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敦煌文書ペリオ3647文書の術数と訳注

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敦煌文書ペリオ3647文書の術数と訳注
敦爆文書ペリオ3647文書の術数と訳注
宮崎 順子
はじめに
このペリオ3647文書は、『敦燵遺書最新目録』(1)で『葬経』と記されている文書であ
る。墓の方位の吉凶、残の儀式、葬日の選択法、埋葬の深さの吉凶、十二月将を使用し
た埋葬地の吉凶、葬車:の行路の吉凶など、すべて葬礼に関する記述からなり、全部で七
葉、一二九行∼六千字余りの分量を持つ。敦煙の風水文書は二三の例外を除けば断片的
なものが多いが、この文書には比較的まとまった記述が残されている(2)。そこで本稿で
はこの文書を取り上げて訳注を付し、唐・宋時代の墳墓の選択と葬礼に関する術数を考
察してみたい。敦燈文書中の風水文書の特徴は、雑多な術数を並列して記述する形式を
持つことにある。敦燈文書とほぼ同時代にあたる北宋の風水書『地理新書』を見ると、
敦煙文書と同様に、時間の選択や葬車の進路や墓の深さなどといった雑多な術が含まれ
ている。こういつた雑多な術は当時の葬法において重要な一部を形成していたと考えら
れるのである(3)。
1 ペリオ3647の術数
前述したようにペリオ3647文書には葬に関する雑i多な術数が残されているのだが、
ここでは9項目に分類して検討する。なお、「本文三」「本文十」などと記すのは、筆者
がこの文書に付した段落番号であり、原文には存在しない。一つの段落が複数の分類項
目に該当する場合もある。
一.十二月将の方位を使用する法。十二月将とは、徴明、何魁、三二、伝送、小吉、縢
先、太一、天剛、太衝、功曹、大吉、神后の十二月将を言う。この内、二丁、二三、
天剛の方位には埋葬すべきでないとする。この十二月将は『五行大義』三五、第二
十「論諸神」1で「六三の十二神将」とされている神将であるが、『五行大義』では「何
魁」は「三三」、「縢先」は「勝先」と記述する。この十二,月将は風水書中でしばし
ば使用される、六壬盤を用いた占いである。六壬盤とは、下盤には二十四方位(4)、
上盤には十二月将と二十四方位が記される占い盤であり、漢代以来め由来を持つ(5)。
(1)『敦煙遺書最新目録』(黄永武主編、1986年、浮文豊出版公司)
(2)『敦煙占ト文書与唐五代占卜研究』(黄正建著、2001年学苑出版社)で、ある程度
整理がなされている。
(3)拙稿「宋代の風水書『地理新書』の術数」(2003年、「関西大学中国文学会紀要」24
号)を参照のこと。
(4)二十四方位とは、後世の風水でもしばしば用いられる方位で、十二支(子丑寅卯辰
巳午未申酉戌亥)と日干(甲乙丙丁庚辛壬癸)と四維(乾坤巽艮)からなる。
(5)六壬占盤については、厳敦傑「関干西漢初期的式盤和占盤」(『考古』1978年、第5
一13一
上盤の十二月内と二十方位の位置について
本文書の後半部分にある「今月建法」にも
働 麓 ヨ5
記されている。朝鮮:出土の盛代式占盤の上
の
盤を見ると、子(卜師)、丑(大吉)、寅(
日
功曹)、卯(太衝)、辰(天関)、巳(大差)
、午(勝光)、未(小吉)、申(傳送)、酉「
(従容)、・戌(天魁)、亥(登明)と記され
圖
習卑
鐸
偽
掾E㍉ 尉 が 「
瓢
G ザ
罰醤綴
、
H汗 騨
聾1思暗
嚴
A盆 気 口
「式
、“ 壬
罷孟
ρ
(本文七、本文十一、本文十二、本文十九、
本文二十七、本文二十八、本文三十六に記
的
←3.0寸一_
〔==≡≡≡≡≡.一
一一45寸一一一
述あり)。
二.心気を使用する法。五帝とは、人の姓をその音韻によって五分類し、五音(宮・商・
角・徴・羽)に割り当てる占法である。後漢の王充『論衡』に五姓を使用.した住宅占
いが「図宅術」として記載されている。墳墓の選択において五逆を用いた例としては
『晴書』経籍志・心行の『五七墓図一巻』が初出であり、墳墓の選択に五姓を用いる
ことは六朝ごろから始まったと推測される。姓を五姓に割り振る方法については、本
文一に記述があるが、前半部分が脱落してしまっている。本文三には、五姓の各家の
出方・吉方の具体的な記述がある。本文十五では、五姓の各家にとって望重しい墓穴
の方位を、本文十七では墓穴の深さを述べる。この五一法については、ペリオ2615
やペリオ2632背面などに長文の文書が残る。宋代の皇帝陵はすべてこの五姓法に基づ
いて建造された(7)。 (本文一、本文三、本文四、本文十五、本文十七)。
三.各時刻に死亡した人が、何年生まれの人に損害を与えるか。たとえば「八月巳時死喪、
妨巳亥生人」など。損害が与えられる場合どのように対処すべきかについての記述は
見られないが、おそらく葬礼に参列すべき間柄であったとしてもそれを避けねばなら
ないのであろう。’(本文八、本文九)。.
四.日の選択法。葬礼に適当な日を選択する方法である。日の選択は当時極めて重視され
た。本文二は十二支を用いた素朴な方法である。本文四は残礼の式次第であるが、殖
に際しても日選びが必要であった。(本文二、本文四、本文五、本文二十、本文二十
一、本文二十二)。
五.墓地の歩数を数えて、墓穴の吉凶を判定する方法。本文十八では、墓穴は十干を用い
期)に詳しい。なお発掘された盛代の六四盤を見ると、一種類ではなく、ある程度のバ
リエーションが見られる。
(6)十二月将の用語は一部異なっている
(7)田代皇帝陵の風水については、福継仁「論陰陽堪輿対北宋皇陵的全面影響」(『文物』
1994年第6期)に詳しい。
一14一
關占
干天
西地
漢盤
初
期
るかという記述もある。本文二十七と本文
三十六が最も長文かつ詳細な記述である。
出
(土
敦漢
傑代
ムウ 隔
ていて、本文書の記述とほぼ一致する(6)。
また十二二月将が一年の各月にどの方位にい
朝
鮮
樂
浪
遺
式
盤
和
占
聲
)
て表し、何歩の穴が十干の何に相当するかを詑述する。前述の宋代風水書『地理新書』
巻十二・巻十三はすべて墓穴の位置に関する術数からなるが、巻十三「取地合四獣法」
の項に「甲為麟麟、丙為鳳恩、庚為章光、壬為玉堂。『家記』云、醸麟為守狗、…鳳
鳳為鳴鶏、…章光為奴碑、…玉堂為盧宅、倉庫及高堂、四神皆備、工種寧。1とあり、
本文十八と重なる。『地理新書』では、鼠穴を選択する方法が多岐に渡って叙述され
ており、葬法の中でもこの術数が重視されていたことが分かる。(本文十八、本文三
十七)。
六.葬車の墳墓までの行路の吉凶。本文十六では十干を用い、本文二十五では十二直(建
除満平定執破危成収開閉の方位)と十二支を用いる。ペリオ2550背「陰陽入地深浅法
旧姓同用四十五家書第三十七」、『地理新書』二十四「四折曲路立成図法」にも葬車
の経路を占う術数が記されている。 〈本文十六、本文二十五、本文二十九)。
七.墓地での埋葬の深さ。本文十七では地表から墓の深さを計測し、その数と五姓との相
性を見る。ここには更に、埋葬の儀式で述べるべき「呪」が記されている。死者の享
年、喪主の年齢、墓地の広さ、埋葬の深さ、墓地への出入の方向まで、詳しく述べね
ばならなかった(8)。当時、これら雑多な術が葬儀の基本要素であったことが分かる。
『地理新書』三十四「幽穴浅深法」にも同様の占法が見られる。ペリオ3647文書では
五二を使用し、『地理新書』では十二直を使用していて術数は異なる。(本文十七)。
八。厭減法。何らかの事情で、望ましい葬法を用いることができない場合に、厄除けをす
ることによって被害を防御する方法。本文二十四では各種樹木の枝を、本文三十四で
は土を、本文三十五では山冠を使って厄除けをする。『地理新書』二十五「素謡二二」
にも、土や枝や石などを使用した厭勝法が見られる。(本文二十四、本文三十四、本
文三十五)。
九。風水師(葬師・地師ともいう)が葬を掌る場合の規定。風水師の位置や風水師を被害
から守る法などを記述する。当時すでに、風水師が葬儀を掌る場合があったことが分
かる。本文三十三では、葬儀の主人と風水師が言い争った場合の厄除け法が記されて
いるが、言い争いになった場合、主人が風水師の立場を奪うことになるので災厄が降
りかかるとされ、.両者の力関係を旧聞見ることができ、興味深い。『地理新書』三十
五にも、ゼ師術禁忌」(二二法、華三法、飾禁法、師候法、師命法、師偶法)がある。
(本文二十四、本文二十六、本文二十九、本文三十、本文三十一、本文三十二、本文
三十三)。
以上、ペリオ3674文書の術数について考察してきたが、この文書の「番の特徴は、
後世の風水でいう「形法」(土地の形勢を観察することによって、優れた士地を選択しよ
うとする流派)の術が全く見られないことである。一方、五姓法のようなギ理法」に属
する方位選びについては記述がある。またこの文書では、墓地や墓穴の方位だけではな
く、雑多な方術にも重点が置かれている。上述の七には、埋葬に際して述べる、死者の
享年、喪主の年齢、墓地の広さ、埋葬の深さ」墓地への出入の方向といった呪が叙述さ
れていた。このことからも、死者の享年や喪主の年齢に基づいた日時の選択、墓地の広
一15一
さから割り出される墓穴の適当な位置、埋葬の深さの二二、葬車の正しい行路などが埋
葬に際しての重要な要素であったことが分かる。また葬師に関する記述が見られる「こと
から、葬儀を掌る風水師もこの文書の読者として想定されていたと思われ、すでに敦燈
