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「平成23年改正法対応・発明の新規性喪失の例外規定の適用を受ける

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「平成23年改正法対応・発明の新規性喪失の例外規定の適用を受ける
「平成23年改正法対応・発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための出願人の手引き(案)」
(「平成23年改正法対応手引き(案)」)に対するご意見の概要およびその回答
・意見募集の際に寄せられた審査基準に関する代表的なご質問・ご意見、及び、それに対する回答を示しました。
・とりまとめの都合上、寄せられたご意見は項目毎に分けた上適宜集約しています。
・「平成23年改正法対応手引き(案)」と直接関係しないご質問・ご意見に対してはお答えしていません。
No.
1
意見の
対象
寄せられた意見の概要
ご意見に対する回答
「平成23年改正法対応・発明の新規性喪失の例外規定の適用を 「平成23年改正法対応手引き」の公表と同時に「Q&A集」も公表
全般 受けるための出願人の手引き」に関しましても、Q&A集の作成を しました。
してほしい。
改正特許法第30条第2項の「発明、実用新案、意匠又は商標に
関する公報」に、外国の特許庁が発行する出願公開についての
刊行物や、国際事務局がする国際公開(PCT第48規則)が含ま
れるのか否か明確にしてほしい。
2
1.
改正特許法第30条第2項の「発明、実用新案、意匠又は商標に
関する公報」には、外国特許庁や国際機関が発行する公報が含
まれます。
この点について、「平成23年改正法対応手引き」の1.に説明を追
加し、「Q&A集」に関連する問を設けました。
(Q1-f:特許公報等(特許公報、実用新案登録公報、意匠登録公報、商標
登録公報等)に掲載された発明は発明の新規性喪失の例外規定の適用を
受けることができますか?)
3
1.
“留意すべき事項”欄の海外での例において、欧州の場合には6 ご意見をふまえ、「Q&A集」に関連する問を設けました。
ヶ月期限の出願日が日本出願日でなく欧州出願日であることを
(Q1-i:海外における発明の新規性喪失の例外規定の適用について教えて
明記すべき。
ください。)
4
1.
「平成23年改正法対応手引き」公表後、改正後の第30条の適用 従来から認められていた証明方法は、今後も引き続き認められ
を申請するにあたり、平成18年に公表され、平成22年に改訂され ます。
た「発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための出願人 この点について、「Q&A集」に関連する問を設けました。
の手引き」公表前から認められていた証明方法は、引き続き認め
(Q1-d:「平成23年改正法対応手引き」の公表前に認められていた従来か
られるのか。
らの証明書は、今後も「証明する書面」として認められるのですか?)
5
6
1.
「平成23年改正法対応手引き(案)」の第1頁に、「これによって、
従来適用対象とされていなかった、集会・セミナー等(特許庁長
官の指定のない学会等)で公開された発明、テレビ・ラジオ等で
公開された発明、及び、販売によって公開された発明等が、新た
に適用対象になりました。」との記載があるが、適用対象が拡大
されたことをアピールするために新たな適用対象の例を増やして
はどうか。(顧客に対する技術提案や商談によって公知になった
発明(不特定多数の人に知られた訳ではないが、守秘義務の無
い人に知られた発明)等)
「平成23年改正法対応手引き」は適用対象が拡大されたことをア
ピールすることを目的とするものではありませんし、現在の第1頁
の記載で、改正後の特許法第30条の適用対象となる例のうち代
表的なものは十分示されていると考えます。
願書の【特記事項】に記載すべき”第2項”を、誤って(法改正前
の)”第1 項”または”第3 項”と記載してしまう例が出てくると思わ
る。この場合、後で補正できること、または、”第2 項”と正しく記
載されていたとみなす運用をすることで、30 条の適用を受けられ
ることを要望する。
願書の特記事項欄の記載が明らかな誤記であると認められる場
合には、補正を行うことが可能です。例えば、改正後の特許法第
30条が適用される特許出願であることが明らかであるにもかか
わらず、誤って願書に第30条第1項の適用を受けたい旨を記載し
たような場合、第1項との記載を第2項との記載に補正することが
可能です。
この点について、「Q&A集」に関連する問を設けました。
2.1
(Q2-g:特許出願時に発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けようとす
る旨を願書の特記事項に記載しませんでしたが、特記事項の補正により追
加は可能でしょうか?
