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第 1 章 幕張新都心の魅力向上に向けて

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第 1 章 幕張新都心の魅力向上に向けて
第 1 章 幕張新都心の魅力向上に向けて
立地企業などの東京都心部への回帰の動きがある中で、幕張新都心では、ベイエリア
における競争力の強化が喫緊の課題である。また、整備の中心的な役割を担ってきた企
業庁土地造成整備事業が平成 24 年度に収束予定であり、そうした背景を踏まえ、幕張
新都心の魅力を強化するため、昨年度、千葉県と千葉市では共同で調査事業を実施した。
その調査では、幕張新都心とこれに類する機能を有する首都圏内の都市開発地区とし
て、みなとみらい21地区(神奈川県)と臨海副都心地区(東京都)の3地区を取り上
げ、幕張新都心の魅力等の分析、国等の制度・法案や他地域の動向を踏まえ、幕張新都
心の活性化方策として、モデルプロジェクトの検討とまちづくり体制の検討を行った。
今年度は、前年度調査の結果を踏まえ、モデルプロジェクトにも挙げられた広い「街
なか空間」を活用して、持続的な活性化につながるための活用方策を検討することとす
る。
なお、検討にあたっては、課題等を整理した推進方策の案をもとに、その内容を実証
するための社会実験を行い、検証結果を踏まえ、今後の活用方策を検討するものとする。
1
幕張新都心の持つ魅力を高めるための共同調査
概要(平成 23 年度)
首都圏における幕張新都心の現状と見通し
幕張新都心と同じく首都圏に位置し、これに類する土地開発地区である「みなとみらい21
地区(神奈川県)」、「臨海副都心地区(東京都)」における大規模集客施設(パシフィコ横
浜、東京ビッグサイト)や商業機能、文化関連施設、緑地・公園等の立地状況の比較を通じ、
幕張新都心の魅力、弱みを整理、分析。
国等の制度・法案の動向
幕張新都心に影響を与えると想定される大都市圏制度や総合特区、統合型リゾートの政策動向
について、基礎的な事項を整理。
モデルプロジェクトの検討
分析した地区全体や大規模集客施設、商業施設等における魅力や課題を踏まえ、幕張新都心
における交流機能の強化による賑わいの創出の視点から、以下4点のモデルプロジェクトを検
討。
幕張新都心ブランド力向上
“街なか”利活用
都市戦略策定に向けた国内の動向等の整
理や留意点の導出、情報発信ツールの拡充
スポーツ(ランニング、サイクリング)、
文化イベントの実施可能性や行政の支援のあ
り方を検討
常時集客施設導入検討
“海辺”利活用
首都圏を中心とした文化施設の立地動向
を踏まえ、コンテンツ系及び体験型の導入
可能性を検討
海辺(公園を含む)に整備可能性のある
施設を幅広く検討
幕張新都心のまちづくり体制の検討
幕張新都心の現状及
び見通し、新たな事業
展開の可能性を踏ま
え、まちづくりのある
べき体制について、他
地区の事例などを整理
し、その必要性・方向
性を調査。
<調査内容>
○幕張新都心のまちづくりに期待されるエリアマネジメントの役
割(今後の見通し、期待される役割)
○事例研究(大丸有地区、みなとみらい21地区、柏の葉地区、
汐留地区)
○エリアマネジメント導入にあたっての課題(「つくる」から
「育てる」へ進化させた仕組、行政の継続的な関与と持続可能
な推進体制、多様な主体の参加により成長し続ける体制)
○今後の幕張新都心におけるエリアマネジメント体制の提案
2
モデルプロジェクト検討のフレームワーク
幕張新都心における特徴の整理
分野
魅力
モデルプロジェクトの
検討の視点
課題
商
業
施
設
●アウトレットの存在
●従業員・来街者あた
りの店舗数の多さ
●イオン開業
●複合商業施設の少な
さ・規模の小ささ
●魅力ある個店の連続
性不足(回遊の難し
さ)
●連たんした海浜資源
●東京湾有数の景観
●レジャー施設の不足
●海浜空間の低未利用
●複数の管理者による
公物管理と柔軟な都
市空間の利活用困難
文
化
・
緑
地
業
務
居
住
・
教
育
●本社機能の一定の集
積
●民間主体のまちづく
り活動団体の存在
●業務研究地区の統一
的な景観
●担い手間の共同事業
の少なさ
●交通事情等による主
に都心方面からの移
動利便性の弱さ
●ゆとりある都市デザ
インと居住の快適性
●高等教育機関の集積
●インターナショナル
スクールの存在
●首都圏における環境
配慮型・省エネ型都
市などの台頭
●賑わいづくりの担い
手の活動の場の不足
3
幕
張
新
都
心
に
お
け
る
交
流
機
能
の
強
化
に
よ
る
賑
わ
い
の
創
出
2
街
な
か
利
活
用
プ
ロ
ジ
ェ
ク
ト
●幕張新都心ブランド
力向上プロジェクト
→同地区における都市
戦略策定に向けて、
国内動向等を整理し
留意点を導出
●幕張新都心・情報発
信ツールの拡充
→①インターネット
②紙媒体
③拠点施設
の導入可能性を検討
→同地区での既往実績
をふまえ以下イベン
トの開催支援を想定
①スポーツイベント
*ランニング
*サイクリング
②文化イベント
*コスプレ
→地区内での実施可能
性を探るとともに行
政としての支援の
あり方を検討
’
●街なかの回遊性・賑
わい不足
●コンベンション施設
の老朽化・新たな
ニーズへの対応
●来街者がイベント中
心のため賑わいに波
が存在
幕
張
プ新
ロ都
ジ心
ェブ
クラ
トン
ド
力
向
上
→公園内に整備可能な
施設を3種の視点か
ら幅広く検討
①水際線へのアクセス
②水際線に沿った
アクセス
③景観(視覚)上の
アクセス
入4
検
討常
プ時
ロ集
ジ客
ェ施
ク設
ト導
→首都圏における文化
施設の立地動向を踏
まえた上で、以下2
機能の導入可能性を
検討
①コンテンツ系
②体験型
プ
ロ
ジ
ェ
ク
ト
3
‘
大
規
模
集
客
施
設
●コンベンション施設
の存在と高機能性
●野球スタジアムとい
う非日常空間の機能
●集客施設のイベント
目的の来街者の存在
●施設と連動した音楽
イベント等の存在
●自動車利用の利便性
地
区
全
体
1
’
●首都圏・アジアの旺
盛な都市開発に伴う
相対的な競争力低下
●都市としての認知度
の低下
●都心部からの交通ア
クセス、遠いイメー
ジの固定化
●歩行者の少なさ
‘
●職・住・学・遊一体
型都市
●成熟した都市空間
●広幅員の歩車道
●街並み・治安の良さ
●空港からのアクセス
海
辺
利
活
用
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