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長野県と長野県土木施工管理技士会 との意見交換会

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長野県と長野県土木施工管理技士会 との意見交換会
平成 27 年度
長野県と長野県土木施工管理技士会
との意見交換会
(確定版)
平成 28 年2月2日(水)
ホテル信濃路
(牛越恵司会長)
今年の冬は 12 月まで暖かかったのですが、先日、中信地区において雨氷による倒木の被害
があり、大きなニュースになりました。寒い冬が続きますが、建設業は地域の安全・安心
のために国道や県道・市道の除雪や点検に努めていきたいと思います。
技士会の皆様におかれましては、各地よりご参集していただきありがとうございます。日
頃の事業へのご尽力大変ありがたく存じます。
また本日は県当局の皆様も、補正予算、新年度予算の査定で多忙ななか出席いただき、あ
りがとうございます。昨年から生活環境部、農政部、林務部の皆様にもご出席いただき、
大変ありがたく思っています。
当技士会においても、新しい方の加入が少なくなっています。今年の土木施工管理技士の
合格率は 37%でした。昨年が 42%でしたから、合格率が落ちて、技術屋になる人も少なく
なっています。我々も支援を行いますが、県も若い人の資格取得が増加する施策を提案し
ていただければありがたく存じます。
意見交換会の成果につきましては、昨年度までは書類の簡素化に取り組んでいただき、今
年度は設計変更ガイドラインの委員会を立ち上げていただきました。本日もお互いに垣根
のない意見交換をして、技術者の負担軽減につなげていきたいと思います。
本日はよろしくお願いいたします。
〈田下昌志建設部技術管理室長〉
日頃は県の建設行政にご協力いただき、ありがとうございます。牛越会長のごあいさつに
もありましたが、先日の倒木災害ではいち早く対応いただき感謝しています。こうした緊
急の災害時の対応、および日常の維持管理への対応に、お礼申し上げます。
技士会の皆様におかれましては、これまで提出書類の簡素化の話し合いをさせていただき、
現在は設計変更のガイドラインをまとめております。設計変更の際、発注者側の意見が一
方的に出てしまうことがありますので、その辺を改め、品確法にもとづく適切な設計変更
を行うようにしていきたいと思います。
県の平成 28 年度予算につきましては、現在知事査定を行っていますが、建設部では災害を
除いて対前年 21 億円増の 937 億円余、102.3%で要求しています。先日の国会では補正予
算も通り、長野県の事業への配分は緊急防災対策中心で 34 億円、直轄含みで 42 億円とい
うことで、これらの予算を速やかに発注しながら地域の活性化に寄与していきます。
また建設業の喫緊の課題である人材確保、技術力の向上を目指し、職場環境の改善または
平準化対策、適正な利潤の確保に受発注者一丸となって取り組みたいと思いますので、本
日は忌憚のない議論をさせていただき、課題が前進するよう努めていきますので、よろし
くお願いいたします。
〈事務局・今井長郎部長〉
本日、県のご出席は建設部技術管理室の田下室長、同じく矢花主任専門指導員、向山副主
任専門指導員、岩垂副専門指導員、足立副主任専門指導員、加藤専門指導員、会計局契約・
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検査課から伊藤主任工事検査員、環境部生活排水課から清水企画幹兼生活排水係長、農地
部農地整備課から高橋主任専門指導員、同じく古畑専門指導員、林務部森林政策課から比
田井主任専門指導員、林務部森林づくり推進課から戸上担当係長の皆様でございます。技
士会は席順表をご覧ください。それでは意見交換会に入ります。進行は黒澤技術委員長に
お願いいたします。
〈黒澤和彦技術委員長〉
司会進行を努めさせていただきます。よろしくお願いします。本日は検証再提案議題が4
件、新規提案議題が 20 件ということで、合わせて 24 議題の意見交換をさせていただきま
す。検証再提案議題は、昨年も意見交換して回答をいただきましたが、それを各支部が検
証したうえで今年も再度意見交換したいというものです。
意見交換は、それぞれの議題について技士会の技術委員が説明し、それに対し県の方々か
らご回答をいただくかたちで進めさせていただきます。まずは積算の精度について、長野
支部からお願いします。
〈長野支部・池田正彦技術委員〉
・積算の精度について
現在、各会社の積算精度が向上し、それぞれ失格基準価格を考えて入札していると思いま
すが、入札結果が発表されたとき、各社の応札額が、落札範囲内ではありますが失格基準
価格を大幅に上回っている場合があります。このようなときに発注者は、設計図書に誤差
が生じる内容がなかったかどうかを確認されているのでしょうか、もしあった場合はどの
ような対応をされているのでしょうか。ご回答よろしくお願いします。
〈技術管理室・向山繁幸副主任専門指導員〉
開札後、入札金額の分布状況などを見て、必要に応じて設計書の再チェックをかけていま
す。受注希望型競争入札実施要領では「発注機関の長は入札工区、設計図書、手続きに不
備があり公正な入札が行われないとき、公告で示す手続きを取りやめることとする」とあ
ります。ゆえに公正な入札が行われないと判断したときは、入札を中止することがありま
す。
〈黒澤技術委員長〉
いまのご回答についてご意見・ご質問はありますか。
では続きまして、総合評価落札方式における技術者要件の資格等の内容について、中高支
部からお願いします。
〈中高支部・丸山浩次技術副委員長〉
・総合評価落札方式における技術者要件の資格等の内容について
総合評価落札方式の技術者要件の項目に資格等という配点があり、最近その配点で「法面
施工管理技術者の資格を有すること」
「コンクリート技士またはコンクリート主任技士の資
格を有すること」という内容が多く見られます。これは、その資格を取得しなさいという
メッセージととらえるべきでしょうか。
