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古河林業株式会社森林CO2 吸収・生物多様性調査報告書

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古河林業株式会社森林CO2 吸収・生物多様性調査報告書
古河林業株式会社
森林の CO2 吸収・生物多様性調査
報 告 書
目
次
1.対象林業地の概要
--------------------
1
2.森林管理・経営に関する評価
--------------------
2
3.森林吸収源の評価
--------------------
9
4.生物多様性の評価
--------------------
11
5.評価・算定数値向上のための指摘事項
--------------------
13
6.今後のモニタリングのためのデータ
--------------------
13
平成 22 年 3 月
株式会社 富村環境事務所
1.対象林業地の概要
1.1 森林所有者の名称、対象森林面積
名称:
古河林業株式会社
面積合計
1,109.44 ha
1,109.44 ha
1.2 対象森林の所在地
所在地:
宮城県刈田群七ヶ宿町
1.3 森林吸収源・生物多様性等評価基準
平成 22 年 3 月時点の有効基準
1.4 沿革
明治 18 年政府より古河鉱業(現:古河機械金属㈱)が払い下げを受けた鉱山の周囲に精錬
用薪炭、杭用材の自給のために付属していた鉱山備林の伐採跡地を同社山林部として植林
を行ったのが始まりで、昭和 4 年合名会社古河林業として独立、100 有余年に亘り山林業を
営んでいる。
1.5 会社と林業等の概要

現在は秋田県阿仁町に約 4,800ha 宮城県七ヶ宿町に約 1,170ha の山林を有し、資源の
保続を根幹とした農林水産大臣認定の森林施業計画に基づき経営を行い、樹齢 60 年
以上のスギ丸太を年間約 15,000m3 生産し、伐採跡地には自社生産の苗木により確実
に再造林を行っている。

山林の経営と共に昭和 48 年より木造住宅建築事業を開始し、現在首都圏にて営業展開
しており、部材供給基地として秋田県鷹巣町にプレカット工場を稼動させ、産地直送の住
宅メーカーとして年間 300 棟の木造住宅建築を手がけている。
1.6 森林構成
齢級別面積構成
面積(ha)

500
人工林率は約 30%で、ほと
んどがスギである。
450

400
齢級別面積構成からは全
350
森林の中で 14 齢級以上が
300
78%を占め、また人工林で
250
は 14 齢級以上が 65%で、
200
高齢林が多い。

