岡 給餌・トラップ回収
2匹捕獲
http://ameblo.jp/capin-blog/theme6-10075808548.html
2月7日-8日(車中泊)富岡給餌・捕獲
富岡市街地で1匹捕獲
http://ameblo.jp/capin-blog/theme5-10075808548.html
2月13日 設置カメラ設置(富岡市街地内、この箇所だけで4匹確認)
http://ameblo.jp/capin-blog/entry-11778387513.html
2月17日 富岡給餌・設置カメラ回収、雪
10:00 富岡
17:00 終了
http://ameblo.jp/capin-blog/theme2-10075808548.html
2月22日 富岡 給餌・捕獲(上記場所 トラップ3個)
8:00 富岡町 (11:00にもう一人合流)
17:00 終了
設置カメラで確認した1匹を捕獲。他2つのトラップにはタヌキ。
http://ameblo.jp/capin-blog/day-20140224.html
・福島市内にある犬シェルター援助活動
1個人で犬を多数保護。その後、管理者が老齢により管理できなくなり、現在飼育崩壊している
状況報告書 別紙 1(6/12)
(別紙1)
シェルターの救助を福島の愛護団体から依頼され、この犬シェルターの修理や病気の犬の救助を実
施している。
平成25年 4月18日、4月28日、5月3日、5月9日、6月6日、7月4日、8月7日、
9月4日、12月10日、
2月4日 http://ameblo.jp/capin-blog/day-20140212.html
・譲渡会 (福島の保護猫についてのみ匹数を記載)
4月21日 亀有 1匹
5月19日 亀有 1匹
5月26日 東京(麻布十番)1匹
6月2日 つくば
6月16日 亀有
7月7日 つくば
8月3日 亀有
8月11日 守谷市
8月18日 亀有
9月1日
つくば市
9月8日
守谷市
9月15日 亀有
9月22・23日 深大寺
9月28・29日 守谷市
1匹
注. このほかに、HPの里親募集欄やシェルター見学時に決まった猫が3匹いる。
2
実施内容
地元の方や他団体とネットワークを組みながら12月末までに26回の福島入りを実施し、現地での犬猫レ
スキュー活動を行った。これにより、本団体シェルターと本団体会員宅で預かっている福島の犬猫は、現在20
匹である。譲渡会は9月末までに13回実施した。譲渡会で里親が決まった福島の猫は7匹。これは、福島で捕
獲される猫は、現地で生まれた第二世代以降の人馴れしていない猫が多いこと、また、エイズや白血病などの病
に罹患している猫が多いことを勘案すると順調と言える。ネットワーク作りについては、南相馬・富岡・楢葉の
方や他動物愛護団体と協力し、4月には環境省に現地での活動について申し入れを行った。その甲斐あって、そ
の後、浪江町では現地活動について許可が出たが、双葉町は活動について依然として厳しい姿勢である。一方、
概要にも記述したように、楢葉・富岡に入るのに行政の許可は不要となったため、事業提案時よりはるかに行政
とのかかわりは小さくて済む状況となった。現在、楢葉・富岡の居住不可地域での活動を主として実施している。
状況報告書 別紙 1(7/12)
(別紙1)
3
事業の実施状況表
事業予定
上
4
5
半
6
期
7
下
8
9
10
11
半
12
期
1
2
3
被災ペット救済と現地ネットワーク作り
被災ペット捕
獲とTNR
譲渡活動
ネットワーク
作り
(予定)
(実績)
4
契約一覧表
別添のとおり
5
進捗状況写真
捕獲器の回収。猫が入っている。
譲渡会の風景。この日は天候不順で、写
(福島県富岡町)
真だけの展示となった。
状況報告書 別紙 1(8/12)
(別紙1)
捕獲した猫が子育て中であったため開放
自然繁殖したイノブタ。現地活動中にたびた
する。
び出くわす。今後、ペット保護活動にも避け
(福島県富岡町)
られない問題となりそうである。
(福島県富岡町)
状況報告書 別紙 1(9/12)
(別紙1)
・設置カメラによる給餌ポイントの観察例
地点 A
地点 A で昼間数時間の調査を行った。猫が一匹確認できた。右端は、この猫の耳の拡大
写真である。耳がカットされており、TNR が済んだ猫であることが分かる。
地点 B
地点 B で、夜中から朝にかけて調査した。地点 B は納屋の2階で、案の定ネズミが多
かった(左上)
。タヌキが2回来た(右上)
。猫はキジシロとサバトラの2匹が確認で
きた。キジシロについては TNR 済かどうか不明だが、サバトラの方は耳カットがな
く、未 TNR と分かる。これによって、地点 B にトラップを仕掛け、TNR を目指す。
状況報告書 別紙 1(10/12)
(別紙1)
・福島の現在の状況
居住制限区域(茶色)と避難指示解除準備区域(緑)は、昼間に限って特別な許可なく入る
ことができる。これは、行政の許可が必須であった昨年度に比べて大きな変化で、今年度は
行政とのかかわりが最小限で済んでいる。今年度は、茨城から近い第2原発周辺の富岡・楢
葉を重点的に実施している。
状況報告書 別紙 1(11/12)
(別紙1)
・TNR と給餌場所(富岡付近)
富岡町の TNR と給餌場所。トラブルを避けるために住民の許可を得た場所でのみ実施してい
る。楢葉町を含めると22か所で実施している。
動物愛護法
第5条
第6項には「飼い主のいない猫を管理する場合には、不妊去勢手術を
施して、周辺住民の十分な理解の下に、給餌及び給水・・・努めること」とあり、住民が居
ない現状では、われわれが現地で給餌することが必要である。
(背景の地図は国土地理院の HP より得た)
状況報告書 別紙 1(12/12)
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