文書の時代に職業的な風水師が存在したことが推測される。
H ペリオ3647の訳注
本文では錯字・假借宇は()で訂正し、衛字はそのまま残し、二字は〔〕で補充し
た。また判読不可能な漢字は〔]と表記した。なお判読が不確かな漢宇は□で囲って表記
した。漢字の字体についてはなるべく原本通りに筆記したが正漢字に改めた箇所がある。
また重文符号(おどり字)は文字に改めた。行頭の数宇は原文の通し行数を記した。段
落は意味を取って筆者が区分し番号を付したもので、原文では段落分けはない。行の途
中で段落が分かれる場合、後半部分は冒頭に行数を重ねて記入し、かつ《承前》と表記
した。なお句点、読点は筆者が付したものである。また項目名の太字も筆者が付した。
訓読・口語訳では錯字・假借字は訂正し、術字は削除した。また割注は{ }で括り、
口語訳において訳を補った部分は()で括った。
本文一
1
《不明》行年至壬辰《不明》
2
《不明》九月、壬戌小丁年五十七、行年至壬戌、入小墓、不得《不明》
3
4
武許呂傅評絵郎馬予卑件楮呉衛郭臣虞郭雇哀計
野営固温評蒲歩下柳雲=鷲□三方計器夷云母欝
5
右前五聖、皆依五音韻、亦単車段賓掛帯音、錐各別皆為商用者
6
為上代是複姓属商、或因継嗣他宗、亦取本姓為事、但複姓楽章
7
商姓為完。留任本姓所属用之。
訓読
《不明》行年字面に至り《不明》九月壬戌小墓、年五十七、行年は壬戌に至り、小墓に
入る、《… するを》.得ず。受配呂傅{一に商と去う}雨請馬干章喰出呉衛暖雨虞鄭沖
魚{一に商と云う}輔倶墨画{一に宮と云う}蒲歩祖{一に商と云う}雲{一に商と云
い、一に徴と云う}ロ{一に商と云う}骨{一に商と云う}雀{一に角と云う}母{五姓
を定む}。右前の五姓は、皆な五音韻に依る。亦た或いは胡段寅の姓音は、各の別なりと
錐も、皆な商用の者と為す。上代は是れ複姓は商に属すと為す。或るものは他宗を継嗣
するに因り、亦た本姓を取りて用と為す。但だ複姓は皆な商姓に従うを完と為すのみ。
傍お本姓の属するところに任じて之を用う。
日直訳
(8)仏教の僧侶が埋葬に際して述べる「臨壌文」は敦煙文書中に多く見られる。
一16一
《不明》死亡した年は壬辰の年である。《不明》九,月、壬戌小墓(9)五十七、死亡した年(10)
壬戌の年であり、かっ小話に入っているので、(∼しては)いけない。二二呂{あるいは
商に属するともいう}絵郎二二章件楮二藍郭臣三郷三三{あるいは商ともいう}輔倶固温
{あるいは宮ともいう}蒲歩祖{あるいは商ともいう}雲{あるいは商ともいい、徴と云
う}□{あるいは商ともいう}骨{あるいは商ともいう}覆{あるいは角ともいう}母{五
二を決定する}。前掲の同姓は、皆な五音の韻によって(区別する)。またあるいは胡段
賓の姓の音は、各々異なるが、すべて商に属すると考える者もいる。上代には複姓は商に
属するとした。あるいは他の宗族を継嗣した場合、本の姓を使用した。複姓はすべて商姓
に属させる方が正しい。やはり本姓の属するところを用いる。
本文二
8 東方葬者不用巳酉丑鵠。南方葬者不用申子辰鵠。
9 西方葬者不用亥卯未鵠。北方葬者不用寅午二心。
10 右方面月日、二二二相連鬼山生人姓(性)妨害深重、大凶。五□□〔]
訓読
東方に葬する者は己酉丑を用いず、{歳月日同じ}。南方に葬する者は申子辰を用い{歳
月日同じ}。西方に冠する者は亥卯未を用いず、{歳月日同じ}。北方に葬する者は寅午
戌を用いず、{歳月日同じ}。 右方面の閉止、各おの二相連山の敢て人性の妨害深重な
るを生ずる有り、大凶。五〔1〔]□
口語訳
東方に埋葬する人は巳酉丑を使用しない、{歳月日共に同じ}。南方に埋葬する人は申子
辰を使用しない{歳月日共に同じ}。西方に埋葬する人は亥卯未を使用しない、{歳月共
に同じ}。北方に埋葬する人は寅午戌を使用しない、{歳月日共に同じ}。以上の年・月・
賃を選択すれば、三相連鬼e1)が人に対して深甚なる妨害を及ぼす、大凶。五二ロロ
本文三
11
12
13
14
15
16
17
18
19
云五姓方面吉凶。宮姓土行、辰㌔弄戌㌔野。葬其地九
絶世在東方’難。五刑在北方地 鰍撃鑑。大徳在西方瓢欝叢二胡。
:五二在南方愉絶蟻犠論、葬其方世禄二二大吉。重陰在四季森㌢肇。
宜庚申辛酉毒、,瞥、丙丁日誌縞総、商姓金行、丑奎、未塞、葬其地鶏絶世
在南錯炎鏑。五刑在東方漱。大徳在北方世服♂大。五福在四季糞難。重陰
言西方途絶鵜。四葬辞あ縫。辰戌二二小吉。 角湯木行奎難、
葬其地、絶世大凶、絶世在西方で五刑在四季、重陰在東方。宜葬。.書㌔簾
解出令長。旧姓素行戌奎。辰塞。葬其地鶏、絶世在北方、五刑在西方。
大徳在四季、五三東方、重陰在南方、二二轟、幽公卿大吉、謙小吉。
(9)小墓・大墓とは風水占いで常用される方位の神。
(Io)行年とは、享年を指す。また一説には遊年神の二つで、各年の北辰の方角に居る。『五
行大義』巻五第二十三、論諸人の第二者論人遊年年立に解説がある。ここでは、死亡した
年を指すと判断した。
(11)春相丁丁については不明だが、本文書の後半の「推地鏡法」に「天呑」「地呑」の神
が見える。
一17一
20 羽姓水行、辰野、戌塞、葬此大凶絶世、絶世在四季、五刑在南方、
21 大徳在東方、重陰野北方、宜葬議器㍊、出E]吏二千石、大吉。
訓読
五姓方面の吉凶を云う。 宮姓土行、辰{大墓}戌{小墓}。其の地田に葬するに、絶世
は東方に在り、{滅門大凶}.五刑は北方地に在り、{刑歳に依りて露 す、一名九醜}。
大徳は西方に在り、 {亦の名筆蓋、又の名玄衝。其の方に葬さば世禄長遠大吉}。五福は
南方に在り、 {一名金野、一名光明、一名一下、其の方に葬さば世禄遙長大吉。重陰は四
季に在り、{子孫財物事に宜しからず}。庚申辛酉に宜し。{大吉、公卿を出す、小吉}、
丙丁巳午{大吉、公卿を出す、小吉}。 商姓金行、丑{大墓}、未{小墓}、其の地に
残せば{絶世大凶}、絶世は南に在り{金、火に号せば、大滅門と名づく、大禍凶}。五
刑は東方に在り{刑□人を出す}。大徳は北方に在り、{世禄早笛大吉}。五福は四季に
在り、{世禄延長大吉}。重陰は西方に在り、{少利多害、子孫及び財物事に宜しからず}。
宜しく糊すべし、 {壬癸亥子大吉、公卿を出す、上}。辰戌乾巽小吉。 角隅木行{大軍
小事は未丑}、其の地に葬さば、絶世大凶、絶世は西方に在り、五刑は四季に在り、重手
は東方に在り。宜しく堕すべし。 {壬癸子亥吉、公卿を出す、丙丁巳午}里長を出す。
軍学火行、戌{大戸}、辰{小町}。其の地に葬さば{絶世大凶}、絶世は北方に在り、
五刑は西方に在り。大徳は四季に在り、五三は東方に在り、重壁は南方に在り、宜しく葬
すべし。{甲乙寅卯}、公卿を出す、大吉、{丑未坤辰}小吉。 羽姓水行、辰{大墓}、
戌{小墓}、此に葬せば大凶絶世、絶世は四季に在り、五刑は南方に在り、大徳は東方に
在り、重陰は北方に在り、宜しく罪すべし、{ロ早目早出乙出名目目撃卯}、□吏二千石
を出す、大吉。
口語訳
工期の各方位の吉凶を云う。.宮姓は旧著、辰は{大平}、戌は{小墓}。四姓の人を埋
葬する時、絶世(12)は東方にあり、{滅門大凶}。五刑は北方にあり、{刑歳によって屍
が露出する、一名九醜}。大徳は西方にある、{またの名を華差、またの名を玄衝。そ
の方位に埋葬すれば世禄賢聖大吉}。五福は南方に在り、 {一名金匿、一名光明、で名五
福、その方位に埋葬すれば世々高禄にて長く大吉。重陰は四季e3)にあり、 {子孫財物事
によくない}。庚申辛酉がよい。 {大吉、公卿を出す、小吉}、丙丁巳午{大吉、公卿を
出す、小吉}。商姓金行、丑は{大冊}、未は{小国}、商姓の人をその土地に埋葬すれ
ば{絶世、大凶}である。絶世は南にあり、・{金が火の位置にあるので、大才門と名づけ
る。大禍凶}である。五刑は東方にあり{刑口の人を出す}。大徳は北方にあり、{世々
高禄長く大吉}。五福は四季にあり、{一同高禄延長大吉}。重陰は西方に在り、{少利
多害、子孫及び財物事に宜しからず}。宜しく聴すべし、 {壬癸亥子大吉、公卿を刑す、
上}。辰戌乾干小吉。 角姓木馬{大型小竿は未丑}、其の地に葬さば、絶世大凶、絶世
(12)宮姓・商姓・角姓・徴姓・羽姓の各々について、方位の吉凶を記述する。方位神とし
て、絶世・五刑・大徳・五福・重陽・大盤・小満を用いる。また二十四方位(十二支と八
干と巽乾艮坤)も用いる。
(13)辰・戌・丑・未を四季という。(『中国方衛大辞典』星命、中山大学出版社)
一18一
は西方に在り、五刑は四季に在り、重陰は東方に在り。宜しく葬すべし。 {壬癸子亥吉、
公卿を出す、丙丁巳午}弓長を出す。 徴姓火行、戌{大墓}、辰{小墓}。其の地に葬
さば{絶世大凶}、絶世は北方に在り、五刑は西方に在り。大徳は四季に在り、五福は東
方に在り、重陰は南方に在り、宜しく葬すべし。 {甲乙寅卯}、公卿を出す、大吉、{丑
未坤辰}小吉。 羽姓水行、辰{大墓}、戌{小骨}、此に思せば大凶絶世、絶世は四季
に在り、五刑は南方に在り、大徳は東方に在り、重陰は北方に在り、宜しく葬すべし、{□
中□酉甲乙出名□□寅卯}、□吏二千石を出す、大吉。
本文四
22 推三法第二。先定五姓墓鴨。次定喪主年命鷲難鱒撃㌔雑。
23 次揮吉日。丙楚、丁卯西云、庚歯葬、壬申三酉丙子凝、壬午甲申乙酉庚寅夢、
24 辛卯甲午㍊、丙申丁酉庚子壬寅♂、癸三脚云、丙午壬子甲寅乙卯楚、庚日
25 己酉。次澤時藩鰻類認題窮。
訓読
推残法第二。先に五姓を定む、{宮門角徴羽}。次に喪主の下命を定む、{年は是れ行年、
