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東成瀬村総合計画(基本構想)

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東成瀬村総合計画(基本構想)
東成瀬村総合計画
( 基 本 構 想 )
<平成23年度~平成32年度>
平成24年3月
秋田県 雄勝郡 東成瀬村
東成瀬村民憲章
わたしたちは、先人が築いた東成瀬村に誇りをもち、さらに発展することを願い、
この憲章を定めます。
一
一
一
一
一
自然を守り緑ゆたかな村をつくります。
健康で働き活力ゆたかな村をつくります。
福祉の心でふれあいゆたかな村をつくります。
共に学び文化ゆたかな村をつくります。
スポーツを愛し心ゆたかな村をつくります。
(平成元年 8 月 27 日制定)
★NPO法人「日本で最も美しい村」連合への加盟について
近年、日本では市町村合併が進み、小さくても素晴らしい地域資源を持つ村の存続や、美し
い景観の保護などが難しくなっています。私たちは、失ったら二度と取り戻せない、そんな日本
の農山村の景観や環境・文化を守る活動をはじめました。
私たちは、小さくても輝くオンリーワンを持つ農山村が、自らの町や村に誇りを持って自立し、
将来にわたって美しい地域であり続けることをお手伝いします。
自然と人間の営みが、長い年月をかけてつくりあげた小さな、ほんとうに美しい日本は、いま
ならまだ各地に残されています。それらを慈しみ、楽しみ、そして、しっかりと未来に残すため
に。自らの地域を愛する皆さんにご協力いただきながら、2005年10月に7つの村からスタート
しました。 (以上 、「日本で最も美しい村」連合ホームページ http://www.utsukushii-mura.jp/より抜粋)
本村は、この「日本で最も美しい村」連合の設立趣旨に賛同し、下記の加盟条件をクリアして
2009年に加盟が承認されました。2011年までで、全国の44町村が加盟しています。
【
「日本で最も美しい村」連合の加盟条件 】
1.直近の国勢調査の人口が、概ね1万人以下であること。
2.人口密度が1平方キロメートルにつき、50人以下であること。
3.次に定める地域資源が2つ以上あること。
ア・景観
生活の営みにより作られた景観をいう。
イ・環境
豊かな自然や自然を活かした町や村の
環境をいう。
ウ・文化
昔ながらの祭りや郷土文化、建築物な
どをいう。
4.その他、地域資源を活かす活動を連合が評価し決
定します。
・美しい景観に配慮したまちづくりを行っている。
・住民による工夫した地域活動を行っている。
・地域特有の工芸品や生活様式を頑なに守っている、など。
目
次
【基本構想】
第1章 序
論
1 策定のあらまし
2 計画の構成と期間
第2章 基本構想
1 東成瀬村の基本的事項
(1)位置・地勢・交通
(2)自然・歴史・文化
(3)経済・社会的条件
2 東成瀬村の課題
(1)少子高齢化・人口減少への対応
(2)地域経済の活性化
(3)地方分権の推進
(4)生活様式、価値観の多様化への対応
(5)高度情報化への対応
(6)地球温暖化対策等環境問題への対応
(7)防災対策への充実・強化
(8)人材育成の推進
3 基本目標
4 基本の理念と5つの柱
5 施策の大綱
1
2
3
3
3
4
5
6
8
8
9
9
10
10
11
11
12
【基本計画】
・構成等
・施策フロー図
・施策の体系図
第1章 豊かな自然を活用した特色ある産業づくり 《産業振興》
1 農業の振興
〔1〕稲作等の生産支援
〔2〕生産性の向上と基盤整備
〔3〕地産地消の推進と担い手の確保
〔4〕畜産の振興
2 林業の振興
3 商工業の振興
4 観光産業の振興
5 新エネルギーの利用促進
16
17
18
19
19
20
21
22
23
24
25
26
第2章 安全で安心して暮らしやすい環境づくり 《安全・生活環境》
1 防災体制の強化
2 消防体制の充実
3 交通安全・防犯対策
4 住宅・生活環境の整備
5 環境保全と景観対策
6 雪や災害に強い郷土づくり
27
28
29
30
31
32
第3章 みんなで学び育む次代を担う人づくり 《教育文化》
1 学校教育の充実
2 生涯学習の推進
3 子育て支援の充実
4 公民館(地域づくり団体)の充実
5 芸術文化活動の振興
6 文化財の保存・活用
7 スポーツの振興
33
34
35
37
38
39
40
第4章 生きがいを持ち共に支え合う地域づくり 《健康福祉》
1 健康づくりの推進
2 高齢者福祉の充実
3 少子化対策の推進
4 障がい者(児)福祉の充実
5 医療体制の強化
41
42
43
44
45
第5章 人にやさしく住みよい基盤づくり 《道路・交通・情報》
1 道路整備の推進
2 交通の利便性の確保
3 高度情報化の促進
4 地域間交流の推進
5 集落コミュニティの活性化
46
48
49
50
51
【前期実施計画】(平成23年度∼平成26年度)
52
東成瀬村総合計画
基 本 構 想
第1章
1
序論
策定のあらまし
東成瀬村では、昭和47年度に「東成瀬村総合開発基本構想」、平成3年度に「東成瀬村新
総合発展計画」、平成12年3月に「東成瀬村総合発展計画」を策定し、村政運営の指針として
事業や施策を推進してきました。
この間、平成15年には全国的に市町村合併が進む中、自立するための「まちづくり計画」を
策定し、単独立村を選択してからも「特色ある行政」「規模に見合った行政」「広域連携的な行
政」などを念頭に置き、新たな時代における独自な村づくりを進めてきました。
この結果、交通基盤整備(生活道路等)を基本に、生活環境基盤整備(下水道事業等)や観
光施設整備などの重点施策の実施を図り、また、高度情報通信整備や環境を重視した各種施
策を展開し、様々な分野に着実な成果をあげてきました。
しかし、生活基盤整備では簡易水道事業への着手や新たな産業基盤施設整備、環境循環
型社会の確立など、今後の住民生活に関わる事業が望まれています。
更に、施設整備事業の推進後は、各施設の有効活用や事業展開などのソフト事業の施策が
必要となってきています。同時に住民が「住んで良かった」と思うような施策が重要になってきま
す。
また、地方分権が進む中で、地域が主導する機会が増えると共に、県をはじめ各種機関や住
民を含む各種団体との「協働」の村づくりが必要不可欠となり、行政に求められる役割も変貌し
つつあります。
こうした時代の変化に東成瀬村として積極的かつ柔軟に対応し、村が発展し続けるため、今
後の村政運営の指針となる「新しい総合計画」を策定します。
◆村章
表徴
村名の東の「ひ」と成瀬の「成」を組合せ図案化し、
村民の融和と、力強い村勢の発展を表徴す。
-1-
2
計画の構成と期間
東成瀬村総合計画は、村政運営の最上位計画となるもので、計画的に村づくりを進める上で
の根幹となるべき計画です。
本計画は、平成12年3月に策定した東成瀬村総合発展計画に続く第4次計画であり、単独
立村を選択し自立の村づくりを進める東成瀬村としての道筋を示す最初の総合計画となります。
基本構想
基本計画
実施計画
基本構想は、計画期間を10カ年として、望ましい将来像とまちづくりの方
向性を明らかにするとともに、本村がめざす総合的、計画的なまちづくりの基
本理念の実現に向けた施策の大綱を示すものです。
基本計画は、基本構想で示した大綱にもとづき、本村の将来像を実現する
ための施策の体系および主要な実施事業を明らかにするものです。
実施計画は、基本計画で示した施策の体系及び主要な実施事業を効果的
に実現するために、具体的な事業の計画を明らかにするものです。
計画期間は、前期4カ年、中期3カ年、後期3カ年とし、毎年、社会経済情
勢や財政状況を勘案しながら必要に応じて見直しを行います。
【基本構想・基本計画】
平成23年度~平成32年度〔10カ年間:2011年~2020年〕
【実施計画】
○前 期
○中 期
○後 期
(各期毎にローリング方式で計画立案します)
= 平成23年度~平成26年度〔4カ年間:2011年~2014年〕
= 平成27年度~平成29年度〔3カ年間:2015年~2017年〕
= 平成30年度~平成32年度〔3カ年間:2018年~2020年〕
-2-
第2章
1
基本構想
村の基本的事項
(1)位置・地勢・交通
本村は、秋田県の東南端に位置し、東西に16.5㎞、南北に29.5㎞と南北に長い形状をな
しています。総面積は203.57㎢で93%が山林原野となっており、うち57%が国有林
野となっています。
村の東側は、栗駒山系を隔てて岩手県奥州市(旧胆沢町)と一関市に隣接し、西側は、
横手市(旧増田町)と湯沢市(旧稲川町、旧皆瀬村)に隣接しています。
村は、栗駒山系の麓に位置し、西北部が横手市(旧増田町)に向かって開けていますが、そ
の他は周囲を山に囲まれており、平坦部は極めて少ない地形となっています。
村の中心地への距離は、JR十文字駅までは14㎞、圏域の中心である湯沢市までは22㎞、
県庁所在地である秋田市までは98㎞となっています。
また、県管理の国道が2路線あるものの岩手県への交通は、いずれも冬期間(11月から5月
まで)閉鎖となっています。
一方、主要高速交通関係へのアクセスは、高速道路の十文字インターまでは15㎞、新幹線
のJR大曲駅までは45㎞、秋田空港までは80㎞の距離となっています。
(2)自然・歴史
本村の気候は概して冷涼で、積雪は2m、多いときは3~4mに達し、積雪期間は12月から4
月まで5ヶ月間にもおよぶ特別豪雪地帯です。
村の歴史は、史実上は明らかではありませんが、宝亀年間(約西暦780年頃)に「酢川越」の
要路ができ、また陸奥の胆沢城と雄勝城を結ぶ唯一の連絡道路であった「手倉越」からも既にこ
のころ成瀬川沿いに祖先が移住していたとされています。
発見された記録の中で最も古いものは鎌倉時代のもので、これら文献によりますと文保元年
(1317年)奥羽栗原郡金成村より菅原家の祖、佐太夫が土着し手倉川原村を開いたとされてい
ます。
このころ秋田地方は、秋田氏、橘氏、小野寺氏、由利氏がおさめていましたが、東成瀬村は
小野寺氏の所領でありました。しかし、元和元年(1615年)に一国一城となってからは、佐竹氏
の所領となり、田子内村、岩井川村、手倉川原村、椿川村、桧山台村にわかれていました。
寛文3年(1663年)には雄勝郡に編入、更に、明治22年の町村制施行により現在の東成瀬
村に至っています。
-3-
(3)経済・社会的条件
本村の農業は、稲作を中心として高冷地野菜、畜産、りんごを主とした果樹等に加え、近年で
はりんどうなどの花卉類の栽培に取り組むなど農業が主体でありますが、零細な経営面積と労
働力不足等により、規模拡大が進まず全体的に伸展しない状況となっています。
林業については、村の総面積の9割が林地で占められており、人工林・天然林ともに豊富な
木材資源の賦存量があるにもかかわらず、これが有効活用されているとは言い難い現状です。
また、平成3年からは新たに観光レクレーションスポーツ施設による観光産業がスタートし、村
内の貴重な雇用の場となっていますが、バブル経済が崩壊して以降の景気の低迷に加え、平
成20年度の岩手・宮城内陸地震や平成23年3月発生の東日本大震災の影響により観光客が
減少し、厳しい運営状況が続いています。
一方、経済交流は、広域行政圏域の中心地である湯沢市へは車で30分を要するものの、よ
り近距離にある横手市(特に旧平鹿郡増田町や十文字町)との交流が深いため、日常の経済交
流活動は、横手市との結びつきが強く、第二次及び第三次産業への依存度が年々増加してお
り、第一次産業の専業農家は減少し、第二種兼業農家の占める割合が高くなっています。
村の木
秋田杉
村の魚
村の花
山百合
いわな
村の虫
村の鳥
-4-
やまどり
ほたる
2
東成瀬村の課題
本村は、歴史・風土・文化の中で育まれてきた地域特性と、誇るべき緑豊かな自然環境に
恵まれ、大いなる可能性を持っています。その一方で、少子高齢化・人口減少の進行、地域
経済の低迷などの深刻な課題を抱えています。
このため、これからのまちづくりは、地域の特性を見つめ、それを活かしていくとともに、地
域にある課題を明らかにし、村民と行政が力を合わせ、その解決の方策を考えることが必要
です。
(1)少子高齢化・人口減少への対応
わが国及び秋田県の人口減少、出生率低下などによる少子化の進行、高齢化の流れの急
速化は、本村においても同様です。平成に入ってからも減り続け、平成22年の国勢調査では
2,872人となり、10年後には2,563人(国立社会保障・人口問題研究所 平成20年12月
公表より)まで減少するという見通しがあります。少子高齢化も進行し、平成7年と平成17年を
比べると、年少人口は15.3%から11.8%と減少し、老年人口は25.6%から32.2%と増
加しています。
〔課題〕
① 高齢化は、医療・福祉需要の増大や社会保障負担の増大につながります。地域活力
の維持、健康管理・医療・福祉等の充実と高齢者がいきいきと活躍できる社会づくりが求
められます。
②
生産年齢人口の減少により、社会保障面の扶養体制が成り立たず、抜本的な社会保
障制度の見直しが必要となります。子どもを安心して産み育てていける社会づくりや女性
や高齢者も働ける環境づくりが求められ、要介護者や障害者・障害児童の家庭に対する
人的・経済的支援などのサポート体制の充実も必要となります。
③
社会基盤の維持、コミュニティの欠如、税収減などの問題が発生すると考えられるた
め、超高齢社会に対応した、安心して暮らせるまちづくりが必要となります。
また、村の歴史や文化・自然の郷土教育や郷土に愛着を持つような対策などにより、
村外転居への抑制や新しい居住者の増加につながる取り組みが必要となります。
