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総務事務効率化基本方針

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総務事務効率化基本方針
総務事務効率化基本方針
平成 22 年3月
経営管理部行政改革推進室
目
次
《基本的な考え方》
Ⅰ
背景と目的
1
本県の状況
2
経緯
Ⅱ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
総務事務の状況等
1
総務事務とは
2
総務事務の現状
3
総務事務における課題
Ⅲ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
・・・・・・・・・・・・・・
5
総務事務効率化の考え方
1
総務事務効率化の視点
2
総務事務の類型別対応方向性
3
総務事務効率化の取組 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
4
スケジュール
7
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《総務事務センター方式の構想》
Ⅰ
総務事務システム
1
開 発 方針
2
システムのイメージ
3
対 象 業務
4
対象所属等
5
稼働開始時期
6
開 発 方法
7
システム要件等
8
導 入 方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
9
職 員 研修
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
Ⅱ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
総務事務センター(仮称)
1
設 置 時期
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
2
対象所属等
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
3
分 掌 事務
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
4
人 員 体制
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
5
留 意 事項
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
6
今後の検討課題
Ⅲ
Ⅳ
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
期待できる効果
1
事務量削減効果
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
2
費用対効果試算
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
スケジュール
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
(資料)
総務事務システム対応業務一覧
・・・・・・・・・・・・・・ 21
《基本的な考え方》
Ⅰ
背景と目的
1
本県の状況
少子高齢化、グローバル化の進展など社会経済情勢がめまぐるしく変化する中、行政
に対する県民のニーズも複雑、多様化している。
栃 木 県 で は 、 平 成 18 年 2 月 に 策 定 し た 「 栃 木 県 行 財 政 改 革 大 綱 」 に お い て 、 県 民 中
心の開かれた行政の推進、協働の推進と県の役割の重点化、簡素で効率的な執行体制の
確立、持続可能な財政基盤の確立を目標に掲げ行財政改革に取り組んでいるが、県財政
を取り巻く環境は一層厳しいものとなっており、さらなる行財政改革の推進が求められ
ている。
ま た 、 昨 年 10 月 に 公 表 さ れ た 「 と ち ぎ 未 来 開 拓 プ ロ グ ラ ム 」 で は 、 自 律 的 な 行 財 政
基盤を確立し、県民満足度の高い県政の実現を図ることを目指すべき方向としており、
職員を大幅に削減する中で県民満足度を高めていくためには、内部事務の改革に取り組
み、職員の配置を内部管理事務から直接県民にサービスを提供する事業部門へとシフト
していく必要がある。
本県の内部事務については、これまでもIT活用による事務処理の省力化や簡素・効
率化を推進してきたが、多くの都道府県においては、職員の給与などにおいて集中化や
システム化、外部委託等を進め、一層の効率化に取り組んでいる。
このような背景を踏まえ、本県においても、給与、旅費などの事務を中心に総務事務
全 体 を 見 直 す こ と に よ り 、 行 財 政 運 営 の 一 層 の 効 率 化 を 進 め る た め 、「 総 務 事 務 効 率 化
基本方針」を策定し、推進するものである。
2
経緯
平 成 17 年 10 月 : 内 部 管 理 事 務 効 率 化 検 討 会 ( 関 係 各 課 に よ り 構 成 ) を 設 置
平 成 18 年 3 月 : 内 部 管 理 事 務 効 率 化 検 討 会 中 間 報 告 ( 庁 議 )
職員の給与等の事務について、電子化・集中化など効率化を図る
ための具体的な検討を進めることとなった。
平 成 18 年 10 月 : 総 務 事 務 シ ス テ ム 導 入 を 当 面 見 送 り 、 事 務 の 集 中 化 等 に よ り 効 率 化
を図ることとした。
平 成 20 年 10 月 : 財 務 会 計 シ ス テ ム の 再 構 築 が 決 定
平 成 21 年 9 月 : 総 務 事 務 シ ス テ ム の 導 入 、 総 務 事 務 セ ン タ ー の 設 置 な ど 総 務 事 務 効
率化の取組を事業化し、推進することを決定
