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スライド 1 - jcspace2.com
繊維製造工程における
油剤・助剤・加工剤の知識
2015.05.21
繊維製造工程の油剤・助剤の知識
• 繊維製品製造工程と繊維用油剤
• 繊維用油剤と界面活性剤
• 紡糸工程・紡績工程・製織工程及び
編成工程に用いる油剤
• 染色工程・仕上/機能性付与工程に用いる
助剤・加工剤
繊維製品製造工程と繊維用油剤
繊維製品製造工程と繊維用油剤
ポリマー
紡糸油剤
原糸・原綿製造工程
織・編製造工程
紡績油剤
織・編準備工程油剤
サイジング剤
染色工程
コーニングオイル
染色準備工程油剤
糊抜き・精練・漂白工程助剤
仕上・加工工程
織・編工程油剤
仕上加工剤
染色助剤
ソーピング剤
機能付与加工剤
繊維製品
繊維用油剤とは
繊維用油剤の組成は?
構成成分は?
例えば、ポリエステルフィラメント用紡糸油剤では
潤滑剤成分
↓要求特性
平滑性、集束性、耐毛羽性
帯電防止剤成分
制電性、湿潤性、耐摩耗性、油膜強化性
サイジング性
乳化剤成分
乳化性、油膜強化性、集束性、均一付着性
その他
製品調節性、乳化調節性、相溶性、防錆性、粘度調節性
繊維用油剤とは
紡糸油剤の成分は!
潤滑剤成分:平滑性、集束性、耐毛羽性
脂肪酸エステル、脂肪酸ポリオールエステル
帯電防止剤成分:制電性、湿潤性、耐摩耗性、油膜強化性、
アルキルサルフェート、アルキルスルホネート
乳化剤成分:乳化性、油膜強化性、集束性、均一付着性・・・
POEアルキルエーテル、POEアルキルエステル
その他:製品調節性、乳化調節性、相溶性、防錆性、粘度調節性
高級アルコール、脂肪酸、多価アルコール
繊維用油剤から界面活性剤へ
紡糸油剤の成分の中の界面活性剤は、化学構造から見ると
潤滑剤成分
脂肪酸エステル、脂肪酸ポリオールエステル
帯電防止剤成分
アルキルサルフェート、アルキルスルホネート
乳化剤成分
POEアルキルエーテル、POEアルキルエステル
製品調節性、乳化調節性、相溶性、防錆性、粘度調節性を繊維に付与する成分
高級アルコール、脂肪酸、多価アルコール
繊維用油剤から界面活性剤へ
界面活性剤 化学構造から説明
水になじみやすい性質を持った部分→親水基
油に溶け易いが水には溶けない部分→親油基もしくは疎水基
→親水性と親油/疎水性→両方の性質を兼ね備えています。
紡糸油剤中の界面活性剤は、
脂肪酸ポリオールエステル(N-⑥)
アルキルサルフェート(A-⑩)、アルキルスルホネート(A-④)
POEアルキルエーテル(N-①)POEアルキルエステル(N-⑧)
高級アルコール(N-?)、脂肪酸(A-①)
主に解説する油剤・助剤・加工剤
• ポリエステルフィラメント油剤
• ポリエステルステープル(紡績)油剤
アクリル用紡績油剤、羊毛用紡績油剤
産業資材繊維、スパンデックス繊維、炭素繊維
•
•
•
•
コーニング油、サイジング助剤、オイリング剤
糊抜き・精練・漂白工程助剤
染色工程に用いる助剤
仕上加工工程に用いる油剤・加工剤
◇別の勉強会で説明予定の対象:
ガラス繊維、不織布、特殊機能付与剤
ポリエステルフィラメント製造工程と油剤
パーン形状への巻き返し
紡糸の状況
溶融紡糸装置
パーン
フィラメント糸の巻取り
日本化学繊維協会の写真使用
ポリエステルフィラメント油剤
ポリエステルフィラメント油剤
フラットヤーン(生糸使い)
テクスチャードヤーン(加工糸使い)
油剤付与位置
ポリエステルフィラメント油剤
油剤設計の視点
基本的要求特性
例えば、特に高速製糸について、主な項目
紡糸-延伸
平滑性(常温、高温)
制電性
製糸工程
高速紡糸-延伸
ゾーン延伸
水溶性
ワンステップ紡糸
エマルション安定性
巻取り速度
エマルション濡れ特性
給油形式
油剤濡れ特性
工程条件
熱セットの有無及び温度条件
インターレースの有無
パッケージ形状形成性
多糸条取り
耐熱性
デニール/フィラメント数
ゴム膨潤防止性
生産銘柄
耐毛羽性
織物経糸 サイズ糸/ノーサイズ糸
耐摩耗性
低毒性
ブライト/セミダル
レギュラータイプ/改質タイプ
サイジング性
耐錆性
断面形状
織物緯糸
用途
織物
撚糸
仮撚用
ポリエステルフィラメント油剤
経
糸
N
S
Y
緯
糸
日本化学繊維協会の写真使用
ポリエステルフィラメント油剤の構成
主要成分
潤滑剤成分
要求特性
0-20% (1-10%)
乳化剤成分
0-100% (20-60%)
その他
0-10% (0-5%)
料
平滑性
集束性
耐毛羽性
鉱物油
油脂(植物油、動物油)
脂肪酸エステル
脂肪酸ポリオールエステル
POEアルキルアルキレート
ポリエーテル
ワックス
シリコーンオイル
制電性
湿潤性
耐摩耗性
油膜強化性
サイジング性
アルキルサルフェート
アルキルスルホネート
アルキルホスフェート
アルキルカルボキシレート
アルキルイミダゾリン
乳化性
油膜強化性
集束性
均一付着性
POEアルキルエーテル
POEアルキルエステル
POEアルキルアリールエーテル
POE脂肪酸ポリオールエステル
製品調節
乳化調節
相溶性
防錆性
粘度調節
高級アルコール
脂肪酸
多価アルコール
配合比率(乳化タイプ)
0-100% (40-70%)
帯電防止剤成分
原
用途別油剤
成分割合例
A-1
フラットヤーン製糸工程用紡糸油剤 (%)
潤滑成分
①鉱物油
(10-20)
乳化成分
②脂肪酸エステル
(40-55)
③ノニオン
界面活性剤
(15-20)
制電成分
④イオン
界面活性剤
(10-15)
⑤その他
(調節剤)
(5-10)
フラットヤーン製糸工程用と加工糸工程用兼用紡糸油剤
潤
滑
成
分
乳化成分
制電
成分
④
①鉱物油
(20-30)
②脂肪酸エステル
(30-40)
イオン
界面活
性剤
③ノニオン界面活性剤
(20-30)
(5-7)
⑤
その他
(調節剤)
(3-5)
POY製糸工程用及び加工糸工程用紡糸油剤
潤
滑
成
分
乳化成分
制電成分
①脂肪酸エ
ステル
(10-20)
②PO/EO ポリエーテル