支と同じきを得ず、命は下れ本命、干。丁丁は甲子、是を日う也}。次に吉日を繹ぶ。丙
{大葬凶}、丁卯{一に凶と云う}、庚{大葬、凶}、壬申癸二三子{大葬、凶}、壬午
甲申乙酉庚寅{下す可からず}、辛卯甲午{大葬す可からず}、丙申丁酉庚子壬寅{一に
凶と云う}、癸卯{一に凶と云う}、丙午壬子甲寅乙卯{大葬、凶}、庚□己酉。次に時
を揮ぶ{四孟,月甲庚丙丑、四季月乙、四町回乾巽坤三門丁癸時、吉}。
口語訳
二四法第二。先に五寸を決定する、{半商角徴羽のことである}。次に喪主の年命を決定
する、{年とは行年のこと、支と同じであってはいけない。命とは本命のこと、干。下命
とは甲子のことをいう}(14)。次に吉日を選ぶ。丙{大葬凶}、丁卯{一に凶という}、
庚{大葬、凶}、壬申癸酉丙子{大葬、凶}、壬午甲申乙酉庚寅{序してはいけない}、
辛卯甲午{大葬を行ってはいけない}、丙申丁酉庚子壬寅{一に凶どいう}、癸卯{一に
凶という}、丙午壬子甲寅乙卯{大葬、凶}、庚[コ己酉。次に時を選ぶ{四日:月は甲庚丙
丑、四季月は乙、四仲月は乾巽坤艮辛丁癸時(を用いれば)吉}。
本文五
25《承前》次揮却丁丁大禍凶日妻惣晶颪月例㌔葦㌍
26 九月口際・+月窺申・
+一月卯画、
十二月展皮。
訓読
次に却滅門大禍の凶日を揮ばば、{正月卯酉、二月子午、三月□未、四月辰戌、五月八月
子□、九月[:]未、十月寅申、 十一月卯酉、十二月辰戌}。
q語訳
次に却滅門大禍の凶日を探せば、{正月卯酉、二月子午、三月[コ未、四,四丁戌、五,月八月
子日、九,月丁丁、十月寅申、十一月卯酉、十二月辰戌}。
本文六
(14)「支」「干」に関する詑述の意味は不明。
一19一
26《承前》三面白面吉道、子午月虹里。丑未月畢瓢、詠口月婁難、
27 卯酉月箋註、辰戌月霧慕、巳連月義『穿暑、
訓読
雲鏡去慮吉道、子午月{坤艮甲寅丙壬}。丑未月{甲庚乙辛丁癸}、寅申月{乙辛乾巽坤
艮}、卯酉月{乾干丙弓柄}、辰戌月{丙壬丁甲乙辛}、己亥月{丁癸干潮乾巽吉}。
口語訳
三吟去威吉道(15)。子午月は{坤艮甲寅丙壬}。丑未,月は{子鳩乙辛丁癸}、寅二月は{乙
辛乾巽坤艮}、卯酉月は{乾巽丙壬甲}、辰卯月は{丙壬丁癸乙辛}、巳亥月は{丁癸坤
干乾巽(を選べば)吉}。
本文七
27《承前》四月月将在申、従呼数得辰。
28 町回平田、於時節死者数着(著)、常以明野、常陸月将加死時、魁町(剛)下、
29 人不得弔野送死、正月月将干害蔚、二月在戌慧、三月在酉廷、四月在申畏、
30 五月里子害、六月在午奏、七月在巳杢、八月在辰㌔甲、九[月]在卯壽、十月[在]寅碧、
31 十一月在申丑奢、十二月在子鴛。
訓読
四月副将は申に在り、申従り数えて辰を得。主数は九を看、時節の死者に於いて数著し、
常に以て妨平す。常に骨子を以って死時に加え、三門の下、人は弔喪送死するを得ず、正
月、月将は亥に在り{徴明}、二月は戌に在り{何魁}、三月は酉に在り{従魁}、四月
は申に在り{傳送}、五月は未に在り{小吉}、六月は午に在り{膝甲}、七月は巳に在
り{太一}、八月は辰に在り{天剛}、九月は卯に在り{太衝}、十月は寅に在り{功曹}、
十一月は申丑に在り{大吉}、十二月は子に在る{神后}。
口語訳
四月月将は申にある、申から数えて辰を得る。主数は九を見て(16)、死者(の出た)時節
(月)を数えて、 (悪方)を常に避ける。常に月将を以って死亡月に加える。(17)何魁・
従魁・天剛の下には、人は弔喪送死してはいけない。正月、置戸は亥にある。 {正月.の月
旦は徴明である}、二月は戌にある{何回}、三月は酉にある{従魁}、四月は申にある
{傳送}、五月は未にあり{小吉}、六月は午にあり{膝先}、七月は巳にあり{太一}、
八月は辰にあり{天剛.}、九月は卯にあり{太衝}、十月は寅にあり{功曹}、十一,月は
申丑にあり{大吉}、十二月は子にある{神后}。
本文八
31《承前》十二時當髄自妨忌。假令八月巳時死生、妨
32 巳亥生人。丑時死者、妨寅申生人。月建在戌、妨声声生人。古平五月甲子明日
(15)三鏡去慮吉道とは、葬車の行路の吉凶を判断する術と思われるが、「三明」の意は不
詳。
(16) 「九」の意味は不明。
(17)六壬盤の使用方法は各種存在するようだが、ここでは、下盤の死亡肩(干支)の位置
に、上盤の月建を合わせ、当人の本命の方位(下盤)に合致する月将(上盤)を見る。も
し何魁・従魁・天剛であれば、当月内は葬送を行ってはならないとする。
一20一
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未〔時]、卜卯時死者、妨甲子生人庚午生人。他皆放(倣)此。四月己卵日未時死者、
合妨丁卯生人年二十二、癸酉生人年十六、庚午生人年十九、甲子生人年十三、
裏殊、五月七日寅時正東出、妨長男六畜。招魂用未後申前回
庚時雨。成服用二十九日丙時、五月一門壬午日、葬用巳後午前、残
敷入棺吉、歳道四角並空任逐便宜、六歩破瓦。
訓読
十二時當直門妨忌。 假令八月巳時死喪すれば、己亥生人を妨ぐ。丑時の死者、寅申生人
を妨ぐ。月建、戌に在らば、丑未生人を妨ぐ。 假令五月甲子忌日未時、卯時の死者をト
すに、甲子島島庚午生人を妨ぐ。他は愚な此れに倣う。四月玉山日未時の死者、合に丁卯
生人年二十二、癸酉生人年十六、庚午生人年十九、甲子生人年十三を妨ぐべし。裏秩、:五
月七目寅時正に東より出ずれば、長男六畜を妨ぐ。招魂は雨後申前を用う、庚時為り、吉。
成服は二十九日丙時、五,月一日壬午日を用う。葬は巳後午前を用う。積敏入棺、吉。歳道
四角、並びに空しく、便宜に任逐す、六歩晶晶。
口語訳
十二時當膿自妨忌(の法)。たとえば八月巳時に死亡すれば、巳亥生れの人を妨害する。
丑時の死者は寅申生人を妨害する。月建が戌にあれば、丑未生入を妨害する。 たとえば
五月甲子隔日の三時・卯時の死者を占うと、甲子生れの人や庚午生れの人を妨害する。他
は皆な此れにならう。四,月己卯日未時の死者は、丁卯生まれの人で年二十二、癸酉生れの
人で年十六、庚午生れの人で年十九、甲子生れの人で年十三をきっと妨害する。嚢狭、山
月七日寅時に真東より(葬車)を出せば、長男六畜を妨害する。招魂の儀式は未後申前の
時間を使用する。庚時のことである。吉。成鳥(喪服の着用)は二十九日丙時、五月一日
壬午日を使う。埋葬は巳後午前の時間を言う。積敏入棺も(この時間で)吉。儀式は四角
ばっていればe8)すべて空しくなってしまうので、便利なように任意に遂行してよい。六
歩乱訴。
本文九
38 又一法、子時死者長沼寅申生人、丑時死者妨卯酉生人、寅時死者
39 妨辰戌生人。卯時死者妨巳亥生人。辰時死[者]妨子午生人。巳時
40 死者妨丑未生人。午時死者妨寅申生人。六時死者妨卯酉生人。
41 四時死者忌辰戌生人。酉一死者妨己亥生人。戌時死者妨子午生人。
421亥時死者妨丑未生人。又子時死者妨卯酋。丑時辰戌、寅時
43 己亥、卯時子午、』辰時丑未、巳時寅申、午時卯酉、未時辰戌、
44 申時圏亥、酉時子午、戌時訓話、亥時評申。
訓読
又一法、子時死者は合に魚価生人を妨ぐ、丑時死者は卯酉生人を妨ぐ、寅時死者は辰戌生
人を妨ぐ、卯時死者は巳亥生人を妨ぐ。差回死者は子午生人を瞬ぐ。巳時死者は丑未生人
を妨ぐ。午時死者は寅申生人を妨ぐ。未時死者は卯酉生人を妨ぐ。申時死者は辰戌生人を
(18)一般に「歳道」とは、時令を指すが、ここでは葬送の儀式と理解した。「六歩破瓦」
は不詳だが、「破瓦法」は本文書のすぐ後に見られる。
一21一
扇ぐ。酉時死者は己亥生人を妨ぐ。戌時死者は子午生入を妨ぐ。亥時死者は丑未生人を妨
ぐ。又た子時死者は卯酉を妨げ、丑時は辰戌、寅時は巳亥、卯時は子午、辰時は丑未、巳
時は寅申、.午時は卯酉、未時は辰戌、申時は巳亥、酉時は子午、戌時は丑未、亥時は寅申。
口語訳
又一法、子時の死者はかならず寅申生人を妨害し、丑時の死者は卯酉生入を妨害し、寅時
の死者は辰戌生人を妨害し、卯時死者は巳亥生人を妨害する。辰時死者は子午生人を妨害
する。巳時死者は丑未生人を妨害する。午時死者は寅申生人を妨害する。未時死者は卯酉
生人を妨害する。申時死者は辰戌生人を妨害する。酉時死者は巳亥生人を妨害する。平時
死者は子午生人を妨害する。亥時死者は丑未生人を妨害する。また子時死者は卯酉を妨害
し、甘干は辰戌、即時は巳亥、卯時は子午、辰時は丑未、巳時は寅申、午時は卯酉、未時
は辰戌、半時は己亥、酉時は子午、戌時は丑未、亥時は寅申をそれぞれ妨害する(ともい
う〉。
本文十
44《承前》敢知人年幾者、
45 野卑目平戸建丙寅、乙庚日平旦建戊寅、丙辛日平旦建庚寅、
46 丁壬之日平旦建壬寅、戊癸之日平旦建甲寅。
訓読
人の年幾を知らんと聴せば、甲己日の平旦は丙寅に浮し、乙庚日の平磯は戊寅に賦し、丙
辛日の平旦は庚寅に下し、丁壬の日の平旦は壬寅に製し、戊癸の日の平旦は甲寅に製す1
口語訳
人の年幾を知りたいと思えば(19)、甲己の日の平旦は丙寅に緩し、乙嫁日の平旦は謹辞に
早し、丙辛日の平筆は庚寅に申し、丁壬の日の平旦は壬寅に卑し、頭領の日の平旦は甲寅
に聾す。
本文十一
46《承前》又一法、大吉加月建、
47 魁剛下人、當月内不:回送喪弔死、丑為大吉。従丑数得四是随月
48 数四辰。
訓読
又一法、大吉に月華を加え、牛津下の人は、當月内に呼率牢死するを得ず。丑を大吉と為
す。丑より数えて四を得れば、駆れ月数の四辰に随う。
口語訳
又一法、 (十二月将の)大吉(下津の丑)に福建を加え、何魁・従魁・天理の下に1本命
が合致する)人は、當月内に葬送したり弔剥したりしてはいけない。丑を大吉とみなす。
