...

モバイル2.5インチHDD

by user

on
Category: Documents
19

views

Report

Comments

Transcript

モバイル2.5インチHDD
モバイル2.5インチHDD
2.5-inch Hard Disk Drives for Mobile Equipment
あらまし
58, 1, 01,2007
富士通はノートパソコン(PC)やコンシューマエレクトロニクス製品などの省スペース
機器向けに2.5インチハードディスクドライブ(HDD)を開発している。ノートPCの性能
向上やアプリケーションソフトウェアの多種多様化に伴い,2.5インチHDDへの大容量化,
高性能化の要求はとどまることがない。今回,世界最高水準の面記録密度130 Gビット/平方
インチを実現したMHW2160BHとMHX2250BTを開発した。MHW2160BHは2.5インチ
ディスク媒体2枚を9.5 mmの高さに納めた容量160 Gバイトでディスク回転数が5400 rpm,
MHX2250BTはディスク媒体3枚を12.5 mmの高さに納めた容量250 Gバイトでディスク回
転数が4200 rpmである。これら製品の高記録密度は,垂直磁気記録技術およびヘッド浮上
制御技術などを採用して実現した。また,インタフェースには高速データ転送が可能なシリ
アルATAインタフェースを採用して高性能化にも応えている。
Abstract
Fujitsu has been developing 2.5-inch hard disk drives (HDDs) to meet the needs of
notebook personal computers and other compact consumer products. This paper introduces
the MHW2160BH and MHX2250BT.
These HDDs offer an areal recording density of
130 Gbit/in2, which is currently the world’s highest. The MHW2160BH is 9.5 mm thick,
has two 2.5-inch disks rotating at 5400 rpm, and a storage capacity of 160 GB.
The
MHX2250BT is 12.5 mm thick, has three 2.5-inch disks rotating at 4200 rpm, and a storage
capacity of 250 GB. The high areal recording density of these HDDs was achieved using
perpendicular recording technologies and head flying height control technologies. Both of
these HDDs have a Serial ATA interface for high-speed data transfer.
明官謙一(みょうかん けんいち)
第二事業部第三技術部 所属
現在,モバイル2.5インチHDDの開
発に従事。
10
FUJITSU.58, 1, p.10-15 (01,2007)
モバイル2.5インチHDD
などCE製品の需要が2.5インチHDD市場の成長を
ま え が き
押し上げる形となっている。2.5インチHDDの市場
富士通はノートパソコン(以下,PC)を主な市
けん
を牽引する代表的な製品の動向を以下に述べる。
場として2.5インチハードディスクドライブ(以下, (1) ノートPC
HDD)を開発している。近年ではノートPCの高機
ノートPCは演算処理装置の高性能化,実装技術
能化,小型化,軽量化など利便性が向上したことに
の高密度化などの発展とともに高機能化,小型化,
伴いノートPCによるデスクトップPCの置換えが進
軽量化など利便性が向上しており,日本国内では住
んでおり,また,カーナビゲーション(以下,カー
宅事情を背景に浸透し近年では国内PC市場の主流
ナビ),ゲーム機,多機能プリンタなど省スペース
となっている。アメリカやヨーロッパでもノート
が要求されるコンシューマエレクトロニクス(以