- 1 -
Ⅱ
総務事務の状況等
1
総務事務とは
総 務 事 務 は 、人 事 、給 与 、服 務 、旅 費 、福 利 厚 生 、文 書 、物 品 、財 産 管 理 、財 務 会 計 、
予算・決算など内部管理に関する全庁的な事務で、ほとんどの所属で処理されている。
総務事務の中でも、給与、服務など職員個人を対象としている業務は、条例、規則等
に従い共通の処理が行われており、予算・決算や財産管理、文書管理などの事務につい
ては、経営管理部や会計局など当該事務を主管する所属が、処理を行うための様式や事
務の流れなど基本的なルール等を示し、各部局、各所属はそれらを踏まえ事務を処理し
ている。
2
総務事務の現状
各 所 属 で 処 理 し て い る 総 務 事 務 の 現 状 を 把 握 す る た め 、平 成 21 年 5 月 に 県 立 学 校 、警
察本部を除いた全所属での総務事務に係る事務量等を調査した。
各所属で処理している総務事務の事務量(人分)
全 庁 (191 所 属 )
業
務
事務量
所属平均
(人 分 )
(人 分 )
①給与関係
28.9
0.2
②臨時補助員・非常勤等関係
11.1
0.1
③賃金・報酬等支払関係
11.3
0.1
④服務関係
13.9
0.1
⑤共済・互助会関係
9.3
0.0
⑥健康管理関係
5.9
0.0
⑦安全衛生関係(⑥を除く)
4.2
0.0
⑧公務災害関係
0.7
0.0
⑨文書関係
33.1
0.2
⑩物品関係
25.2
0.1
⑪財務関係
46.2
0.2
⑫旅費関係
24.7
0.1
⑬予算・決算・監査関係
51.5
0.3
⑭財産管理関係
19.4
0.1
⑮その他の総務事務関係
31.0
0.2
316.2
1.7
(とりまとめ業務等(議会、研修、各種照会等)
総務事務事務量計
※
文書学事課、会計局等が所管する全庁的な事務に係る事務量は含まない。
- 2 -
3
総務事務における課題
現状の総務事務には、次のような課題を持つ事務が含まれており、改善による効率化
が期待できる。
①
複雑な制度の理解が必要な事務
処理するために複雑な制度の理解が必要な事務については、各所属で処理する件数
が少ない場合、事務処理そのものよりも制度の理解のために多くの時間が費やされる。
②
紙による処理を行っている事務
台帳記入など紙による処理や保存、管理を行っているため、パソコンを活用した集
計や編集ができない。
③
重複作業を含む事務
職員が処理し帳簿等に記入した内容を、他の職員がパソコンに入力するなど、一回
で済む事務を重複して処理を行っている。
④
職員による定型的な事務
台帳との照合や端末入力、事実確認、集計などアウトソーシングが可能な定型的な
事務を職員が処理している。
⑤
多くの職員のチェックを規定している事務
外形的なチェックであっても、起案者から決裁権者まで多くの職員がチェックする
ことを定めている。
⑥
時期により処理量に大きな増減がある事務
年度末や年度当初など特定の時期に処理量が大きく増減する事務がある。
- 3 -
Ⅲ
総務事務効率化の考え方
1
総務事務効率化の視点
総務事務の課題を解決し、総務事務の効率化に取り組むには、事務の適正な執行
を確保した上で、費用対効果、及び全庁的な視点での事務量削減を念頭に、事務処理
そのものを抜本的に見直す必要がある。
下記の視点を組み合わせながら、効率化に取り組む。
(1)
事務の簡素化・標準化
①
事務フローの見直し
重複化、形式化している現行の事務手続きを見直し、分かりやすい制度設計や手
続きの簡素化を図るとともに、事務処理方法を標準化する。
②
添付書類の簡素化
書類の省略やコピーした証拠書類の利用を可能とするなど、添付書類の簡素化を
図る。
③
権限の見直し
形 式 的 関 与 の 廃 止 な ど 権 限 (決 裁 や 合 議 の 区 分 等 )を 見 直 す と と も に 、取 り ま と め 、
経由事務の見直しなど中間事務処理の効率化を図る。
(2)
事務処理の集中化
制度の理解等に時間がかかる事務や一定の事務量の確保など集中化による効果が
見込まれる事務等については、集中化し専門的に処理を行うことで、効率的な事務処
理を行うとともに、処理レベルの平準化を図る。
な お 、集 中 化 の 範 囲 は 、本 庁 、出 先 と い っ た 大 き な 範 囲 で 実 施 す る も の だ け で な く 、
部局や庁舎、あるいは、フロア単位や分掌事務に関連性のある複数所属での共同処理
など、取り組みの前後で総事務量の削減が期待できるものについて柔軟に取り組む。
(3)
事務のシステム化、データの電子化
①
重複処理の廃止
職員が手書きで作成した書類、帳簿等の内容を、他の職員がパソコンに入力し直
すような処理を廃止し、申請を行う職員が入力した電子データを活用し事務を処理
する。
②
情報共有の促進
資料等の電子化に取り組み、情報の共有を促進するとともに、既存資料の有効活
用を図る。
③
ペーパーレス推進
パソコン画面での内容確認、電子データでの資料の保存により、台帳記入などの
事務を廃止し、ペーパーレス化を推進する。
(4)
アウトソーシングの推進
定 型 的 な 業 務 や 補 助 的 業 務 、 ま た 、 事 務 量 増 大 時 の 対 応 と し て 、「 栃 木 県 民 間 活 力
活用指針」を踏まえ、民間企業への外部委託や外部スタッフ(人材派遣、嘱託職員な
ど)等の活用を検討する。
- 4 -
2
総務事務の類型別対応方向性
総 務 事 務 を 事 務 の 性 質 別 に 分 類 し 、そ れ ぞ れ の 効 率 化 検 討 の 方 向 性 を 以 下 に 示 す 。
(1)
職員個人を対象とする事務
例)
給与、諸手当、勤務状況、福利厚生等
職員個人を対象としている事務については、事務のシステム化、データの電子
化を推進することで、重複処理の廃止や情報共有の促進、ペーパーレス化が期待
できる。