(75-85)
③
イオン
界面活
性剤
(1-2)
④
その他
(調節剤)
(3-5)
油剤の考え方
工程別要求特性及び対処方法
製糸工程
工
程
要 求 特 性
対 処 方 法
油剤溶液粘度 ↓
均一付着性
紡
濡れ特性 ↑
乳化性 ↑
糸
防腐対策
巻形状安定性
F/Fμs ↑
付着量調節
潤滑性
常温潤滑性 ↑
高温潤滑性(極圧油性) ↑
延
伸
集束性
濡れ及び拡展性 ↑
油剤粘度 ↑
耐熱性
発煙性 ↓
加熱重合性 ↓
延伸性
高温油膜強度 ↑
F/Fμs ↓
油剤の考え方
工程別要求特性及び対処方法
後工程
工
程
織 物/経糸
要 求
特
性
潤滑性
常温潤滑性 ↑
制電性
制電剤併用
サイジング性
織 物/緯糸
解舒性
方
法
非相溶化成分 ↑
F/Fμd ↓
(繊維金属間動摩擦特性)
白粉防止
常温潤滑性 ↑
潤滑性
常温潤滑性 ↑
制電性
制電剤併用
交絡性
常温潤滑性 ↑
織 物/NSY
油剤脱水相溶性 ↑
耐毛羽性
湿耐摩耗性
低腐敗性
編 物
対 処
潤滑性/乾耐摩耗性
制電性
F/Fラビング性 ↑
水中潤滑性 ↑
腐敗発生要因 ↓
常温潤滑性 ↑
制電剤併用(トリコット編の整経)
油剤の考え方
工程別要求特性及び対処方法
後工程
工
程
撚
糸
要 求
特
性
潤滑性
耐毛羽性
対 処
方
常温潤滑性 ↑
F/Fμs ↓
(繊維繊維間靜摩擦特性)
発煙性 ↓
加熱減量性
耐熱性
加熱重合性 ↓
オリゴマー抽出性 ↓
仮
撚
オリゴマー相溶性 ↑
耐毛羽性
F/Fμs ↓
常温、高温潤滑性 ↑
白粉防止性
ゴム膨潤防止
(粘着化防止)
法
油剤粘度 ↓
油剤成分の分子量調節
新しい製糸技術と紡糸油剤に要求される特性
直延方式用紡糸油剤
紡糸オイリング直後に連続して延伸されるので、エマルション、油剤の均一付着性、浸透性、
拡展性に優れている事が望ましい。
また、加熱ローラーを介して高速下に連続伸延・熱セットされるので発煙・タール等が少ない事
、即ち耐熱性の向上が要求される。
更に、巻取形状(幅の狭いチーズタイプ)やラージパッケージ化に対応して、巻取形状安定性
も重要なファクターである。
超高速紡糸用紡糸油剤
エマルション、油剤の均一付着性、浸透性、拡展性、巻取形状安定性等の要求は直延方式と
同様である。
耐熱性については、超高速紡糸(紡速5000~10000 m/分)の場合、紡糸時にほぼ延伸糸が
形成されるため、熱セットはほとんど行われないか、あっても補助的に比較的低温熱セットが
行われる程度であると言われており、直延程には要求されない。
尚、超高速紡糸に特有の現象として、給油部における飛散の問題が有り(糸とエマルションの
接触時間が短い。撹拌気流によりふりきられる等が主因)改良が望まれている。
産業資材繊維用油剤
産業資材用繊維の用途分野
用 途
具 体
例
移動用
エアバック、タイヤコード、車両内装材
土木・建築
表面保護シート、保護ネット、テント、コンクリー
ト補強材、養生シート
工業
ロープ、ベルト、断熱材、フィルター、絶縁体
医療用途
人工血管、透析モジュール、衛生用品
次頁以降に、タイヤコード用紡糸油剤を紹介
タイヤコードとは、タイヤの形状を保持するための補強材
例
タイヤコード用紡糸油剤
要求特性
耐熱性
潤滑性
高温の延伸ローラー→油剤の劣化によるタール堆積
→走行中の糸の毛羽、糸切れ、清掃周期
タイヤコード用紡糸油剤
熱安定性の高い潤滑剤、界面活性剤の配合
高度な耐熱性:高温下の油剤劣化の抑制
高度な潤滑性:高温高接圧下の潤滑油膜強度
撚糸時の強力保持性
ゴムとの接着性
タイヤの実使用時の耐疲労性
*延伸時の温度
6ナイロン
180~200℃
66ナイロン 200~250℃
ポリエステル 200~250℃
タイヤコード用紡糸油剤組成例
油剤組成
ベースオイル
成
分
分子量(500~1000) の合成エステル
イソセチルステアレート、
トリメチロールプロパントリラウレート、
ジアルキルチオジジプロピオネート、
天然油脂(ヤシ油、菜種油など)
高分子量非イオン界面活性剤
乳化剤
ポリエチレングリコールジエステル、
POE 硬化ひまし油、
POE ソルビトールエステル等
イオン界面活性剤
制電剤
アルキルホスフェート
POE アルキルホスフェート
潤滑油膜強度改善効果が大きいが、
耐熱性阻害にも注意し、使用量に制限あり(10%>)。
抗酸化剤
その他
ヒンダードフェノール誘導体
コード/ゴム接着性改善
POE アルキルアミノエーテルの併用
弾性繊維用処理剤
弾性繊維→ゴム状弾性を持っている繊維
ポリウレタン系繊維(スパンデックス)
ポリエーテルエステル系繊維
ポリブチレンテレフタレート繊維
ポリテトラメチレンテレフタレート繊維
ポリエステル繊維の加工糸
ポリアミド繊維の加工糸
内容
ポリウレタン系繊維の製造工程
ポリウレタン原液製造の化学式による説明
乾式紡糸装置概念図
ポリウレタン系繊維用油剤
紡糸原液
ポリウレタン系繊維用油剤
伸び率 大
初期引張抵抗度 小
繊維同士の膠着性 大
安定な操業性の改善要件
解舒性
(チーズから糸の引き出し)
脱落性
(油剤のガイドへの脱落)
→
性質
ポリオルガノシロキサンの活用
潤滑性 低表面張力 反応性 親油性
ベースオイル成分 ポリジメチルシロキサン
配合成分(変性シリコーン、シリコーンレジン、有機酸塩)
アミノ変性ポリオルガノシロキサン
ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサン
ポリオルガノシロキサンレジン
アルコキシシラン(各種官能基含有)
高級脂肪酸塩(例えば、マグネシウム塩)
代表的なポリオルガノシロキサン
ベースオイル成分
略式名称
示性式と官能基
炭素繊維用油剤
炭素繊維用前駆体アクリル繊維用処理剤
炭素繊維製造工程 例
炭素繊維用前駆体アクリル繊維用処理剤
対象と要求特性
重点別 処理剤の例
衣料用アクリル繊維用油剤及び炭素繊維用サイズ剤は除く
炭素繊維
微細な黒鉛結晶構造をもつ繊維状の炭素物質
炭素繊維製造工程
例
PAN系炭素繊維
ポリアクリロニトリル
原料ポリマー
