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平成 26 年 10 月決算特別委員会質問 高木勝利 観光・集客戦略の更
平成 26 年 10 月決算特別委員会質問 高木勝利 観光・集客戦略の更なる強化、子どもの貧困対策の 2 点について質問致します。 昨年 3 月福岡市では「福岡に行きたい」「何度でも行きたい」と誰もが思う笑顔と魅力 溢れる「世界 NO.1 のおもてなし都市・福岡」の実現という大きな目標を掲げ福岡観光集 客戦略 2013 を策定しました。 高島市長も「福岡を訪れる人を増やすことが経済の活性化につながり都市全体に潤いを もたらす」と述べられており、観光・集客戦略の更なる強化について伺ってまいります。 1.始めに観光・MICE に関わる観光費のうちからコンベンション施設の維持経費を除い た過去 3 年間の決算額について、特に平成 25 年度の観光プロモーションの決算額は主に どんな事業でそれぞれの決算額はいくらだったのか伺います。 本年 1 月 5 日に第 1 回目の放映が始まった大河ドラマ軍師官兵衛は第 50 回目の 12 月 14 日の最終回までいよいよ大詰めとなりました。 九州経済調査会の推計によると軍師官兵衛の福岡県への経済効果は 169 億円、宿泊・日 帰りを合わせ本年の観光客数は 138 万人増えると試算しています。宿泊・飲食・お土産な どの観光消費が 104 億円の増加、この直接効果は 94 億円で波及効果は 75 億円との推計で す。軍師官兵衛効果が大きかったことを物語りますがどの都市でも大河ドラマ効果は絶大 であるものの放映終了後にいかに観光客を増やす施策を打ち出せるかが大きなカギとな ります。 2.そこで平成 25 年まで過去 5 年間の福岡市への国内外からの観光客数の推移について お伺いします。また黒田家最後の居城である福岡城には福岡城むかし探訪館という観光客 の回遊拠点となる施設がありますが平成 25 年度と比較して大河ドラマ放映中の 26 年度の 利用者の伸び率をお伺いします。更に大河ドラマ終了後の 27 年度以降には集客にどう取 り組まれるのかお伺いします。 また平成 24 年 3 月 24 日に運行を開始した福岡オープントップバスは福岡観光の顔とし て定着してきたと思います。 3.福岡オープントップバスの乗客数と乗車率の推移について平成 24 年度と 25 年度の比 較、26 年度の推移についてお伺いします。また乗車された方からどういう声が寄せられ ているのかお伺いします。 自然の風や福岡の空気を直接感じられて素晴らしいという意見が多数を占めると思い ますが、私はオープントップバスに乗られた方からマイナス面の意見を頂戴しました。そ の方はご高齢でもあり乗車の当日はたまたま雨が降っており出発前から肌寒い天候だっ たそうです。関西からせっかく福岡に来たからと思い切って乗車しましたが案の定、走り 出した途端雨が強くなり合羽は着てはいましたが寒くてたまらず風邪をひき体調を崩し、 悪い思い出しかありませんとのことでした。 1 また福岡市内の観光スポットを巡る西鉄の周遊バスぐりーんも残念ですが先月末で終 了したばかりです。 一方、今年は大河ドラマ放映に合わせて 1 月から旅行代理店による福岡市博物館や福岡 城址を巡り官兵衛ゆかりの地福岡を満喫できるバスツアーが企画されております。 4.福岡を訪れる観光客が年々増加し続けている現状であり、観光・集客の戦略として雨 天時や寒さが強い時期でもご高齢者の方や乳児連れの方、体が不自由な方なども安心して 乗車できるよう数年前まで運行していた定期観光バスの再開や歴史資源を巡るバスツア ーの継続などが今こそ必要であり事業者との協議を進めるべきと考えますがご見解を伺 います。 また昨年タイやマレーシアからの訪日 VISA が免除され、今後インドネシアについても 免除されることもあり訪日外国人旅行者数は日本全体でも大きく急伸し今後もさらに大 幅増加が見込まれます。 5.日本全体への訪日外国人旅行者数の総数と東南アジアからの入国者数及び伸率の推移 について過去 3 年間の比較でお示し下さい。福岡への傾向についてもお聞きします。 観光庁によると外国人旅行者が日本に来る目的として 1 位は食事、2 位がショッピング であり本年 4 月から 6 月期の日本国内で消費する 1 人当たりの旅行支出は平均約 14 万 4 千円、前年同期比で 32.6%も増えており、日本人が国内旅行をする際の消費額平均約 5 万 円に比べ消費額は約 3 倍にもなります。 