A:・・・なお、願書の特記事項に「第2項」と記載すべきところを誤って「第1
項」又は「第3項」と記載したような場合は、誤記であることが明らかですの
で、その項の番号を補正することができます。)
1
No.
意見の
対象
寄せられた意見の概要
ご意見に対する回答
出願人自らによる証明書がなくても、公証人による事実実験公正
証書があれば、十分証明になる。したがって、出願人自らによる
証明書がなくても、公証人による事実実験公正証書があれば、
例外規定の適用が認められる旨手引きに明記すべき。
7
3.1
「平成23年改正法対応手引き」の3.1には、該手引きに記載の一
定の書式に則った「出願人自らによる証明書」と同程度の内容が
記載された書面であれば、それと異なる他の書式の書面であっ
ても一定の証明力を有すると認められる旨明記しています。
したがって、「証明する書面」として公証人による事実実験公正証
書のみを提出した場合であっても、その公正証書が手引きに記
載の一定の書式に従った「出願人自らによる証明書」と同程度の
内容を有するものならば一定の証明力が認められることは既に
明確になっていると考えます。
8
3.1
「平成23年改正法対応手引き(案)」3.1 節に示された「証明する 「平成23年改正法対応手引き」にご賛同頂きましてありがとうござ
書面」の新しい考え方について、賛同する。
います。
9
3.1
補充資料の具体的例を公開行為ごとに示してほしい。特に、改 ご意見をふまえ、「Q&A集」に補充資料についての問を設け、補
正法により新しく認められるようになった行為についての例示をし 充資料の具体例を記載しました。
てほしい。
(Q3-q:証明する書面に記載した事項が事実であることを裏付けるための
資料(客観的資料や第三者の証明書等)としてはどのようなものを提出すれ
「平成23年改正法対応手引き(案)」3.1の脚注にあるように、出願 ばよいですか?)
10
3.1
人が事実を裏付けるような資料の提出を推奨されていることか
ら、資料・証明書提示の要領例をさらに充実してほしい。
例えば、少なくとも、現行の手引き集にて書面B の要領として示
されている記載内容を盛り込んでほしい。
試験内容、公開された発明の内容等の客観的証拠資料としてど
11 記載例 のような資料が必要なのか具体例を記載例に追加してほしい。
12
「平成23年改正法対応手引き(案)」の3.1の「自らによる証明書に 「自らによる証明書」において当初記載していた事実を補強する
記載した事項の範囲内」とは、どの範囲まで認められるのかを明 ものであれば補充資料として提出することが可能ですが、当該証
明書において当初記載していた事実を変更したり、当初記載して
確にしてほしい。
いた事実とは別の新たな事実を追加する補充資料を提出するこ
とは認められません。
例えば、自らによる証明書において概要のみを記載していた発
明について、より詳細な構成が記載された補充資料を提出する
ことは認められます。しかし、例えば、「自らによる証明書」には4
3.1
月1日に発明AをX学会において発表した事実しか記載していな
い場合に、出願から30日を経過した後で、5月1日に発明Aを博覧
会に出品したことを証明する資料を補充資料として提出すること
はできません。
この点について、「Q&A集」に関連する問を設けました。
(Q3-u:特許出願の日から30日経過した後に、既に提出した「証明する書
面」(出願人自らによる証明書)に記載した事項の範囲内で、それらが事実
であることを裏付けるために補充資料を提出しようと考えています。この場
合「記載した事項の範囲内」とは具体的にどのような範囲ですか?)
13
補充資料を書面以外の媒体で提出することは可能かという点を 「平成23年改正法対応手引き」の現在の記載でも補充資料が書
明確にしてほしい。
面に限定されていないことは理解できると考えますので、補充資
料は書面以外でもよい点を明記する必要はないと考えます。
補充資料として、所定の形式のマルチメディアデータを記録した
DVD等を提出することができ(※)、これらの媒体であれば、審査
官は内容を確認することができます。
なお、30条適用の可否判断における効率性・正確性の確保とい
3.1
う観点から、補充資料は可能な限り書面で提出することが望まし
いと考えます。
(※)
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/tetuzuki/t_sonota/sinriyou.
htm
2
No.