丑より数えて四つ目を得れば、月数の四壁に従う(20)。
本文十二
48《承前》 又一法、月建加死時、妨魁剛下不得弔[死]喪送、年幾依前推目
(19)「年幾」の意味は不詳。
(20)「丑より数:えて4っ目」以降は意味不詳。
一22一
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為定、推四辰也。胆嚢(穣)秩去慮、常巳月将加死時、岡(剛)加申即於申地去、
男亡用干、女宮歳出、溢泌五月甲寅目辰時、男子死、即用未加三
岡(剛)臨丑合東北去具現日数、食鶏用用(21)甲木数九、合死後九臼亥時
明於北寸地、艮属少男牛羊、妨六畜小口。
女亡用寅即寅数七、死後七日東北去妨鬼准(準)上
訓読
又一法、剛建に死時を加う。二丁下に干死喪送するを得ざるを妨ぐ。年幾は前推に依りて
定を為し、四辰を推す也。殊を穣うの去威を占うは、常に巳の月将を死時に加う。天剛、
申に加うれば即ち占地に去る。男亡は干を用い、丁丁は支を用う、假令五月甲寅日の辰時、
男子死せば、即ち未を用いて辰に加うれば、門口に臨む。合に東北に去るべし。日数を知
らんと欲せば、男亡は甲木の数九を用い、合に死後九日亥時に北艮の地に去るべし。艮は
少野牛羊に属し、六畜小口を妨ぐ。女亡は寅を用う。即ち寅数は七、死後七日東北に去ら
ば、鬼を妨ぐ、上に準ず。・
口語訳
又一法、月建に死時を加える。三野・従魁・天竺の下は弔死喪干してはいけない(という
決りを)守らなくてもよくなる。年幾は前述(した方法に)もとづいて定め、四辰(22)を
推断する。災狭をはらう行路を占うには、常に巳の月計を死時に加え、天剛が申に一致す
れば申地に行く。男性の死亡は干を用い、女性の死亡は支を用いる。たとえば五月甲寅日
の二時に男性が死亡すれば、未を用いて辰に加える。すると天剛は丑に一致するので(23)1
東:北の丑の:方位に行くべきである。(死後)何日目(に埋葬すればよいか)を知りたいと
思えば、男性の死者は甲木の数九を用い、死後九日目の亥の時鋼に東北の艮の地に行く。
艮は少男牛羊に属し(24)、六畜小口を妨害する。女性の死亡は寅を使用する。即ち寅数
は七、死後七日目に東北に行くと、鬼を妨害する、上の記述に準ず。
本文十三
54 又一法、常以守門加死時、假令二月月将在戌、四時死者秩、東南上町、
55 子午九、丑未八、寅申七、卯酉六、辰戌五、巳亥四、巳上女七用之吉。
56 甲己九、乙庚八、丙辛七、丁壬六、戊癸五。已上男亡、用之吉。
訓読
又一法、常に月将を以.って死時に加う。假令二月の闘将戌に在らば、辰時の死者の殊は、
東南上去。子午九、丑未八、二一七、卯酉六、辰戌五、己三四、巳上女下用之吉。甲町制、
乙庚八、丙辛七、下下六、戊子五。已上男亡、之を用いれば吉。
口語訳
又一法。常に月将を死時に加える。たとえば二月の月将が戌にいれば、辰時の死者の災厄
(2り 「用」が二つあるが、一つは術宇。
(22)四辰は「匹1つの時間」の意と思われるが、不詳
(23)「未」を使用する理由が理解しがたいが、上盤の「未」を下盤の「辰」に合わせる
と、
確かに上盤の天剛は下盤の丑と一致する。
(24)『周易』説卦傳でも艮は少男に配当される。
一23一
は、東南上に行くと(解消する)。子午九、丑未到、寅申七、卯酉六、病躯五、巳亥四、
以上は女性が死亡した場合、これらを用いれば吉である。甲己九、乙庚八、丙辛七、丁壬
六、.戊癸五。以上は男性が死亡した場合、これを用いれば吉である。
本文十四
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凡門破瓦法、依天道南行去門七歩、西行九歩、北行六歩、東行八歩、
子為:吹、攻些少男。丑寅為艮、艮町中学牛羊。卯為震、聖主長男車:馬
辰巳今町、貸主長女飛鳥之属。午為離、離主二女及壊(懐)任(妊)女人。未申[為]
坤、坤
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主老母。又白(日)埋[葬]造下穿地挙動、須得葬日吉、又於葬日揮却地野
地矩(短)日、又遇得月徳歳徳、井者假令葬賃少(小)吉、亦可用之。寅午戌月、
徳在学亥。卯未月、徳在甲。申子辰月、徳在垂。己酉丑月、徳在庚。
已上月徳、庚己二歳、得(徳)在甲。乙庚之歳、得(徳)在庚。丙辛之歳、徳在野。
丁丑之歳、徳在壬。二野之歳、徳在戊。已上為歳得(徳)。凡用日皆用月
節為正。不王入月一目今便用之、此則非也、他皆放(倣)此。看氣廻為定。
凡三吉穴雛雑諮裁腎蜜丁半、
訓読
凡そ破貯法を用いるに、天道に依る。南行して門を去ること七歩、西行すること九歩、北
行ずること六歩、東行すること八歩、子を攻と為し、攻は少男と為す。丑寅を三戸為し、
艮は中男牛羊を主る。卯は震と為し、震は長男車:馬を下る。辰巳は巽と為し、巽は長女飛
鳥の属を主る。午は離と為し、離は中女及び懐妊の女人を主る。未申は坤と為し、坤は老
母を干る。又た曰く、埋葬造影死地挙動は、須く葬日の吉を得べし。又た三日に於いて、
却地嚢、地短の日を揮び、又た月徳歳徳に遇うを得る者は、井びに假四葬日小吉なりとも、
亦た掌れを用う回し。寅午戌の月、徳は丙亥に在り。卯未の月、徳は甲に在り。申子辰の
月、徳は壬に在り。巳酉丑の月、徳は庚に在り。已上月徳なり。庚己の歳、徳は甲に在り。
乙庚の歳、徳は庚に在り。野晒の歳、徳は丙に在り。丁丑の歳、徳は壬に在り。戊癸の歳、
徳は戊に在り。已上は歳徳と為す。凡そ日を用いるは皆な月節を用いるを正と為す。月に
入ること一日にして便ち之を用うるは、此れ則ち非也。他皆此れに倣う。氣週を看るを定
と為す。凡そ吉穴を用う、 {四姓は丙庚二丁、商姓は庚三二穴、角姓は丙壬二穴、羽姓は
甲の一穴なり}。
口語訳
凡そ破瓦法く25)を用いる。天道.に依拠する(方法)である。南に行き、門から離れること
七歩、西に行くこと九歩、北に行くこと六歩、東に行くこと八歩。子は攻に配当され、壊
は少男に配当される。丑寅を艮とし、艮は中男野羊を主る。卯は震とし、震は長男車:馬を
悟る。辰巳は巽とし、巽は長女飛鳥の属を干る。午は離とし、離は中女及び懐妊している
女性を主る。未申は坤とし、坤は老母を主る。また埋葬・墓の造営・土地の掘削・葬礼等
は(25)葬臼が吉でなければならない。また葬日に関して、地嚢、地短の日を選んだり(27)
(25)破瓦法については不詳。本文から推測して、住宅からの吉方を指すようである。
(26)「挙動」とはおそらく種々の行動を指すと思われるが、ここでは葬送に関する儀式
と理解し、葬礼と訳しておいた。
一24一
また月徳や歳徳の方位に合致することのできる人は、たとえ葬日が小吉でも、やはりこれ
を用いてよい。命毛戌の月、徳は如意にある。卯未の月、徳は甲にある。申子辰の月、徳
は壬にある。巳誉田の,月、徳は庚にある。以上は月徳である(28)。身寄の歳、徳は甲にあ
る。二二の歳、徳は庚にある。丙辛の歳、徳は丙にある。丁丑の歳、徳は壬にある。戊癸
の歳、徳は戊にある。以上は歳徳である。一般に日を用いるのは皆な月節を用いるのが正
しい(29)。月に一理だけ入ったからといってすぐにこれを用いることは問違っている。他
はみなこれに準ずる。氣廻を見ることを決まりとする。一般に吉穴を用いる。{宮姓は丙
庚二穴、高畠は庚面隠穴、角姓は丙壬二穴、高高は甲の一穴だけを用いる}。
本文十五
66《承前》用地畝数法。宮丙三庚七、
67 商庚七壬九、角丙二壬九。 徴甲一。 羽甲一。推喪庭、穴在甲、庭在庚、
68 穴在丙。庭在壬、穴二二。庭在丙、穴在庚、三二甲、三相封為喪庭。
訓読
用地畝数法。宮は丙三庚七、商は庚七壬九、角は丙二壬九。 徴は甲一。 羽は甲一。喪
庭を推すに、穴、甲に在らば、庭は庚に在り。穴、丙に在らば、庭は壬に在り。穴、壬に
在らば。庭は丙に在り。穴、庚に在らば、庭は甲に在り、並びに相い封して喪庭と為す。
口語訳
用地回数法。宮姓は三三二七(の地を用い)、二二は二七壬九(を用い)、角姓は二二三
九(を用い)、二三は甲一(を用い)、羽姓は甲一(を用いる)。二二について言うと(30)、
穴が甲にあれば、乱淫は庚にある。穴が丙にあれば、二二は壬にある。穴が壬にあれば。
喪庭は丙にある。穴が庚にあれば、二二は甲にある。ならびに穴の対角の方位を喪庭とす
る。
本文十六
二階出入法。穴甲、入壬減甲。穴在甲、入甲出丸。穴二二、入壬出品。二二壬、入庚出壬。
訓読
門鮪出入法。穴、甲にあらば、壬より入り甲より出ず。穴、甲にあらば、甲より入り丙よ
り出ず。穴、庚にあらば、壬より入り。庚より出ず。穴、壬にあらば、庚より入り、壬よ
り出ず。
口語訳
(墓地の)入り口から出入する方法。墓地の穴が甲にあれば、壬方向より入り甲方向より
(27)画嚢・地短日は、本文書の後半部分に「添地嚢日ま「推地短日」との項目がある。ま
た清代の勅撰揮吉書『強紀辮方書』二六にも地歩の日の詳しい説明がある。
(28)月徳とは月の徳神のこと。『協紀辮方書』義叫声、月徳によると、正・五・九月は丙
に居り、二・六・十月は甲に居り、三・七・十一月は壬に居り、四・八・十二月は庚に
居るという。歳徳とは年の徳神のこと。十干を用いる。甲・丙・戊・庚・壬を陽道とい
い、その徳はそれぞれその場所にある。たとえば甲徳は甲にある。乙・丁・己・辛・癸
を陰道といい、その徳はそれぞれの場所ない。乙の徳は庚にあり、丁の徳は壬にあり、
己の徳は甲にあり、辛の徳は丙にあり、癸の徳は戊にある。(『中国方術大辞典』中出大
学出版社所引の『広応訴』による)。この技法はこのペリオ’3647文書でも同じである。