また、認定等の事務を集中的に処理する体制を整えることで、事務に精通した
職員によるミスの少ない、効率的な処理が可能となる。
(2)
庁内での共通処理などに関する事務(職員に関する事務を除く)
①
所属にとらわれない庁内共通の事務
例)
臨時補助員等の社会保険、雇用保険等の事務
同一業者への定期的な支払い事務等(新聞購読料、機密文書処理等)
集 中 処 理 を 行 う こ と で 、書 類 の 提 出 や 支 払 い 等 の 事 務 を ま と め て 処 理 す る こ と
が可能となる。
②
庁内で統一的なルールにより執行されている事務
例)
文書事務、支出事務等
制度を所管する所属が、事務フローや様式、権限などルールを見直すことに
より、事務の簡素化が期待できる。
(3)
その他の事務
上 記 全 庁 的 な 事 務 の 効 率 化 の 見 直 し を 踏 ま え 、改 め て 「 効 率 化 の 視 点 」か ら 部 局
内、所属内の事務執行の効率化について検討し、取り組む。
また、全庁を対象とした事務執行の際には、全庁的な視点で事務量が最小とな
るよう配慮しながら実施する。
3
総務事務効率化の取組
上記の視点や方向性を踏まえ、総務事務の効率化について、次のとおり取り組む。
職員個人を対象とする事務
(1)
多くの都道府県で「総務事務センター方式」により処理しており、本県において
も効果が見込まれることから、これを導入し事務の効率化に取り組んでいく。
な お 、費 用 対 効 果 等 の 関 係 か ら 、総 務 事 務 シ ス テ ム の 対 象 業 務 と な ら な い 事 務 に つ
い て も 、「 総 務 事 務 効 率 化 の 視 点 」 に 基 づ き 検 討 を 行 う 。
※「総務事務センター方式」については、次ページ参照
庁内での共通処理などに関する事務
(2)
①
所属にとらわれない庁内共通の事務
庁 内 に お け る 同 一 業 者 に 対 す る 定 期 的 な 支 払 い 事 務 等 を 洗 い 出 し 、契 約 や 支 払 い
をまとめる方向で検討する。
②
庁内で統一的なルールにより執行されている事務
現 在 執 行 さ れ て い る 庁 内 ル ー ル の 課 題 に つ い て 、制 度 主 管 所 属 に よ り 見 直 し
を行う。
(3)
その他の事務
(1)、 (2)で 改 善 さ れ た 結 果 を 踏 ま え 、 で き る も の か ら 順 次 効 率 化 に 取 り 組 む 。
- 5 -
【総務事務センター方式】
総 務 事 務 シ ス テ ム の 導 入 、及 び 総 務 事 務 セ ン タ ー (仮 称 )の 設 置 に よ り 、職 員 の 給 与
等の事務を効率的に処理する方法。
総務事務システム
各職員が定められた申請様式等に記入し、紙で決裁した後に庶務担当者等が結果
等を端末に入力している事務については、個々の職員が自分のパソコンから入力、
申 請 等 を 行 い ( 発 生 源 入 力 )、 必 要 に 応 じ て 所 属 長 の 電 子 決 裁 を 経 て 、 事 務 を 集 中
的に処理する機関にデータを送るシステム。
〔導 入 により期 待 できる効 果 〕
①
事務量の削減
発 生 源 入 力 と す る こ と で 、職 員 と 庶 務 事 務 担 当 者 の 重 複 作 業 を 排 除 で き る 。
ま た 、入 力 に よ り 蓄 積 さ れ た 電 子 デ ー タ を 利 用 し た 自 動 集 計 や 自 動 チ ェ ッ
ク等により事務量を削減できる。
②
入力ミスの削減
システム入力時のエラーチェックや関連するデータ間の相互チェックに
よ る 矛 盾 し た デ ー タ 等 の 入 力 を な く し 、認 定 等 を 行 う 職 員 の 事 務 の 軽 減 を 図
る。
③
ペーパーレス化
デ ー タ の 入 力 、電 子 決 裁 、デ ー タ の 保 存 な ど 一 連 の 事 務 を パ ソ コ ン で 行 う
ことでペーパーレスによる処理が可能となる。
総務事務センター(仮称)
総務事務システム等により各職員から受け付けた申請等を集中処理する機関
〔設 置 により期 待 できる効 果 〕
①
事務量の削減
各所属で処理していた事務を集中化することで、分散して処理を行って
いた事務をまとめて処理することが可能となり事務量が削減できる。
②
事務処理の効率化
処 理 数 が 少 な い た め 、各 所 属 で は 処 理 効 率 の 悪 い 事 務 等 に つ い て 、集 中 化
することで効率的に処理する。
③
処理レベルの平準化
集中処理を行うことで、処理レベルを平準化し、処理ミスを削減する。
④
経費等の削減
事務の集約化によりまとめられた定型的な事務を、アウトソーシングに
より処理することで、職員の事務量を削減し経費の削減を図る。
- 6 -
総務事務システム・センター(仮称)のイメージ
4
スケジュール
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1
検討
① 職員個人を対象とする事務
事
務
の
分
類
② 所属にとらわれない庁内共通の
事務
検討
③ 庁内で統一的なルールにより執
行されている事務
検討
④ その他の事務
集約化の適否、
集約化の方法
等の具体的な
検討
検討
総務事務センター
検討
検討・準備
稼動
総務事務システム
検討
設計・開発等
稼動
- 7 -
《総務事務センター方式の構想》
以 下 、「 総 務 事 務 効 率 化 の 考 え 方 」 の 中 で 、 職 員 個 人 を 対 象 と す る 事 務 の 対 応 と し て
示した「総務事務センター方式」について記す。
な お 、 総 務 事 務 セ ン タ ー に つ い て は 、「 総 務 事 務 セ ン タ ー 方 式 」 に 関 す る 機 能 の み を
記載したところであり、センターが合わせ持つその他の機能等については、今後の事務