意見の
対象
寄せられた意見の概要
ご意見に対する回答
14
3.2
「証明する書面」に法人印・代表者印を押す場合、その手配に30
日という期間は出願人の負担を考慮すると十分ではないので、
出願について権限のある者の印(例えば知財部長の印)でも認
められることを希望する。
「出願人による証明書」の性質上、一定の証明力を有すると認め
られるためには、出願人の記名押印が必要です。したがって、例
えば出願人が法人である場合には、証明する書面に押す印鑑は
法人印又は法人を代表する者の印である必要があります。
15
「平成23年改正法対応手引き(案)」3.2によると「証明する書面」
は出願人が捺印することになっているが、3.2の吹き出し部分の
3.2 第2項を、例えば、「出願人による証明が原則必要ですが、それ
が困難である場合には、その旨を付して、代理人の印でも受け
付けるものと致します。」としてほしい。
16
「平成23年改正法対応手引き(案)」3.2の吹き出しの第3項の「特 ご意見をふまえ、関連箇所の記載を修正しました。
許庁に届け出がなされている印である必要はありません。」のあ
3.2 とに、記載をより具体的にするために、「例えば、登録された社名
印又は代表者の印で構いません(ただし、代表者の印の場合
は、代表者名の記載が必要となります。)。」という一文を付加し
てほしい。
17
「証明する書面」を外国語で準備するにあたり、提出すべき翻訳 「平成23年改正法対応手引き」は英訳版も作成します。
文との間に齟齬や「証明する書面」として不備が生じる可能性が
あるので、「証明する書面」の英文による記載例を追加してほし
3.2 い。
加えて、新規性喪失の例外適用の条件が緩和されることにより
在外者が適用を受けることができる機会が増えると思うので、手
引きの英語版の準備・公開もお願いしたい。
「平成23年改正法対応手引き」において、「証明する書面」の記
載例を可能な限り多く示してほしい。例えば、販売行為、テレビ等
の生放送番組への出演、さらには、新規性喪失の例外規定の適
18 3.3.6
用が認められない場合等についての記載例を追加してほしい。
法改正後の新規性喪失の例外規定の適用対象となる公開態様
には様々な態様が含まれ、その全てについて記載例を示すこと
は現実的ではないため、「平成23年改正法対応手引き」では典
型的な態様についての記載例を示すこととしていますが、ご意見
をふまえ、「販売」についての記載例を追加しました。
同一製品について継続的に問屋あるいは小売店に出荷するとい ご意見をふまえ、「平成23年改正法対応手引き」に卸売業者に販
売を行った場合についての記載例を追加しました。
う形態の「販売」についての記載例を示してほしい。
19
3.3.6
20
3.3.6 市場への販売等、”販売”による公開の場合の手続について、記
例えば、市販品の公衆への直接販売、流通経路におくことによる
載要領および記載例の充実をしてほしい。
発明に係るコンピュータプログラムをオンラインで配布する場合 「平成23年改正法対応手引き」では、3.3.3「電気通信回線を通じ
には、「販売場所又は配布場所」としてインターネットにおけるア て公開された場合(予稿集や論文をウェブサイトに掲載した場
合、新製品をウェブサイトに掲載した場合、発明した物を通販の
ドレスを記載することも許容されることを明記してほしい。
ウェブサイトに掲載した場合等)」において、公開場所としてウェ
21 3.3.6
ブサイトのアドレスを記載することができる点を明記しています。
したがって、発明に係るコンピュータプログラムをオンラインで配
布した場合に、公開場所としてウェブサイトのアドレスを記載する
ことが許容される点は既に明らかになっていると考えます。
コンピュータプログラムのオンラインでの販売・配布に関しては、
「販売場所又は配布場所」に代えて、「販売方法又は配布方法」
(例えばオンラインによるダウンロード販売、オンラインによる自
動アップデート等)の記載でも認められるようにしてほしい。
22
3.3.6
3
公開された発明が新規性喪失の例外規定の適用を受けることが
できる発明であることを証明するためには、通常、「販売方法又
は配布方法」を記載するよりも「公開場所」を記載する方が好まし
いと考えます。
しかし、公開場所を特定することが困難な場合には、「証明する
書面」における「1.公開の事実」欄の「②公開場所」を、「販売方法
又は配布方法」に変更して記載しても、公開された発明が新規性
喪失の例外規定の適用を受けることができるものであることが証
明されていれば当該規定の適用を受けることができます。
No.
