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一つ一つが大切な生命
第2学年 道徳学習指導案 指導者 1 2 3 主題名 『一つ一つが大切な生命』[生命尊重 ○○ ○○ 低学年3-(2)](唯一性) ねらいと資料名 (1) ねらい ○ 一粒のひまわりの種から芽が出て成長し,花が咲きやがて枯れていく一連の生命の流れが分 かり,そのかけがえのない生命を大切にしようとする心情を育てる。 ○ 資料「ぴよちゃんとひまわり」をもとに,主人公がひまわりの花を一生懸命世話する気持ち を役割演技や吹き出しをもとに話し合うことをとおして,生命を感じ大切にしようとする価値 を追求・把握できるようにする。 (2) 資料名 「ぴよちゃんとひまわり」(学研) 主題設定の理由 本学習指導では,動物や植物にも生命があり,一生懸命生きていることに気付き,それらすべ ての生命をかけがえのないものとして尊重し大切にしようとする心情を育てることをねらいとし ている。本学習指導で指導する生命とは,人間だけでなく,生きているすべてのものがもってい るかけがえのない尊いものである。その生命は,一つ一つが力強い生命であり,限りあるもので ある。一粒の種が芽を出し,葉を茂らせ,ぐんぐん伸びて花を咲かせていく植物の成長する姿に, 驚きと深い畏敬を感じる。そこで,飼育や栽培の体験をとおして,身の回りの動物や植物の成長 の変化や不思議さ,一生懸命生きようとする姿に触れ,感動することで,それらもみんな一つ一 つが生きているのだといった見方・考え方を獲得する道徳学習が大切であると考えた。本主題に 関しては,第1学年の自分の身の回りの生き物にも人間と同じような生命があることに気付く学 習を受け,第3学年の生命の尊さを感得し,生命あるものを大切にしていこうとする心情を育て る学習へと発展していく。 ○ 本学級の子どもたちは,生活科の学習でアサガオや夏野菜を育てたり,飼育小屋の小動物と触 れ合ったりする経験をしている。また,家庭で魚や虫を育てたり,小動物に触れたりする中で, 動植物の誕生や成長そして死などに触れ,その喜びや悲しみを経験している子どももいる。しか し,生命について,一つしかないものということは知ってはいるものの,当たり前にあるものと してとらえ,生命は失ったら二度と戻らないことまで深く考えていない子どもが多い。また,自 分と同じように他の生命もかけがえのない大切なものであることには十分思いが至っていない。 これは,生命の力強さや不思議さ,生きていることの喜びなどを十分に感じ取る経験をしていな いからだと考えられる。そこで,動植物の成長をよく観察することができるようになると同時に, 自分を草花や動物と重ねて考えることができるこの時期に,飼育や栽培などの直接的な体験をと おして,その思いを推し量り,生命の強さや不思議さ,素晴らしさを感じ,生命を大切にしよう とする心情を育てる学習が大切であると考え,本関連単元を設定した。このことは,生きている ことを実感し,自他の生命を尊重しながらよりよい生き方を求めようとする道徳的態度を育てる とともに,感動し,生命を輝かせる子どもの姿を生み出す上でも意義深い。 ○ 本関連単元の指導にあたっては,生命尊重にかかわる内容のつながりを図り,心が通い合う交 流活動をとおして,身近な動植物の生命の不思議さや素晴らしさに気付き,そのかけがえのない 生命を大切にして生きていくことができるようにしたい。そのためにまず,事前学習では,生活 科「冬やさいをそだてよう」で,自分で選んだ野菜の世話をして,その世話の大切さや成長の喜 びを味わわせる。また,学級活動「おへそのひみつ」で,自分が母親の胎内で大切に守り育まれ て生まれてきたことや誕生したときの家族や周りの人の喜びにも気付かせる。次に,道徳の時間 では,資料「ぴよちゃんとひまわり」をもとに,植物にも生命がありその生命に終わりがやって くることを知り,かけがえのない生命を大切にしようとする心について追求させたい。