この訪日外国人の日本での消費をさらに喚起するために外国人が買物をする際の免税 対象は家電、衣服、カバンなど 1 万円以上の物に限られていたものを、今月から食料品、 飲料品、化粧品、薬品など 5 千円以上の消耗品全体に拡げられ福岡市での観光消費の拡大 が期待されます。ただし、免税店の登録には税務署の許可が必要で、パスポートの提示を 受け購入記録を作成することや食料品は中が見える特殊な袋で密封することになってお り受入環境整備が必要です。福岡市には大変多くの外国人観光客が来られており地元の小 売店舗にとっても大きなチャンスが生まれるはずです。 6.免税店登録、免税手続きの時間短縮、外国語対応力強化など地元小売店舗などをサポ ートする仕組みを福岡市でも強化すべきと考えますがご見解を伺います。 福岡に来られる東南アジアからの観光客も年々増加している現状で特にマレーシア、イ ンドネシアなどイスラム人口が多い国からの観光客が増えており、日本での食事を一番楽 しみにしていることを考えればハラル対応の強化が避けられません。 ハラルとはアラビア語でイスラム教の教義にのっとって許可されたという意味で戒律 にのっとりイスラム教徒が口にできない豚肉やアルコールなど一切使用してないことを 意味します。 7.福岡市でも本年 3 月からイスラム圏からの観光客向けにハラル対応の飲食店など 22 店舗を紹介する福岡市ムスリムフレンドリーガイドを作成していますがこの内容と利用 2 者の反応をお聞かせ下さい。またこの情報をホームページでも公開し福岡に来られた方が スマートフォンなどで閲覧できるよう早急に整備すべきと思いますがご所見を伺います。 イスラム教徒は全世界人口の四分の一にも上ると言われておりこれらの国々から急激 に多くの観光客が日本を訪れている現状もあり国内各都市で様々なハラル対応が進んで います。 横浜市ではイスラム教徒に向けてホームページとフェイスブックで英語版の横浜観光 情報サイト内に専用ページを設け、市内在住のムスリムが薦めるレストラン、観光ショッ プ、モスクなどを紹介するとともにイスラム圏からの留学生がフェイスブックで観光情報 などを発信しています。また京都市ではイスラム教徒でも楽しめるハラル対応の和食店情 報を 4 か国語でホームページに紹介、熊本市は本年 4 月自治体で初めてマレーシア政府機 関ハラル産業開発公社と協力関係を結ぶ覚書を締結するなど対応強化を進めています。 他の自治体でもハラル対応に取り組む企業への支援として認証取得、イスラム圏での試 験販売、食品など輸出拡大に向けた施設整備の支援やハラル化粧品の事業化、イスラム圏 からの留学生を招いてのモニターツアー実施など様々な支援に乗り出しています。 8.現在 16 億人のムスリム人口は 2030 年には 20 億人を突破し、市場規模は 1000 兆円と の試算もある中ハラル対応については大変重要であり福岡市としても強力に支援を進め るべきと考えますが今後どう取り組まれるのかご所見をお伺いします。 福岡空港への国際路線の誘致は大変重要です。発着枠拡大のため福岡空港滑走路増設の 審議も進められています。 9.国際線誘致拡大にどう取り組まれるのか、特に以前は定期路線を持っていたムスリム 人口が多いマレーシア線、インドネシア線などの就航再開を急ぐべきと考えますがご見解 を伺います。 また 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え全国知事会は推進本部 を設置し合宿地や文化事業などの誘致促進が図られます。各都市でもすでに事前キャンプ の誘致を目的としたプロジェクトチームの立ち上げや、福岡県でも 9 月議会の補正予算で 東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致関連事業として 1,200 万円が計上さ れ候補地スポーツ施設などの実態把握や海外向け PR ホームページの作成、誘致に向けた シンポジウム開催などが進められます。 日本の国内各都市や周辺国との誘致合戦となることは必置であり一昨日福岡市とスウ ェーデンオリンピック委員会との間で、全国で初めて事前合宿地に関する調印を行ったと ころですが今後も誘致を更に促進すべきです。 10.東京オリンピック・パラリンピック関連の誘致にどう取り組んでいかれるのかお伺い します。 