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保健医療情報技術で創り出す 情報薬
第一回日独医療情報医療情報シンポジウムin Fukuoka 保健医療情報技術で創り出す 情報薬 OK! 心拍数に余裕があるよ. ペースアップ!! 中島直樹 九州大学病院 メディカルインフォメーションセンタ 野原先生、平松先生、アシル先生、井上先生、マルフ氏、パルサ氏、黒田氏 など多くの方に感謝します 世界中で、そして特にアジア太平洋地域での 生活習慣病の急激な増加 !! 高齢者は増加しているが、出生率は低下している 内臓脂肪(メタボリック症候群)に基づき、高脂肪食や運動不足 で惹起される糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の罹 患率は、増加している 脳卒中、心筋梗塞、認知症、腎不全、足の切断、失明などの重症 合併症は増加している 癌もまた生活習慣病の一種であり、増加している これらの疾患は日本における死因の70%を占める これらの疾患の予防は、高齢者の生活の質を改善するためには重 要である 「情報薬」のコンセプトについて 情報は人を健康にする(薬になる)! もし適正な情報を適切なタイミングで与えることができれば 旧来の薬(錠剤など) 情報薬 適正な量の投与 適正な情報の投与 血中濃度を介して効果 意識変容と日々の生活習慣を介して効果 効果を測定する方法がある ITによって効果が測定できるようになった 副作用がある 副作用がある(過剰なダイエットや運動) ※「情報薬」コンセプトは、札幌医大・辰巳治之教授が提唱 情報薬によるリアルタイムおすすめ行動のイメージ 夕食の時に・・・ ジョギングをしている時に・・・ あ、薬を飲むのを忘れてた ちょっとペースが速すぎたかな。 心疾患があるから、ちょっと 慎重にならなければ スマホ 夕食ですね。お薬は飲みましたか? 電車にとりましたね?一駅早く降りて帰宅 しては? 電車の中で… ふーむ, 次の駅まで 歩くのも悪くないかもね 心拍数が速すぎます! ペースを落としましょう あなたの血糖値は高すぎます。インスリンを打ち ましたか? 自己血糖測定をしている時に あえれ, インスリンをうち忘 れていた。今から打とう ネットワーク スマホ ネットワークを用いた携帯などによる リアルタイムのおすすめ行動提供 train_sit changeup 22種の行動における89%の正答率 TOTAL stepup train elevator_up escalator_up escalator_walk_up escalator_walk_down rope_jumping escalator_down officework bus smoke bicycle sit stand sleep takemeal elevator_down データセンタ walk 20Hzで送信 stepdown 3軸加速度センサ run どうやって情報薬の効果を評価するか? ITを使えばリアルタイムで日常の行動を自由に認識できるようになってきた! 上昇するエレベータで 立位の人のサンプルのセンサーデータ 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 情報薬を創るために どうやって患者の意識や日常行動を変えられるかを 知らなければならない (どの情報を?どのタイミングで?どうやって伝える? 日常生活の情報を収集する 大量のデータを集め解析する 医療安全を確保する 成果の評価や費用対効果を考えなければならない 情報薬をだれもが使えるように するために。。 --情報薬のコンセプトは種々の慢性疾患に有用で、また健 康者への保健指導やメンタルヘルスケアにも有用である --国際標準を策定する努力が既にAPEC, OECD, ISOなど の組織によってはじめられている。保健医療分野でも IHE, HL7, DICOMなどがある --プライバシー保護などに関する共通の(国際)ルールが 必要である --データ解析技術もさらに必要である “カルナ”, は日本における慢性疾患に対する 疾病管理研究事業 カルナコールセンタからの事前の介入による糖尿病の1次~3 次予防、合併症の発症予防を目的とする。カルナのゴールは、 低コストで高品質の医療提供システムを構築することである “カルナ” はローマの健康の女神 典型的なディジーズマネジメント手法 コールセンタ事務局 社会イノベー ション! 郵送 電話 クリニカルパス と データベース 第三者事務局 クリニックと患者へ 情報サービス IT 外向きコールセンタ 支援 支援 医療機関 患者 かかりつけ医 (産業医含む) 連携 個人 信頼関係の構築 企業 健康保険組合 糖尿病 眼科 腎臓 歯科 自治体 専門医 9 2009年度の患者側ネットワーク サーバ インターネット網 IP ルーター (または) FOMA-NW SoftBank-NW FOMA ホームサーバー 内蔵 ホーム サーバー 携帯電話 手入力 Bluetooth 血圧計 Bluetooth 体重計 血糖計 10 行動計 2009年-1 実証事業の成果-システム稼動率ー 3か月間の実証事業中の稼働率を示す kg 体重 mg/dl 血糖 リコメンデーション通知実績 +は通知メール1通を表す 患者ID 時間(日) mmHg 血圧(拡張期) 時間(日) mmHg 血圧(収縮期) 時間(日) 時間(日) 時間(日) 11 2009年度-2 体重モニタによりダイエット状況や健康状況が把握できた 体重 順調ダイエット型 • 様々なパターンが把握でき た(上、中) kg リバウンド型 • 体調不良時の体重減少の 把握がリアルタイムで可能 であった(下) kg 体調不良 kg 12 時間(日) 2009年度-3 リコメンデーションで測定の頻度が変わる 計測件数 計測件数 計測頻度が少ない場合 計測頻度が高い場合 計測間隔 体重の計測間隔ヒストグラム 件数 緑:推薦前 赤:推薦後 測定間隔(日) 計測間隔 血圧の計測間隔ヒストグラム 血糖値の計測間隔ヒストグラム 緑:推薦前 赤:推薦後 件数 測定間隔(日) 13 件数 緑:推薦前 赤:推薦後 測定間隔(日) 2009年度の情報大航海実証事業の成果-情報薬の効果2 リコメンデーション前後1日の行動の増減の集計 速歩、自転車が増加 「昨日はあまり歩けません でしたね。20分を目標に頑 張りましょう。」 ハードな運動を検知 「体調はどうですか?今日はあ まり運動しすぎないように!」 推薦後の行動の変化量(平均) 推薦後の行動の変化量(平均) 分 分 ↑ 速歩 ↑ 自転車 14 速歩 ↓ 自転車 ↓ 入院医療と在宅医療の類似 今後の慢性疾患は 在宅医療へ移行する 成果、効率性と安全性が 重要なのはどちらも同じ 入院医療 在宅医療 2011~2012研究 入院患者における医療プロセスと医療成果との関連解析 場所; ・済生会熊本病院 研究の目的; ・客観的な患者生体情報と最終的な医療アウトカムとの関連抽出 ・医療プロセス(パス)に記載している全ての医療行為・判断を解析 ・パスに記載していない新規の臨床指標(CI)を抽出 方法 研究の方法; ・アウトカム志向型のパスを用いる ・患者や病室に様々なセンサーを装着する ・看護師に行動識別センサーを装着しRFIDで患者と紐づける ・数理統計学的手法および機械学習を用いて解析する 入院患者における医療プロセスと医療成果との関連解析 4日間の経皮的冠動脈形成術(PCI)クリニカルパス の解析結果 (N=135) • 目的変数: 在院日数 (日数≦4日間 :0, 日数≧5日間 :1) • 解析方法:ロジスティック解析 年齢 食事摂取ができる(3日目) 1.12* 73.52* 95%-confidence interval 1.02-1.23 1.46-3692.33 穿刺部に問題がない(3日目) 23.12* 1.14-467.57 0.041 バイタルサインが安定している (4日目) 32.55* 1.55-684.94 0.025 説明変数 Odds 27のアウトカムから4つのCIを抽出した p-value 0.015 0.032 18 PCI患者(入院日~退院日) 赤線は、看護師の入退室を示す 150 50 心電図 モニタ 2日目 退院日(4日目) 心拍数 加速度 400 3日目 datetime 60 20 心拍数2 15 5 ベッド圧 センサ 呼吸数 seq(ISOdatetime(2011, 8, 1, 12, 0, 0), by = "sec", length.out = length(w atch)) bed$time 2.0 1.0 ベッド上所在 bed$time 65 湿度 55 %RH 75 0.0 Status(Bed) 3.00 Respiration 25 0 Heart Rate(Bed) 0 wrist 800 0 Heart Rate 入院日 25 27 エアコンの影響がよくわかる 温度 htc$Date.Time dB 騒音 エアコンやテレビの音も拾っている htc$Date.Time LUX 照度 Date.Time 西日やカーテン開閉の影響がわかる 0 1000 2500 40 60 80 10023 Deg C bed$time 19 01 19:00 01 21:00 01 23:00 02 01:00 02 03:00 02 05:00 02 07:00 02 09:00 02 11:00 02 13:00 02 15:00 02 17:00 02 19:00 02 21:00 02 23:00 03 01:00 03 03:00 03 05:00 03 07:00 03 09:00 03 11:00 03 13:00 03 15:00 03 17:00 03 19:00 03 21:00 03 23:00 04 01:00 04 03:00 04 05:00 04 07:00 04 09:00 04 11:00 DateTime time 3つの加速度センサーとRFID tagを持つ看護師 胸 手首 ポケット 腰 20 テストデータでの識別結果 全クラス平均で62.2%(最高100%、最低11.8%) 収集したデータ量(2012年10月まで) • 患者データ (93患者) – 2011年4月から 2011年7月までRFIDデータなし • 環境センサーと加速度センサー570時間(患者あたり70時間), ECG 410時間, ベッドセンサー 228時間 – 2011年8月から RFIDデータあり • 環境センサーと加速度センサー5600時間(患者あたり66時間 ), ECG 4060時間, ベッドセンサー 4100時間 • 看護師データ – 模擬看護データ (41行動種) • 合計 70時間 4994データ (1行動あたり120データ) – 実看護データ(RFIDなし) • 合計4600時間 – 実看護データ(RFIDあり) • Total 4400時間 [82時間のデータがRFIDでラベル] 22 国別のGDPとそれぞれの普及率の関係 ▲ネット ○固定電話 ×携帯電話 普及率(%) 250 1995 200 九州大学 普及率(%) 250 経済学 篠崎彰彦教授からの引用 2000 200 150 150 100 100 50 50 0 0 0 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 一人あたりGDP(購買力平価(USD)) 普及率(%) 250 2005 一人あたりGDP(購買力平価(USD) ) 普及率(%) 250 200 200 150 150 100 100 50 50 0 0 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 一人あたりGDP(購買力平価(USD) ) 0 2010 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 一人あたりGDP(購買力平価(USD) ) 国別の識字率とそれぞれの普及率の関係 ▲ネット ○固定電話 ×携帯電話 250 普及率(%) 経済学 篠崎彰彦教授からの引用 普及率(%) 250 1995 200 九州大学 2000 200 150 150 100 100 50 50 0 0 0 20 40 60 80 100 識字率(%) 20 2005 40 60 80 100 80.0 100.0 識字率(%) 普及率(%) 250 普及率(%) 250 200 0 2010 200 150 150 100 100 50 50 0 0 0.0 20.0 40.0 60.0 識字率(%) 80.0 100.0 0.0 20.0 40.0 60.0 識字率(%) ポータブルクリニック・プロジェクト サービスが届いていない人々への、手ごろな価格で、使い易く、継続性があり、予防に用いられる保健医療システム アルゴリズムに従って 被験者を階層化 第三者的疾病管理事務局 正常;定期健診 DB 軽症;健診+パンフレット 中等症;健診+遠隔医療(遠隔処方) コールセンター (医師所属) トリアージ 重症;健診+遠隔医療+通院・入院勧奨 150 50 100 0 wrist 60 60 20 15 5 bed$time 2.0 3.0 0 Respiration 25 0 Heart Rate(Bed) 0 20 datetime seq(ISOdatetime(2011, 8, 1, 12, 0, 0), by = "sec", length.out = length(w atch)) bed$time 150 50 60 datetime 60 20 seq(ISOdatetime(2011, 8, 1, 12, 0, 0), by = "sec", length.out = length(w atch)) 15 5 bed$time 2.0 1.0 bed$time 65 bed$time 25 htc$Date.Time 60 htc$Date.Time 1500 500 Date.Time 0 LUX 40 dB 80 10023 Deg C 27 55 %RH 75 0.0 Status(Bed) 3.00 Respiration 25 0 Heart Rate(Bed) 0 20 wrist 100 0 Heart Rate 看護学生による グラミン医療レディ 02 15:00 02 15:10 02 15:20 02 15:30 02 15:40 02 15:50 02 16:00 DateTime time 02 16:10 02 16:20 02 16:30 02 16:40 02 16:50 02 17:00 65 25 60 htc$Date.Time 1500 Date.Time 500 LUX 40 dB 80 10023 Deg C 27 55 %RH bed$time htc$Date.Time 0 ・コール ・メール ・携帯Web 75 0.0 Status(Bed) (日常・緊急指示) Heart Rate 橙・赤階層には、遠隔医療や処方 情報薬配信 1.0 容易に扱える機器と ネットワーク 02 15:00 02 15:10 02 15:20 02 15:30 02 15:40 02 15:50 02 16:00 DateTime time 02 16:10 02 16:20 02 16:30 02 16:40 02 16:50 02 17:00 バングラデシュにおける健診 – 遠隔医療 in 2012 トリアージ & 登録と1回 目問診 1回目健診 トリアージ & パンフレットによ る教育 遠隔医療 (n=8690) アドバイス・遠隔処方 &/or 受診勧奨 のみ 2ヶ月後 トリアージ & 登録と2回 目問診 2回目健診 トリアージ & パンフレットによ る教育 遠隔医療 アドバイス・遠隔処方 &/or 受診勧奨 Portable