耐炎火処理工程
空気中
200~300℃
湿式紡糸工程
水洗工程
乾燥緻密化工程
湿熱延伸工程
炭化処理工程
不活性雰囲気中
1000~1800℃
浴中延伸工程
給油工程
給油工程
巻取工程
炭
素
繊
維
炭素繊維用前駆体アクリル繊維用処理剤
炭素繊維用前駆体
アクリル繊維用処理剤
炭素繊維の高品質化
炭素繊維の高生産効率化
対象
要求特性
炭素繊維前駆体
アクリル繊維
耐炎化工程
炭素繊維前駆体繊維
単糸間融着防止
毛羽,糸切れ防止
耐炎化工程
~炭化工程
処理剤由来分解物飛散防止
→ 炉内汚染軽減
ポリオルガノシロキサンの特性
潤滑性 柔軟性 低表面張力 吸着性
→ 主成分 アミノ変性ポリオルガノシロキサン
重点
紡糸工程~耐炎化工程前のアクリル繊維糸状製造工程
における要求特性
・均一付着性の向上
・集束性付与
・ゲル化防止
・単繊維間接着防止
・ガイド等への脱落・堆積による ・糸切れ防止
障害物形成防止等
・毛羽防止
アミノ変性ポリオルガノシロキサンと下記の化合物の組合
・高級脂肪酸
・芳香族アミノ基含有ポリシロキサン(抗酸化剤)
・親水化剤ジアルキルスルホサクシネート(疎水化防止)
・エポキシ変性ポリオルガノシロキサンとゴム化促進成分
・乳化剤量の規制
重点
耐炎化工程における単繊維間接着防止
・両末端に1級アミノ基を有するアミノ変性ポリオルガノシロキサン
・グリコール変性ポリオルガノシロキサンレジン
・疎水性シリカとポリジメチルシロキサンとの混合物
・アミノ変性ポリオルガノシロキサンと低級脂肪酸と
非イオン性界面活性剤とカルボン酸アミン塩又は両性界面活性剤
・アミノ変性ポリオルガノシロキサン,ポリエーテル変性ポリオルガノ
シロキサン或いはエポキシ変性ポリオルガノシロキサンの架橋処理
・ポリシロキサンゴム
重点
耐炎化工程~炭化工程の炉内汚染防止
・アミノ変性ポリオルガノシロキサンとクミルフェノール誘導体との
組合せ処理剤
・両末端にアルキルメルカプトアルキル基を有するポリジアルキル
シロキサン
製品形態と油剤の活用
ポリエステルステープル用油剤
ポリエステルステープル用油剤の目的と区分
◆ポリエステルステープル用油剤の目的は、
下記の工程の生産性(作業性)と品質の向上を目的として使用される。
①溶融したPETから、紡糸工程-延伸工程-熱処理工程-捲縮工程-乾燥工程-切断工程を経て
ステープル(短繊維)を作る工程(以上を繊維メーカーが実施)
②ステープルから、混打綿工程-カード工程-練条(又はギル)工程-粗紡(又はボビナー)工程-
精紡工程(リング方式又はオープンエンド方式)を経て紡績糸を作る工程(以上を紡績工場で実施)
◆ポリエステルステープル用油剤の区分
紡糸(延伸)油剤と仕上油剤(紡績油剤)とがある。これらは、両方共繊維メーカーで使用される。
紡糸油剤は、主にステープル製造工程の生産性と品質との向上のために使われる。
仕上油剤は、紡績工程の生産性と品質との向上のために使用される。
仕上油剤は、綿混用(E/C)、レーヨン混用(E/R)、ポリエステル100%用などのリング紡績用や
オープンエンド紡績用(OE)、あるいは紡績工程を通らない詰綿用等、それぞれの用途によって
使い分けされる。
ポリエステルステープル用油剤の使用法
◆付着量は、
0.1~20%の水溶液として、ローラータッチ法、スプレー法、浸漬法等の給油方法によって、
繊維に0.05~0.5%で付与される。
◆給油場所としては、紡糸工程から切断工程までの色々の場所が可能である。
このため、同一の油剤であっても、油剤の使われ方が繊維メーカーによって様々であり、それによって油剤
の均一付着性の程度、付着油剤の熱の受け方、紡糸油剤と仕上油剤との使用割合の違いなどにより、繊維の
性能は大きく変わる。又油剤の使い方によって作業性(溶液の安定性や粘度や泡立ちなど)に対する要求も
異なる。
ポリエステルステープル用油剤の給油位置
給油
条件
区分
給油位置
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
説
明
紡糸油だけで仕上油使用せず
Ⅰ
A
Ⅱ
A
Ⅲ
A
Ⅳ
A
Ⅴ
A
Ⅵ
A
Ⅶ
A
A
Ⅷ
A
B
Ⅸ
A
B
A
A
A
2種の油剤を紡糸。仕上に使用
B
2種の油剤を紡糸。仕上に使用
B
B
1種の油剤を紡糸・工程・仕上に兼用
B
2種の油剤を紡糸。仕上に使用
B
仕上油剤を2回給油
B
紡糸油剤と工程油剤を兼用
工程油剤と仕上油剤を兼用
B
C
3種の油剤を使用
ポリエステルステープル用油剤
ベールを作る機械
ステープルトウの紡糸
ステープルトウカッター
ステープルファイバー
集束したステープルトウは、
一定の長さにカットされわた状になる。
ポリエステルステープル用油剤の考え方
要 求 特 性
平滑性が大 且つ
集束性が小
原
要求特性及び原料
料(原料説明)
C12~C22アルキルリン酸塩、C12~C22アルキル硫酸塩
(使用条件下で固状である成分)
平滑性が小
集束性が大
POE(10>)C12>アルキルエーテル、鉱物油
粘着性が小
C12~C22アルキルリン酸塩、C12~C22アルキル硫酸塩
(使用条件下で液状である成分)
(使用条件下で固状である成分)
液状脂肪酸エステル、鉱物油
(使用条件下で低粘度の液状である成分)
粘着性が大
POE・脂肪酸アミド、低融点カチオン[吸湿性の高いカチオ
ン]、C8>アルキルリン酸塩、C8>アルキル硫酸塩
(使用条件下で軟ペースト状或いは高粘度液状である成分)
繊維損傷性が小
融点50℃<パラフィンワックス、天然ワックス、高融点脂肪酸
エステル (F/Mμdを下げる成分)
C12~C22アルキルリン酸塩、C12~C22脂肪酸塩
(油膜強度が強い成分)
帯電防止性が大
C12~C22アルキルリン酸塩、
POE・C8~18アルキルエーテルリン酸塩、
C12~C22アルキル第4級アンモニウム塩、
C8~C12脂肪酸塩
ポリエステル紡績油剤
用 途
要求特性
紡糸・延伸油剤
延伸性
集束性
耐熱性
捲縮付与性
用途別の主な要求特性及び組成例
組成例(重量比)
C12~C16アルキルリン酸カリウム塩/