の集中化の検討の中で具体化するものとする。
Ⅰ
総務事務システム
次 期 財 務 会 計 シ ス テ ム や 次 期 給 与 シ ス テ ム の 導 入 と 時 期 を 合 わ せ 、共 用 コ ン ピ ュ ー タ
等で運用している他のシステムの効率的な活用・連携を図りながら、各所属において処
理している職員に係る事務の省力化や総務事務センター(仮称)における全庁的な業務
の集中処理を効果的に行うため、総務事務システム(仮称)を開発・導入する。
1
開発方針
①
簡易な操作性の確保
各職員(発生源)による入力が原則であり、マロニエパソコンが配備された所属の
ほとんどの職員が日常的に利用するシステムであることから、申請漏れの防止や誤入
力のチェック機能、必要書類・制度の案内、さらにオンラインヘルプ(コンピュータ
上でヘルプ文書を閲覧できる支援機能)やFAQ(よくある質問に関する問答集)の
整備など、誰もが分かりやすく、直感的に利用できる操作性の高いシステムとする。
②
費用対効果の確保
本 県 の 厳 し い 財 政 状 況 下 に お い て 開 発 す る シ ス テ ム で あ り 、そ の 導 入 に 当 た っ て は 、
行財政運営の一層の効率化や県民サービスの向上に資するよう、最小の費用で最大の
効果を生み出す必要がある。
こ の た め 、他 の 都 道 府 県 で 導 入 実 績 が あ り 安 定 運 用 が 期 待 で き る シ ス テ ム を 中 心 に 、
標準的なパッケージ等の内容を十分に研究するとともに、開発経費のみならず、シス
テム稼働後の運用・保守経費についても低減化が図れるシステムを構築できるよう十
分留意し導入する。
③
安全性・信頼性の確保
職員の個人情報をはじめとする多くの重要情報を保有するシステムであり、総務事
務センター(仮称)における外部人材の活用なども想定されることから、万全なセキ
ュリティ対策を講じる。
また、日常的な事務処理を中断させることのないよう、システムの安定的な運用に
資する信頼性を確保する。
④
汎用性・拡張性の確保
関連するシステムとの間に効率的なシステム連携・データ共有を可能とする汎用性
を確保するとともに、新たな機能追加や対象機関の拡大、制度改正等にも容易かつ安
価に対応できる拡張性のあるシステムとする。
なお、将来の円滑な業務拡張や他システムとの連携を図るため、業者固有の技術・
- 8 -
製品ではなく、業界標準技術(オープンシステム)を採用することとする。
2
システムのイメージ
総務事務システム、財務会計システム、給与システムの3システムは、開発時期が重
複することから、共通して利用可能な共通基盤の構築など、各システムが役割分担しな
がら効率的な開発、運営ができるよう進めていく。
「栃木県次期財務会計システム基本計画書」における全体概要は下図のとおりである。
栃木県次期システムイメージ図
3
対象業務
他 の 都 道 府 県 の 状 況 、各 ベ ン ダ の シ ス テ ム の パ ッ ケ ー ジ 、本 県 の 事 務 の 処 理 件 数 な ど 、
事務効率化の効果等の視点等から次の事務を対象に詳細を検討する。
総務事務システム対象業務
業 務
給与
事 務
職員の手当
実績手当等
扶養手当、通勤手当、住居手当、単身赴任手当、児童手当
給与明細の確認、職員口座関係
服務
給与関係
勤務状況等
旅費
旅行命令
旅費の支給
その他 年末調整関係
共済関係
超過勤務手当、休日給、日額特殊勤務手当、管理職員特別勤務手当、農林漁業普及指導
手当、月額特殊勤務手当、義務教育等教員特別手当、産業教育手当、定時制通信教育手
当、期末手当、勤勉手当、寒冷地手当、特地勤務手当(及び準ずる手当)等
週休日の振替、代休日の指定、勤務時間登録、休暇取得(年次、特別、傷病、介護、組合)、
休業申請(育児、育児部分、修学部分、高齢者部分、自己啓発等)、職務専念義務免除
精算払、概算払
給与所得者の扶養控除等申告書等
組合員証関係(共済組合員申告書)
臨時補助員関係 臨時補助員等の賃金、社会保険・雇用保険、年末調整等
汎用申請関係
部分休業の申請など、職員が申請雛形を作成することで広範な事務に利用
- 9 -
4
対象所属等
総務事務システムは、職員が各自のマロニエパソコンを使って手当や休暇の申請、登
録内容の閲覧、総務事務センターからの連絡事項の確認を行うシステムであるため、利
用対象となるのは知事部局など所属のほぼ全員にマロニエパソコンが配備されている
所 属 の 職 員 ( 約 5,400 人 ) で あ る 。 対 象 所 属 の 詳 細 は 、 次 の 表 の と お り 。
①
マロニエパソコンがほぼ全員に配備されている所属(○:知事部局等)
職員本人(発生源)が自ら入力し申請等を行う。
知事部局等の現業職などマロニエパソコンが配備されていない職員については、こ
れまでどおり様式、帳簿等に記入し、庶務担当者等の代理入力により対応する。
②
一部の職員にマロニエパソコンが配備されている所属
(△:病院、県立学校、警察本部)
現在と同様、様式、帳簿等による職員の申請を所属において認定する。庶務担当者
が集計等を行い、所属長が決裁した結果等を、登録されたマロニエパソコン等から一
括入力フォーム等により入力する。
※県立学校教員に導入予定のパソコンはネットワークが異なるため利用できない。
③
マロニエパソコンが配備されていない所属(-:小中学校)
様式、帳簿等による職員の申請を所属において認定する。庶務担当者が集計等を行
い、所属長が決裁した結果等を、教育事務所の入力事務嘱託員等が新たに設置した専
用端末を使って所属毎の一括入力フォーム等により入力する。
なお、効率的に一括入力ができるようフォーム等を検討する。
入力方式別対象所属
部
局
等
職員数
H21.4.1
マロニエパソコン
対象事務
配備状況
服
給
共
旅
臨
務
与
済
費
補
知事部局
① 議会事務局
行政委員会事務局
一人1台配備
4,854
○
