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医薬品等卸売事業の拡大とグループシナジー効果の追求 「07
社長メッセージ 「07-09中期経営計画∼進化と拡大∼」の進展 n 医薬品等卸売事業の拡大とグループシナジー効果の追求 医薬品等卸売事業の当期業績 シーエス薬品株式会社および株式会社琉薬の子会社化、フルライン効 果、既存連結子会社での新規取引や新製品への取り組み強化、配送専門 職の活用による調剤薬局販路への注力などにより、売上高は引き続き市 場を上回る伸びで推移しました。 これらにより、医薬品等卸売事業の売上高は1兆7,525億71百万円(前 期比11.5%増) となり、実質ベースの売上成長率は5.5%と、市場平均成 長率である3.4%を上回りました。 利益面では、適正な売上総利益の確保を重視した販売に努めましたが、 売上総利益率は前期に比べ0.1ポイント低下しました。一方、継続的なコ スト削減や販売生産性の向上に努めた結果、売上高販管費比率は6.4%と なり、前期よりさらに0.2ポイント減少しました。営業利益は244億94百万 円(前期比20.3%増) となりました。 実績と計画(医薬品等卸売事業) 売上高 売上総利益 (百万円) 販売費及び一般管理費 (百万円) 1,752,571 (百万円) 1,907,000 152,300 123,750 137,794 1,572,429 104,754 125,109 1,394,969 営業利益 (百万円) 28,550 112,926 24,494 93,379 107,045 20,355 13,666 ’06/03 14 ’07/03 ’08/03 ’09/03 (計画) Alfresa Holdings Corporation ’06/03 ’07/03 Annual Report 2008 ’08/03 ’09/03 (計画) ’06/03 ’07/03 ’08/03 ’09/03 (計画) ’06/03 ’07/03 ’08/03 ’09/03 (計画) グループシステム構想 グループシステム構想は、実現に向けて着実に前進しています。2007 年10月に株式会社日立製作所と合弁でアルフレッサ システム株式会社を 設立し、本年1月には、四国アルフレッサ株式会社において新基幹システ ムの共同利用を開始しました。今後は順次、アルフレッサ日建産業株式会 社、成和産業株式会社、安藤株式会社などグループ各社に共同利用を展 開し、間接業務の軽減とコスト削減をめざします。 システム共同利用スケジュール 2008年3月期 2009年3月期 2008年1月 2008年11月 四国アルフレッサ (株) 共同利用開始 アルフレッサ日建産業(株) 共同利用開始予定 2010年3月期 2009年5月 2009年11月 成和産業(株) 共同利用開始予定 安藤(株) 共同利用開始予定 2007年10月 アルフレッサ システム (株)設立 進 を推 用 利 2007年5月 アルフレッサ (株) 全面稼動 同 の共 社と 各 ープ グル Alfresa Holdings Corporation Annual Report 2008 15 社長メッセージ グループ物流構想の進展 顧客ニーズとローコスト運営をバランスよく満たす体制を構築するた め、グループ物流体制の見直しを積極的に進めています。当期において は、目黒医薬品センターと神奈川物流センター が稼動を開始し、四国物 流センター や中国地域における物流センター の建設にも着工しました。 また、セルフメディケーション卸売事業においては、東北物流センター が 稼動を開始しました。今後は、特に東名阪地域の物流センター を再整備 し、グループシナジー効果の早期最大化に取り組んでいきます。 グループ物流構想 顧客ニーズとローコスト運営をバランスよく満たす体制 四国アルフレッサ (株) 四国物流センター アルフレッサ (株) 神奈川物流センター 予定 2007年12月稼動 2007年3月 2008年3月 2007年5月稼動 アルフレッサ (株) 目黒医薬品センター 16 Alfresa Holdings Corporation 2008年7月稼動 2008年2月稼動 シーエス薬品(株) 東北物流センター Annual Report 2008 2009年3月 2010年3月 2009年5月稼動予定 成和産業(株) 中国地域における物流センター 物流センターと医薬品センター 物流センター 多様化するお得意様のご要望に応えると同時に、業務の効率化によるローコストオペレーションを実現 する大規模郊外型センター。 