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空冷式屋外設置型

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空冷式屋外設置型
取扱説明書
冷媒:R404A
空冷式屋外設置型
(インバーター)
製品形式
HCSV22
もくじ
1. はじめに ...................... 1
お使いになる前に、
この取扱説
明書をよくお読みの上、
正しく
ご使用ください。
4. インバーター冷凍機としてのご注意 .. 5
5. 代替冷媒
(R404A)
の概要 ......... 6
6. インバーター冷凍機とは ........ 7
7. 施工概要 ...................... 9
8. 製品仕様 ...................... 10
10. 据え付け工事上のご注意 ........ 12
11. 配管工事上のご注意 ............ 15
12. 気密試験・真空引き・
冷媒封入時のご注意 ........ 18
13. 電気配線工事上のご注意 ........ 21
14. 冷凍機の制御 .................. 25
15. 試運転時の手順・ご注意 ......... 39
16. 引き渡し時の指導 .............. 47
17. 保守点検のお願い .............. 47
運転・管理
18. 警報システムの設置について .... 50
19. 冷凍機の保証条件 .............. 51
20. 運転データ記入シート .......... 52
その他
この取扱説明書は本冷凍機を使用して工事・保守・
修理される方と、本冷凍機を日常運転管理される方
のために作成したものです。正しく工事していただ
き、性能を十分発揮させ、安全で事故のない運転を
していただくために必要な基本事項を記載してあり
ます。
工事された方は日常運転される方へ、使用方法およ
び守るべき基本事項などについて、十分ご説明願い
ます。
設備設計・工事
9. 使用範囲 ...................... 12
様子がおかしくなったときや、
わからないことがあった
ときにお役に立ちます。
3. スクロール冷凍機としてのご注意 .. 4
共通・一般
2. 安全のため必ずお守りください .. 1
このたびは、
三菱重工コンデンシングユニットをお買い
上げいただき、まことにありがとうございます。
1.
はじめに
●この製品は日本国内向け一般冷凍・冷蔵用の冷凍機です。
●動植物、精密機器および美術品の保存など、特殊用途には使わないでください。
●次のような場所へ設置しないでください。冷凍機が故障する原因になります。
・ 油(機械油も含む)の飛沫・蒸気の多い場所。
・ 温泉地など硫化ガスの多い場所。
・ 可燃性ガスの発生・流入などの恐れがある場所。
・ 海岸地帯の塩分の多い場所。
・ 酸性またはアルカリ性の雰囲気の場所。
●電磁波を発生する医療機器などを使用するときは、冷凍機の誤作動防止に注意してください。電磁波の発信面を冷凍機の電気品
箱に直接向かわない位置に据え付けてください。
電磁波の空中伝播の影響をさけるために、電磁波を発信する機器は、冷凍機から6m以上離してください。
●冷凍機や電源線から出るノイズの影響を避けるために、ラジオなどの受信機は冷凍機および電源線より少なくとも 6m以上離して
ください。
2.
安全のため必ずお守りください
●ここに示した注意事項は、「 」、「 」に区分しています。特に、誤った取り扱いをしたときに死亡および重傷などの
重大な結果に結び付く可能性が大きいものを「 」の欄にまとめて記載しています。しかし、
「 」の欄に記載したも
のでも、状況によっては重大な結果に結び付く可能性もあります。いずれも安全に関する重要な内容を記載していますので必
ずお守りください。
記号の意味
取り扱いを誤ると、使用者が死亡また
は重傷を負う可能性が想定できる場合
を示します。
取り扱いを誤ると、使用者が傷害を負
う可能性および物的損害のみの発生が
想定できる場合を示します。
禁止事項を示します。
強制事項を示します。
特定しない一般的な使用者の行為を指示する表示
です。
強制事項を示します。
必ずアース線を接続するように指示する表示で
す。
1 設備設計・工事される方へ
●この「安全のため必ずお守りください」をよくお読みの上、据え付けてください。
●お読みになった後は、お使いになる方がいつでも見られる場所に必ず保管してください。
据付工事・電気工事・試運転について
●据付工事は、
販売店または資格のある専門業者に依頼してください。
また、
電気工事には資格が必要です
ので、
資格のある電気工事業者に依頼してください。
お客様自身で据付工事・電気工事をされて不備があ
ると、
水漏れ、感電および火災の原因になります。
●据付工事はこの
「取扱説明書」
に従って確実に施工してください。
「取扱説明書」
の記載と異なる据付工事
をし、
据え付けに不備があると、水漏れ、感電および火災の原因になります。
●冷凍機の質量に十分耐える所に確実に据え付けてください。強度が不足していたり、据え付けが不完全
な場合は、冷凍機の転倒や落下によるケガの原因になります。
●屋内や冷蔵庫に設置するときには、万一冷媒が漏れても限界濃度を超えないように対策してください。
酸素欠乏の原因になります。
-1-
据付工事・電気工事・試運転について
●電気工事は、
「電気設備に関する技術基準」
「
、内線規程」
およびこの
「取扱説明書」
に従って施工し、
必ず専
用回路を使用してください。
この
「取扱説明書」
の記載と異なる電気工事をし、
電源回路の容量不足や施
工に不備があると、感電および火災の原因になります。
●電気工事業者によるD種接地工事をしてください。また、アース線は、ガス管、水道管、避雷針および電話
のアース線に接続しないでください。アースが不完全な場合は、感電および火災の原因になります。
●漏電遮断器を取り付けてください。漏電遮断器が取り付けられていないと、感電および火災の原因にな
ります。
●配線の端子は規定トルクで確実に締め付けてください。端子の締め付けが不完全な場合には、
端子接続
部が発熱することによる感電および火災の原因になります。
●配線は、所定のケーブルを使用して確実に接続し、端子接続部に外力が伝わらないように確実に固定し
てください。
接続や固定が不完全な場合は、火災の原因になります。
●現地配線施工時には、
ネズミなどの小動物に現地配線がかじられることのないように配慮して施工して
ください。配線をかじられると火災の原因になります。
●冷媒配管の洗浄には、燃焼性や毒性のない洗浄液を使用してください。アルコールやエーテルなどの可
燃性物質を使用すると爆発および火災の原因になります。
●冷媒配管の洗浄は、屋外または十分な換気ができる場所で実施してください。酸素欠乏の原因になりま
す。
また、
付近に火気があると、有毒ガスが発生する原因になります。
●冷媒配管の洗浄液にフロン類を使用した場合は、洗浄後に回収してください。フロン類をみだりに大気
に放出することは法律で禁止されています。
●ろう付け作業前に、周囲の可燃物を排除してください。火災の原因になります。また、作業場所に消火器
を準備してください。
●気密試験を実施してください。冷媒が漏れると酸素欠乏の原因になります。
●バルブ類はすべて銘板や取扱説明書の指示に従って開閉してください。
特に高圧のガス側のバルブにつ
いては、
必ずバルブが開の状態であることを確認してください。
閉の状態で運転すると高圧圧力が異常
上昇し、爆発の原因になります。
●冷媒を取り扱うときには、
皮手袋を着用してください。
冷媒が直接手にかかると、
凍傷の原因になります。
●気密試験などをする場合には、窒素ガスを使用してください。酸素やアセチレンなどの可燃性ガスを使
うと火災および爆発の原因になります。
●冷媒サイクル内に指定冷媒以外の冷媒、
空気およびプロパンなどの可燃性ガスを混入させないでくださ
い。冷凍サイクルが異常高圧になり爆発および火災の原因になります。
●保護装置および安全装置の設定値を変更しないでください。
設定値を変えると冷凍機の破裂および発火
の原因になります。
●可燃性ガスの漏れる恐れがある場所へ据え付けないでください。
万一ガスが漏れて冷凍機の周囲に溜る
と、発火の原因になることがあります。
●よく換気してください。万一冷媒が漏れると、
酸素欠乏の原因になることがあります。
●排水溝工事を確実に施工してください。機器に付着した霜が溶けて水滴となり、周囲を濡らす原因にな
ることがあります。
●取扱者以外の人が触れないように、表示をするか保護柵などで冷凍機を囲ってください。誤使用による
ケガの原因になることがあります。
●仕様の範囲内で冷媒サイクルを製作してください。
仕様の範囲を逸脱して冷媒サイクルを作ると、
破裂、
発煙、発火および感電の原因になることがあります。
●サービスバルブを開けると冷媒が噴出します。このとき冷媒を浴びたり、裸火に冷媒ガスが触れるとケ
ガの原因になることがあります。
-2-
2 日常運転管理される方へ
●ご使用の前に、この「安全のため必ずお守りください」をよくお読みの上、正しくお使いください。
●サービスは当社認定の資格者または当社指定店の専門サービスマンが実施する必要があります。
運転中に
●冷凍機のカバーやパネルを外したまま運転しないでください。
内部に電気品があるため通電部分に触れ
ると感電の原因になります。
●資格者以外は配管接続部をゆるめたり、外したりしないでください。冷凍機の配管内には冷媒が封入さ
れているため高圧になっています。資格者以外が作業すると重大な事故の原因になります。
●製品および電気配線の改造や変更をしないでください。重大な事故の原因になります。
●空気吹出口の保護網は取り外さないでください。また、空気吹出口や吸込口に指や棒などを入れないで
ください。ファンが内部で高速回転していますのでケガの原因になります。
●停止操作をしても冷凍機が停止しない場合、
ただちにすべての元電源を切ってください。
感電、
火災およ
び爆発の原因になります。このような場合は、ただちにお買い上げの店または当社にご連絡ください。
●冷媒が漏れたときは、ただちに運転を停止して元電源を切り、ストーブなどの火気を消して床面を掃く
ようにして換気したうえで、
お買い上げの店または当社にご連絡ください。
冷媒は、
火気に触れると有毒
ガスが発生する原因になります。
また、
冷媒は空気より重いため、
床面付近をおおい酸素欠乏の原因にな
ります。
●異常(こげ臭いなど)時は、
ただちに運転を停止して元電源を切ってください。異常のまま運転を続ける
と故障、感電および火災などの原因になります。お買い上げの店または当社にご連絡ください。
●保護装置がたびたび作動したり運転スイッチの作動が確実でない場合、
ただちに元電源を切ってくださ
い。漏電または過電流の可能性があるため、感電、火災および破裂の原因になります。
●機械部に物を載せたり、
手を入れたりしないでください。
内部でファンが高速回転していますので、
発熱
およびケガの原因になることがあります。
●可燃性のスプレーを近くで使用したり、可燃物を置かないようにしてください。スイッチの火花などで
引火し、発火の原因になることがあります。
その他
●電源コードを傷つけたり、
加工したり、
無理に曲げたり、
引張ったり、
たばねたりしないでください。
また、
重いものを載せたり、挟み込んだりすると、電源コードが破損し、火災および感電の原因になります。
●配線コネクターは、先端のプラグを持って外してください。コードを引っ張って抜くと芯線の一部が断
線し、発熱することによる発火の原因になります。
●万一火災が発生した場合は、すべての電源を切ってください。感電および爆発の原因になります。
また、消火は油・電気火災用消火器を使用してください。
●お手入れの際の足場はしっかりしたものを使用してください。転倒によるケガの原因になります。
●長期の使用で据え付け台などが痛んでいないか定期的に点検してください。
痛んだ状態のまま放置する
と冷凍機の落下によるケガの原因になります。
●掃除や設備点検のときは、必ずスイッチを停止にして電源を切ってください。ファンによるケガおよび
感電の原因になることがあります。
●冷凍機の上に乗ったり、
ものを載せたりしないでください。
転倒、
破損および落下などによるケガの原因
になることがあります。
●凝縮器のフィンに直接手を触れないでください。ケガの原因になることがあります。
-3-
その他
●凝縮器を洗浄した洗浄液は回収し、
適切な処理をして廃棄するか、
専門処理業者に委託してください。
そ
のまま廃棄すると、環境汚染の原因になることがあります。
●露出している配管や配線に触れないでください。火傷および感電の原因になることがあります。
●高温部に触れないでください。
圧縮機、
凝縮器および配管などは 100℃以上になっている部分があり、
触
れると火傷の原因になることがあります。
●濡れた手で、
電気部品に触れないでください。
またスイッチを操作しないでください。
感電の原因になる
ことがあります。
●漏電遮断器は定期的に動作を確認してください。
漏電遮断器を故障のまま使用すると漏電のとき作動せ
ず、感電および火災の原因になることがあります。
●長期間ご使用にならない場合は、安全のため電源を切ってください。発熱および発火の原因になること
があります。
修理・移設・廃棄について
●修理技術者および専門業者以外の人は、絶対に分解したり、
修理・改造しないでください。分解および修
理・改造に不備があると、異常動作によるケガ、感電および火災などの原因になります。
●移設はお買い上げの店または資格のある専門業者に依頼してください。
据え付けに不備があると水漏れ、
感電および火災の原因になります。
●冷媒であるフロン類をみだりに大気中に放出することは法律で禁止されています。したがって、冷凍機
を廃棄する場合は冷媒を回収する必要がありますので、
お買い上げの店、
または資格のある専門業者に
ご相談ください。また、
冷媒が漏れると、酸素欠乏の原因になります。
3.
