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PDF/4ページ)「出所:外務省」
リビア概況 平成 23 年 8 月 外務省中東第一課 【基礎データ】 面積 176 万 km2 人口 616 万人(2007 年、世銀) 言語 アラビア語 民族 アラブ人(97%) 宗教 イスラム教(97%) 政体 ジャマヒリーヤ体制( 「大衆による共同体制」の意) GDP 583 億ドル(2007 年、世銀) 1 人当たりの GNI 9,010 ドル(2007 年、世銀) 通貨 リビアン・ディナール(LD) 為替レート 1 ドル=1.51 ディナール(2011 年 2 月) -1- 中東・北アフリカ情勢(いわゆる「アラブの春」関連) 2/15~: 各地で反政府デモ、政府による武力弾圧。反体制派は東部ベンガジを拠点に政 権側と戦闘状態。 2/26: 安保理は ICC 付託を含む対リビア制裁決議採択(1970) 。 3/17: 安保理は飛行禁止区域設定を含む決議 1973 号を採択。 3/19: 仏英米等の多国籍軍が軍事行動を開始。 3/27: 軍事行動全体の指揮権を NATO に移譲することで合意し、31 日移譲完了。 3/29: ロンドン国際会議(軍事行動参加国及びアラブ諸国等 40 以上の国、機関が参 加) 「リビア・コンタクト・グループ会合」(4/13 第 1 回於:ドーハ)(5/5 第 2 回於:ローマ) (6/9 第 3 回於:アブダビ)(7/15 第 4 回於:イスタンブール) (日本も参加) 7/24: 我が国のベンガジ調査ミッションがベンガジを訪問し、リビア暫定国民評議会 メンバーと会談。 7/28: 反体制派の軍司令官が殺害されるも背景等詳細不明。 軍事情勢 2 月 15 日にベンガジで発生した反政府デモを契機として、カダフィ政権と反体制派の戦闘が勃 発。3 月 19 日、米英仏を中心とする多国籍軍が、国連安保理決議 1973 号に則って、カダフィ 政権に対する軍事行動を開始。 多国籍軍は、トリポリのカダフィ政権拠点を攻撃。飛行禁止区域をトリポリ、ベンガジを含む リビア沿岸部全域に設定。飛行禁止区域監視、武器禁輸、民間人保護の各作戦の全指揮権は NATO が継承。NATO は 9 月末までの作戦継続を決定。 政権側と反体制派との間で戦闘継続中であり、両者間の戦況は一進一退。反体制派が掌握する 北西部の都市ミスラタや西部の山間部では、深刻な人道状況が発生している。 反体制派の動き 反体制派はベンガジを拠点に「リビア暫定国民評議会」を結成。同評議会を仏、カタール、伊 等が承認。カダフィ政権に対する圧力を強め、同評議会を政治的・経済的に支援するための国 際的連携が緊密化している。米、仏、英、伊、独等の主要国や EU がベンガジに事務所を設置 している。 資金不足等に陥っている同評議会を支援すべく、リビア・コンタクト・グループ会合(後述) の場において、 「暫定資金メカニズム」を設立し、カタール、クウェート等が資金を拠出。また、 同評議会の支援ニーズに応えるべく、伊を中心に「情報交換メカニズム」を構築。また、カター -2- ル等が、同評議会が販売する石油を購入する動きあり。 5 月、同評議会のジブリール執行委員会委員長(首相格)は、憲法制定、国会選挙、大統領選 挙の実施等を含む新しい政権樹立に向けたロードマップを明らかにした。 米国の強いイニシアティブもあり、第 4 回リビア・コンタクト・グループ会合の議長声明にお いては、同評議会を「リビアにおける正統な統治当局(the legitimate governing authority in Libya) 」として取り扱う(deal with)との言及がなされた。 国際社会の動き カダフィ政権の自国民に対する武力行使に対する各国からの非難が高まり、我が国を含む主要 国は国連安保理決議 1970 号及び 1973 号等に則って、資産凍結、武器禁輸等の制裁措置を実施。 