PCによるデスクトップPCの置換えが進んでおり,
下,CE)製品にも2.5インチHDDが使用され始め,
ノートPC市場の拡大は今後も持続するものと見ら
2.5インチHDDの市場はますます拡大している。市
れている。ノートPC市場における2.5インチHDD
場の拡大には,2.5インチHDDが記録密度の飛躍的
の世界規模出荷台数は2008年には1億台を大きく超
な向上による大容量化を達成したこと,ノートPC
えるものと予測されている。
を代表とするモバイル製品に特徴的な要件である低
消費電力や高耐衝撃といった性能の向上を達成して
(2) カーナビ
カーナビは道路地図情報の格納媒体としてCDROMディスクやDVD-ROMディスクを使用してい
きた背景がある。
本 稿 で は , モ バ イ ル 2.5 イ ン チ HDD の 動 向 ,
たが,2002年ころより地図情報の精細化,動作の
HDDに対する要求,製品の概要,今後の課題につ
高速化を目的に2.5インチHDDを搭載した製品が登
いて述べる。
場した。今後も低価格帯のエントリ製品にはDVD
が搭載され,高価格帯のハイエンド製品にはHDD
モバイル2.5インチHDDの動向
が搭載されることでDVDとHDDの両方が使用され
2.5 イ ン チ HDD の 世 界 規 模 出 荷 台 数 の 予 測
るものと見られる。カーナビ市場は日本国内を中心
( 2005年までは実績)を図-1に示す。2.5インチ
に成長した市場であるが,今後,ヨーロッパを中心
HDDの世界規模出荷台数は2005年に約8300万台に
に海外市場の成長も期待されており,カーナビ市場
到達している。市場の成長は2006年以降2010年ま
に お け る 2.5 イ ン チ HDD の 世 界 規 模 出 荷 台 数 は
で年率平均20%以上の伸長が継続し,2010年には2
2008年ころには1000万台に到達すると予測されて
億台を超える出荷が予測されている。2.5インチ
いる。
HDDの市場の主体はノートPCを中心とするPC用
途であることに変化はないが,カーナビ,ゲーム機
(3) ゲーム機
2005年12月に発売されたマイクロソフトの家庭
用ゲーム機Xbox360が20 Gバイトの2.5インチHDD
250
台数(100万台)
200
をオプション搭載したことで2.5インチHDDの新た
コンシューマエレクトロニクス向け
な市場としてゲーム機市場が創出された。また,ソ
パソコン向け(サーバ,デスクトップパソコン含む)
ニー・コンピュータエンタテインメントの家庭用
ゲーム機PLAYSTATION3では20 Gバイトまたは
150
60 Gバイトの2.5インチHDDが標準搭載されている。
100
ゲーム機市場における2.5インチHDDの世界規模出
50
(富士通調べ Oct.2006)
荷台数は2008年ころには3000万台に到達し,その
後も堅調に推移するものと予測されている。
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
西暦(年)
図-1 2.5インチHDD出荷予測(全世界規模)
Fig.1-2.5-inch HDD market forecast (world wide scale).
FUJITSU.58, 1, (01,2007)
モバイルHDDに対する要求
本章では,モバイル2.5インチHDDに要求される
代表的な事項を挙げる。
11
モバイル2.5インチHDD
(1) 大容量
ドルモードに移行する。アイドルモードではHDD
2007年1月に一般向け販売が予定されているマイ
を構成する機構部品と電子部品の必要最小限の部分
クロソフトの最新OSであるWindows Vistaに必要
のみを動作させるという制御によって低消費電力を
なHDD容量はWindows XP以上に大きくなると言
実現している。
(1) ノートPC市場における2.5インチHDD
われている。
(4) 高耐衝撃,高耐振動
の最多販売帯容量は2006年に60 Gバイトへの移行
ノートPCの軽量性,モバイル性ゆえに特徴的な
を終えたが,Windows Vistaの普及に際して2007
障害要因として外部から加えられる衝撃や振動,ハ
年から2008年にかけてさらに大容量の80 Gバイト
ンドリングミスによる落下などの要因がある。搭載
クラスへの移行が予測されている。また,