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また防護柵の設置工事であるのに法面施工管理技術者の資格をうたっていたり、道路改良
工事であるのにコンクリート技士またはコンクリート主任技士の資格をうたっています。
我々土木施工管理技士は、ほかにこうした資格を取るべきなのかと思ってしまうのですが、
どういった解釈をすればいいでしょうか。
〈向山副主任専門指導員〉
総合評価落札方式は、品質を確保するうえで難易度が高く技術力が求められる工事、地形・
地質、地域社会等に精通している必要がある工事が対象です。技術者要件は、企業が発注
者の示す仕様にもとづき確実な施工を行う能力を有しているか、という観点で設定し、よ
り高度な施工管理、品質管理、専門性が求められる工事には適する資格を設定できること
になっています。各発注機関で、そうしたことを考慮して設定していると思われます。
そのため、その資格を取得しなさいというメッセージよりも、その資格を有していれば品
質向上の観点から評価する、ということでご理解いただきたいと思います。
〈黒澤技術委員長〉
高度な技術力が求められる工事が対象ということで、橋脚・橋台や重構造物ならわかるの
ですが、述べさせていただいたように防護柵の設置工事で法面施工監理技術者とか、道路
改良工事でコンクリート技士・主任技士を求めるのはどうしてでしょうか。
〈向山副主任専門指導員〉
道路改良はコンクリート構造物が主体のもの、防護柵設置工事は現場の状況を考え、危険
性などを考慮して資格を付けたのではないかと考えられます。
〈黒澤技術委員長〉
資格設定の明確な基準はありますか。また一級土木施工管理技士の資格だけではダメなの
でしょうか。
〈向山副主任専門指導員〉
発注者がより高度な施工管理や品質管理が必要とされる工事かを考慮し、プラスアルファ
で資格を付ければより品質が高い工事ができるのではないか、という観点で加点対象とし
ています。一級土木施工管理技士に加えて、さらにほかの資格を持っている方に加点して
います。より品質の高い工事を求めて設定していることにご理解をいただきたいと思いま
す。
〈牛越会長〉
経営者からすると、技術者を育てるのは非常にお金がかかります。県がこういうシステム
で、法面施工管理技術者やコンクリート技士・主任技士を付けると加点するとなると、会
社としては講習会や試験に社員を送り出してやらないといけない。そういうことがあるの
で、できれば一級土木施工管理技士の資格があればいいというかたちであればありがたい
わけです。たとえばコンクリートを何立米以上使っている場合には資格を付けるなどの基
準があれば対応もできますが、100 立米や 150 立米を打つのに資格を付けるのは変則的で
はないかとも思いますので、その辺のご配慮をお願いします。
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〈向山副主任専門指導員〉
研究したいと思います。ただ、プラスアルファの資格は、基本要件で定めているのではな
くあくまで総合評価の加点対象であることをご理解いただきたいと思います。
〈田下技術管理室長〉
受注希望型で一定額以上の工事は一級土木施工管理技士の配置を求め、それ以外の技術者
資格は求めないかたちだと思いますが、総合評価落札方式で加点対象にするとなると新し
い資格をどんどん取らないといけないことになり、経営的に辛いというお話はよく分かり
ます。ただ、総合評価をやるとき、品質確保を図るうえでどうしても企業の技術力を評価
しないといけない。その一つの尺度として資格を使っているわけです。今回の、コンクリ
ートのボリュームが少ないにもかかわらずそこまでの資格を求める必要があるのか、とい
うご意見はしっかり現地機関に伝え、資格を設定する際はその資格が品質確保のうえで本
当に必要かをきちんと吟味するよう徹底していきたいと思います。
〈黒澤技術委員長〉
ほかにご質問・ご意見はよろしいですか。では続いて、総合評価落札方式における学習履
歴証明の簡素化について伊那支部からお願いします。
〈伊那支部・福澤博志技術委員〉
・総合評価落札方式における学習履歴証明の簡略化について
継続教育(CPDS)の学習履歴証明期間を年度単位にしてもらえればありがたいと考え
ます。技術者が現場に入り拘束されていると、当然、そこを離れて教育訓練に行くことは
困難です。例えば半年間拘束されている間に期間が切れることもあるでしょう。そのため
学習履歴証明期間を4月1日~3月 31 日を単位とする3年間としていただければ、年間の
教育計画を立て、現場を離れることができるときに必要な学習に行けるようになります。
この辺のご配慮をいただければと思います。
〈向山副主任専門指導員〉
CPDSは3カ年で単位を見込んでいますが、取得されるプログラムにより単位を取得す
る日が異なって来るので、それを年度単位とするのが適当かどうかは考えないといけない
と思います。せっかくCPDSを取ったのに、年度単位とすることでそれが単位としてし
ばらく認められなかったりするケースも出てくると思われます。そのため、いまのところ
年度単位とすることは考えておりません。ただ、余裕をもって受講できるしくみとすべき
なのはその通りで、環境整備は必要だと思います。皆様のご意見を聞きながら検討してい
きたいと思います。
〈黒澤技術委員長〉
ほかにご意見・ご質問はありますか。では続きまして、入札辞退について長野支部からお
願いします。
〈長野支部・池田正彦技術委員〉
・入札辞退について
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長野県では開札前の入札辞退は認められていませんが、国、市は認められています。総合
評価落札方式では、応札してから比較的長期間、技術者が拘束されます。入札機会が限ら
れますので、開札前の入札辞退を認めていただきますようお願いいたします。
〈向山副主任専門指導員〉
開札前の辞退ですが、地方自治法で、一度提出した入札書の書き換え、引き換え、撤回は
できないことになっています。このことから、応札した方は開札前の辞退はできないこと
