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2010年度データ(PDF)

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2010年度データ(PDF)
都における温室効果ガス排出量総合調査
(2010(平成 22)年度実績)
平成 25 年 3 月
東京都環境局
目
次
1 .世界の中の東京 ................................................................................................... 1
2 .温室効果ガス総排出量 ........................................................................................ 2
(1)算出の考え方 .......................................................................................................................... 2
(2)温室効果ガス総排出量 ............................................................................................................ 3
(3)二酸化炭素排出量 ................................................................................................................... 5
(4)その他の温室効果ガス排出量 ............................................................................................... 22
3 .図表目次 ............................................................................................................ 26
1.世界の中の東京
1.世界の中の東京
・図 1-1 は、2010 年の AnnexⅠ※における国別の温室効果ガス(以下 GHG:Greenhouse Gas とする)
について多い順に示したものである。
・日本は、AnnexⅠの中で、米国、ロシアに続いて 3 番目に排出量が多い。東京は 28 位のアイルランド
と 29 位のスイスの間に位置する。
(注※)気候変動枠組条約の付属書 I に記載される国々。具体的な数値目標は、京都議定書の付属書 B によって規定
されている。京都メカニズムの議論の中では、付属書 I 国のことを、「先進国」と言い換えることもある。
6,802
アメリカ
ロシア
日本
ドイツ
カナダ
イギリス
オーストラリア
フランス
イタリア
トルコ
ポーランド
ウクライナ
スペイン
オランダ
チェコ
ベルギー
ルーマニア
ギリシャ
ベラルーシ
オーストリア
フィンランド
ニュージーランド
ポルトガル
ハンガリー
スウェーデン
デンマーク
ブルガリア
アイルランド
スイス
ノルウェー
2,202
1,258
937
692
594
543
528
501
402
401
383
356
210
139
132
121
118
89
85
75
72
71
68
66
63
61
61
54
東京都はここに位置する
57百万トン
54
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
6,500
7,000
単位:百万t-CO2eq
図 1-1 温室効果ガス排出量(2010 年)
(注)単位の CO2eq とは、“CO2 equivalent”の略であり、地球温暖化係数(GWP)を用いて CO2 相当量に換算した値。
百万 t-CO2eq は百万 t の二酸化炭素相当量となる。なお、吸収源は除いている。
(出典)附属書 I 国の温室効果ガス排出量データ(1990~2010 年)
(温室効果ガスインベントリオフィス)
1
2.温室効果ガス総排出量
2.温室効果ガス総排出量
(1)算出の考え方
・本報告書は、東京都内において排出される GHG 排出実績についてとりまとめたものである。
・対象とした温室効果ガスは、京都議定書において対象とした、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一
酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふ
っ化硫黄(SF6)の 6 種類である。
・なお、二酸化炭素以外の温室効果ガス(CH4、N2O、HFCs、PFCs、SF6)については、「その他の温室
効果ガス」と表記することとする。
・本報告書は、環境省による「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル」を
ベースとして算出している。同マニュアルは、都道府県単位での GHG 排出量の算定方法について記載
されているが、このマニュアルによる算定方法よりも都の実態を反映した方が妥当であると考えられる
ものなどや、算出方法の改善が必要であると思われるものについては、最新の知見を用いた算出方法を
採用している。
・従って、今後も新たな知見により妥当性のある算出方法が提案された場合は、積極的に採用し算出方法
を見直していくこととする。
・本来、電力の二酸化炭素排出係数は、原子力発電所の稼働状況等により表 2-2 のとおり毎年変動する
ものである。都の調査では、電力の二酸化炭素排出係数の経年変化に伴う電力消費起源の二酸化炭素排
出量の変動要因を除外するため、2001 年度以降電力の二酸化炭素排出係数を 2001 年度の係数(0.318
[kg-CO2/kWh]
)に固定して算出している。
・都が取り組む気候変動対策は、都内の都市活動に伴う温室効果ガスの排出抑制を対策の対象とするため、
運輸部門における排出量については、自動車では都内の自動車交通量を、鉄道、航空、船舶では、都内
運航量を基準に算定している。
・なお、表示している数値は端数を四捨五入しているため、表中の合計が表に提示されている合計値と合
致しないことがある。
表 2-1 温室効果ガスと主な排出源
6 ガス
CO2
二酸化炭素
CH4
メタン
N2O
一酸化二窒素
地球温暖化係数
主な排出源
1 燃料の燃焼、廃棄物の燃焼、工業プロセスなど
21 農業、廃棄物、燃料からの漏出、燃料の燃焼、工業プロセスなど
310 農業、廃棄物、燃料の燃焼、工業プロセスなど
HFCs
ハイドロフルオロカーボン類
数十~1 万程度 他のガスの副生、冷媒、発泡剤、エアゾールなど
PFCs
パーフルオロカーボン類
数千~1 万程度 半導体製造、洗浄など
SF6
六ふっ化硫黄
23,900 絶縁機器、半導体製造など
(注)地球温暖化係数とは、温室効果ガスの温室効果の度合いを示す値で、二酸化炭素を 1 としたときの比で表す。
表 2-2 本調査に用いた電力の二酸化炭素排出係数
(単位:kg-CO2/kWh)
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
係数 0.380 0.385 0.390 0.367 0.378 0.358 0.336 0.335 0.315 0.326 0.328 0.318 0.381 0.460 0.383 0.372 0.345 0.428 0.420 0.388 0.377