されるHDDにも高耐衝撃,高耐振動が強く要求さ
Windows Vistaにはテレビの視聴や録画の機能が提
れる。
供 さ れ る 見 込 み で あ り , ノ ー ト PC で も テ レ ビ
(5) 環境対応
チューナを搭載した製品の普及がさらに進む。これ
2006年7月に施行されたRoHS指令と一般に呼ば
らの製品に搭載される2.5インチHDDにはHDDレ
れるヨーロッパ連合指令に代表されるように特定環
コーダやデスクトップPCに匹敵する200 Gバイト
境汚染物質の逸散防止は,電子電気機器としての
以上の大容量が求められている。ノートPCでは,
HDDにも遵守が求められる。
エントリ製品でもHDDの容量の底上げが進み,ハ
製品の概要
イエンド製品では更なる大容量化の要求は強い。
ここでは,富士通の2.5インチHDDの最新製品で
(2) 高性能
ノートPCの性能向上や,ノートPCが扱うアプリ
あるMHW2160BHとMHX2250BTの概要とともに,
ケーションソフトウェアの多種多様化に応じて,
前述の要求に対する富士通の対応を紹介する。
HDDへの高性能化の要求はとどまることがない。
MHW2160BHとMHX2250BTの製品仕様を従来の
製品と比較し表-1に示す。
(3) 低消費電力
モバイル性を特徴とするノートPCにおいてバッ
●
MHW2160BH,MHX2250BTの特徴
テリー寿命の長期化は商品価値の重要な要素であり, (1) 大容量
HDDへの低消費電力化の要求は強い。2.5インチ
MHW2160BHとMHX2250BTは,富士通として
HDDはコマンド待ち状態のときには自動的にアイ
初めて垂直磁気記録技術を採用し,世界最高水準の
表-1 製品の仕様
項 目
MHV2120BH
MHV2200BT
MHW2160BH
MHX2250BT
9.5
12.5
9.5
12.5
SATA
インタフェース
装置高さ(mm)
重量(g)
最大101
最大135
最大101
最大135
フォーマット容量(Gバイト)
120
200
160
250
フォーマット容量/ディスク(Gバイト)
60
67
80
84
2
3
2
3
面記録密度(Gビット/平方インチ)
99.1
107.0
129.8
136.6
回転数(rpm)
5400
4200
5400
4200
最大61.3
最大51.8
最大71.5
最大55.7
0.6
0.5
ディスク枚数
12(リード時)
平均アクセス時間(m秒)
内部データ転送速度(Mバイト/秒)
150
ホストデータ転送速度(Mバイト/秒)
アイドル消費電力(W)
0.6
0.5
動作時衝撃(G)
300(作用時間2 m秒)
動作時振動(G)
1(作用周波数5-500 Hz)
環境対応
12
RoHS指令適合
FUJITSU.58, 1, (01,2007)
モバイル2.5インチHDD
面記録密度130 Gビット/平方インチを達成した。
(3) 低消費電力
MHW2160BHは回転数が5400 rpmでディスク媒体
消費電力については,HDDに搭載するLSIの高
2枚を高さ9.5 mmの装置に収納し160 Gバイトの容
集積化による各電子回路の省電力化,きめ細かいパ
量を,MHX2250BTは回転数が4200 rpmでディス
ワーダウン制御の採用によってアイドルモード時の
ク媒体3枚を高さ12.5 mmの装置に収納し250 Gバ
更なる低消費電力化を図っている。例えば,
イトの容量を達成し大容量化の要求に応えた。とく
MHW2160BHのアイドルモード時の消費電力は
に,MHX2250BTは競合他社にない富士通独自の
2004年に量産した同じ回転数の製品と比較して
製 品 で あ り , デ ス ク ト ップ PC 向 け の 3.5 イ ン チ
25%削減されている。
HDDにも競合できる大容量の製品として開発した
(4) 高耐衝撃,高耐振動
ものである。MHX2250BTにおいては250 Gバイト
耐衝撃については,磁気ヘッドを支持するサスペ
のテクノロジに改良を加えることで,さらなる面記
ンションの軽量化など機構部の最適設計を行うこと
録密度の向上(約160 Gビット/平方インチ)を図っ
で動作時衝撃耐性の改善を行い,現在は耐衝撃値
た300 Gバイトの製品MHX2300BTも継続して開発
300 G(作用時間2 m秒)を達成している。非動作