さらに事 後学習では,生活科「冬やさいをそだてよう」でかけがえのないものとして自分の野菜を育て, 生命はたった一つしかないことを実感することができるようにしたい。 ○ -1- 特に本学習指導にあたっては,まず,つなぐ段階で,育てている野菜をどんな気持ちで世話し ているかとなげかけ,価値の方向付けを図る。次に深める段階では,資料「ぴよちゃんとひまわ り」をもとに,ひまわりをずっと見守り続けてきたぴよちゃんの気持ちを話し合い,生命尊重の 価値を追求・把握させる。さらに,見つめる段階では,日常生活で動物や植物が元気に生きてい ると感じたことを話し合わせ,価値の内面的自覚を図る。最後にあたためる段階では,自分たち が元気に生きている写真を提示し,ひとつひとつの生命を大切にしていこうとする意欲を高める ことができるようにする。 4 学習指導過程 ○ 準備:関連単元表,道徳ノート,写真資料,輝きファイル 主 な 学 習 内 容 指 1 冬野菜の種や成長している様子の写真を 見て話し合う。 導 ○どんな気持ちで冬野菜の世話をしてい ますか。 入 ・芽が出て,大きくなっていくのをみると うれしい。楽しみ。 ・芽が出てこなかったとき,心配だった。 ・水やりを忘れずに大切に育てている。 導 上 の 留 意 点 1 今まで育ててきた冬野菜の種や大切に育 てている様子の写真を見せ,価値の方向付 けを図る。 ※写真資料で冬野菜の種や事前学習での野菜 を大切に世話している様子を提示し,心情 を想起させる。 ※本時では,植物を大切に思い,生命につい て考えていくことを発問により促し,本時 のめあてにつなぐ。 (めあて) しょくぶつのいのちを大切にする自分を 見つけよう。 展 2 資料「ぴよちゃんとひまわり」をもとに, 2 資料「ぴよちゃんとひまわり」をもとに, ぴよちゃんの気持ちについて話し合い, ぴよちゃんの気持ちの変化やひまわりとの 生命尊重の価値について話し合う。 悲しい別れを役割演技や吹き出しをもとに 話し合い,生命尊重の価値を追求・把握さ せる。 (1) 食べようと思っていたひまわりの種が (1)資料を読み聞かせ,食べようと思っていた 友達のような存在に変わっていった主人 ひまわりが友達に変わっていくぴよちゃん 公ぴよちゃんの気持ちを考える。 の気持ちの変化に気づかせる。 開 ○毎日いっしょに過ごしたぴよちゃん は,ひまわりのことをどう思っていたで しょう。 前 段 ・おいしい葉っぱを食べたい。 ・もっとたくさん食べられる。 食べ物 ↓ ・お日さまみたいにきらきらしている。 ・明るくて嬉しい気持ちにしてくれる。 ・一緒にいると楽しい。 ・もう,食べようなんて思わない。 友達 -2- ※種を見つけたとき,食べたいと思ったけど, 待ったら,もっといっぱい食べられるとい う思いに気付かせる。 (ひまわりの種を食べ物として見ていた。) ※毎日ひまわりが大きく成長していくのを見 ていきながら,花を咲かせたころには,友 達みたいな関係にかわっていったことに気 付かせる。(ひまわりさんは,大事な友達) (2)枯れて倒れていくひまわりを見てい るときのぴよちゃんの気持ちを考え, 話し合う。 ◎枯れていくひまわりを見ているぴよ ちゃんは,どんな気持ちになったでし ょう。 (2)枯れていくひまわりを見ているぴよち ゃんの気持ちを役割演技や吹き出しに書 かせ,話し合わせる。 ※「さようなら。・・・ありがとう」という 言葉から,もう二度と会えない別れだとい うことに気付かせる。 ・お日さまみたいにもう一度笑って。 ・どうして死んでしまうの。(悲しさ) ・一人にしないで。さみしいよ。(寂しさ) ・もう会えないんだ。(別れ) ・死んでしまったら,生き返らないんだ。 悲しいよ。(生命の終わり) ・生命はたった一つしかない。(唯一性) ※このひまわりの生命は一つ。失ったら二度 と戻らない大切な生命であることをおさえ る。 