スクロール冷凍機としてのご注意
本冷凍機に搭載している圧縮機はスクロール式で多くの特長を持つと共に、工事、保守およびサービスをする上で常識的な事柄で
従来のレシプロ式とは異なったところがあります。
詳細はそれぞれの項で説明してありますが、最初に基本的な項目を確認していただき、工事および取り扱いをされますようお願い
いたします。
1 スクロール圧縮機は逆転不可
2 スクロール圧縮機は全体が高温
従来レシプロ式は回転方向は問いませんが、スクロール
式の回転方向は一方向です。
運転中および停止直後は高温になっていますので、特に
保守・サービス時には注意してください。
3 スクロール圧縮機の油は高圧側
特に保守・サービス・試運転時の油の封入、
排出時には注意
してください。
使用中のご注意
法律に従ってスクロール冷凍機を据え付け
し、使用してください。
洗浄液の廃棄は法の規定に従って処分して
ください。
①「高圧ガス保安法」
を遵守してください。
②「電気設備の技術基準」を遵守してください。
③電源回路には漏電遮断器を施工し、より安全な保護機
能を持たせてください。万一の漏電時の感電事故が防
止できます。
熱交換器の洗浄液および不凍液などを下水に廃棄せず、
法の規定に従って処分してください。
詳細はお買い上げ
の店にご相談ください。
-4-
4.
インバーター冷凍機としてのご注意
1 進相コンデンサーは取付不可
・ インバーターは進み位相になっていますので、
進相コンデンサーを取り付けると逆に力率が悪くなります。また進相コ
ンデンサーが破損する可能性がありますので絶対に取り付けないでください。
2 ノイズによるトラブルを避けるためのご注意
・ アース配線接続を必ず実施してください。
①接地は必ず専用接地とし、
電動機、変圧器などの大電力機器との共通接地は絶対に避けてください。単に感電防止が
目的で多くの機器が接続されている接地線や、鉄骨などの接地も避けてください。
②接地工事は、D種接地(接地抵抗100Ω以下)を実施してください。
③接地地点はできるだけ冷凍機の近くにし、距離は極力短くしてください。
・ 本冷凍機の電源線と他機器との電源線は別系統にしてください。
・ 電磁波を発生する機器の付近に据え付ける場合は、電磁波放射器の発信面が直接製品本体の電気箱に対向しない位置
に据え付けてください。
3 他機器への電波障害を避けるために
・ インバーター運転により、電源線にはノイズが乗りますので、
隣接する機器類に影響を及ぼす場合があります。
この影
響によりノイズクレームが発生しないように以下の事項に注意してください。
①本体および電源配線と受信機器は6m以上離してください。
②電源配線を金属管で施工してください。また、金属管には必ずアースをとってください。
③本体および他の受信機器には各々単独で必ずアースをとってください。
4 取り扱いについてのご注意
・ 配線工事のあと、電気部品端子と大地間を500Vメガーで計って1MΩ以上あることを確認してください。ただし、電子回
路部(直流回路)の絶縁抵抗の測定はしないでください。
・ 冷凍機の電源を切ってもしばらく(1分程度)は残留電荷があるため高電圧がかかっています。危険ですので、インバー
ター基板上のLED2が消灯するまでは電気部品に手を触れないでください。
-5-
5.
代替冷媒
(R404A)
の概要
1 代替冷媒の概要
R404A適用製品は、オゾン破壊係数0の冷媒として、HFC類を組成する冷媒R404Aを採用した冷凍機です。以下にR22と代替冷
媒の特性の相違および関連する内容概要を記載します。
なお、代替冷媒製品はR22用製品とは互換性がありませんので、施工に際しては適用冷媒の種類を仕様銘板などで確認して
ください。
〔表示例〕
R404Aとしての留意点
R404A適用製品の判別
R404A適用製品については、
前面カバーにR404A
適用製品であることの表示をしています。
なお、R22製品とは、互換性がありませんので、注意してください。
代替冷媒の特性
冷媒R22(組成:HCFC類)と代替冷媒(HFC類)R404Aとの施工上の主な相違点は、表1の内容になります。
表1.R22とR404Aの施工上の主な相違点
No.
項 目
R22
R404A
1
冷媒の組成
単一冷媒
混合冷媒
2
構成分子
塩素を含む
塩素を含まない
3
鉱油、アルキルベン
ゼン油との相溶性
相溶性あり
相溶性なし
4
圧力特性
凝縮圧力はR22に
比べさらに上昇
―
変更になる主な項目
→冷媒封入方法
→冷凍油(アルキルベンゼン油からエーテル油に
変更)
→冷媒ガス漏れ検知器変更
→従来の冷凍機油は使用不可
→気密試験圧力などの変更
→計測機器類・工具類の変更
→冷媒配管材質・肉厚の変更
混合冷媒である。
代替冷媒であるR404Aは混合冷媒になります。
組成成分
R125
R143a
R134a
重量比率割合
44%
52%
4%
R404A
塩素を含まない冷媒である。
HFC冷媒の最大の特性(オゾン破壊係数を0とすることから塩素を含まない。)であり、製品面からの弱点としては塩素によ
る圧縮機の摺動部の潤滑性が低下することが上げられます。
このため摺動部の材質変更、冷凍機油を従来のアルキルベンゼン油からエーテル油への変更、樹脂材の変更などをすること
になりました。これに伴い圧縮機も代替冷媒専用の圧縮機になります。
また、冷媒漏れ試験に使用されている冷媒ガス漏れ検知器も鋭敏な感度のものが必要になります。
従来使用してきた冷凍機油とは相溶性がありません。
これも、冷媒がHFCに変更になることに伴い、従来の冷凍機油(アルキルベンゼン油)とは相溶性が無く、相溶性のある合成
油(エーテル油)を採用することになりました。
従来の冷凍機油(アルキルベンゼン油)を使用した場合、圧縮機より吐出された冷凍機油が冷凍サイクル内で停留し、圧縮機
に戻らず圧縮機の摺動部の潤滑性を低下させ、焼損原因になる恐れがあります。
圧力特性が上がってくること。
冷凍サイクル運転圧力が異なります。
それに伴い、気密試験圧力、冷凍サイクルを構成する機器類および計測機器類・工具類についても気密試験圧力・耐圧試験圧
力または作動圧力などの設定圧力値も変更になります。
また、冷媒配管の材質・肉厚の変更も伴います。
-6-
6.
インバーター冷凍機とは
1 概 要
インバーター冷凍機とは、インバーターにより容量制御をする冷凍機のことです。
他の容量制御付冷凍機としては、マルチ冷凍機がありますが、これは複数台の圧縮機を搭載し、この圧縮機を台数制御
により容量を変えるのに対し、
「インバーター」と言う電子技術を用いて圧縮機の回転数を変えて容量制御をするもので、
容量を変える手段は違いますが、
「 冷凍機の冷却容量を負荷に応じて変化する」目的は同じです。冷凍機の場合、この負荷
が多い、少ないは圧縮機の吸入圧力により検出し、吸入圧力が高い場合は負荷が大きいと判断し、冷却容量を上げるよう
にします。
インバーターの回転数制御は圧縮機の台数制御よりも、小刻みな容量変化が可能なことが特長です。したがって、蒸発
器は極力複数台とし、各々の液電磁弁を個別に制御することが効果的な運転になります。
2 構 成
(1)据え付け関係から見た構成
一般に、冷凍機は屋外側、蒸発器は屋内側に設置され、それぞれ冷媒配管を接続し冷凍サイクルを構成します。電気関係
では、
屋内側に冷凍機用、蒸発器用のブレーカーおよび蒸発器用の動力を制御する開閉器などが収納された動力盤、必要
により冷凍装置を遠隔で操作および監視するための遠隔表示操作盤により構成されます。
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-7-
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(2)制御関係から見た構成
①運転周波数制御
吸入圧力センサーで検出した運転吸入圧力はユニットコントローラーに入力され、ここであらかじめ設定された基
準運転圧力と比較され、これによりインバーター側に運転周波数の指令を出します。インバーターは指令された周
波数を作り圧縮機へ供給し回転数を変化させます。
これが主な制御で以下これに関連した制御を簡単に記載します。
②吐出ガス過熱度制御
吐出ガスサーミスター
(温度検出器)
により検出した運転吐出ガス温度は、
ユニットコントローラーを経由し、
高圧圧
力センサーにより入力された高圧圧力との関係で決まる過熱度により液インジェクション流量弁(電子流量弁)の
開度を変え、吐出ガス温度を最適に制御します。
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(3)インバーターの説明
インバーターとは、
直流電圧から任意の周波数の交流に変換する部分を指しますが、
一般には商用電源から直流電
圧に変換する(コンバーター)部分も含めてインバーターと呼びます。
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7.
施工概要
据付工事の流れと施工上の留意点<冷媒配管工事・気密試験・真空乾燥・冷媒追加封入>
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留
意
事
項
1.従来のR22適用製品と代替冷媒適用製品は全く互換性はありません。
2.直接冷媒に触れる計測器・工具はすべて代替冷媒専用としてください。
ただし、R407Cとエーテル油(FVB68D出光興産製)の組み合わせで使用している
工具については共用が可能です。
-9-
8.
製品仕様
寸法図・仕様表
-10-
構造図
-11-
9.
使用範囲
本冷凍機の使用範囲は下表のとおりです。
(連続定格)
項 目
単位
冷 媒
仕 様
R404A
蒸発温度
℃
-45~-5
吸入側圧力
MPa
0.00~0.42
吸入ガス温度
℃
18以下
吐出ガス過熱度
℃
10以上
吐出ガス温度
℃
120以下
周囲温度
℃
-20~40
電源電圧
―
3φ200V±10%以内
電圧不平衡率
―
2%以内
最低始動電圧
―
170V以上
留
意
事
項
①吸入ガス配管には十分な断熱を施してく
ださい。冷凍用で75mm、冷蔵用で50mm程度
の断熱材が必要です。吸入配管と液配管と
を接触させると熱交換し過熱運転の原因
になりますので避けてください。
②腐食性雰囲気では使用しないでください。
③吸入ガス過熱度が5~40℃の範囲になるよ
う現地施工をしてください。
10.
据え付け工事上のご注意
1 搬入時のご注意
冷凍機を吊り上げて搬入する場合は、安全上次の点を必ず確認してください。
(1)冷凍機は下図のとおりに吊り上げてください。
(2)ロープと冷凍機との当たり面は、ダンボールなどをあてて、冷凍機を保護
してください。
(3)吊り上げ時は、万一の事故防止のため、冷凍機の下側に入らないよう注意
してください。
(4)本品の質量(製品質量)
運搬、搬入には十分注意し衝撃を与えないようにしてください。
吊り上げ方法
-12-
型 式
梱包質量
HCSV22
120kg
2 据え付け場所の選定
冷凍機は次の場所を選んで据え付けてください。
(1)空気吸込口および吹出口のスペースが不十分な場合、空気が十分吸い込まれず性能が低下するとともに、種々のトラブル
の原因になります。また、機械の点検保守が容易にできるサービススペースも必要です。下記に示すスペースを確保して
ください。
連続設置(2台以上)
単独設置
上面開放
上面開放
OO
OO
਄
ユニット間には300mm
の間隔が必要。右端、
左端ユニットの外側
は開放のこと。
両側面が開放の場
合の背面のスペー
スは150以上で可。
਄
એ
એ
એ
਄
એ
એ
਄
਄
吹出側に障害がある場合の設置
(左右開放時)
●A寸法は下表のようになります。
*
਄
એ
Aの寸法は右表
を参照してく
ださい。
.
L
0<L≦1/2H
1/2H<L≦H
A
600以上
1200以上
#
風向ガイド(AG-264)を必ず使用してください。
風向ガイドは風が上向きに吹き出すように取り付けてください。また、吹き出した風が他の機器と干渉しない
よう注意してください。
(2)空気が再循環しない乾燥した風通しのよい場所。
(3)日光や他の熱源から直接ふく射熱を受けたり冷たい北風が直接吹きつけない場所。やむをえず直射日光を受ける場合
には、日除けなどで日光が当るのを防いでください。
(4)冷凍機から発生する騒音が近隣に迷惑をかけない場所。
(5)吹出空気が観葉植物や隣家の窓に吹き付けない場所。
ᣇะ
ᒝ㘑ߩ
(6)強度が十分で安定した場所。
(7)ほこりや紙くずなどが熱交換器に吸い込まれないような場所。
็಴
(8)降雪地帯では雪除けの屋根、囲いおよび防雪フードなどを必ず取り
ߒ
付けてください。
(9)できるだけ逆風(プロペラファンに向って吹く風)のない場所。屋上
や周囲に建物などがなく、強い風が製品に当たることが予測される
場合には、製品の吹出口に強い風が当たらないように製品の据え付
け向きを変えるか、防風セット(WSP-264)を取り付けてください。
(10)油、塩分(海岸地方)および硫化ガス(温泉地方)などが多い場所は避けてください。
(このような特殊な場合で使用すると故障の原因になります。ご使用の場合は特殊な保守が必要になります。)
(11)電磁波を発生する機器の付近に据え付ける場合は電磁波放射器の発信面が直接冷凍機の電気品箱に対向しない位置
に据え付けてください。
(12)ノイズの空中伝播の影響を避けるため、電磁波を発信する機器との距離、またラジオなどの受信機より少なくとも6m
以上離してください。
(雑音が入る可能性があります。)
-13-
3 据付工事
(4)アンカーボルトに固定例
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OOએਅ
(1)アンカーボルトによる固定
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(2)打込ボルトによる固定例
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冷凍機が傾いたり騒音が出たり、または突風や地震など
で倒れないよう基礎工事を十分にして、しっかり固定し
てください。
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(5)壁面に固定を追加する場合
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単位:mm
A
B
C
D
E
F
HCSV22
850
315
530
(550)
355
385
125
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寸法
機種 (3)アンカーボルト取り付け寸法
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※寸法を確保していただければ、縁石などの土台との
干渉なく下配管工事ができます。
※※最大550mmのピッチまで対応可能です。
(6)積雪地域への冷凍機の据え付け
積雪地域での冷凍機の据え付けは次のような処置をしてくださ
い。
①降雪について
冷凍機の空気吸込口をふさいだり、
雪が入り込んで内部で凍結
しないよう、防雪フードを設けてください。
②積雪について
多雪地域では積雪により空気吸込口をふさぐことがあります
ので、その地域の積雪量に応じて、予想される積雪量より50cm
以上高い架台を冷凍機の下部に設ける必要があります。
③風や吹雪および吹き溜まりに対して、
冷凍機の周囲に堀や建物
がある場合、吹き溜まりや落雪により、冷凍機が埋まってしま
う恐れがありますので、十分な距離を確保してください。 -14-
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11.