150
100
人工林
天然林
50
この森林構成が景観・林分
での生物多様性を向上さ
せている。
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
齢級
10 11 12 13 14 15 16
1
2.森林管理・経営に関する評価
2.1 森林管理・経営に関する定性評価
森林管理・経営面の具体的な審査チェックリストとして整理すると、以下のような評価法が
提示できる。なお、評価・採点の方法はチェックリストの下欄の「水準適合度」に基づく。
森林管理・経営面評価チェックリスト
1. 生物多様性・水土保全面
評価項目
所見
適合水準度
広葉樹林 70%を占め、その中に人工林が散在す
景観レベルでの多様性が る。また、人工林間伐において、林内の広葉樹はで
きるだけ保存する施業を実践しており人工林の生
維持されているか
物多様性づくりに寄与している。
4
渓流沿いは広葉樹の渓畔林が連続して存在する。
また、渓流に倒れ込んだ枯死木は、危険のない場
合を除いてそのまま放置しておくことにより淡水魚
類(イワナ・カジカなど)の生息場所となっている。
4
林分内は広葉樹が亜高木 低木層の発達は良いが、亜高木層の発達はやや
低く、良好な階層構造の形成は見られない。
層まで達しているか
3
広葉樹林が多く配置されており、通常の針葉樹人
工林と比較して鳥類等野生動物が多い。
4
人工林が間伐遅れ等で荒 間伐の頻度は低く、やや高密度であるが、スギは雪
廃していないか
などで自然淘汰され自然間引きされている。
3
自然保護区域等を設けて 設けてはいないが、多くの広葉樹林において天然
いるか
更新を促し禁伐となっている。
2
根上りや雨裂など、土壌侵 低木層・草本層がよく形成されており、土壌の流亡
は見られない。そのほか斜面浸食も見られない。
食の兆候が見られないか
3
林分内の樹木は根元が太 高齢林では根張りが良い。ただし、斜面林ではその
傾向が薄い。
く、根張りが良いか
2
立木密度が適正で、等間 立木密度は 129%とやや高い値をしめしている。間
伐箇所にややムラがあり、樹木間隔にばらつきが
隔で育っているか
ある。
3
林縁木は葉量が多く、また 林縁木は葉量が保たれている。また、広葉樹天然
林が多く配置されており、人工林がそれらに囲まれ
周囲に低木群落があるか ている。
3
災害の多発地帯でないか
4
渓流沿いに広葉樹等の緩
衝林帯(バッファゾーン)が
あるか
鳥類種数は多いか
災害はほとんど発生しない。
病虫害などが蔓延してい チョークタケが散見されるが、その場合は軽症であ
ないか
る。スギノアカネトラカマキリの被害が多い。
3
ガイドラインはないが、管理者にはその意識が高
い。
環境影響軽減について認
渓畔林の維持や広葉樹の維持に関しては、現場従
識しているか
業員から残すよう提案されるなど、従業員の意識も
高い。
3
2
保安林、鳥獣保護区、砂
防指定地がある場合、これ 同左の法指定は認識し、順守している。
を理解しているか。
4
雪で林道が崩れるため、春には必ず補修するなど
林道等の維持管理状況は
適切に管理されている。また、丁寧に舗装しすぎる
適切か
と不法侵入を招くため、適度に補修している。
2
2. 社会貢献面
評価項目
所見
適合水準度
合法木材の認定を受けており、また販売する際も地元
収穫材のトレーサビリティ 合板工場や材木店に直販しておりトレーサビリティは
概ね高い。
は明確か
自前の工場、住宅部門には大黒柱やキッチンカウンタ
ー用厚板を供給している。
3
山菜、きのこ等の採取のために、地元住民を雇用して
地域住民等との関わりが
いる。また、退職者による炭焼き、小学生の自然体験
深いか
の場となっているなど、地元とのつながりは深い。
3
山菜、きのこ等の道の駅での販売、地元イベント(きの
地域の経済の発展・維持
こまつり)でのきのこ販売などは好評であり、地元経済
に役立っているか
へ寄与している。
3
従業員に対して自治体等が開催する安全講習へ参加
森で働く人の安全を確保し させ、毎月安全会議を開くなど労働安全に対する意識
は高い。また、重機をできるだけ使用することで事故を
ているか
防げるよう努めている。
管理人が関わる任意団体で森林を対象としたイベント
森林を対象とした体験学習 を企画したり、小学生の炭焼き体験を受け入れてい
る。
等を行っているか
また、町民の憩いの場として自然歩道など整備しつつ
ある。
管理森林に関わる各種法 森林法等に基づく施業計画が樹立されている。全山保
安林に指定されているため、保安林に関する法律、規
を順守しているか
制も遵守している。
3
3
3
3. 経済面
評価項目
所見
適合水準度
多様な林齢で構成され、林
齢構成が平準化している 高齢林に偏っており、平準化されていない。
か
2
3
森林から何らかの持続的 間伐により、年間 1,500m 程度(スギが 9 割、カラマツ 1
割)収穫している。林産品として、山菜・キノコ類を採取
収穫があるか
し、販売することにより一定の収入が得られている。
2
県の計画図を採用している。地図と現状は概ね一致し
管理の基盤となる森林簿・ ている。また、森林簿において、材積は県の材積表に
森林基本図などは正確か 準拠し、独自の森林簿は調製されていない。30~40 年
前に森林調査を行っており、林齢は正確である。
2
3
林道密度は 10m/ha とやや低い。しかし、平成 6 年より
作業の機械化を推し進め、可能な限り高性能林業機
械での作業を行っている。
林道密度が高く、かつ機械
現在所有する機械は、プロセッサー1 台、グラップル 3
化が進んでいるか
台、掘削用バックホー1 台、8t 車 1 台、ブルドーザー2
台、クローラ 1 台であり、2 名の従業員は全てを操作で
きる。
2
木材は、定期的に収穫しており、木材販売およびその
森林経営は健全で、毎年
他販売収入により経営収支は成立している。
収益を持続して上げている
その他に、山菜販売が 30 万円/年、きのこ販売が 300
か
万円/年、大黒柱販売が 300 万円/年ある。
2
従業員は月給制としている。
森林作業に従事する場を
また、退職者をアルバイトとして受け入れ、保育作業
提供し、安定雇用となって
は森林組合に委託するなど地元の雇用創出に貢献し
いるか
ている。
3
『採点』
森林管理・経営面評価チェックリストの「2.社会貢献面」、「3.経済面」の各項目の水準適
合度を合計し、1.25倍して、60点満点を最優良として評価した。その結果を下表に示す。
社会貢献面
18
経済面
13
合計
31
総合得点
38
社会貢献面、経済面の水準適合度による評価では、総合得点は38点である。
『水準適合度』
0点:全体的な水準に関して森林資源が十分に管理されていない。このような状況が続くまたは正
しい行動がなされないと多大なる危険を生む可能性がある。
1点:水準の最も大切な部分は満たされているが、長期的に見て森林管理責務遂行のためには
改善の余地がある。
2点:一定の規模、種類、多様性において良く管理されたとされるレベルを表している。このレベル
は良質な森林管理と言える。
3点:森林管理者が結果を生むために特殊な障害を乗り越えた場合や、いくつかの水準における
特に高い評価が下された場合に付けられる。
4点:革新的なまたはすばらしい管理状態によって、規準を達成して目覚ましい成果となったことを
認めるものである。
4
■現地写真とコメント
78 年生のスギ林、立木材積は 2,000m3 超
過密林であるが、通直な立木が林立
根張りの良い高齢林
低木類の発達は良い
A0 層、A 層の厚さはともに平均以上
根系の発達は良い
沢沿いは広葉樹に覆われている
倒木が魚類の生息場となっている
5
広葉樹林が多く、景観レベルの多様性は高い
ケヤキの植栽、多様な樹種構成
ヤマドリの足跡
ノウサギの足跡
シカの糞
雪により林道轍がえぐれる。毎年補修
地元の方が山菜や魚釣りにやってくる
土場の様子
6
山林内の一部が遊歩道として設定されている
炭窯、地元住民により利用
2.2 林況指標による定量評価
現地で標準地を設定して、樹種、樹木間隔、直径、樹高、樹冠長、曲がり度、病虫害等を
調査し、宮城県スギ林収穫表(地位Ⅰ)を用いて、林況を以下の総括表にまとめた。
この結果、対象地の森林に関しては次のような特徴等が所見として指摘される。