C12~C16アルキルエーテル型ノニオン
界面活性剤
=(50~90)/(50~10)
綿混用紡績油剤
適度の集束性と C12~C16アルキルリン酸カリウム塩/
低い粘着性
C12~C16アルキルエーテル型ノニオン
界面活性剤
=(60~90)/(40~10)
レーヨン混用
紡績油剤
帯電防止性強化 C16~C18脂肪酸エステル型ノニオン界
面活性剤/C12~C18アルキルカチオン
界面活性剤
=(40~80)/(60~20)
オープンエンド
紡績用油剤
繊維損傷性
融点50~80℃ワックス/ノニオン界面
活性剤/アニオン界面活性剤
=(40~60)/(20~40)/(10~30)
要求特性の説明
平滑性:F/Fμs、F/Mμd、粘着性、繊維損傷性等から評価
粘着性:付着油剤に起因する繊維表面に生じる粘着性の程度
繊維損傷性:繊維と金属との高速高接圧での摩擦により繊維表面が受ける損傷の程度を示し、繊維物性の劣化、
白粉の発生に関係する。
アクリル紡績油剤
用途別の主な要求特性及び組成例
用 途
要求特性
組成例(重量比)
紡糸油剤
耐失透性
耐熱性
帯電防止性
集束性
分繊性
染色性
プルロニック型ポリエーテル/C18~C22
脂肪酸ポリアミド/POE・C12~16アルキル
エーテル/POE・C8~18アルキルエーテ
ルリン酸カリウム塩
=(~40~)/(~10~)/(~40~)/
(~10~)
短繊維紡用油剤
捲付軽減性
抱合性
均一ドラフト性
帯電防止性
繊維損傷性
C12~C18アルキルリン酸カリウム塩/PO
E・C8~18アルキルエーテルリン酸カリウム
塩/ノニオン界面活性剤/脂肪酸エス
テル
=(~40~)/(~20~)/(~20~)/
(~20~)
トウ用・梳毛紡用油剤
梳毛紡用油剤
帯電防止性
ローラー捲付性
カッティング性
クリーリング性
カチオン界面活性剤/ノニオン界面活性
剤/C18~C22脂肪酸ポリアミド/高融点
ワックス
=(~30~)/(~35~)/(~20~)/
(~15~)
羊毛用紡績油剤
用途及び組成例
用 途
組成例(重量比)
紡毛紡績用油剤
一般合繊用
鉱物油/ノニオン界面活性剤/アニオン界面活
性剤/調節剤
=(~75~)/(~15~)/(~8~)/(~2~)
梳毛紡績用油剤
一般用カーディングオイル
鉱物油/ノニオン界面活性剤/植物油/調節剤
=(~70~)/(~20~)/(~5~)/(~5~)
梳毛紡績用油剤
コーミングオイル
鉱物油/液状脂肪酸エステル/ノニオン界面活
性剤/アニオン界面活性剤/調節剤
=(~40~)/(~10~)/(~20~)/(~20~)
/(~10~)
梳毛紡績用油剤
ドローイングオイル
液状脂肪酸エステル/ポリエーテル系ノニオン
界面活性剤/ノニオン界面活性剤/アニオン界
面活性剤/調節剤
=(~60~)/(~10~)/(~10~)/(~10~)
/(~10~)
繊維用油剤
コーニングオイル
コーニングオイル、アフターオイル、編立油
・油剤が使用される工程
・油剤の基本情報
・油剤の基本要求特性
・油剤の固有要求特性
・参考情報
コーニング油剤
基本要求特性・固有要求特性
合繊フィラメント加工糸の編工程又は、織準備工程などを円滑に行うように
仮撚加工機やコーンアップワインダーでストレートローラータッチ給油する油剤
コーニングオイルの給油量
・ 編用
1.5~3%
・ 織経糸用 ~0.5%~
・ 織緯糸用 1.5~3%
基本組成(%)
平滑成分[鉱物油,エステル](80~95)
制電成分[油性アルキルリン酸塩]((0~5)
乳化成分[POEアルキルエーテル]((5~20)
その他 (0~5)
基本要求特性
固有要求特性
平滑性
集束性
制電性
金属摩耗防止性
精練性
オリゴマー脱落防止性
付着性
低速平滑性
染色堅牢度性
防錆性
基本要求特性
項
目
説
明
原
料
平滑性
チーズ、コーンからの解舒性向上
ガイド、編針に対する平滑性向上
→F/Mμd、F/Fμdの向上
高速編立のナイロンパンスト用途
・特定粘度の鉱物油
・脂肪酸エステル
制電性
合成繊維全般
特にナイロン繊維
・油溶性アルキルリン酸塩
精練性
編立後の編地、製織後の織布から油剤 ・POEアルキルエーテル
を効果的に除くこと→精練性向上→
・POEアルキルエステル
染色性向上、染色堅牢度向上
(乳化成分)
付着性
・仮撚加工の高速化→油剤の給油量に ・粘度指数向上剤
よる付着量の維持→給油ローラー回転
(高分子量ポリマー)
数増加→油剤飛散量増加→付着量の不 ・界面張力低下剤
足→曳糸性と油剤粘度(平滑性)制御
(シリコーン)
・細デニール化→細デニール糸は糸張
力が低い→給油ローラーとの接触圧が
低い→油剤の付着量が不十分→油剤界
面制御
(デニール=繊度・・・糸の太さ)
製織工程に用いる油剤
サイジング(経糸糊付)工程とサイジング剤
サイジングの目的: 製織を容易にして、「生産能率と織物品質」の向上。
製織時における経糸は、織機の運動によって大きな張力や摩擦を受ける。
経糸が、これらの外力に耐えられるようにするため糊付を行う。
糊付糸が必要とする条件
1. 耐摩耗性が向上していること
2.毛羽伏せや単繊維間の接着性が良好であること
3.強度は増加するが、適度の柔軟性があり伸度は余り低下しないこと
4.糊の付着量が適度で、かつ均一であること
5.表面が平滑であり、帯電防止がきいていること
6.糊抜き加工が容易なこと
糊
剤
適 合
繊
澱粉、PVA、CMC
綿、レーヨン、アセテート
アクリル酸エステル系、マレイン酸系
ポリエステル、アセテート
アクリルアミド系
ナイロン、絹、毛
維
サイジング助剤
・整経とは
・サイジング(糊付け)とサイジング剤
・糊剤
・油剤(サイジング助剤)
整経とは
織物の生産工程で 経糸を整える工程です。
(経編の経糸にも使用)
織物の例 通常 織物の経糸は4,000~16,000本もあり、
それらを一度に揃えようとすると4,000~16,000本もの糸本数が必要、
また、一巻きの糸量が例えば1kgとすると最低でも4トンもの糸量が必要になる。