配管工事上のご注意
1 一般的なご注意
冷媒配管工事の設計施工の良し悪しが冷凍装置の性能や寿命およびトラブル発生に大きな影響を与えますので、以下に示す
項目に従って設計・施工してください。
(1)冷却器や各接続配管などは内部にごみ、水分など
がないように十分洗浄乾燥したものを使用してく
ださい。冷媒配管の切断には必ずパイプカッター
を使用し、接続の前には窒素またはエアブローし、
管内のほこりを吹きはらってください。
(ノコギリや砥石などの切粉の多量に発生する道
具類の使用は避けてください。)
(2)配管のろう付け時は窒素ガスブローをし、酸化ス
ケールの発生を防止してください。
(3)フレアナット締め付けの際は、必ずダブルスパナ
で規定の締め付けトルクで締め付けてください。
(4)冷却器と本機の配置は、本機を下方にする場合の
高低差は5m以内、本機を上方にする場合の高低差
は20m以内にしてください。
また、冷却器と本機との接続配管長は50m以内にし
てください。
(高低差・配管長が基準を超える場合は、配管サイ
ズアップなどの特別な処置が必要になることがあ
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⹣‛
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締め付け
トルク
φ6.35(1/4")
20N・m
φ9.53(3/8")
40N・m
φ12.7(1/2")
60N・m
φ15.88(5/8")
80N・m
φ19.05(3/4") 100N・m
配管サイズ
留
意
事
項
ります。)
࠳ࡉ࡞ࠬࡄ࠽૞ᬺ
フレアナットを締めすぎない。
フレアナットを締め付けすぎると、
経年でフレアナットが割れ、冷媒漏
れが発生することがあります。
指定のトルクで締め付けてください。
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(5)吸入配管と液配管は断熱材を介して直接接触しない
よう配管してください。
ๆ౉㈩▤
(6)
出荷時、
冷凍機には防錆用ガスを0.05~0.1MPa程度封
入してあります。水分や異物の混入を防止するため
に、配管接続直前までは開放しないでください。
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-15-
R404Aとしての留意点
(1)冷凍サイクル圧力(気密試験圧力、運転圧力など)がR22に比べ約1.2倍高くなります。
施工上の注意
◎冷媒配管の肉厚は使用冷媒、配管サイズに合っているかを確認し、選定が必要です。また、配管の材質によっても
異なります。
(2)R404Aでの冷凍サイクルの場合、冷凍機油がエーテル油になり、従来の R22とアルキルベンゼン油の組み合わせの冷
凍サイクルに比べ吸湿性が増し、その結果スラッジ(水和物)の生成や、冷凍機油自体も酸化しやすい傾向になります。
そのため、水分、ゴミなどの不純物の浸入を極力押さえるため、冷媒配管工事にあたっては従来にもまして、より一層
の基本管理が必要です。
施工上の注意
◎ゴミおよび水分が混入しないよう配管の保管および養生を徹底してください。
◎ろう付け時は、酸化スケールの発生を防ぐため必ず窒素ブローを実施してください。
2 吸入配管、
液配管
(1)接続配管径
冷媒配管は現地で調達してください。配管接続部を下表に示します。
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寸法
型式
HCSV22
接続配管径(mm)
吸入配管
液配管
φ19.05
φ12.7フレア
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ធ⛯㈩▤ᓘ
(2)吸入配管
①配管サイズは通常、冷凍機接続口の銅パイプ先端径に合わせてください。
②吸入配管の横走り部は下り勾配(1/200~1/250)を付けてください。また潤滑
油をスムーズに戻すため、横走り部のトラップは避けてください。本冷凍機と
低圧機器の高低差が5m以上ある場合は、小さなトラップを設けてください。
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(3)液配管
①液電磁弁は膨張弁直前に取り付けてください。
冷凍機付近に取り付けると、ポンプダウン容量を不足させ高圧カットする恐れがあります。
②液配管が他の熱源の影響を受け過熱されると、フラッシュガスが発生し冷却不足のトラブルの原因になります。液配管
はできるだけ冷たい部分を通してください。万一高温場所を通るときは液配管に断熱施工をしてください。
3 ホットガス配管
(1)ホットガス配管の取り出し
ホットガス配管の取り出しは、吐出ガス配管途中の配管を取り外し接続してください。冷凍機内には出荷時に 0 . 0 5 ~
0.1MPa程度の防錆用ガスが封入されていますので、ろう付け前に放出してください。
(2)断熱施工について
ホットガス配管は常時、高温になっているため、
人が容易に出入するような場所に据え付けるときは配管に断熱施工をし
てください。
(断熱材の耐熱温度は130℃以上のものを使用してください)
(3)高圧圧力調整弁の取り付け
ホットガス除霜などで過渡的に吐出圧力が下がり、圧縮機の給油不足が生じる場合が考えられます。高圧圧力調整弁
(ダンフォス製KVRなど)を取り付け、吐出圧力が1MPa以下に下がらないようにしてください。
-16-
4 配管系統図
-17-
12.
気密試験・真空引き・冷媒封入時のご注意
1 気密試験
冷凍サイクルが完成したら、配管の断熱施工の前に「高圧ガス保安法」に基づき装置全体の気密試験をしてください。気密
試験圧力は設計圧力以上の圧力にしなければなりません。本機の設計圧力は高圧側 3.0MPa、低圧側1.7MPaです。
高圧側チェックジョイントおよび低圧側チェックジョイントから高圧側低圧側の順に窒素ガスを封入し、気密試験を実施
してください。
(チェックジョイントの位置は 2 真空引きの図参照)
必ずリークディテクターまたは発泡試験液でガス漏れがないかチェックしてください。漏れチェック時に使用する発泡試験
液には、化学反応によりアンモニア(NH 3 )を発生させないものを使用してください。下表に推奨発泡試験液を記載します。
また、成分の不明確な一般の家庭用洗剤を発泡試験液として使用しないでください。
作
業
順
序
留
意
事
項
推奨発泡試験液
冷媒配管工事終了
窒素ガス加圧
圧力降下チェック
合格
漏れ個所チェック修正
発泡試験液
製造販売元
スヌープ
ニュプロ(米国)
ギュポフレックス
横河商事(株)
本冷凍機の高圧圧力および低圧圧力は、制御基板上のセグメントに表示されます。基板への通電がない状態では圧力値
が表示されませんので、圧力値確認の際は、高圧側および低圧側チェックジョイントへゲージマニホールドを取り付け
て確認してください。
(チェックジョイントの位置は 2 真空引きの図参照)
2 真空引き
装置内の真空引きは必ず真空ポンプを使用してください。
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R404Aとしての留意点
R404Aとエーテル油の特性から、従来のR22での冷凍サイクルに比べ水分の吸湿性が高くなります。水和物生成および冷
凍機油の酸性劣化の観点から、十分に真空乾燥をする必要があります。
施工上の注意
1.真空引きは 真空度-0.1MPa以下まで到達後 2~3時間、十分に時間をかけてください。
(特に配管内に結露の恐れがある場合は、厳しく管理してください。)
2.真空ポンプは 排気速度の大きいもの を使用してください。
(従来多用されている、排気速度が20~30l/minの小型のものでは、非常に時間がかかります。)
3.真空ポンプ内の鉱油が冷凍サイクル内に逆流しないよう、真空ポンプアダプターを取り付けて使用してください。
4.マニホールドバルブおよびチャージホースはR404A専用のものを使用してください。
-18-
3 冷媒封入
冷媒は真空引き後、次の手順で封入してください。
Ⴃⵝ⦡
①冷媒ボンベの確認
4#ࠝ࡟ࡦࠫ⦡
冷媒の種類により、塗装色で区別しています。
また、容器検査で定める刻印で冷媒の確認ができます。
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4#㧦⭯᩶⦡
②冷媒ボンベの重量測定
型 式
初期冷媒量
HCSV22
2~3kg
③圧縮機が停止した状態で受液器に冷媒封入
受液器に、液出口阻止弁のサービス口から液状の冷媒を封入してください。
④圧縮機運転の状態でサイクル内に冷媒封入
ここ(④)からの作業は 39ページ「15.試運転時の手順・ご注意」が終わってから
実施してください。
液出口阻止弁を全閉にして、液出口阻止弁のサービス口から液状の冷媒を封入してください。
ボンベのバルブは圧縮機運転後低圧圧力がある程度低下してから開けてください。
(ボンベのバルブを急に開けると、サイ
クル内の冷媒がボンベ内へ逆流します。)
⑤フラッシュガスの発生有無確認
液出口阻止弁を全開にし、圧縮機が運転していて庫内温度が所定の温度まで下がり圧力が安定した状態で、液配管のサイ
トグラスからフラッシュガスが発生していないか確認してください。
(除霜後の冷却時に確認するのが最適です。)
●フラッシュガス発生の場合
④を再度実施してください。
●フラッシュガスがない場合
⑥へ移行してください。
留
意
事
項
液冷媒中に気泡が連続して発生
している状態がフラッシュガス
発生の状態です。
気泡が連続的でなく、ときどき
見える状態は適正な冷媒封入状
態です。
⑥追加冷媒封入
⑤で冷凍機として必要冷媒が封入されましたが、外気温変化などを考慮しさらに下左表の冷媒を追加封入してください。
(冬期でも外気温度があまり低下しない地域では、夏期での追加封入量は中間期の値にしてください。)
また、冷凍機と冷却器の接続配管の長さに応じて下右表の最低冷媒量が封入されていない場合は、最低冷媒量になるまで
冷媒を追加封入してください。
配管長に対する最低必要冷媒量(kg)
受液器
許 容
冷媒量
追加封入量の目安(kg)
型 式
HCSV22
夏 期
中間期
冬 期
(外気約30℃)
(外気約20℃)
(外気約10℃)
約2~3
約1~2
約0.5~1
(kg)
5.9
(5.0l)
<許容冷媒封入量>
液電磁弁を膨張弁前に取り付ける場合、高圧圧力の異常
上昇を防止するため、液配管部冷媒量を除く冷媒封入量
は上左表の値以下にしてください。
なお、やむをえず液電磁弁を本機側の液配管に取り付け
る場合には、液配管部に封入される冷媒量に相当する容
積の受液器が必要ですので、別に補助受液器を、
液電磁弁と本機の液出口阻止弁間に設けてください。
型式
配管長
HCSV22
0m
5
50m
10
●「液封」の防止について
サービスおよび長期運転停止用として受液器へ冷媒を回
収した際に、受液器内が満液になるような場合で「冷媒液入
口阻止弁」を全閉にし、さらにその後の周囲環境の変化によ
り受液器の温度が上昇した場合、受液器内部の液冷媒が膨
張し、内部の圧力が異常に上昇します。
「冷媒液入口阻止弁」
は全閉にしないようにしてください。通常は運転中の受液
器温度よりも停止時の温度のほうが低くなるのが一般的で
すが、特に長時間、長期間停止する場合に注意が必要です。
R404Aとしての留意点
R404Aは凝似共沸混合冷媒で、組成の沸点(蒸発温度)が若干異なるため、ガスの状態で封入すると蒸発しやすい冷媒が
封入され、冷媒ボンベには蒸発しにくい冷媒が残り、サイクル中の冷媒組成が変化します。
組成が変化した場合には所定の性能が得られなかったり、機器の障害をもたらす可能性があります。
施工上の注意
1.冷媒封入は必ず液冷媒の状態で封入し、ガスの状態では絶対に封入しないでください。
2.冷媒ボンベはR404A専用のボンベ(オレンジ色)になりますので確認してください。
3.冷媒ボンベのセッティングは必ず液で封入できるようにしてください。
4.マニホールドバルブ、チャージホースはR404A専用のものを使用してください。
-19-
MEMO
-20-
13.