表1
東成瀬村将来推計人口
平成 17 年
総
数
3,180 人
(男)
1,516 人
(女)
1,664 人
総人口指数
100.0 %
年少人口割合
11.8 %
生産年齢人口割合
56.1 %
老年人口割合
32.2 %
平成 22 年
2,872 人
1,380 人
1,482 人
90.3 %
11.5 %
54.9 %
33.6 %
平成 27 年
2,766 人
1,311 人
1,455 人
87.0 %
10.9 %
54.8 %
34.3 %
平成 32 年
2,563 人
1,218 人
1,345 人
80.6 %
10.6 %
51.9 %
37.6 %
平成 37 年
2,372 人
1,129 人
1,243 人
74.6 %
10.9 %
49.2 %
40.2 %
※参照資料(国立社会保障・人口問題研究所による「市町村別将来推計人口」平成 20 年推計値より)
-5-
(2)地域経済の活性化
本村の主要産業である農林業は、他産業との収入格差により後継者が減少し、農林業離
れが進行しています。特に、本地域の農地や森林の適切な管理が下流域の災害防止や水源
涵養、地球温暖化防止に寄与していることは明らかでありますし、米価や木材価格の低迷に
加え、生産者の高齢化、耕地面積の減少など厳しい状況にあることから、消費者ニーズに対
応した生産販売体制の構築や他産業との連携による新たな付加価値の創出を推進する必要
があります。
商業については、村内に大型商業施設がないため、本村の買い物動向は、横手市や湯沢
市に依存している状況です。
工業については、大企業の進出は期待できない状況が続いております。今後、地域資源を
活用した企業の誘致や、新規の起業支援を行うなどの新たな対応が求められてきています。
観光レクリェーションについては、団塊の世代の離職や健康ブームにのり、自然への関心
は益々高くなっておることから、受入体制の充実を図るとともに、県境を越えた隣接自治体と
の広域的な取り組みが必要となっています。また、県と市町村との機能合体の効果も期待さ
れています。
一方、地域資源等を活用した地場産品の加工施設や、観光情報センター機能を集約した
物産直売施設の整備が重要となってきています。
〔課題〕
① 農業の活性化や農地の荒廃防止が必要です。また、直接収入につながる生産物の販
路や直売所の検討、民間企業の開発等の動向を含め、農業、商業、工業と連携を図っ
た新たな産業振興の仕組みについての検討などが必要です。
また、不足している生産基盤や経営近代化施設の整備については、営農指導や農商
工連携、生産から販売まで一体的に取り組む6次産業化を推進するほか、森林資源に
ついては、地域全体で森林づくりや教育を充実させるともに、木質バイオマスの利活用
が課題となっています。
②
商工業の振興については、増加する移動手段を持たない高齢者世帯等への消費活
動や生活サービスの提供をコミュニティビジネスなどにより起業化を目指すとともに、地
産地消による地域内での消費活動の拡大や、健康と福祉、安全と安心、環境等の多様
な分野での事業展開が望まれています。
③
観光産業については、近年の災害等により観光客の入り込みが減少していることから
不透明であるため、関係する民間団体等との協働・連携により、観光客のニーズに対応
した広域的な取り組みや、着地型商品開発等を日本で最も美しい村連合などと連携しな
がらの情報発信が必要不可欠となってきています。
-6-
表2
産業別人口の動向(国勢調査)
昭和35年
区
分
総
数
実数
実数
人
就業人口比率
77.6
就業人口比率
%
11.5
分
%
10.9
総
数
第一次産業
就業人口比率
第二次産業
就業人口比率
第三次産業
就業人口比率
実数
2,100
%
30.6
-
42.8
-
13.8
26.6
△
3.4 2,264
-
17.1
実数
%
-
61.4
-
20.1
-
20.5
-
47.9
%
-7-
人
%
△
5.6
-
46.8
-
32.0
-
%
-
%
-
21.2
-
平成17年
実数 増減率
実数
増減率
人
%
人
%
△ 7.4 1,664
△ 6.4
1,621
△ 2.6
%
-
17.4
-
43.5
%
-
17.4
-
39.1
%
%
31.6
増減率
%
平成12年
増減率
%
-
18.5
実数
2.7 2,138
%
%
-
△
%
人
△ 8.6 1,777
%
%
平成7年
増減率
昭和55年
増減率
人
%
%
-
%
%
%
%
21.6
69.1
%
-
%
34.3
-
人
△ 1.8 1,919
%
44.1
実数
実数
%
平成2年
増減率
昭和50年
増減率
人
%
3.4
人
%
%
10.1
昭和60年
区
実数
%
76.5
第三次産業
増減率
人
%
第二次産業
昭和45年
2,410 △ 12.1 2,328
2,742
第一次産業
就業人口比率
昭和40年
%
%
-
39.1
-
-
%
-
43.5
-
(3)地方分権の推進
平成12年の地方分権一括法の施行により、地方自治体への権限移譲が活発化し、これま
で以上に独自性の高い行政運営ができるようになりました。また、平成18年の地方分権改革
推進法制定では、国と地方の役割分担を見直し、権限と責任の拡大に伴う適正な税財源や
国庫補助金、地方交付税の改革といった取り組みが行われています。一方、広域行政の役
割が地方分権の改革により変わろうとしています。地方自治体間の推進協議会や連携につい
ては、ひっ迫する地方財政の影響もあり積極的に進められない状況にあります。
〔課題〕
①
②
自主財源の確保に努め、政策形成能力を含めた行政経営能力や専門性をもった事
務能力の向上が必要です。
特色のあるまちづくりを効率的に進めていくことが必要です。このためには、まちづくり
を行政に限定せず、民間企業や N P O 、住民自らが主体となる参加型のまちづくりが必
要となり、身近な地域組織である行政区の役割を見直し、住民がまちづくりへ積極的に
参画する仕組みづくりが必要です。
(4)生活様式、価値観の多様化への対応
価値観の多様化、生活水準の向上や自由時間の増大により、物の豊かさから生きがい
を求める心の豊かさを重視する傾向に変化し、村民のニーズも一層高まるものと予想され
ます。
また、本村においては生活のためには公共交通機関でなく、自家用車の有無が重要で
あり、高齢者や中高生など運転できない人が移動するには大変不便を感じております。民
間の交通手段を確保するとともに、民間との役割分担をとりながら、村は医療を中心とした
患者輸送車の確保、中高生の通学が不便にならないような支援を実施しています。
〔課題〕
①
②
生きがいのある生活を送ることができるように、個人の資質を高める生涯学習機能や、
健康増進。充実した余暇を過ごすためのスポーツ・レクリエーション機能の整備・充実、
心豊かで質の高い生活を営む環境・景観の整備など、より良い暮らしを実現するため、
個人、企業、行政など社会全体によるまちづくりへの取り組みが必要です。
高齢者や中高生など、車を運転することができない交通弱者の移動を支援するため
の公共交通機関との連携・充実をより一層図る必要があります。
-8-
(5)高度情報化への対応
情報・通信技術の革新によって、携帯電話やインターネット、衛星放送など、人々の活動
や物の流れが大きく変化しました。また、近年の大災害により防災情報や緊急時の通信体
制の再構築が求められています。
その一方で、インターネット犯罪の発生や情報技術を使える人と使えない人の格差の発
生、個人情報の漏えいといった問題も発生しています。
〔課題〕
①
②
③
全ての村民が情報通信基盤の恩恵を受けられるように、通信網などのハード整備を進
めるとともに、情報収集機器の操作の習得を図るため、パソコン教室などのソフト整備が
必要です。
光ファイバ網を利用した、村民への行政情報の提供をはじめ、災害時に対応できる新
たな防災情報通信の再構築が緊急の課題となっています。
動画配信等新たな情報網の活用を視野に入れた対応が課題となっています。
(6)地球温暖化等環境問題への対応
地球温暖化は、大気中の二酸化炭素など温室効果ガスの大気中濃度が増加し、地表面
の温度が上昇する現象です。
これまでの石炭・石油など化石燃料に極端に偏ったエネルギー利用は、地球の温暖化・
大気汚染・酸性雨による森林破壊など、地球規模で環境問題が起きています。また、温暖
化の進展により、近年の異常気象によると思われる自然災害の拡大などが懸念されており
ます。
平成17年2月には京都議定書が発効され、我が国にも二酸化炭素排出量の大幅な削
減が課せられ、自然エネルギーへの転換による二酸化炭素排出量の削減などが求められ
ています。
豊かな自然環境を背景とした、太陽光、風力、水力、バイオマスなどの新エネルギーの
導入をさらに促進し、限りある資源を将来にわたって確保し、廃棄物の量を減じる等の循環
型社会の構築を目指すことが重要です。
このようなことから、本村は「地球温暖化対策の推進に関する法律」第20条の3第1項に
基づき、村の事務及び事業に関し、温室効果ガス排出量の消滅並びに吸収作用の保全及
び強化のための措置に関する計画を策定していくものです。
〔課題〕
①
②
他にない誇るべき緑豊かな環境に恵まれた郷土の、自然環境や生態系の保全への取
り組みが必要です。
ゴミの減量化や資源の積極的な活用、村の資源を活用したクリーンなエネルギーの実
用化など、引き続き資源循環型社会の構築に向けた取り組みが必要です。
-9-
(7)防災対策の充実・強化
近年は予想を超える大地震災害が発生したり、局地的な集中豪雨など災害が多様化
し、世界的に大災害が多発しています。また、ここ数年の豪雪は、降雪や異常低温が連続
するなど、従来の冬と様相の違った状況となっており、日常生活の中での雪処理等への対
策が急務となっております。今後は、住民と関係機関との連携を取りながら、災害が発生し
た場合、地域住民の命を守り、被害を最小限におさえるための対策が必要です。
〔課題〕
①
地域防災計画を見直し、想定地震の発生位置や規模の検討を基に、災害防止のた
めの初動態勢に万全を期す取り組みが必要です。
②
災害時における避難場所の設定位置の検証や、避難所の停電対策及び情報伝達手
法等の整備・充実が必要です。
③
異常気象による災害への防災施設の整備等のハード対策や、災害から身を守るため
のマニュアルの作成等の避難者のソフト対策が必要です。
④
県の防災計画を基に県との連絡体制を確立し、役割分担に応じた備蓄体制の強化を
進めるとともに、地域防災の核となる自主防災組織の設立及び強化のため、「自助・共
助」の意識高揚に努め、地域における防災協力体制の充実を図るために、行政・地域関
係機関が協働で取り組む必要があります。
⑤
豪雪対策を強化し、雪に強い村づくりに向けた取り組みが必要です。
(8)人材育成の推進
村民一人ひとりが生きがいのある人生をおくることができるように、継続的な学習環境の
整備を図る必要があります。また、郷土を愛する心豊かな人材を育成するため、ふるさと教
育の充実への取り組みが求められています。
また、村民が地域社会の一員としての意識を高め、社会活動やボランティア活動への参
加を支援する一方住民組織の育成が必要です。
〔課題〕
①
子どもたちと高齢者とのふれあいなど、世代間交流の機会を増やし、地域ぐるみでの
子ども教育や青少年の健全育成など地域教育の充実が必要です。
②
国際化や高度情報化に対応した語学教育や情報教育を充実させ、新時代に即応で
きる人材の育成を図る必要があります。
③
村の伝統や文化の保護・継承をふるさと教育とともに進めながら、新たなコミュニティの
形成が求められています。
④
健康増進を目的としたスポーツ・レクリエーション活動ができる施設の維持管理の充実
や、住民による自主的な各種競技への参加活動の支援が必要です。
⑤
各地域でリーダーとなる人材を育成し、地域ぐるみで社会活動に取り組むことができる
コミュニティづくりが必要です。
- 10 -
3
基本目標
人と環境にやさしい
協働の村づくり
21世紀を迎え新たな時代の村づくりを今後も推進していくため、前計画の「人と環境にやさし
い東成瀬づくり」を更に発展させるために、計画の方向を引き継いで次の項目により村の基本目
標「人と環境にやさしい 協働の村づくり」を進めます。
◆お互いを尊重しあい、人と人とが繋がりを大切にする社会
◆村民が、「美しさ」を感じる自然や環境・景観をまもり育てていく社会
◆豊かな自然や先人が築いてきた、貴重な地域資源を活用した農林業を中心とした活力
あふれる社会
◆「子育て環境日本一」をめざすとともに、生涯教育を充実し歴史・文化的資源を保全・活
用しながら郷土を誇りに思える社会
◆村民、地域、村等がそれぞれの役割を果たし、協働で村づくりを担いあう社会
4
基本理念と5つの柱
新たな時代に向け
心に響く村政をめざして
基本目標を達成するには、10年後の未来に向かってこれまで築き上げてきた基盤に立ち、
村民憲章を更に推進しながら、住んでいる村民が共に協力し合い「住んで良かった」「この村に
住み続けたい」と心に響くような村政を進めるため、次の5つの柱を組み立てて、各施策におい
て村民と行政などが分担協力する「協働」を進めていきます。
1
豊かな自然を活用した特色ある産業づくり
2
安全で安心して暮らしやすい環境づくり
3
みんなで学び育む次代を担う人づくり
4
生きがいを持ち共に支え合う地域づくり
5
人にやさしく住みよい基盤づくり
*協働:地域の課題解決に向けて、行政単独では解決できない問題がある場合、または住民
だけでは解決できない問題などがある場合に、相互にお互いの不足を補い合い、と
もに協力して課題解決に向けた取り組みをすること。