→大変な量になる。(ポリエステル 通常一巻きの糸量は 2.5~10kg程度)
二種類の整経方法
荒巻整経と部分整経
荒巻整経:
無地織物とか生産量の多い織物に用いられる方法
例えば10,000本の経糸なら 1,000本ずつ10つのビームに巻いて(荒巻)、
それを10本まとめてビームに巻いて 織布工程の経糸とする方法。
糊付けの必要な場合は 通常この工程で糊付けする。
◇クリルtoビーム 荒巻工程で糊付けする方法 より大量生産向
◇ビームtoビーム 荒巻してからそのビーム一本一本を糊付けする方法
糸切れが多い場合に有利(糊付け対策)
利点:経糸の張力ムラが少なく 経縞になりにくい
大量生産向、コスト軽減
欠点:ストライプ柄(経柄)を作るのは困難
部分整経は、別頁
少量生産は困難
部分整経:
先染め織物などで経柄の織物や、生産ロットの少ない織物に用いられる方法
例えば1.5mの整経巾なら15cmずつ10回に分けて整経する方法。
利点:経柄を作れる
少量生産に向いている
欠点:経糸の張力ムラになりやすく経縞になりやすい
乾燥方式
スパン糸
全体糊付け
シリンダー乾燥方式(スラッシャーサイジング)が主流
フィラメント糸
部分糊付け
ホットエアー乾燥方式が主流
サイジングとサイジング剤
サイジング(糊付け)の目的
製織を容易にして生産能率を向上させる
サイジングの要点
例 フィラメント糸
・ 単繊維相互の接着性/集束性及び糸-糸/糸-金属の耐摩耗性の向上
・ 毛羽伏せ、抱合力強化、強力の増加
・ 適度の柔軟性、伸度低下抑制、平滑性とヨリ止効果付与
・ 帯電防止性、容易な糊付き
サイジング剤=糊剤+油剤(サイジング助剤)
糊材→毛羽伏せ、単繊維接着等の働き
油剤→柔軟性、平滑性、浸透性、帯電防止性の働き
サイジング剤の要求特性
・製織時 接着性良好、低粘着性、皮質形成性大、柔軟性適切、落ち糊少
吸湿性少、耐摩耗性良好、帯電性少、平滑性適切、熱可塑性適宜
・糊付時 付着量の適度な調整ができる粘度、適度な浸透性、
油剤との相溶性良好、低発泡性
・後加工 精練による容易な脱落、ヒートセット等で変質しないこと
糊
剤
糊剤の種類
天然糊剤、半合成糊剤、合成糊剤
合成繊維用糊剤 ポリビニルアルコール(PVA)とアクリル酸エステル ← 合成糊剤
ポリビニルアルコール(PVA)
性質→重合度とケン化度の程度で変化
部分ケン化物の場合
溶解性が高くなる→疎水性繊維への親和性が向上
→接着性向上→引張強さ、摩擦強さ、屈曲強さに優れる
但し、ウォータージェットルーム(W.J.L)→落ち糊に問題
部分ケン化物
完全ケン化物
アクリル酸エステル
性質→アルキル基の種類、ケン化度で変化
ケン化により、カルボキシル基の塩の割合により、水への溶解性が変化
→フィラメント糸用サイジング剤の糊剤はケン化度10~15%
→積極的な溶解性がない
→ W.J.L用サイジング剤と混合しても、PVAより問題は少ない
部分ケン化物
乾燥による脱アンモニウム→疎水化
油剤(サイジング助剤)
油剤の主成分=平滑剤成分+乳化剤成分
糊液に安定に混合+原糸に対する浸透を助長
→ サイジング糸に平滑性、柔軟性、帯電防止性等を付与
乳化剤成分の性質=基本的性質+副次的性質
基本的性質:① 湿潤性、浸透性、再湿潤性
③ 乳化性、分散性、可溶化性
副次的性質:① 平滑性、耐摩耗性
②
④
②
消泡性
洗浄性
帯電防止性
油剤の作用と効果
原糸に付着している油剤の糊液中への離脱
糊剤を繊維の間隙まで湿潤浸透
→ 糊剤で接着抱合された糸と糸との分離を容易化、
サイジング糸に平滑性と適当な柔軟性を付与
→製織工程での毛羽立ち、静電気障害防止
油剤(サイジング助剤)の作用機構
油剤の存在位置→繊維上に形成された糊剤フィルムの
表面
糊剤フィルムをスポンジ状にして、柔軟性付与
内部
界面活性剤が単独又は割合が多い場合
→繊維と糊剤との界面に存在
→糊剤の抱合力を低下
界面活性剤より平滑剤(ワックス)が多い場合
→糊剤との親和性が小さい→界面に存在
→糊剤の抱合力に阻害なし
→平滑効果を発揮
サイジング助剤と適合織物
油剤一般名称
油剤種類
A-4
助剤は、糊剤の10%以内の使用
油剤効果
適合織物
可溶化ヘット
可溶化分散
柔軟性、浸透性
レーヨン級
分散性ヘット
乳化分散
柔軟性
金巾級
分散性ヘット
粗粒子分散
柔軟性、平滑性
ポプリン、ブロード
オートサイズ型
逆乳化型分散
平滑性
ブロード、合繊混紡
不溶性ヘット
不溶性
平滑性
糊付織物全般
アフターワキシング
ワキシング
平滑性
合繊混紡
サイジング助剤・織布助剤の組成例
PW(55)硬化油(35)[多価アルコール部分エステル/エーテル型ノニオン界面活性剤/アニオン界面活
性剤](10)
PW=パラフィンワックス
PW(80)[多価アルコール部分エステル/エーテル型ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤](20)
鉱物油(90)[エーテル型ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤](10)
エステル綿混紡糸
サイジング処方例
サイジング剤
澱粉系
PVA系
澱粉類
~7~
~5~
~2~
部分ケン化PVA
~3~
~4~
~3~
アクリル酸エステル
~0.5~
~1~
~2~
油剤
~0.6~
~0.4~
~0.3~
編成工程に用いる油剤
糸染め後のオイリング剤
紡績糸又はフィラメント糸をチーズ又は綛で染色する場合、その後の工程を円滑に通す目的で、
染色後に給油する油剤
要 求
特
性
1.繊維/繊維,繊維/金属間の平滑性が優れている事.
2.適当な柔軟性を付与できる事.
3.制電性に優れている事.
4.均一な付着性を有する事.
5.耐薬品性(酸,アルカリ,無機塩類)が良好で,耐硬水性に優れている事.
6.脱水乾燥時のオイリング剤の移行性,油焼けが起こりにくい事.
7.強制循環による剪断力に対して,安定で,起泡性が小さい事.
8.染色堅牢度を低下させない事.
9.皮膚障害のない事.
10.排水の負荷が小さい事.
11.溶解が容易である事.