また開催前後も含めて選手を応援する方々が観戦や観光を目的に全世界中から東京に 3 来られます。 11.その方々に対し福岡に来てもらうためオリンピック関連の PR ホームページを立ち上 げるなどアピールが重要ですがどのように取り組まれるのかご見解を伺います。 先日高知県庁を訪問し観光施策について聞いてきました。 高知県では高知県観光特使制度を平成 17 年度から開始しており高知県にゆかりがある 方に PR や情報発信を依頼し、認知度とイメージ向上、観光客の増加につなげています。 本年 7 月末現在で 422 名が任命され、高知に赴任した企業の支店長さんなどが過半数、著 名人が 3 割です。高知県観光特使の名刺を持ってもらい名刺の裏側には県外観光客のため に高知城、県立美術館、中岡慎太郎館など 23 施設が記載されており、県外在住の方がそ の名刺を提示した場合 5 人まで無料で入場ができる無料入場券となっています。 12.そこで福岡市内で福岡市関係の入場料が必要な主な施設とその料金をお尋ねします。 福岡市関係の有料施設だけでも市内に 12 カ所ありこの特典付の観光特使の制度につい ては福岡を大いにアピールできますし将来的には必ず観光集客につながると思いますの で検討を進めるよう要望しておきます。 高知県では観光客への満足度調査をした結果、宿泊、食事などでは 80%近くが大変良い または良いと回答した一方で公共トイレについては少ない、汚いなどで 50%の満足度とい う結果でした。 そこで平成 24 年 7 月からおもてなしトイレ認定制度を開始し現在 620 カ所の観光施設、 宿泊施設、コンビニ、店舗などが認定されておりステッカーを目印に観光客が安心して利 用できます。またトイレマップを作成して WEB で公開されます。 福岡市の観光ルートは都市部中心であるためか平成 23 年の福岡観光魅力アップ調査で はトイレに関する要望はそれほど多くないようですが反面、国内外の観光客から博多駅、 空港、博多港などの交通施設の乗り場情報などが少ないとの意見が出ています。バスや電 車、地下鉄が張り巡らされている福岡市は初めて観光に来た方にとっては複雑に感じてい ると思います。 13.国内外から来られた観光客の方が各種公共交通手段を活用して効率よく気軽に観光を 楽しんでいただくために、高知県がトイレマップを作成し WEB で公開するように福岡市で もバスや地下鉄の乗り場案内を充実させスマートフォンなどで閲覧可能な幅広い情報提 供する取組みを進めるべきと思いますがご所見を伺います。 リクルートリサーチセンターが実施した宿泊旅行の目的は何かという問に、地元のおい しいものを食べるが第 1 位であり、おいしい食べ物が多かったランキングでは高知県が 2010 年から 2012 年の 3 年連続 1 位となっています。 この現状がわかっていながら行政が個別のお店などの紹介ができないという課題を何 としても解決しようと食を前面に出した誘客戦略で食と言えば高知というイメージを定 着させるため実施したのが高知家の食卓県民総選挙 2014 です。 4 地元がお薦めする店はどこかという情報は観光客が一番欲しがっているのになかなか 入手できない実態があったのに対し高知県民がお薦めするお店はここという紹介が可能 になります。選挙の内容は県全域の飲食店舗を対象に店舗名、おすすめ料理名、おすすめ 理由を記入してもらい県広報誌に投票用紙のハガキを印刷し全家庭に配布。3 店舗まで推 薦できることとし郵送か各役所に投票箱を設置。投票者には抽選で特産品カタログ 5000 円分を 100 名にプレゼント。平成 25 年 12 月 25 日から約 1 か月間を投票期間とし 5166 店 舗中で 1.05%の 54 店舗が選出されています。併せて支店長オススメ選挙も実施。県外に 本社があり接待などで県外の人を連れて行く機会が多い企業の支店長ならではの名店を 支店長オススメグルメ店として 6 店舗同時に掲載。 そして出来上がったのが高知家イチオシグルメガイド 2014 でエリア別の人気上位店の 計 60 店舗のイチオシ料理、店内写真、県民推薦コメント、地図などが掲載されています。 県担当者は観光客のニーズにズバッと答えることが大命題でありそこに一歩踏み込むた めに県民総選挙を実施。おそらく県外の観光客はたどり着かないと思われる店やガイドブ ックでもあまり紹介されてない名店もありますと胸を張っていました。 