本数密度指数(収量比と同指標)の平均が 124%とやや高い数値を示すものの、通常の
スギ林地帯であればさらに高密度であるが、日本海豪雪地帯においては平均的な密度
を示す。

完満度の平均が 59%であり、樹幹の地際の根張りが発達し、災害等にも強い林である
ことが伺われる。

樹冠長比が平均 36%あり、肥大成長を促す葉量は十分である。

曲がり率は 18%あり、やや形状に難が見られる。

樹冠開放度は 31%と高く、下層まで光りを届ける構造となっている。高齢林になると、
40%を越す林分が見られ、やや樹冠が開きすぎていると言える。

立木材積は、ha 当り平均材積が 1,122m3 であり、中には 2,500m3/ha を超える林分もあっ
て、高蓄積の森林であることが伺える。

以上、定量的な林況指標からは優良な森林として、評価される。
林況調査総括表
NO
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
樹種
カラマツ
スギ
スギ
スギ
スギ
スギ
カラマツ
スギ
スギ
スギ
スギ
スギ
スギ
スギ
スギ
スギ
スギ
平均
林齢 平均直径 平均樹高
年
cm
m
67
29.7
20.5
72
36.7
17.6
44
24.2
15.8
29
22.8
12.1
24
13.3
8.3
78
49.8
30.5
50
24.5
17.1
78
58.0
31.3
51
33.4
18.9
77
52.9
22.6
77
45.6
23.1
78
56.4
31.0
71
42.8
24.0
72
38.0
20.9
33
26.0
16.1
33
23.9
19.2
78
54.9
31.2
37
21
平均樹冠長
m
9.5
6.6
9.3
4.2
4.7
10.1
6.6
10.8
5.7
9.2
7.1
8.7
6.8
5.6
5.3
4.1
9.2
7
曲がり率 病虫傷率 枯損率
%
%
0
0
22
27
20
0
0
0
10
20
30
30
20
50
40
20
10
18
%
17
0
0
7
3
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
樹冠開放度 樹冠長比 立木本数 立木材積
%
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
%
70
40
30
15
20
25
40
40
30
40
30
20
50
15
15
10
30
31
46
37
59
35
56
33
39
34
30
41
31
28
28
27
33
21
29
36
本/ha m3/ha
693
393
809
599
1,738
505
1,596
316
3,000
138
1,100
2,611
906
292
414
1,367
1,303
863
548
1,089
935
1,411
935
2,896
701
967
1,446
1,370
2,741
937
3,192
1,099
755
2,229
1,342
1,122
完満度
%
69
48
65
53
63
61
70
54
57
43
51
55
56
55
62
80
57
59
最大/最小直径比
1.7
3.3
1.4
2.3
4.5
2.3
1.9
1.6
1.9
1.7
1.2
1.7
1.8
1.7
2.3
1.4
1.3
2.0
直径指数 本数密度
%
121
157
116
144
124
114
124
128
131
171
143
126
129
134
122
92
122
129
%
131
73
138
96
136
117
125
42
128
64
111
97
85
158
222
318
77
124
7
『林況主要定量指標による評価』
林況
優良
良
平均的
不良
荒廃
評価採点
4
3
2
1
0
本数密度指数
100 以下
101~150
151~200
201~300
301 以上
完満度#
70 以下
71~80
81~90
91~100
101 以上
枯損木率
5%以下
6~10%
11~15%
16~20%
21%以上
樹冠長率
50%以上
30~49%
20~29%
10~19%
9%以下
最大・最小直径比
1.5 倍以下
1.6~2.0
2.1~3.0
3.1~4.0
4.1 倍以上
森の健全度
優良
良
平均的
不良
荒廃
評価採点
4
3
2
1
0
林況指標
林況指標
本数密度指数
#
3
完満度
4
枯損木率
4
樹冠長率
3
最大・最小直径比
3
各事項得点
8
9
合計
17
総合得点
34
『採点』
林況指標による定量評価の各項目の得点を合計し、2 倍して、40 点満点を最優良として評
価した。その結果、林況指標による定量評価では、総合得点が34点である。
2.3 森林管理・経営に関する評価
『採点・評価』
社会貢献面、経済面の水準適合度による評価及び林況指標による定量評価の得点を合
計し、100 点満点を最優良として以下の得点範囲で評価した。その結果を下表に示す。
社会貢献面・経済面の水準適合度
38
林況指標による定量評価得点
34
総合得点
72
総合得点
100~81
80~61
60~41
40~21
21~
林況評価
優良
良
平均的
やや不良
不良
森林管理・経営面では、総得点が72点であり、「良」と評価される。
8
3.森林吸収源の評価
3.1 森林吸収量
森林吸収源の評価においては、森林施業計画面積 1,109.44ha を対象森林とした。また、炭
素量算出に当たり、対象森林を針葉樹(一部天然林針葉樹等含む)は 381.59ha、広葉樹林