糸染め後のオイリング剤
主要成分
主要成分に用いられる原料
原
料
平滑成分
パラフィンワックス、マイクロクリスタルワックス、高級アルコール、シリ
コーンオイル、カルナバワックス、脂肪酸グリセライド
柔軟成分
C16~C22脂肪酸ポリアミド、C16~C22脂肪酸ポリアミド架橋物、
C16~C22脂肪酸ポリアミドの4級化物、C16~C22脂肪酸ポリアミド部分
環状化合物の有機酸塩、C16~C22アルキル第4級アンモニウム塩、脂
肪酸グリセライド硫酸エステル、アルキルリン酸塩
乳化成分
POE・C16~C22アルキルエーテル、C16~C18脂肪酸エステル、POE・多
価アルコール(部分)脂肪酸エステル、
POE・C16~C22アルキルアミノエーテル、C8~C18脂肪酸塩、
C8~C18アルキル硫酸塩
集束成分
アクリル酸エステル共重合体エマルション、ウレタンプレポリマー、変
性ポリブテン乳化物
制電成分
C8~C18アルキル硫酸塩、C8~C18アルキルスルホン酸塩、
POE・C16~C22アルキルエーテル硫酸塩、C8~C18アルキルリン酸塩、
POE・C8~C18アルキルエーテルリン酸塩、
長鎖アルキルアンモニウム化合物、
C16~C22脂肪酸ポリアミド部分環状化合物の有機酸塩、
POE・アルキルアミノエーテル、C8~C18アルキルベタイン
油膜強化成分
脂肪酸塩、高融点ワックス
要求特性
オイリング剤の組成例
平滑性大
パラフィンワックス(55)長鎖アルキルポリアミンポリアミド(10) 乳化成分
(34.5)調節剤(0.5)
パラフィンワックス/硬化油(60)長鎖アルキルポリアミンポリアミド(8)乳
化成分(32)
パラフィンワックス/硬化油(45)長鎖アルキルポリアミンポリアミド(20)
乳化成分(34.5) 調節剤(0.5)
柔軟性大
パラフィンワックス/硬化油(50)長鎖アルキルポリアミンポリアミド(35)乳
化成分(10)調節剤(5)
要求特性
ミシン糸用オイリング剤の組成例
平滑性大
パラフィンワックス(65)長鎖アルキルポリアミンポリアミド(10) 乳化成分
(15)
ジメチルシリコーン10000cst(90)乳化成分(10)
ジメチルシリコーン10000cst(90)変性シリコーン(10)
糊抜き・精練・漂白工程助剤 1
糊抜き・精練・漂白工程助剤とは
染色工程に悪影響となる物質の除去を,繊維を損なわずに実施し,染色工程の作業性向上と染色上がりの
品質向上とを行う助剤
ここで、悪影響となる物質としては、
天然繊維(木綿,原毛,麻,絹)…数%~数十%の不純物を含有.
木綿原綿の場合…綿ロウ,脂質,ペクチン,蛋白質,無機物等.
合繊・化繊(ポリエステル,ナイロン,レーヨンなど)…紡績油剤,編立油剤,製織糊剤等
糊抜き助剤
(綿織物について示す.)
酵素糊抜きの場合
澱粉に適用、pHと温度に敏感
浸漬法
要求性能
酵素作用に無害.繊維・糊剤に対する湿潤性.酵素分散性.
主剤
αアミラーゼ
助剤
アルキルエーテル型ノニオン
酸化糊抜きの場合
アルキルフェニルエーテル型ノニオン
澱粉を酸化分解する。 pHと温度で分解速度を管理する。
PVAにも使用される。 連続法に多用される。
要求性能
耐酸化性・耐アルカリ性.繊維・糊剤に対する湿潤性.
主剤
過酸化水素、次亜塩素酸、過硫酸塩、亜臭素酸ソーダ
助剤
アルキルエーテル型ノニオン
アルキルベンゼンスルホン酸Na
高度硫酸化油
アルキルフェニルエーテル型ノニオン
アルキルナフタレンスルホン酸Na
糊抜き・精練・漂白工程助剤 2
精練剤
(綿織物について示す.)
漂白工程助剤
要求性能
苛性ソーダ液を,均一に浸透させる.
綿ロウの乳化または,ケン化分解促進.
サイジング助剤乳化・分散.
ペクチン,蛋白質の集合防止と可溶化.
残存種子などの軟化・解除・分散作用の促進.
助剤
アルキルエーテル型ノニオン
アルキルフェニルエーテル型ノニオン
アルキルベンゼンスルホン酸Na、アルキルナフタレンスルホン酸Na
高度硫酸化油
キレート剤
(綿織物について示す.)
要求性能
漂白液の浸透・分解抑制
助剤
ポリカルボン酸系キレート分散剤
アルキルエーテル型・アルキルフェニルエーテル型ノニオン
ケイ酸Na・リン酸Na/ピロリン酸Na
染色工程に用いる助剤
繊 維
染 料
1
染色助剤
アセテート
トリアセテート
例
アルキル硫酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
ノニルフェノールEO付加物
フィックス剤
ジシアンジアミド-ホルムアミド系樹脂
均染剤
硫酸化油
均染剤
高級アルコールEO付加物
脱色剤
ポリビニルピロリドン
下漬溶解剤
硫酸化油
ソーピング剤
アルキル硫酸塩
反応
浸透均染剤
アルキル硫酸塩
酸性
均染剤
アルキル硫酸塩
繊維保護剤
ポリアミド系ノニオン界面活性剤
緩染・均染剤
含窒素ノニオン界面活性剤
浸透均染剤
アルキル硫酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩
分散剤
ナフタレンスルホン酸ホルムアミド縮合物ナトリウム
塩
キャリャー
炭化水素乳化物
ガス退色防止剤
芳香族アミン乳化物
硫化
バット
ナフトール
蛋白質繊維
羊毛
絹
剤
浸透均染剤
直接
セルロース繊維
木綿
麻
レーヨン
ポリノジック
キュプラ
助
含金属
直接・塩基
分散
染色工程に用いる助剤
繊 維
染 料
酸性
ナイロン
ポリエステル繊維
アクリル繊維
モダアクリル繊維
2
染色助剤
助
剤
例
緩染・均染剤
高度硫酸化油、含窒素ノニオン界面活性剤
浴中柔軟剤
ポリアミド系高分子界面活性剤
フィックス剤
スルホン化ビスフェノール
防染剤
スルホン化ビスフェノール
分散
浸透均染剤
高級アルコールEO付加物
分散
キャリャー
メチルナフタレン乳化物
アゾイック
高圧分散剤
OPP-EO付加物の硫酸エステル塩
バット
還元洗浄剤
含窒素ノニオン界面活性剤
緩染剤
第四級アンモニウム塩カチオン界面活性剤
移染剤
ベンジルピリジニウムクロライド
染料溶解剤
チオジグリコール
均染剤
第四級アンモニウム塩カチオン界面活性剤
染着濃度増進
剤
アルキル硫酸塩
含金属
カチオン
カチオン
染色工程に用いる助剤
繊 維
染 料
3
染色助剤
ポリウレタン繊維
ポリ塩化ビニル繊維
例
アルキル硫酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
ノニルフェノールEO付加物