(注)本計算では 2001 年度以降の電力の排出係数は、2001 年度と同値としている。
東京電力および PPS 各社の排出係数より作成。
2
2.温室効果ガス総排出量
(2)温室効果ガス総排出量
・2010 年度の温室効果ガス総排出量は、二酸化炭素換算で 5,725 万 t であり、京都議定書の規定による基
準年(※)の総排出量である 5,781 万 t に比べると 1.0%の減少となっている。
・2000 年度以降を見ると概ね減少傾向にあり、2010 年度は 2000 年度の 6,183 万 t に比べると、7.4%の
減少となっている。
(注※)二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の基準年は 1990 年、HFC 等 3 ガス(HFCs、PFCs、SF6)については 1995
年を基準年としている。
(万t-CO2 eq)
7,000
HFCs等3ガス
6,011
6,137
5,781 5,711
6,000
5,950
6,192 6,170
6,053 6,121 6,031 6,080
6,183
5,946 6,038 5,864 5,905 5,998
5,841 5,850 5,744
5,665 5,725
N2 O
CH4
CO 2
5,000
基準年
4,000
3,000
2,000
1,000
0
(年度)
基準年 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
図 2-1 東京都における温室効果ガス総排出量の推移
表 2-3 東京都における温室効果ガス総排出量の推移
(単位:万 t-CO2eq)
基準年度 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
二酸化炭素
メタン
5,440 5,440 5,729 5,851 5,670 5,909 5,816 5,686 5,748 5,675 5,768 5,888 5,667 5,768 5,601 5,651 5,740 5,584 5,580 5,456 5,362 5,408
185
185
190
193
195
194
191
183
169
152
134
117
102
89
77
67
60
56
53
52
51
一酸化二窒素
86
86
92
93
85
89
94
99
100
100
104
102
98
98
95
91
92
83
76
73
69
61
HFCs
29
29
42
54
61
62
68
70
77
86
94
103
116
138
162
180
204
PFCs
25
25
26
31
27
7
4
3
3
3
0
0
0
0
0
0
0
SF6
17
17
18
20
16
7
4
7
3
3
2
2
3
2
3
2
2
合計
50
5,781 5,711 6,011 6,137 5,950 6,192 6,170 6,053 6,121 6,031 6,080 6,183 5,946 6,038 5,864 5,905 5,998 5,841 5,850 5,744 5,665 5,725
(注)表記上“0”となっている数値についても、僅かながら排出量が存在する。
基準年度:京都議定書の規定による基準年度
2000 年度:都の目標における基準年度
3
2.温室効果ガス総排出量
・温室効果ガス総排出量のうち、二酸化炭素排出量の占める割合は 2010 年度で 94.5%であり、1990 年度
から 0.4 ポイント増加、2000 年度から 0.7 ポイント減少している。
・2010 年度における温室効果ガス別の排出量割合を全国と比較すると、東京都の二酸化炭素排出量割合
は、全国とほぼ同様の割合(94.8%)となっている。
1.2%
1.2%
1.5%
1.6%
HFC等3ガス
3.6%
100%
90%
80%
1.9%
3.2%
70%
60%
CO2
95.2%
CO2
94.1%
50%
40%
4.1%
2.6%
2.6%
2.2%
HFC等3ガス
1.9%
100%
N2O
1.1%
90%
CH4
0.9%
70%
80%
2.6%
N2O
1.8%
1.9%
CH4
1.6%
60%
CO2
94.5%
50%
40%
30%
30%
20%
20%
CO2
94.8%
CO2
93.3%
CO2
90.7%
10%
10%
0%
0%
基準年
2000年度
基準年
2010年度
(5,781万t-CO2eq) (6,183万t-CO2eq)
(12.6億t-CO2eq)
(5,725万t-CO2eq)
東京都
2000年度
(13.4億t-CO2eq)
2010年度
(12.6億t-CO2eq)
全国
図 2-2 東京都と全国の温室効果ガス別排出量の構成比
(出典)日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2010 年度) 確定値(温室効果ガスインベントリオフィス)
(億t-CO2 eq)
(万t-CO2 eq)
16
7,000
HFC等3ガス
6,000
5,781
6,183
(+9%)
HFC等3ガス
5,725
N2 O
N2 O
5,000
14
(-31%)
12
(-40%)
CH4
(-57%)
(-37%)
3,000
10
CH4
13.4
12.6
(+18%)
4,000
HFC等3ガス
HFC等3ガス
(+170%)
(-34%)
N2 O
N2 O
(-11)
(-24%)
CH4
CH4
(-23%)
(-21%)
12.6
8
CO2
CO2
(+8%)
(-8%)
6
2,000
CO2
CO2
(+9%)
(-5%)
4
1,000
2
0
0
基準年
2000年度
2010年度
東京都
基準年
2000年度
2010年度
全国
図 2-3 東京都と全国の温室効果ガス別排出量の伸び
(注)
( )内はそれぞれ基準年度比 2000 年度の伸び、2000 年度比 2010 年度の伸びを示す。
(出典)日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2010 年度) 確定値(温室効果ガスインベントリオフィス)
4
2.温室効果ガス総排出量
(3)二酸化炭素排出量
①二酸化炭素排出量の概観
・2010 年度の二酸化炭素排出量は、5,408 万 t であり、1990 年度の排出量である 5,440 万 t に比べると
0.6%の減少、2000 年度の 5,888 万 t に比べると 8.2%の減少となっている。
・2000 年度比 2010 年度の伸び率は、産業部門と運輸部門でそれぞれ 28%、33%の減少となり、一方で、
業務部門と家庭部門はそれぞれ 6%、9%の増加となっている。
・2010 年度における部門別の構成比は、業務部門(37%)が大きく、家庭部門(29%)
、運輸部門(22%)
と続いている。
(万t-CO2 )
7,000
6,000
5,440
5,729 5,851
5,670
5,909 5,816
5,686 5,748
5,675 5,768
5,888
5,667 5,768 5,601
5,651 5,740 5,584 5,580
5,456 5,362
5,408
産業部門(9%)
5,000
4,000
業務部門(37%)
3,000
2,000
家庭部門(29%)
1,000
運輸部門(22%)
その他(3%)
0
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
(年度)
図 2-4 東京都における二酸化炭素排出量の推移
100%
90%
産業部門
18.1%
産業部門
11.5%
産業部門
9.1%
業務部門
32.1%
業務部門
37.3%
80%
70%
業務部門
28.9%