に法律上なっています。総合評価落札方式においては、評価点と入札書を同時に提出して
いただいているため通常より開札まで6日~8日長く擁することになってしまいますが、
この間は評価点を公表し、応札者から疑問があれば申し立てができるようにしていますの
で、ご理解いただきたいと思います。
なお、国や市では辞退が認められているというお話ですが、国は入札参加申請から入札書
提出までの間で辞退を認めているのだと思いますが、札を出してからの辞退を認めている
のでしょうか。
〈長野支部・池田技術委員〉
そうです。
〈向山副主任専門指導員〉
そうなると、法律との兼ね合いで、どうしてできるのかを調べさせていただきたい。参加
申請から入札書提出のまでの間に辞退しているものと考えていました。確認してから回答
させていただきたいと思いますが、県では法律に則って、札を入れた後は辞退できないよ
うにしています。確かに総合評価落札方式においては開札までに時間を擁してしまいます
が、評価点をチェックする時間を設けているということで、ご理解ください。
〈長野支部・岡澤元夫理事〉
辞退について、国交省に関しては電子入札で「辞退」というボタンがあります。長野市も
1000 万円以上の電子入札で、同様に「辞退」というボタンがあります。そこを押せば開札
前に辞退になり、紙による入札の場合も辞退届を事前に出せば長野市は辞退になります。
いずれにしろ、ここのところ年度末で工事をたくさん発注していただき、私たちも一生懸
命はじいていますが、いかんせん人数が限られています。他の工事を落札したため技術者
の人的配置が無理になる、というケースがありますので、総合評価落札方式のときにはで
きるだけ辞退を出させていただきたくお願いいたします。
〈向山副主任専門指導員〉
国と市の状況を確認させていただきたいと思います。
(確認結果:辞退ボタンは、札を入れた後は押すことができない)
〈黒澤技術委員長〉
続いては検証再提案議題で、設計図書の内容・精度について伊那支部からお願いします。
〈伊那支部・福澤技術委員〉
・設計図書の内容・精度について
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入札前に一番見るのが図面と条件明示ですが、そのなかで検証させていただいたところ、
昨年と同じように、関係機関との協議が不足していたため工事が中断または遅延した事例
が出ました。3つほどあげています。
一つは、条件明示事項にNTT東日本埋設管の処置方法が記載されていたのですが、中部
電力電柱中電と国土交通省光ケーブルが未記入だったため、現場に入ったとたん協議が始
まり、おのおの 123 日後、170 日後の移転となって、結局丸1年工期が伸びました。
もう一つは、NTT通信ケーブル原位置養生で施工と書かれていたものが、着工後にNT
Tと立ち会いしましたところ、事前協議の時点で依頼されていれば切り回しができて安全
な状態で建設業者が入れたとコメントをいただいきました。
最後は指定仮設で借地する工事で、施工条件明示事項に「使用条件未定、原形復旧予定」
と書いてあるだけで、借地交渉の状況などはまったく記載されておらず、不安要素となり
ました。
これらの例をあげましたが、施工条件明示は現場について知る一番大事なことなので、詳
細に記入していただきたいと思います。特に支障物件については、十分な配慮をお願いい
たします。
〈技術管理室・足立修副主任専門指導員〉
工事着手前には用地買収や電柱などの支障物件の移転、河川占有許可などの手続きを完了
させることとしていますが、やむを得ない理由によって未了のまま発注しなければならな
い場合は、特記仕様書にその旨を明記いたします。引き続き、現地機関等を指導してまい
りたいと思います。
ただ、こうした事例が毎回出てきていますので、一度、それぞれの現地機関等に対して調
査をしていく必要あると考えています。本当にやむを得ないものもあると思いますが、ご
指摘のように特記仕様書の条件明示にも入っていないということでは、現場の確認をした
のか疑わしい状況といえます。そうした事例を含め、調査を行うことを考えています。
借地交渉も同じで、発注者側で責任をもって地権者への説明を終わらし、終わってない場
合はその旨を明示するよう指導していきたいと思います。
〈伊那支部・栗原敦司理事〉
昨年も同じような議題を出したわけですが、なぜ我々が何回も同様の議題を出すのかとい
うと、一番の問題は工期が 196 日から 360 日になるということです。こうなると、現場代
理人の拘束や、かかる経費が 1.7 倍になります。昨年もそうした場合の工事中止命令や一般
管理費の増額等をお願いしたわけですが、あまり進展がありませんでした。ですので、こ
の問題の本質をご理解いただき、ご検討をお願いいたします。
〈技術管理室・岩垂宏明副主任専門指導員〉
技士会のご協力もいただきながら、現在、設計変更ガイドラインを策定しています。その
なかで工事の一時中止に伴う経費についても明記しています。発注者の特記仕様書に明示
がなくて工事中止が発生した場合、受注者に責のない工事中止ですから、それは変更の対
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象で、現場経費の請求があった場合発注者は支払うことになります。
逆に発注者はこうしたケースがあってはならないので、発注にあたっては現場を精査し支
障物件を確認したうえで発注するよう徹底します。
〈黒澤技術委員長〉
続いては新規提案議題に戻り、既設構造物の当初設計計上および現場踏査時期について、
上小支部からお願いします。
〈上小支部・坪木今朝男技術委員〉
・既設構造物の当初設計計上および現場踏査時期について
明らかに施工に支障のある構造物や復旧すべき区画線等が設計書に未計上の場合がありま
す。現状では発注時資料の確認後、施工計画書を提出し、周辺調査および起工測量を実施
する流れになっていますので、設計書に未計上のものは、設計書にそった当初施工計画書
および材料承認願いを提出後、変更施工計画、追加材料承認願いを提出することになり、
二度手間になることがあります。
また、道路の起工測量は道路使用許可の承認を受けて行うようにとの指導のなかで、実施