- 11 -
5
施策の大綱
第1章
豊かな自然を活用した特色ある産業づくり
本村の農林業の振興では、本地域の農地や森林の適切な管理が下流域の災害防止や水源
涵養、地球温暖化防止に寄与していることは明らかであります。しかし、米価や木材価格の低迷
に加え、生産者の高齢化、耕地面積の減少など厳しい状況にあることから、コスト削減を目指し
た農業の推進や、消費者ニーズに対応した生産販売体制の構築や他産業との連携による新た
な付加価値の創出(米粉等の活用)を推進する必要があります。
不足している生産基盤や経営近代化施設については、拠点となる施設の整備に努める他、
直播等効率化に取り組み、耕作放棄地の解消や生産拡大への支援に努め、地域ぐるみ型農業
を推進します。
営農指導や農商工連携、生産から販売まで一体的(6次産業化)に取り組みます。また、畜産
については、施設の整備や再生を図りながら官民一体となった取り組みを推進します。
一方、森林資源については、地域全体で森林づくりや教育を充実させるとともに、広葉樹林
の有効活用や林産物の振興、更には木質バイオマスの利活用及び施設の整備を推進します。
商工業の振興については、増加する移動手段を持たない高齢者世帯等への消費活動や生
活サービスの提供を主体とするコミュニティビジネスなどの起業化を目指すとともに、健康と福
祉、安全と安心、環境等の多様な分野での事業展開に取り組みます。
観光産業の振興については、余暇の増大や自然環境への関心は依然として高く、受入体制
を強化するとともに、広域的な取り組み(機能合体)を進めます。
地球温暖化対策の取り組みとして、村の資源を活用した、自然にやさしいクリーンなエネルギ
ーの実用化を、各種産業団体と協力してさらに推進していきます。
第2章
安全で安心して暮らしやすい環境づくり
生活環境の整備の方針については、上下水道施設の整備や消防防災施設の整備、ゴミ対策
など多方面にわたり重要であることから、本地域の特性である農地や森林の保全等を踏まえな
がら、快適で住みやすい居住環境を提供するよう努めます。
上下水道施設については、下水道事業の更なる普及に努めるとともに、老朽化している簡易
水道の改修と統合化を推進します。更に、住環境の整備は、既存の村営住宅の適正な維持管
理と、若者や高齢者向け住宅等の整備を検討していきます。
また、消防防災施設については、防災計画を見直すとともに大災害にも対応できるよう防災
施設等の充実及び各集落との連携・協力のもと、自主防災組織の育成を図り、地域住民の生命
や財産、安全の確保に努めます。
廃棄物処理施設については、広域で共同処理していますが、施設の更新が急務である一
方、分別や減量への取り組みを推進するとともに、ゴミの再利用を目指した循環型社会を構築
するため、EM菌の活用などを引き続き推進します。
空き家等の管理については現状を調査し、事故・犯罪・火災等を未然防止するため、適正な
管理を実施して、村民と事業者及び行政が協働して、美しい村としての景観づくりに取り組んで
いきます。
近年の豪雪に伴い、雪対策を見直すとともに、住民や各種団体と連携した雪と災害に強い郷
土づくりに努めます。
- 12 -
第3章
みんなで学び育む次代を担う人づくり
教育の振興については、人材の育成という観点での学校教育の充実や、地域住民のニーズ
に対応した生涯教育の推進と異年齢や地域内外との交流を推進します。
学校教育関連では、小中連携教育や地域の学習力を高めるための教室の開設など、人材の
育成や確保に努めるとともに、地域に愛着を育んできた貴重な地域資産として各拠点施設の有
効な活用を図ります。
子育て支援の充実については、地域に根ざした夢が膨らむ児童福祉施設「なるせっ子夢セン
ター」を拠点とし、地域のニーズに応えながら、なお一層、子育て支援の充実を図ります
社会教育関連の集会施設、体育施設、交流施設等の整備については、若者から高齢者まで
あらゆる世代が利用でき、学習や交流する機会を提供できるよう魅力ある施設となるように努め
るとともに、多面的且つ機能的な利用を促進するとともに、地域づくり団体と連携した特色ある地
域づくりを推進します。
また、心豊かに生きがいのある地域づくりをめざして、住民が芸術にふれる機会の創出や芸
術文化団体の育成に取り組むなど、芸術文化活動の活性化を推進します。
地域固有の文化の継承や景観の維持など豊かな自然に対する郷土愛の醸成は、人口の流
出防止や他地域からの移住、地域の活性化に繋がり、後世に残すべき貴重な地域文化である
ため、その保存・活用に努めます。
スポーツの振興については、住民の健康・体力づくり、生きがいづくりと生涯スポーツの定着
をめざして、様々なスポーツ活動にふれる機会をつくるなど、スポーツ活動の充実を進めます。
第4章
生きがいを持ち共に支え合う地域づくり
高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進については、急速に進む少子高齢化社会におけ
る保健及び福祉対策を地域ぐるみで支え合う総合的な体制の充実を図ります。
高齢化対策については、高齢者が住み慣れた家庭や地域で健康で生き生きと安心して生活
でき、各種保健や福祉のサービスが受けられるような施設の整備や体制づくりを地域全体で構
築するよう努めます。
また、少子化対策については、子どもや子育て支援に係る施策を重点的・計画的に進めると
ともに、常に中長期的な視点での施策を推進し、子育て環境日本一の村づくりを進めます。
特に、少子化対策は、乳幼児から高校生まで地域全体での支援体制の強化や、きめ細かな
体制づくりを進めます。
診療所医療の確保については、県平均を上回る高齢化が進行し、老人医療の需要が増加す
る一方、医師の不足が顕在化しており、十分な医療サービスを受けることができないことも想定
されることから、広域的な医療を受診できるような体制づくりを確立し、予防からリハビリまで一貫
した体制づくりを目指します。
また、医学生の奨学資金制度の創設や情報通信網を活用した遠隔医療システムの構築など
様々な医療ネットワークの形成に努め、充実を図ります。
- 13 -
第5章
人にやさしく住みよい基盤づくり
交通通信体系の整備、情報化及び地域間交流の促進の方針については、産業や経済、生
活など地域の発展の根幹となるもので、自立促進のためには必要不可欠な基本的要素であるこ
とから、格差の解消や利便性の向上に努めなければなりません。
本村の交通通信体系は、国道342号と国道397号及び県道横手東成瀬線の通年通行化を
目指すとともに、集落内道路及び集落と集落を結ぶ村道(橋りょう含む)の整備の他、農道や林
道との一体的な整備を推進します。また、生活交通の確保を図るため、幹線となるバス路線の維
持確保に加え、地域の実情に応じた交通システムの構築を図ります。
なお、冬期間の安全で快適な交通を確保するため、機動的な除排雪に必要となる除雪機械
の配備を優先的に実施するとともに、防雪施設の整備を推進します。
情報通信基盤の整備については、地域の自立促進に有効な方策であり、光ファイバ網による
産業活動等を展開するとともに、携帯電話サービスで選択肢の少ない情報通信格差の是正や
難視聴対策に取り組みます。
地域間交流については、本村が持つ自然や癒やしなどの特徴を活かした交流を推進するとと
もに、日本で最も美しい村連合加盟地域との交流拡大にも取り組みます。
また、村民一人ひとりが地域社会の一員としての意識を高め、社会活動やボランティア活動
で活躍できるよう、参加を支援し住民組織の育成を進め、地域コミュニティの活性化を図ります。
- 14 -
東成瀬村総合計画
基 本 計 画
- 15 -
■構成
基本計画は、全5章構成となっています。
●第1章
豊かな自然を活用した特色ある産業づくり
~農業・林業・商工業・観光・新エネルギー~
●第2章
安全で安心して暮らしやすい環境づくり
~消防防災・生活環境 など~
●第3章
みんなで学び育む次代を担う人づくり
~教育・文化・スポーツ など~
●第4章
生きがいを持ち共に支え合う地域づくり
~健康・福祉・医療 など~
●第5章
人にやさしく住みよい基盤づくり
~道路・交通・景観・集落整備
など~
■節および項の構成
基本構想で揚げた5つの大綱を実現するため、各分野を更に細分化しています。この
細分化した節および項ごとに今後取り組むべき方向を示しています。
【基本目標】
目標実現のために達成すべき基本目標を定めています。
【現状と課題】
社会をとりまく現状と課題を示し、今後取り組むべき必要事項を表しています。
【施策の方向】
基本目標達成のため、進めるべき施策や事業の方向を示しています。
■文章表現
本計画で用いる文章には、「努めます」、「推進します」などさまざまな表現があります。
これらの文章表現について解説します。
~を図ります
基本目標の実現に向けて、どのような施策、事業を実施すべきか考
えていくという意味の表現です。
~に取り組みます
主に、重点的かつ早期に施策を実施していく場合に用いる表現です。
~を検討します
施策、事業等の実施にあたって、具体的にどのような施策、事業とす
べきか考えていくという意味の表現です。
~に努めます
実現に向けて努力していくという意味の表現です。
~を推進します
行政が主体的に実施する(進める)ことを示す表現です。
~を促進します
村民や事業者、国、県などの関係機関に実施を促すことを示す表現
です。
- 16 -
「協働」
れ
人にやさしく住みよい
基盤づくり
生きがいを持ち地域で支え合う
地域づくり
みんなで学び育む次代を担う
人づくり
む
道路整備・
交通体系充実、
高度情報化・
地域間交流
促進、集落の活性化
健康づくり、高齢福祉・
少子化対策・
障害福祉、
医療体制の強化
学校・
生涯教育、子育て
支援、公民館・
芸術文化
活動、文化財保全、ス
ポーツ振興
防災・
消防体制、交通安
全・
防犯対策・
生活環境
整備、環境保全・
雪対策
基 本 計 画
・人材育成
安全で安心して暮らしやすい
・高度情報化
農業・
林業・
商工業・
観光
振興、・
新エネルギー利用
促進
・防災対策の充実・強化
環境づくり
・地球温暖化等環境問題
豊かな自然を活用した特色ある
・生活様式、価値観の多
様化
5 つ の 柱
・地方分権の推進
施策・事業
東東成瀬の素晴らしい地域資源をもとに
東
村村民と地域及び村等、それぞれがむら
村
づづくりの担い手として役割を発揮する
づ
による村づくりり
り
・少子高齢化・人口減少
産業づくり
・地域経済の活性化
新たな時代に向けて
心に響く村政を目指して
基本
理念
課題
人と環境にやさしい 協働のむらづくり
基本目標
施策の体系図
基本目標
人と環境にやさしい
〔施策の方向〕
基 本 計 画
基 本
理 念
心
に
響
く
村
政
を
め
ざ
し
て
(主な事業名等)
1 農業の振興
〔1〕稲作等の生産支援
〔2〕生産性の向上と基盤整備
〔3〕地産地消の推進と担い手の確保
〔4〕畜産の振興
2 林業の振興
3 商工業の振興
4 観光産業の振興
5 新エネルギーの利用促進
・高冷地野菜、花卉栽培の支援
・農業所得向上への取り組み
・生産性向上への取り組み
・付加価値の高い農産物の生産拡大への取り組み
・畜産の振興への取り組み
・林道の整備、林業労働力の雇用確保
・商工業の振興への取り組みと新規起業支援
・観光施策の多様化推進
・新エネルギーの利用促進の取り組み など
・農産物加工施設増築事業
・トマト・リンドウ等生産拡大事業
・新規農業法人生産基盤整備事業
・道の駅構想事業(直売所及び貯蔵施設)
・畜産公共交付金事業
・使える森を作るための路網整備事業
・商工振興事業、物産販売振興事業
・日本で最も美しい村連合事業
・太陽光発電、ペレットストーブ等導入事業
1
2
3
4
5
6
防災体制の強化
消防体制の充実
交通安全・防犯対策
住宅・生活環境の整備
環境保全と景観対策
雪や災害に強い郷土づくり
・地域防災の組織化
・消防団の組織強化
・交通安全教育の推進
・安定した水の供給
・ごみの減量化と資源化
・雪に強い村づくりの推進
・自主防災組織育成支援事業
・消防防災施設等整備事業
・交通安全運動推進事業
・北部地区簡易水道施設整備事業
・ごみの減量化、資源化推進事業
・住宅リフォーム事業
みんなで学び育む
次代を担う人づくり
《教育文化》
1
2
3
4
5
6
7
学校教育の充実
生涯学習の推進
子育て支援の充実
公 民 館 (地 域 づ く り 団 体 活 動 )の 充 実
芸術文化活動の振興
文化財の保存・活用
スポーツの振興
・教育環境の充実
・生涯学習の啓発
・子育て支援事業の推進
・生きがいやふれあいが生まれる生涯教育
・芸術文化団体の育成と活動支援
・郷土文化資源の調査と活用
・スポーツ活動の展開
など
・学力向上推進事業、奨学金貸付事業
・生涯学習教室、講座開設事業
・すこやか子育て支援事業(保育料の助成等)
・仙北道交流、女性交流事業
・芸術文化活動推進事業
・縄文ロマン事業
・スポーツイベント開催事業
生きがいを持ち
共に支え合う地域づくり
《健康福祉》
1
2
3
4
5
健康づくりの推進
高齢者福祉の充実
少子化対策の推進
障がい者(児)福祉の充実
医療体制の強化
・ドック・がん検診体制の確立
・高齢者の生きがいづくり
・子どもの健やかな成長支援
・障がい児者の自立等サービスの充実
・医療体制づくりの推進 など
・ドック助成事業
・地域ささえあい体制事業
・少子化対策事業
・障がい者とのふれあい促進事業
・医師確保対策
人にやさしく
住みよい基盤づくり
《道路・交通・情報》
1
2
3
4
5
道路整備の推進
交通の利便性の確保
高度情報化の促進
地域間交流の推進
集落コミュニティの活性化
・村道の整備と冬期交通の確保
・交通手段の確保