福岡市でも食に関しては決して負けてはいません。国内からも海外からも誰もが福岡で の食を楽しみにしています。先月市議会全会一致でふくおかさん家のうまかもん条例が成 立しその実効性をより高めていくことが求められます。また和食がユネスコ無形文化遺産 登録になったことや今年 7 月にミシュランガイド福岡・佐賀 2014 の発刊は大きな追い風 であり更に強烈に福岡の食をアピールする観光・集客戦略が必要です。 14.例えば福岡市民が自信を持ってお薦めする「とっておきの店」や「本当は教えたくな い店」などのグルメガイド情報を是非とも作成すべきです。ご見解を伺います。 市長は福岡観光集客戦略 2013 で市民・企業の皆様と一緒に福岡を盛り上げることも大 きな目的であり福岡の魅力を皆さんとともに磨きまた自らも福岡のファンになることで 国内外からの訪問客を温かくもてなしていただきたいと言われました。 15.高島市長に本日ご提案しました内容を是非お含みいただき市民が一丸となって世界 NO.1 のおもてなし都市福岡を実現するためのご決意を伺います。 5 2 点目の質問に入ります。子どもの貧困対策推進法が本年 1 月に施行され政府は 8 月 29 日、子どもの貧困に関する大綱を策定しました。「日本の将来を担う子どもたちは国の一 番の宝である。貧困は子どもたちの生活や成長に様々な影響を及ぼすがその責任は子ども たちにはない。子供の将来が生まれ育った環境に左右されることのないよう必要な環境整 備と教育の機会均等を図る子どもの貧困対策は極めて重要である。」と意義付けています。 私も女子中学生のお孫さんを持つおばあちゃんからの相談を受けました。母子家庭だっ た女子中学生の母親が再婚しその後まもなく子どもを出産、母親は心の病もあり新しい父 親も怪我などの理由で仕事をしておらず生活保護受給世帯です。子どもが生まれてからは 両親とも女子中学生のことはほとんど相手にしない児童虐待の一つのネグレクト状態で 年頃の本人も新しい父親との同居などで精神的にも不安定で学校にもほとんど行くこと ができず経済的理由も重なり高校進学など考えられず女子中学生の将来を悲観しての訴 えでした。おばあちゃんや母親のご兄弟も協力し何とか高校だけは行かせてやりたいと、 学校やえがお館などに何度も足を運び相談にのっていただいているものの複雑な状況が 絡み合っており本当に解決が難しいケースです。自分の意志ではなくこのような環境にお かれた子どもたちを何としても守るのは私たち大人の責任であると強く思っているとこ ろです。 日本の 17 歳以下の子どもの相対的貧困率は 2012 年で 16.3%と過去最高値を更新、これ は経済協力開発機構 OECD 加盟国 30 か国中 4 番目に高い水準です。6 人に 1 人の子どもに 相当します。特に母子家庭などひとり親世帯の困窮が目立っており、2009 年の子どもが いる現役世帯の相対的貧困率は 14.6%だったのに対し、ひとり親世帯では 50.8%と、2人 に 1 人以上が貧困状態に陥っており 30 カ国中で最悪水準という現実です。 厚労省はこうした家庭では経済的事情で子どもが進学を断念せざるを得ないケースも 多くその結果安定した仕事に就けず社会人になってからも困窮から抜け出せないといっ た親から子への貧困の連鎖を断ち切るための総合的対策が必要としています。 1.まず生活困窮という観点から、福岡市での平成 20 年度と 25 年度の生活保護受給者数、 受給世帯数、保護費について伺います。 厚労省は生活保護受給者数 216 万人、受給世帯 160 万世帯と過去最高に膨らんでおり、 来年 4 月に生活困窮者自立支援法をスタートさせます。保護要件に満たない予備軍ともい われるケースも 40 万件以上とみられ、各自治体は住居、就労、家計、貧困世帯の子ども の学習支援など様々な就労や自立に関する自立相談支援事業を行うことになります。 2.生活保護受給者や困窮者の自立・就労支援強化は第 2 のセーフティーネットとしても 大変重要であり福岡市での就労支援の現状、相談窓口の現状についてお聞かせ下さい。 横浜市中区では生活保護受給者の就労を目的に仕事チャレンジ講座を開催しており 2 か月間で挨拶、一日の行動予定作成など生活の日常リズムを整えることから始め、履歴書 の書き方、模擬面接など社会講座、清掃道具の扱い方の実技講座を行っています。その後 実習を経て終了後ケースワーカーらが受講者に集中的に就労支援を行い 2012 年度は 2 か 6 月講座を 5 回実施、修了者 77 人中 51 人が就労に至っています。 