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スライド 1 - jcspace2.com
日本特許庁データベースから収録
特許公報活用法
テーマコード4L033
「繊維製品への有機化合物の付着処理」
詳細報告 その5
「帯電防止、導電」効果
繊維製品への有機化合物(一部、無機物質も含む)の付着処理技術から、
その処理により表れる各種効果のうち、「帯電防止、導電」効果について、
関連する特許公報を利用してまとめた情報を紹介します。
2014.12.11
目
次
◇ 現在の素材の確認
静電気障害
繊維用帯電防止加工剤
静電気帯電防止と繊維製造工程
静電気帯電防止素材・導電素材
帯電防止性・導電性評価
◇ テーマコード4L033の説明
◇ AC06「帯電防止・導電」に
係る特許公報の説明
全体的な流れ、企業の視点
静電気障害の種類と例
人体帯電圧の例
着
衣
の
着衣・履物の種類
種類
履
物
帯電圧(V)
なし
なし
-520
下着
綿靴下
-750
下着+綿靴下
合成靴
-9200
(下着+綿靴下)+Tシャツ
合成靴
-9000
(下着+綿靴下)+Tシャツ+綿ズボン
合成靴
-8900
(下着+綿靴下)+Tシャツ+ウールズボン
合成靴
-9000
(下着+綿靴下)+ウールズボン+ウールセーター
合成靴
-9000
作業着
合成靴
-8900
下着+綿靴下
革
靴
-11300
作業着
革
靴
-11400
作業着
運動靴
-7900
作業着
綿靴下
-700
作業着
なし
-480
(環境
20℃、20%RH)
注:作業着とは、下着、綿靴下、シャツ、カッターシャツ、レーヨン/PET混ズボン着
用である。
繊維用帯電防止加工剤
分
類
アルキルスルホン
酸塩/アルキル硫
酸塩
アニオン
界面活性剤
アルキルリン酸エ
ステル塩
アルキルカルボン
酸塩
アルキルアミン塩
カチオン
界面活性剤
アルキル第四級
アンモニウム塩
両性界面活性剤
ノニオン
界面活性剤
ポリエーテル型
アミノエーテル型
代 表
例
備
考
低湿下効果不足、
風合良好
低湿下
効果不足、
防錆性良好
廉 価
低湿下
比較的効果有り、
変退色注意、
高価
イオン的相溶性良好、
高 価
助剤的利用、
分散染料堅牢度↓
イオン型
耐久性↑
分散染料堅牢度↓
高分子
界面活性剤
ノニオン型
吸湿性塩類
単独使用時低濃度
では,効果低い
41
帯電防止剤の具備する条件
例
繊維製造工程において
静電気帯電防止性
と
繊維製造工程
静電気帯電防止性と繊維製造工程
今回の説明は、次ページのA-1(紡糸油関係)、A-2(紡績油関係)、
A-5(糸染めオイリング剤関係)、A-8(仕上加工剤)について行う。
A-1
経
糸
ポリエステルフィラメント油剤
N
S
Y
緯
糸
日本化学繊維協会の写真使用
ポリエステルフィラメント油剤の構成例
主要成分
潤滑剤成分
配合比率(乳化タイプ)
0-100% (40-70%)
帯電防止剤成分
0-20% (1-10%)
乳化剤成分
0-100% (20-60%)
その他
0-10% (0-5%)
要求特性
平滑性
集束性
耐毛羽性
原
料
鉱物油
油脂(植物油、動物油)
脂肪酸エステル
脂肪酸ポリオールエステル
POEアルキルアルキレート
ポリエーテル
ワックス
シリコーンオイル
制電性
湿潤性
耐摩耗性
油膜強化性
サイジング性
アルキル硫酸エステル塩
アルキルスルホン酸塩
アルキルリン酸エステル塩
脂肪酸塩
アルキルイミダゾリニウム塩
乳化性
油膜強化性
集束性
均一付着性
POEアルキルエーテル
POEアルキルエステル
POEアルキルアリールエーテル
POE脂肪酸ポリオールエステル
製品調節
乳化調節
相溶性
防錆性
粘度調節
高級アルコール
脂肪酸
多価アルコール
用途別油剤例
フラットヤーン製糸工程用紡糸油剤
①鉱物油
(10-20)
②脂肪酸エステル
(40-55)
(%)
③ノニオン界面活性
剤(15-20)
④イオン界
面活性剤
(10-15)
⑤その他
(調節剤)
(5-10)
フラットヤーン製糸工程用と加工糸工程用兼用紡糸油剤