している。MHX2250BTの機構部を図-2に示す。
時には,磁気ヘッドをディスク媒体上から退避させ
(2) 高性能
るロード・アンロード制御を採用することで耐衝撃
MHW2160BHとMHX2250BTは,内部データ転
値900 G(作用時間1 m秒)を達成している。耐振
送 速 度 が 各 従 来 製 品 と 比 較 し て 約 17 %
動については,記録密度の向上に際してサーボ制御
(MHW2160BH)と約8%(MHX2250BT)の高速
化を達成している。また,富士通はホストとディス
系の最適設計を行い,高耐振動を維持している。
(5) 環境対応
ク媒体間の転送データを一次保存するキャッシュの
富士通の2.5インチHDDは機構部品と電子部品の
制御アルゴリズムを最適化することで性能の向上を
両方においてRoHS指令に適合する特定有害物質の
図ってきた。さらに,インタフェースでは高速な
排除に早期に着手した。その結果,富士通全社製品
デ ー タ 転 送 が 可 能 な シ リ ア ル ATA ( Serial
の中で最も早い2004年12月にRoHS指令適合製品
Advanced Technology Attachment,以下,SATA)
の 量 産 を 開 始 し て お り , MHW2160BH と
インタフェースを2004年に2.5インチHDDでは世
MHX2250BTもこれに準ずる製品である。
界で最初に量産製品に採用して高性能化の要求に応
● キーテクノロジ
えており,MHW2160BHとMHX2250BTもSATA
イ ン タ フ ェ ー ス をサ ポ ート す る 。 SATA イ ン タ
フェースの概要については後述する。
MHW2160BHとMHX2250BTで採用した二つの
最新キーテクノロジについて概要を紹介する。
(1) 垂直磁気記録
垂直磁気記録は,その名のとおり記録ビットを記
録媒体面に対して垂直方向に磁化する方式であり,
従来の水平磁気記録よりも高密度記録に適する記録
方式として約30年来の研究がなされてきた。富士
通は水平磁気記録による面記録密度の限界を見極め
ながら,MHW2160BHとMHX2250BTにおいて富
士通として初めて垂直磁気記録を採用し従来の水平
磁気記録による面記録密度を30%以上向上した
130 Gビット/平方インチの高面記録密度を実現した。
垂直磁気記録技術の詳細については本誌の「超高密
度垂直磁気記録技術」を参照されたい。
(2) ヘッド浮上制御
図-2 MHX2250BT(機構部)
Fig.2-MHX2250BT (Mechanism).
FUJITSU.58, 1, (01,2007)
垂 直 磁 気 記 録 と と も に , MHW2160BH と
MHX2250BT で は 富 士 通 と し て 初 め て DFH
13
モバイル2.5インチHDD
磁気ヘッド
熱膨張した磁気ヘッド
スライダ
ディスク媒体
通常時
コイル通電時
図-3 ヘッド浮上制御
Fig.3-Dynamic flying height control.
(Dynamic Flying Height)と呼ぶヘッド浮上制御
を採用した。MHW2160BHとMHX2250BTにおい
て,磁気ヘッドを保持するスライダはディスク媒体
表-2 SATAインタフェースの特徴
データ転送速度
面上を約10 nmの高さで浮上している。しかし,
HDDの環境温度の変化による機構部品の寸法変化,
空気分子密度の変化によってスライダの浮上は変化
PATA
項 目
ケーブル
133 Mバイト/秒
長
最長46 cm
最長100 cm
幅
2インチ
1/4インチ
しん
80
7
芯数
する。一般に低温環境ではスライダの浮上は高くな
SATA
150 Mバイト/秒
(次世代は300 Mバイ
ト/秒)
り,ディスク媒体との空隙が広くなることで記録
コネクタ
40ピン
信号7ピン+電源15
ピン
データの信号ノイズ特性が劣化する。130 Gビット/
信号駆動電圧
5V
1.6 V
平方インチの高記録密度の領域では,その信号ノイ
デバイス接続
ズ特性劣化も無視できるものでなく,MHW2160BH
ホットプラグ接続 不可
Master/Slave
Peer-to-Peer
(ホスト1:HDD 2) (ホスト1:HDD 1)
可
とMHX2250BTでは,磁気ヘッド周囲にヒータコ
イルを埋め込み,HDDの温度をモニタしてヒータ