60%
50%
40%
家庭部門
24.3%
家庭部門
23.9%
家庭部門
28.9%
30%
20%
10%
運輸部門
30.0%
運輸部門
27.3%
0%
1990年度
1.9%
(5,440万t-CO2 )
2000年度
運輸部門
21.8%
2.0%
(5,888万t-CO2 )
2010年度
その他※
2.9%
(5,408万t-CO2 )
図 2-5 東京都における二酸化炭素排出量の構成比
(注 1)東京都における「その他」には、廃棄物の焼却による二酸化炭素排出量が含まれる。
(注 2)全国における「エネルギー転換部門」が東京都に無いのは、東京都の各部門の需要に従い、エネルギー転換部門にお
ける二酸化炭素排出量を配分していることによる。
(注 3)全国における「工業プロセス」が東京都に無いのは、東京都においては、工業プロセスによる二酸化炭素排出がごく
少ないこと、統計的な把握が困難なことなどの理由から計上していないことによる。
5
2.温室効果ガス総排出量
・東京都の二酸化炭素排出構造を全国と比較すると、産業部門(全国 35%:東京 9%)が少なく、業務部
門(全国 18%:東京 37%)
、家庭部門(全国 14%:東京 29%)
、運輸部門(全国 19%:東京 22%)が
大きい構造となっている。
(百万t-CO2 )
1,400
1,200
1,141 1,150 1,159 1,151
1,282 1,263 1,296
1,252 1,236 1,274 1,279 1,278
1,211 1,224 1,237 1,232 1,196 1,231
1,213
1,142
1,192
エネルギー転換部門
(7%)
1,000
産業部門(35%)
800
600
業務部門(18%)
400
家庭部門(14%)
運輸部門(19%)
200
工業プロセス(3%)
廃棄物(2%)
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
(年度)
図 2-6 全国における二酸化炭素排出量の推移
(出典)日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2010 年度) 確定値(温室効果ガスインベントリオフィス)
100%
エネルギー転換部門
6.8%
5.7%
5.9%
90%
80%
70%
産業部門
37.3%
産業部門
35.4%
業務部門
16.5%
業務部門
18.2%
家庭部門
12.6%
家庭部門
14.4%
運輸部門
19.0%
運輸部門
21.2%
運輸部門 工業プロセス
19.5%
3.5%
5.3%
4.3%
産業部門
42.3%
60%
50%
40%
30%
20%
業務部門
14.4%
家庭部門
11.2%
10%
0%
1990年度 1.9%
(11.4億t-CO2 )
2000年度
2.4%
(12.5億t-CO2 )
2010年度
廃棄物部門
2.3%
(11.9億t-CO2 )
図 2-7 全国における二酸化炭素排出量の構成比
(資料)環境省、「2010 年度(平成 22 年度)の温室効果ガス排出量について」より作成
(出典)日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2010 年度) 確定値(温室効果ガスインベントリオフィス)
6
2.温室効果ガス総排出量
②二酸化炭素等の排出状況
・東京都は、全国に比べると、特に産業部門の二酸化炭素排出量が少ないという特徴があるが、これは、
農林水産物、工業製品等の多くが都外で生産され、都内に供給されており、これらに係るエネルギーの
消費に伴う二酸化炭素は、都外で排出されていることによる。
・本調査では、こうした二酸化炭素については基本的に計上せず、算出している。
・なお、電力消費に伴う二酸化炭素排出量については、販売時の二酸化炭素排出係数を用いていることか
ら、都外で発電の際に排出された量も含めて算出している。
東京都
その他の
温室効果ガス
CO2
その他の
温室効果ガス
CO2
エネルギー消費
廃棄物
都外からの供給
(農林水産物、
工業製品、
エネルギー等)
エネルギー消費
(農林水産物、工業製品等の生産、発電等)
廃棄物
都外の地域
図 2-8 都における二酸化炭素等の排出状況を示すイメージ
・2002 年度以降、電力の二酸化炭素排出係数を 2001 年度値で固定したことから、2010 年度における 2000
年度からの二酸化炭素排出量の伸びは、係数を固定しない「変動ケース」に比べ 8 ポイント小さくなっ
た。
表 2-4 部門別二酸化炭素排出量と 2010 年度までの伸び
産業部門
業務部門
家庭部門
運輸部門
その他
合 計
二酸化炭素排出量[万 t-CO2]
1990 年度
2000 年度
2009 年度
2010 年度
984
680
461
492
1,570
1,893
1,966
2,015
1,300
1,433
1,471
1,564
1,483
1,764
1,323
1,182
102
119
141
155
5,440
5,888
5,362
5,408
1990 年度比
-50.1%
28.4%
20.3%
-20.3%
51.7%
伸び率[%]
2000 年度比
-27.6%
6.5%
9.2%
-33.0%
30.1%
2009 年度比
6.7%
2.5%
6.3%
-10.7%
9.8%
-0.6%
-8.2%
0.8%
表 2-5 《参考》部門別二酸化炭素排出量と 2010 年度までの伸び(二酸化炭素排出係数変動ケース)
産業部門
業務部門
家庭部門
運輸部門
その他
1990 年度
984
1,570
1,300
1,483
102
二酸化炭素排出量[万 t-CO2]
2000 年度
2009 年度
2010 年度
680
498
523
1,893
2,255
2,242
1,433
1,670
1,747
1,764
1,350
1,206
119
141
155
1990 年度比
-46.8%
42.8%
34.4%
-18.7%
51.7%
伸び率[%]
2000 年度比
-23.0%
18.5%
21.9%
-31.7%
30.1%
2009 年度比
5.0%
-0.6%
4.6%
-10.7%
9.8%
5,440
5,888
5,915
合 計
5,873
8.0%
-0.3%
-0.7%
(注)2001 年度以降の電力の二酸化炭素排出係数を 2001 年度の係数で固定せず、当該年度の排出係数を適用した場合。
7
2.温室効果ガス総排出量
・2010 年度におけるエネルギー消費量の伸びは 1990 年度比では 3.9%増、2000 年度比では 9.8%減とな
っている。
表 2-6 部門別エネルギー消費量と 2010 年度までの伸び
産業部門
業務部門
家庭部門
運輸部門
1990 年度
129
182
172
213
合 計
エネルギー消費量[PJ]
2000 年度
2009 年度
97
67
246
254
202
210
257
193
696
802
725
2010 年度
71
259
221
172
1990 年度比
-45.2%
42.2%
28.9%
-19.3%
伸び率[%]
2000 年度比
-26.7%
5.6%
9.6%
-33.2%
2009 年度比
6.0%
2.0%
5.3%
-11.1%
723
3.9%
-9.8%
-0.2%
(万t-CO2)
2,500
2,015
電力
2,000
都市ガス
1,564
LPG
1,500
1,182
燃料油
その他
1,000
492
500
155
0
産業部門
業務部門
家庭部門
運輸部門
その他
図 2-9 東京都における部門別燃料種別二酸化炭素排出量(2010 年度)
・業務部門、家庭部門の排出量は、電力と都市ガスで 9 割以上を占めている。一方、運輸部門は、排出量
