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発表6

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発表6
発表 6
特定非営利活動法人 日本森林ボランティア協会
http://www.npomori.jp
助成テーマ
市民参加による切り捨て間伐材の利活用モデルづくり(平成 26 年度助成)
プロフィール
当会は森林の荒廃を憂うる数名の市民が集まって 1997 年に設立。現在は会員数約 300 名、
主に近畿圏の 15 箇所で継続した活動行っている。東日本大震災では岩手県大槌町にメンバー交
代で 2 か月常駐し仮設浴場向けの薪供給に尽力した。
大阪が拠点の当会。設立当時に会の命名にあたっての初代理事長と常務理事の会話「こんな団
体、既にほかに日本にあるんか?」
「たぶんまだないです」
「ほな日本森林ボランティア協会にしょ
うな~」今日でも名実とも森林ボランティアのパイオニア、トップランナーと勝手に自負してい
る。
■□■助成事業報告■□■
<活動の目的>
かつて日本の暮らしのなかでは国産の木材が、建物や家具など住まいの分野で大切に使われていた。
近年になって利便性の高い輸入材や化成品にとって代わられたことで、日本の林業や小規模な製材業
は衰退著しい。間伐材は搬出や製材など製品化にあたって、様々な専門性やコストが必要となる。国
産材価格が低迷したままの今日では、その多くは山中に「切り捨て」にされてしまう。現在では製材
業は集約型産業となり、加工に手間のかかる国産の間伐材が建材や家具材などとして消費される機会
は少なくなった。
一方で都市近郊において里山林や人工林で除間伐などの森林整備作業をする「森林ボランティア」
は近年相応数となった。彼らは経験年数を積むとチェーンソーなどの動力機械を使うようになる。森
林ボランティアでも「ポータブルウィンチ」を使った比較的簡易な丸太の移動や「移動製材機」を使っ
ての丸太から半製品への加工は可能である。但し現状ここまでの工程が行える森林ボランティア団体
は、全国でも数少ない。
国産材の利用が活発になり森林整備が進むことは、中山間地振興や生物多様性の向上など様々な効
果がある。市民ボランティアが主体となっての川上(間伐作業)と川下(丸太や板材の利用)が連携し、
森林の恵みとしての間伐材の、今日的な利活用の可能性を探り検証することが、本活動の目的である。
<活動の概要>
1)ポータブルウィンチによる間伐材の移動作業
本助成により購入したポータブルウィンチを使って、間伐材の搬出作業を実施した。山中の斜面地
で間伐した木材はこのウィンチを使っておよそ 80 メートルの距離を移動させることが出来る。
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2)間伐材の製材
間伐材を製材し新たなユーザーを探るケーススタディのために、当協会で間伐整備した兵庫県丹波
市立進修小学校の学校林の材木を譲り受け、松原木材(株)
(大阪府泉佐野市)で製材を行った。当校
では毎年 3 年生が学校林を遠足で訪れている。間伐整備後は児童による広葉樹の植林が実施されてい
る。今般製材した木材を使ってベンチを作成、寄贈した。
3)他団体との連携による間伐材利用の普及啓発・試行
NPO 法人木育フォーラム(大阪市住之江区)と連携して、デパート(阿倍野ハルカス縁活プログラ
ム)や DIY 工具専門店(DIY FACTORY OSAKA)の催事に出展し、間伐材利用の理解促進を図った。
NPO 法人 FC 岸和田(大阪府岸和田市)と連携して、中学生に間伐(川上)から製材・木工(川下)
まで体験の機会を提供した。木工ではミニまな板とクラブで使うテーブルを作成した。(大阪府泉佐
野市 間伐:意賀美神社・製材 木工:松原木材)
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4)DIY リフォームでの活用
現状では国産材の用途の多くは住宅関連である。DIY リフォーム(大阪市住之江区 施主 20 代男性・
団体職員)での床材張替を行った。
5)雪害木の活用
国産材が切り出されるまでの数十年の育林の間には、雪害や風害で曲がり製品価値がつかなくなる
リスクもある。NPO 法人 Co.to.hana(大阪市住之江区)が運営する北加賀屋みんなのうえんの菜園整
備に雪害木を移送し、土留めに活用した。
<活動を終えて~今後の課題>
この活動で「間伐材」をテーマに川上から川下まで様々な市民の方々と交流をした。木材業界は山
の立木の状態から板や柱あるいは燃料として利用・消費されるまで分業され個々に高い専門性がある。
製材や流通の過程に触れると木材の「歩留まり」の悪さを実感した。
東京オリンピックに向けた新国立競技場での木材の利用や、再生可能エネルギーとして大規模な木
質バイオマス発電所など、森林資源の利活用に関心は高まっているが、需要と供給のアンバランスな
ど、新たな問題も見え隠れしている。活動で出会ったたくさんの笑顔から、今後の新たな間伐材の利
活用に可能性を感じる一方で、経済面での合理性を市民主導で導きだす困難さにも直面した。当会と
してはまずは現場での安全を第一に、様々な市民との交流を進めて行きたい。
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