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登録商標の使用に係る認定 陳麗媛 商標は登録により権利を取得し、それが指定した商品又は役務についての使用権を専有する他、他人 が同一又は類似の商標を同一又は類似の商品/役務に使用/登録することを禁止できる排他権も含まれ ている。商標が不当に占有され、他人の合法な使用/登録の権益に影響を与えることを防止するために、 商標法では「商標登録後に、正当な事由なくして不使用又は使用の停止が引き続き三年を経過したもの は、商標専属責任機関(即ち、経済部知的財産局)が職権又は請求によりその登録を廃止(取消)しな ければならない」と明確に規定されている。商標は一旦他人から不使用を理由とする取消審判を請求さ れれば、商標権者はその商標権を保有するために、商標を使用している具体的な証拠資料を提出しなけ ればならない。 商標法第六条「商標の使用とは、販売を目的として、商標を商品、役務又はその関連物に用い、又は 平面図形、デジタル映像音声、電子媒体又はその他の媒体に利用され、関連する消費者に商標として認 識されるに足ることをいう」という規定によれば、商標使用の方式は、商標を商品又はその包装、容器、 ラベル、吊り札、説明書、カタログ、料金表、インボイス、見積書、B/L、荷送り状、発注書、領収書、 名刺、提供する役務の営業上の関連書類又は物品(例えば、クレジットカードの申込書、顧客との往復 書簡、或いはサウナサービスの看板及びそれが提供するバスタオル)、広告印刷品、バス車体ポスター、 壁や屋外での広告看板、新聞紙、雑誌或いは他の刊行物の広告及びインターネット、電子看板、電光掲 示板、テレビ、ラジオ等による商品/役務の販促又は販売に標示すること等を包括している。 商標の使用は消費者にそれが商品の出所/役務の提供者を表彰するマークであると認識させるに足り Attorneys-at-Law るべきであり、それによって他人の商品/役務とを互いに区別することになる。いかなる方式による商 標の使用について、いずれも次の各項を適用する: 登録商標: 登録商標を全体に使用すべきである。例えば、文字と図形の組合わせにより登録された結合商標の 場合には、全体的に併せて使用しなければならない。もしその中の文字又は図形の部分を単独に使 用しようとすれば、登録商標の取消審判が請求される恐れを避けるために、別途それぞれ登録出願 を行わなければならない。 実際の需要に応じることにより、商標見本を比率、着色、字体、排列等において多少の変化を与え る場合、一般の社会通念では依然として元の登録商標と同一ものであると認識することができれば、 登録商標の使用と見なすべきである。但し、「商標の同一性」ということは、個人観点、社会経験 及び時間・空間変化によって異なる結論に至り得るので、その認定は個別案件によって決められる。 その他、商標見本を変更する時、同一又は類似の商品又は役務における他人の登録商標と同一又は 類似するものを避けるべきであり、そうしないと、登録の廃止事由に該当する可能性がある。 登録商標見本を商品説明、装飾図案又は会社名称の一部として普通の使用方式で商品に標示するも 510 のは、いずれも登録商標の使用に該当しないものである。逆に、もし登録商標が他人に商品名称又 は説明として繰り返して使用されたにもかかわらず、商標権者は積極的にそれを排除せず、消費者 にそれが商品の出所を表彰するマークであると認識させられない場合、顕著性を失う恐れがある。 他人はこれが商業上の普通使用の規定を適用し、商標使用の意図を持っていないことを理由にして 商標権の効力による拘束を受けないものであると主張することができるので、商標権者はこの点に ついて注意しなければならない。 商品/役務: 商標が表彰する商品/役務とは、商業上販売を目的とする物品又は労務者のことを指す。例えば、 ガラス瓶にジュースを入れて販売する場合、それが表彰する商品はジュースであり、ガラス瓶は単 なる商品の容器に過ぎなく、商標の使用とは言えないものである。又、例えば、服飾店で他人の衣 服商品を陳列販売する場合、それが表彰するのは衣服の小売りサービスであり、衣服商品の商標使 用に該当しないものである。 商品又は役務を販促するための贈物、例えば子供服を購買した時に差し上げる文房具、又は美容室 が街で配るティッシュペーパーは、それぞれ単なる子供服又は美容室の広告物に過ぎなく、それに 標示されている商標は子供服の商品又は美容室のサービスについての使用と見なされ、文房具又は ティッシュページ商品の使用に該当する証拠資料にならないことである。 商標を輸出品に使用する場合、商品は国内市場での販売が行われていないが、登録商標の合法的使 Attorneys-at-Law 用に該当することが見なすべきである。更に、わが国で商標権を取得した外国法人は、当該商標を 付した商品の製造を国内メーカーに委託しながら本人に交付してもらう場合、もし市場への販売を その目的とすれば、同じく商標権者の使用に該当するものである。 使用日付: 廃止(取消)請求前三年以内のものに限られる。 使用者: 商標権者及びその使用権者、再使用権者による使用証拠のみは登録商標使用の証明とされることがで きる。登録商標使用の有無又は使用停止の継続は、事実認定の問題となり、使用の事実を立証できる証 拠があれば、使用許諾及び再使用許諾が知的財産局に登録の有無を問わず、商標使用の認定に影響を与 えない。 提出される証拠資料には商標、商品/役務、使用日付及び使用者を明確に記載しなければならない。 もし完全に標示できなかったら、補助の方式を利用してこれを証明することができる。例えば、広告看 板写真と賃貸契約との組合わせ、商品カタログと販売証明(見積書、発注書、B/L、領収書等)との組み 合わせによって互いに証明する。 電子商務及びインターネットの発達に鑑み、経済活動の発展情勢及び実務によって生じる問題に対応 511 するために、現行商標法は商標使用の認定を拡大することになった。但し、商標権者が偽造の証拠を提 出することを避けるため、商標法では商標権者が商標使用の事実を立証するものは商業の取引習慣に符 合しなければならないと規定されている。知的財産局は立証の内容に疑義があると認める場合、採択し ないものとすることができるので、商標の登録出願時に、指定商品/役務が実際に使用される可能性を 考量すべきであり、登録後に廃止が請求される恐れが生じないように保護を過度に拡張しない方がよい と考えている。 以上 Attorneys-at-Law 512