意見の
対象
寄せられた意見の概要
ご意見に対する回答
コンピュータプログラムが機能A及び機能Bを備えるものであり、 機能Aと機能Bとの関連性が不明なため、一概に回答することは
特許出願に係る発明が機能Aのみに関するものであるとする。当 できません。
該コンピュータプログラムのオンラインアップデートを行う場合に 仮に、機能Aと機能Bが技術的に関連するものであったとしても、
は、機能Aに関するアップデートや、機能Bに関するアップデート 機能Bのプログラムについても発明の新規性喪失の例外規定の
23 3.3.6 が、次々に行われることが考えられるが、機能Aに関するオンラ 適用の申請をすべきか否かは、一概に判断できるものではなく、
インアップデートのみについて「証明する書面」を提出すれば足り 機能Bが機能Aに係る発明の新規性や進歩性に影響を与えるか
るのか、機能Bに関するオンラインアップデートについても「証明 どうか等を考慮して出願人が決定すべき事項となります。した
がって、このようなケースを「平成23年改正法対応手引き」に明
する書面」を提出しなければならないのか、明記してほしい。
記することはできません。
テレビ、ラジオの放送局が放送前にウェブサイトに掲載した放送 テレビ・ラジオで放送された発明が、ウェブサイトに掲載された発
予定番組の概要と、その後にテレビ、ラジオで放送した番組内容 明と同一であるか又は同一とみなすことができる場合には、ウェ
とは密接不可分の関係にあると考えられることから、当該ウェブ ブサイトに掲載された発明について「証明する書面」を提出すれ
サイトに掲載された発明とテレビ、ラジオで公開された発明とが ば、テレビ、ラジオで放送された発明について「証明する書面」の
提出を省略することができます。しかし、ウェブサイトに掲載され
同一とみなせる場合には、テレビ、ラジオでの公開については
「証明する書面」を提出することを省略することができるとしてもよ た内容よりも詳細な内容がテレビ・ラジオで放送された場合に
は、テレビ・ラジオで放送された発明は、ウェブサイトに掲載され
いと考えるが、いかがか。
24 3.3.8
た発明と同一とみなすことができない場合が多いと考えられます
ので、その場合には、ウェブサイトに掲載された発明とテレビ・ラ
ジオで放送された発明のそれぞれについて「証明する書面」を提
出する必要があります。
また、この点が分かりやすくなるように、「平成23年改正法対応手
引き」の3.3.8及び4.の記載を修正しました。
25
26
27
「平成23年改正法対応手引き(案)」3.3.8等に記載の「非公開」の ご意見をふまえ、「非公開」の意味が明確になるように「平成23年
意味が不明瞭である(守秘義務との関係がわからない)。
改正法対応手引き」の記載を修正しました。
記載例
3.3.8,
4.
4.