の約 9 割が自動車からの排出のため、燃料油が大部分を占める。
・2010 年度の燃料種別の二酸化炭素排出量は、電力、都市ガス消費量が 90 年度に比較し増加しているの
に対し、燃料油は減少している。特に 2000 年度から 2010 年度にかけての燃料油の減少率は大きく、燃
料油から電力及び都市ガスへの転換が進んでいることがうかがえる。
(万t-CO2 )
7,000
6,000
5,440
5,909 5,816
5,888
5,768
5,740
5,729 5,851 5,670
5,686 5,748 5,675 5,768
5,667
5,601 5,651
5,584 5,580 5,456
5,362 5,408
その他(3%)
5,000
燃料油(23%)
LPG(2%)
4,000
都市ガス(18%)
3,000
2,000
電力(54%)
1,000
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
図 2-10 東京都における燃料種別二酸化炭素排出量の推移
8
(年度)
2.温室効果ガス総排出量
2.5%
100%
2.3%
90%
燃料油
32.8%
燃料油
36.0%
80%
その他
2.9%
燃料油
23.0%
LPG
2.1%
70%
60%
50%
3.3%
3.8%
都市ガス
12.5%
都市ガス
15.7%
電力
45.2%
電力
45.8%
1990年度
2000年度
都市ガス
17.9%
40%
30%
20%
電力
54.1%
10%
0%
(5,440万t-CO2 )
(5,888万t-CO2 )
2010年度
(5,408万t-CO2 )
図 2-11 東京都における燃料種別二酸化炭素排出量の構成比
表 2-7 燃料種別二酸化炭素排出量と 2010 年度までの伸び
二酸化炭素排出量[万 t-CO2]
伸び率[%]
1990 年度
2000 年度
2009 年度
2010 年度
1990 年度比
2000 年度比
2009 年度比
2,460
2,696
2,790
2,925
18.9%
8.5%
4.8%
都市ガス
680
926
941
967
42.2%
4.4%
2.8%
LPG
208
195
135
115
-44.8%
-41.2%
-15.3%
燃料油
1,957
1,933
1,353
1,245
-36.4%
-35.6%
-8.0%
その他
135
138
143
157
16.1%
13.4%
9.5%
5,440
5,888
5,362
5,408
-0.6%
-8.2%
0.8%
電力
合
計
9
2.温室効果ガス総排出量
③産業部門
・2010 年度の産業部門の二酸化炭素排出量は 492 万 t であり、1990 年度の排出量である 984 万 t に比べ
ると 50%の減少、2000 年度の 680 万 t と比べると 28%の減少となっている。
・産業部門における大きな減少は、大部分を占める製造業の減少傾向の影響によるものである。
・2010 年度においては、産業部門の 7 割近くを製造業が占めており、次いで、建設業(30%)
、農林水産
業(3%)
、鉱業(1%未満)と続いている。
(万t-CO2 )
1,400
1,200
984
1,000
1,013
956
862 847
800
793
743 719
705 695 680
598 579
600
531 540 554 520 521
477 461 492
農林水産業(3%)
鉱業(1%未満)
400
建設業(30%)
200
製造業(66%)
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
図 2-12 産業部門の業種別二酸化炭素排出量の推移
2.2%
1.5%
農林水産業
2.9%
100%
90%
建設業
20.3%
0.4%
建設業
17.0%
80%
0.5%
建設業
30.4%
70%
60%
50%
40%
製造業
77.9%
製造業
80.3%
30%
製造業
66.3%
20%
10%
0%
1990年度
(984万t-CO2 )
2000年度
(680万t-CO2 )
2010年度
(492万t-CO2 )
図 2-13 産業部門の業種別二酸化炭素排出量の構成比
10
鉱業
0.4%
(年度)
2.温室効果ガス総排出量
・燃料種別二酸化炭素排出量の燃料種別構成比は、燃料油は 90 年度の 46%から 2000 年度には 38%に減
少している反面、都市ガスは 10%から 20%、その後 2010 年度には 21%に増加しており、燃料構成比
率が変化している。
・都市ガスへの転化は著しく、2010 年度における産業部門の二酸化炭素排出量は 90 年度比で 50%減少、
2000 年度比で 28%減少しているにもかかわらず、都市ガスからの二酸化炭素排出量は 90 年度より 3%
増加している。
・電力の構成比については、90 年度の 38%、2000 年度の 37%から 2010 年度の 40%へと増加している。
(万t-CO2 )
1,400
1,200
1,000
984 1,013 956
862 847
800
793
743 719
705 695 680
598 579
600
531 540 554 520 521
477 461 492
その他(1%未満)
燃料油(38%)
400
LPG(1%)
200
都市ガス(21%)
電力(40%)
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
(年度)
図 2-14 産業部門の燃料種別二酸化炭素排出量の推移
3.3%
100%
2.8%
その他
0.3%
90%
80%
70%
燃料油
37.6%
燃料油
38.2%
燃料油
46.3%
LPG
0.6%
60%
50%
40%
10.4%
1.9%
都市ガス
20.1%
1.8%
都市ガス
21.4%
30%
20%
電力
38.1%
電力
37.1%
電力
40.1%
1990年度
2000年度
2010年度
(984万t-CO2)
(680万t-CO2)
(492万t-CO2)
10%
0%
図 2-15 産業部門の燃料種別二酸化炭素排出量の構成比
11
2.温室効果ガス総排出量
・産業部門の中心である製造業の変化の要因として、業種別の鉱工業生産指数(IIP)※について示す。
・90 年度から 2010 年度にかけての製造業における IIP の伸び率は総じて減少傾向にある。
・全国と比較すると、1994 年度以降全国の伸びを下回り、1998 年度頃から開きが大きくなっている。
・製造業の IIP の減少が、二酸化炭素排出量の減少に少なからず影響を与えていることが考えられる。
※鉱工業生産指数(IIP: Indices of Industrial Production)は、鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、
在庫に関連する諸活動を体系的にとらえたものである。ここでの IIP は、付加価値額ウエイトによる生産指数であり、
169 品目(国では 496 品目)を対象に、生産動態統計調査、工業統計調査などから算出している。
(1990=100)
120
100
鉄鋼業
化学工業
80
窯業土石
紙パルプ
60
食料品・たばこ
繊維工業
非鉄金属鉱業
40
金属機械
その他の工業
20
製造業全体
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
(年度)
図 2-16 都における製造業の IIP の伸び
(1990年度=100)
120
全国
100
80
東京都
60
40
20
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