英・カタール・伊・UAE を中心に「リビア・コンタクト・グループ会合」を開催し、①リビア における幅広い参加を得た政治プロセスの開始、②国連・AU 等による外交努力の重要性、③人 道支援の必要性等について議論(第 1 回会合:4 月 13 日ドーハ、第 2 回会合:5 月 5 日ローマ、 第 3 回会合:6 月 9 日アブダビ、第 4 回会合:7月 15 日イスタンブール) 。我が国は第 1 回会 合から参加。 ハティーブ国連特使や AU が停戦・調停に向けた取組を実施中。AU が仲介案を提示し、政権側 は受諾するも、リビア国民評議会側はカダフィ退陣が含まれていないとして同仲介案を拒否。 我が国の立場 リビア国民に対する暴力、攻撃を継続するリビア当局の対応は断じて容認できない。カダフィ 指導者の下でのリビアの将来はない。 (但し、リビアの指導者を決定するのはリビア国民である べき) 。 7月 15 日、第 4 回リビア・コンタクト・グループ会合(於:イスタンブール)に徳永政務官が 出席し、暫定国民評議会を「リビアにおける正統な対話相手(the legitimate interlocutor of the Libyan people) 」と位置づけることを国際社会に向けて表明。 なお、多国籍軍による軍事行動については、リビアにおける攻撃の下にある文民及びその居住 地域を保護することを目的として、安保理決議 1973 号に則って国連加盟国が措置をとることを 支持する立場。 在リビア大使館は一時閉館。エジプトにて業務を継続。 7月 24 日、上村中東アフリカ局参事官を団長とするベンガジ訪問チームがベンガジを訪問。 -3- 我が国との関係 (1)政治関係 (1) 外交関係樹立 (2) 公館設置 1957 年 6 月 我が方:1973 年 1 月 大使館開設 先方:1971 年 8 月 大使館開設(1980 年に人民事務所へ移行) (2)経済関係 (1) 貿易額・主要貿易品目(2009 年) 対日輸出 1 億円 まぐろ等 対日輸入 305 億円 自動車、電線、鋼管等 (2) 進出企業 18 社 (3) 2005 年 10 月、リビアにおける第 2 回新規石油鉱区入札で我が国企業 5 社が 6 鉱 区を落札。2006 年 12 月の第 3 回新規石油鉱区入札では、我が国企業 2 社が 2 鉱 区を落札。 (3)在留邦人数 約 100 名(2011 年 2 月現在) (注:退避勧告発出前) (4)在日当該国人数 48 名(2008 年 12 月現在) <参考:2000 年以降の主な要人往来(肩書きは全て当時)> リビア要人の訪日 我が国要人のリビア訪問 2000 年 2 月 ズリティニ経済貿易相 2002 年 9 月 ズリティニ・リビア国営石油公社 総裁 (第 8 回国際エネルギー フォーラム) 2003 年 9 月 シアラ副外相(TICADⅢ) 2004 年 8 月 シアラ副外相 2006 年 7 月 ガーネム・リビア国営石油公社総 裁(前首相) 2008 年 1 月 シアラ副外相(カダフィ指導者特 使) 5 月 バラーニ・リビア副外相(TICAD Ⅳ) 10 月 バグダーディ教育相 2009 年 3 月 バラーニ副外相 2004 年 6 月 逢沢外務副大臣(総理特使) 12 月 福島外務大臣政務官 2005 年 3 月 柿澤元外務大臣(外務大臣親 書携行) 11 月 日・AU 友好議員連盟北部アフ リカ訪問団(団長:尾身元科 学技術担当大臣) 2006 年 4 月 町村元外務大臣、柿澤元外務 大臣 (日本・リビア友好協会会 長) 8 月 松田内閣府科学技術政策・IT 担当大臣(総理特使) 2007 年 6 月 岩屋外務副大臣 6 月 柿澤元外務大臣(日本・リビア 友好協会会長) -4-