ド ケ ー ブ ル が 規 定 さ れ て い る が , SATA イ ン タ
を駆動することで磁気ヘッドを熱膨張させてスライ
フェースでは最長100 cmの1/4インチケーブルが使
ダの浮上変化を補正している。DFHによって磁気
用できるなど接続上の利便性も向上している。ソフ
ヘッドとディスク媒体との空隙を一定に保つことも
トウェアからは従来のPATAと同様に制御できるよ
高記録密度の実現には不可欠であった。DFHによ
うコマンドがエミュレートされており,SATAイン
るヘッド浮上制御の概念を図-3に示す。
タフェースへの移行を容易にしていることも特徴で
●
ある。SATAインタフェースの主な特徴を表-2に
SATAインタフェース
前述のとおり,MHW2160BHとMHX2250BTは
示す。
ホストとの接続インタフェースとしてSATAインタ
今後の課題
フェースをサポートする。SATAインタフェースは,
従来のパラレルATA(Parallel ATA,以下,PATA)
2.5インチHDDに対する大容量,高性能といった
インタフェースの発展型として業界ワーキンググ
基本要求については,記録密度の向上や新たな高速
ループが2000年に最初のSATA1.0規格をリリース
回転数(7200 rpm)製品の開発など継続して新技
している。PATAインタフェースが複数の信号線間
術の開発に努め要求に応えていく。一方,ノート
のデータ同期を取るために信号線間の干渉やノイズ
PC市場からの要求を中心に,さらなる高機能化が
の問題によりデータ転送速度の高速化が難しくなっ
HDDには求められている。富士通が取り組んでい
たことに対して,SATAインタフェースは信号経路
る高機能化への対応課題の幾つかを紹介する。
をシリアル化することでデータ転送速度の高速化を
(1) 落下検出
図った。また,接続に使用するケーブルも,PATA
落下検出は,モバイル製品の更なる耐衝撃性能の
インタフェースでは最長46 cmまでの2インチワイ
向上を目標にHDDに重力センサを装備することで
14
FUJITSU.58, 1, (01,2007)
モバイル2.5インチHDD
システムの落下を検出しHDDの動作を中断,磁気
で,OSやアプリケーションソフトウェアの起動時
ヘッドの退避を行う技術である。現在,HDD単体
間,休止状態からの復帰時間の短縮を図ることがね
では機能検証を終え,今後は各種システム搭載での
らいである。
動作確認をもって実用段階に移行する計画である。
む
(2) セキュリティ強化
す
び
2005年4月に日本国内では個人情報保護法が施行
2.5インチHDDはノートPCの出荷拡大とCE製品
されたとおり,情報セキュリティの重要性は国内外
の需要増加によって市場規模が拡大していく。2.5
において高まっている。ノートPCはモバイル性ゆ
インチHDDに望まれる要件は大容量,高性能,高
えに盗難や紛失といった恐れが大きく,システムと
信頼といった基本性能の向上はもちろんのこと,
してハードウェアやソフトウェアのセキュリティ機
ノートPC製品の多品種化およびCE製品では製品ご
能を装備している。HDD単独でも一層のセキュリ
とに重要とされる機能,性能も異なる(一例として
ティ強化を求められており,媒体上のデータをまる
カーナビでは−30℃から+85℃の動作温度が要求
ごと暗号化する必要性もでてきた。また,業界ワー
される)など複雑化している。
キンググループのTCG(Trusted Computing Group)
今後の開発課題は最先端技術をタイムリに導入し
は,PCとHDDとの接続安全性を向上し,さらに高
たHDDをもって多種多様化する製品要求に応える
いセキュリティを実現するための標準化も進めて
ことである。この実現に向けて一層の技術力向上を
いる。
図り,HDD市場の拡大に一層貢献する所存である。
(3) ハイブリッドHDD
ハイブリッドHDDはフラッシュメモリを搭載し
た HDD である。通常は HDD から読み出す OSの
カーネル,デバイスドライバ,アプリケーションソ
参 考 文 献
(1) Microsoft:Windows Vista(TM)カスタマープレ
ビュープログラム(June 2006)
.
フトウェアなどをフラッシュメモリに搭載すること
FUJITSU.58, 1, (01,2007)
15
Fly UP