3.親が懸命に働く姿を子どもに見せることは貧困の連鎖を防ぐためにも大変重要であり 福岡市でも生活保護世帯や仕事がない生活困窮者の方などを対象に就労に結び付ける講 座の開催や就労に至るまでの集中的な支援など更に強化すべきと考えますがご見解を伺 います。 平成 23 年度の生活保護世帯の高校進学率は 89.5%、一般世帯は 98.2%で約 10 ポイント 低くなっており厚労省は生活保護世帯の子どもや親を対象に高校への進学率向上などを 各自治体を通じて積極的取り組むよう求めています。 4.福岡市の生活保護世帯の子どもの高校進学率を一般世帯との比較でお示し下さい。 平成 24 年度に子どもの学習支援事業を実施した 15 福祉事務所、4 道府県、5 指定都市 の生活保護世帯の高校進学率は 94.7%と 25 年 3 月現在の全国の保護世帯平均 89.9%より 4.8 ポイント高くなっています。埼玉県では 2010 年度から生活保護世帯への自立支援と して生活保護世帯の中学生に教員 OB や大学生ボランティアが学習教室、高校進学率が開 始前の 86.9%から 10 ポイント増の 97%に向上する成果をあげており今年度からは高校生教 室も実施されます。 政府も今回の大綱で大学生や教員 OB らが無料で学習を支援する中学校を 700 校から 5000 校にする目標を掲げています。 福岡市では子どもの学びと居場所づくり事業として生活保護世帯の小学 1 年生から中 学 3 年生までの子どもたちを対象に市内 4 中学校区で NPO に委託して週 1 回無料の学習教 室を開催しています。 5.この事業の登録者数、参加者数、高校進学率、市内全体の保護世帯の子どもの数、そ の割合についてお示し下さい。 この福岡市の事業は参加していた子どもたち全員が高校進学できたという素晴らしい 実績を残しており大変有効な施策です。一方でこの事業への登録割合はわずか 2.5%であ り大半の子どもたちは登録の機会すらない現状です。 福岡市では保護世帯の子どもに就学や進路等の相談を受ける相談支援員の設置やケー スワーカーとの随時カンファレンスを行うなど課題解決も進めていますが経済的に学習 塾に通えない子どもへの学習支援は大変重要です。 6.子どもの貧困や貧困の連鎖を断ち切るためにも現在実施している 4 中学校区の学習教 室を是非とも拡充すべきです。また大学生や教員 OB などによる学習支援は地域との連携 を充分に図り進めるべきです。来年以降どう取り組まれるのかお伺いします。 次に教育行政に関する観点から質問します。 今回の大綱ではスクールソーシャルワーカーを全国で現在約 1400 人から今後 5 年間で 1 万人の配置を目指すとし既に文科省の来年度予算概算要求では今年度の 3 倍の 4200 人 7 に増やすと盛り込まれています。 7.スクールソーシャルワーカーはどういう資格や経験を持ちどんな役割を担っているの かお聞きします。 子どもの貧困問題は単に家庭の経済状況が苦しいということだけでなく親の心や体の 病気、社会からの孤立、養育すること自体が困難など複雑に絡み合うため福祉と教育など に精通した人材が求められます。 8.スペシャリストであるスクールソーシャルワーカーの福岡市への配置状況について、 また配置拡大と資質向上にどう取り組むのか伺います。 家庭の経済的な理由により進学をあきらめていた子どもたちに希望を持たせ社会の担 い手に育てることが重要であり、政府も 2014 年度予算案に年収 250 万未満の新高校 1 年 生向けに返済不要の給付型奨学金を創設しました。 9.福岡市教育振興会での平成 25 年度の高校生向け奨学金の実態と決算額について、10 年前と比較してどういう傾向なのか、また今年から開始された奨学給付金の市立高校 4 校 の認定状況についてもお聞きします。 子どもたちが家庭の経済状況により高校進学は無理、大学進学などとんでもないと諦め てしまう前にできるだけ早い時期から、例えば高校や大学進学時には日本学生支援機構や 福岡市教育振興会の奨学金など、どんな条件でどんな種類の奨学金があるのかを教えるこ とが重要です。 10.私も市民の方から高校進学などのための奨学金のご相談をお受けしますが、早い時期 から子どもや親へ奨学金の種類やシステムの周知を行うためにどう取り組むのかお伺い します。 