①鉱物油
(20-30)
②脂肪酸エステル
(30-40)
③ノニオン界面活性剤
(20-30)
④イオ
ン界面
活性剤
(5-7)
⑤その
他(調
節剤)
(3-5)
POY製糸工程用及び加工糸工程用紡糸油剤
①脂肪酸エ
ステル
(10-20)
②PO/EO ポリエーテル
(75-85)
③イオ
ン界面
活性剤
(1-2)
④その
他(調節
剤)(35)
ポリエステルフィラメント油剤用帯電防止剤の特性 評価例
制電性
熱安定性
平滑性
(F/M)
金属
摩耗性
アルキルスルホン酸エステル塩
○~△
◎
×
△
アルキル硫酸エステル塩
△~○
×
△~×
×
アルキルリン酸エステル塩
○~△
○~△
△
◎/×
脂肪酸塩
△
△
○~△
○~△
ポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸エステル塩
○
×
△~×
×
ポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸エステル塩
○
△
△~○
○
◎
○
△~×
×~△
×~△
△~×
△~×
△~×
△~○
×
△
×
帯電防止剤の種類
ア
ニ
オ
ン
界
面
活
性
剤
カチオン界面活性剤
両性界面活性剤
非イオン界面活性剤
各項目での性能の評価水準 ◎非常に良好 ○良好
△やや不良 ×不良
高分子加工 41巻7号p.40-49 8号p.39-45 (1992) 森賀 弘之
A-2
ポリエステルステープル用油剤
ステープルトウの紡糸
ベールを作る機械
ステープルトウカッター
ステープルファイバー
集束したステープルトウは、
一定の長さにカットされわた状になる。
ポリエステルステープル用油剤の考え方
要 求 特 性
平滑性が大 且つ
集束性が小
平滑性が小
集束性が大
原
要求特性及び原料
料(原料説明)
C12~C22アルキルリン酸塩、C12~C22アルキル硫酸塩
(使用条件下で固状である成分)
POE(10>)C12>アルキルエーテル、鉱物油
(使用条件下で液状である成分)
C12~C22アルキルリン酸塩、C12~C22アルキル硫酸塩
粘着性が小
(使用条件下で固状である成分)
液状脂肪酸エステル、鉱物油
(使用条件下で低粘度の液状である成分)
粘着性が大
POE・脂肪酸アミド、低融点カチオン[吸湿性の高いカチオ
ン]、C8>アルキルリン酸塩、C8>アルキル硫酸塩
(使用条件下で軟ペースト状或いは高粘度液状である成分)
繊維損傷性が小
融点50℃<パラフィンワックス、天然ワックス、高融点脂肪酸
エステル (F/Mμdを下げる成分)
C12~C22アルキルリン酸塩、C12~C22脂肪酸塩
(油膜強度が強い成分)
帯電防止性が大
C12~C22アルキルリン酸塩、
POE・C8~18アルキルエーテルリン酸塩、
C12~C22アルキル第4級アンモニウム塩、
C8~C12脂肪酸塩
A-5 糸染め後のオイリング剤
主要成分
主要成分に用いられる原料
原
料
平滑成分
パラフィンワックス、マイクロクリスタルワックス、高級アルコール、シリコーン
オイル、カルナバワックス、脂肪酸グリセライド
柔軟成分
C16~C22脂肪酸ポリアミド、C16~C22脂肪酸ポリアミド架橋物、
C16~C22脂肪酸ポリアミドの4級化物、C16~C22脂肪酸ポリアミド部分環状
化合物の有機酸塩、C16~C22アルキル第4級アンモニウム塩、脂肪酸グリセ
ライド硫酸エステル、アルキルリン酸塩
乳化成分
POE・C16~C22アルキルエーテル、C16~C18脂肪酸エステル、POE・多価アル
コール(部分)脂肪酸エステル、
POE・C16~C22アルキルアミノエーテル、C8~C18脂肪酸塩、
C8~C18アルキル硫酸塩
集束成分
アクリル酸エステル共重合体エマルション、ウレタンプレポリマー、変性ポリ
ブテン乳化物
制電成分
C8~C18アルキル硫酸塩、C8~C18アルキルスルホン酸塩、
POE・C16~C22アルキルエーテル硫酸塩、C8~C18アルキルリン酸塩、
POE・C8~C18アルキルエーテルリン酸塩、
長鎖アルキルアンモニウム化合物、