電気配線工事上のご注意
1 配線容量
஗ᱛᤨߩ㔚࿶㨪8
ㆇォਛߩ㔚࿶㨪8
㔚࿶
(1)アース配線をしてください。
( D種接地工事)
(2)漏電遮断器を設置してください。
(高速形:動作時間 0.1秒以内)
(3)電線は高温部(圧縮機、凝縮器、吐出配管)およびエッジ部分に接触しな
いようにしてください。
(4)本機の許容電圧は右図のとおりです。
配線容量は、電気設備技術基準および内線規程に従うほか、この許容電
圧の範囲に入るよう、下表の電気特性を参照して決定してください。
ᆎേᤨߩᦨૐ㔚࿶8એ਄
ᤨ㑆
留
意
事
項
電気配線の容量は、圧縮機の最低始動電圧が必ず 170V以上になるように、選定してください。
電気配線が長い場合には、特に注意してください。圧縮機の最低始動電圧が170V以下になると圧縮機が起動
しないときがあり、故障の原因になります。
(5)電源配線および操作回路配線の端子台端子ねじ締付トルクは右表に
従ってください。
締付トルク
ねじサイズ
締付トルク(N・m)
M4
1.0~1.3
M5
2.0~2.5
M6
4.0~5.0
M8
9.0~11.0
M10
18.0~23.0
電気特性
機種
項目(単位)
公 称 出 力
HCSV22
(kW)
2.2
電 源
AC3φ200V 50/60Hz
消費電力
(kW)
4.5
運転電流
(A)
14.2
最小電線太さ
(mm2)
3.5〔18〕
操作回路の太さ
(mm2)
2.0
アース線の太さ
(mm )
2.0
(A)
30
(mA)
30(動作時間0.1秒以内)
電気特性
漏電遮断器 定格電流
(ELB)
定格感度電流
2
注1.電気特性は、凝縮器吸込空気温度32℃、蒸発温度-5℃、運転周波数:60Hzの場合です。
注2.最小電線太さ〔 〕内の数字は、電圧降下2Vのときの最大こう長(m)を示します。
注3.漏電遮断器は高速形(動作時間0.1秒以内)とし、感度電流は指定のものを取り付けてください。
なお、高調波漏洩電流による誤動作を防止するため、インバーター対応型にしてください。
また、アース線工事は必ず実施してください。
(D種接地工事)
-21-
2 液電磁弁の電気回路接続
冷凍サイクル中の液電磁弁を本冷凍機の電気回路に組み込むことにより、液電磁弁閉によるポンプダウン停止を自動およ
び手動で行うことができます。据え付けの際は下記に従い庫内サーモ接点と一緒に結線するようにしてください。
(結線詳細は23,24ページ電気配線図参照)
ᶧ㔚⏛ᑯ↪ធὐ
・端子台⑥番、
⑦番間の接点は無電圧接点のため、電源を端子台から
取り出す場合は右図のように結線してください。
(端子台⑩番、
⑪番間の電源は AC200Vです。)
಄ಓᯏ஥ ┵ሶบ
㧔6$
⃻࿾஥
・制御による圧縮機停止時(Psカット、リトライなど)液電磁弁用接点
をOFFします。
ᐶౝࠨ࡯ࡕ
ធὐ
・操作パネル上の「通常-ポンプダウン停止」スイッチを「ポンプダウ
ン停止」側にした場合、液電磁弁用接点をOFFします。
ᶧ㔚⏛ᑯ
ࠦࠗ࡞
4
4
.
.
3 外部への信号出力
冷凍機本体の端子台(TB2)より、運転状態の一部を出力することができます。
(1)警報信号
冷凍機が異常停止した場合、警報信号を出力します。
・端子台④番、
⑤番間の接点は無電圧接点のため、電源を端子台
から取り出す場合は右図のように結線してください。
(端子台⑩番、
⑪番間の電源は AC200Vです。)
⼊ႎ↪ធὐ
಄ಓᯏ஥ ┵ሶบ
㧔6$
・信号の取り出しは一旦リレーを介してください。
リレーの接点の電源を端子台から取り出す場合は右図のよう
に結線してください。
-22-
4.
⼊ႎ
࡜ࡦࡊ
⃻࿾஥
⼊ႎ
ࡉࠩ࡯
(2)圧縮機運転信号
圧縮機の運転・停止の信号を取り出すことができます。
಄ಓᯏ஥ ┵ሶบ
㧔6$
$<
⃻࿾஥
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࿶❗ᯏ
ㆇォ࡜ࡦࡊ
2.
$
࡝࡟࡯
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4 電気配線図
HCSV22
-23-
-24-
14.
冷凍機の制御
●ここでは制御全体の説明をしています。試運転時に必要な初期設定は、39~46ページ「15.試運転時の手順・ご注意」に記載し
てあります。
1 制御項目一覧
本冷凍機には、下表の制御機能があります。また、各制御内容の詳細を次ページ以降に示します。
制御分類
制 御 名 称
表示方法
内 容
表示
表示項目
LEDの表示
インバーター運転状態、各データの表示のみかた
ユニットコントローラー上のセグメントに表示され
る情報の一覧
ユニットコントローラー上のLEDの説明
起動
起動時の制御
起動時に起動バイパスを行います
演算周波数制御
吸入圧力により冷凍機の運転周波数を変化させます
運転中の高圧圧力が周囲温度などにより、高すぎた
り低すぎたりしないように、凝縮器用送風機の回転
数を制御します
発停頻度を軽減するため停止後即運転はしません
通常運転制御
高圧圧力制御
インチング防止制御
吐出ガス過熱度制御
吐出ガス
過熱度制御
電子流量弁制御
吐出ガス温度制御リトライ
吐出ガス過熱度不足
補助制御
制御圧力値シフト制御
設定値を全体的に下げることができます
強制フルロード
強制的に運転周波数を最高周波数にして運転します
上限周波数制限制御
運転周波数上限値を下げて運転します
ポンプダウン停止
オイルバック運転制御
冷媒回収して停止させます
圧力比が低くなりすぎた場合、運転周波数を増やし
ます
吐出ガス圧力が高すぎる場合、運転周波数を減らし
ます
電流値が大きすぎる場合、運転周波数を減らします
吐出ガス温度が高すぎる場合、運転周波数を減らし
ます
冷凍機油が圧縮機に戻ってくるように制御します
設定圧力値誤入力運転
設定範囲外での設定をした場合、強制制御します
低圧力比運転防止
吐出ガス圧力過昇防止
過電流防止
保護制御
(注1)
吐出ガス過熱度(TdSH)を一定に保ちます
TdSHを一定に保つため電子流量弁の開度を制御しま
す
吐出ガス過熱度が高すぎる場合、リトライ制御をし
ます
吐出ガス過熱度が低すぎる場合、異常停止させます
吐出ガス温度過熱防止
冷やし過ぎ防止制御
各種弁制御
運転周波数がPsUに収束するように制御します
運転周波数を45Hzまで下げても吐出ガス圧力が高す
吐出ガス圧力過昇時低周波数運転防止
ぎる場合、リトライ制御します
低周波数(25~29Hz)運転時、電流値が大きくなりす
低周波数運転時過電流
ぎるのを防止します
液インジェクション電磁弁制御
インジェクション電磁弁制御の説明
液電磁弁制御
インバーター異常時 インバーター異常時の制御
・周波数変化速度変更
・停止制御
省エネ制御
・起動遅延制御
液電磁弁制御の説明
インバーター基板が異常を検出したときの制御
・運転周波数変化速度を緩慢化します
・低周波数状態が継続した場合、強制停止します
冷凍機の起動条件を変更し、起動を遅らせます
(注1)保護制御は、負荷の増大、過渡的な外乱により冷凍サイクル機器および電気・電子部品の許容範囲を超えると
予想された場合、通常運転制御とは異なる運転をして製品を保護します。
この制御の結果、許容範囲内で運転継続可能な状態に戻った場合は、保護制御を解除して通常運転に戻りま
す。
(保護制御中は「操作パネル」部の保護ランプ点灯)
-25-
2 制御説明
「 1 制御項目一覧」にて紹介された制御の内容を説明します。
(1)表示方法
本冷凍機の運転詳細は「ユニットコントローラー」のセグメントと LEDで見ることができます。
(配置は42ページ参照)
セグメントの表示モードとしては 通常表示モード 、 点検表示モード および アラーム履歴表示モード があります。
① 通常表示モード および 点検表示モード
PSW1(△)とPSW2(▽)で表示モードの切り換えをします。
࡙࠾࠶࠻ࠦࡦ࠻ࡠ࡯࡜࡯
ฯ಴࿶ജ⴫␜
・正常運転時はセグメント上段に吐出圧力、
通常表示モード セグメント下段に吸入圧力を表示
・保護制御中および異常発生時は、
コード、
デー
(電源投入時のモード)
タ表示部に対応するデータと運転圧力を交
互に表示
△▽を同時に
2秒以上押す
ࠦ࡯࠼
⴫␜ㇱ
ๆ౉࿶ജ⴫␜
࠺࡯࠲
⴫␜ㇱ
△▽を同時に
2秒以上押す
⴫␜㗄⋡
⺞ᢛࡏ࠲ࡦ
259
点検表示モード
࠮ࠣࡔࡦ࠻
259
・セグメントにコード、データを表示
電源投入時は 通常表示モード になりますので、運転状態、各種コードを表示させるときは、ユニットコントローラー
上にあるPSW1(△)とPSW2(▽)を同時に2秒以上押して 点検表示モード にしてください。
セグメントに表示されるコードは、PSW1(△)とPSW2(▽)のどちらかを押すと次ページ「表示項目」の順番に従い変わりま
すので、確認したいコードに調整してください。
PSW1(△)とPSW2(▽)
を再び同時に2秒以上押すと表示は消えます。コード確認後はなるべく消しておくようにしてくださ
い。
② アラーム履歴表示モード
表示モードはPSW1(△)で切り換えます。
・正常運転時はセグメント上段に吐出圧力、
通常表示モード セグメント下段に吸入圧力を表示
・保護制御中および異常発生時は、
コード、
デー
(電源投入時のモード)
タ表示部に対応するデータと運転圧力を交
互に表示
△のみを2秒
以上押す。
または、30秒
間△▽を操
作しない。
アラーム履歴
表示モード
△のみを2秒
以上押す
・セグメントにアラームコードを表示
電源投入時は 通常表示モード になりますので、アラーム履歴を表示させるときは、ユニットコントローラー上にある
PSW1(△)を2秒以上押して アラーム履歴表示モード にしてください。
アラーム履歴には、次ページ「表示項目」のうちコード表示「99」に表示されたデータを発生順にコード「C1,C2,・・・C9」へ表
示します。
(「C1」に表示されるアラームが最も古いアラームになります。)
・本表示モードに切り換えると、まず最新のアラーム番号がデータ表示部へ表示されます。この後、PSW1(△)が押された
場合2番目に新しいアラーム番号を表示します。以下 PSW1(△)を押すたびに最新アラームから古いアラームへ表示が
切り換わります。また、PSW2(▽)を押すと古いアラームから最新アラームへ表示が切り換わります。
・PSW1(△)を再び2秒以上押すか、30秒間PSW1(△)とPSW2(▽)を操作しないと表示は消えます。
・アラーム履歴をクリアする場合は、 アラーム履歴表示モード 中にDSW3-1をONにしてください。
-26-
(2)表示項目
①各種データ、運転状態の表示(点検表示モード)
表示順は「 」 ⇔ 「 」 ・・・・・・
「 」 ⇔ 「 」 ⇔ 「 」 ⇔ 「 」 ⇔ ・・・・・・ です。
●各種データ
コード表示
表 示 内 容
運転状態
PsU(ロードアップ)値
PsD(ロードダウン)値
A(Psカット)値
Pd(吐出ガス圧力)
Ps(吸入ガス圧力)
Td(吐出ガス温度)
Ts(吸入ガス温度)
外気温度
インバーター二次電流
TdSH(吐出ガス過熱度)
TsSH(吸入ガス過熱度)
インバーター指示周波数
インバーター実周波数
電子流量弁開度
インチング防止時間
インチング防止残時間
周波数上限
周波数下限
異常発生回数
インバーター異常発生回数
保護制御理由
リトライ制御理由
異常停止理由
インバーター停止理由
最新アラームコード
データ表示範囲
(詳細下表)
0.02~0.62
-0.02~0.61
-0.05~0.15
0.00~3.43
-0.07~0.98
1~142
-70~92
-40~80
0~127
0~127
0~127
0~60
0~60
0~480
30~180
0~180
30~60
25~60
0~255
0~255
(②アラームコードの表示参照)
(②アラームコードの表示参照)
(②アラームコードの表示参照)
(②アラームコードの表示参照)