医薬品センター よりお得意様に近い場所に豊富な在庫を有し、安定供給とジャストインタイムの物流を提供する支店 併設の都市型センター。 セルフメディケーション卸売事業の確立 中期経営計画で掲げる目標達成に向けては、OTC医薬品を中心とした セルフメディケーション卸売事業の早期確立と販売ネットワークの確立が 課題としてあげられます。アルフレッサグループでは、同事業の中核的存 在であるシーエス薬品株式会社にセルフメディケーション卸売事業の集約 を進めており、本年10月には明祥株式会社における同事業もシーエス薬 品株式会社に移行します。集約による効率化を図り、早期の収益改善を 実現する計画です。 また、2008年から始まった特定健診制度と2009年の薬事法改正にとも ない 、一般生活者の健康に対するニーズの多様化が予想されます。これ に対応するため、本年3月、当社およびシーエス薬品株式会社、さらに業 務提携を締結している株式会社日本アクセスより人材を選出し、当社事業 開発部の下にセルフメディケーション事業推進室を設置しました。この推 進室では、食事と運動を組み合わせた健康増進プログラムの開発など、消 費者向けの新たなサービスの提供を中心に検討し、早期の事業化をめざ しています。 Alfresa Holdings Corporation Annual Report 2008 17 社長メッセージ 薬事法改正により、コンビニエンスストアやスーパーなどの一般小売店 でも一部の医薬品の取り扱いが可能になることを踏まえ、小売店向け医 薬品売り場の提案や独自企画の商品開発についても進めていく考えです。 一般小売店での販売網については、食品卸売企業である株式会社日本ア クセスのネットワークおよびノウハウを活用し早期に確立する計画です。 さらに、東名阪で一般用医薬品等卸売事業のネットワークを確立している 丹平中田株式会社との事業展開も重要となります。丹平中田株式会社に ついては、本年6月に第三者割当増資を引受け6.5%の株式を取得し、本 格的な経営改革プログラムを開始しました。将来の経営統合を視野に入 れ、経営改善の早期実現をめざします。 セルフメディケーション卸売事業の確立に向けて 2007年11月 当社、シーエス薬品(株) および丹平中田(株) がセルフメディケーション事業体制構築に関する合意書を締結 18 2008年2月 当社と丹平中田(株) が資本・業務提携に関する基本合意書を締結 2008年5月 シーエス薬品(株) と明祥(株) が 、明祥(株) における一般用医薬品等卸売事業をシーエス薬品(株) に譲渡する 事業譲渡契約を締結 2008年6月 丹平中田(株) の第三者割当増資引受けを実施 Alfresa Holdings Corporation Annual Report 2008 セルフメディケーション卸売事業の確立 明祥(株) の一般用医薬品等卸売事業をシーエス薬品(株) に譲渡 2,150億円 将来的構想 現在の段階 明祥(株) 50億円 シーエス薬品(株) (株)琉薬 750億円 丹平中田(株) 40億円 1,300億円 友好卸 医薬品等卸売事業の次期見通し 2009年3月期の医療用医薬品市場は、2008年4月1日付の薬価基準の 平均5.2%引き下げ改定が実施されたものの 、高齢化の進展や新薬の発 売効果などにより引き続き2%程度の緩やかな伸びをするものと予想して います。 医薬品等卸売事業においては、昨年の流通改善懇談会による緊急提言 を受け、 「経済合理性のある価格交渉」 「総価取引の改善」 「未妥結仮納入 の改善」 を重要課題として取り組んでいきます。また、お得意様への付加 価値サービスの向上を図るとともに、さらなる流通の効率化、ローコスト 経営を推進することにより、次期業績は、売上高1兆9,070億円(当期比 8.8%増) 、営業利益285億50百万円(当期比16.6%増) を見込んでいます。 Alfresa Holdings Corporation Annual Report 2008 19 社長メッセージ n 医薬品等製造事業の経営基盤確立 医薬品等製造事業の当期業績 医薬品では2007年3月に発売したナルコレプシー治療薬「モディオ ダール」、医療機器では合成吸収性縫合糸「モノディオックス」の売上増加 があったものの、インフルエンザA 、Bウイルス抗原検出迅速試薬「キャピ リアFlu A+B」の売上減少などにより僅かながら減収となりました。