図 2-17 IIP の東京都と全国の比較
(注)IIP は付加価値ウエイトを採用。
(資料)東京都:東京都、
「東京都工業指数」より作成
全 国:経済産業省、「経済産業統計」より作成
12
(年度)
2.温室効果ガス総排出量
④業務部門
・2010 年度の業務部門の二酸化炭素排出量は 2,015 万 t であり、1990 年度の排出量である 1,570 万 t に
比べると 28%の増加、2000 年度の 1,893 万 t に比べると 6%増となっている。
・業務部門の二酸化炭素排出量は増加傾向で推移しており、業務部門の約 6 割は事務所ビルで占められて
いる。
・その他では、飲食店、学校、ホテルなどの占める割合が比較的大きい。
・また、2000 年度と 2010 年度の建物用途別二酸化炭素排出構成を比較すると、事務所ビルの割合が増加
している。
(万t-CO2 )
3,000
2,500
2,018
2,000
1,570
1,659 1,698 1,640
1,806 1,778
1,711
1,762 1,754
1,823
2,089 2,058 2,094 2,081
1,893 1,851 1,917 1,912
その他サービス業(11%)
1,966 2,015
病院(4%)
学校(7%)
ホテル(5%)
1,500
飲食店(8%)
その他卸・小売業(4%)
1,000
各種商品小売業(1%未満)
百貨店(1%)
事務所ビル(60%)
500
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
(年度)
図 2-18 業務部門の建物用途別二酸化炭素排出量の推移
100%
90%
16.4%
80%
6.2%
7.7%
4.3%
7.9%
3.8%
70%
60%
50%
0.0%
13.1%
0.0%
5.5%
6.8%
4.8%
8.0%
3.6%
その他サービス業
病院
学校
ホテル
飲食店
その他卸・小売業
各種商品小売業
百貨店
1.4%
1.5%
1.8%
0.0%
10.7%
4.3%
6.9%
4.9%
7.8%
3.7%
40%
30%
20%
事務所ビル
51.9%
事務所ビル
56.6%
事務所ビル
60.3%
1990年度
2000年度
2010年度
10%
0%
(1,570万t-CO2 )
(1,893万t-CO2 )
(2,015万t-CO2 )
図 2-19 業務部門の建物用途別二酸化炭素排出量の構成比
13
2.温室効果ガス総排出量
・燃料種別の二酸化炭素排出構成の推移をみると、電力と都市ガスのシェアが高まっており、燃料油から
電力と都市ガスへ転換していった傾向がみてとれる。
・2010 年度では電力と都市ガスが業務部門全体の 99%を占めるに至っており、燃料油の減少が顕著にな
っている。
(万t-CO2 )
3,000
2,500
2,000
1,570
1,659 1,698 1,640
1,806 1,778
1,711
1,762 1,754
1,823
1,893 1,851 1,917 1,912
2,018
2,089 2,058 2,094 2,081
灯油(1%)
1,966 2,015
A重油(1%未満)
LPG(1%未満)
1,500
都市ガス(21%)
1,000
電力(78%)
500
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
図 2-20 業務部門の燃料種別二酸化炭素排出量の推移
100%
90%
80%
3.6%
6.9%
都市ガス
14.4%
1.1%
灯油
0.6%
1.4%
2.8%
都市ガス
19.5%
1.2%
都市ガス
20.7%
LPG
0.2%
70%
60%
50%
40%
30%
電力
74.0%
電力
75.1%
電力
78.0%
20%
10%
0%
1990年度
(1,570万t-CO2 )
2000年度
(1,893万t-CO2 )
2010年度
(2,015万t-CO2 )
図 2-21 業務部門の燃料種別二酸化炭素排出量の構成比
14
A重油
0.5%
(年度)
2.温室効果ガス総排出量
・業務部門の二酸化炭素排出量増加の一因として、延床面積の増加があげられる。事務所ビルを中心とし
て、業務部門の延床面積は堅調に増加している。
・全国の業務部門の伸びも総じて増加傾向にあるが、東京都の場合は事務所ビルのシェアが突出している。
この東京都の事務所ビル床面積の伸びは 2001 年頃に鈍化したが、近年再び増加傾向にある。
(1000㎡)
140,000
事務所ビル
120,000
百貨店
100,000
卸小売
飲食店
80,000
ホテル
学校
60,000
病院
その他
40,000
20,000
0
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
(年度)
図 2-22 東京都の業種別延床面積の推移
(1000㎡)
500,000
450,000
事務所ビル
400,000
百貨店
350,000
卸小売
300,000
飲食店
250,000
ホテル
200,000
学校
150,000
病院
100,000
その他
50,000
0
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
(年度)
図 2-23 全国の業種別延床面積の推移
(注)大型小売店には百貨店とスーパーを含む。
(資料)財団法人 日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット、
「EDMC/エネルギー・経済統計要覧(2012 年度版)」より作成
15
2.温室効果ガス総排出量
⑤家庭部門
・2010 年度の家庭部門の二酸化炭素排出量は 1,564 万 t であり、1990 年度の排出量である 1,300 万 t に
比べると 20%の増加、2000 年度の 1,433 万 t と比べると 9%の増加となっている。
・家庭部門の二酸化炭素排出量を燃料種別に見ると、電力、都市ガスが増加し、灯油と LPG は減少傾向
を示している。
・2010 年度における燃料種別の二酸化炭素排出構成をみると、電力(65%)がもっとも大きく、都市ガ
ス(28%)
、灯油(4%)
、LPG(2%)とつづく。
(万t-CO2 )
2,000
1,800
1,504
1,600
1,400 1,300
1,358
1,399 1,377
1,420 1,421
1,349 1,328 1,324
1,382
1,433
1,387
1,432
1,395 1,416
1,564
1,442 1,469 1,438 1,471
灯油(4%)
LPG(2%)
都市ガス(28%)
1,200
1,000
800
600
電力(65%)
400
200
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
図 2-24 家庭部門の燃料種別二酸化炭素排出量の推移
100%
90%
80%
70%
8.3%
5.5%
都市ガス
27.1%
灯油
4.1%
5.7%
, 3.5%
都市ガス
29.4%
都市ガス
28.4%
60%
50%
40%
30%
電力
59.1%
電力
61.4%
電力
65.3%
1990年度
2000年度
2010年度
(1,433万t-CO2 )
(1,564万t-CO2 )
20%
10%
0%
(1,300万t-CO2 )
図 2-25 家庭部門の燃料種別二酸化炭素排出量の構成比
16
LPG
2.3%
(年度)
2.温室効果ガス総排出量
・家庭部門における電力消費量のシェア増加の原因の一つとして、家電製品普及率の増加があげられる。
都における主要な家電製品の普及率は、概ね増加傾向にあり、近年は、パソコン、光ディスクプレーヤ