・情報通信施設の整備
・地域間交流事業等の推進
・集落活性化と地域づくり活動の推進
・村道改良舗装事業、橋りょう補修事業
・高校生バス通学費補助事業
・村放送システム構築事業
・グリーンツーリズム、他地域との交流事業
・地域づくり活動推進事業
豊かな自然を活用した
特色ある産業づくり
《産業振興》
新
た
な
時
代
に
向
け
協働の村づくり
安全で安心して
暮らしやすい環境づくり
《安全・生活環境》
- 18 -
など
など
第1章
1
豊かな自然を活用した特色ある産業づくり
農業の振興
■基本目標
本村の農業振興の方針については、地域全体に与える活力の中心的な役割を担うことから、
担い手(後継者)の確保や所得の向上が重要です。また、不足している生産基盤や経営近代化
施設については、拠点となる施設の整備に努めます。また、効率化や集約化、営農指導や農商
工連携、生産から販売まで一体的に取り組むなど、生産性の向上や経営の改善、付加価値の
高い農産物と地産地消への取り組みなどで、農業の活性化を進めます。
〔1〕稲作等の生産支援
現
状
と
課
題
米価の下落等による農業の維持が困難な現状により、農業の低迷が続いています。村の農
作物は、「豊かな自然の恵みの逸品」というPRや周知が課題となっています。
また、農業所得の減少や食糧自給率の減少とデフレ経済の影響等により、第1次産業が危
機的な現状となっており、戦略的な複合経営及び経営面積の拡充も課題となっています。
更に、依然として個々の農家経営中心によるところが大きく、後継者不足が課題となってお
り、組織的な取り組みが望まれています。
(1)農業振興への取り組み
①はせ架け米の推進や減農薬による付加価値の米づくりに努め、社会経済情勢に変動さ
れないブランド米の確立に取り組みます。
②地域の土壌や気候にあった村オリジナルの農作物の作付けとして、戦略作物の普及に
施
取り組みます。
策
の (2)農業所得向上への取り組み
方
①果樹や花卉、牧草地などの再生を図るため、耕作放棄地の再生へ取り組みます。
向
②米+αによる安定した収入の確保を図るため、複合経営の定着へ取り組みます。
③コスト縮減を図るため、新たな栽培による生産拡大に取り組みます。
④需要が伸びている「米粉米」等新規需要米への取り組みを支援します。
(3)組織化推進への取り組み
①短期集中型農作業の実践として、法人組織の確立拡大へ向けて取り組みます。
②効率化と経費の削減を図るため、農地の団地化に取り組み、集落営農団地形成(地域ぐ
るみ型農業)を推進します。
目標とする指標
現状値(H22)
目標値(H32)
集落営農組織数
1団体
4団体
- 19 -
〔2〕生産性の向上と基盤整備
現
村の土地改良は30年以上経過し、その他は未改良のままの現状であり、大型機械及び直
状 播栽培に対応した基盤整備が課題となっています。
と
また、農道は舗装、水路は改修が必要な現状であり、老朽化した施設「農道・水路」の整備
課 が必要となっています。
題
一方、樹園地については、後継者不足や高齢化に加え、倒木も増加していることから、新
たな事業展開が急務となっています。
施
策
の
方
向
(1)生産性の向上への取り組み
①基盤面積の拡大化及び未改良区域で拡充のための改良により、規模拡大に取り組みま
す。
②暗渠部分や作業整備道含む出入り口などの改良を行い、きめ細かな整備へ取り組みま
す。
③戦略作物の作付けを拡大するための基盤整備等を支援します。
④樹園地については、広大な面積を利用した戦略作物による新たな事業展開を推進する
とともに新エネルギー供給地域としても検討します。
(2)道路・水路整備への取り組み
①農道の整備への取り組みとして、水田及び畑地内の道路舗装及び拡幅改良を推進しま
す。
②老朽化施設の補修及び未改良部分の計画的な整備として、水路整備に努めます。
- 20 -
〔3〕地産地消の推進と担い手の確保
現
状
と
課
題
付加価値の高い農作物の作付けについては、品種も少なく、また、平良カブ等の収穫量も
減少していることから、コスト面と組織的な取り組みが課題となっています。
また、地産地消については、学校給食センターや直売所で実施しているものの、更に拡大
を図るためには、生産者と消費者との連絡調整とともに、作付け面積の拡大が必要となってい
ます。
特産品づくりについては、特産品の開発が急務であるとともに、併せてPRや所得の向上が
課題となっています。
担い手の確保については、高齢化が進んでいる中で、労働時間の短縮や仲間づくり、指導
体制などが課題となっています。
(1)付加価値の高い農産物の生産拡大への取り組み
①加工施設の充実を図るとともに、加工製品の取り組みとして、新たな商品の開発を推進し
ます。
②農産物のストックヤードの確保及び保管施設等を整備し、体制強化に取り組みます。
施 (2)地産地消拡大への取り組み
策
①年間を通じた食材供給確保を図るため、給食施設等への食材提供の拡充及び確保対
の
策を推進します。
方
②地産地消の拡大を図るため、直売所の充実と提供者の確保に努めます。
向
③福祉・教育等一体となった「食育」の普及・活動・強化に取り組みます。
④伝統食の掘り起こし、地場山菜を活用した特産品の開発を進め、事業者の経営多角化
や所得の向上を支援します。
(3)農業の活性化への取り組み
①わらび等低コスト産物の利用促進と観光との連携を推進します。
②ヘルシー食品として米粉の価値と新規商品の開拓に取り組みます。
③高速通信網を活用した販路開拓と起業化の促進を図ります。
④平良カブや山ぶどう等、地域に根ざした特産品を地域ぐるみ型農業として推進します。
⑤生産及び作付け拡大を図るため、出荷に対応した支援体制を構築します。
⑥育苗施設の有効利用や近代化施設等の導入を図り、新たな事業へ取り組みます。
(4)担い手確保への取り組み
①労働力確保への取り組みとして、若年労働者の確保と体制づくりの構築を図ります。
⑥担い手支援チームを創設し、村全体で取り組むプロジェクトの立ち上げを検討します。
- 21 -
〔4〕畜産の振興
現
畜産振興対策として、基盤となる整備は確保されているものの、頭数が減少してきており組
状 織的な体制づくりと施設の老朽化が課題となっています。
と
また、かつては有数の赤ベコ産地でありましたが、頭数が激減している中で、赤ベコをいか
課 に増頭していくか、また、ブランド化や観光との連携が望まれています。
題
(1)畜産の振興への取り組み
①採草放牧地の新規改良及び施設の更新整備を推進します。
②安定した経営への取り組みとして、専門業者との協力体制及び支援体制づくりを推進し
施
ます。
策
③赤ベコを活用した地域づくりを観光面と協働で実施を図り、産地づくりに取り組みます。
の
④老朽化した施設の改築整備に努めるとともに、規模拡大を推進します。
方
向 (2)赤ベコの里復活への取り組み
①拠点づくりへの取り組みとして、赤ベコをメインとした施設の整備やPRの普及を図りま
す。
②赤ベコの特徴を宣伝し、村オリジナル牛として確立するなど、ブランド牛への取り組みを
推進します。
③畜産等による加工施設及び食品提供施設などを整備し、新規商品の開拓や雇用の創出
を推進します。
- 22 -
2
林業の振興
■基本目標
林業の振興では、本地域の農地や森林の適切な管理が下流域の災害防止や水源かん養、
地球温暖化防止に寄与していることは明らかですが、木材価格の低迷に加え、生産者の高齢
化など厳しい状況にあることから、消費者ニーズに対応した生産販売体制の構築や他産業との
連携による新たな付加価値の創出を推進する必要があります。
また、森林資源については、地域全体で森林づくりを進める一方、森林教育を充実させるとと
もに、木質バイオマスの利活用を推進します。
東成瀬村は総面積の9割が林地で占められており、人工林・天然林ともに豊富な木材資源
現 の賦存量があるにもかかわらず、これが有効活用されているとは言い難い現状です。
状
主な理由としては、作業路網が狭あい且つ不足していること、効果的に木材搬出を行うた
と めの高性能林業機械が不足していること、林業労働力が高齢化し後継者不足、そして搬出し
課 た木材の加工施設がないことなどがあげられます。
題 よって、これらを解決して未利用資源の有効活用を図り、村の林業を振興させる必要があり
ます。
(1)林業基盤の整備
①林道の舗装を促進するとともに、従来の作業道より幅員が広く丈夫な「林業専用道」の整
備を図り、木材を搬出しやすい環境を推進します。
②高性能林業機械の導入を促進するための補助制度の創設を促進します。
施
策 (2)林業従事者の雇用の安定
の
①林業労働力の需要を高めるために、入会地単位での団地化施業を一層促進します。
方
併せて、林業従事者の雇用確保のための各種施策を推進します。
向
(3)森林整備計画の推進
①伐採適期に達した公有林・民有林の売却を促進するとともに、有効活用にも取り組みま
す。
②分収林の調査や台帳整備に取り組みます。
③効率的な林業経営を促進するために、森林経営計画の策定及び林業事業体への長期
受委託を進めます。
④オフセット・クレジット(J-VER)制度*の普及宣伝を図るとともに、これを活用した持続可能
な森林整備を推進します。
(4)森林の利活用と施設整備
①村内に木質ペレットやチップなどの加工施設を整備促進しつつ、今後全国的に需要拡
大が期待される新エネルギーの供給基地として村のPRを図ります。
②広葉樹の適正管理(伐採含む)に努め、林産物の生産拡大や販売促進を支援します。
*オフセット・クレジット(J-VER)制度: 2008 年に環境省が創設した認証制度。森林整備
などでCO2削減・吸収量を増やした事業者は、国の認証を受け増加分を販売できる
制度。
- 23 -
3
商工業の振興
■基本目標
商工業の振興については、増加する移動手段を持たない消費環境の弱者救済のため、生活
サービスの提供を図るコミュニティビジネスなどの起業化を促します。
また、成瀬ダムなどの大規模事業による商工業の振興及び雇用の場の創出や確保に向け、
関係団体の支援に努めます。
現
状
と
課
題
施
策
の
方
向
高齢者世帯が増加する傾向にある本村では、隣接自治体へ通勤するサラリーマン主体の
世帯が圧倒的多数を占めている。このため、食料品や生活資材は村外から求めている現状
のため、高齢ドライバーの安全対策や移動手段を持たない高齢者世帯等の消費活動や生活
サービスの支援が喫緊の課題である。
更に、新たな特産品開発や、企業誘致、新規起業の設立等への支援策が急務となってい
ます。
また、成瀬ダムなどの大規模事業による、村内商工業者の収益の増加や新たな雇用の場
の創出等の対応が引き続き必要です。
(1)商工業の振興
①商業は、隣接自治体へ出向いての買い物が定着しているものの、移動手段を持たない
高齢者をターゲットにした経営など、消費者ニーズに対応した経営基盤の充実や強化を
図ります。
そのため、コミュニティビジネスの起業化を村内事業者に担ってもらうための仕組みづくり
を図ります。さらに、村内事業者が困難な場合は、隣接自治体の企業等が参入しやすい
環境の構築に努めます。
②新たな特産品の開発を進めるとともに、組織的な取り組みや営業時間帯の設定など、柔
軟な仕組みづくりによる販売収入の向上に努めます。
③企業誘致は、若年者の地元定着意識の高まりもあり、新規起業の設立や新規就業者の
雇用に対する支援対策を推進します。
④成瀬ダム事業などの大規模事業に関連した組織が立ち上げられており、今後更に協力
・連携して、村内商工業者の収益の増加や新たな雇用対策となるよう、関係団体を支援
していきます。
(2)商工団体との連携
①地域活性化へ前向きに取り組んでいる商工団体と行政の連携を更に進めます。
②後継者である商工会青年部員等の組織活動を積極的に支援し、人づくり・組織づくりに
努めます。
- 24 -
4
観光産業の振興
■基本目標
従来からの創作型(施設等整備型)の資源活用だけではなく、豊かで多様な自然や文化資源
等の素材活用型の観光振興を図ります。
現
状
と
課
題
施
策
の
方
向
旅行業界では、団体旅行の割合が急速に縮小し、個人旅行が主流を占めるようになりまし
た。この流れに伴い、観光客のニーズも多様化し、旅行商品も『物見遊山』的なものから、訪
れる地域の物や文化に『触れる』ものが求められています。一方本村の観光施策は、宿泊事
業者との連携も薄く、長らく創作型のイベントのみに偏重してしてきました。そのため、旅行業
界の変化とミスマッチが生じています。さらに、観光客の行動範囲が広がり、観光施策の部分
的広域連携(機能合体)が必須の状況など、取り巻く環境は大きく変化しています。
(1)観光施策の多様化推進
①主流となった個人旅行客のニーズを的確に捉え、宿泊事業者やガイド団体との連携を密
接にし、素材やターゲット別の着地型旅行商品の開発を進めます。
②自治体間の観光施策の平行状態を解消するため、部分的に連携可能な施策の統合を
図り、誘客する側の体制再編(機能合体)を進めます。
③日本で最も美しい村連合の登録地域資源、“田子内橋”・“奥羽山脈緑の回廊”・“仙北
道(仙北街道)”に関わる文化的価値を探求し、資料展示の拠点作りに係るツーリズムの
創造を進めながら、連合ブランドを支援する客層の交流人口(観光客)の拡大を図りま
す。
④日本で最も美しい村連合のコンセプトに合った観光案内板を各所に設置するとともに、
拠点となる観光情報センターを整備します。
⑤ジュネス栗駒スキー場等の既存観光施設については、雇用の場や地場産品の消費に寄
与しており、施設の維持修繕や計画的な整備に努めます。
(2)観光大使(仮称)と新たな物産交流
①村外居住の村出身者を、村観光大使に委嘱して、村の観光全般に渡って宣伝するよう
な体制づくりを推進します。