(②アラームコードの表示参照)
ステップ
―
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
1
1
1
1
1
1
1
1
2
1
1
1
1
1
1
―
―
―
―
―
単位
―
MPa
MPa
MPa
MPa
MPa
℃
℃
℃
A
℃
℃
Hz
Hz
パルス
秒
秒
Hz
Hz
回
回
―
―
―
―
―
注1.圧力値はゲージ圧力を示します。
注2.圧力表示値がマイナスの値になった場合、負記号“―”を表示させるために数値の1の位を省略して表示します。
଀㧦㧙ψ
注3.外気温度はサーミスター(THM3)が接続されていないときは「---」表示になります。
注4.コード「 」のデータ表示は1桁目を省略しています。
(表示×10パルス)
注5.コード表示にはその他に「 , , 」がありますが、本冷凍機の運転には関係ありません。
注6.コード「 」には、
「 」に表示されたコードのうち最新コードが表示されます。
●運転状態(
コード
)データ詳細
データ
①②③
①
インバーター運転
周波数固定運転
電子流量弁開度固定運転
表 示 内 容
下記①②③の表示組み合わせにより運転状態を表示
②
通常運転
オイルバック運転
寒冷地モード
強制フルロード制御
ポンプダウン制御
保護制御運転
保護停止
上限周波数制限制御
଀㧦
㨯㨯㨯ࠗࡦࡃ࡯࠲࡯ㆇォ‫ޔ‬
ㅢᏱㆇォ‫ޔ‬
⿠േࡃࠗࡄࠬ೙ᓮਛ
-27-
③
圧縮機運転
起動バイパス制御
インチング防止制御
圧縮機停止(Psカット、強制)
冷やし過ぎ防止制御
低圧力比運転防止制御
過負荷制御(Pd過昇)
過負荷制御(過電流)
過負荷制御(Td過昇)
リトライ停止
異常停止
②アラームコードの表示
運転中に下記の制御をした場合は、制御に対応したデータをセグメントに表示します。
(通常表示モード時は、セグメントに自動的にデータを表示します。)
コード
表示内容
保護制御理由
リトライ制御理由
異常停止理由
データ
理 由
低圧力比運転防止制御
吐出ガス圧力過昇(過負荷制御)
過電流(過負荷制御)
吐出ガス温度過熱(過負荷制御)
オイルバック運転
設定圧力値誤入力防止
冷やし過ぎ防止制御
吐出ガス温度制御リトライ(過熱防止)
インバータートリップ
インバーター異常時
(下記③参照)
インバーター電圧異常
吐出ガス圧力過昇時低周波数運転防止
低周波数運転時過電流
インバーター伝送異常
インバーター電圧異常
インバーター異常時
電流センサー異常(インバーター用)
(下記③参照)
インバーター過電流
トランジスタモジュール保護作動
吐出ガス圧力過昇(高圧圧力遮断装置作動)
逆相、欠相検出(不足電圧を含む)
吐出ガス過熱度不足
吐出ガス圧力センサー異常
吐出ガス温度サーミスター異常
吸入ガス圧力センサー異常
吐出ガス温度制御異常
吐出ガス圧力過昇時低周波数運転異常
③インバーター異常時の表示
インバーター基板が異常を検知して、リトライ制御をした場合は、
コード「 」にその異常理由(インバーター停止理
由)を表示します。
インバーター停止理由
トランジスタモジュール保護作動(IPMエラー)
瞬時過電流
インバーター過電流
電圧低下
過電圧
インバーター伝送異常
電流センサー異常
瞬時停電検出
マイコンリセット
※通常(正常)運転時に点検モードにて「 ~ 」を表示した場合、データには「 」が表示されています。
(3)
LEDの表示
LEDの1~8表示内容は下記のとおりです。
(LED位置は42ページ参照)
LED1:圧縮機運転中点灯、強制フルロード制御中
(上限周波数制限制御中)点滅
LED2:制御圧力値シフト制御中点灯
LED3:ポンプダウン停止制御中(操作パネル“ポンプ
ダウン”スイッチON)点灯
LED4:設定圧力値誤入力時点灯
周波数上下限値誤設定時点滅
LED5:設定、サービスモードで設定変更済みのコードを表示
したとき点灯
LED6:電源入力中点灯、異常発生時点滅(コード 時)
LED7:インバーター基板との伝送中点滅
LED8:運転には関係ありません
-28-
(4)起動時の制御
冷凍機が起動する際は、次の制御をします。
①液電磁弁を開にします。
②吸入圧力(Ps)が起動条件(Ps>PsU)になれば起動バイパス制御をします。
( 30秒後圧縮機運転開始)
PsU:ロードアップ圧力値
③圧縮機運転開始と同期して液インジェクション電磁弁を開き、吐出ガス過熱度制御を開始します。
圧縮機起動時は一旦38Hzまで周波数を上げ60秒間運転した後、演算周波数制御に移ります。
・ 起動バイパス制御
圧縮機を起動する前に、起動負荷軽減として右図に示すバ
イパス回路の電磁弁(20B)を30秒間開き、吐出側の高圧圧力
を低圧側に逃がす起動バイパスをし、圧縮機内を一旦低圧の
圧力にバランスさせた後に起動するようにしてあります。
⿠േࡃࠗࡄࠬ
㔚⏛ᑯ
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(5)演算周波数制御
①吸入圧力制御
「6.インバーター冷凍機とは」の項でも掲載していますが、負荷による冷却容量は吸入圧力で調整しています。
吸入圧力は圧縮機回転数により変化し、圧縮機の回転数は運転周波数により変化します。そこで必要な冷却能力を
保つために、冷却能力に合わせた吸入圧力範囲(ロードアップ圧力値、ロードダウン圧力値)を設定し、吸入圧力セ
ンサーにより検出した吸入圧力(Ps)が、設定された範囲内に収まるようにインバーターの出力周波数を制御しま
す。
②吸入圧力低下による運転停止(Psカット)
吸入圧力が、本機であらかじめ設定されている運転停止圧力値( A値)以下(Ps≦A)の状態が1秒以上続いたときは、
圧縮機を停止すると同時に液インジェクション電磁弁と液電磁弁( 22ページ「 2 液電磁弁の電気回路接続」参照)
をOFFします。
(A値については「③圧力設定値の設定方法」参照)
その後、吸入圧力がロードアップ圧力値(PsU)の値まで上がると、自動的に再起動します。
③圧力設定値の設定方法
ここで設定する項目は、周波数を減少させる圧力値“ロードダウン圧力値(PsD)”と、逆に周波数を増加させる圧力
値“ロードアップ圧力値(PsU)”の2項目です。この2項目の圧力範囲内に収まるように、周波数を制御します。
-29-
④演算周波数制御のフローチャート
運転フローチャートを次に示します。
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01
;'5
《ポンプダウン停止信号によるポンプダウン停止》
運転中に操作パネル部にある「通常-ポンプダウン停止」切換スイッチを
「ポンプダウン停止」側にすると、次のフローに従い冷媒回収して停止し
ます。
⿠േࡃࠗࡄࠬᑯ10
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1((
※1 吸入圧力運転範囲
吸入圧力が B の範囲に収まるように運転します。
ࡠ࡯࠼ࠕ࠶ࡊ࿶ജ୯
2U7
$
%
ࡐࡦࡊ࠳࠙ࡦ
ାภ
圧力設定値 設定可能範囲 ロードアップ
ロードダウン
デファレンシャル
PsU
PsD
PsU-PsD
単位:MPa
0.02~0.62
-0.02~0.61
0.01~0.09
運転停止圧力値
(A値)
はPsDの値により自動的に決ま
ります。
#
ๆ౉࿶ജ
2U
⿠േࡃࠗࡄࠬᑯ1((
࿶❗ᯏᆎേ
ࡠ࡯࠼࠳࠙ࡦ࿶ജ୯
2U&
単位:MPa
PsD設定値
PsD≧ 0.33
0.33>PsD≧ 0.15
0.15>PsD≧ 0.00
0.00>PsD≧ -0.02
஗ᱛ࿶ജ୯
#
A値
0.15
0.02
-0.02
-0.04
A値0~-0.03MPaの範囲で補正できます。
(36ページ「 4 設定」参照)
※2 <上限、下限周波数>
上限周波数:60Hz
ただし、保護制御中はその制限値を優先します。
下限周波数:25Hz(~45Hz)
下限周波数は通常25Hzですが、吐出ガス圧力または吐出ガス過熱度により45Hzまで引き上げて運転する場合が
あります。
-30-
(6)吐出ガス圧力過昇防止(過負荷制御)
吐出ガス圧力(Pd)が過度に上昇するのを抑制する制御です。検出したPdが下記に示すあらかじめ設定されている値以上
になったら周波数出力に制限を加えます。
周波数出力の制限
周波数上昇禁止 ..... 開始値:2.75MPa、解除値:2.65MPa
周波数強制減少 ..... 開始値:2.85MPa、解除値:2.75MPa
圧力過昇による停止
高圧遮断装置 ...... 設定値:3.0MPa
(アラームコード「99-02」を表示)
⇣Ᏹ஗ᱛ
ㅢᏱ
‫
ޓޓޓޓޓޓޓޓޓޓޓޓޓ‬/2C‫ޓޓޓޓޓޓ‬
๟ᵄᢙ਄᣹⑌ᱛ ๟ᵄᢙᒝ೙ᷫዋ
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㐿ᆎ୯
ߦࠃࠅ⇣Ᏹ஗ᱛ
㐿ᆎ୯
周波数強制減少下限値:45Hz
(7)過電流防止(過負荷制御)
圧縮機運転電流が過大になるのを抑制する制御で、検出したインバーターの二次電流(I)が下記に示すあらかじめ設定
されている値以上になったら、ユニットコントローラーで周波数出力に制限を加えます。
周波数出力の制限
周波数上昇禁止 ..... 開始値:17.0A、解除値:16.5A
周波数強制減少 ..... 開始値:18.0A、解除値:17.5A
ㅢᏱ
I ‫ޓޓޓޓޓޓޓޓޓޓޓޓޓޓ‬
#
๟ᵄᢙᒝ೙ᷫዋ
๟ᵄᢙ਄᣹⑌ᱛ
㐿ᆎ୯
㐿ᆎ୯
上記のユニットコントローラーによる周波数制限をしても圧縮機運転電流が下がらない場合は、インバーター基板
で過電流防止制御をします。
インバーター基板の過電流防止制御
・圧縮機運転電流が31.5Aになった時点で周波数を強制減少させます。
その後、圧縮機運転電流が26.4Aになった時点で周波数の強制減少を解除します。
-31-
(8)吐出ガス温度過熱防止(過負荷制御)
①本機は吐出ガス過熱度制御により積極的に吐出ガス温度( Td)を制御しているため、通常Tdは約100℃以下になるよう
にしてありますが、それでもTdが高くなってしまう場合は上限運転周波数を下図のように制限します。
②本制御が動作中でも、さらにTdが上昇する場合には、吐出ガス温度過熱リトライ制御をします。
ただし、3回目のリトライ停止が発生した時点で異常停止になります。
(アラームコード「 99-61」を表示)
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(9)オイルバック運転制御
40Hz以下(停止時を除く)の運転時間を積算し、その積算時間が 45分間を超えた時点で、下記の制御をします。
①圧縮機を停止させます。
・ 液インジェクション電磁弁(20A)をOFFします。
・ 液電磁弁(20L)をOFFします。
・ 電子流量弁(MV)を全閉(40パルス)します。
・ インバーター圧縮機を停止(0Hz)します。
(インバーター出力を0Hzにします。)
②起動準備をします。
・ 圧縮機停止から150秒間(インチング防止時間)停止を維持します。
・ 液電磁弁(20L)をONします。
・ 起動バイパス制御をします。
③運転を開始します。
・ インバーター圧縮機を起動させます。
・ 液インジェクション電磁弁(20A)をONします。
・ 吐出ガス過熱度制御を開始します。
圧縮機起動後の周波数出力は、2秒間30Hz、2分間60Hz,2秒間30Hz運転をした後に演算周波数制御に移ります。
オイルバック運転制御のキャンセル
(a)60Hz以上の運転が5分間以上継続したときは、積算時間をキャンセルします。
(b)オイルバック運転中に、Ps≦0.02MPaになった場合は、その時点で演算周波数制御に移ります。
(c)オイルバック制御解除スイッチ(DSW4-1)(37ページ「(2)ディップスイッチによる設定変更」参照)がONしている
ときは、オイルバック制御をしません。