ー・レコーダーなどの伸びが著しい。
(台/百世帯)
350
300
ルームエアコン
250
カ ラ ーテレビ
200
光ディスクプ レーヤー
・レコーダ
150
VTR
電気冷蔵庫
100
電子レン ジ
電気カ ーペット
パソコン
温水洗浄便座
50
衣類乾燥機
0
1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
(年度)
図 2-26 都における家電製品普及率の推移
(出典)総務省「全国消費実態調査」、内閣府「家計消費の動向」より作成
(注)カラーテレビについて、2003 年度以前は 29 インチ以上、29 インチ未満の合計値、2004 年度以降
はブラウン管と薄型(液晶、プラズマ等)の合計値
出典資料による機器見直しにより、2003 年度から 2009 年度にかけて連続しない機器がある
17
2.温室効果ガス総排出量
・家庭部門の二酸化炭素排出量に最も大きな影響を与えている要因としては、世帯数の増加があげられる。
特に、近年単身世帯数の増加が顕著であり、これは全国的な傾向ではあるが、東京都では特に顕著であ
る。
(千世帯)
7,000
6,000
全世帯数
5,000
4,000
複数世帯数
3,000
単身世帯数
2,000
1,000
0
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010 (年度)
図 2-27 都内の世帯数の推移
(出典)総務省「国勢調査報告」および東京都「東京都統計年鑑」より作成
東京都
全国
内円:1990年度
外円:2010年度
単身
35.3%
複数
54.3%
内円:1990年度
外円:2010年度
単身
23.1%
単身
45.7%
複数
64.7%
複数
67.7%
図 2-28 世帯数の比較
(出典)総務省「国勢調査報告」より作成
18
複数
76.9%
単身
32.3%
2.温室効果ガス総排出量
⑥運輸部門
・2010 度の運輸部門の二酸化炭素排出量は 1,182 万 t であり、1990 年度の排出量である 1,483 万 t に比
べると 20%の減少、2000 年度の 1,764 万 t に比べると 33%の減少となっている。
・運輸部門の二酸化炭素排出量の推移は、シェアの高い自動車の傾向が強く影響している。
・1990 年度から 2000 年度の二酸化炭素排出量の変化においては、自動車、特に旅客自動車からの排出量
の増加が強く影響し、運輸部門全体の増加を押し上げる形となった。
・一方、2000 年度から 2010 年度の二酸化炭素排出量の変化においては、旅客自動車からの排出量が減少
したことにより、運輸部門全体も減少し、結果として、1990 年度レベルを下回る結果となっている。
旅客自動車の二酸化炭素排出量減少の背景としては、旅客自動車の走行量の減少や、道路状況の改善、
自動車の単体燃費の向上等による実走行燃費の改善が考えられる。
(万t-CO2 )
2,000
1,811
1,800
1,600
1,662 1,660
1,704 1,690
1,746
1,778 1,741 1,764
1,730 1,739
1,641
1,591
1,584
1,495 1,466
1,483
1,387
1,400
航空(1%未満)
1,333 1,323
1,182
1,200
船舶(2%)
鉄道(11%)
1,000
800
600
自動車(87%)
400
200
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
(年度)
図 2-29 運輸部門の運輸機関別二酸化炭素排出量の推移
0.2%
100%
90%
10.4%
1.3%
0.2%
8.1%
航空
0.2%
1.4%
船舶
1.6%
80%
鉄道
11.4%
70%
60%
50%
40%
自動車
88.0%
自動車
90.3%
自動車
86.8%
1990年度
2000年度
2010年度
(1,483万t-CO2 )
(1,764万t-CO2 )
(1,182万t-CO2 )
30%
20%
10%
0%
図 2-30 運輸部門の運輸機関別二酸化炭素排出量の構成比
19
2.温室効果ガス総排出量
・燃料の構成比は、自動車の影響を受け、ディーゼル自動車に起因する軽油の減少とガソリン自動車に起
因するガソリンの増加が顕著となっている。
(万t-CO2 )
2,000
1,800
1,591
1,662 1,660
1,704 1,690
1,746
1,811 1,778
1,741 1,764 1,730 1,739
1,641
1,584
1,495 1,466
1,600 1,483
1,387
1,400
1,333 1,323
その他(7%)
1,182
1,200
ジェット燃料
(1%未満)
1,000
ガソリン
(60%)
800
600
軽油
(21%)
400
電力
(11%)
200
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
図 2-31 運輸部門の燃料種別二酸化炭素排出量の推移
100%
8.0%
7.5%
7.5%
90%
0.2%
80%
70%
60%
その他
ジェット燃料
0.2%
0.2%
ガソリン
53.2%
ガソリン
56.4%
ガソリン
59.6%
軽油
28.1%
軽油
27.9%
軽油
21.3%
10.4%
8.1%
11.4%
1990年度
2000年度
2010年度
(1,483万t-CO2)
(1,764万t-CO2)
(1,182万t-CO2)
50%
40%
30%
20%
10%
0%
図 2-32 運輸部門の燃料種別二酸化炭素排出量の構成比
20
電力
(年度)
2.温室効果ガス総排出量
・運輸部門の中心である自動車による二酸化炭素排出量は 2010 年度で 1,025 万 t であり、1990 年度の排
出量である 1,306 万 t と比べると 22%減少している。また、1990 年度と比較すると旅客自動車と貨物
自動車の割合は大きく変化している。
・都内の自動車保有台数は横ばい程度で推移しているが、小型乗用車の減少を相殺する形で普通乗用車が
増加している。貨物自動車は減少傾向にあるが、軽自動車が増加しており、結果として自動車全体では
横ばい程度で推移し、近年は微減傾向にある。
・自動車の走行量を見ると、旅客自動車は 2000 年度まで増加傾向にあったが、2000 年度以降は減少傾向
を示している。また、貨物自動車はほぼ一貫した減少傾向を示している。
(千台)
普通貨物車
小型貨物車
普通乗用車
小型乗用車
軽自動車
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
旅客自動車
2,000
1,500
1,000
500
貨物自動車
0
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996 1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
(年度)
図 2-33 東京都の自動車保有台数の推移
(注)軽自動車は、軽乗用車と軽貨物車を含む。
(出典)東京都統計年鑑
(百万台キロ)
45,000
40,000
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
旅客自動車
貨物自動車
5,000
0
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
(年度)
図 2-34 東京都の自動車走行キロの推移
(注)旅客自動車:軽乗用車、乗用車、バス
貨物自動車:軽貨物車、小型貨物車、貨客車、普通貨物車、特殊貨物車
21
2.温室効果ガス総排出量
(4)その他の温室効果ガス排出量