(29)月節は不詳。月望の錯字かもしれない。
(30)喪庭とは墓地内に設けられた霊堂のこと。
一25一
出る。穴が甲にあれば、甲より入り丙より出る。穴が庚にあれば、壬より入り庚より出る。
穴が壬にあれば。庚より入り、壬より出る。
本文十七
70《承前》入地深浅法。従起与性く姓)相生、主吉。従上向[下]、甲乙数与
71 姓相生、吉。假鷺宮姓入地三尺為庚、並与姓相生、他皆放(倣)此。
.72
73
74
75
76
77
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80
九金属庚丙火。商三五九、角五七九、羽三五七、某姓平民
亡者此世若干、某月日亡、行年在某、喪主年若干、行年在戊、某月某日、
与姓相生。具書、若三里黄泉路通、具三階時、六神蔵四黙、浸大利吉。
去威宜於住宅某威、乗之往来大吉。某家某穴与姓相生、用之大吉。
野庭在戊、干門陪入下町出下塵。地帯用東西若〔干]南北若干、入地深
若干丈尺、鹿須長若干尺、中佳高若干尺、折壁欝、
堂南北若千尺寸数、東西若干尺寸。西榊(壁)不宜見棺、斬草宜用某
月某日某時、取若干甦姓、用之吉、家内寸評姓生属人、及妊娠
婦人及産生満月者、並時宜吹貫、事須遠之。去墓一百二十歩、引物鬼。
訓読
入地深浅法。従起して姓と相生なれば、吉を主どる。上子り下に向かい、甲乙の数、姓と
相生なれば、吉。假令宮姓、地に入ること三尺を庚と為す、並びに姓と相生、他は皆な此
れに倣う。九金は庚丙火に属す。商は三五九、角は五七九、羽は三五七。 r某姓某氏亡者
此の年若干、某月艮亡ぶ、行年は某に在り。喪主の年若干、行年は戊に在り、某月某日」
姓と相生なり。具さに言う、若し蕎里黄泉路通ぜば、具さに言う、某時、六神は四熟に蔵
れ、ようやく大利吉なり。去慮は住宅の某慮に宜しく、之れに乗れば大吉。某家某日は姓
と相生なり、之を用うれば大吉。喪庭は戊に在り、門隠に旧いて、某処より入り、某処よ
り出ず。地は宜しく東西若干南北若干、地に入る深さ若干丈尺、ほぼ長さ若干尺を須う、
中押の高きこと若干尺、折壁{若干尺寸}、堂の南北若干尺寸数、東西若干尺寸。」西壁
は宜しく棺を見るべからず、斬草は宜しく某月某目某時用いるべからず。若干の剋姓を取
り之れを用いるも吉、家内に某写生属人、及び妊娠の婦人及び産して未だ月に満たざるも
の有らば、並びに宜しく送喪すべからず。:事須く解れを遠ざく。墓を去ること一百二十歩、
鬼を妨ぐる凹し。
口語訳
入地深浅法。 (地表)から(測って)姓と相生になれば、吉をもたらす。上から下に測っ
て、甲乙の数が姓と相生であれば、吉である。たとえば宮姓を例に挙げると、地面から三
尺入ったところは庚なので、姓と相生となる。他は皆なこれにならう。九は金であり、庚
今戸に属する(31)。商は三五九、角は五七九、羽は三五七(尺が吉)。 「某姓某氏亡者は
当年若干才、某月日に死亡、行年は某であります。喪主の年は若干、行年は戊にあります、
某月某日、姓と相生であります。詳しく申し上げます、もし蕎里黄泉への路が通じている
ならば、詳しく申し上げます、某時、六神は四熟に隠れ、だんだんと大利吉となりました。
(葬車の出行の)方位は住宅の某慮から適当な場所を選び、これに乗ずれば大吉でありま
(31)九金は不詳。
一26一
す。互違三惑は姓と相生であり、これを用いれば大吉であります。喪庭は戊にあり、弓庭
の入り口として、某処より入り、某処より出ます。土地(の広さ)は東西に若干(尺)、
南北に若干(尺)、地中に入れる深さは若干丈尺で、ほぼ長さ若干尺を用います。中穣の
高さ若干尺、折壁(32){若干尺寸}、堂の南北若干尺寸数、東西若干尺寸であります」。
西壁から棺が見えてはいけない。斬草は某月某臼某時を用いてはいけない。若干の姓と相
克のものを選んで用いたとしても吉。家内に某姓生属人、および妊婦および出産後まだ一
月経たない人がいれば、すべて送信しないほうがよい。葬事にあたってこの人を遠ざける
べきである。墓から百二十歩離れた所は、鬼を妨害することがない。
本・文十八
81凡大葬、宜須避平瓦建二日、鯨日皆吉。論旨宜乾家甲高。
82高温一歩則合甲穴、甲為三六、旧主古田、用(之)大吉。
83凡二七横三、三七二十一歩、縦山鼠九、九〔九〕八十一歩。多少准減之、羽(姓)
84用之丸吉。宮角二姓、宜用出家丙穴。流血三歩合丙穴、
85二言田丸。鳳鳳亡人、鳴鶏大吉。凡縦一横三、即管之、一三如(而)三歩。縦七横九
86即七九六十三歩、多少准加減用之難。角(33)商宜用豪家壬穴。凡諸
87九歩合壬穴、壬心隔(玉)堂、亡盧舎大吉。凡縦一横議、即一九如(而)九歩、縦七
88 瀬高、則七七四十九歩、縦三横三、即三三如(而)九嚢攣馨。右已前五姓用地、多
略而
89 言之、幕無如前。面出事大1j・、歩数折山、任意加減、血合甲庚壬丙之穴。
90 与姓相生吉、相剋:面面。已上言縦横、南北為縦、東西為横。
訓i涜
凡そ大葬は、宜しく須らく平収建のβを避く、鯨肉は皆な吉。 徴姓は宜しく出家甲穴。
凡そ諸一歩は則ち甲穴に合う6甲は験直と為し、主守狗と為す、之を用うれば大吉。凡そ
六七横三、三七二十一歩、縦九横九、九九八十一歩、多少は隔れを減ずるを准ず。 羽姓
は去れを這うれば並びに吉。 宮角二姓は、宜しく高家丙穴を用うるべし。凡そ諸三歩は
丙穴に合う、丙は鳳鳳と為す。鳳鳳は亡人鳴鶏大吉、凡そ縦一横三、即ち之を管さば、一
三して三歩。縦七二九、即ち七九六十三歩、多少加減して之を用うるを准ず。{宮角.大吉}。
角商は宜しく山家壬穴を用うべし。凡そ諸九歩壬穴に合う。壬は玉堂、亡盧舎と為す、大
吉。凡そ縦一七九、即ち一九して九歩、縦七横縞、則ち七七四十九歩、縦三横三、即ち三
三して九{右角商は之れを用いれば大吉}。・右已前の五姓用地、多く略して之れを言う、
具なる件は前の如し。事に臨むの大小の若きは、歩数二二は任意に加減す、但だ甲庚壬丙
の穴に合うのみ。姓と相生なれば吉、相斡なる者は凶。已上縦横を言うは、南北を縦と為
し、東西を横と為す。
口語訳
凡そ大葬は、 (十二直の)平心建の臼を避ける。他日はすべて吉。 徴姓は乾家甲穴を用
(32)中佳・折壁は不詳
(33)角姓についてはすでに叙述があり重複するので、ここの「角」は術字の可能性もあ
る。
一27一
いるべきである。凡そ各種(34)一歩は甲穴に合致する。甲は駿鱗とし、主物狗する。これ
を用いれば大吉。凡そ縦七歩横三歩は三七二十一歩、縦九歩横九歩は九九八十一歩と数え
る。多少は増減させてもよい。 羽姓もこれを用いれば同じく吉。 宮角二姓は、艮家丙
穴を用いるべきである。凡そ各種の三歩は丙穴に合う、丙は鳳鳳と為す。鳳鳳は亡人鳴鶏
であり大吉。凡そ縦一横三を取り上げれば、一三が三歩。縦七横九は七九六十三歩、多少
加減してこれ用ういてもよい、{宮姓角姓には大吉}。 商は乾家壬穴を用いるべきであ
る。凡そ各種の九歩は壬穴に合致する。壬は玉堂、亡盧舎であり、大吉。凡そ縦一横九は、
一九が九歩、縦七横丁は七七四十九歩、縦三横三は三三が九、{以上、商はこれを用いれ
ば大吉}。 上述の五姓用地は、多く略して説明した、詳しい要件は前述したようにする
(35)。事に際して大小があれば、歩数折回は任意に加減する。ただ甲庚同門の穴に合致す
ることを考慮すればよい。穴が姓と相生であれば吉、相剋であれば凶。以上縦横と言うの
は、南北を縦とし、東西を横としている。
本文十九
91 推量建法。罐、丑為喜、寅車庫、卯為壽、三三㌔野、巳為さ、午為奨、
92 未為害、申為雲、酉為窯、戌為農、亥為霧。
訓読
朔月建法。子を{三后}と為し(36)、丑を{大吉}と為し、寅を{公曹}と為し、卯を{太
衝}と為し、辰を[天刑]と為し、巳を{太一}と為し、午を{一先}と為し、未を{小吉}
と為し、申を{傅送}と為し、酉を{縦魁}と為し、戌を{何魁}と為し、亥を{徴明}
と為す。
口語訳
推月建法。子方位を神后の方位とし、丑を大吉とし、寅を公刊とし、卯を太衝とし、辰を
天剛とし、巳を太一とし、午を縢先とし、未を小吉とし、申を傅送とし、酉を縦魁とし、
戌を何魁とし、亥を徴明とする。
本文二十
92《承前》凡推辞嚢日。正月『甲聯、二月難、
93 三月殺、四月謡、.五月離、六月誹、七月麟、八,月揚、九月麟、十月麟、十一月
94 己妻、十二月旨昴。
訓読
凡そ沼地嚢日。正月{甲申庚(甲)牛}、二月− o癸亥癸酉}、三月{甲子甲寅}、四月{乙
丑乙子}、五月{戊辰戊午}、六月{己巳己未}、七月{丙辰丙寅}、八月{丁巳営門}、
九月{戊辰戊午}、十月{庚午下戌}、十一月{辛丑辛亥}、十二月{已丑巳卯}。
口語訳
(34)ここで「諸」(各種)と言っているのは、おそらく東西南北の各方位からの一歩目を
指すのであろう。
(35)ここで詳しい説明は前述してあるとするが、現在残存の文書中には見当たらない。
おそらく欠落した部分に含まれていたのであろう。
(36) 「子為」の二字はもと割注に含まれていたが、後続部分の体裁に従って本文に入れ
た。
一28一
凡そ推地回臼。正月は{甲申庚(甲)午}、二月は{癸亥癸酉}、三月は{甲子甲寅}、
四月は{乙曲直卯}、五月は{戊辰戊午}、六月は{己巳己未}、七月は{丙辰丙寅}、
八月は{丁巳丁卯}、九月は{戊辰戊午}、十月は{庚午庚戌}、十一月は{辛丑辛亥}、
十二月は{已丑巳卯} (の各日)。
本文二十一
94《承前》推地矩(短)日、正月寅、:二月巳、三月申、四月亥、五月戌、六月午、七月酉、八
月子、
95朋・、+月・・+一月・・+二月・・巳上月日・逢畑不可穿地・大忌熟人