公開された発明が複数存在する場合において、出願人の負担軽
減の観点から、「証明する書面」の提出を省略できる発明の考え
方を広げるべきである。具体的には、”複数なされた公開の一方
から密接不可分性”があれば、仮に発明内容が同一という関係
になくても、後の公開による「証明する書面」の提出は省略できる
ようにすべき。
また、上記の考え方のもと、テレビ・ラジオ公開、販売、記者会見
等に関する複数公開についての事例を充実してほしい。
公開された発明が複数存在する場合において、特許法第30条第
2項の規定の適用を受けるための手続をしなくても新規性を喪失
しなかったものとして取り扱う発明については、出願人の負担軽
減という観点だけではなく、第三者に与える影響(第三者が、前
記手続をしていない発明に基づいて無効審判を請求するなど、
無用の争いが生じる可能性もあるため。)なども考慮する必要が
あります。
このため、特許法第30条の制度趣旨、出願人の負担、第三者へ
の影響などの様々な要素を考慮して「平成23年改正法対応手引
き」の4.を修正し、「証明する書面」の提出を省略することができる
発明の考え方をより明確に記載しました。
また、「証明する書面」の提出を省略することができる例を追加し
ました。
「平成23年改正法対応手引き(案)」4.2「二次的に公開された発
明の取扱い」には、「権利者の行為に起因して公開された発明を
知った者が、当該発明についてさらなる公開(二次的な公開)を
行った場合、二次的に公開された発明は、発明の新規性喪失の
例外規定の適用を受けるための手続きを行っていなくても、「権
利者の行為に起因して公開された発明」について当該適用を受
けるための手続きを行っていれば、特許法第29条第1項各号の
いずれにも該当するに至らなかったものとして取り扱います」とあ
る。また、「「さらなる公開」が「当該発明」についての公開とはい
えない(改良発明の公開である等)場合、その「さらなる公開」は
二次的な公開に該当しません」とも記載されている。
この「改良発明」の定義を明らかにして、どのようなときに最先の
公開以外の公開について特許法第30条の適用を受けるための
手続をしなくても新規性を喪失しなかったものとして取り扱うのか
を明確に記載してほしい。
ご意見をふまえ、「平成23年改正法対応手引き」の4.を修正し、
「証明する書面」の提出を省略することができる発明の考え方を
より明確に記載しました。
また、「証明する書面」の提出を省略することができる例を追加し
ました。
4
No.
意見の
対象
28
4.
販売した商品に係る発明が、流通過程で再度公開された場合に ご意見をふまえ、「平成23年改正法対応手引き」の4.に、販売行
は、最初の販売行為で公開された発明についてのみ「証明する 為により公開された発明が複数存在する場合において、「証明す
書面」を提出すれば足りるものとすべき。
る書面」の提出を省略することができる例を追加しました。
4.
販売行為において、直接公衆に販売するのでなく市場の流通経
路におくとき、公開先は、卸先(一次卸)と整理できる場合がある
と考
える。その場合、卸先が複数あるときにおいては、最先に卸した
日を公開日として、市場向けの流通においた旨のみ記載するこ
とで十分とすべき。
29
30
4.
寄せられた意見の概要
ご意見に対する回答
複数回学会発表したことによって、同一の発明が複数回公開さ 特許を受ける権利を有する者が同一学会の巡回的講演におい
れた場合には、最初の学会発表で公開された発明についてのみ て、同一とみなせる発明について複数回講演した場合における、
2回目以降の講演によって公開された発明については、「証明す
「証明する書面」を提出すれば足りるものとすべき。
る書面」の提出を省略することができます。一方、異なる学会で
同じ講演をした場合には、それぞれの講演によって公開された発
明について「証明する書面」を提出する必要があります。
この点について、「平成23年改正法対応手引き」の4.を修正し、
「証明する書面」の提出を省略することができる発明の考え方を
より明確に記載しました。また、「証明する書面」の提出を省略す
ることができる例を追加しました。
予稿集よりも学会発表のほうが詳細である場合に、予稿集で公
開された発明、および、学会発表で公開された発明について、そ
れぞれ「証明する書面」を提出する必要があるのかを記載例に
追加してほしい。
学会発表において公開された発明が、予稿集に掲載された発明
と同一とみなせない場合には、予稿集への掲載と学会発表のそ
れぞれについて「証明する書面」を提出する必要があります。
この点について、「平成23年改正法対応手引き」の4.を修正し、
「証明する書面」の提出を省略することができる発明の考え方を
より明確に記載しました。また、「証明する書面」の提出を省略す
ることができる例を追加しました。
31
4.