-32-
(10)設定圧力値誤入力運転
設定圧力値PsU、PsDは、ユニットコントローラー上のロータリースイッチ(RSW)により設定できますが(41ページ「設定
値について」参照)、このときに誤って下表の「設定可能範囲」から外れて設定された場合には、下表に示す「誤設定時の
制御値」に読み替えて運転するとともに、ユニットコントローラー上の LED4が点灯します。
設定可能範囲
単位:MPa
ロードアップ
PsU
0.02~0.62
ロードダウン
デファレンシャル
PsD
PsU-PsD
-0.02~0.61
0.01~0.09
誤設定時(範囲外のとき)の制御値
ロードアップ
PsU
ロードダウン
PsD
デファレンシャル
PsU-PsD
Psカット
A
単位:MPa
0.25
0.22
0.03
0.02+補正値
(11)液インジェクション電磁弁制御
本冷凍機の液インジェクション量は電子流量弁で調整していますが、冷凍機停止中に液インジェクション回路が完全
に閉じるよう、回路の途中に液インジェクション電磁弁を設けています。
この液インジェクション電磁弁は、圧縮機の運転・停止と同期して開閉します。
(圧縮機運転中は開、停止中は閉)
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(12)液電磁弁制御
本制御は、現地にて液電磁弁回路が本冷凍機に接続されている場合に働くため、22ページ「 2 液電磁弁の電気回路接
続」に従って結線してください。
液電磁弁の開閉条件
①電源ON時
・ 電源がONしたら、液電磁弁を開きます。
・ 電源がOFFのときは液電磁弁は閉じています。
②吸入圧力低下時
・ Ps≦Aの状態が1秒以上続いたときは、液電磁弁を閉じます(Psカットによる停止)
・ Psカットによる停止後は、インチング防止制御実施後に液電磁弁を開きます。
③オイルバック制御時およびインバーター異常時のリトライ制御時
・ 制御のための圧縮機停止時は、液電磁弁を閉じます。
・ 圧縮機停止からインチング防止制御実施後に液電磁弁を開きます。
④ポンプダウン制御時
・ ポンプダウン停止信号が入力されたら、液電磁弁を閉じます。
・ ポンプダウン停止信号が解除されたら、液電磁弁を開きます。
-33-
(13)インバーター異常時の制御
インバーター基板が異常を検知した場合、ユニットコントローラーにインバーター異常信号を入力します。
インバーター基板が異常と検知する項目を下記に示します。(コード で表示します。)
①トランジスターモジュール保護作動
・モジュール出力端子U、V、W各相に短絡が発生したとき
・モジュールの定格(最大)電流が流れたとき
・モジュール内蔵サーミスターが温度の異常上昇を検出したとき
・モジュール制御用電圧が異常低下したとき
②瞬時過電流
・圧縮機の電流が45.0A以上になったとき
③インバーター過電流
・圧縮機の電流が31.5A以上の状態が、30秒継続または10分間に累積3分以上になったとき
④電圧低下(不足電圧)
・直流電圧(IPMのP-N間)が170V以下になったとき
⑤過電圧
・直流電圧(IPMのP-N間)が370V以上になったとき
⑥インバーター伝送異常
・インバーター基板とユニットコントローラー間の伝送異常
⑦電流センサー異常(インバーター用)
・圧縮機起動時(15~18Hz通過中)に圧縮機の電流が0.5A以下のとき
⑧瞬時停電検出
・インバーターが瞬時停電を検出したとき
⑨マイコンリセット
・インバーター基板のマイコンリセット
圧縮機起動後、1秒以降にインバーター異常信号が入力された場合には、下記に示すリトライ制御をします。
インバーター異常のリトライ制御
・液インジェクション電磁弁を閉にし、圧縮機を停止させます(アラームコード「 97-P17、P18」を表示)
・インチング防止制御実施後に再運転します。
圧縮機起動時は、一旦30Hzまで周波数を上げた後、演算周波数制御に移ります。
再運転後、再びインバーター異常が発生したらリトライ制御を繰り返し、3回目のインバーター異常が発生した時点で
停止します。
インバーター異常発生回数は、最新のインバーター異常発生後30分以内に再度インバーター異常が発生しなければ
キャンセルします。
(14)周波数変化速度変更・停止制御
ディップスイッチ「DSW4-6:ON」により制御を開始します。
・周波数変化速度
運転周波数の変化速度を遅くすることにより、運転圧力のハンチングを極力抑えます。
・停止制御
圧縮機の運転周波数が30Hz以下でA値(低圧カット値)<吸入圧力(Ps)≦ロードダウン圧力値(PsD)の状態が15秒間
継続された場合、圧縮機を停止させます。
(15)起動遅延制御
ディップスイッチ「DSW4-6,7:ON」により制御を開始します。
(本制御は(14)項の制御と合わせて動作します。本制御のみを個別ですることはできません。)
通常の起動制御とは異なり、下記のいずれかの条件が成立した場合、起動制御に移ります。
①吸入圧力(Ps)≧ロードアップ圧力値(PsU)+0.2MPaの場合
②吸入圧力(Ps)≧0.62MPaの場合
③吸入圧力(Ps)≧ロードアップ圧力値(PsU)になってから2分経過した場合
-34-
3 タイムチャート
(1)インバーター運転時
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4 設 定
一部の項目については設定変更により内容を変更することができます。
(1)設定変更可能なモードへの切り換え
①設定モード
ディップスイッチ(DSW)4-4をONにすることにより設定モードに移ります。
設定モードで変更できる項目を下表に示します。
設定項目
コード表示
A値(Psカット値)(MPa)
インチング防止時間(秒)
設定範囲
0.61≧PsD≧-0.00:A値+0.0~-0.03
0.00>PsD≧-0.02:A値+0.0~-0.01
30~180
周波数上限(Hz)
30~60
周波数下限(Hz)
25~60
※周波数上下限設定の際、上限値<下限値になった場合、誤設定と判断し誤設定ランプ(LED4)を点滅させるとともに、
強制的に上限60Hz、下限25Hzに切り換えます。
②サービスモード
DSW1-4をONにすることによりサービスモードに移ります。サービスモードで変更できる項目を下表に示します。
サービス内容
周波数固定
設定項目
コード表示
設定範囲
インバーター指示周波数(Hz)
25~60
流量弁開度固定 電子流量弁開度
0~480
設定方法は下記「設定変更方法」を参照してください。
※サービスモードでは「①設定モード」の内容も変更することができます。
設定変更方法
①設定モード時はDSW4-4:ON、サービスモード時はDSW1-4:ONで設定変更可能なモードに移ります。
(次ページの設定変更
フローを参照してください。)
②セグメントのコード部およびデータ部に項目が表示されるので、PSW1(△)またはPSW2(▽)で設定項目を選択してくだ
さい。設定可能項目は、セグメントのコード部が点滅します。すでに値が設定変更されている項目を選択したときは、
同時にLED5が点灯します。
③変更したい項目に合わせ、PSW1(△)とPSW2(▽)を同時に1秒以上押してください。
セグメントのコード部およびデータ部が点滅し、設定変更可能状態になります。
④PSW1(△)またはPSW2(▽)で設定したい値に変更してください。設定を変更するとLED5が点灯します。
⑤設定値を変更したらPSW1(△)とPSW2(▽)を再び同時に1秒以上押して設定を完了します。
セグメントのコード部が点滅、データ部は点灯、LED5が点灯になります。
⑥他の項目の設定を変更する場合は②~⑤をくり返してください。
・設定を変更した値は、変更した時点(④の状態)で有効になりますが、⑤の操作をした時点で値を保存します。
(電源が切られても保存されます)
この後DSW4-4をOFFした場合、
「A値」、
「インチング防止時間」、
「周波数上限」、
「周波数下限」は変更した値で運転します。
DSW1-4をOFFした場合、
「インバーター周波数固定」、
「電子流量弁開度調整」は、変更した値で保存されますが通常の運
転に切り換わります。
設定変更した値の解除方法
設定変更した値の解除方法(標準設定に戻す)は下表に従ってください。
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(2)ディップスイッチによる設定変更
ユニットコントローラー上のディップスイッチを操作することにより設定の一部を変更することができます。
変更できる内容を下表に示します。
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設定内容
DSW3-1
アラームコード異常回数
アラームコード保存、異常回
数積算
OFF
アラームコード、異常回数ク
リア
ON
DSW3-2
外部入力制御選択
上限周波数制限制御
OFF
強制フルロード制御
ON
DSW4-1
オイルバック運転
無し
ON
有り
OFF
DSW4-2
インチング防止
有り
OFF
無し
ON
DSW4-5
冷やし過ぎ防止制御
有り
OFF
無し
ON
DSW4-6
周波数変化速度変更、
停止制御追加
通常運転
OFF
設定した制御により運転
ON
DSW4-7
起動遅延
通常運転
OFF
設定した制御により運転
ON
上限周波数制限値選択
運転周波数上限を設定した値
にする(設定値は下表参照)
OFF
運転周波数上限を設定した値
にする(設定値は下表参照)
ON
DSW4-8
出荷時
設定変更時
●DSW4-8 ON時の上限値 ●DSW4-8 OFF時の上限値
通常時
外部信号入力時
60Hz
50Hz
通常時
外部信号入力時
60Hz
40Hz
※1.DSW4-7起動遅延制御は「周波数変化速度・停止制御」(DSW4-6)と合わせて運転させることしかできません。
※2.DSW3-2およびDSW4-6~8により運転を切り換える場合は、一旦電源をOFFしてから切り換えてください。
-37-
5 ファンスピードコントローラー
(1)コントローラーは、電子回路ですので絶縁抵抗の測定について次の点にご注意ください。
・DC500Vメガーにて動力部(200V回路接続部)と接地間で測定してください。
その他の部分は電子回路の弱電部ですので測定はしないでください。
・異極間測定はしないでください。電子部品を破損する恐れがあります。
(例えばR,S間)
(2)コントローラープリント板上の表示灯(LED)およびスイッチの見方、操作方法を下図に示します。
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ファン特性の比較
項 目
B特性
(出荷時設定)
A特性
D特性
主な用途
近くに民家がなく、騒音が特
液冷媒除霜などで運転時の液
民家が近くにあるので、騒音
に問題にならなく、省エネを
温を高めておきたい場合。
値を低くしたい場合。
重視したい場合。
ファンが最高回転
数(全速)になる時
液温度で約45℃、高圧圧力で 液温度で約28℃、高圧圧力で 液温度で約45℃、高圧圧力で
約1.6~1.8MPaで全速域に入 約1.2~1.4MPaで全速域に入 約1.6~1.8MPaで全速域に入
ります。
ります。
ります。
ファンが停止する時 液温度で約8℃、高圧圧力で約0.6~0.7MPaで停止します。
起動方式
制御機能
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定速起動
液温度で約25℃、高圧圧力で
約1.1~1.2MPaで停止します。
演算起動(出荷時設定)
起動時より液温度を検出し、電圧制御をしま
起動時、30秒間液温度に関係なく、一定電圧
す。寒冷地などで起動時急激な低圧圧力の低
で制御します。
下を防止するための制御機能です。
-38-
15.