○
○
○
○
( 現 業 職 は 含 ま な
い 。)
(除く、教育委員会)
② 病院
636
-
△
-
△
-
一部職員に配備
① 企業局
107
○
○
○
○
○
一人1台配備
① 教育委員会事務局等
452
○
○
-
○
○
一人1台配備
② 県立学校
3,754
-
△
-
△
-
事務職のみ配備
③ 小中学校
11,662
-
-
-
-
-
なし
② 警察本部
3,754
-
△
-
△
-
所属に数台配備
計
25,219
○:職員(発生源)入力(※
△:所属一括入力等
現業職員等の分は代理入力対応)
-:所属におけるシステム入力なし
- 10 -
5
稼働開始時期
平 成 26 年 1 月 ( 予 定 )
次 期 財 務 会 計 シ ス テ ム は 、平 成 25 年 10 月 か ら 平 成 26 年 度 分 の 予 算 編 成 に 関 す る 事 務
を 開 始 し 、 平 成 26 年 4 月 以 降 は 当 該 年 度 の 執 行 関 係 の 事 務 を 稼 動 す る 予 定 で あ る 。
総務事務システムについても、4月からの稼動は定期異動の時期と重なり、職員に係
る事務の繁忙期のため混乱が懸念されることから、職員がシステムの操作に慣れるよう
同年1月から服務関係など一部の業務を開始する。
6
開発方法
(1)
総務事務システムの構築
新規開発に伴う費用を抑え、安定した稼働を確保するため、前述の開発方針に基づ
き都道府県への納入実績のあるベンダ等の商品をベースに、必要最小限のカスタマイ
ズを行い導入する。
(2)
総務事務システムの構成
①
各種申請及び勤務状況管理等を行うためのシステム
②
共通基盤
ア
職員認証基盤:権限を含めた職員の認証を行うシステム
イ
職員ポータル:申請等の手続きへの入り口・決裁等各種情報の表示を行うもの
ウ
電子決裁基盤:電子決裁を行うためのシステム
※
共通基盤の導入に当たっては、同時期に開発する財務、給与の3システムで共
通に利用できるシステムとし、グループウェア、文書管理システムなど他のシス
テムが、導入、更新される際に接続可能なものとする。
③
既存システムとの連携(データの受け渡し)
総務事務に関係する既存のシステム等とのデータ連携(オンライン、媒体等)を
可能とし、事務処理の効率化を図る。
7
システム要件等
(1)
マロニエパソコンの利用
総務事務システムは、職員のパソコンに特定のソフトウェアをインストールせず利
用 で き る 「 Web 方 式 」 と し 、 マ ロ ニ エ パ ソ コ ン を 使 っ て 入 力 す る 。
(2)
共通基盤等
①
職員認証基盤
入 力 作 業 等 を 行 う 者 を 特 定 す る ユ ー ザ ID/ パ ス ワ ー ド を 一 元 管 理 し 、職 員 ポ ー タ
ルサイトへのログイン認可を行う。
②
職員ポータル
入力作業等を行う者が利用可能なシステムのリンクを配置し、シングルサインオ
ンによる各システムへのログインを可能とする。
③
電子決裁基盤
給 与 、服 務 等 に 関 す る 申 請 等 は 定 型 的 な 内 容 が 多 い た め 、電 子 決 裁 に よ り 決 裁 し 、
事務の効率化を図る。
- 11 -
④
その他
ア
職 員 に 付 与 さ れ た 権 限 に 応 じ て 登 録 デ ー タ を 閲 覧 で き る も の と し 、 併 せ て EUC
機 能 1 と し て 、 各 種 デ ー タ ベ ー ス か ら デ ー タ の 検 索 、 抽 出 、 CSV 形 式 デ ー タ へ の 出
力を可能とする。
イ
プ リ ン タ へ の 直 接 出 力 に 加 え 、 印 刷 イ メ ー ジ で の プ レ ビ ュ ー 表 示 、 PDF フ ァ イ
ル等への電子化を可能とする。
(3)
セキュリティ対策等
総務事務システムで扱うデータは、職員の個人情報であることから「栃木県個人情
報保護条例」に従い適切に対応するとともに、県が策定した「情報セキュリティポリ
シー」の方針に基づいた対策を講じ、個人情報の漏洩を防止する。
データの改ざんや消去等の不正アクセスへの対策として、システムへの接続等につ
いて履歴情報等を取得し、追跡調査が可能な仕組とする。
ま た 、 UPS( 無 停 電 電 源 装 置 ) の 設 置 な ど 、 不 慮 の 停 電 や 遮 断 か ら シ ス テ ム を 防 御
する対策を講じる。
(4)
ハードウェア
システムが安定稼働できるよう、信頼性の高い機器構成にするとともに、業務量等
の増加に対して、随時かつ経済的に処理能力の拡大が図れる構成とする。
(5)
ソフトウェア
汎用性、拡張性の高いプログラム構造とし、栃木県の組織改編、制度改正及び様式
の変更などに対して、柔軟かつ低コストで対応できるものとする。
(6)
運用、保守
①
運用時間
現在運用しているグループウェア、文書管理システムと同様、システムのメンテ
ナンス等の時間を除き、運用可能なシステムとするが、実際の運用に当たっては、
運用コスト等を考慮し、時間を決めて運用する。
②
バックアップ
データのバックアップはアプリケーションの不具合等に備えて、複数世代の管理
を可能とする。
バ ッ ク ア ッ プ デ ー タ は サ ー バ 上 に 前 年 度 分 ( 給 与 シ ス テ ム に お い て は 5 年 分 )、
外部媒体で5年間保存することとし、災害時等に備えて遠隔保管を行う。
③
マニュアル等の整備
運用・保守について、システム開発業者に依存することのないように、運用手順
書、システム設計書、プログラム設計書など、各種マニュアルやドキュメントの整
備を行う。
1
EUC機能:エンドユーザーコンピューティング機能。利用者(エンドユーザ)が必要なデータを取
得し、自由に加工(コンピューティング)できる機能のこと。
- 12 -
8
導入方法
(1)
スケジュール
平 成 22 年 度 か ら 平 成 25 年 度 ま で を 設 計 、 開 発 等 の 期 間 と す る 。