②日本で最も美しい村連合加盟自治体及び大震災等をきっかけに交流が広まった地域と
の新たな物産交流事業を、各団体と連携して進めます。
目標とする指標
現状値(H22)
目標値(H32)
年間観光客数(推計)
29万人
40万人
- 25 -
5
新エネルギーの利用促進
■基本目標
地球温暖化対策の取り組みとして、村の資源を活用した、自然にやさしいクリーンなエネルギ
ーの実用化を、各種産業団体と協力してさらに推進していきます。また、環境学習やセミナーな
どの普及・啓発活動に努め、住民意識の高揚を図ります。
現 本村には自然資源が豊富に存在していることから、これまでも新エネルギーの利活用と施設
状 の整備を推進してきており、今後も拡充していく必要があります。
と 特に、「森林」「小水力」「太陽」「雪」などは有望な新エネルギー源であり、これらの利活用に
課 よる雇用の創出や起業化を図ることで地域の自立促進が大いに期待できるため、循環型社会
題 の構築も含めて更に推進していく必要があります。
施
策
の
方
向
(1)新エネルギーの利用促進
①本村の自然資源である森林については、ペレット関係の施設や設備の導入を推進する
他、森林保全対策として水源の森を指定し、適切な管理を積極的に推進します。
②新エネルギー導入施設については、地域新エネルギービジョンに基づき、森林や小水
力、太陽光など導入可能な新エネルギーから計画的に整備を推進します。
特に、公共施設など身近な施設への新エネルギーの導入を積極的に推進します。
③一般住宅への普及啓蒙を図るため、ペレットストーブや太陽光発電などの新エネルギー
導入に向けた支援体制づくりを今後も進めます。
④雪を利点として捉え、雪エネルギーとしての利活用を推進します。特に雪冷房施設等の
導入を公共施設を中心に進めます。
目標とする指標
現状値(H22)
目標値(H32)
太陽光発電設置数(県・村補助分)
13軒
30軒
- 26 -
第2章
1
安全で安心して暮らしやすい環境づくり
防災体制の強化
■基本目標
住民の安全な生活の確保と災害発生時の被害を最小限にくい止めるため、自主防災組織の
育成等により協働の防災体制や防災備蓄品の充実強化を図ります。
現
状
と
課
題
大地震や豪雪・台風・豪雨等の自然災害へ迅速に対応するため、行政と地域住民、事業
所がそれぞれの役割を明確にし、相互に連携して組織的に行動する体制の整備が課題とな
っています。
また、本村の自主防災組織(地域の安全安心を守る母の会)は、火災予防を主眼にして設
置されていますが、これからは地震災害等に備えた地域ぐるみでの自主防災体制の整備が
必要です。
更に、避難時における衣食住確保のための防災用品や食糧等の備品を充実します。
(1)地域防災計画の見直し
・大震災発生後の状況に鑑み、当村の地震被害想定に対応した地域防災計画を策定し、
有事に備えるために住民に周知徹底を図ります。
(2)情報伝達体制の整備
①災害発生後の長時間停電にも対応する情報通信体制を整備して住民へ情報を発信しま
す。
②防災行政放送については、屋外告知放送の拡充及び充実に向けた整備を進めるととも
施
に、無線放送の両立を検討しながら更新整備を推進します。
策
の (3)自主防災組織の育成及び支援
方
・災害発生時は初動体制が重要となるが、村職員が出来ることには限界があります。この
向
ため各集落内の団体等が相互に連携して、地域リーダーの育成により組織機能する自
主防災組織を整備して、地域の防災意識の高揚と防災力の向上を図ります。
(4)防災用品及び備蓄品の確保
・県と市町村の共同備蓄指定品目を基本とした食料品や衣類等の生活関連物資を村内4
箇所に備蓄する他、村内各地区集会所に長時間停電に対応するための発電機及び暖
房器具を配備します。
(5)災害物資供給協定の締結
・大震災等で流通が遮断された場合に備えて、近隣の事業所と食料品や衣類等の生活
必需品の供給の協定を締結し、必要物品を確保します。
- 27 -
2
消防体制の充実
■基本目標
住民の生命・身体・財産を守る村消防団及び消防組織等と連携し、災害等の発生時に速や
かな避難誘導及び救助活動を行えるように消防体制の充実を図ります。
現
消防団は火災出動のほか防火活動・水防活動・災害救助活動、さらには本村特有の山岳
状 遭難者の捜索活動など多岐に及び地域住民の生命や財産を守る重要な役割を担っていま
と す。
課
しかし、高齢化や就業体系の変化により団員数の減少傾向には歯止めがかからない状況と
題 なっています。このため、有事に備えた消防団体制の拡充強化対策が必要です。
(1)消防団の組織強化
①村の広報やホームページ等で消防団の役割の重要性についての広報活動を展開し、消
防団員の確保を図るほか、研修会等により任務の認識を高めるなどして消防団の充実を
施
図ります。
策
②不足している消防団員を確保するため、女性消防団員制度やOB団員制度の導入を検
の
討していきます。
方
向 (2)橫手、湯沢・雄勝ブロックにおける消防の広域化
①消防の広域化については、今後県などの情報を踏まえて検討します。
②消防救急無線のデジタル化については、平成22年度調査に着手しており、遅くても平
成28年度までの運用を目指しています。
- 28 -
3
交通安全・防犯対策
■基本目標
飲酒運転の追放と、子ども及び高齢者を交通事故から守ることを重点に運動を進めるととも
に、犯罪のない安心・安全な地域社会をつくるため、家庭・学校・地域住民・警察と連携し、犯罪
から身を守るための環境整備と防犯教育の徹底を図ります。
現
状
と
課
題
秋田県内の交通事故発生状況は、件数や死傷者数は減少しているものの高齢者の死傷
者が半数以上を占め、高齢者の交通死亡事故防止が喫緊の課題となっています。当村も県
と同様に発生件数は増加していませんが、高齢者の事故防止が大きな課題であると考えられ
ます。
また、防犯については「なるせ防犯ボランティア」が組織され、子どもを犯罪から守るための
活動を実施しています。今後は、このような活動を拡大することが望まれています。
このため、警察と連携し地域社会に密着した地域防犯体制の確立や、防犯協会への活動
支援に取り組み、防犯パトロールの実施による、犯罪防止に取り組むことが必要です。
(1)交通安全教育の推進
①横手警察署や交通安全協会等の関係機関と連携のもと、保育園、小中学校、そして老人
クラブ等の地域の各団体を対象にして安全教室を開催し交通安全ルールの徹底と意識
の高揚を図ります。
②各家庭及び職場で、事故防止や飲酒運転追放の声かけ運動を展開し意識の高揚を図り
ます。
施 (2)交通安全運動の推進
策
・「地域の安全安心を守る母の会」と「交通指導隊」並びに「交通安全協会」等による街頭
の
指導等を行い、季節ごとに実施される全国交通安全運動の内容の充実を図ります。
方
向 (3)地域防犯体制の確立
・地域住民が主体となって実施している「なるせ防犯ボランティア」への支援を促進します。
(4)犯罪に遭わないための広報啓発
①振り込め詐欺など悪質な犯罪に遭わないよう、広報誌や行政放送を活用した広報啓発
に努めます。
②地域住民や防犯指導隊と連携した「防犯パトロール」の強化を促進します。
- 29 -
4
住宅・生活環境の整備
■基本目標
安全で安心な水道水の安定供給と災害時に対応できるための整備を進めます。また、老朽
化した簡易水道施設の更新、整備を図り効率的な施設運営を進めます。
また、合併処理浄化槽設置事業を計画的に推進するとともに、合併処理浄化槽の適正な維
持管理に対する普及啓発に努めます。
更に、村営住宅の適正な維持管理と、若年者向け並びに高齢者向けの住環境の整備をソフ
ト事業や空き家の利活用と合わせて検討します。
簡易水道施設の老朽化により、配管からの漏水や機械装置についての暫定的な補修費の
現 増加により維持管理費が嵩み財政を圧迫しています。
状
また、耐震性の面から石綿セメント管や老朽化した配管の更新が課題であります。更には
と 地震や大雨などにより源水が濁る状況にあり、飲料水としての使用を制限することがあることか
課 ら、対策を講ずる必要があります。
題
環境衛生の向上と水資源の確保を図るため、合併処理浄化槽設置事業を推進してきたとこ
ろでありますが、適切な維持管理がなされなければ逆に生活環境を悪化させることになりま
す。
村営住宅については、施設の老朽化も懸念され、また、若者や高齢者向けの住環境も整
備する必要があります。更に、空き家の利活用が課題となっています。
施
策
の
方
向
(1)安定した水の供給
①安全で安心な水道水の安定供給を保持するため、水源の保持と施設の維持管理に努め
ます。
②老朽化した施設の更新、整備を図ります。さらに、効率的な施設運営を進めるため計画
的に施設統合に取り組みます。
③地震に強い施設整備や、災害時に対応できる施設改修や備品の整備充実を図ります。
(2)合併浄化槽の普及
①快適な生活環境の確保と、水環境の保全を図るため、合併処理浄化槽の設置促進に引
き続き取り組みます。
②合併処理浄化槽の適切な維持管理を行うため、住民に対して正しい使い方の周知を図
ります。
(3)村営住宅等の整備
①村営住宅については、入居者の協力を得ながら適正な維持管理に努めます。
②若者向けの住宅等の整備と併せて、定住するためのソフト事業も検討していきます。
③空き家の利活用のための、「空き家バンク制度」を検討していきます。
④高齢者が冬期に安心して暮らせるよう、冬期居住施設等の整備を検討していきます。
目標とする指標
現状値(H22)
目標値(H32)
合併浄化槽普及率
81%
90%
- 30 -
5
環境保全と景観対策
■基本目標
ごみの減量化と再資源化を推進し、不法投棄防止対策を強化します。また、空き家等の適正
な管理を実施し、事故・犯罪・災害等の未然防止を図るとともに、美しい村の環境保全と景観づ
くりを推進します。
現
状
と
課
題
平成22年度のごみ排出量は、可燃ごみ515t、資源ごみ129t、不燃ごみ13t、粗大ごみ
19tとほぼ前年並みの実績となりました。今後は生活様式の多様化などによりごみの種類と排
出量の増加も考えられますが、ごみの減量化と資源ごみのリサイクルを推進して、環境にやさ
しい循環型社会の形成と景観対策を図ることが必要です。
また、 村内では毎年不法投棄の報告や、貴重な高山植物等の盗掘が確認されており、住
民との連携によるパトロール体制の充実や監視体制の強化による環境保全対策が望まれて
います。
更に、近年管理不全のため、積雪期等に周囲に被害を及ぼす空き家等が散見されており、
適正な管理が必要となっています。
本村の自然・歴史・文化が織りなす美しい景観を守り、そして創り育てるため、村民・事業者
・行政が協働して良好な景観づくりを実施して、後世へ引き継ぐ取り組みが必要です。
(1)ごみの減量化と資源化
①資源ごみの分別回収を更に進め、減量化を図ります。
②EMボカシ・堆肥・活性化液活用の展示圃と研究を推進します。
施
③EMを利用した環境浄化を更に推進します。
策
の (2)不法投棄等の監視の強化
方
①各集落及び県の協力のもと村内全域の状況把握に努めるとともに、環境監視員を設置し
向
不法投棄されやすい場所について監視を強化し不法投棄を許さないという意識の徹底
を図ります。
②環境全般を監視する組織を立ち上げ、定期的なパトロールで監視の強化や情報交換を
図り、不法投棄や貴重な植物の盗掘の未然防止と村の環境を守るための対策を検討し
ていきます。
(3)空き家等の適正な管理
・空き家等の実態調査を実施し、管理不全により危険な状態の場合は、当該空き家等の
所有者に対し、必要な措置について助言・指導をし、場合によっては勧告または行政代
執行により改善措置を実施します。
(4)日本で最も美しい村連合としての景観づくり
①地区住民などの関係者が主体となって、集落内の沿道や公園の清掃、維持管理、及び
沿道の花壇整備などに取り組み、地域に愛着をもたらす景観形成を図ります。
②農耕地と山林を適正に保全し、四季ごとの美しい里山づくりを実施します。
③ゴミの不法投棄対策や空き家管理を充実させて、美しい集落づくりを実施します。
④村の花「山百合」や村の虫「ほたる」の活用や、「桜」等の「花木」の植樹を進め、美しい景
観づくりに努めます。
- 31 -
6
雪や災害に強い郷土づくり
■基本目標
近年の豪雪は、降雪や異常低温が連続するなど、従来の冬と様相の違った状況となってお
り、日常生活の中での雪処理に多大な労力が必要となっています。
このことから、村民の生活環境の改善を図るため、雪に強い村づくりを進めてまいります。
また、当村は成瀬川沿いの平地に集落が点在し、背後地は奥羽山脈と、丘陵地となっている
ことから、近年各地で異常な豪雨や地震による土砂災害が発生しています。治山・治水事業の
促進により、災害に強い郷土づくりに努めます。
現
状
と
課
題
施
策
の
方
向
特別豪雪地帯の本村は、村内4観測地点における過去5年間の平均積雪深は約2mとなっ
ており、最大積雪深が3mを超えることもあります。
また、積雪期間は12月から4月初旬までの5ヶ月に及び、この間の住民の除排雪は日常の
行事となっており、多くの負担を強いられています。
高齢化が進行する中、屋根の雪下ろしや除排雪に従事する者が減少しており、高齢者の
住宅や除排雪が不便な地域への対策と落雪屋根改修対策の検討が急務となっています。
更に、近年は予想を超える大地震による災害が発生したり、局地的な集中豪雨など、世界
的にも各種災害が多発傾向にあります。村では、国や県との連携を強化して、あらゆる災害が
発生した場合に、地域住民の命を守り、被害を最小限におさえるための対策が必要です。
(1)雪に強い村づくりの推進
①生活道路などの除雪体制を強化するとともに、除雪機械等の更新にも努めていきます。