(二次林)(一部人工林広葉樹含む)は 727.85ha とした。
材積成長量は、「宮城県民有林材積表および林分収穫表平成 9 年 2 月」から 5 年間の定
期平均成長量を計算し、それに面積をかけ算出した。スギは、スギ林地位Ⅰを、広葉樹は広
葉樹地位Ⅰを採用した。なお、針葉樹はすべてスギとして拡大係数等を用い、広葉樹はナラ
の拡大係数等を用いた。
炭素吸収量に関する計算は、以下の計算式を用いた。
炭素量=材積成長量×容積密度×拡大係数×(1+地下部比)×炭素含有率(0.5)
3.2 森林吸収源の算定期間:平成 22 年 4 月 1 日~平成 23 年 3 月 31 日
3.3 森林吸収源に関わる森林状況と炭素吸収量
スギ林 齢級別蓄積、年間成長量及び年間森林吸収量
面積
齢級
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
合計
(ha)
4.02
14.99
10.83
1.98
10.75
17.91
15.85
10.24
3.12
11.25
3.96
0.00
5.46
52.61
101.85
116.77
381.59
蓄積
A
(m3)
20
180
1,009
337
2,612
5,583
5,965
4,472
1,538
6,134
2,349
0
3,696
37,484
75,773
90,063
237,215
次齢級の蓄積 年間成長量 年間の森林吸収量
B
(B-A)/5
(m3)
(m3/年)
48
6
1,396
243
1,843
167
481
29
3,351
148
6,740
231
6,923
192
5,049
115
1,701
33
6,674
108
2,523
35
0
0
3,890
39
39,140
331
78,556
557
92,771
541
251,086
2,774
(C・t/年)
2
75
51
9
36
56
46
28
8
26
8
0
9
80
134
131
699
9
広葉樹林 齢級別蓄積、年間成長量及び年間森林吸収量
面積
蓄積
A
(m3)
齢級
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
合計
(ha)
0.96
1.02
3.89
0.66
2.22
0.00
0.00
57.08
74.65
29.31
0.00
0.00
3.16
12.08
159.46
383.36
727.85
4
31
267
62
251
0
0
8697
12094
5000
0
0
606
2389
32421
79926
141,749
次齢級の蓄積 年間成長量 年間の森林吸収量
B
(B-A)/5
(m3)
(m3/年)
30
5
70
8
366
20
75
3
285
7
0
0
0
0
9248
110
12735
128
5227
45
0
0
0
0
625
4
2456
13
33245
165
81785
372
146,146
879
(C・t/年)
3
4
11
1
3
0
0
54
62
22
0
0
2
7
80
181
431
年間炭素吸収量は、1,130 C・t で、炭酸ガスに換算すると4,147 CO2・t である。
3.4 主伐・更新により吸収量から控除又は追加される森林吸収量(当初1年間)
◎吸収量から控除される樹種別齢級別主伐等の内訳
平成21年主伐実績分 : 該当なし
平成22年主伐計画分 : 該当なし
◎吸収量に加算される樹種別更新植量等の内訳
平成21年更新植実績分 : 該当なし
平成22年更新植計画分 : 該当なし
当初の 1 年間の主伐による控除される炭素排出量、更新による追加される炭素吸収量は
ない。
『採点・評価』
評価対象森林 1,109.44 ha の年間炭素吸収総量は、1,130 C・t で、炭酸ガスに換算する
と4,147 CO2・t である。
また、当初 1 年間の実炭素吸収量は、1,130 C・t で、炭酸ガスに換算すると
4,147 CO2・t である。
10
4.生物多様性の評価
『生物多様性主要定量指標による』
森の健全度
優良
良
平均的
不良
荒廃
評価採点
4
3
2
1
0
生態・環境
相対照度
30%以上
20~29
10~19
5~9
5%未満
指標
植物種数
60 種以上
40~59
20~39
10~19
10 種未満
植生被度
80%以上
50~79
20~49
10~19
10%未満
A0 層の厚さ
5cm 以上
3~4cm
1~2cm
1cm 未満
裸地状態
土壌 A 層厚さ
20cm 以上
10~19cm
5~9cm
1~4cm
1cm 未満
森の健全度
優良
良
平均的
不良
荒廃
評価採点
4
3
2
1
0
0
0
生態・環境
相対照度
指標
植物種数
3
植生被度
3
A0 層の厚さ
4
4
土壌 A 層厚さ
各事項得点
2
8
6
合計
2
16
『採点・評価』
定量指標の 5 項目の得点(20 点満点)を合計し、それを 2 倍して(40 点満点)評価し、これ
に定性指標である森林管理.経営面評価チェックリストの「1.生物多様性・水土保全面」の 15
項目の水準適合度(60 点満点)を合算して以下の得点範囲で評価した。その結果を下表に示
す。
生物多様性指標による定量評価得点
32
生物多様性・水土保全面の水準適合度
47
総合得点
79
総合得点
100~81
80~61
60~41
40~21
21~
林況評価
優良
良
平均的
やや不良
不良
生物多様性面では、総得点が79点であり、「良」と評価される。
11
5.調査・算定数値の向上のための指摘事項

