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水の性質と毛管作用
土壌圏物理学 05/09/2012 図2.1 氷の構造 水の分子 0.97Å H ●酸素原子 ○水素原子 O 105° H ≈3Å 液体の水の構造 イオンの水和 イオンの水和半径と結晶半径 Na+ K+ イオン Li+ 結晶半径Å 0.6 0.95 水和半径Å 2.38 1.84 水の性質(特異な流体) 酸性とアルカリ性 (pH) z水の電離 1.33 1.25 1. 高い融点と沸点 H2Sの沸点-60.7℃ 2. 高い融解熱(3.35×105Jkg-1 = 80 cal g-1)と 気化熱(沸点で2.26×106Jkg-1 = 540 cal g-1, メタノール,エタノールの2倍,アセトン,ベン ゼンの10倍) 3. 高い比熱(4185.8Jkg-1K-1= 80 cal g-1,鉄の 10倍,乾いた土の5倍) 4. 高い誘電率ε(水80,メタノール33,空気 1.006) 1 q1q2 F F F= -q +q F 4πε r 2 r H 2 O R H + + OH - z水のイオン積 [H+][OH-]=1×10-14(mol/l)2 z pH=log101/ [H+]= - log10 [H+] 1 土壌圏物理学 05/09/2012 • 課題: 水の持つ特異的な性質をひとつ取り 上げ,その理由をできるだけ詳しく説明し なさい。(たとえば,水の密度が4℃で最大 になるのはなぜか。) 。 表面張力 表面張力(表面が縮まろうとする力) 水分子には互いに引き合う力が作用 もっとも表面積が小さい のは球形 盛りあがるコップの水 下方への力 力のつりあい 水・空気界面では,上方の引力が小さい結果,下方への力が作用 表面の水分子には内部に向かう力が働いている。 表面では,水分子が互いに引き合い,表面が縮まろうとする力が働く 図2.2 水分子に働く力 図2.3 界面の液相と気相の圧力 界面の水分子に働く正味の力 2 土壌圏物理学 05/09/2012 ぬれ(接触角 γ ) 図5 固体と液体の接触角 疎水的(hydrophobic) 親水的(hydrophilic) 濡れるとき(親水的) はじくとき(疎水的) 毛管現象 凝集しようとする力とぬれによって水面形が決まる さらに間隔を小さくする p s < pr = 0 毛細管を引き上げると,水は保持される。 なぜ水は上昇するか? なぜ水はある高さまでしか上昇しないのか? 親水的(hydrophilic) ps pr 図2.6 毛管上昇 凝集しようとする力とぬれによって水面形が決まる さらに間隔を小さくする H= 2σ cos γ ρ w gR γ=0のとき, 0.15 R (cm unit) H= H p s > pr = 0 疎水的(hydrophobic) pr R: 毛管半径 • ps 3 例題2.2, 2.3を参考に上の関係を導きなさい。 土壌圏物理学 05/09/2012 毛細管半径と上昇高さ 250 上昇高さ h (m) 200 150 100 根元周 31.3m 根元最大直径 11.1m 胸高周 25.3m 樹高 83.8m 枝下 39.6m 地上18mの幹直径5.3m 最大枝の直径 2.1m 体積 1486.6立方m 推定樹齢 2000∼2700年 50 0 0.00001 0.0001 0.001 0.01 毛細管径 r (mm) 0.1 1 10 • の大きさ,界面の形状の3点から説明しなさい。 毛管上昇の生じる理由について,接触角,毛管 • 50m以上のセコイアの木が,水を吸水できること について論じなさい。(毛管上昇だけでは不十 分??) • この毛細管を1mで切断したとき,管の先から水 0.01mmの毛細管の上昇高さが1.5mとする。もし があふれ出るだろうか??もしあふれ出るとする と, 永久機関 のポンプとなる。矛盾点について 論じなさい。 4