また、 適応症の拡大に取り組んでいる 「モディオダール」関連の研究開発費が増 加したことなどもあり、営業利益も前期に比べ減少しました。 これらにより、医薬品等製造事業の売上高は247億3百万円(前期比 0.5%減) 、営業利益6億30百万円(前期比14.7%減) となりました。 医薬品等製造事業の次期見通し 2009年3月期は、POCT検査薬(迅速検査試薬) の販売推進を行うととも に、他社との販売提携や事業提携を積極的に推進してプロダクトラインの 拡充を図ります。ウィルソン病治療剤「ノベルジン」の発売に続き、医療機 器の分野では、東レ株式会社が開発・製造販売するカテーテルアクセス 実績と計画(医薬品等製造事業) 売上高 売上総利益 販売費及び一般管理費 (百万円) (百万円) 24,833 24,703 26,000 9,545 (百万円) 9,523 9,700 8,892 739 9,050 630 7,937 8,342 22,024 8,806 営業利益 (百万円) 650 405 ’06/03 20 ’07/03 ’08/03 ’09/03 (計画) Alfresa Holdings Corporation ’06/03 ’07/03 Annual Report 2008 ’08/03 ’09/03 (計画) ’06/03 ’07/03 ’08/03 ’09/03 (計画) ’06/03 ’07/03 ’08/03 ’09/03 (計画) ポート 「P-U セルサイトポート」 において、がんの全身化学療法に最適化し たディスクリートタイプを発売しました。また、医薬品の製造設備の充実に より、受託製造能力のさらなる拡大を行います。 「モディオダール」 につい ては、2008年5月に閉塞性睡眠時無呼吸症候群にともなう残存する日中の 過度の眠気に対する効能追加申請を行い、承認取得をめざしています。 これらにより、次期業績は売上高260億円(当期比5.3%増) 、営業利益 6億50百万円(当期比3.1%増) を見込んでいます。 P-Uセルサイトポート n ヘルスケアコンソーシアム構想の具現化 アルフレッサグループは、グループビジョンとして健康に関するサービ スを総合的に提供する 「ヘルスケアコンソーシアム」をめざしており、医薬 品卸売事業を中心に、それに関連する医療機器および診断薬卸売事業な どのさらなる展開を図っていきます。 健康関連市場は今後拡大するとみられ、健康補助食品などの領域への 取り組みや調剤薬局との提携・事業展開も視野に、新しい業態への参入を 計画しています。 調剤薬局との提携については、本年3月 ヘルスケアコンソーシアム構想 に調剤薬局事業を営むアポロメディカル 代替医療 予防医療 セルフメディケーション 予防・ケア ホールディングス株式会社の株式を取得 特定健診 健康増進 さらに、インド、韓国、台湾、中国およ び東南アジア諸国などのアジア市場を 流通再編 抗加齢・美容 医薬品等流通 コンサルティング サプライチェーン 医療機関のトータルサポート ターゲットとした海外展開を考えていま す。具体的な案件としては、中国で日本の 海外展開 介護・在宅 再生ファンド し、子会社化しました。 メーカー の医薬品販売を開始しました。 サービス 医療周辺事業者 Alfresa Holdings Corporation Annual Report 2008 21 社長メッセージ n グループ経営基盤の拡充と運営体制の強化 アルフレッサグループは、07-09中期経営計画において「進化と拡大」を テーマに掲げていますが、現在まさに組織的にも体制的にも進化しようと しています。第一に、執行役員制度を導入し、全グループ会社の執行役員 以上が出席するグループ経営推進会議を年に1回、また、グループ各社の 経営者が参加するグループ経営会議を年に7回 * 開催し、グループの経営 方針の共有を図っています。次に、内部統制については、当社が中心と なって、グループ各社における内部統制体制を順次整えていくため、担当 者を増員しました。 アルフレッサ ホールディングス株式会社の体制づくりとしては、グ ループの結束力強化のため、業務執行会議を開催しています。スピード 感のある経営をめざし、開催回数を増やして、様々な決議、審議をこの会 議で行っています。 *2008年3月期実績 22 Alfresa Holdings Corporation Annual Report 2008