までに時間がかかることもあります。
計画の早期実現を受注者として要求されることは当然ですが、現地の既設物や埋設物の情
報をできる限り発注段階で設計書等に計上していただき、変更施工計画書や追加材料承認
願いの提出が減るようにしていただきたいと思います。
〈足立副主任専門指導員〉
明らかに施工に支障にある構造物はしっかり現場を調べ、把握して特記仕様書に条件明示
していきます。
また、国の共通仕様書に準じて、基本的に工事の着手は起工測量を含むこととしています。
そのため施工計画は、起工測量の前に地形・地質・周辺環境などを事前調査していただき、
その現場に最も適切な計画を立てていただくようお願いしたいと思います。起工測量を行
わないと計画を立てられない現場もあると思いますが、そうした場合は施工計画書に記載
可能な項目を書いて、提出していただき、その後工事着手となる起工測量に入っていただ
きたいと考えています。
〈黒澤技術委員長〉
関連がありますので、工事着手と施工計画書提出時期について諏訪支部からお願いします。
〈諏訪支部・矢嶋文彦技術委員〉
・工事着手と施工計画書提出時期について
昨今、起工測量を行う前に施工計画書を提出するよう指導されていますが、現地踏査、測
量、地元調整などを経て初めて現場に合った施工計画書の作成が可能になります。土木工
事共通仕様書では、工事始期日以降 30 日以内に工事に着手しないとならないと記載されて
いますが、土木工事現場必携の事務手順の概要では着手届けは契約締結後 10 日以内に提出
となっており、整合性が取れていません。
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また現在は起工測量を実施するためのとりあえずの施工計画書を提出してから、その後に
測量結果などを盛り込んだ施工計画書を追加提出しています。請負者としては最初の書類
なので中身の充実した施工計画書としたいところで、監督員としても追加が大部分を占め
る計画書は閲覧しづらいのではないでしょうか。
国交省の土木工事標準仕様書を引用していると思いますが、小・中規模工事では測量を委
託せずに自社で実施し、1日~2日で終了することが多いのが実情です。そのため土木工
事共通仕様書の施工計画に「工事着手前(委託契約をともなわない自社での測量は除く)」
という但し書きを追加していただければと思います。
〈足立副主任専門指導員〉
工事始期日以降 30 日以内の工事着手については、土木工事共通仕様書で平成 26 年8月に
30 日以内としており、本来ならこの時点で土木必携も改訂しないといけなかったのですが、
今回の大幅な改訂に合わせたということで、後になってしまい、不整合が生じてしまいま
した。今回の改訂により、共通仕様書と同様な記載に直しています。
またご提案の、工事着手前の定義として、委託契約をともなわない自社での測量は除くと
いう但し書きのご提案ですが、現在は国交省に準じて、起工測量も着手にあたると解釈し
ていますので、今後の検討材料としていきたいと思います。
〈黒澤技術委員長〉
続きまして、施工パッケージ型積算の改善について、大北支部からお願いします。
〈大北支部・原滋俊技術委員〉
・施工パッケージ型積算の改善について
平成 27 年 10 月から県建設部も施工パッケージ型積算を導入されました。よい点もあるの
ですが、積算条件が不明で数量にも明示がなく、質問書を出さないと積算できない工種が
いくつかあります。この点について、積算システムあるいは金抜き設計書の条件明示の改
善をお願いいたします。
〈岩垂副主任専門指導員〉
施工パッケージ型積算を昨年 10 月から導入したわけですが、施工条件が判断できない件に
ついては、今後明示するよう改善します。またこのような場合は、ご質問をしていただく
ようお願いします。
施工パッケージ型積算は、いろいろ分からないところがあるので説明してほしいという要
望をいただいています。ただ、やみくもに説明会を行うこともできないので、どういうと
ころがわからないかを把握したうえでご説明の機会をつくりたいと思っています。
〈黒澤技術委員長〉
では、当初設計の照査および工法検討について、安曇野支部からお願いします。
〈安曇野支部・古田仁技術委員〉
・当初設計の照査および工法検討について
県発注の現場を進めるうえで、当初設計による工法では施工が困難な事例が多々あります。
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設計照査の範疇を超えているように思われる場合もあり、この場合、設計コンサルに工法
選択の意図を質問したり、アドバイスをいただいたりできないでしょうか。
〈岩垂副主任専門指導員〉
まず設計図書の照査の範囲を超えるものは、受発注者間で書面により協議して合意を図っ
た後、発注者が具体的な指示を行います。そのとき、受注者に書類の作成をお願いした場
合は変更の対象にすることを、設計変更ガイドラインのなかでも明記しています。
また設計者から施工者へ、当該工事の設計意図を詳細に伝達し、三者(発注者・設計者・
施工者)間で各種情報を共有することで公共工事の適正な施工を確保し一層の品質向上を
図るため、三者会議を積極的に行うとしています。皆様が受注しましたら、コンサルタン
トを含め三者で協議する場を通常設けていますが、その用意がない場合、施工者が申し出
て三者協議を行うのもよいことだと思います。
〈黒澤技術委員長〉
続いては支障物件の項で、埋設物の移設位置について上小支部からお願いします。
〈上小支部・坪木今朝男技術委員〉
・埋設物の移設位置について
本工事発注前に移転が完了している埋設物ですが、本工事の土工事に支障をきたす場所に
移転されている場合がありました、土工掘削深により、仮土留工を設置する必要がある場
合、予定していた仮土留材が移転した埋設物により設置できず、施工位置の変更検討等に
時間を要して工事進ちょくの遅れがありました。発注前に移転していただいたことですぐ
着手できたわけですが、結局、新設構造物の設置位置を変更できず掘削溝を複雑な形に掘
