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研究成果はこちら - 椙山女学園大学
平成25年度 学部名 【 学園研究費助成金< B > 】研究成果報告書 生活科学部 フリガナ 氏 名 研究期間 研究課題名 タキモト ナリヒト 滝 本 成 人 平成25年度 車椅子生活者のための座位姿勢包丁の研究 研究組織 氏 研究代表者 滝 名 本 成 人 学 部 生活科学部 職 位 准教授 研究分担者 研究分担者 1.本研究開始の背景や目的等(200 字~300 字程度で記述) 本研究は、平成 20 年より障害者支援団体 NPO 法人ドリームと、大学同好会「椙山自助具の 部屋」の連携により、これまでに数々の自助具制作に取り組んできた。平成 21 年度より自助 具フォーラム全国大会と日本デザイン学会第 3 支部で毎年研究発表を行ってきた。また、平成 21 年度には㈶テクノエイド協会の福祉用具研究開発助成事業を受けて、今回と同名の包丁の研 究を行った。しかし、学内での試作制作では設備の点で限界があり、充分な試作を作ることが できなかった。今年度はタケフナイフビレッジ(協)との連携が整い、商品化に近い形の試作品 を制作し、より精度の高い実験と、制作上の問題点を明らかにした。 2.研究方法等(300 字程度で記述) 1.NPO 法人ドリームと「椙山自助具の部屋」が連携し、調理における問題点の抽出を行った。 2.試作包丁は初めにアルミ製包丁を学内で制作し、被験者実験をもとに改良を行った。 3.設計図を作成しタケフナイフビレッジ(協)と打ち合わせ、製作上の問題点を事前協議した。 4.製作はタケフナイフビレッジ(協)に委託し、製作上の問題点を明らかにした。 5.研究結果は「自助具フォーラム 2013」で口頭発表と作品展示を行った。専門家と障害者か らの意見を徴収した。 6.作品展示として NPO 法人ドリームが運営するギャラリー「ドリーム伏見」にて展示会を行 った。障害者から直接意見を徴収した。 3.研究成果の概要(600 字~800 字程度で記述) 座位姿勢包丁の先行事例として L 型包丁があるが、後天性障害者からは今までの使い勝手と 大きく変わるため違和感があり、いくつかの不便点が挙げられた。そこで本研究ではエスキモ ーが座位姿勢で使用する伝統刃物でウルナイフに着目した。伝統的なウルナイフ A と中抜き型 ウルナイフ B の試作を作成し、三徳包丁との被験者実験(被験者 7 名)を行った。 実験条件は先行研究から座面と作業面の差尺を 300 ㎜とし、まな板の上で野菜を切る被験者 実験を行った。その結果、三徳包丁は手首の負担が大きく、輪切り・いちょう切り・千切りに おいて、ウルナイフの有意性が明らかとなった。次にブレイド長さを見直し、ウルナイフの改 良型として、ウルナイフ C(刃渡り 140 ㎜) ・D(刃渡り 130 ㎜)・E(刃渡り 125 ㎜)の制作を し、前回と同様の被験者実験(被験者 7 名)を行った。結果は刃渡り 140 ㎜の優位性が明らか となった。 また、新たな課題としてブレイドの曲率の検討と軽量化が求められ、試作 F を設計しタケフ ナイフビレッジで制作を行った。製作上の問題点としてはグリップ形状の取り付け方法や、砥 ぎ直し上の問題点が挙げられた。使用上の守備範囲としてはまな板の上で、輪切り・いちょう 切り・千切りにおいて有意性が見られたが、手持ち作業においてはペティーナイフの方が優れ ていた。一本で全てを使いこなす万能包丁としては限界が見られた。 障害者用包丁の先行事例は極めて少なく、障害者からのニーズもあることから、今後も実用 化に向けた研究として、タケフナイフビレッジと継続研究を行う連携体制を整えた。 4.キーワード(本研究のキーワードを1以上8以内で記載) ①障害者 ②座位姿勢使用 ③自助具 ⑤ ⑥ ⑦ ④ ⑧ 5.研究成果及び今後の展望(公開した研究成果、今後の研究成果公開予定・方法等について記載するこ と。既に公開したものについては次の通り記載すること。著書は、著者名、書名、頁数、発行年月日、出版社 名を記載。論文は、著者名、題名、掲載誌名、発行年、巻・号・頁を記載。学会発表は発表者名、発表標題、 学会名、発表年月日を記載。著者名、発表者名が多い場合には主な者を記載し、他○名等で省略可。発表数が 多い場合には代表的なもの数件を記載。 ) ■研究成果 1.伊藤優華・小川まどか・鈴木祐莉加・滝本成人、「大学同好会での自助具制作の取り組み (5) 」 、自助具フォーラム、2013.10.26、口頭発表と作品展示を行った。会場:滋賀県長寿 社会福祉センター(レイカディア) 2.滝本成人・伊藤優華・小川まどか・鈴木祐莉加、NPO 法人ドリームが運営する「ドリーム 伏見」のギャラリーにて自助具の作品発表を行った。展示期間 2013.11.10~20 ■今後の展望 平成 26 年度科学研究費助成事業基盤研究(C)に研究題目「脳卒中後遺障害片麻痺者に必要 な調理用自助具の研究」として申請を済ませ、今後も継続研究を行う予定である。