32
5.1
33
国際出願について、優先権主張を伴わないで国際出願する場合 ご意見をふまえ、「Q&A集」に関連する問を設けました。
と、優先権を主張して国際出願する場合とを分けて説明をしてほ
(Q5-f:優先権主張を伴う特許協力条約(PCT)に基づく国際出願をする場
5.1 しい。
34
35
「パリ条約の優先権の主張を伴う後の出願であっても、最も早い ご意見をふまえ、「平成23年改正法対応手引き」5.1の記載を修
発明の公開日から6ヶ月以内に出願する必要がある」という説明 正しました。
を追加してほしい。
合における、第2項の規定の適用を受けるための手続について教えてくださ
い。)
「平成23年改正法対応手引き(案)」では「原出願に際して手続を
行っていなかった公開された発明については、発明の公開の日
から6月以内に分割出願/変更出願/実用新案登録に基づく特
許出願をして手続を行えば、発明の新規性喪失の例外規定の適
5.2
用を受けることができます。」と記載されている。このように取り扱
う理由を示してほしい。
分割出願制度や変更出願制度は出願人の戦略的な権利取得を
支援するための制度でもあることから、その制度趣旨を踏まえ、
「平成23年改正法対応手引き」で示した運用をとることとしまし
た。なお、本件は、主に分割・変更出願制度についての論点であ
るため「平成23年改正法対応手引き」に記載すると煩雑化を招き
手引きの使い勝手をかえって悪くするおそれがあることから、当
該手引きに本運用をとる理由を記載することは妥当ではないと考
えます。
「意に反して」として、認められる例と認められない例の充実をし
てほしい。
(例えば、出願人は学会発表前に出願したものの、学会側が学
会発表期日より早く予稿集を公開する場合、又は一部のアブスト
ラクトをWEB上に掲載する場合など、「意に反して」の救済が認め
られるか否か明確でない。)
秘密保持契約違反などの事情があれば「意に反して」に該当す
ると考えられますが、そうでない場合は個別事案ごとに様々な事
情を考慮して判断されることになりますので、どういった場合が意
に反する公開に該当し、どういった場合が意に反する公開に該
当しないといった事例を列挙することは困難です。しかしながら、
「意に反して」公開された場合についての理解に資するよう、「Q
&A集」に関連する問を設けました。
6
(Q6-b:意に反して公開されたといえる具体例には何がありますか?)
5
No.
36
意見の
対象
寄せられた意見の概要
ご意見に対する回答
6.
公衆への販売において、(市場での流通過程においては発明が
公知にならないことを前提として、)販売日を公開日として30 条
適用の手続を行ったにもかかわらず、一部販売店が販売予定日
前に販売を開始してしまう例が生じることが予想される。この場
合には、「意に反する公知」とみなされると考えるが、出願人の理
解のため、これを記載例に加えてほしい。
秘密保持契約違反などの事情があれば「意に反して」に該当す
るといえますが、そうでない場合は個別事案ごとに様々な事情を
考慮して判断されることになりますので、ご指摘のケースを意に
反する公開に該当する例として記載することは困難です。
「意に反して」を主張する場合に、具体的にどのような書類、証拠 ご意見をふまえ、「Q&A集」に関連する問を設けました。
が必要であるのかを示してほしい。
37
38
(Q6-c:「意に反して」公開された発明である旨を意見書や上申書等を通じ
て説明しようと考えております。何を記載したらよいでしょうか? )
6.
6.
特許を受ける権利を有する者(権利者)が発明を公開した後、そ
れを第三者が冒認出願していたことが、該冒認出願の出願公開
後に発覚した。これに対して権利者が、該冒認出願について改
正特許法に基づく移転請求をする準備を進めると共に、権利者
の公開に基づいて該冒認出願が拒絶されないように、該冒認出
願に対して発明の新規性喪失の例外の適用を申請したいという
ような場合、発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けること
ができるか否かを明記してほしい。
6
特許法第30条の適用を受けるための要件の一つとして、公開か
ら6月以内に特許を受ける権利を有する者が特許出願をしなけ
ればならないという要件があります。本件における公開から6月
以内になされた特許出願は第三者により出願されたものであり、
特許を受ける権利を有する者によってなされたものではありませ
んので、当該出願は、発明の新規性喪失の例外規定の適用を
受けることはできません。
また、ご指摘のケースにおいて新規性喪失の例外規定の適用を
受けることができないことは、「平成23年改正法対応手引き」の記
載から明らかであると考えます。
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