り直して対応しました。容易な埋設物の移設計画ではなく、最低限、土留めが必要な場合
は、離隔は確保できるのかなどを検討してから移設をお願いしたいと思います。
〈足立副主任専門指導員〉
支障物件が先に移転してあったが、掘削の仮土留めに影響する場所にあったということで、
支障物件の移転先は施工方法をふまえたうえで仮設工に干渉しない位置に移転するか、時
期を検討して移転するよう、現地機関に指導したいと思います。
〈黒澤技術委員長〉
関連で、支障物件の移設について更埴支部からお願いします。
〈更埴支部・中沢栄一技術委員〉
・支障物件の移設について
数年前から計画し推進している改良工事で、分割発注された現場を受注し現地踏査をした
時点で、専用物である上下水道やNTT、中部電力の埋設管が支障対象物で移設計画中で
あることを知ることがあります。契約時点で占用物件の管理者と事前協議をしているとは
思いますが、工事の停滞や着手できないことにならないよう早めの処置にご配慮をお願い
いたします。災害復旧においても、支障物の対処方法と時期が受注時にある程度把握でき
るようになっているよう同様にお願いいたします。
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〈足立副主任専門指導員〉
先ほどから出ている支障物件についてのご意見と同様、現地機関に指導していきたいと思
います。災害復旧についても、現場の混乱等はあると思いますが、他の工事と同様、支障
物件の把握に努め、移転時期なりを特記仕様書に条件明示していきます。
〈黒澤技術委員長〉
では続いて工期および発注時期について、私のほうから発言させていただきます。
・林道工事の工期設定について
地山の崩落、落盤の危険が大きい厳しい条件下の林道工事においては、秋発注で年度末工
期が多く、努力して施工していても当初工期内に収まらず、2回の工期延長を行い、その
つど申請書類作成に非常に煩わしい思いをしました、技術者が現場より書類に振り回され
ている現状をご理解いただき、当初工期の適正な設定と書類の簡素化を進めていただきた
いと思います。
〈森林政策課・比田井章主任専門指導員〉
林道事業は山間遠隔地ということで、特に自然条件が厳しいところが多くなります。林野
庁で定める標準工期にそって当初工期を設定していますが、想定し得ない理由でやむを得
ず工期延長する場合があります。基本的には設計内容、現場状況に応じた適正な工期を当
初から確保し、早期発注に努めていきたいと考えています。
今回の事案は前年度からの繰り越し工事ということで、いったん繰り越して6月末工期で
設定したのですが、10 月くらいまで必要ということで国への変更協議が必要となり、その
協議に時間がかかって、そうこうするうち6月末工期を過ぎてしまう事態が生じたもので
す。とりあえず7月末まで工期を延長し、その間に国との協議を終わらせ、工事を再開し
てもう一度 10 月末まで延長をしたという事案で、年度を越してから2回も工期延長する事
態になってしまいました。確かに何回も工期延長することは、書類作成等の負担がかなり
あります。今後はなるべく早めの打ち合わせを行い、スムーズな変更契約ができるよう努
めたいと思います。
〈黒澤技術委員長〉
続きまして、仮設工について須坂支部からお願いします。
〈須坂支部・湯本博司技術委員〉
・任意仮設について
任意仮設の数量に変更がある場合、増額の場合は変更しないが減額の場合は変更する、と
いうことをやめていただきたいと思います。
〈岩垂副主任専門指導員〉
任意仮設も当初の条件明示と現場条件が異なれば、原則として増額でも減額でも設計変更
の対象となります。そのことも設計変更ガイドラインに明記することにしています。また
現在、任意仮設工を協議事項とするモデル工事を実施していて、設計変更にあたっての課
題を抽出して適切な設計変更となるよう条件明示方法等を検討しています。
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〈湯本技術委員〉
明示が不明なことが多々あるのですが、その場合はどうなるのでしょうか。
〈岩垂副主任専門指導員〉
現在の自ら積算という方式で、任意仮設が見えづらくなっていることは課題として認識し
ていて、見えづらくなることで適切な変更ができないと分析しています。それができるよ
うな条件明示方法を今後考えますので、もうしばらくお待ちください。
〈黒澤技術委員長〉
続きまして工事施工中の指示等で、監督員の対応について長野支部からお願いします。
〈長野支部・池田技術委員〉
・監督員の対応について
工事の施工には民地を借地しないと施工できない場合が多々ありますが、その場合発注者
が地元説明を行い事前に協力依頼をするのが当然と思います。が、地主への説明やあいさ
つをすべて業者任せという監督員がいました。
また、竣工検査において監督員が検査員に変更内容等の工事説明をしないため、検査員か
ら変更でなくなった工種の説明を求められ、検査がスムーズに進みませんでした。検査員
の印象もよくないと思われます。
さらに発注図書に縦断図や横断図がない場合、現場としては必要により基準高管理などは
行いますが、それを成果品として納品を求められるのはおかしいと思います。
以上、3つの事例についてご回答をお願いいたします。
〈足立副主任専門指導員〉
事例の一番については、現場説明事項、施工条件明示事項のなかで、工事用の借地を記載
する欄があります。発注者が入札の段階で考えている借地、必要なヤードはそこに書くこ
とになりますが、書いてあるものは発注者が事前に地権者の方に説明し同意を得る必要が
あると考えています。記載がない場合でも、工事に入るために民地の借地が必要と考えら
れる場合は、入札公告の際にぜひご質問いただくようにお願いいたします。発注者が上げ
た仮設項目と違った借地を新たに提案して施工する場合は受注者が独自に説明いただくこ
とになります。
二番目については、監督員は竣工検査に立ち会うことになっており、工事の打ち合わせ簿
の中で、発注者としての指示事項は発注者で説明することになります。今回のような事例
がどのよう場面であったかはわからないのですが、若手の監督員もいますので、その辺は