①その他の温室効果ガス排出量の概観
・東京都における 2010 年度のその他の温室効果ガス排出量は、317 万 t-CO2eq であり、基準年度の排出
量である 341 万 t-CO2eq に比べると 7%の減少、2000 年度の 295 万 t-CO2eq に比べると 8%の増加と
なっている。
・基準年度比 2000 年度及び 2000 年度比 2010 年度の伸び率は、HFCs(135%及び 202%)において大き
い。また、一酸化二窒素は基準年度から 2000 年度にかけて 18%増加したが、その後 2010 年度には 40%
減少している。一方、メタン、PFCs、SF6 は基準年度から 2010 年度にかけて減少傾向を示している。
・なお、HFCs の大幅な排出量の増加は、モントリオール議定書規制対象である HCFCs からの HFCs へ
の代替によって、HFCs の冷媒用途からの排出量が増加していることによるものである。
・一方、全国における 2010 年度のその他の温室効果ガス排出量は、66.0 百万 t-CO2eq であり、基準年度
の排出量である 117.2 百万 t-CO2eq に比べると 44%の減少、2000 年度の 90.4 百万 t-CO2eq に比べると
27%の減少となっている。
・また、全国では、すべてのその他の温室効果ガス排出量は、基準年度から一貫して減少傾向を示してい
る。特に、基準年度から 2000 年度にかけて、SF6、PFCs、メタンが減少し(58%、32%、22%)
、さ
らに 2000 年度から 2010 年度にかけては SF6、PFCs、一酸化二窒素がそれぞれ 74%、64%、24%減
少した。
・東京都では、2010 年度のその他の温室効果ガス排出量の 64%が HFCs である。次いで一酸化二窒素が
19%、メタンが 16%、SF6、PFCs がそれぞれ 1%、1%未満となっている。一方、全国では 33%が一
酸化二窒素である。次いでメタン、HFCs がそれぞれ 31%、28%、PFCs が 5%、SF6 が 3%となって
いる。
・東京都と全国のその他の温室効果ガス排出量の 2010 年度排出構成比を比較すると、東京都の方が HFCs
の割合が大きく、その分メタン、一酸化二窒素、PFCs、SF6 の割合が小さくなっている。
(万t-CO 2 eq)
(百万t-CO 2 eq)
140
400
341
350
SF6
(-73%)
117.2
SF6
295
PFCs
300
HFCs
HFCs
(+135%)
(+202%)
60
N2 O
(-40%)
CH4
(-37%)
40
CH4
50
20
(-57%)
90.4
(-58%)
80
N2 O
(+18%)
100
SF6
100
(-100%)
250
150
120
(-50%)
PFCs
(-83%)
200
317
PFCs
PFCs
(-32%)
(-64%)
HFCs
HFCs
(-7%)
(-3%)
N2 O
N2 O
(-11%)
(-24%)
CH4
66.0
CH4
(-22%)
0
SF6
(-74%)
(-21%)
0
基準年度
2000年度
2010年度
図 2-35 その他の温室効果ガス別排出量の伸び
(東京都)
基準年度
2000年度
2010年度
図 2-36 その他の温室効果ガス別排出量の伸び
(全国)
(注 1)
( )内はそれぞれ基準年度比 2000 年度の伸び、2000 年度比 2010 年度の伸びを示す。
(注 2)HFCs については、
「産業構造審議会化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会」により全国の冷媒用途からの排
出量が過去に遡って見直されたことに伴い、都の値についても過去に遡って見直しを行った。
(出典)日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2010 年度) 確定値(温室効果ガスインベントリオフィス)
22
2.温室効果ガス総排出量
・東京都におけるその他の温室効果ガス排出量は、全国の 4.8%に相当する。
・ガス別に全国に占めるシェアを見ると HFCs が 11.2%と一番大きく、次いで一酸化二窒素(2.8%)
、メ
タン(2.5%)と続いている。都内で減少している半導体製造等で主に用いられる PFCs、SF6 はそれぞ
れ 0.0%、1.2%と小さい。
表 2-8 東京都と全国のその他の温室効果ガス排出量の比較(2010 年度)
(単位:万 t-CO2eq)
メタン
一酸化二窒素
HFCs
PFCs
SF6
合計
東京都
50
61
204
0
2
全国
2,044
2,207
1,826
341
186
全国比
2.5%
2.8%
11.2%
0.0%
1.2%
317
6,603
4.8%
(出典)日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2010 年度) 確定値
(温室効果ガスインベントリオフィス)
23
2.温室効果ガス総排出量
②メタン及び一酸化二窒素
1)メタン
・2010 年度の東京都と全国のメタン排出構成比を下図に示す。
・東京都では 94%が「廃棄物」からの排出であり、全国では排出の 70%を示す「農業」が 1%と非常に
小さい。
農業
1.0%
燃料の燃焼
4.6%
燃料からの漏出
工業プロセス
燃料の燃焼 1.8%
0.6%
3.7%
廃棄物
23.5%
農業
70.4%
廃棄物
94.4%
図 2-37 東京都の排出構成比(2010 年度)
図 2-38 全国の排出構成比(2010 年度)
(出典)日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2010 年度) 確定値(温室効果ガスインベントリオフィス)
2)一酸化二窒素
・2010 年度の東京都と全国の一酸化二窒素排出構成比を下図に示す。
・東京都では、76%が「廃棄物」からの排出であり、全国の排出の 50%を示す「農業」が東京都では 2%
と非常に小さい。
農業
2.1%
麻酔
1.3%
燃料の燃焼
20.7%
工業プロセス
4.9%
麻酔
0.4%
廃棄物
15.0%
農業
50.4%
廃棄物
75.8%
図 2-39 東京都の排出構成比(2010 年度)
燃料の燃焼
29.3%
図 2-40 全国の排出構成比(2010 年度)
(出典)日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2010 年度) 確定値(温室効果ガスインベントリオフィス)
24
2.温室効果ガス総排出量
③HFC 等 3 ガス
・2010 年度の東京都と全国の HFC 等 3 ガス排出構成比を下図に示す。
・東京都での排出の 93%が冷媒由来によるものである。一方、全国の排出の 1.4%を占める「金属生産」
や 0.2%を占める「HCFC22 製造時の副生」
、2.1%を占める「HFC 等 3 ガス製造」については、都内に
製造工場がほとんどないと考えられることから排出を計上していない。
発泡(HFCs)
0.9%
電力設備(SF6)
1.1%
エアゾール・MDI
(HFCs)
4.7%
消化剤(HFCs)
0.0%
洗浄(PFCs)
0.0%
半導体製造
(HFCs,PFCs,SF6)
0.0%
HFC等3ガス製造
(HFCs,PFCs,SF6)
2.1%
エアゾール・MDI
(HFCs)
2.7%
電力設備(SF6)
2.8%
金属生産
(PFCs,SF6)
1.4%
発泡(HFCs)
1.2%
HCFC22製造時の
副生HFC23
(HFCs)
0.2%
消化剤(HFCs)
0.0%
洗浄(PFCs)
5.8%
半導体製造等
(HFCs,PFCs,SF6)
11.2%
冷媒(HFCs)
93.2%