訓読
推地短日、正月{寅}、二月{巳}、三月{申}、四,月{亥}、五月{戌}、六月{午}、
七月{酉}、八月{子}、九,月{辰}、十月{未}、十一月{戌}、十二月{丑}、已上
月日、此の日に逢わば地を穿つ可からず、大いに忌む、人を黙す。
口語訳
臨地短日、正月は{寅}の日、二月は{巳}、三月は{申}、四月は{亥}、五月は{戌}、
六月は{午}、七月は{酉}、八月は{子}、九月は{辰}、十月は{未}、十一月は{戌}、
十二月は{丑}。以上の月日は、もし尾kのθに遭えば土地を掘削してないけない、大い
に忌むべきであり、人を殺す。
本文二十二
96又癌地心日]、正月。、二月。、三月。、醐。、瑚。、六月。、七月。、八月.1
九月庚、十月辛、
97 十一月丑、十二二月癸、莫嘆㌻】委唐
訓読
又一畑地嚢日、正月{壬}、二月{癸}、三月{甲}、四月{乙}、五月{戊}、六月{已}、
七月{丙}、八月{丁}、九月{庚}、十月{辛}、十一月{丑}、十二月{癸}、 {右
動土∼尺、人を熟す、大凶、山口}。
口語訳
又一法地鼠β、正月{ま}、二月{癸}、三月{甲}、四月{乙}、五月{戊}、六月{巳}、
七月{丙}、八月{丁}、九月{庚}、十月{辛}、十一月{丑}、十二月{癸}、 {右
一尺土を掘り返せば、.人を殺す、大凶、忌日}。
本文二十三
97《承前》 凡開墓厭(厭)法。取光明石六十山詞(著)返道く37)四歩、
98 埋深五尺詫、然後開墓。
訓読
凡開墓厭法。元明の石六十斤、丞道に著くこと四歩。深五尺に埋め詑り、然る後墓を開
く。
口語訳
凡そ開墓厭勝の法。光らない石を六十斤、丞道にそって四歩すすみ、深さ五尺に埋め1
(37)この字は不詳。
一29一
その後、墓を開く。,
本文二十四
98《承前》凡作師葬、百姓不得月辰下請為厭(厭)法。
99 葬耐用甲子旬帯解(楡)枝、同割旬牡牛枝、甲申旬取柳枝、甲午句取聚枝、
100甲辰旬取麻枝、甲寅野戦椀枝、右已上日、折取回r寸、明目喪向墓。
101軍師取寸、左手肝胆、喪家門前、前行七歩、却行七歩、安背上、野葬去、
102大吉。利用此法、無各(餐)、千金莫傳。
訓読
凡師葬を即す忙、百姓、月辰下を得ずして、請いて嶽(厭)を為すの法。葬、甲子三を
用うるを妨ぐれば、楡枝を取る、甲戌旬は桑枝を取り、甲申旬は柳枝を取り、甲午旬は甕
枝を取り、甲辰旬は麻枝を取り、甲寅旬は三枝を取る。右巳上の臼、折取すること七寸、
明日喪、墓に向い、靴師、寸を取り、左手に覧れを提げ、喪家門前に、前行すること七歩、
却行ずること七歩、背上に安し、葬に遭わば去る、大吉。此の法を利用せば、値なし、千
金も早うることなかれ。
口語訳
凡そ画師に依頼して葬礼を行うにあたって、百姓がく望ましい)月辰を選ぶことができず
に、十勝を行う方法。葬礼に、甲子旬を用いる(べきであるのに用いる)ことができない
ならば、楡枝を取る。唱酬旬は桑枝を取り、甲申旬は彫塑を取り、甲午旬は棄枝を取り、
甲辰旬は麻枝を取り、甲寅旬は椀枝を取る。以上の日に、七寸を折り取り、明日の葬式に
おいて墓に向かって、葬師が枝を一’寸取って左手にこれをさげ、喪家の門前で、前に7歩
後ろに7歩歩いてから、背中の上に置く。葬式が始まれば枝は取り去る、こうすれば大吉。
この方法を利用すれば、餐はない、大金をもらっても(みだりに人に)伝えてはいけない。
本文二十五
102《承前》凡葬導車:出撃上、窯大孝、
103出除上熟翁及婦姻大客、出満上難男大客、出平上熟三公大夫客凶、
104出定上熱主人、出執上熟伯友客、出破上熟孝婦女、幽危上熟師公及妻、
105出成上下従夫、年収上熟前承後承、出開上音卜師、出閑(閉)上野師雨戸。
106外業酉、熟師。外加亥(戌)、熟三人。外[加亥】、[熟]二十八人。外加子、妨晒上
客十八人、外加丑、熟主人。
107外加斗、主人滅門。外加卯1熱三人。・〔外卵円、ロロ[コロ〕。外野巳、熟三十五人。
外加斗、黙主人財物。
108外加未、熟礼儀人。外加申、熱非師多言人。
訓読
凡そ葬喪の車、建干より出ずれば、大孝を熟し、除上より出ずれば、翁及び婦姻大客を熟
し、満上より出ずれば、男大塔を熟し、早上より出ずれば、三公大夫客を熟し、凶。定上
より出ずれば、主人を黙し、執上より出ずれば、伯骨導を熟し、彫上より出ずれば、孝婦
女を熟し、危上より出ずれば魂師公及び{男女}を熟す、成上より出ずれば従夫を熟し、
収上より出ずれば、前承後承を熟し、開上より出ずれば音遊師を熱し、閉上より出ずれば、
南都戸を熟す。外に酉を加うれば、師を熟し、外に戌を加うれば、三人を熱し、外に亥を
一30一
呪うれば二十八人を熟し、外に子を労うれば、階上の客十八人を熟し、外に丑を加うれば、
主人を熟し、外に寅を加うれば、主人滅門。外に卯を加うれば、三人を熟し、〔外に辰を
加うれば、ロロロ〔D。外に巳を早うれば、三十五人を熟し、外に午を加うれば、主人を
財物を熟し、外に未を加うれば、礼儀人を蕪し、外に申を加うれば、非師多言人を熟す。
口語訳
凡そ三二の車、建上より出れば、大孝を殺し、除上より出れば、翁および婦人の姻戚関係
の大回を殺し、二上より禺れば、男の大証を殺し、此上より出れば、三公大夫の客を殺し、
凶。定上より出れば、主人を殺し、二上より出れば、伯山の客を殺し、跳上より出れば、
孝婦女を殺し、危上より出れば、山師および{男女}を殺し、成上より出れば従夫(38)を
殺し、収上より出れば、目上目下を殺し、島上より出れば音楽の師を殺し、六二より出れ
ば、二三と都戸を殺す(39)。外に酋を加えれば、葬師を殺し、外に戌を加えれば、三人を
殺し、外に亥を加えれば二十八人を殺し、外に子を加えれば、路上の客十八人を殺し、外
に丑を加えれば、主人を殺し、外に寅を加えれば、主人滅門。外に卯を加えれば、三人を
殺し、〔外に辰を加うれば、[−]□[]〕。外に巳を加えれば、三十五人を殺し、外に午を
加えれば、主人の財物を損ない、外に未を加えれば、礼儀正しい人を殺し、外に申を加え
れば、非師多言入を殺す(40)。
本文二十六
108《承前》凡建三下、不可三三。
109師喪出此地、三三師、宜慎之吉。師坐法。四二卯酉、二月八月丑未、
110三月九月二三、五月十一月二二、六月十二月一心子、師坐吉地、年記、
111二子、三丑、四二、五二、六辰、七巳、八午、九未、回申、十一酉、十二戌已上師
三吉地
訓読
凡そ建破の下、坐すべからず、熟なり。師喪、此の地より出ずれば亦誌上、宜慎之吉。師
坐法。正月卯酉、二月八月丑未、三月九月寅申、五月十一月辰戌、六月十二,月巳午子、二
丁吉地、正亥、二子、三丑、四二、五二、六二、七二、八午、九二、十申、十一酉、十二
戌、已上師坐吉地
口語訳
一般に建破(41)下には肇してはいけない、熟である。葬師による温湯の場合もこの地から
出ればやはり二二を妨害する、慎むべきである、(そうすれば)吉。師坐法。正月は(葬)
師は卯酉(に坐し)、二月八月は丑未、三月九月は寅申、五月十一月は康戌、六月十二月
は巳乙子。師七二地、正月は亥、二月は子、三月は丑、四月は寅、五月は卯、六月は辰、
七月は巳、.八月は午、九月は未、十月は申、十一月は酉、十二月は戌。以上は乱坐の吉地
である。
(38)従父(おじ)の誤りかもしれない。
(39)師都戸は不詳。
(40) 「外に加える」の文意不詳。
(41)月建と一下。日建とは北斗七星の柄が指す方位。正月は寅を指し、毎月順番に十二
支を逆行する。歳破は太歳神の居る方位のことで、月建と対角をなす。
一31一
本文二十七
112葬得[地中]公曹下、四十年或八十年、早早禍殊、富貴。葬得[地中]傳三下、四十年
八十年元三
113秩、宜子孫二万石大吉利。葬得地中六天岡(剛)下、三年内野滅三吟。
114葬得[地中〕大岡(剛)下、五年後七年火販く敗)。葬得[地中]大吉下、傳世司馬富
貴吉。
115葬得地中小吉下、絶世無後馬。葬得地中甲下、富貴二千石大吉。
116野冊地中戊下、四年病兵死大凶。葬得[地中]庚地大吉倍(陪)司馬富貴。
117葬得地中己、熟小子大凶。葬得地中丙、幽清数:富貴吉二世。馬廻地中
118壬富貴及後世大吉利。葬旧地[中]神后、三年有死亡。葬得地中縢先出
119焼死凶。葬得地中縢先徴明、市死滅門。葬得地中太一、莞後大凶。
120早智地中従魁下、客死滅門。撃墜地中太衝下、六年大吉。葬得地中辛、六
1.21年腫死凶。葬得地中丁、出狂大販(敗)。葬得地[中]癸、却賊官事。葬得地中
122乙、地獄之地逢官事。葬地中六丁刑熟大凶。葬得[地]軽四乙、常熟之凶。
訓読
干して地中の公曹の下を得れば、四十年或いは八十年、禍秩に逢わず、富貴。卑して地中
の傳送の下を得れば、四十年八十年禍秩興し。子孫に宜し、二万石大吉利。際して地中六
天剛の下を得れば、三年内に喪、滅門凶。葬して地中の大剛の下を得れば、五年後七年火
敗す。葬して地中の大吉の下を得れば、傳世司馬たり、富貴吉。号して地中小吉の下「を得
れば、絶世、後無し、凶。罪して地中甲の下を得れば、富貴二千石、大吉g零して地中戊
の下を得れば、四年病兵死大凶。科して地中の庚地を得れば、大吉。司馬に陪し、富貴。
重して地中の己を得れば小子を熟す、大凶。馴して地中の丙を得れば、引数を出す、富貴、
吉二世。葬して地中の壬を得れば、富貴後世に及ぶ、大吉利。卜して地中の神后を得れば、
三年死亡有り。零して地中の縢先を得れば、焼死を出す、凶。領して地中の藤先王明を得
れば、市死滅門。葬して地中太一を得れば、後充し、大凶。葬して地中の従魁の下を得れ
ば、客死滅門。葬して地中の太衝の下を得れば、六年大吉。厚して地中の辛を得れば、六