(2)
調達・契約方法
システム導入時には、システムの開発、ハードウェア機器の調達が必要であり、導
入後には、運用・保守の業務が必要となる。
開発業務等技術的な提案が選定のポイントとなる業務は総合評価一般競争入札、機
器調達など価格が選定のポイントになるものについては一般競争入札による調達と
するなど、効果的な調達方法について検討していく。
9
職員研修
本 シ ス テ ム の 導 入 に 伴 い 、発 生 源 入 力 へ の ス ム ー ズ な 移 行 と 総 務 事 務 セ ン タ ー( 仮 称 )
における円滑な事務処理、システムの確実な運用を図るため、一般職員(発生源)及び
管 理 職 員 ( 決 裁 )、 セ ン タ ー 職 員 ( 総 務 事 務 セ ン タ ー ) な ど 、 そ れ ぞ れ を 対 象 と し た 研
修を行うこととする。
また、学校や警察本部の庶務担当者など一括入力を担当する職員を対象に必要な研修
を行う。
これらの研修を効果的に開催するとともに、新規採用職員や総務事務システム対象外
の所属から異動してくる職員など研修未受講者がシステムを操作できるよう、職員が自
席のパソコンから操作し、相応の理解を得ることができるe-ラーニング環境を構築す
る。
- 13 -
Ⅱ
総務事務センター(仮称)
総務事務システム等による職員からの各種申請・届出等を集中的に処理するとともに、
事務処理やシステム等に係る職員からの相談、質問等に対応し、効率的・一元的に事務処
理を行う専門組織として、総務事務センター(仮称)を設置する。
なお、設置する部局や場所、職員数については、機能や対象事務など具体的な内容の検
討に合わせて精査する。
1
設置時期
(1) セ ン タ ー 設 置 時 期 ( 予 定 )
平 成 25 年 度
(2) セ ン タ ー 業 務 開 始 時 期
平 成 25 年 度
※
2
シ ス テ ム 整 備 の 状 況 等 を 踏 ま え 、 平 成 25 年 度 後 半 か ら 一 部 業 務 を 開 始 す る 。
対象所属等
現 在 、知 事 部 局 等 の 各 所 属 で 処 理 し て い る 給 与 、服 務 等 の 事 務 を 、総 務 事 務 シ ス テ ム
により総務事務センターに集中化し、処理する。
対 象 所 属 等 は 、 概 ね 以 下 の と お り と す る 。( 対 象 職 員 は 約 5,400 人 )
総務事務センター方式で事務処理を行う所属等
部
局
等
職員数
H21.4.1
対象事務
服務
給与
共済
マロニエパソコン
旅費
臨補
知事部局
議会事務局
行政委員会事務局
配備状況
一人1台配備
4,854
□
□
-
□
□
(現業職は含ま
な い 。)
(除く、教育委員会)
病院
636
-
-
-
-
-
一部職員に配備
企業局
107
□
□
-
□
□
一人1台配備
教育委員会事務局等
452
□
□
-
□
□
一人1台配備
県立学校
3,754
-
-
-
-
-
事務職のみ配備
小中学校
11,662
-
-
-
-
-
なし
警察本部
3,754
-
-
-
-
-
所属に数台配備
計
25,219
□:総務事務システムによる申請等について、総務事務センターで処理
-:各所属で処理
※
システムの対象業務となる共済事務は一部であるため、申請データは職員厚生課
に集約し、処理
個々の事務については、巻末参照
- 14 -
3
分掌事務
総務事務センターは、総務事務システムを使って申請される給与や旅費など、職員個
人に関する定型的な事務を移管、一元化し、効率的に処理するとともに、それらの事務
に関連する職員サポートを主な業務とする。
各職員からの申請等の処理が業務の中心となるが、前述した「総務事務効率化の考え
方」により事務等の見直しを行い、総務事務センターにおいて処理することで効率化が
図れるとされる事務については、これを対象事務とする。
具体的な分掌事務については、今後、関係各課と協議、検討を進めていく。
総務事務センターの分掌事務
主な担当業務
担当(想定)
管理事務
① 総務事務センターの運営、予算経理
② 総務事務システムの運用管理
③ 外部職員の管理、指導
給与・認定事務
① 諸手当の認定等
・ 扶養手当、住居手当、通勤手当、単身赴任手当の認
定、及び要件確認
② 児童手当の認定等
・ 児童手当の認定、及び児童手当等支給状況報告の作成
支給事務
③ 勤務状況の管理等
・ 勤務状況報告書、勤務状況通知書の作成等
① 職員給与関連等
・ 超過勤務手当等実績手当のシステム連携
② 職員の年末調整
扶養控除申告書等の確認
③ 児童手当の支給
④ その他の控除金関係
旅費事務
⑤ 臨時補助員等に関する事務
・ 任用事務、社会保険・雇用保険関係事務、賃金支払、
年末調整
① 旅費の計算、支給
・ 旅費請求内容の確認
・ 旅費の支給
・ その他、旅費に関する事務
ヘルプデスク関係
① ヘルプデスク業務
・ 各種申請、届出等やシステム操作方法に関する相談、
質問への対応
総 務 事 務 セ ン タ ー ( 仮 称 ) は 、 マ ネ ジ メ ン ト 機 能 を 担 う 「 管 理 部 門 」、 職 員 と の 接
点 と な る 「 ヘ ル プ デ ス ク 」、「 事 務 処 理 部 門 」 か ら 構 成 さ れ る 。
処 理 す る 事 務 は 、定 型 的 な 事 務 が 多 く 、ま た 、年 間 を 通 じ て 業 務 量 の 増 減 が 大 き い
ことが想定されるため、県職員の他に外部職員等の活用について検討する。
【想定される外部職員等】
個人との契約:嘱託職員、臨時補助員
法人等の契約:派遣社員、業務委託
- 15 -
4
人員体制
総務事務センターの体制は、今後、具体的な検討を行う事務分掌や導入する総務事務
システムの事務フロー、処理件数や処理時間等を参考に検討し、合わせて職員と外部職
員の役割分担についても検討する。