今回の大綱の重点施策として貧困の連鎖を断ち切るため、学校をプラットフォームとし た総合的な貧困対策を行うとしています。学校教育による学力保障や要保護児童対策地域 協議会との連携など、子どもと一番身近で接する機会が多い学校の役割は極めて重要とな ります。 11.子どもの貧困対策として今後どう取り組んでいかれるのか教育長のご決意を伺います。 次はひとり親家庭への支援という観点から伺います。 冒頭述べましたように子どもの貧困の中でも特にひとり親家庭の貧困率は 50%を超える 深刻な状況です。本年 4 月 16 日にひとり親家庭の子育て支援をする関連法が改正され母 子家庭だけであった母子寡婦福祉資金貸付金を今月からは父子家庭にも拡充されます。 12.ひとり親世帯が受け取ることができる児童扶養手当の決算額、受給者数について、近 年の推移をお聞きします。また福岡市の母子家庭、父子家庭の世帯数、就業率及び正規・ 非正規の割合について伺います。 8 ひとり親は子育てと仕事の両立が難しく、特に母子家庭は就業率、正社員の率共に低い 現状です。母親がパートなど不安定な非正規雇用につかざるを得ないケースが多いことが 貧困の要因ともなっています。 埼玉県では母親が看護師や保育士などの資格取得のため職業訓練を受ける間の生活支 援である高等職業訓練促進給付金について女性相談員による細やかな相談体制で平成 22 度 158 人、23 年度 199 人、24 年度 228 人が資格取得、就職に結びつけています。本年 4 月の法改正ではこの給付金に税金を課さないことともなりました。 13.福岡市でも低所得者からの脱却のため、細やかな相談体制と周知徹底で高等職業訓練 促進給付金を更に活用すべきと考えますが現況と今後の取り組みについて伺います。 本年 4 月から全国自治体で初となる明石市こども養育支援ネットワークが開始されて います。離婚時の子どもの権利を守るための支援であり、離婚時は夫婦間の協議が中心に なり子どもの問題は後回しにされがちという現状があるため「子どもの養育に関する合意 書」と「子ども養育プラン」の二種類の様式を市が作成し親に養育費や面会交流の取り決 めを促す取り組みです。 14.福岡市でも各区役所に離婚相談や離婚の届け出に来られた場合、法務省や養育費相談 センターなどが作成している養育費や面会交流の案内パンフを配布すべきであり、明石市 のように福岡市でも様式を作成しホームページへの掲載も含めて是非検討すべきと考え ますがご見解を伺います。 国の現行制度上、婚姻歴のない母親は寡婦とみなされず所得控除が受けられません。保 育料、市民税などは控除後の額で決まるため同じ母子家庭に比べ経済的負担が大きくなっ ています。 15.例えば非婚母子世帯の年収が 200 万、300 万、400 万の場合、寡婦控除があるかない かにより 3 歳児の保育料はいくらの差になるのか、対象者は何人位か伺います。 非婚の母子家庭でも婚姻歴のある母子家庭でも子どもの貧困対策という観点を第一優 先で考えれば差があってはならないと思います。政令市 20 市中 11 市が実施している現状 をしっかり認識しなければみんなにやさしいまちとは言えません。 16.非婚母子世帯対する寡婦控除のみなし適用の対象者は 143 人と大変少数であり実施を 決断すべきと考えます。ご見解を伺います。 先日子どもの貧困・社会排除問題から子どもを守る先駆的な施策を実施している荒川区 自治総合研究所から話を聞いてきました。 荒川区長が区政は区民を幸せにするシステムであり、区政の目標は幸福実感都市あらか わを目指すことと定め、平成 21 年からいち早く全庁的プロジェクトとして子どもの貧困 に取り組んでいます。 また、小学 5 年生から中学生まで全小中学校で学習支援を行っているあらかわ寺子屋は全 9 国的にも名を馳せた取り組みです。 子どもの貧困本部会を設置し行政の縦割りを打破するため、区長がトップに立ち司令塔 となってそれぞれの課題に対しケース会議を行うなどし、子どもの貧困問題に関する全庁 的な施策 90 項目を掲げています。支援部署の横断的な連携強化、スペシャリスト育成、 地域の見守り、支えあい、助け合いのネットワーク構築など大変参考になる取組みです。 17.最後に福岡の子どもたちの未来を守るため大人の責任である子どもの貧困問題解決の ため高島市長の強いリーダーシップのもとでの各局横断的な対策協議会を設置すること や子どもの視点に立った施策の実施が今こそ必要です。市長のご見解を伺います。 10