しっかり説明していきたいと思います。
三番目については、発注図書に縦断図・横断図がなく平面図しか付いていない場合もある
と思います。小規模工事などで縦断図等がない場合は、発注者と受注者の協議のうえで、
受注者の行った起工測量結果を用いて、それにより出来形管理をする場合があります。こ
の場合は、受注者が提出した起工測量の納品という扱いになると考えていますのでご理解
をお願いします。
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〈松筑支部・高宮善郎理事〉
基準高は受注者がどうこういえるものではなく、発注者が管理するのが一般的な流れと思
います。受注者が成果品として基準高を納めるには、違う手続きが必要になってくるので
はないでしょうか。
〈足立副主任専門指導員〉
基準高を発注者側で決めるにあたり、時間がなく測量ができない場合などは、起工測量を
もとに、発注者側でそれを基準高とすることになります。
〈松筑支部・高宮理事〉
それは後々まで残っていき、管理にも適用される基準高ととらえていいのでしょうか。そ
れともあくまで当該工事のためのものなのでしょうか。質問の趣旨は、受注者がお金をか
けて基準高を出し、それを成果品として求められるのはおかしいということだと思うので
すが。
〈岩垂副主任専門指導員〉
指示によって縦断図・横断図をつくり、それを成果品として納品を求められるのはおかし
いということですが、これも設計変更ガイドラインに明記しましたが、照査の範疇を超え
る部分は測量して書いていただき、それは本来変更の対象として測量費も計上させていた
だき、納品していただくものです。本来、設計がなければいけないものを、代わりにつく
ってもらった場合は、きちんと経費を計上して納品していただくことを徹底させていただ
きます。
〈黒澤技術委員長〉
ほかにご意見・ご質問はありますか。ないようですので、続きましてワンデーレスポンス
について中高支部からお願いします。
〈中高支部・丸山技術副委員長〉
・ワンデーレスポンスについて
協議事項に迅速に対応するシステム「ワンデーレスポンス」ですが、監督員が判断できず
係長、課長と意見調整に手間取り、結論時間を要することが多くあります。よい制度が有
効になるようシステムの再構築をお願いいたします。即時判断がいただけない場合は現場
が止まってしまい、損失になりますので、なるべく早く結論をいただきたいと思います。
ワンデーレスポンスを、形式でなくしっかりしたシステムにしてほしいという要望です。
〈足立副主任専門指導員〉
ワンデーレスポンスは数年来いわれていますが、どうしても判断に時間かかってしまう内
容もあります。最近は若い監督員も多く、係長、課長に相談・確認するケースも多いと思
います。その場合、時間を要するなら要すると、いつまでにお答えするということを受注
者にきちんと連絡するよう繰り返し注意喚起していきます。
〈黒澤技術委員長〉
続いて残土処理場の確保について、松筑支部からお願いします。
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〈松筑支部・藤澤正佳技術委員〉
・残土処理場の確保について
大きく3つの要望で、一つは設計書計上の範囲に残土処理場がなく非常に困っているとい
うこと。もう一つは残土処理場として建設事務所管内に数カ所か場所を確保していただい
て、工事として発注していただきたいということ。最後は、残土は資源ということでなか
なか処分費用をみるのは難しいということですが、現実問題、残土処分費が業者の負担に
なっているので変更計上していただきたいということです。
北信のほうでは当初設計で残土処分費が計上されているケースがあると聞いています。中
信では、建設事務所で残土処分の受け入れ先を必死に探してもらっていますが、仮置きし
ている残土の行き場がないということで本体工事が完成しているにもかかわらず1カ月以
上竣工を待たされているケースが出ています。また地方事務所においては自由処分という
名目で変更対応をいただけないことも起きています。当初設計で計上されている地域があ
るなかで、それは全県対応ができないのでしょうか。
〈岩垂副主任専門指導員〉
要望の一番については、残土処分は有効利用が原則のため地域によっては利用先がないこ
ともあり、市町村に協力を求めて残土処理場の確保に努めていきます。二番は、県の用地
は道路・河川など決まった行政財産として取得するため、その後の目的がない残土処理場
としては用地取得ができないこととなっています。
要望の三番は、処分場がない場合は発注者と協議のうえ有償処分も可能です。現在、設計
変更事例集をまとめていて、設計変更ガイドラインといっしょにホームページで公表する
ことになっていますが、そのなかでも最終的に有償処分したという事例を掲載予定です。
ただ、その事例においても処分先が決まるまでにかなりの時間を要しており、そこが問題
ですので、事例集がまとまるのを機に、適切に有償処分の判断ができるよう発注機関に徹
底していきます。
〈松筑支部・藤澤技術委員〉
残土の行き場がなく仮置きをしないといけないということで、何 100 立米の話ですが「山
をつくってしまおうか」と。そういう二度手間が発生しているのも事実ですので、協議で
残土処分費をみてもらえるのであればお願いしたいと思います。ただ、協議するなかで「自
由処分だ」といわれてしまうと、果たして有償処分などできるのかと思ってしまいます。
有償処分ができるのであれば、全県に周知していただけると、現場担当者も協議しやすい
と思います。
〈岩垂副主任専門指導員〉
残土処理は原則、発注者の責任において探すべきもので、自由処分といういい方はまずい
と私も思います。徹底させていただきます。
〈黒澤技術委員長〉
ほかにご意見・ご質問はありますか。では続きまして、検証再提案議題の段階確認につい
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て、飯田支部からお願いします。
〈飯田支部・藤本郁夫技術委員〉
・段階確認について
平成 26 年度、段階確認の一覧表以外の必要工種、種別の明示をお願いしたいと要望いたし