フィックス剤
ジシアンジアミド-ホルムアミド系樹脂
均染剤
硫酸化油
均染剤
高級アルコールEO付加物
脱色剤
ポリビニルピロリドン
含金属
繊維保護剤
ポリアミド系ノニオン界面活性剤
PP用染料
染料分散剤
高級アルコールEO付加物
酸性
緩染・均染剤
アルキル硫酸塩
酸性
緩染・均染剤
高度硫酸化油、含窒素ノニオン界面活性剤
浴中柔軟剤
ポリアミド系高分子活性剤
フィックス剤
スルホン化ビスフェノール
防染剤
スルホン化ビスフェノール
分散
浸透均染剤
高級アルコールEO付加物
分散
キャリャー
クロルベンゼン乳化物
緩染・均染剤
アニオン界面活性剤
硫化
バット
ポリプロピレン繊維
剤
浸透均染剤
直接
ビニロン
助
含金属
カチオン
仕上加工工程に用いる油剤・加工剤
繊維を対象とした加工
繊維自体の変化
化
学
的
加
工
加工剤の結合・付着
による変化
微細構造の改質
膨潤作用
熱運動作用
化学構造の改質
一時結合の切断・結合
表面構造の改質
表面の損傷
成分の変化
分解溶出
繊維内部の結合・付着
側鎖による改質
架橋による改質
繊維表面の結合・付着
側鎖による改質
二次結合・付着
放射線架橋
表面の加水分解
集合体を対象とした加工
繊維・糸間の
相互位置
運動性の変化
複合物の性能付与
糸布内の繊維配列変化
部分収縮
繊維・糸間の固定化
収縮・接合・接着
繊維・糸間の摩擦性の変化
増摩作用
表面被覆
間隙の充填
充填
複合一体化
積層
ラミネート
減摩作用
面層の形成
ボンディング
繊維を対象とした加工
繊維の変化
機
械
的
加
工
繊維の形態変化
ループ、屈曲の付与
集合体を対象とした加工
集合構造の変化
表面構造の変化
緻密化
自己葡萄作用
ルーズ化
揉みほぐし作用
賦形化
押し込み作用
起毛
毛羽立ち
平滑化
整毛
絡み合せ作用
変形固定
組織の解放
圧縮作用
吸着・付着
一次結合
化学的加工 1/3
微細構造
の改質
繊維自体
の変化
化学構造
の改質
表面構造
の改質
成分
の変化
繊維を対象とした加工
膨潤作用
緩和収縮効果
可塑化・再結晶化・セット効果
マーセル化
パーチメント化
非晶化
防縮仕上
スチームセット
シルケット加工、液体アンモニア加工
オーガンジー加工
染色性向上
熱運動作用
緩和収縮効果
緩和・再結晶化・セット効果
バルキー糸
ヒートセット
一時結合の切断・結合
架橋の再編成・セット効果
重合度の低下
羊毛の化学セット
ポリエステルの抗ピル加工
放射線架橋
架橋の生成・耐熱化効果
ポリエチレンの架橋
表面の損傷
表面摩擦性の変化
羊毛の脱スケール処理
表面の加水分解
表面の化学的性質の変化
分解溶出
精製効果
アセテートの表面改質
ポリエステル低温プラズマ処理
精練・漂白
化学的加工 2/3
繊維を対象とした加工
側鎖による改質
結合基の性質に伴う改質
繊維内部の
結合・付着
架橋による改質
セット効果
防皺効果
耐熱化効果
不溶化効果
吸着・付着
吸着
付着・析出
加工剤の
結合・付着
による
変化
側鎖による改質
界面的性質の変化
二次結合・付着
界面的性質の変化
繊維表面の
結合・付着
被覆による改質
外観変化
一次結合
界面的性質の変化
セルロースのアセチル化、シアノエチル化
反応染色、グラフト重合による吸湿加工
PP加工
樹脂加工、W&W加工
ナイロンの塩化シアヌール加工
PVAのジアルデヒド加工
染色、防虫加工、絹の増量加工
羊毛の防炎加工(ザプロ)
アクリル繊維の導電加工
反応型撥水加工、シラン化合物の抗菌加工
撥水加工、撥油加工、帯電防止加工
シリコーンによる易滑加工
羊毛の防縮加工、深色加工、金属メッキ加工
金属蒸着加工、防融加工
艶消し加工、顔料染色
アクリル酸のプラズマグラフト
化学的加工 3/3
繊維・糸間
の相互位置
運動性
の変化
集合体を対象とした加工
糸布内の
繊維配列変化
部分収縮
形態の乱雑化
嵩高化
ちりめん、クレープ
バルキー糸
繊維・糸間の
固定化
収縮・接合・接着
補強効果
固定効果
硬化効果
経糸糊付、カーペットのバッキング、不織布
スリップ防止加工、漁網目ずれ防止
糊仕上、硬仕上
増摩作用
強度増加
硬化効果
紡績糸のコロイダル処理(収束性向上)
糊付
減摩作用
柔軟作用
引裂強度低下防止
柔軟剤処理、ポリエステル減量加工
樹脂加工の柔軟剤併用
間隙の充填
不通気性化
防風加工、不通気性防水加工
繊維・糸間の
摩擦性の変化
表面被覆
複合物の
性能付与
面層の形成
表面層形成による外
観・物性の変化
複合性能の付与
フロック加工
エナメルコーティング加工
多孔性透湿皮膜加工、合成皮革
非多孔性透湿皮膜加工
充填
複合一体化
補強効果
ターポリン、ゴムベルト、タイヤ、FRP
積層
ラミネート
複合性能の付与
ボンディング
両面性能の付与
フォーム・フィルムラミネート
ボンディングファブリック
機械的加工
繊維
の変化
繊維を対象とした加工
繊維の
形態変化
ループ、屈曲の付与
嵩高化、伸縮化
加工糸
集合体を対象とした加工
自己葡萄作用
フェルト化
緻密化
集合構造
の変化
絡み合せ作用
フェルト化
補強効果
通気性低下効果
ルーズ化
賦形化
起毛
表面構造
の変化
平滑化
羊毛フェルト
ニードルフェルト
ニードルパンチ(不織布)、
ウォータージェット(スパンレース)
シミリーカレンダー(ダウンプルーフ)
揉みほぐし作用
柔軟化効果
打布、揉布、カムフィット加工
押し込み作用
防縮効果
サンホライズ
変形固定
外形変化
モアレ加工、エンボス加工、皺加工
毛羽立ち
外形変化
針布起毛、エメリー起毛
組織の解放
保温性増加
毛布の起毛
整毛
外観変化
シャーリング、毛焼き
圧縮作用
外観変化
艶出しプレス、カレンダー
仕上工程に用いる加工剤
柔軟加工
柔軟加工とは、繊維に柔軟で平滑な触感と固有の風合を付与する加工。
柔軟加工剤処理と化学的・機械的処理の複合により柔軟加工を向上させる。
柔軟加工剤の繊維への付着量は、0.1~0.4wt%である。
柔軟加工剤の主要成分
カチオン
界面活性剤
長鎖モノ/ジアルキル第四級アンモニウム塩
ポリエチレンポリアミド・脂肪酸縮合物
ポリエチレンポリアミド・脂肪酸縮合物第四級アンモニウム塩
アニオン
界面活性剤
硫酸化油
長鎖脂肪(C16~C18)アルコール硫酸塩/リン酸塩
ジ長鎖脂肪(C16~C18)アルキルスルホコハク酸塩
ノニオン
界面活性剤
多価アルコール脂肪酸部分エステル
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