②土地等の条件を考慮しながら、流雪溝をはじめ雪を克服するための各種施策を進めま
す。また、冬期における水利確保対策としての抜本的な調査と施策の展開に努めます。
③住民との連携を図り、空き家の情報等を含め村内の正確な状況把握を図るとともに、雪
害に対する迅速な対応に努めます。特に、高齢者世帯等を重点的に対応していきます。
④住宅リフォーム事業により、雪に強い住宅改修の支援を行います。
⑤村内の排雪対策として、村指定の雪捨て場の確保に努めます。
⑥村内各種団体の協力を得ながら、住宅や公共施設等の除排雪の強化を図ります。
(2)防災対策事業の推進
①土砂災害等の危険箇所の監視強化し、村内の巡視強化を図るとともに、村消防団とも協
力して被害の軽減に努めます。
②国が進める雄物川水系成瀬川に建設予定の「成瀬ダム」については、村の洪水被害の
低減や河川の正常な流量調整を図る意味からも、建設促進を引き続き推進します。
③国・県が行う治水・治山事業については、住民の協力を得ながら、村の貴重な財産を守
るうえでその事業の推進に協力していきます。
- 32 -
第3章
1
みんなで学び育む次代を担う人づくり
学校教育の充実
■基本目標
社会の激しい変化の中で、児童生徒がたくましく人生を切り開いていけるよう、自ら課題を見
つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断する資質や能力及び他人を思いやる心や感動する
心など豊かな人間性、すなわち「生きる力」を育てます。
現
状
と
課
題
施
策
の
方
向
上記の基本目標を達成するために、これからの教育に特に求められている内容は、以下の
7点です。
1.言語活動
2.体験活動
3.日本の伝統と文化の教育
4.外国語教育
5.理数教育
6.道徳教育
7.キャリア教育
これまで、本村においては、児童生徒の知・徳・体のバランスのとれた発達を図る観点から、
上記の教育内容について、実態を踏まえ創意工夫しながら全教育活動を通じて取り組んでき
ております。
その結果、児童生徒の学力、心、体力は全般にわたり確かなものに育ってきていると考えま
す。
一方、児童生徒の現状を分析して見ると、個に応じた基礎学力の定着や表現力の育成な
どの課題が存在するのは事実です。一層、個に着目し、「集団の成長と個の成長のバランス」
に配慮した取組を行う必要があります。
特に、技術革新やグローバル化の進展・コミュニケーション能力の重要性、本村の児童生
徒の学力・学習状況などを踏まえ、教科指導において特に、言語教育・国語、算数・数学、理
科、外国語・英語などの指導を充実させる必要があります。
また、高校生以上の教育については、依然として多くの高校生以上の学生等がいる家庭の
負担が大きいため、引き続き村独自の支援体制が必要となっています。
(1)教育環境の充実
①「生きる力」を育てるため、学校の全教育活動の充実が図られるよう、今後は特にソフト面
の一層の充実を図ります。
②個に応じた指導の充実を図るため、特に、算数・数学、理科、外国語・英語などの指導体
制を整備します。このため、外国語指導助手や講師を配置します。
③言語活動を全教育活動において充実させます。
④幼小連携教育、小中連携教育を推進し、知・徳・体をバランスよく育てます。
⑤多様な体験学習を推進し、感性を育てます。
⑥地域における教育力を活用し、児童生徒の個性の発揮・伸長を図ります。
⑦ふるさと教育を推進するとともに、ふるさとの歌「悠久の風にのせて」の定着を図ります。
(2)奨学資金制度の継続と拡充
①奨学資金制度については、学生の家庭の負担軽減及び人材の育成や確保のための制
度として、継続と弾力的な運用を図ります。
②医学生の奨学資金制度を創設し、医師確保の対策にも取り組みます。
- 33 -
2
生涯学習の推進
■基本目標
次代に対応した学習機会の提供と生涯にわたって自らの可能性を高める活動を支援します。
また、活動の拠点となる施設の整備に努めます。
村民がふるさとの大切さを認識し、地域づくりや人づくりに意欲的に取り組むための教育や学
習する機会を提供します。
村独自の「共通した学習」や「専門的な学習」については、子どもの頃からふれあう機会を提
供し、将来の人間形成に役立つ学習環境の整備に努めます。
現
状
と
課
題
生涯学習は、住民一人ひとりが生涯にわたって家庭・学校・職場・地域など様々な場面で行
うすべての学習活動であり、その成果が適切に評価される社会が生涯学習社会です。生きが
いや心の豊かさを求め、いつでもどこでも自由に学習機会を選択し学ぶことは、人間が生きて
いく姿そのものであることから、本村においても地域の特性を生かした生涯学習社会の構築を
目指しています。
また、生涯学習の振興については、学習機会の充実を図ることのみならず、個人がその学
習成果を生かすことができる社会の実現が求められています。学習成果の活用は、職業生活
や社会における多様な活動において行われるものでありますが、社会全体の教育力向上の
観点からも、個人が学習した成果を地域社会における様々な教育活動に生かすことが期待さ
れています。
(1)生涯学習の啓発
①広報誌及びインターネットを活用した学習情報の提供・充実を図ります。
②学習相談体制の整備・充実を図ります。
施
策 (2)生涯学習指導者の人材確保及び養成
の ①指導者育成講座を開設します。
方 ②人材の発掘と、人材リストの活用を進めます。
向 ③学校支援ボランティアの育成に努めます。
(3)生涯学習団体の育成及び活動支援
①自主学習サークルの育成・支援を行います。
②学習成果を発表する場を提供します。
目標とする指標
現状値(H22)
目標値(H32)
生涯学習講座開設数
14回
17回
学校支援ボランティア数
144人
180人
- 34 -
3
子育て支援の充実
■基本目標
地域に根ざした夢が膨らむ児童福祉施設「なるせっ子夢センター」を拠点とし、地域のニーズ
に応えながら、なお一層、子育て支援の充実を図ります。
現
状
と
課
題
施
策
の
方
向
児童福祉施設については、統合保育所と児童館の複合施設となる「なるせっ子夢センタ
ー」が完成し、なるせ保育園においては保護者のニーズが高い乳児保育や病後児保育、延
長保育などの特別保育を実施し、きめ細かなサービスを提供する体制を整備しています。
また、なるせ児童館においては、子どもの遊び及び生活支援の援助と地域における子育て
家庭への支援を行い、心身ともに健やかな子どもを育成するとともに、図書活動を通して「情
報・文化」活動を推進するため、子育て支援、放課後子どもプラン、図書室の効果的な活用な
どを進めています。
今後は、複合型施設として更なる保育所及び児童館の一体的なサービスの提供に加え、効
率的な運営と子育て支援対策の包括的な支援体制づくりを確立し、地域に信頼・期待される
運営を行います。
(1)なるせ保育園の活用・充実
①豊かな心と丈夫な身体の成長を願って、生活や遊びを通し、一人ひとりの発育過程を大
切に、0才児から5才児まで一貫した保育を目指します。
②延長保育や病後児保育、或いは一時預かり保育などの特別保育の充実に努め、保護者
のニーズに応えるように努めます。
③子どもが本来持っている感性や主体性を引き出し、成長しようとする力を育てます。
④直接体験の場を作り、自ら進んで遊びに取り組めるよう、充実した環境を活用した保育に
努めます。
⑤乳児と幼児の自然な交流ができるようにし、保育者のチームワークで一人ひとりの育ちに
みんなで関わるように努めます。
⑥基本的な生活習慣や社会生活の基本的ルールを身につけさせ、未来を生きる力の土台
を育てます。
⑦学ぶ意欲を持って日々の研修を大事にし、保育実践に具体的に生かしていきます。
⑧親と子どもが共に健やかに育つことを願い、家庭や地域社会との連携を深めながら子育
て支援に努めます。
(2)なるせ児童館の活用・充実
①村民に信頼・期待される運営に努め、安全で安心な居場所として「来て良かった、また来
たい」と思われる児童館づくりを目指します。
②子育て中の家庭に「子育て」と親の成長を援助する「親支援」を行うとともに、地域と学校
の連携を深めながら、子ども達が心身共に成長できるように支援していきます。
③複合施設のメリットを生かし、多様な機能が一体的・総合的に発揮されるように努めます。
(3)児童(青少年)健全育成の充実
・自由来館者の受け入れ、居場所の提供及び児童健全育成事業の充実を図ります。
(4)放課後子どもプラン推進事業の推進
・学童クラブ(田子内・岩井川)と放課後子ども教室「虎の穴」の充実を図ります。
- 35 -
(5)子育て支援事業の推進
・なるせっ子広場の開設や子育てに関する学びの機会の提供、悩みや育児不安を解消で
施
きる相談体制の整備及び情報の提供に努めます。
策
の (6)読書推進事業の推進
方
①読書を通じ「情操・文化」活動の推進を図るため、なるせっ子広場等の読書環境の整備
向
並びに読み聞かせグループとの連携強化を図ります。
②図書室への司書の配置に努めます。
目標とする指標
現状値(H22)
目標値(H32)
図書貸出数
2,000冊
3,000冊
- 36 -
4
公民館(地域づくり団体活動)の充実
■基本目標
郷土愛に根ざした社会連携、自他共存の生活感情を育成するとともに、住民の自治意識の
高揚を図り、生活文化の向上、福祉の心の啓発、明るく豊かで健康な住みよい地域社会を構築
します。
現
状
と
課
題
人は生涯にわたり、あらゆる分野で学ぶ必要があり、それを継続していくことは、自分自身に
とっても、地域にとっても極めて重要であります。
これまで、公民館は生きがいを求め、学習を望む人は勿論、子どもから大人まで誰もが利
用でき、集まり、交流を深め、いろいろな情報をもたらし、少しでも自分たちの生活を豊かにす
るための学習や文化・スポーツ活動を行う場であるとして、その活用を図ってきました。
併せて、旧公民館分館の廃止を機に各旧小学校区に「地域づくり推進協議会」を設置し、
住民参加型の新しい活動に対して支援してきています。
しかし、近年の社会の急激な変化に伴う住民同士の連帯感の欠如や人間関係の希薄化等
により地域の教育力の低下が指摘され、連帯意識の高揚を図る事業や郷土に愛着をもてる事
業、学校・家庭・社会が密接に連携した事業を推進することが必要となっています。
また、住民の自発性・自主性が発揮できるような機会と場の確保に努め、行政依存から抜け
出し、住民が自立できるような支援の方向も求められています。
(1)暮らしの中に生きがいやふれあいが生まれる生涯教育
①住民の潜在的な学習ニーズに応えるための講座を開設します。
②郷土に学び、郷土に誇りと愛情のもてる学習を推進します。
③人づくり、地域づくりに生かされる学習に取り組みます。
④学習情報の提供に努めます。
(2)自然とのふれあいを深め・強める学習の充実
①住みよい郷土を生かした学習を進めます。
施
②ふるさとを再認識する事業を推進します。
策
③仙北道等の歴史を学び、その魅力を掘り起こし、美しい村を次代に引き継いでいきます。
の
方 (3)健康づくり・スポーツ活動の充実
向
①人と人とのふれあいの中での健康づくり・スポーツ活動の充実を図ります。
(4)地域・学校・家庭・行政との連携・融合による諸活動の実施
①学校教育、家庭教育、社会教育の連携を密にし、学校現場の要望を把握し、各種活動
の連絡・調整・橋渡しができるように体制の整備を図ります。
②青年・女性・成人・高齢者・PTA・親子会等の各種団体と連携した事業の実施や支援活
動を推進します。
③豊かな心を育てる体験活動の場づくりに、積極的に住民が参加協力できるような体制づ
くりを進めます。
(5)連帯意識や共同意識が持てる地域づくり推進事業の実施
①地域づくりは住民の学習、文化、スポーツ活動、住民の連携意識、共同意識の醸成及び
住み良さの実感、住民相互の親睦、交流等を通してなされるよう、自主的な運営を積極
的に支援します。
- 37 -
5
芸術文化活動の振興
■基本目標
心豊かに生きがいのある地域づくりをめざして、住民の芸術にふれる機会の創出と芸術文化
団体の育成に取り組むなど、芸術文化活動の活性化を図ります。
現
状
と
課
題
生涯学習講座を修了した受講生が自主的に同好会を組織して、さらに技術を高めるべく活
動を続けており、様々な機会にその成果を発表しています。メンバーの固定化や活動内容の
マンネリ化などの課題を抱えている団体もあり、このことから、こうした活動のより一層の充実発
展と各団体相互の連携や研修・親睦を図ることを目的に、平成 22 年度に東成瀬村芸術文化
協会が設立されました。
また、文化施設的要素を備えた地域交流センターゆるるんの建設により、芸術文化イベント
開催のニーズも高まり、これまで各団体がイベントを開催し、ゆるるんの有効活用を図ってきて
います。
こうしたことから、ゆるるんの有効活用と合わせ、住民の創造性を育み、心豊かな地域づくり
と人々の繋がりを大切にしていくために、芸術文化及び民俗芸能などで活躍する団体の支援
を行うなど、芸術文化を発展させることが必要となってきています。
(1)心豊かな情操の涵養と自己啓発の促進
①小中学生のための芸術鑑賞会を開催します。
②文化講演会・芸術鑑賞会を開催します。
(2)芸術文化団体の育成と活動支援
施
①芸術文化祭の開催等、活動成果発表の場を関係団体と連携して提供してまいります。
策
②同好会・自主サークルの育成と活動支援に取り組みます。
の
③芸術文化協会の育成と活動支援に取り組みます。
方
向 (3)指導者の人材の確保及び養成
①各種研修会の開催及び派遣に努めます。
②新たな指導者の発掘と人材の育成を図ります。
(4)活動拠点の整備・充実及び有効活用
①活動拠点の整備及び設備の充実を図ります。
②活動場所としての公共施設の提供・開放を進めます。