ましたが、その時点のご回答では監督員と協議し決定することが前提というお話でした。
また段階確認の目的は工事の完成時には確認できない部分を確認することにあり、床掘り
も型枠も従前どおり必要というご回答でありました。
が、多くの業者と情報交換するなかで、特に重要構造物や鉄筋組立等は必ず臨場していた
だいて確認できている現状でしたが、それ以外は全県的に統一が取れていないことと、竣
工書類をつくるうえで型枠の設置に対し検査記録票つくって発注者に確認してもらう業務
が大きな手間になっている現状がありました。
型枠組立は岩着するタイプの擁壁は厚み等について事前確認する必要があると思いますが、
型枠脱型後に断面や延長、幅の確認できるものは段階確認する必要はないと思います。条
件を整理し、監督員、受注者、現場担当者の作業が効率よく、妥当性のある業務となるよ
うご検討をお願いいたします。本年度から情報共有システムも本格運用になりますので、
そうしたものも利用して早いかたちでスッキリと段階確認ができるように持っていってほ
しいと思います。
〈足立副主任専門指導員〉
昨年の回答のなかで段階確認は不可視部の確認としていましたが、次に続く作業への着手
の適否を発注者側として判断する観点もあります。検査記録表の記載が煩雑ということも
あろうかとは思いますが、現段階では共通仕様書に書いてある項目について、段階確認検
査を行い、検査記録表にまとめていただくようお願いしたいと思います。また情報共有シ
ステムは今年度から本格運用を考えていますので、少しでも簡素化につながるものがあれ
ば進めてまいります。
〈黒澤技術委員長〉
続いては新規提案議題に戻り、設計変更について佐久支部からお願いします。
〈佐久支部・橋詰正清技術委員〉
・当初設計以外の工種の増工について
当初設計以外の工種が工事途中で増工となる場合、変更金額は入札時の落札率が適用され
ています。入札時の金額はあくまでその時点での設計内容に対し検討したものであるため、
追加となる別工事については対応できない場合があります。そのため工種の違う増工分は、
設計金額での増工としていただくようにお願いいたします。
〈岩垂副主任専門指導員〉
現在国が導入している総価契約単価合意方式について、長野県でも導入を検討しており、
本格導入に向け、まずは試行したいと考えています。この方式によると、新規工種は請負
比率ではなく、設計額以内ですが、見積もりとなります。ただ受注者も事務が煩雑になる
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と聞いており、試行のモデル工事を受注した皆様には、結果についてご意見等をいただき
たいと思います。
〈黒澤技術委員長〉
続いて、同じく設計変更の関連で、工事に使用する道路の除雪費について木曽支部からお
願いします。
〈木曽支部・原裕技術副委員長〉
・工事に使用する道路の除雪費について
共通仮設の分野に入ると思いますが、冬期間の施工で現場周辺に民家がないため、降雪の
つど約1キロ区間、自社で除雪をしました。このような場合、除雪費用を積上計上してい
ただけないか、という質問です。よろしくお願いいたします。
〈岩垂副主任専門指導員〉
冬期通行止め等で現場までの道路を除雪していない場合は、現場までの道路の除雪は変更
対象となります。まず事前協議をしていただき、変更するにあたりどういった資料が必要
かを確認していただいて、変更対象としてもらうようにしてください。
〈黒澤技術委員長〉
その他ご意見・ご質問よろしいですか。では続きまして、品質管理について同じく木曽支
部からお願いします。
〈木曽支部・原技術副委員長〉
・路盤工現場密度試験の砂置換法における試験結果判断について
路盤工現場密度試験の砂置換法についてですが、砂置換法で密度試験を行うと承認済みの
材料知見表より大きな密度値が出ることがあります。大型振動ローラーなど機械の進歩に
よる結果と思いますが、書類検査の際「品質の異なる材料を使用したのか」とか「材料試
験の結果にもとづき施工方法を検討しなければならない」と指導されたことがあります。
現場では不正をしているわけではなく適正に施工して試験をしているので、基準値の 100%
を超える値についても基準範囲内とするよう、砂置換法における管理の上限値を見直して
いただきたいと思います。
〈足立副主任専門指導員〉
砂置換法の解説に「砂置換法は砂を一定の密度にする点では突砂法より優れているが、複
雑な形の穴では砂で置換される穴の体積が小さく測定されるため、土の現場密度が突砂法
より大きい値になる傾向がある」と書いてあります。具体的にどのくらい大きくなるかは
わかりませんが、こういう事例のあることを、検査員に話をしていきたいと思います。
〈黒澤技術委員長〉
続いては検証再提案議題に移っていただき、優良技術者表彰の審査基準の明確化について
飯山支部からお願いします。
〈飯山支部・山崎宏道技術委員〉
・優良技術者表彰の審査基準の明確化について
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昨年度は審査基準を作成し公開していただきたいと要望しましたが、評価委員会の審査基
準を公開する予定はないとのご回答をいただきました。しかし、依然として表彰受賞の合
否の基準となるラインが不明確と思われます。必ずしも評価点が高い者が受賞するのでは
なく、割と低い評価点でありながら受賞しているケースが存在していますので、特に受賞
しなかった者に対し、その理由の表示を行うなど透明性、公平性に努めていただきますよ
う再度要望いたします。
〈技術管理室・加藤裕之専門指導員〉
優良技術者表彰は技術者の独自の取り組みや提案を通して評価を行っています。通常行わ
れる工事成績評定はある程度の基準をしっかりやっていれば高得点となるケースがありま
すが、優良技術者表彰は独自の取り組みを評価しているもので観点が異なります。必ずし
も成績評価点が高い者が受賞するとは限りません。ご要望の趣旨は十分わかりますが、受
賞者の独自の取り組みや提案は各現場でそれぞれ条件が異なるため、受賞されなかった方