天然油脂(牛脂,ウールグリースなど)
両性
界面活性剤
長鎖アルキルイミダゾリニウムベタイン
長鎖アルキルアンモニウムベタイン
N,N-ジアルキルアミノプロピオン酸塩
その他の
配合成分
シリコーン樹脂
長鎖脂肪アルコール
長鎖脂肪酸
高融点ロウ・合成品
長鎖アルキロールアミド
仕上工程に用いる帯電防止加工剤
一般に合成繊維は、帯電性が大きいため糸や布の加工工程、衣服着用時に静電気を発生し、ト
ラブルの原因となる。
帯電防止加工とは、静電気をできるだけ発生させないようにするか、発生してもすぐ他に逃が
してしまう加工である。
帯電防止法には一時的に帯電防止する方法と製品になってからも帯電防止効果が持続する方
法とがある。
①界面活性剤を繊維表面に付着する方法
摩擦係数を低下させ静電気の発生を制御し、また電気抵抗を減少させて電気を逃げやすくする。
第4級アンモニュム塩型カチオン界面活性剤が最も効果大でベタイン型両性界面活性剤、
リン系アニオン界面活性剤と続く。
②後加工で繊維の表面や表層部に制電性の化合物を付着又は反応させる方法
②-1 繊維表面への金属化合物(無機物)の吸着、バインダーによる金属の固着などの方法で作られる。
これらは少量混合でも制電性が得られ、低湿度下でも効果は変わらない。
②-2 有機物を付着又は反応させる方法で、親水性モノマー(ポリエチレングリコールアクリレート)を繊維
表面にグラフト重合させたり、樹脂加工でポリエーテルポリエステル共重合物の乳化分散液の処理
などを行う。
③繊維の製造段階で制電物質を混合または共重合する方法
無機物(カーボンブラック)混合繊維、有機物(ポリエチレングリコール誘導体)混合繊維がある。
④導電性繊維そのものを混用する方法
導電性繊維として、ステンレス繊維、カーボン繊維、銅繊維などを混用してカーペットなどに制電性を付与
する。最近では帯電防止のみならずエレクトロニクス産業などにおける電磁波遮蔽用としても使用される。
仕上工程に用いる加工剤
分
アニオン
界面活性剤
カチオン
界面活性剤
類
帯電防止加工
代 表
例
備
考
スルホン酸塩
硫酸塩
低湿下効果不足、
風合良好
リン酸エステル塩
低湿下
効果不足、
防錆性良好
カルボン酸塩
廉価
アミン塩
低湿下
比較的効果有り、
変退色注意、
高価
第四級
アンモニウム塩
両性
界面活性剤
イオン的相溶性良好、
高価
ノニオン
界面活性剤
ポリエーテル型
アミノエーテル型
助剤的利用、
分散染料堅牢度↓
高分子界面
活性剤
イオン型
耐久性↑
分散染料堅牢度↓
ノニオン型
吸湿性塩類
単独使用時低濃度
では,効果低い
仕上工程に用いる加工剤
機
機能付与加工
能
主原料
含弗素アクリル酸エステル重合体
撥水・撥油加工
含弗素アルキル化合物
防汚加工
親水加工
制電加工
撥水・撥油・親水
加工
PEG変性アクリル樹脂
ポリエーテルエステル樹脂
ポリエーテルエステル樹脂
含弗素アクリル樹脂・ポリエーテルエステル樹脂
複合加工
変性シリコーン樹脂
柔軟加工
ポリエーテルエステル樹脂
ウレタンプレポリマー
平滑加工
シリコーン樹脂
アクリル樹脂
耐摩耗加工
アクリル樹脂・シリコーン樹脂
ウレタンプレポリマー
可縫性向上加工
シリコーン樹脂
酸化ポリエチレン
仕上工程に用いる撥水・撥油加工剤
含弗素アクリル酸エステル樹脂・含弗素化合物
仕上工程に用いる親水加工剤・制電加工剤・柔軟加工剤
ポリエーテルエステル樹脂
仕上工程に用いる親水加工剤
PEG変性アクリル樹脂
仕上工程に用いる柔軟・平滑加工剤
変性シリコーン樹脂
シリコーンの種類
用
途
中・低分子量ジメチルシリコーン
紡績油剤成分
コーニングオイル付着性向上剤
ミシン糸用オイリング剤
ガラス繊維成型助剤
可縫性向上剤
摩擦堅牢度向上剤
消泡剤
高分子量ジメチルシリコーン
可縫性向上剤
アミノ変性シリコーン
炭素繊維用油剤
フェザータッチ加工剤
風合改良剤 色彩改良剤
エポキシ変性シリコーン
風合改良剤
メチルハイドロジェンシリコーン
フェザータッチ加工剤
撥水加工剤
ポリエーテル変性シリコーン
不織布用親水加工剤
消泡剤
カルボキシ変性シリコーン
可縫性向上剤 乳化剤
アミノシラン
耐久向上剤 (反応性シリコーンとの組合)
エポキシシラン
耐久向上剤 (反応性シリコーンとの組合)
メトキシシラノ第四級アンモニウム
抗菌防臭加工剤
風合改良剤
乳化剤
シリコーン示性式
詳細資料リスト(配付用)
・界面活性剤の基礎知識
・繊維用油剤(産業資材用紡糸油剤、スパンデックス用油剤、炭素繊維用油剤、アクリル用紡績油剤、羊毛用紡績油剤も収録)
・繊維と繊維用油剤とに関連する分析事例
引用文献
界面活性剤の性質と応用
刈米孝夫著
発行所 幸書房
界面活性剤ハンドブック
日本油脂株式会社
高橋越民ら共編
発行所 工学図書株式会社
EMULSIONS AND EMULSION TECHNOLOGY Part I
SURFACTANT SCIENCE SERIES VOLUME 6
edited by KENNETH J.Lissant
界面活性剤の合成と其応用 小田良平
寺村一広共著
発行所 槙書店
改稿油脂化学
桑田勉著
発行所 岩波全書
界面活性剤便覧
西一郎
産業図書
最新繊維加工技術
日本繊維機械学会/新繊維加工技術編纂委員会
発行所 社団法人日本繊維機械学会
繊維油剤便覧
染色助剤研究会
発行所 繊維研究社
図説 繊維の形態
繊維学会編
発行所 朝倉書店
テキスタイルハンドブック
愛知県三河繊維技術センター発行所 三河繊維振興会
機器分析の手引き①②③④ 化学同人
新版界面活性剤分析方法
界面活性剤分析研究会編
幸書房
高分子分析ハンドブック
日本分析化学会/高分子分析研究懇談会
朝倉書店
ANALYSIS OF SURFACTANTS SURFACTANT SCIENCE SERIES VOLUME 6
edited by Thomas M.Schmitt
分析化学便覧
分析化学会編
The Systematic Identification of Organic Compounds Chapter 5
R.L.Shriner et. al.,
インターネット上の情報について、配付することはできないが、閲覧等が可能な資料は、URLリスト提供可能
関連特許情報について、既に既報告資料は、DVD提供可能
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