③地域交流センターゆるるんの有効活用を図ります。
目標とする指標
現状値(H22)
目標値(H32)
芸術文化協会参加団体数
19団体
25団体
- 38 -
6
文化財の保存・活用
■基本目標
伝統文化については、地域固有の財産として「ふるさと」を提供しており、「継承」「保全」等に
努めることは、多くの人々に恩恵を与えることにつながります。
また、地域固有の文化の継承や景観の維持など豊かな自然に対する郷土愛の醸成は、人口
の流出防止や他地域からの移住、地域の活性化に繋がり、後世に残すべき貴重な地域文化で
あるため、その保存・活用に努めます。
現
状
と
課
題
村の歴史の中で生まれ、継承されてきた有形・無形の文化財や生活習慣など、これまで培
われてきた文化や歴史を正しく理解することは、村の未来を考える上での基礎となるもので、
極めて重要なことです。
これまで調査された資料については、「ふる里館」に収蔵され展示されているが、近年は文
化財に関する調査は停滞している現状であり、村指定とされた文化財は無形民族文化財「田
子内音頭」だけとなっています。
こうした中にあって、平成20年度に着手した縄文ロマン事業は、国重要文化財に指定され
た磨製石斧が発見された遺跡調査事業であり、極めて重要であります。
今後は、文化財に関する理解を深め保護精神を高めるとともに、調査・保全、伝承や活用
を推進し、文化財の保存・活用をとおして地域の活性化に発展させる施策が重要となってい
ます。
(1)郷土文化資源の調査と活用
①縄文ロマン事業については、平成20年度から3カ年で実施した菅生田掵・上掵地区の
調査結果を報告書にまとめるとともに、村民への普及版も作成します。
②現在、命名されている菅生田掵遺跡や上掵遺跡を一体的にとらえ、「上掵遺跡」として一
本化し、「村指定」、「県指定」、「国指定」となるように進めます。
③遺跡の「史跡」指定を踏まえ、「遺跡の整備」ならびに「整備のための試掘調査」を行い、
施
適宜、報告書にまとめ、さらに「整備」のための整備計画・管理計画を策定します。
策
④遺跡において、発掘や土器づくり、縄文の生活体験等を行い、埋蔵文化財や当時の人
の
々の考え方や生き方を一層深く理解するための施策を推進します。
方
向 (2)方言収集活用事業
①本村に伝わる方言を村内4カ所の住民から聞き取り収集します。
②収集した方言は、「音声と文字」の両面から記録保存します。
③本村に伝わる方言を活用した事業を行い、村民の郷土愛や連帯感などを一層深めま
す。
④活用事業については、世代や居住地等の枠を越え、舞台演示や俳句、詩などの文芸作
品、ミュージカル等の創作活動、あるいは方言による郷土カルタの作成など創造力、表現
力などを生かした事業を行います。
⑤活用事業においては、方言に関心のある全国の方々との交流を図り、連帯感を深めると
ともに、地域の活性化を図ります。
- 39 -
7
スポーツの振興
■基本目標
住民の健康・体力づくり、生きがいづくりと生涯スポーツの定着をめざして、多様なスポーツ活
動にふれる機会をつくるなど、スポーツ活動の充実を図ります。
現
状
と
課
題
健康・体力づくり、生きがいづくりへの関心が高まり、多くの住民が生活の一部としてスポー
ツの必要性を感じています。しかしながら、「仕事」や「始めるきっかけの難しさ」などの理由に
より、なかなか取り組むことができないでいる住民が多いのが現状です。
平成 18 年度より村体育協会が主催し、村内のスポーツ関係団体が主体となって「村民スポ
ーツ月間」を開催しているほか、平成 20 年度に総合型地域スポーツクラブ「仙人の郷スポー
ツクラブ」が設立され、各種スポーツ大会や教室を実施するなど、各団体が主体となって運営
していく取組みにより、各団体の活性化につながっています。
しかし、近年、住民のスポーツ活動が多様化しており、様々な種目のスポーツが要求される
とともに、スポーツに関わっていない住民の参加意識をいかにして高めるか、また、ニーズに
対応していくかが課題となっています。
このような課題解決と村の活性化に向けて、「スポーツ」「健康づくり」は欠かせない施策で
あるため、今後の村のスポーツ振興を図るために、これまで以上に関係団体が連携を図り、各
団体の育成や指導者の養成、ニーズに対応したイベントの開催など、スポーツによる地域づく
りが必要となってきています。
(1)スポーツ活動の展開
①年代に対応したスポーツ・健康教室を開催します。
②各種スポーツ大会等の開催(スポーツ月間、チャレンジデー等)を継続して進めます。
③学校体育施設及び社会体育施設の利用促進を図ります。
(2)各種スポーツ団体の育成と活動支援
施
①体育協会の組織機能の充実を図ります。
策
②スポーツ少年団の育成と活動支援に努めます。
の
③総合型地域スポーツクラブの育成と活動支援に努めます。
方
向 (3)指導者の確保と資質の向上
①スポーツ推進委員の研修の充実を図ります。
②スポーツ少年団指導者の確保と育成に努めます。
③新たな指導者の発掘と人材の育成に努めます。
(4)体育施設の整備・充実及び有効活用
①各種スポーツの拠点づくりのための整備及び設備の充実を図ります。
②各体育施設の維持管理と活用を図ります。
③各種スポーツニーズに対応した用具・設備の充実を図ります。
目標とする指標
現状値(H22)
目標値(H32)
成人が週1回以上スポーツする割合
33.3%
50.0%
- 40 -
第4章
1
生きがいを持ち共に支え合う地域づくり
健康づくりの推進
■基本目標
健康づくりの推進と病気の早期発見体制の確立、及びすべての住民が健康でやすらぎに満
ちた暮らしのために、基盤となる福祉・健康・医療施策の充実を図ります。このため、自らが進ん
で健康づくりに取り組める環境の整備、健康増進や介護予防に取り組める体制づくり、高齢者
や障害者も含めた住民みんなが助け合いながら福祉活動に参加できる取り組みを進めます。
現
状
と
課
題
村の医療費上位疾患は、がん・循環器・認知症となっています。(国保統計による)
また、村の自殺者の過去の特徴は男性で65才以上が多い傾向にあります。複雑な現代社
会においては、自殺する多くが「うつ病」との関係があると言われています。
近年の村の受診率は、肺がん検診は低率ですが、他のがん検診は高率という状況であり、
母子健診及び予防接種の受診率は高率であります。これらのことから、病気の早期発見・早
期治療に結びつくよう指導を充実していくことが必要です。
更に、歯科対策については、指定医療機関の受診率が低いため、引き続き積極的な取り
組みが必要です。
(1)ドック・がん検診を住民がより受けやすい検診体制を確立
①村国保診療所と連携の上、大腸検診及び胃検診受診者への助成の実施に取り組みま
す。
②肺がん検診を総合健診時40才以上から64才までを対象に推進します。
施
③脳ドック助成枠の拡大の実施に努めます。
策
の (2)生涯にわたり自分の歯を保つような取り組み
方
①各年代に応じた保健指導の実施に努めます。
向
②歯周病予防事業を実施し、更に充実を図ります。
(3)自殺予防に関する情報の提供と普及啓発活動の実施
①関係機関と連携の上、自殺予防対策に取り組みます。
②高齢者ハイリスク者への訪問の実施を進めます。
(4)妊産婦・乳幼児の保健指導の強化
・各年代に応じた保健指導の実施・強化に努めます。
(5)健康的な食生活の推進
・各年代に応じた栄養指導を行う体制を充実させます。
- 41 -
2
高齢者福祉の充実
■基本目標
高齢者の生きがいづくりの推進と安心して暮らせる福祉サービスの提供を図ります。
また福祉サービスの拠点として、多様なニーズや需要に応じた施設サービスや居宅支援事業
等を提供していくこととし、改修等の整備を推進します。
現
状
と
課
題
65歳以上の高齢者は住民全体の33%と高齢化が進み、さらに65歳以上の一人暮らし世
帯が81世帯、65歳以上の高齢者のみの世帯が69世帯となっています。
高齢化と平均寿命の延びが進行している現状であり、高齢者が健康で生きがいを感じて日
々の生活を送ることが重要です。
高齢者が寝たきりや認知症等の要介護者にならないためにも、介護予防事業や健康づくり
事業を充実させ、長年培ってきた豊富な知識と経験を生かす場面をつくり、積極的な社会参
加を推進することが必要です。
介護保険制度の円滑な運営を進め、ニーズに沿った高齢者福祉施設の整備や在宅介護
サービスの充実、在宅介護者への支援などの充実を図ります。
(1)高齢者の生きがいづくり
①元気な高齢者が知識や経験を生かし、自身や地域のために様々な活動ができるような
環境づくりに努めるとともに、老人クラブや各種サークル、ボランティア団体の活動を積極
的に支援します。
施
②高齢者が地域において安心して生活できるよう、日常生活に関する情報提供や健康相
策
談、家庭訪問などの実施に努めるとともに、社会福祉協議会や民生委員などの関係者の
の
協力を得ながら、高齢者が共に支え合える地域づくりを進めます。
方
向 (2)福祉サービスの基盤整備
①介護を必要とする方が十分なサービスが利用できるよう、サービス提供事業者と連携して
基盤整備を進め、介護保険制度を円滑に運営するとともに、雪下ろしなど地域生活に必
要なサービスの提供に努めます。
②健康寿命の延伸を図るため、高齢者それぞれの身体状況にあった介護予防事業を積極
的に実施します。
③地域包括支援センターが中心となり、適切な情報提供を行い、福祉サービスを利用する
際の手続きを援助するなど、高齢者の権利擁護を進めます。
- 42 -
3
少子化対策の推進
■基本目標
子どもの健やかな成長を支援し、子育てにかかる経済的負担を軽減するためするため、妊婦
健診の充実など安心して出産できる環境づくり、各種手当や乳幼児医療費に対する助成の実
施、ひとり親家庭等に対する支援を推進します。
現
状
と
課
題
当村における出生数は年々減少しており、子育てに夢や希望を持てるような支援策の充実
が求められています。
また、県が行った子育て家庭に対するアンケートでは、「子育てにお金がかかる」と回答して
いる人の割合が増加しており、安定的・継続的に支援を行い、安心して子どもを生み育てや
すい地域づくりを進めていく必要があります。
ここ数年、ひとり親家庭が増えており、家庭の養育力が低下しています。このため、地域や
社会の子育て力を高める必要があります。併せて、脱少子化に向けて、官民一体で取り組む
独身男女を対象とした婚活事業を進めることが重要です。
更に、近年、児童虐待が社会問題となっており、虐待防止の推進、早期発見の体制づくり
が必要になっています。
(1)子どもの健やかな成長支援
・母親の健康保持と子どもの健やかな成長のため、妊婦健診の充実を図るとともに、不妊治
療費に対する助成を拡充するほか、不妊に関する相談・情報提供を行います。
施
策
の
方
向
(2)子育て家庭に対する経済的支援
①すこやか子育て支援事業を継続実施し、手当を行うほか出生祝い金やおむつ代の助成
を行います。
②乳幼児に対する福祉医療の適正な実施、並びに児童の医療費に対する助成を中学生
まで拡充します。
③子育て世帯の経費負担の軽減を図るため、小中学校で実施する修学旅行費に対して助
成を行います。
(3)要保護児童対策の充実
①要保護児童対策地域協議会を積極的に活用し、児童相談所、福祉事務所と連携しなが
ら児童虐待の防止や早期発見に努めます。
②児童相談員の設置などにより、子育て家庭における相談に対応し、家庭訪問を行うなど
子どもに対する支援を推進します。
(4)ひとり親家庭への支援
・ひとり親家庭就業・自立支援センターなど関係機関と連携しながら、生活相談や就業支
援を行います。
(5)出会いの場の創出
・村内の青年団体と連携し、官民一体で独身者を対象にした婚活事業等に継続して取り
組みます。
- 43 -
4
障がい者(児)福祉の充実
■基本目標
村民の一人ひとりが障がい及び障がい児者について正しい認識を持つとともに、これらの方
々が日常生活や社会生活を営んでいく上で、その能力を最大限に発揮できるような福祉サービ
スの充実を図り、生活環境や就労の場など様々な体制整備を進めます。
現
状
と
課
題
本村における身体障がい者手帳所持者数は微増傾向にあり、そのうちの8割以上が65歳
以上となっています。今後は、介護保険制度をはじめとした高齢者福祉施策との連携をこれま
で以上に図っていく必要があります。
障がい福祉サービスの利用者数はここ数年横ばいですが、将来の就業等を目指して自立
訓練のサービスを利用する方が増えており、訓練事業所の確保が課題となっています。
発達障がい者支援法が施行されるなど、障がいの早期発見をし、関係機関との更なる連携
が必要になっています。
(1)障がい児者の自立と社会参加を促進するサービスの充実
①サービスの基盤整備については、湯沢雄勝圏域を中心に、近隣市町村を含め、サービ
ス提供事業者と連携しながら進めていきます。
②日中一時支援事業や福祉用具の品目を充実するなど、居宅における障がい児者及びそ
の家族の生活を支援します。
施
策
の
方
向
(2)相談支援体制の整備
①乳幼児期の健康診査等により障がいの早期発見に努め、保健師等を中心とした健康相
談や家庭訪問の実施を継続します。
②指定相談支援事業所と連携し、相談者の問題解決に丁寧に対応するほか、「湯沢雄勝
地域包括支援ネットワーク協議会」を活用し、相談・処遇業務の向上に努めます。
③成年後見制度等を活用して、障がい児者の自己決定、権利擁護、財産保護等を支援す
るほか、虐待の防止及び解決を図るための体制づくりを検討します。
(3)バリアフリー社会の整備
①今後も村の広報やホームページ等を活用して、各種制度の周知や障がい児者に対する
理解の促進に努めます。