への説明は困難と思っています。引き続きで申し訳ありませんが、審査基準を公表する予
定はないということでご理解いただきたいと思います。
〈黒澤技術委員長〉
続いては新規提案議題に戻り、若手技術者等所長表彰について諏訪支部からお願いします。
〈諏訪支部・矢嶋技術委員〉
・若手技術者等所長表彰について
若手技術者等所長表彰試行要綱では、所長表彰の対象技術者が明記されていますが、昨今
の建設事情において、若手職員の減少や高齢化に伴い、35 歳未満の現場代理人等で工事を
完成することが非常に困難になっているのが現状です。若手技術者の意欲向上、育成の観
点から、年齢制限対象を建設工事でも 40 歳未満の者、また現場代理人以外でも発注者が承
認(コリンズ等)した担当技術者を表彰対象にしていただきたいと思います。また表彰者
への配慮として、総合評価の技術者要件に、所長表彰を受けたものを配置する場合は加点
する等のインセンティブを考えていただきたいと思います。
〈加藤専門指導員〉
若手技術者表彰は、将来の建設業を担う技術者を育てることを目的に平成 22 年度より実施
しています。ご提案の年齢制限の引き上げは、地域を支える建設業の検討会議でも議論さ
れており、昨今の就労状況をふまえて今後の検討課題としたいと思います。
コリンズ登録の技術者を対象とする件については、最近、技術管理室にも担当技術者の登
録をしたいという問い合わせが来ています。担当技術者の登録にあたっては、常駐や専任
の要件が定められていないということで、業務への関わり方が明確ではなく、統一的な評
価が難しいことから、現在は担当技術者を表彰対象とするのは困難と考えています。
最後のインセンティブは、若手技術者等所長表彰は若手技術者の意欲向上を目的とするも
のであるため、インセンティブに関する要望については今後の検討課題ということでご理
解いただきたいと思います。
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〈黒澤技術委員長〉
続いては検証再提案議題で、最後の議題になります。工事成績評定に関して、総括監督員
による評価点について、長野支部からお願いします。
〈長野支部・池田技術委員〉
・総括監督員による評価点について
以前の提案を要約いたします。
提案趣旨は第一として、総括監督員が事務所ごとまた担当課ごとに評価点の差が大きい。
第二として、建設事務所により 90 点以上が多くみられ、他の事務所では 85 点がやっと、
というバラツキが見られる(農政、林務は相対的に評価点が低い)。第三として、10 点以上
の管理図があれば点数が付き、それ以下だと点数にならないのは画一的と思われる、とい
うものでした。
そのときのご回答は、評価点のバラツキは事務所単位ではなく部局によってもあるが、評
定の方法を定めた工事成績評定要領の適正な運用を成績評定者研修会などにより徹底して
いくというもの。また測定数の多少によって施工過程の状況は異なり、測定数 10 点を境に
異なる評価項目を設定しているのが要領の考えで、測定結果を把握・分析し必要な措置を
取ることが良質な品質を確保することであり、それは測点数の多少に関わらず同じ、とい
うことでした。
このとき総括監督員の評定者別配分表があり、総括監督員の配分率が 20%ということで、
配分の見直しも提案したのですが、そのときのご回答はこれを見直すつもりはないという
ことでした。
また農地整備課では、工事の種別等で差は出ることはあるが、成績評定の説明請求等の制
度を活用して得点の意図や考え方に関する疑問を発注機関にぶつけてもらえば理解が深ま
る、ということでした。
森林整備課は、治山や林道等、現場条件によりだいぶ異なるとして、全体のバランスのな
かで変な点が付くことのないよう機会があれば徹底したいというご回答。生活排水課は評
点のバラツキまで判定できないのが実情として、研修会や基準の改正について建設部から
助言・指導をいただき適正な評価に努めたい、というご回答でした。
これに対し支部の検証として、総括監督員による評価点のバラツキは事務所ごとだけでな
く部局によってもあり、農地整備課は農村整備事業の施工管理基準マニュアルを運用して
いるので工事種別によって差が出てしまうという説明でしたが、提案事項に対して改善さ
れていないという検証結果でした。ご回答をお願いいたします。
〈加藤専門指導員〉
成績評定要領はすべて同じものを運用しています。正しく運用していくことでバラツキを
抑えていきたいと考え、今年も評定者の研修会を2月に開催いたします。今年は4会場で
実施し、評定者の出席を上げ、評定者によるバラツキを抑えていきたいと思います。また
ご提案いただいたような事例を詳細に教えていただければ、解決につながる場合もあると
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思いますので、よろしくお願いいたします。
〈農地整備課・高橋隆主任専門指導員〉
技士会からいただいたご意見は各種会議、あるいは研修会等の席で情報共有するとともに、
こういった事象があったと全県に説明しています。また工事成績評定要領の適正な運用は、
研修会等でそれぞれ適正な運用に帰すべく努めています。成績評定点はデリケートかつ重
要な案件なので、個別に、こんな事象が発生したということを私どもにお話しいただけれ
ばありがたいと思います。
また各工事の竣工検査の後で発注機関から成績評定点の通知が来ると思いますが、そのと
きに疑問な点があったら、総括監督員のみならず主任監督員等に口頭でもいいのでお尋ね
いただいて、理解していただくかたちでお願いしたいと思います。それでも理解できない
ことがあれば、説明請求等の制度があるので、そうした制度を利用していくなかでお互い
の議論を深めたいと考えています。
〈黒澤技術委員長〉
その他ご意見ありますか。では以上をもって、平成 27 年度の提案議題に対する質問および
回答を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。
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