試運転時の手順・ご注意
工事をされた方へ
●日常運転管理される方へ引き渡しの前に、必ず本項目の試運転確認および設定調整などを実施してください。
●なお、本項目が実施できない場合は、お買い上げの店または最寄りの当社サービスセンターへ試運転調整を依頼するように
してください。
1 起動前の確認事項
(1)誤配線がないことを再確認してください。
(2)絶縁抵抗を測定し、1MΩ以上あることを確認してください。
(3)吸入阻止弁と液出口阻止弁を全開にしてください。(18ページ「 2 真空引き」の図を参照)
(4)冷凍機油量が油面計の適正位置に見えるか確認してください。(43ページ「 8 冷凍機油封入量と補給について」参照)
(5)圧縮機振れ止め用シッピングワッシャーは不付です。
本製品には輸送中の圧縮機振れ止め用シッピングワッシャーは不付ですので、運転前にシッピングワッシャーを取り外
す必要はありません。
2 逆相運転防止について
本機の圧縮機は回転方向が一方向です。逆転した場合には圧縮機が故障する場合があります。
したがって、本機は逆相運転防止のために、接続された電源の相が正相または逆相かを逆相防止継電器でチェックし、逆相の
場合は警報ランプ(逆相)を点灯し、圧縮機が起動しないようにしてあります。
この場合には下図の要領で配線をチェックしてください。
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●感電防止のため、
一旦元電源を切ってから
相を入れ換えてください。
留
意 ●製品内部(二次側)での相換えは厳禁 圧縮
機が逆回転し故障する恐れがあります。
事
●電磁接触器(52C)の動作表示ボタンを手で
項
押すと、圧縮機が運転し故障しますので、
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動作表示ボタンを押さないでください。
圧縮機交換の場合、配線接続は必ず圧縮機の端子箱の記号と配線の記号が一致するように接続してください。
-39-
3 ショートサイクル運転の防止
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ショートサイクル運転(頻繁な起動、停止の繰り返し運転)をする
と起動時の油上り量過多により潤滑油不足の原因になります。さ
らに内蔵している電動機に繰り返し始動時の大電流が流れ電動
機の温度上昇を起し巻線が焼損することがあります。
ショートサイクル運転を防止するためには最低限右図の運転パ
ターンになるように設定することが必要です。
ショートサイクル運
転の主な原因としては、
●吸入圧力設定値の不良
●冷凍機の冷凍能力の負荷のアンバランス
●吸入ストレーナーの詰り
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などがあげられます。
ユニットクーラー使用時の場合、上記原因の他に、庫内温度調節器
の感温筒の取付位置不良(冷却器吹出冷気が直接感温筒に当たる)
が考えられますので感温筒取付位置も見直してください。
4 高圧遮断装置の設定
高圧側
高圧カット値
(CUT OUT)
3.0MPa
5 操作スイッチ
本冷凍機の運転/停止は電気箱右上の「操作パネル」部から行うことができます。
-40-
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6 運転制御圧力の設定
(1)運転制御圧力の設定値については、用途に応じて調整する必要があり、特に庫内温度サーモスタットの設定値との関係
には注意が必要です。
庫内温度は庫内温度サーモスタットにより液電磁弁の開閉で制御し、冷凍機は液電磁弁の開閉による低圧圧力(吸入圧
力)の変化をユニットコントローラーで検知して、容量制御をします。
圧力設定値(PsU、PsD)はユニットコントローラー上のロータリースイッチ(RSW1~4)とスライドスイッチ(SSW)から設
定することができます。設定変更は冷凍機運転中でも可能です。
下記に圧力設定値の設定目安を示します。
<設定値例> ᐶౝ᷷ᐲᮡḰ⸳ቯ
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<設定値について>
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下図は、圧力設定値:PsD=+0.25MPa、PsU=0.29MPaの設定例です。
その他の設定例も表に示しますので、ご参考の上設定してください。
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※誤設定時の運転
正常な運転をするためにPsU、PsDおよび、そのデファレンシャル(PsU-PsD)の設定可能範囲はあらかじめ決められています。
設定可能範囲外の入力がされた場合は誤入力と判断し、設定値を「誤設定時の制御値」に読み替えて運転制御をします。
(33ページ「(10)設定圧力値誤入力運転」参照)
-41-
(2)ユニットコントローラー
電気品箱のフタを外すとユニットコントローラー(基板)があります。
運転方法の設定変更や運転状態の詳細確認などをす
ることができます。
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7 冷凍機の運転
(1)ファンコントローラー特性や圧縮機運転制御を、設置環境や現地システムに合わせて設定変更することも可能です。
詳細は25ページ「14.冷凍機の制御」に従い、事前に設定を変更してください。
(2)据付工事に問題がないことを確認し、元電源(漏電遮断器)を入れます。
(3)冷凍機電気箱の「運転/停止」スイッチを「運転」にします。
(4)起動バイパス制御(30秒)を実施し、圧縮機が吸入ガス圧力に応じて運転します。
(5)圧縮機・送風機の異常音や異常振動がないかを確認してください。異常な場合は停止し調査・処置してください。
(6)運転圧力や低圧機器の温度を見て運転状態が安定したら、各部圧力・温度などに問題がないか確認してください。
(付録のデータ記録シートを利用すると便利です。)
-42-
8
冷凍機の油封入量と補給について
試運転時および日常のメンテナンス時における油量管理は、下記に従い十分注意して管理してください。
本製品の冷凍機油 : ダフニーハーメチックオイルFVC32D
本製品の冷凍機油量:
1.2l
エーテル油取扱上の留意点 (1)水分の吸湿性が高くなります。
冷媒と冷凍機油の特性から、従来のR22での冷凍サイクルに比べ水分の吸湿性が高くなります。
水和物生成および冷凍機油の酸性劣化の観点から、十分に真空乾燥をする必要があります。
(2)新油の色相がほぼ無色透明になります。
色相
(ASTM)
アルキルベンゼン油(R22用)
バーレルフリーズ32H
淡黄色
(L1.0)
エーテル油(R404A用)
ダフニーハーメチックオイルFVC32D
無色透明
(L0.5)
施工上の注意
1.油の大気開放時間は極力短くしてください。
2.追加封入用の油はその時点で使い切りとし、原則として、開封後は保管しないでください。
3.万一保管される場合は、容器の中栓を必ず閉め水分管理の徹底をお願いします。また、保管場所は周囲温度 40℃
以下とし、風雨・直射日光があたる場所、
温度差の激しい場所は避けてください。
4.油の色相がほぼ無色透明になるため、注意深く油面を観察してください。
試 運 転 時 試運転時は配管中に油が付着していないため、
運転を開始すると圧縮機の油が移動し配管内面に付着します。
配管が長い場合
や冷却器が大きい場合およびループや溜まり部がある場合には圧縮機内の油が不足することになりますので、下表により油
を追加封入してください。
配管10m当りの油の補給量
備 考
0.3l/10m
1.配管長は低圧機器までの片道です。
2.あくまでも目安であり、油面計で
管理してください。
留
意
事
項
油の色相がほぼ無色透明にな
るため、注意深く油面を観察し
てください。
試運転時、最も油面が低下しやすい除霜前において圧縮機油面計を点検し、油面が下図の状態になっていることを確認してく
ださい。
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油面の高さが油面計の1/2以上
になるように、冷凍機油を補給
してください。
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試運転時の短時間運転では、低圧側から油が循環せず油面が安定していない場合があります。
運転開始後(3日後程度)も、同様に圧縮機油面計を点検してください。
-43-
9 冷凍機油の補給方法
運転直後の圧縮機全体は高温、高圧になっていますので十分注意してください。 ⌀‫ޓ‬ⓨ
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意
事
項
圧縮機は高圧になってい
ますので、油封入、排出口
を開ける場合には、必ず圧
縮機内の圧力を大気圧以
下に下げてから実施して
ください。
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(1)ポンプダウン停止スイッチにより冷媒回収作業を実施し、冷凍機を停止させてください。
(2)圧縮機内の圧力を低下させるために起動バイパスを実施します。再度ポンプダウン停止スイッチを「通常」にして 20 秒
後に「停止」にしてください。(起動バイパスは、30秒間経過すると圧縮機が起動してしまうので注意してください。)
(3)(2)項を2~3回実施することで圧縮機内の圧力は、吸入圧力程度に低下(バランス)します。
(4)電源スイッチ「ON/OFF」を“OFF”にし、冷凍機の電源を切ってください。
(5)元電源を切り、吸入阻止弁を全閉にします。吐出配管部のチェックジョイントにチャージングホースを接続し、
圧縮機内の
ガス冷媒を回収してください。
(6)圧縮機内の圧力が大気圧になった後に、(5)項で使用したチャージングホースの先端を連成計と真空ポンプに接続し、圧
縮機内の真空引きをしてください。
(7)圧縮機内の圧力がー0.07MPa位になったら、圧縮機の左側にある油封入・排出口のフレアナット(1/4”)を外し、すばやく補
給用のホースを接続してください。先に、ある程度真空引きをしていますので、フレアナットを外すとき外部に油が流出
することはほとんどありません。
(8)この状態で油面計を見ながら適性油面になるまで油を補給し、適正油面になった時点で補給用のホースを圧縮機から外
し、すばやく先に外したフレアナットを締め付け、このまま圧縮機内の真空引きをしてください。
(9)真空引きが完了した時点で、吐出配管部のチェックジョイントから真空ポンプを外してください。その後、先に外した
チェックジョイントのフレアナットを締め付けてください。
(10)吸入阻止弁を全開にし、元電源を入れ電源スイッチ「ON/OFF」を“ON”にして運転をしてください。
留
意
事
項
-44-
作業後、万一の冷媒漏れ防止のため、
チェックジョイントのフレアナットは
12.5~16.0N・mのトルクで必ず閉めて
おいてください。
10 冷凍機油の排油
圧縮機内は高圧になっていますので、油封入・排出口を開ける場合には必ず、圧縮機内の圧力を大気圧以下に下げてから開け
てください。
前記「補給方法」と同じく、
圧縮機内を大気圧にした後に油封入・排出口より大部分の油が排油できますが、完全に
排油するためには、圧縮機内を0.01~0.02MPa程度加圧することが必要です。
11 保護装置の作動確認
保護装置が作動した場合に、警報出力して異常停止することを下記手順で確認してください。
冷凍機として48ページに示す各種保護装置がありますが、ここでは代表としてサーミスター異常を強制作動させて異常停
止することを確認します。
(1)電気箱右上の「運転/停止」スイッチを「運転」にして冷凍機を運転します。
(2)運転中に左上のTHM1コネクター(吐出ガス温度サーミスター)を抜きます。
(3)約3秒後に異常停止することを確認してください。
(アラームコード「23」表示、TB2⑩⑪間 200V出力あり)
(4)外したTHM1コネクターを元のとおりに差してください。
(5)運転を再開することを確認してください。
(アラームコード「23」消灯、TB2⑩⑪間 200V出力なし)
(6)26ページ② アラーム履歴表示モード を参照して、表示・記憶されたアラームコード「23」の履歴をクリアしてくだ
さい。
(7)「運転/停止」スイッチを「停止」にして作動確認を終了(冷凍機の停止)します。
12 液インジェクションの作動確認
液インジェクション制御が正常に作動していることを確認してください。
液インジェクション制御は、吐出ガス温度(圧縮機チャンバー温度)と吐出ガス圧力で決まる吐出ガス過熱度で制御してい
ます。
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(1)吐出ガス温度サーミスターが正常に温度を検知し、 A 部のパイプの温度が通常40℃(最高50℃以下)のこと。
(2)圧縮機のチャンバー温度 B 部が、連続運転状態で120℃を超えないこと。
(3)吸入ガス温度が高すぎないこと。
( 18℃以下でかつスーパーヒートは40℃以下のこと。)
・冷蔵用:吸入配管が冷たいか、霜が付いていること。
・冷凍用:吸入配管に霜が付いていること。
(4)液配管でフラッシュガスが発生していないこと。
(サイトグラスで確認してください。)
-45-
13 サイトグラスの表示色確認
サイクル内水分量の目安として、サイトグラス水分指示器の表示色が黄色でないことを確認してください。
水分指示器の色が緑色から黄色に変色している場合は、ドライヤーを交換してサイクル内の水分を吸湿してください。
なお、この時同時に冷凍機油の交換をすることを推奨します。
また、サイトグラスの水分指示器表示色とサイクル内水分濃度の関係について下表に示します。
冷 媒
R404A
R404Aとしての留意点
水 分 濃 度 ppmW
緑/乾燥
中間色
黄/湿り
<15
15~100
>100
※43℃液相における値
冷媒と冷凍機油の特性から、従来のR22でのサイクルに比
べ水分の吸湿性が高くなります。水分混入による問題点と
して下記の項目が考えられます。
(これらを防止するためにサイトグラスによる水分管理の
徹底をお願いします。)
●膨張弁の閉塞 ●冷凍機油の酸性劣化 ●水和物生成
(1)試運転時におけるご注意
サイクル内の微量水分量を管理する目的から、R404A対応冷凍機には従来のR22対応機と比較して水分検知感度の高い
(約7倍)インジケーター部をもつサイトグラスを採用しています。このため、サイクル内の真空引き後冷媒封入を実施し
ただけでは、インジケーター部の表示色が緑色に変化せず、冷凍機を運転して緑色に変化するまで約5時間を要します。
したがって、試運転直後ではサイトグラスのインジケーター部の色は黄色のままになっていることがありますので、注
意してください。
(2)施工業者の方へのお願い
試運転直後はインジケーター部表示色では、適正に施工されているかどうかは判断できません。
試運転より24時間以降(お客様への引き渡し時など)に再度インジケーター部の表示色について確認をしてください。
14 冷媒種類・冷媒充填量の表示
オゾン層保護および地球温暖化防止のため、フロン類の大気中への排出抑制を徹底することを目的として「特定製品に関わ
るフロン類の回収および破壊実施の確保に関する法律(フロン回収破壊法)」が平成14年4月1日より施行されました。このた
め、施工する方は冷凍機を設置しフロン類を充填する際は次の事項を遵守してください。
(1)フロン類をみだりに大気中に放出することの禁止
(2)製品を廃棄する場合のフロン類の回収
(3)充填するフロン類の種類と充填量の表示
表示ラベルの貼り付け、表示についてのお願い
冷凍機には下図の「表示ラベル」を貼り付けてあります。
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(1)上図のとおり、現地で充填したフロン類の種類および充填量を、製品に貼り付けてある「表示ラベル」に記入してくださ
い。
(2)フロン類の種類および充填量の記入は耐候性を考慮し、文字が容易に消滅しない方法で記入してください。
(3)油性インクなどで記入した場合は、定期的に文字が消えていないかチェックして、上書き修正などをしてください。
このため、フロン類の種類および充填量を別に控えておくことを推奨します。
(4)フロン類を充填した事業者を明確にするため、事業者名を表示ラベルに表示することを推奨します。
-46-
16.
引き渡し時の指導
工事をされた方へ
日常管理される方へお引き渡しの際には以下の項目について説明してください。
●本取扱説明書の2.項「安全のため必ずお守りください」について、注意事項を十分に説明し、指導してください。
●冷媒封入量、ユニットコントローラーのロードアップ、ロードダウンおよび停止圧力設定値について説明し、製品貼り付け
の銘板に値を記入しておいてください。
●試運転におけるチェックリストを作成して引き渡し、日常の運転管理の要領を説明してください。
●定期的な保守の仕方について下記の「 1 保守・点検」に沿って説明してください。
●保護装置が作動した場合や、万一故障した場合の対応方法を次ページ「 2 保護装置が作動した場合の処置」に沿って説明
し、連絡先を明確にしておいてください。
●専門者によるアフターサービス(有料)の必要性を説明し、保守契約(有料)を推奨してください。
17.