年腫死、凶。罪して地中の丁を得れば、狂を出す、大いに敗る。回して地中の癸を得れば、
却賊官事あり。慨して地中の乙を得れば、地獄の地、官事に逢う。陣して地中の六丁を得
れば刑熟、大凶。帯して地中の甲乙を得れば、常に之を熟す、凶。
口語訳
地中の公曹の位置に埋葬すれは1、四十年あるいは八十年間、卜いに逢わない、富貴。地中
の傳送に埋葬すれば、四十年間あるいは八十年間担いなく、子孫に利益がある、二万石、
大吉利。地中の六天剛に埋葬すれば、三年内に葬式を出す、滅門凶。地中の大剛に埋葬す
れば、五年後あるいは七年後に火事を出し廃れる。地中の大吉に埋葬すれば、累世司馬と
なす、富貴吉。地中の小吉に埋葬すれば、絶世、後嗣なし、凶。地中の甲に埋葬すれば、
富貴二千石、大吉。地中の戊に埋葬すれば、四年後、病死や兵営にあう、大凶。.地中の庚
地に埋葬すれば、大吉。司馬職にあずかり圃、富貴。地中の己に埋葬すれば子供を死なせる、
大凶。地中の丙に埋葬すれば、清数を出す、富貴、吉二世。壬に埋葬すれば、富貴後世に
までおよぶ、大吉利。地中の神后に埋葬すれば、三年後死亡する者が出る。地中の膝先に
一32一
埋i葬すれば、焼死を出す、凶。地中の縢先徴明に埋葬すれば、市死の罪を受け、滅門。地
中の太一に埋葬すれば、後嗣なし、大凶。地中の従魁に埋葬すれば、客死滅門。地中の太
衝に埋葬すれば、六年間大吉。地中の辛に埋葬すれば、六年後浮腫で死ぬ、凶。地中の丁
に埋葬すれば、狂人を出す、大いに廃れる。地中の癸に埋葬すれば、却賊、役人に捕らえ
られる。地中の乙に埋葬すれば、地獄の地であり、役人に捕らえられる。地中の六丁に埋
葬すれば刑死、大凶。地中の六乙に埋葬すれば、殺される、凶。
本文二十八
123推平門法。以神后加太歳月建。甲為天蒼、庚為地蒼、艮為
124天府、筆下為地府、三下為天麹、壬下為地封、辛下平陽 、乙下為
125陰 、乾下為刑歳、巽下為死喪、太馬下干天貴、徴三下為鬼、
126神璽下乾干禍、筆先為下獄、小吉為天台、大吉下為地窯、公曹
127為戦熟、傳送為龍熟、太衝下為天神、従魁下為地神、天岡(剛)下〔為〕天呑、
128天魁下野凸型、
訓読
推地子法。神后を以って太歳の月建に加う、甲を天蒼と為し、庚を地蒼と為し、艮を天府
と為し、坤下を地府と為し、三下を天劉と為し、壬下を弓弩と為し、辛下を陽 と為し
乙下を陰野と為し、乾下を三歳と為し、巽下を死喪と為し、太壬下を天貴と為し、徴子
下を鬼と為し、神町下を秩禍と為し、縢先を天獄と為し、小吉を天井と為し、大吉下を地
熟と為し、公曹を戦然と為し、傳送を龍熟と為し、太衝下を天神と為し、従魁下を地神と
為し、天刑下を天呑と為し、天開門を地呑と為す。
口語訳
推地鏡法。 (上盤)の神階を(下盤)の太歳の卯建に一致させる。甲の方位を天蒼とし、
庚を地階とし、艮を天府とし、乳下を地府とし、丙下を町回とし、真下を地繋とし、辛下
を陽 とし、乙下を陰 とし、李下を一歳とし、巽下を死喪とし、四囲下を天目とし、
燭明下を鬼とし、神下下を殊禍とし、縢先を天獄とし、小吉を天黙とし、大吉下を地熱と
し、三曹を戦熟とし、傳送を龍熟とし、太衝下を天神とし、従魁下を地神とし、天剛下を
天呑とし、天魁下を地呑とする。
本文二十九
128《承前》商家、.車道出山東去南週至門下喪。角家、車道
129附与東廻至下下喪。宮家、車道出丙面向西至丁下喪。羽家、車道
130出庚西南週至即下喪。寺家、車:道管甲南廻[至]丙坤地下喪。
131右四五搾出喪庭車、慮不得平師、下上師公遍車曲路法。
訓読
商家、車:道は壬より出でて東に去り南に遇り丙下に至りて喪す。角家、車道は壬より出で、
東に遍り門下に至りて喪す。宮家、車道は丙面より出で、西に向かい丁下に至りて晒す。
羽家、車:道は庚より出で、南に遡り門下に至りて思す。平家、車道は甲より出で南に遍り
て丙坤地下に至りて喪す。右件下姓、喪庭車:を出すに、威して師に向かうを得ず。以上が
丁丁逼車曲路法である。
口語訳
一33一
他姓の家では、戦車:の行路は、壬から出て東に去り、南に廻って丙下に至って埋葬する。
角姓の家では、喪車の行路は、壬から出で東に廻って、丙下に至って埋葬する。下姓の家
では、車道は丙面より出で西に向かい、下下に至って埋葬する。羽姓の家では、車道は庚
より出て西に向かい南に廻って、下下に至って埋葬する。四姓の家では、車道は甲より出
て南に廻って丙坤地下に至りて埋葬する。以上の日野の家で喪庭の車を出す時、師に向か
って(出しては)いけない。以上師公逼車:曲路法である。
本文三十
131《承前》正月卯皇
132在酉、出帆在上帯師、在笹野平野上大吉。二月[皇在酉、出]一骨酉上熟師、
133庚午甲乙辛吉。三月皇[在酉]、出喪在酉上熟師、出(喪)在庚午上吉、四月
134皇在午出喪在上凶、出寅亥上大吉。五月危皇在末在三熱師、
135出壬癸上吉。六月七皇野遊来、出町野上熟師。出申丁癸上大吉。
136七月辰酉三角皇卯上州師、庚砂地吉。八月七二在午、出子在午熟師、
137庚上吉。九月房皇在卯、出喪町上卜師。十月虚皇臣子午出喪、在
138野師凶、着(著)胃管大吉。十一月張皇翼皇在巳午、出早撃上野、丙壬吉。十二月
139口皇在野戌亥、出喪野上師、凶、出午町上、大吉。右前件皇神出喪師外法、
14Q須審看、勿犯、大凶。
訓読
正月卯皇は酉に在り、出喪 上に在ちば、師を熟す。庚辛壬叩上に在らば、大吉。二月皇
は酉に在り、四半、酉上に在らば、師を熱す。庚午甲乙辛は、吉。三月皇は酉に在り、出
喪、野上に在らば、師を熱す。出喪、庚午上に在らば、吉。四月皇は午に在り、出喪、上
に在らば、凶。寅亥上より出れば、大吉。五月危皇は未に在り、上に在らば師を熟す、壬
癸上より出れば、吉。六月三皇は午未に在り、出喪、上に在らば、師を熟す。申丁癸上に
出ずれば、大吉。七月辰酉1平角皇、卯旧師を黙す、回目の地は吉。八月七四は午に在り、
出喪は午に在らば、師を熟す、庚上は吉。九月房即智に在り、出喪、押上なれば、師を黙
す。十月電子、子午に在り、出喪、上に在らば、師凶、丙壬に著かば大吉。十一月張皇翼
皇、巳午に在り、出喪、上に在らば凶、丙壬は吉。十二一口皇、子戌亥に在らば、出喪は
上に在り、師凶、午癸上より出ずれば、大吉。右前件皇神出轡師忌法。須く審かに看、犯
す勿れ、大凶。
口語訳
正月卯皇は酉にある。野上から葬車が出れば葬師を殺す。町触壬癸上であれば大吉。二月
皇は酉上にある。酉上から葬車が出れば、葬師を殺す。庚午甲乙辛は吉。三月皇は酉にあ
る。台下から葬車:が出れば葬師を殺す。庚午上から葬車が出れば吉。四月皇は午にある。
葬車をこの上から出れば凶。宮西上から出れば大吉。五月危皇は未にある。この上から出
れば野師を殺す。川竹上から出れば吉。六,月七半は午未にある。この上から出れば葬師を
殺す。申丁癸上から出れば大吉。七月辰酉弥角皇卯上、平門を殺す。三野地は吉。八月
七四は午ある。午から葬車が出れば葬師を殺す。庚上は吉。九月房皇は卯にある。飛上か
ら出れば憎憎を殺す。十月虚皇は子午にある。この上から出れば葬師は凶、丙壬を用いれ
ば大吉。十一月平等憎悪は巳午にある。この上から出れば凶、丙壬は吉。十:二月口皇は子
一34一
戌亥にある。この上から出れば、葬師凶、午癸上より出れば大吉。以上皇神出喪師忌法で
ある。詳しく読んで、犯してはならない、大凶。
本文三十一
140《承前》凡直送喪従行立之法。春三月在喪前行、夏三月
141在民血行。秋三月喪右上、冬三月露左行、右已上送喪行一法。
訓読
凡そ師の送喪、従りて行ずるの法。春三月は喪に在りては前行し、夏三月は喪に在りては
直行し、秋三月は喪右行し、冬三月は喪左行し、右以上は送喪行忌寸。
口語訳
およそ葬師による送喪において、進むべき:方向を知る方法。碁三か葬月は喪にあっては前
行し、夏三か月は二心にあっては乱行し、秋三か月は葬喪の時右行し、冬三か月は葬喪の
時左行する。以上は送喪行幸法である。
本文三十二
142甲子旬中酉地立、甲高湯中未地立、甲甲旬中直地立、甲午忌中酉地立、
143甲辰旬中丑地立、甲寅旬中亥湯立、右言前師送喪行立忌法。
訓読
甲子旬中は酉地に立ち、甲戌旬中は未地に立ち、甲甲旬中は巳地に立ち、甲午旬中は酉地
に立ち、甲三旬中は丑地に立ち、甲寅旬中は亥地に立ち、右已前は師送喪行立忌法。
口語訳
甲子の旬中は酉地に立ち、甲戌の旬中は未地に立ち、甲甲の旬中は巳地に立ち、甲午の旬
中は天地に立ち、甲辰の旬申は丑地に立ち、甲寅の旬中は霊地に立つ。以上は師送話行立
忌法である。
本文三十三
144崩騰神在島。正月在辛、二月在乙、三月温品、四月在壬、五月在庚、
145六月在申(甲)、七月在丁、八,月在癸、九月在島、十月在戊、十一月在坤艮、
146十二月在巽乾。凡葬埋共主人相争唄努(怒)、主人即在師立威、地師宜
147急調護身、則七廻還至主人家鼠崩騰神、師上立喚、大孝宇孝子、一人
148臆熟一人、二人懸熟二人、師匠免死。
訓読
高騰神在慮。正月は辛に在り、二月は乙に在り、三月は丙に在り、四月は壬に在り、五月
は庚に在り、六月は申(甲)に在り、七月は丁に在り、八月は癸に在り、九.月は己に在り、
十月は戊に在り、十一月は試訳に在り、十二月は巽乾に在り。凡そ葬埋、主人と共に相い
争い唄怒せば、主人は則ち師の立威に在り、地師宜しく急に自ら護身す、則ち須く逼り還
りて主人の家の崩面高在るに至るべし、師、上り立ちて冠す、「大孝字孝子、一人磨一人
を熟すべし、「二人磨に二人を黙すべし」、師匠死を免がる。
口語訳
崩騰神(42)の場所。正月は辛に居り、二月は乙に居り、三月は丙に居り、四月は壬に居り、