C16~C22脂肪酸ポリアミド部分環状化合物の有機酸塩、
POE・アルキルアミノエーテル、C8~C18アルキルベタイン
油膜強化成分 脂肪酸塩、高融点ワックス
A-8
①
仕上工程に用いる仕上げ剤
帯電防止剤
仕上加工で、界面活性剤を繊維表面に付着する方法・・・工程性能向上
摩擦係数を低下させ静電気の発生を制御し、
また電気抵抗を減少させて電気を逃げやすくする。
→ 仕上加工(織布、編地) 縫製工程 繊維製品
②
←
静電気帯電防止
仕上加工で、繊維の表面や表層部に制電性の化合物を付着又は反応させる
方法・・・積極的な帯電防止性付与 → 高機能化学繊維素材
②-1
繊維表面への金属化合物(無機物)の吸着、バインダーによる金属の
固着などの方法
→ 少量混合でも制電性が得られ、低湿度下でも効果は変わらない。
②-2
有機物を付着又は反応させる方法
例えば、
親水性モノマー(ポリエチレングリコールアクリレート)を繊維
表面にグラフト重合
→ 樹脂加工でポリエーテルポリエステル共重合物の乳化分散液の処理
→
静電気帯電防止素材
導電素材
高機能化学繊維素材
特
性
水分特性
熱特性
(保温・軽量)
素
材
吸湿素材、吸水・吸汗・速乾素材、はっ水素材、防水素材、
透湿防水素材
遠赤外線放射素材、蓄熱保温素材、吸湿発熱素材、
軽量素材
運動機能
ストレッチ素材
特殊機能
防風性素材、透け防止素材
取扱いの容易性 形態安定加工素材、防汚素材
光
安全性
健康・衛生
環境調和
紫外線遮蔽素材、電磁波シールド素材
高強度素材、難燃・防炎素材、
静電気帯電防止素材、導電素材
抗菌防臭素材、制菌素材、防ダニ素材、防蚊素材、消臭素
材、マイナスイオン素材、花粉対策素材、美容素材
リサイクル素材、省エネ素材、生分解素材
静電気帯電防止性・導電性機能付与の方法
ポリマー改質
異種ポリマーとの共重合など
ポリマー改質
ポリマー中への機能剤の添加など
繊維形成段階での改質
断面異形化、中空化、側面溝付与、
太さ斑付与、芯鞘構造化など
後加工
機能剤のパディング、スプレー、
コーテイング、ラミネート、
コロナ放電、プラズマ加工など
安全性
静電気帯電防止素材
導電素材
静電気帯電防止素材
→
発生した静電気 (電荷)を空気中の水分などに逃がすなどして
静電気障害を起こりにくくした素材
導電素材
→
電気を導く炭素微粒子/特定金属を合成繊維の原料中に
混入させて繊維にした素材
→
導電性繊維そのものを混用する方法
導電性繊維としてステンレス繊維、カーボン繊維、銅繊維などを
混用した素材
静電気帯電防止素材、導電素材
使用素材
会社名
帝人
ファイバー
加工名・商標名
特徴(加工内容、薬剤の
(練り込み
種類)
・後加工)
用途
セルガード
E,N
導電性繊維を練込んだ高
い制電性と低発塵性を有
する素材
ラピア
E
特殊制電剤を練込んだ制
電素材
練込み
裏地、ラン
ジェリー
E
練込み式制電糸を使用し、
半永久的に性能を持続す
練込み
る編織物素材
肌着、
ジャージ、
裏地
メガトピア
E
パレルとルアナを複合化
させた素材。静電気の帯
電を抑えながら、ポリエ
ステルの特性を併せ持つ
織物素材。
練込み
防塵衣、白
衣、男子
ワーキング
ルアナ
E
導電性素材を用いた超制
電性の編織物素材
練込み
裏地、防塵
衣
パレル
東レ
(繊維名)
加工手段
引用サイト
練込み
制電作業衣、
無塵衣
日本化学繊維協会 http://www.jcfa.gr.jp/
静電気帯電防止素材、導電素材
使用素材
会社名
クラレ
加工名・商標名
クラカーボ
エミナ・ホワイ
ト
東洋紡績
旭化成
せんい
(繊維名)
加工手段
特徴(加工内容、薬剤の
(練り込み
種類)
・後加工)
用途
練込み
ユニフォー
ム、肌着、
スポーツ
白色導電物質をポリエス
テルの芯部に入れたコン
E,導電物質 ジュゲートファイバーで
耐洗濯性、屈曲性に優れ
る。
練込み
作業服、ユ
ニフォーム、
カーシート、
カーペット
練込み
肌着、
ジャージ
練込み
ユニフォー
ム、裏地
E
特殊カーボン練込み、半
永久的制電性能
ノエール
An
特殊制電ポリマーを練込
んだ恒久制電アクリル素
材