また、システム導入当初の事務の混乱を避けるため、人的に余裕を持った体制でスタ
ートし、段階的に職員の定数を減らすなど、センターへの円滑な事務の移行について検
討する。
5
(1)
留意事項
関係各課との連携
総務事務センターの運営に当たっては、関係各課からの必要な助言や情報提供、総
務事務センターからの現場情報の提供や業務実施上の問題点の指摘、改善案の提案な
ど 、円 滑 な 制 度 運 営 を 図 る た め に 関 係 各 課 が 緊 密 に 連 携 協 力 し 、業 務 を 遂 行 し て い く 。
(2)
セキュリティ対策の実施
総務事務センターは、職員の個人情報など多くの重要情報が集約されることから、
情報保護や機密保持には細心の注意を払う必要がある。
特に、外部スタッフ等を活用する場合、守秘義務に係る契約の締結、情報の取り扱
いやパソコン機器の利用上の注意など、機密保持に向けたルールづくりを行うととも
に、職員の個人情報に係る書類の確実な保管を徹底するなど、セキュリティの確保に
向けた対策を講じる。
(3)
チェック機能の確保
導入するシステムには、申請者が入力しやすいよう入力の際に形式的なエラーチェ
ックを行う機能がつき、ヘルプデスクによるアドバイスも受けられる。
しかしながら、申請者と認定等審査担当者の接点はこれまでよりも希薄となること
から、誤支給や不正受給がないよう、十分なチェック体制を整備する。
(4)
文書使送制度の活用
職員からの総務事務センターへの添付書類等の送付は、出先機関については、現行
の文書使送制度を活用することにより、経費の節減に努める。
なお、年度末や年度初め、年末調整関係事務の時期など、書類の送付が多くなる時
期の対応については、別途検討する。
6
(1)
今後の検討課題
関係諸規程の改正
各種事務処理の見直しや総務事務センターへの一部権限の移行に伴う関係諸規程
の改正について検討する。
また、任命権者が異なる機関の取り扱いについても、整理・検討する。
(2)
監査事務等
総務事務システムの導入による申請書類の電子化や、総務事務センターの設置によ
- 16 -
る手当の認定権限の移行、旅行命令と旅費支給の所属の相違など、これまでと異なる
事務の流れが生じることから、他の都道府県の状況等を参考にしながら、監査事務等
のあり方について検討を進めていく。
(3)
予算措置
総務事務センターへの事務の集中化に伴い、旅費など集中化に対応した予算のあり
方について検討する。
- 17 -
Ⅲ
期待できる効果
総務事務効率化は、厳しい財政状況に鑑み、給与、旅費事務など県民生活に直接影響の
ない内部事務を簡素・効率化し、職員や財源を県民ニーズの高い事業等に振り分けられる
よう取り組むものであり、最小の費用で最大の効果を生み出す必要がある。
ここでは、総務事務システムの導入及び総務事務センターの設置により効率化が図られ
る職員に係る事務について、事務量削減効果と必要な経費について検討した。
1
(1)
事務量削減効果
現在の各所属の職員の事務量(人分)
これまで記載してきたように、総務事務システム、総務事務センターの対象は、職
員の給与、服務、旅費等の事務を想定しており、庁内調査の結果からそれらの事務量
は 約 70 人 分 で あ る 。
(2)
総務事務センターの職員の事務量(人分)
(1)の 事 務 を 他 県 の 取 組 事 例 を 参 考 に 、 ア ウ ト ソ ー シ ン グ を 活 用 し 総 務 事 務 セ ン タ ー
で 処 理 す る こ と と し た 場 合 、 推 定 さ れ る 県 職 員 の 事 務 量 は 、 約 15 人 分 で あ り 、 約 55
人 分 (= 70- 15)の 事 務 量 を 削 減 可 能 と の 試 算 結 果 を 得 た 。
職員の事務量
現在の事務量(※)
70
↓
システム導入、集中処理を
行った場合の事務量
↓
アウトソーシングにより、
外部職員を活用した場合の
事務量
↓
(人分)
職員の事務量 外部職員の事
の増減
務量の増減
42
0
0
▲ 28
0
▲ 27
27
▲ 55
27
↓
15
計
※ 給与、服務、旅費、臨時補助員に係る事務量
病院は所属一括入力、現業職員分は庶務担当者の代理入力を想定し、人数を按分
し、現在の事務量から除いた。
2
(1)
費用対効果試算
効果試算の考え方
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H28
○センターオープン
職員費
準備
運用
必
要 システム関係
費
開発経費
用
運用経費
センター
外部職員人件費
効
果 事務量の削減
- 18 -
H29
H30
(2)
効果等の試算
①
投資額の回収:システム稼働後、3年程度
②
通年の効果
:約2億4千万円(システム稼働後の効果)
事務量削減効果:4億4千万円
( 55 人 分 × 8,000 千 円 )
必要経費:約2億円
システム運用・保守等:約9千万円
アウトソーシング
:約1億1千万円
総務事務センターの稼働に向け、システム導入のための費用や準備等を行う職員の
人 件 費 な ど 、 平 成 25 年 度 ま で は 費 用 負 担 の み が 必 要 と な る 。
平 成 26 年 度 か ら シ ス テ ム 、 セ ン タ ー が 動 き 出 す こ と で 、 職 員 事 務 量 の 削 減 が 可 能 と
なり、約3年間で投資額を回収できる。
今 後 、シ ス テ ム 開 発 や 機 器 等 の 調 達 、総 務 事 務 セ ン タ ー の 効 率 的 な 運 営 、ま た 、当 該
シ ス テ ム の 長 期 間 の 使 用 等 に よ り 導 入 、運 用 費 用 を 抑 え る こ と で 、よ り 高 い 効 果 を 得 る
ことが可能である。
- 19 -
Ⅳ
スケジュール
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1