保守点検のお願い
1 保守・点検
日常運転管理される方へ
●本項の保守ができない場合には専門者によるアフターサービス(有料)を受けてください。
●冷凍機を最良の状態で使用していただくために、下表に示す点検項目を定期的にチェックし、故障を未然に防止してくだ
さい。
●特に油の劣化・汚れは圧縮機の寿命に大きな影響を与えますので、汚れがひどくなった時には交換してください。
(あるいは、
お買い上げの店または資格のある専門業者に交換を依頼してください。)
1回目
試運転開始後 1日
冷凍機油は各製品指定のものを使用し、同時にドライヤーも交換することを推奨
2回目以降
以後1年毎
します。また、交換時期の目安は右表のとおりです。
2回目以降は1年毎に点検をし、油が茶色に変色しているときには交換を依頼してください。また、特に油汚れおよび変色
が激しいときにはドライヤーも交換を依頼してください。
●なお、点検時サービスカバーを取り外す場合には、手元スイッチ、リモコンボックスの運転停止スイッチおよび本機の運転
スイッチを必ず切った状態で点検をしてください。
●本機の熱交換器(凝縮器)用フィンには表面加工を施してありますが、この耐食性を長く維持するため日常定期的(一般的
に1回/2年程度)に洗浄し、更にアクリル系クリア塗装を塗布するのが効果的です。
点 検 項 目
フィンの目詰り
熱交換器
圧縮機
膨張弁
配管
他機器
対 処 方 法
フィンの付着物洗浄
ファンの回転
ファンの作動
冷却空気の流れ
ショートサーキットを防止するレイアウトの採用
周囲温度
-20℃以上、40℃以下の周囲温度を確保
冷凍機油
冷凍機油の汚れ、封入量
運転中の異常振動異常音
膨張弁、冷媒封入量などの見直し(液バックチェック)
過熱度異常
再調整
オリフィスの目詰り
サイクル内のごみ、水分の除去
感温筒
取付位置の変更
吸入ストレーナーの目詰り
ストレーナーの清掃、交換
吸入配管
過熱防止用の保冷実施
ガス漏れ
漏れ個所の修正
空気の混入
飽和温度をチェックし、冷媒再封入
各バルブの開度
全開の位置に修正
ドライヤーの目詰り
ドライヤーの交換
庫内サーモスタットの設定
適正値に合わせてインチング防止運転
低圧圧力設定
適正値に合わせてインチング防止運転
高圧遮断装置
交 換
電気箱内のごみ、ほこり
電気部品(制御基板、端子台、スイッチなど)のごみ、ほこり除去
-47-
2 保護装置が作動した場合の処置
日常運転管理される方へ
●保護装置が作動することにより冷凍機が停止した場合は、お買い上げの店に連絡してください。その際、52ページのデータ
シートを利用して、
①製品の型式 ②アラームコード内容 ③故障の状況 を知らせてください。
サービスメンテナンスをされる方へ
●保護装置が作動することにより冷凍機が停止した連絡を受けた場合は、適正な運転範囲内で使用されているのか、かつ冷
凍機の容量と負荷容量が適正な組み合わせであるのかを再確認してください。主な項目は次ページの表を参考にしてくだ
さい。
●万一何らかの原因により、冷凍機および冷媒回路部品が故障した場合は、故障再発防止のため次の点に注意してください。
●同じ故障を繰り返さないように故障診断を確実にし、故障個所と故障原因を必ずつきとめてください。
●配管溶接部からのガス漏れを修理する場合は冷媒を必ず回収し、窒素ガスを通しながら溶接をしてください。
●圧縮機を交換する場合、圧縮機の吸入および吐出インジェクション配管は、元の配管形状にしてください。配管形状が変わ
ると振動により配管亀裂が生じる可能性がありますので注意してください。
また、圧縮機の配線(R,S,T)は間違えないようにしてください。間違えると逆相になります。
●部品(圧縮機含む)故障の場合はユニット全体を交換するのではなく、不良部品のみ交換してください。
●冷凍機を廃棄する場合は必ず冷媒を回収してから廃棄してください。
故障原因が不明の場合は、冷凍機の型式・製造番号および故障状況を調査の上、担当サービス会社へご連絡ください。
保護装置作動値
名 称
記 号
作動値
高圧遮断装置
63H
作動値/解除値=3.0/2.3MPa
吐出ガス過熱防止用サーミスター
THM1
作動値=120℃
インターナルサーモスタット
(凝縮器用電動機に内蔵)
49FC
作動値/解除値=130/82℃(自動復帰)
ヒューズ(動力回路用)
PF1,2
30A
ヒューズ(操作回路用)
EFR1,S1
5A
ヒューズ(凝縮器用電動機用)
EF1,2
5A
高圧遮断装置(ファン全速用)
63F
作動値/解除値=2.54/2.25MPa
-48-
3 異常停止になった場合
異常停止(コード )
データ 保護装置記号
原 因
調査内容
熱交換器に多量のほこり付着
熱交換器を通る空気の量が少ない
処置・対策
洗浄・除去する
熱交換器の吸込口または吹出口をふ
除去する
さいでいる
ファンコントローラーで「全
ファンスピードコントローラー故障
速」で運転後、部品交換する
熱源・ショートサーキットの
熱交換器の吸込空気温度が高い
除去
送風機の回転数が低い
63H
高圧遮断装置
過負荷状態にある
高圧側冷媒配管の詰まり
電源逆相接続 逆相
電源欠相
欠相(不足電圧を含む)
低圧圧力が高い
規定内に調整する
起動バイパス用逆止弁の不良
交換する
「逆相運転防止について」(39ページ)の項を参照し、接続換え
三相間の電圧測定
正規接続、電源電圧の確保
吐出ガス
過熱度不足
リキッドバック運転
吸入ガス過熱度が少ない
規定内に調整する
液インジェクション回路の不良
電子流量弁の不良
交換する
高圧圧力
センサー異常
吐出ガス温度
サーミスター
異常
低圧圧力
センサー異常
高圧圧力センサーが断線および短絡 高圧圧力センサーの不良
した状態を検出し、停止します
コネクターの外れ、短絡
交換する
吐出ガスサーミスターの断線および 吐出ガスサーミスターの不良
短絡を検出します
コネクターの外れ、短絡
交換する
低圧圧力センサーが断線および短絡 低圧圧力センサーの不良
した状態を検出し、停止します
コネクターの外れ、短絡
交換する
冷媒ガス不足
吐出ガス
温度制御異常 液インジェクション回路の不良
サイトグラスでのフラッシュの有無 冷媒の追加封入
電子流量弁の不良
交換する
熱交換器の点検
調整・交換する
インバーターコントローラー間の
配線調査
インバーター基板の調査
配線の交換
インバーター基板の交換
インバーター電圧異常
インバーター インバーター電圧低下( - )
電圧異常
インバーター過電圧( - )
97-P18によるリトライ失敗
平滑コンデンサー(CB)の調査
トランジスターモジュール(IPM)の
調査
ダイオードモジュール(DM)の調査
インバーター基板の調査
平滑コンデンサー(CB)の交換
トランジスターモジュール
(IPM)の交換
ダイオードモジュール(DM)の
交換
インバーター基板の交換
電流センサー異常
電流センサー
(インバーター)( - )
異常
97-P17によるリトライ失敗
電流センサー配線調査
インバーター基板の調査
電流センサーの交換
インバーター基板の交換
インバーター過電流
インバーター インバーター瞬時過電流( 過電流
インバーター過電流( - )
97-P17によるリトライ失敗
電源の調査(電圧、欠相)
圧縮機の調査
平滑コンデンサー(CB)の調査
トランジスターモジュール(IPM)の
調査
ダイオードモジュール(DM)の調査
インバーター基板の調査
吐出ガス
圧力過昇時
熱交換器の性能低下
低周波数運転
インバーター
インバーター伝送異常(
伝送異常
-
)
)
電源の調査(電圧、欠相)
トランジスター トランジスターモジュール保護作動
トランジスターモジュール(IPM)の
モジュール (IPMエラー)( - )
調査
保護作動
97-P17によるリトライ失敗
インバーター基板の調査
-49-
正規の状態にする
圧縮機の交換
平滑コンデンサー(CB)の交換
トランジスターモジュール
(IPM)の交換
ダイオードモジュール(DM)の
交換
インバーター基板の交換
正規の状態にする
トランジスターモジュール
(IPM)の交換
インバーター基板の交換
18.
警報システムの設置について
冷凍設備が長時間停止すると物損の増大につながりますので、適切な処置ができるように警報システムの設置を計画時点
で配慮してください。
特に冷凍食品を貯蔵する設備においては
「冷凍食品自主的取扱基準」
により
「しばしば温度チェックをしなければならない。
」
と規定されています。警報装置を設置しない場合は下表を目安に必ず温度チェックをして、貯蔵物の解凍事故などへの拡大に
つながらないよう配慮してください。
なお、冷蔵庫用に使用される場合は、冷蔵庫内で作業中に万一扉が閉められた時の安全のため、庫内に非常警報発信装置を
取り付けてください。
警報システムの電源は冷凍機の電源・ブレーカー
留 とは切り離してください。
意
(もし、冷凍機のブレーカーの二次側から取ってい
事
項 る場合では、冷凍機のブレーカーが遮断すると警
報が出なくなります。)
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19.
冷凍機の保証条件
(1)無償保証期間および範囲
無償保証期間は冷凍機をお引き渡し後から1年間としますが、無償保証の範囲は故障した当該部品または弊社が交換を
認めた圧縮機とし、代品を支給します。ただし、下記による故障については、保証期間中であっても有償になります。
(2)保証できない範囲
①機種選定、冷凍装置設計に不具合がある場合
取扱説明書に記載した指示事項および注意事項を遵守しないで施工したり、冷却負荷に対し明らかに過大過小の能力
を持つ冷凍機を選定し、故障に至ったと弊社が判断する場合。
(例:膨張弁の選定ミス、取り付けミス、液ライン中に電磁弁を取り付けていない場合、また冷凍機に弊社指定外の冷媒
および冷凍機油を封入した場合など)
②据え付け工事に不具合がある場合
・据え付け工事中の取扱不良のため損傷または破損した場合。
・据え付け配管工事中にサイクル内に異物が入ったと判断される場合。
・据え付け配線工事の電気配線不良と判断される場合。
・弊社関係者が工事上の不備を指摘したにもかかわらず改善されなかった場合。
・各種法規に違反する工事により生じた事故。
・振動が大きく、または運転音が大きいのを承知で運転した場合。
・軟弱な基礎、軟弱な台枠が原因で起こした場合。
③弊社の製品仕様を据え付けにあたって現地改造、付帯工事および移設したことにより生じた事故、または弊社製品付属
の保護機器を使用せずに事故になった場合。
④自動車、鉄道、船舶など移動式のものに搭載し発生した事故
⑤運転環境および保守点検に不備があったことによる事故の場合。
・油(機械油を含む)、塩分(海岸地区など)および硫化ガス(温泉地区など)などの腐食性ガスの環境に据え付けたこと による事故。
・据え付け場所に起因する事故(風量不足、水圧および化学薬品などの特殊環境条件)
・調整ミスによる事故(膨張弁のスーパーヒートおよび圧力スイッチの低圧側設定)
・ショートサイクル(運転-停止それぞれ5分以下)運転による事故
・メンテナンス不備(熱交換器フィンの目詰り、汚れの点検、掃除、冷凍機油の汚れ点検、交換およびガス漏れに気付かな
かった場合など)
・修理作業ミス(部品違い、欠品および取り付け不良)
・冷媒過充填、冷媒不足および冷凍機油不足に起因する事故(起動不良、電動機冷却不良および潤滑不良)
・除霜不良による事故
・異常電圧、異常電磁波および生物類の侵入などの外的要因による事故
・サイクル内に空気および水分を吸い込んだと判断される場合
⑥本製品に指定された蒸発温度、使用外気温度および使用電圧の範囲を守らなかったことによる事故の場合。
⑦火災、地震、風水害、落雷、異常気象、その他の天災地変および煤煙、降灰、酸性雨などの外的要因による事故。
⑧国外で使用した場合。
⑨その他、冷凍機据え付け、運転、調整および保守上常識となっている内容を逸脱した工事および使用方法での事故は一
切保証できません。また、冷凍機事故に起因した冷却物、営業補償などの二次補償はいたしません。したがって、二次災
害については警報システム設置または弊社代理店などと相談の上、事前に損害保険を掛けるなどで対処してください。
-51-
20.
運転データ記入シート
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コード表示
表示内容
単位
運転状態
-
PsU(ロードアップ)値
MPa
PsD(ロードダウン)値
MPa
A(Psカット)値
MPa
Pd(吐出ガス圧力)
MPa
Ps(吸入ガス圧力)
MPa
Td(吐出ガス温度)
℃
Ts(吸入ガス温度)
℃
外気温度
℃
インバーター二次電流
A
TdSH(吐出ガス過熱度)
℃
TsSH(吸入ガス過熱度)
℃
インバーター指示周波数
Hz
インバーター実周波数
Hz
電子流量弁開度
パルス
インチング防止時間
秒
インチング防止残時間
秒
周波数上限
Hz
周波数下限
Hz
異常発生回数
回
インバーター異常発生回数
回
保護制御理由
-
リトライ制御理由
-
異常停止理由
-
インバーター停止理由
-
最新アラームコード
-
液冷媒フラッシュ(サイトグラス確認)
圧縮機油面・色
( : )
時刻毎のデータ表示
( : ) ( : ) ( : )
( : )
有・無
○( )
有・無
○( )
有・無
○( )
-52-
有・無
○( )
有・無
○( )
備考・メモ
(無色・薄茶・濃茶・黒)
MEMO
-53-
MEMO
-54-
お客様メモ
後日のために記入してお客様にお渡しください。お客様がサービスを依頼されるときに、お役にたちます。
お買い上げ店名
電話 ( ) -
お買い上げ年月日 年 月 日
お客様ご相談窓口
アフターサービスはお買い上げ店にご依頼ください。なお、転居その他の理由でお買い上げ店にアフター
サービスを依頼することができない場合は、下記のお客様相談センターにご相談ください。(電話番号は予
告無く変更することがありますので、ご了承ください。)
三菱重工空調システム株式会社 サービス本部
お客様相談センター(修理受付、部品 , 技術相談)
0120-975-365
冷熱事業本部 〒452-8561 愛知県清須市西枇杷島町旭三丁目1番地
P5413977 2006 年 5 月 Printed in Japan(SEG)
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