ニューパス
E
二層構造(芯鞘)による
耐洗濯制電性能
引用サイト
日本化学繊維協会 http://www.jcfa.gr.jp/
静電気帯電防止素材、導電素材
使用素材
会社名
ユニチカ
ファイバー
特徴(加工内容、薬剤の
(練り込み
種類)
・後加工)
加工名・商標名
(繊維名)
テスカⅡ
E
制電ポリエステル、摩擦
帯電圧1000V以下
練込み
メガーナE5
E
黒色導電繊維。電気抵抗
1×105Ω
練込み
メガーナN7,E7
N,E
黒色導電繊維。電気抵抗
1×107Ω
練込み
メガーナN,E
N,E
白色導電繊維。
練込み
エレセーフα
カーボン含有導電繊維を
綿/Eなど 織物組織に配した制電素
材
練込み
デュアルプラス
EM
低温プラズマ加工による
綿/Eなど ポリエステルの吸水・制
電・防汚加工
後加工
ユニチカ
テキスタイル
加工手段
引用サイト
用途
裏地
ユニフォー
ム、クリー
ンルーム
ウェア 他
ユニフォ-
ム、シャツ、
ブラウス、
パンツ、
ジャケット
日本化学繊維協会 http://www.jcfa.gr.jp/
静電気帯電防止素材、導電素材
使用素材
会社名
加工名・商標名
特徴(加工内容、薬剤
(練り込み
の種類)
・後加工)
An
白色系蓄熱保温、導電
繊維。芯・鞘防止技術
により製造された繊維
An
白色系、導電性微粒子
を芯部に練込んだ導電
繊維。数%の混紡で優
れた制電効果を発揮
パイレン
ベルトロン
サーモキャッチ
W
三菱
スーパーエレキ
レイヨン
ル
KB
セーレン
(繊維名)
加工手段
日清紡績 スパークガード
用途
練込み
衣料、建寝
装
練込み
衣料、建寝
装、産業資
材
Pp
黒色系導電剤を原料に
練込み
練込み
カーペット
(OAルー
ム用)
N,E
セラミック練込み複合
繊維
練込み
産業資材、
一般衣料
E/綿
カーボンファイバーを
織り込んだ織物
素材特性
ユニフォー
ム
引用サイト
日本化学繊維協会 http://www.jcfa.gr.jp/
導電素材
例
クラレ
カーボン含有導電性繊維
引用サイト
クラレトレーディング(株) http://www.clacarbo.jp/index.html
導電素材
例
クラレ
カーボン含有導電性繊維
コロナ放電
引用サイト
クラレトレーディング(株) http://www.clacarbo.jp/index.html
湿式アクリル繊維の芯鞘複合紡糸技術例
引用サイト
三菱レイヨン株式会社 アクリル繊維部 「コアブリッド」 https://www.mrc.co.jp/corebrid/
繊維への帯電防止・導電性加工法
練り込み法:繊維を紡糸する段階で薬剤を繊維の内部に練り込む
→薬剤をポリマーの重合段階で混入する方法
→紡糸原液に混入しておく方法
→予め高濃度の薬剤を含むマスターチップを調製し、
紡糸段階で混入する方法
導
系
統
分
電
性
類
カーボンブラック
カーボン系
金属系
その他
炭素繊維
黒鉛
金属微粉末
金属酸化物
金属繊維、ウィスカー
ガラスビーズ
合成繊維
付
与
剤
種
類
アセチレンブラック
オイルファーネスブラック
サーマルブラック その他
PAN系、ピッチ系
天然物、人工物
銀、銅、ニッケル その他
酸化亜鉛、酸化錫 その他
アルミニウム、ステンレス
金属表面コート
金属表面コート
その他
静電気帯電防止性の評価方法
その1
JIS L 1094「織物及び編物の帯電性試験方法」に試験方法が規定されている。
統一基準は無く、各社が自社基準により管理している。
(1)半減期測定法
試験片をコロナ放電場で帯電させた後,この帯電圧が1/2に減衰するまでの
時間(半減期)を測定する方法
織物及び編物の静電気減衰特性の評価に適するが,導電性繊維の評価には適
さない。
◇実用特性としては衣服のまつわり付きやほこり付着の評価ができるが,帯
電機構が実際と異なるため,放電障害などの評価には適さない。
(2)摩擦帯電圧測定法
試験片を回転させながら摩擦布で摩擦し,発生した帯電圧を測定する方法
織物及び編物を摩擦したときの静電気電位の評価に適するが,試験片が小さ