総務事務システム、センター
1 内部管理事務効率化検討会
〔事務局:行革室〕
①総務事務効率化基本方針策定
システム化対象業務、集中化対象業務の検討
②規則改正等センター設置システム導入準備
2 総務事務システム設計・開発
3 総務事務センター設置
4 総務事務システム職員研修
5 総務事務システム稼働
財務会計システム
1 次期財務システム開発基本計画策定
〔事務局:会計局〕
・現行業務の課題の洗い出し
・新規事務フロー検討
2 次期システム設計・開発
3 次期財務会計システム稼働開始
給与システム
1 次期給与システム導入検討
〔会計局〕
・現行業務の課題の洗い出し
・新規事務フロー検討
2 次期システム設計・開発
3 次期給与システム稼働開始
- 20 -
総務事務システム対応業務一覧
※ 総務事務システムの対象所属(発生源入力所属)の対応案(○:対応、△:検討中)
※ 網掛けのない事務は、現行の専用端末で入力している事務
総務事務システム
(給与システム)
業 務
発生源入力
人 職員情報管理
事 職員給与情報
手当
扶養手当関係
給
与
関
係
業
務
給与
旅
費
関
係
業
務
服
務
関
係
○
住居手当関係
単身赴任手当
認定
児童手当関係
実績手当
認定
超過勤務手当(支給)
日額特殊勤務手当
夜勤手当
休日給
宿日直手当
管理職員特別勤務手当
義務教育等教員特別手当
月額特殊勤務手当
農林漁業普及指導手当
産業教育手当
定時制通信教育手当
特地勤務手当
へき地手当
寒冷地手当
特定手当
備 考
定)
その他
○
認定等
要件確認(所得額等)
認定等
定期券等確認
認定
通勤手当関係
各所属庶務
様式等 担当者に残
る業務(想
対応
○
△
○
△
○
△
○
△
△
○
○
○
○
○
○
△
△
△
△
○
○
○
○
○
○
○
○
退職手当
給与明細書
○
○
期末手当
○
勤勉手当
職員口座情報
住民税情報登録
・給与からの控除金 (組合、あしなみ預金等)関係
・団体登録、職員登録等
年末調整関係
扶養控除等申告
保険料控除申告
配偶者特別控除申告
住宅借入金等特別控除申告
年末調整報告
源泉徴収票発行
(欠勤、介護休暇等)
給与減額時間登録
日割計算登録
追給・返納額登録
社会 社会保険情報登録
臨時採用教職員、再任用職員対象
保険 社会保険料追徴額登録
臨時採用教職員、再任用職員対象
旅費計算(パッケージの計算方式)
基点方式
実費方式 「乗換案内」の利用等
その他の方式
普通旅費申請
赴任旅費申請
その他旅費申請(海外等)
一 胸章再交付申請
義
般 新採用関係書類
務
的 退職関係書類
勤務管理
週休日振替
代休日指定
勤
務 出張命令
管 勤務時間制限請求
理 (深夜、時間外、妊産婦)
関 育児または介護の状況変更
係
傷病休暇承認状況報告
出勤簿管理
超過勤務(命令)
○
○
○
各所属データの入力
○
現行どおり
勤怠データを反映
○
○
△
○
○
○
○
○
○
○
必要書類の作成、センターへの送付
同上
○
○
○
○
△
○
現行どおり
○
○
書類の送付、保管等
○
○
○
○
○
○
△
△
○
○
○
現行どおり
○
○
○
○
○
○
○
○
- 21 -
総務事務システム
(給与システム)
業 務
発生源入力
年次休暇
特別休暇
その他休暇(傷病、介護等)
出勤届
欠勤届
休 休職願
退
職 復職願
職
退職願
職 職務専念義務免除
務
営利企業従事申請
専
念 育児休業関係
義 育児短時間勤務
務
免 部分休業
、
除
等
そ
の
他
(育児、修学、高齢者)関係
自己啓発等休業
職員の履歴事項変更
居住所届
自家用車登録
短期給付請求
貸付金
共
済
限度額適用認定
退職共済年金
福
利
厚
生
業
務
障害共済年金
遺族共済年金
組合員証
健康診断
健
康
管
理
臨
時
補
助
員
等
業
務
雇
用
賃
金
雇用
社会保険手続き
雇用保険手続き
給与支給
年末調整関係
備 考
(想定)
その他
○
○
○
○
○
休
暇
関
係
服
務
関
係
各所属庶
様式等 務担当者
に残る業務
対応
○
○
○
○
○
○
現行どおり
現行どおり
現行どおり
○
○
現行どおり
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
△
△
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
承認申請、状況変更、計画書等
承認申請
○
○
申請、状況変更、取消等
○
承認申請、状況変更等
○
○
△
△
療養費・家族療養費等
出産費・家族出産費等
埋葬料・家族埋葬料
傷病手当金
育児休業手当金
介護休業手当金
結婚手当金
普通貸付
住宅貸付
医療・出産貸付
繰上返済
一部繰上返済
受給権発生時
退職時
記載事項変更
再交付申請
本人の取得・喪失
被扶養者の取得・喪失
人間ドック(本人)
人間ドック(家族)
〔県〕特殊健康診断(職員)
〔県〕特殊健康診断(非常勤等)
〔県〕定期健康診断(非常勤等)
脳ドック
肺ガン
婦人科
健康度測定
雇用、退職関係
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
- 22 -
共済制度の運用上、押印省略が困難で
あること、短期給付の申請の種類(様式)
が多いが1申請当たりの申請件数が多く
ないことから、総務事務システムに組み入
れず、効率化基本方針の中で効率化の
方法を検討する。
処理は職員厚生課
○
○
○
○
○
○
○
○
○
扶養控除等申告
保険料控除申告
配偶者特別控除申告
住宅借入金等特別控除申告
年末調整報告
源泉徴収票発行
現行どおり
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
「総務事務効率化基本方針」の見直しの
視点により今後検討していく。
事実上の採用決定
必要書類のセンターへの送付
出役点検表等必要書類の作成、センター
への送付
Fly UP