いっしょにいるとうれしい いなくなるとかなしい ↓ たったひとつしかない大切ないのち 3 把握した価値に照らし合わせ,動物や 植物の生命の大切さについて話し合う。 3 育ててきた野菜や他の生き物の飼育の体 験を想起させ,価値の内面的自覚を図る。 展 開 後 段 ○生き物にも生命があり,一つ一つが大切 な生命なんだと感じたことはどんなことで すか。 ・カブトムシに毎日えさをやったり話しか けたりしている。 ・ハムスターを飼っている。えさをやった り水を替えたりして,大事に育てている。 ・野菜に毎日水やりをしたり声をかけたり している。大きくなっていくのが楽しみ。 4 終 末 ※輝きファイルの内容や日常の子どもの発言 を把握しておき,助言により想起できるよ うにする。 写真集「世界にたったひとつ,きみの いのちのこと」を見る。 ・元気だな。 ・みんな生きている。 ・いのちを大切にして生きていきたい。 4 いろいろな生き物が生き生きと活動して いる写真資料を提示し,生命を大切にして いこうとする意欲を高めさせる。 ※BGMを流し,実践意欲を高める雰囲気を つくる。 -3- 5 事 前 学 習 道 徳 の 時 間 事 その他(各教科等における道徳教育との関連) 感動体験 配 ね ら い 道徳との関連 時 1 冬野菜を育てたり,赤ちゃんの体内での成長の様子を知ったりして,生命の強さや植物を 育てる楽しさや難しさを感じとったり,生命の不思議に触れたりする。 ○生活科 3 ○自分が選んだ冬野菜の成長の様子に関心をもち,楽し ◎ 自 分の 野 菜を 大 「冬野菜をそ みながら世話を続ける。 切 に育 て よう と だてよう」 ○冬野菜の世話をしながら,成長の様子を絵や文などに い う意 欲 をも っ 表す。 た り, 成 長の 喜 ○冬野菜を育てる活動をとおして,野菜の変化や成長の び を味 わ った り 様子に気付く。 する。 ○学級活動 1 ○へその緒の働きをとおして,赤ちゃんは胎内で母親に ◎ 胎 児の 成 長や 生 「おへそのひ 守られながら成長することを知り,自他の生命を大切 ま れた 頃 の自 分 みつ」 にしようとする態度を育てる。 の 成長 を 知り , 生 命の 不 思議 に 触 れ, 自 分が 周 り の人 の 愛情 に 包 まれ て 生ま れ て きた こ とに 気 付く。 2 生命の不思議さやすばらしさを感じ取り,かけがえのない生命を大切にしようとする心情 を育てる。 ○ 道 徳 の 時 間 ① ◎一粒のひまわりの種から芽が出て成長し,花が咲きやがて枯れていく一連 「一つ一つ 本 の生命の流れが分かり,そのかけがえのない生命を大切にしようとする心 が大切な生 時 情を育てる。 命」 ○資料「ぴよちゃんとひまわり」の主人公がひまわりの花を一生懸命世話す 低 3-(2) る気持ちを役割演技や吹き出しをもとに話し合うことで,生命を感じ大切 にしようとする価値の自覚を深めることができるようにする。 3 かけがえのない生命を大切に思いながら,動植物の世話をして成長の喜びを感じたり,自 分の成長の喜びを感じたりする。 ○生活科 5 ○水やり,肥料やり,草取りなどの作業を続けて,成長 ◎ 植 物の 生 命を 大 「冬野菜をそ の様子に気付く。 切 にし , 様子 を だてよう」 ○冬野菜の実を喜んで収穫する。 見て世話をする。 後 ○生活科 12 ○誕生から現在までの自分の成長の様子を進んで調べ, ◎ 自 分の 成 長と 家 学 「大きくなっ その成長を喜ぶことができるようにする。 族 には 深 いつ な たわたし」 ○家族に尋ねたり,思い出の品を用意したりして小さい が りが あ るこ と 習 ときのことを工夫してまとめることができるようにす に 気付 き ,成 長 る。 の 喜び や 生き る ○生まれてから自分の成長や生活の様子を調べる活動を 楽 しさ を 感じ な とおして,自分の成長には人々の支えがあったことに がら生活する。 気付き,感謝の気持ちをもつことができるようにする。 -4-