(42)崩騰神は不詳。
一35一
五月は庚に居り、六月は甲に・居り、七月は丁に居り、八月は癸に居り、九月は己に居り、
十,月は戊に居り、十一月は坤艮に居り、十二月は巽乾に居る。およそ葬埋において主入と
(地師が)共に争い怒ることがあれば、主人が地師のいるべき場を奪うことになるので、
地師は急いで自ら護身しなければならない。すなわち主人の家の崩紋神の居る場所に帰っ
てゆき、地師は、上に立って(次のように)叫ぶ。「大孝、字は孝子、一人が一人を殺し、
二人が二人を殺すはずです」。これで地師と主人の二人とも死を免れる。
本文三十四
148《承前》又一法。送喪詑、週主取墓小難頭
149土任意多少、在師手、師在門茎立、堕在地上、孝町着(著)熟孝。
訓読
又一法。送喪詑らば、週りて還る。墓より小の固頭土を任意の多少取り、師手に在り、師
は門主に在りて立ち、堕ちて地上に在り、孝踏着(著)、孝を蕪す。
口語訳
又一法。送喪が終われば、廻って帰る。墓から死者の足と頭の辺りの土(43)を適当な弓取
り、師の手中に置く。師は門の傍に立って、(土を)地面に落とす。孝子である主人がこ
れを踏むと、主人は死ぬことになる。
本文三十五
150又一法こ取孝四隣家鐵、打瀬野四、敬丁墓四角、再再得免熟主人孝子
151此三法、必不語人、亦不教人、千金不落。
訓読
又一法、孝の四隣家の鐵を取り、打ちて丁四を作り、丁を墓の四角に放(44)せば、師再び
免るを得、主人孝子を熟し、此の三法、必ず人に語らず、亦た人に教えず、千金も傳えず。
口語三
又一法、(主人である)孝子の四隣の家の鉄をもらってきて、打って釘四本を作り、釘を
墓の四角に打ち付ければ、師は再び主人である孝子を殺すことから免れる。以上の三法は、
必ず人に話してはいけないし、また人に教えてもいけない。大金(をもらって)も(人に)
伝授してはいけない。
本文三十六
151《つづき》葬得天剛下、三年出:三喪、九年
152出九喪、滅門大凶。葬得太一下、絶後大凶、殺小婦人、亦元願鬼。
153葬得翼竜下、出火士人、七年五人死、九年九人死、大凶。葬得小吉下
154莞後世、六年大凶。i墨筆従洞窟、九年滅門、大凶。葬得天魁下、
155十九年滅門、大凶。葬得徴明下、七年一人死、凶。[葬得□□下]、出市死人、三十
年破墨(敗)。
156毛母神号下、十二月出無頼人、凶。四十年大半(敗)。葬得太衝下。九年官事、
157葬得大吉下、熟牛馬奴聖女、凶。葬得公明下、四十年或八十年不逢喪禍、吉。
(43)意を取って訳したが、「小」の意味は不詳。
(44)この字は不詳。前後の意味から訳した。
一36一
158葬得傳送下、四十年或八十年不逢凶、宜子孫、大吉利。葬得甲下、大富
159貴、宜子孫、出二千石、大吉。葬得庚下、傳世富貴不絶、大吉。葬得
160却下世世富貴、宜子孫、大吉利。心得壬下、大富貴、吉利。
161葬得大徳下、大富貴、出二千石、大吉利。葬得広地、絶世子孫、不出五年、凶。
162葬得丁下、出狂十八年、凶。葬得戊下、四年忌悪病、兵死、凶。
163葬得点下、七年熟小口、十六年滅門、凶。葬得言下、出狂死人、家内乱、 〔凶〕。
164葬得一下、数逢官事、王子不孝、九年後出島使、小吉。
165葬得癸下、大富貴。二二暦不合法、須密入、五畜(枚)指人、目垢(枚)賜人
166五牧(枚)着(著)墓四角。
訓読
妬して天剛の下を得れば、三年にして三三を出だし、九年にして九喪を出だす、忌門大凶。
葬して太一下に得る、絶後大凶、小婦人を殺す、亦他願鬼光し。葬して縢先の下を得れば、
出火焼山、七年にして五人死し、九年にして九人死す、大凶。崩して小吉の下を得れば、
後世乱し、六年にして大凶。葬して従魁の下を得れば、九年にして滅門、大凶。葬して天
魁の下を得れば、十九年にして忌門、大凶。葬して徴明の下を得れば、七年にして一人死
す、凶。葬してロロの下を得れば、市死の人を出し、三十年にして破敗す。葬して神后の
下を得れば、十二月にして無頼人を出す、凶。四十年にして大敗す。崩して太衝の下を得
れば、九年にして官事あり。織して大吉の下を得れば、牛馬奴脾の女を熟す、凶。乱して
公曹の下を得れば、四十年或いは八十年、喪禍に逢わず、吉。葬して傳送の下を得れば1
四十年或いは八十年、凶に逢わず、子孫に宜し、大吉利。宜し葬して甲の下を得れば、大
富貴、子孫に宜し、二千石を出す、大吉。正して庚の下を得れば、傳世富貴不絶、大吉。
葬して丙下を得れば世世富貴、子孫に宜し、大吉利。葬して壬の下を得れば、大富貴、吉
利。温して大徳の下を得れば、大富貴、二千石を出す、大吉利。葬して乙地を得れば、世
子孫を絶ゆ、五年を出でずして凶。i葬して丁の下を得れば、狂を出す、十八年、凶。葬し
て戊の下を得れば、四年悪病を出し、兵死す、凶。出して己の下を得れば、七年小qを熱
す、十六年高門、凶。葬して辛下を得れば、狂死人を出し、家内乱る、凶。記して熟の下
を得れば、数官事に逢う.、王子不孝、九年後刺使を出す、小吉。記して癸の下を得れば、
大富貴。瀧回暦不合法、須く人に密すべし、五枚は入に指し、五枚は人に賜り、五枚は
墓の四角に著す。
口語訳
天六の下に埋葬すれば、三年にして三回葬式を出し、九年にして九回葬式を出す、滅門大
凶。太一の下に埋葬すれば、後嗣が絶え大凶、子供婦人を殺す、また他願鬼がいない(45)。
葬して縢先の下を得れば、出火焼人、七年で五人が死に、九年で九入が死ぬ、大凶。小吉
の下に埋葬すれば、後嗣が途絶える、六年で大凶。従魁の下に埋葬すれば、九年で滅門、
大凶。天魁の下に埋葬すれば、十九年で滅門、大凶。徴明の下に埋葬すれば、七年で一人
死ぬ、凶。ロロの下に埋葬すれば、市死の二人を出し、三十年で破滅する。神后の下に埋
葬すれば、十二月で無頼の人を湿す、凶。四十年大いに廃れる。太衝の下に埋葬すれば、
(45)他願鬼は不詳
一37一
九年で官事にかかる。大吉の下に埋葬すれば、牛馬や奴碑の女を殺す、凶。公曹の下に埋
葬すれば、四十年あるいは八十年、葬喪を出さない、吉。傳送の下に埋葬すれば、四十年
あるいは八十年、凶事に逢わない、子孫によい、大吉利。甲の下に埋葬すれば、大富貴、
子孫によい、二千石の人を出す、大吉。庚の下に埋葬すれば、代々富貴不絶、大吉。丙下
に埋葬すれば代々富貴、子孫によい、大吉利。壬の下に埋葬すれば、大富貴、吉利。大徳
の下に埋葬すれば、大富貴、二千石の人を出す、大吉利。添地に埋葬すれば、代々子孫が
途絶える、五年たたないうちに凶。丁の下に埋葬すれば、狂人を出す、十八年、凶。戊の
下に埋葬すれば、四年で悪病に罹る者が出、兵死する、凶。己の下に埋葬すれば、七年で
子供を殺す、十六年で滅門、凶。辛の下に埋葬すれば、狂死の人を出し、家内が乱れる、
凶、熟(働の下に埋葬すれば、何度も官事にかかる、息子は不孝、九年後に刺使を出す、
小吉。癸の下に埋葬すれば、大富貴。擁喝暦は法に合わない(47)。人には秘密にしなけれ
ばならない。五枚は(それを使って)人に指導し、五枚は人に差し上げ、五枚は墓の四角
に付す。
本文三十七
167凡人家母、位田不問大小、傾(頃)畝多少、皆無四十九穴、執即断中、惟有
168四穴五爵相宜、始得安墓、亡人居之、永世安楽。四穴者、甲庚丙壬是。
169假令墓田南北長三十五歩、七分、分之合馬。三従東北角、南管(更)五歩為
170艮穴、次章更五歩、是丈地。次南更五歩、是甲穴。計當十五歩。
171墓田東[西長]二十八歩七分、分之合得四歩、即當東南角。絵丙穴庚壬更不文’
172載。準此甲、庚早耳推挙可知也。凡四分、分位地、準上推挙。
訓読
凡そ人家の穴、墓田大小、傾(頃)畝多少、皆四十九穴有り、敦か此の中たり、惟だ四穴
の五姓相い宜うしき有り、始めて墓を安んずるを得、亡人之に回し、永世安楽たり。四穴
とは、甲庚丙壬是れなり。假令墓田南北長三十五歩をもちて七分し、之を分くれば合に得
べし。歩東北角回り、南更に五歩を四穴と為す、旧領更に五歩、是れ陸地なり。越南更に
五歩、是れ甲穴なり。計りて十五歩に當る。墓田東西長さ十八歩をもちて七分し、之を分
けて合に四歩を得ベレ。即ち東南の角に當る。絵丙穴庚壬は更に文載せず。此の甲に準え、
庚丙穴は之を推して知るべき也。凡そ四分せば、位:地を聴くるは、上に準え之を推す。
口語訳
凡そ人家の穴は、唖聾の大小、頃畝の多少.(に関らず)、すべて四十九穴がある。どれが
この中心であるかというと、四つの穴だけが五目ともにょい穴である。二、の穴を用いて始
めて墓を安んずることができるのである。死者はここに居住し、永世安楽でいられる。四
つの穴とは、甲華墨領野穴冷酒がそれである。たとえば南北の長さが三十五歩ある墓地を
七分し、分割すれば(五歩を)割り出すことができる。東北角から、南に更に五歩歩いた
(46) 「熟」とは凶神の方位。『西紀辮方書』によると「熟」には「劫熟」「歳熟」「災熟」
があり、「歳熱」「丁丁」の方位は営造に不適。
(47)暦に沿った埋葬が不可能な場合に、この厭勝法を使用する。この暦法の名称の意味
は不詳。
一38一
ところをを艮穴とする、次に南に更に五歩が寅穴である。次に南に更に五歩が甲穴である。
計ってみると十五歩に当たる。墓地の東西の長さ十八歩を七分し、分割して四歩を割り出
す。すぐに東南の角に行く。他の丙穴庚壬は文載しない。ここの甲穴に準じて、庚穴丙穴
は推測すれば分かる。四分して、(穴の)位置を分割するのは、上述の文章に準じて推測
する。
一39一
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