②関係機関と連携し、障がい児者と村民がふれ合い、理解し合う機会づくりを進めます。
③公共施設、交通機関、情報等様々なバリアフリー化を進めるほか、障がい者の住宅改修
について、日常生活用具給付等事業や介護保険制度を活用して利用の拡大を図りま
す。
- 44 -
5
医療体制の強化
■基本目標
医療の確保の方針については、県平均を上回る高齢化が進行し、老人医療の需要が増加す
る一方、医師の不足が顕在化しており、十分な医療サービスが受けることができないことも想定
されることから、広域的な医療体制を確立し、予防からリハビリまで一貫した体制づくりをめざし
ます。
また、医学生の奨学資金制度の創設や情報通信網を活用した遠隔医療システムの構築、併
せて、巡回診療の推進や休日夜間の診療体制の充実など様々な医療ネットワークの形成に努
めます。
現
診療施設については、拠点となる国保診療所の充実が不可欠であり、医師の確保や体制
状 づくりが最大の課題となっています。
と
一方では、保健センター(併設)や包括支援センターなど「医療」「福祉」「保健」の連携強化
課 が求められており、住民の健康を守るために、今後とも計画的な医療機器や患者輸送車など
題 の更新及び施設の整備が必要となっています。
(1)医療体制づくりの推進
①診療施設については、急速に進行している高齢化社会に対応するため、地域にあった
対策を講ずることが必要であり、予防から診断、治療、リハビリなど一貫した医療サービ
スが受けられる体制づくりを推進します。
②広域圏内における休日夜間診療など診療体制の整備を引き続き推進します。
施 (2)医師の確保
策
・体制づくりには、計画的な人材の育成や確保が不可欠であり、医学生に対する奨学資
の
金貸付制度の拡充により医師の確保に努めます。
方
向 (3)医療システムの構築
・情報通信網を活用して、中核医療施設等との遠隔医療システム構築を検討します。
(4)患者輸送車等の運行と整備
①住民が安心して医療機関を利用できるよう、地理的条件からも計画的な患者輸送車の整
備と運行を推進します。
②救急医療用の医療機器等を装備したヘリコプター(ドクターヘリ)が、村内で利用しやす
いようなヘリポートの確保等の体制整備を図ります。
(5)医療機器等の充実
・医療機器等の充実については、計画的な機器の更新、老朽化した国保診療所医師住
宅の整備を行うとともに、歯科診療や薬局などとの連携を図りながら、地域医療ネットワー
クサービスの充実を目指します。
- 45 -
第5章
1
人にやさしく住みよい基盤づくり
道路整備の推進
■基本目標
生活道路の利便性の向上と冬期間の交通確保のために、集落内道路及び集落と集落を結
ぶ道路の整備を推進します。特に、冬期間の交通と安全な道路の確保のため、きめ細かい管理
体制づくりを推進します。更に、国道342号と国道397号及び県道横手東成瀬線の主要幹線
道路の通年通行化を引き続き目指します。
また、橋りょうを補修し、住民の安全・安心な通行を推進します。
現
状
と
課
題
施
策
の
方
向
集落内道路は狭あいであり、車が交叉することが容易でない状況です。特に、冬期間は狭
あいとなり流雪用水利も課題となっています。このため、安全・安心な通行及び冬期間の交通
確保を図る必要があります。
村内には、国道342号397号の2路線があり、生活の利便性や産業活動の基盤として村の
発展に大きく寄与しているところです。
しかし、両国道とも積雪のため11月から冬期閉鎖となっており、国道342号は4月下旬に国
道397号は5月中旬に開通している状況です。
更に、県道仁郷大湯線も5月下旬の開通となるため、国道342号・398号と同時に開通する
ことで、圏域周遊観光の増加による地域経済の波及効果が見込まれますが、一日も早い同路
線の整備が望まれています。
また、村管理橋りょうは、建設後50年経過する橋が年々増加しています。高齢化を迎える
橋りょう群に対して従来の維持管理を続けた場合、橋りょうの修繕・架け替えに要する費用が
増大となります。橋りょうの損傷が大きくなる前に予防的な対策へ転換させ橋りょうの延命を図
る必要があります。
(1)村道の整備と冬期交通の確保
①道路の改良と舗装の整備に努めます。
②冬期交通の確保と安全対策の万全化に努めます。
③除雪体制の綿密化を図り、管理体制の強化と交通安全対策の強化に努めます。
④高齢化社会に対応したきめ細かい交通の確保や除雪体制に努めます。
⑤道路整備に併せて水利確保対策も推進します。
(2)通年通行化の推進
①冬期間の通行止めによる袋小路の解消を図るため、引き続き国道及び県道の通年通行
化運動を推進し、関係機関に強く要望していきます。
②隣県や近隣市町村との連携及び交流を通じて、広域的な要望活動を推進していきます。
③村内の観光地の利用向上及び生活圏の拡充を図るため、通行止め期間の短縮を強く要
望していきます。
(3)橋りょうの維持管理
①橋りょう点検・長寿命化修繕計画を実施し橋りょうの損傷等の把握に取り組みます。
②長寿命化修繕計画策定に基づき順次橋りょう補修に努めます。
- 46 -
目標とする指標
現状値(H22)
目標値(H32)
村道の改良率
63.7%
70.0%
- 47 -
2
交通の利便性の確保
■基本目標
高齢者や障がい者、学生等の交通弱者の移動には、公共交通が欠かせないものとなってお
り、地域のニーズに適応した公共交通の確保を図るとともに、利便性に配慮した交通システムの
整備に努めます。
また、各輸送会社とも連携し、村民や観光客等の高速交通体系を推進します。
現 自家用車の保有率が高くなっている中でも、村民の生活交通の確保を図るため、幹線となる
状 バス路線の維持確保に加え、地域の実情に応じた交通システムの構築が必要不可欠の課題
と となっています。
課
また、村民及び村内外からの観光客の交通の利便性が悪いため、更に高速交通体系の推
題 進を図る必要があります。
施
策
の
方
向
(1)交通手段の確保
①交通手段の確保については、村内唯一の公共交通である路線バスの確保が課題であ
り、小中学生の通学バス利用に加え、高校の通学や会社の通勤、高齢者等の買い物で
の利用増加に努めるとともに、バス低床化や規格の縮小化による路線の維持要望及び
定期利用者への支援対策を推進します。
②村内においては、バス利用の良さや重要性を認識してもらうため、健康増進バスや自然
体験バス・巡回バス・生活路線バスなどの運行や新たな交通システムの検討などを通じ
て利用者の確保や増加に努めます。
(2)高速交通体系の推進
①村民や村内外観光客等の交通利便性の向上を図るため、鉄道会社やバス会社へ協力・
支援を要望していきます。
②各種期成同盟会との連携を図り、山形新幹線の延伸や高規格道路の整備を求め、高速
交通体系整備とアクセスの利便性確保を進めていきます。
- 48 -
3
高度情報化の促進
■基本目標
高度情報化の促進については、地域の自立促進に有効な方策であり、光ファイバ網による産
業活動等を展開するとともに、携帯電話サービスで選択肢の少ない情報通信格差の是正や難
視聴対策に取り組みます。
現 情報通信基盤の整備については、地域の自立促進に有効な方策であり、光ファイバ網によ
状 る産業活動等を展開するとともに、引き続き携帯電話サービスで選択肢の少ない情報通信格
と 差の是正やテレビ・ラジオ等の難視聴対策への取り組みが期待されています。
課
題
施
策
の
方
向
(1)情報通信施設の整備・活用
①情報通信基盤の整備については、基盤となる光ファイバ網の整備が終了していることか
ら、本村の実情にあった福祉・医療・産業・観光への活用システムづくりを検討します。
②日進月歩の情報化社会に対応するため、常に新しい情報通信設備(ソフト含む)を活用
した取り組みに努めます。特に、動画配信等新たな媒体を活用した情報網を構築し、積
極的な事業展開を図ります。
③テレビ・ラジオ施設の整備については、今後の施設老朽化が懸念される各地区テレビ受
信組合の施設改修と、ラジオ放送の受信状況が悪いことから、その解消対策を引き続き
推進します。
④携帯通話エリアについては、居住地における不感地帯は解消されているものの、通信サ
ービス会社の選択肢が少ないことへの不満も大きく、その改善に向けて施設改良の要望
を促進します。
⑤防災行政放送については、防災無線放送システムの整備を推進します。
⑥村民が情報通信基盤の恩恵を受けられるように、情報収集機器の操作の習得を図るた
めの、パソコン教室などを進めます。
目標とする指標
現状値(H22)
目標値(H32)
インターネット利用率
33.9%
60.0%
- 49 -
4
地域間交流の推進
■基本目標
地域間交流については、本村が持つ自然や癒やしなどの特徴を活かした交流を推進するとと
もに、日本で最も美しい村連合の加盟自治体及び国外友好団体などとの交流事業を村内各種
団体の協力を得ながら取り組みます。
現
状
と
課
題
施
策
の
方
向
地域間交流については、本村の豊富な自然を「山岳」や「街道」、「河川」等部門別的な視点
に立った交流を通じた他地域からの移住、あるいは二地域居住対策などの地域づくりが必要
となっています。更に、本村が持つ「癒やし」「もてなし」といった農山村の地域資源(自然、景
観、文化など)に加え、環境保全などの多面的機能を持った交流施設が着目されつつあるこ
とから、グリーンツーリズムや交流の受け入れ先の確保、組織や人材の育成などが必要となっ
ています。
(1)地域間交流事業等の推進
①本村が持つ「癒やし」「もてなし」といった農山村の地域資源(自然、景観、文化など)や、
環境保全などの多面的機能を活かした交流(国内外)を推進するとともに、豊富な自然を
「山岳」や「街道」、「河川」等部門別的な視点に立った交流として、植林やクリーンアップ
活動を行い、交流を通じた他地域からの移住あるいは二地域居住対策を図るなど、共生
・協働の地域づくりを進めます。
②本村と都市部との交流や県や近隣市町村(定住自立圏共生ビジョン含)との交流事業を
推進するため、地域間を結ぶ広域的な新たな交通体系の整備に加え、情報通信網を活
かした交流や連携などを促進します。
③日本で最も美しい村連合の加盟自治体との交流事業を積極的に進め、村民に村の良さ
を再認識するような施策を進めます。
④東日本大震災で交流が始まった自治体や各種団体とも交流を進め、物産交流も含めて
人的交流も進めていきます。
⑤国外の友好団体や新たな交流団体との交流など、国際交流の推進にも努めます。
(2)各種団体等の組織づくりと支援
①地域に根ざしたグリーンツーリズムの推進や定着化を図るため、交流の受け入れ先の確
保や育成などに積極的に取り組みます。
②地域交流施設等(成瀬川交流館・まるごと自然館等)での体験学習など多種多様な事業
に対応する施設整備を推進するとともに、団体(組織)や人材の育成に取り組みます。
③各種団体との交流事業を進めるため、新たな若い世代のボランティア組織等の活用や協
力を得て、元気で活力あるイベント等の開催に取り組みます。
④地域おこし団体(NPO等)の創設を積極的に支援します。
- 50 -
5
集落コミュニティの活性化
■基本目標
村民一人ひとりが地域社会の一員としての意識を高め、社会活動やボランティア活動で活躍
できるよう、参加を支援し住民組織の育成を進めます。
現
状
と
課
題
施
策
の
方
向
集落支援の方針については、単に居住地ということではなく、農地や森林などを保全する機
能も果たしており、今後も高齢化集落が増加していくものの、集落機能の維持や再編が重要
となってきます。
そのためには、空き家対策を含めたAターン者への支援の他、集落支援員*の設置や他地
域からの地域おこし協力隊*等の導入が必要です。
一方では、地域住民の主体的且つ自発的な対策を推進し、地域の自立促進につながる仕
組みづくりを目指す必要もあります。
また、今後はリーダーとなる人材を育成し、地域ぐるみで社会活動に取り組むことができるコ
ミュニティづくりが必要となってきます。
(1)集落の活性化と地域づくり活動の推進
①空き家等を活用したAターン者の受け入れや集落支援員、地域おこし協力隊の導入な
どを検討します。
②隣接する集落との協力・連携しながら、集落に適合した施設設備の整備や、移送サービ
ス・除排雪サービス、耕作放棄防止対策などに地域自らが取り組み、地域活性化に資す
る体制づくりと支援策を推進します。
③各地域づくり団体(各自治会等含む)が、主体的に進める地域づくりの活動に対して支援
するとともに、協力・連携して住みよい地域づくりの形成に努めます。
(2)自主活動拠点の形成
・集会所や公園などの施設機能を充実し、地域の自主活動拠点として利用促進を各自治
会等の協力を得て図っていきます。
(3)ボランティア活動の支援
①地域住民が学校教育や子育てに参画できる仕組みづくりを推進します。
②元気な高齢者がひとり暮らしの高齢者のところへ巡回することや、要介護世帯への巡回
など、地域住民が福祉活動に参加できる仕組みづくりに努めます。
③地域のリーダーとなる人材を育成するため、各種研修会等の機会の情報提供と参加の
促進を図ります。
*集落支援員:集落への「目配り」として、集落の巡回、状況把握等
を行う。また、集落点検の実施、住民と住民・住民と市町村との間
での話し合いを促進するなど、市町村職員や集落住民とともに、
集落対策を推進する者をいう。
*地域おこし協力隊:おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治
体の委嘱を受け、地域で生活し、農林漁業の応援、水源保全・監
視活動、住民の生活支援などの各種の地域協力活動に従事する
者をいう。
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