いため導電性繊維の評価には適さない。
◇実用特性としては衣服のまつわり付きやほこり付着の評価ができるが,試
験機の特性上帯電圧が低く出るため放電障害などの評価には適さない。
静電気帯電防止性の評価方法
その2
(3)摩擦帯電電荷量測定法
試験片を摩擦布によって摩擦し,摩擦帯電させた後,発生した電荷量を測定
する方法
導電性繊維を混入した織物及び編物を摩擦したときの,静電気発生量の評価
に適するが,電荷量の減衰が見られないため後加工方式による帯電防止加工
の評価には適さず,また摩擦操作が手動であることなどの難点がある。
◇実用特性としては,ほこり付着や放電障害などの評価ができる。
(4)摩擦帯電減衰測定法
試験片を摩擦布によって摩擦し,摩擦帯電させた後,発生した帯電圧を測定
する方法
摩擦帯電圧測定法と摩擦帯電電荷量測定法とを組み合わせて改良した方法
静電気の発生のしやすさと,減衰特性を同時に評価できる。
◇実用特性としては,衣服のまつわり付き,ほこり付着や放電障害などの評
価ができる。
静電気帯電防止性の測定器
静電気帯電防止性の評価方法
その3
補足説明 静電気帯電防止性の評価方法
一般財団法人ボーケン品質評価機構の試験条件
下記の3種類の試験を実施、いずれも20±2℃ , 40±2%RHの環境下で実施
(1) 半減期測定法
試験片(4.5×4.5cm)を10kVの印加電圧で帯電させた後、
この帯電圧が1/2に減衰するまでの時間(s)を測定する。
この時間を「半減期」と言う。
(2)摩擦帯電圧測定法
試験片(5×8cm)を取り付けたドラムを回転させながら摩擦布(毛・綿)で
摩擦し、発生した帯電圧(V)を測定する。
(3) 摩擦帯電電荷量測定法
試験片(25×35cm)を摩擦布(ナイロン、アクリル)で摩擦(手動)後、
ファラデーケージに投入し、帯電電荷量を測定し、
単位面積あたりの帯電電荷量(μC/m2)を求める。
【評価の目安】
半減期:10秒以下
摩擦帯電圧:2000V以下
(基準値は各社基準により異なります。)
静電気帯電防止作業服の統一評価方法並びに基準
労働安全衛生法・施行令(第286 条2)に基づき、
特殊作業に従事する作業者は静電気帯電防止作業服および同作業靴の着用が
義務付けられている。
作業服の基準は「JIS T 8118 静電気帯電防止作業服の基準」を準用し、
表示は「静電気帯電防止作業服」となる。
一般財団法人ボーケン品質評価機構の例
a) 製品の試験
試料を摩擦装置*1内に入れて運転(60℃ , 15分間)後、
ファラデーケージに投入し、帯電電荷量(μC)を測定*2する。
*1: 家庭用タンブル乾燥機、内張摩擦布:ナイロン、アクリル
*2:摩擦帯電電荷量測定法
b) 生地の試験
試験方法は上記 摩擦帯電電荷量測定法と同じ。
但し温湿度条件は、20±2℃ , 30±3%RH。
【評価の目安】
帯電防止作業服の性能(JIS T 8118)
製品 0.6μC以下 生地 7μC/m2
測定法と評価項目
評価の可能性
電気
抵抗
実用特性
衣服の
ほこり
電荷量
帯電圧 半減期 (導電性繊維) まとわ
付着
りつき
放電
障害
半減期測定法
×
×
○
×
○
△
×
摩擦帯電圧測定法
×
○
△
△
○
○
△
摩擦帯電電荷量
測定法
×
△
×
○
○
○
○
×
○
○
△
○
○
○
○
×
△
×
△
△
△
摩擦帯電減衰
測定法
表面漏洩抵抗
測定法
○:評価に適する。
△:評価は可能であるが、適さない。
×:評価できない。
引用 一般財団法人ボーケン品質評価機構
テーマコード4L033の説明
繊維製品への有機化合物(一部、無機物質も含む)の
付着処理技術から、 、
観点
材料、構造、目的・効果、
処理する化合物の種類
を対象とした特許技術情報から、
◇観点AA 処理される材料の説明
◇観点AC 目的・効果の説明
◇観点BA,CA,DA
処理する化合物の説明
Fタームの説明
-1
IPC,FI,Fタームの関係
Fターム「4L033」の観点AA,AB,ACの説明
Fターム「4L033」の観点BAの説明-1
Fターム「4L033」の観点BAの説明-2
Fターム「4L033」の観点BAの説明-3