Clinic in Attachecase Summer Version 2012 Barcode reader Measure (Height, Waist, Hip) Name cards with barcode Thermo meter Pulse oximeter (Oxygen in blood) Urine tester tape (protein, sugar) Blood sugar meter Blood pressure 行動計 Buttery Paper and pen Mobile modem Android terminal Weight scale Including 1) sensor devices, 2) transmission system, 3) data management software, and 4) doctor call center services アタッシュケース型ポータブルクリニック構想 バーコード リーダ バーコード 付き名札(200枚) 体温計 メージャー 身長、腹囲、臀囲 血中酸素濃度 脈拍計 血糖計 尿検査紙 (尿蛋白、潜血) 血圧計 行動計 バッテリー 紙カルテと ペン 3G通信機器 アンドロイド端末(Skypeインストール) 体重計 1)センサー類、2)送信システム、3)データマネジメントソフト、 4)医師のコールセンターサービスまでを含む BAN標準 IEEE802.15.6 2012年2月に公表された初めての医療BAN 1つの共通MACに3つの物理層 (PHYs) QoSの保証 堅固なセキュリティの実施 低電力消費 安全な比吸収率レベル パイロット研究結果2012(7月から11月) 1回目健診(n=791) 2回目健診 (リピート率= 96/167=57%) 緊急(12%) 遠隔医療 緊急(3%) 発症(18%) 発症(88%) 健康(10%) 1回目健診 注意 (69%) 緊急(13%) 保健指導 発症(43%) 健康(2%) 注意(43%) 2回目健診 1回目の健診の結果 色のレベ ル 緑 人数 緊急 1419 黄 5588 橙 1471 赤 212 総計 N= 8690 健康 8690 発症 注意 32 ポータブルヘルスクリニック研究 から得たもの • Big Data – また、おそらく健康状態の改善も得ている (解析中) • フィードバックするシステムの課題 • フィードバックする運用の課題 • バングラデシュとの関係 2013年もバングラデシュ研究を続けます 33 災害地における強化した保健医療情報システム 第三者的疾病管理事務局 クラウドなど コールセンター DB 個別の医療 必要性をアルゴ リズムで判断 EHR/PHR 情報薬配信 (日常・緊急指示) 患者 モニタリング ・コール ・メール 容易な設置/通信 ・携帯Web 150 スマートフォン 処方箋発行。慢性疾患や メンタルヘルスケアにも対応 datetime 60 20 seq(ISOdatetime(2011, 8, 1, 12, 0, 0), by = "sec", length.out = length(w atch)) 15 5 bed$time 2.0 1.0 bed$time 65 bed$time 25 htc$Date.Time 60 htc$Date.Time Date.Time 500 LUX 40 dB 80 10023 Deg C 27 55 %RH 75 0.0 Status(Bed) 3.0 0 Respiration 25 0 Heart Rate(Bed) 0 20 wrist 行動計 60 100 0 Heart Rate 血糖計 遠隔地からの遠隔医 療 0 仮設住宅 脈拍計 位置計 遠隔医療 50 内服薬の配送 1500 避難所 ・センサ管理のみ ・遠隔診療 ・訪問診療 ・緊急搬送 02 15:00 02 15:10 02 15:20 02 15:30 02 15:40 02 15:50 02 16:00 DateTime time テレビ(地デジ) 血圧計 体重計 高齢者や慢性疾患などの高リスク者 02 16:10 02 16:20 02 16:30 02 16:40 02 16:50 02 17:00 疾病管理提供者 コールセンター データセンター (診療情報とセンサ情報の融合) EHR/PHR EAN DB EMR/CHOE 医療支援 センサーデータの可視化 WAN 情報薬配信 (日常・緊急指示) 携帯電話 脈拍計 位置計 PC PAN 血糖計 調整 遠隔医療 スマートホン 行動計 血圧計 ・コール ・メール ・携帯Web かかりつけ医 専門医 保健医療サー ビス提供者 体重計 合併症を持つ高リスクの在宅患者 介護事業者 技術移転の方向性 = 先進国のニーズ + 先進国の技術(シーズ) 新ソリューション さらなる先進国の技術 = 国際標準の活用 開発途上国のニーズ + 先進国のソリューション (新しいシーズとして) 新ソリューション やソリューション向上 先進国へフィードバック (リバースイノベーション) 他の途上国への普及 ご静聴ありがとうございました! 本研究は主として「最先端研究開発支援事業(First)」による ご質問は? もしなにかございましたら下記まで 中島直樹 [email protected]