人工林の林齢構成は、14 齢級以上が 65%と非常に偏っている。将来の収穫を考えると、
できるだけ平準化できるよう更新していくことが望まれる。

最大/最小直径比が 4 倍を超すような林分は、選木調査を適正に行う必要がある。

5 年後のフォレストック認定モニタリング調査時に上記事項を確認することとしたい。
6.今後のモニタリングのためのデータ
(1) 森林認証データ
森林認証は取得しておらず、該当なし。
森林認証を認定した機関の名称 :
(該当なし)
認証の有効期間 :
(該当なし)
認証対象面積 :
(該当なし)
(2) 森林施業計画データ
森林施業計画を認定した市町村の名称:
宮城県刈田郡七ヶ宿町
施業計画の期間:
平成 17 年 4 月 1 日~平成 22 年 3 月 31 日
施業計画対象面積:
1,109.44 ha
12
認定調査 補足情報
1.調査日程
2009 年 5 月 13 日~14 日
2.調査者名簿
名前
所属
役職
富村周平
株式会社森林再生システム
取締役
中西修一
株式会社森林再生システム
主任研究員
望月亜希子
株式会社森林再生システム
研究員
小野真
(個人コンサルタント)
3.調査認定者
本認定調査の認定は、FSC 審査員の富村周平により行われた。
4.調査地点数
地点数
調査名
針葉樹林
広葉樹林
林分構造調査
17
1
植生調査
8
4
土壌調査
8
1
33
6
計
5.調査地点図
13
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