Fターム「4L033」の観点CAの説明-1
Fターム「4L033」の観点CAの説明-2
Fターム「4L033」の観点DAの説明
AC06
「帯電防止・導電」に係る
特許情報
◇
◇
◇
全体的な流れの視点
繊維会社の視点
化学会社の視点
エクセルシートで説明
全体的な流れの視点
公告公報
昭和27年~昭和51年
361件/1401件
全体的な流れの視点
公開公報
昭和46年~平成26年
985件/1401件
全体的な流れの視点
公表公報
昭和63年~平成25年
47件/1401件
全体的な流れの視点
再表公報
1999年~2011年
8件/1401件
繊維会社の視点
東レ
帝人
ユニチカ
旭化成
東洋紡績
鐘紡
三菱レイヨン
クラレ
122
122
78
71
43
38
26
16
アキレス
13
セーレン
小松精練
住江織物
14
10
7
化学会社の視点
竹本油脂
三洋化成工業
松本油脂製薬
日華化学
花王
ミヨシ油脂
36
33
21
14
11
8
東レ公開公報説明に使用
PEG変性(メタ)アクリル樹脂
東レ公開公報説明に使用
ポリエーテルエステル樹脂
繊維用帯電防止剤の勉強のスタートに推奨資料
1.帯電障害
1.1 繊維の製造、加工時の障害
1.2 繊維間製品の障害
2.帯電理論
2.1帯電列
2.1.1 電気二重層
2.1.2 イオンによる説明
2.2.3 量子力学による説明
2.1.4 帯電列の異常性
2.1.5 帯電列の予測
2.2 電気抵抗と電荷の漏れ
2.3 帯電
3.静電気の測定
3.1 分類
3.2 測定原理と測定法
3.2.1 帯電量の測定(直接法)
3.2.2 電気抵抗の測定(間接法)
3.2.3 電位計
3.2.4 定性的、半定量的測定
4. 帯電防止法
4.1 接地法
4.2 空気イオン化法
4.3 給湿法
4.4 帯電列の利用(中和法)
4.5 化学的方法
5.帯電防止剤
5.1 分類
5.2 作用
5.3 繊維用帯電防止剤の具備条件
5.4 帯電防止剤としての界面活性剤の特長と欠点
6. 帯電防止剤の作用機構
6.1 一時性帯電防止剤(低分子物)
6.1.1 配向性
6.1.2 電気抵抗の低下
6.1.3 帯電防止能の経時変化
6.1.4 電荷の中和と符号の逆転
6.1.5 摩擦係数の低下
6.2 耐久性帯電防止剤
6.2.1 コンプレックスカチオン化合物
6.2.2 コンプレックスアニオン化合物
6.2.3 イオン交換樹脂型
6.2.4 SR加工との関係
6.2.5 撥水撥油加工用帯電防止剤
6.2.6 内部用帯電防止剤
*引例が豊富です。
引用文献
繊維用油剤(日本繊維機械学会)(1969)
第4章 油剤の帯電防止作用 高橋 越民
参考資料
・日本化学繊維協会 高機能化学繊維素材
http://www.jcfa.gr.jp/fiber/high/index.html
・繊維評価技術協議会
http://www.sengikyo.or.jp/
・繊維学会誌「繊維と工業」から
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/fiber/-char/ja/
・ (一般社団法人)化学繊維技術改善研究委員会
http://www.kaizenken.jp/index.html
・特許電子図書館
http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl
・ CiNii 国立情報学研究所 学術情報ナビゲータ
http://ci.nii.ac.jp/
・J-STAGE 油化学資料入手サイト
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/
・高分子加工 41巻7号p.40-49 8号p.39-45(1992) 森賀 弘之
・繊維用油剤(日本繊維機械学会)(1969) 第4章 油剤の帯電防止作用 高橋 越民
今回のDVD資料(2枚)
4L033(繊維製品への有機化合物の付着処理)
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