図 2-41 東京都の排出構成比(2010 年度)
冷媒(HFCs)
72.6%
図 2-42 全国の排出構成比(2010 年度)
(出典)日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2010 年度) 確定値(温室効果ガスインベントリオフィス)
25
3.図表目次
3.図表目次
―
表目次
―
表 2-1 温室効果ガスと主な排出源 ............................................................................................................... 2
表 2-2 本調査に用いた電力の二酸化炭素排出係数 ...................................................................................... 2
表 2-3 東京都における温室効果ガス総排出量の推移................................................................................... 3
表 2-4 部門別二酸化炭素排出量と 2010 年度までの伸び ............................................................................ 7
表 2-5 《参考》部門別二酸化炭素排出量と 2010 年度までの伸び(二酸化炭素排出係数変動ケース) ..... 7
表 2-6 部門別エネルギー消費量と 2010 年度までの伸び ............................................................................ 8
表 2-7 燃料種別二酸化炭素排出量と 2010 年度までの伸び ......................................................................... 9
表 2-8 東京都と全国のその他の温室効果ガス排出量の比較(2010 年度) ............................................... 23
26
3.図表目次
―
図目次
―
図 1-1 温室効果ガス排出量(2010 年) ...................................................................................................... 1
図 2-1 東京都における温室効果ガス総排出量の推移................................................................................... 3
図 2-2 東京都と全国の温室効果ガス別排出量の構成比 ............................................................................... 4
図 2-3 東京都と全国の温室効果ガス別排出量の伸び................................................................................... 4
図 2-4 東京都における二酸化炭素排出量の推移 .......................................................................................... 5
図 2-5 東京都における二酸化炭素排出量の構成比 ...................................................................................... 5
図 2-6 全国における二酸化炭素排出量の推移 ............................................................................................. 6
図 2-7 全国における二酸化炭素排出量の構成比 .......................................................................................... 6
図 2-8 都における二酸化炭素等の排出状況を示すイメージ ........................................................................ 7
図 2-9 東京都における部門別燃料種別二酸化炭素排出量(2010 年度) .................................................... 8
図 2-10 東京都における燃料種別二酸化炭素排出量の推移 ......................................................................... 8
図 2-11 東京都における燃料種別二酸化炭素排出量の構成比 ...................................................................... 9
図 2-12 産業部門の業種別二酸化炭素排出量の推移 .................................................................................. 10
図 2-13 産業部門の業種別二酸化炭素排出量の構成比............................................................................... 10
図 2-14 産業部門の燃料種別二酸化炭素排出量の推移................................................................................ 11
図 2-15 産業部門の燃料種別二酸化炭素排出量の構成比 ............................................................................ 11
図 2-16 都における製造業の IIP の伸び ..................................................................................................... 12
図 2-17 IIP の東京都と全国の比較 ............................................................................................................. 12
図 2-18 業務部門の建物用途別二酸化炭素排出量の推移 ........................................................................... 13
図 2-19 業務部門の建物用途別二酸化炭素排出量の構成比 ....................................................................... 13
図 2-20 業務部門の燃料種別二酸化炭素排出量の推移............................................................................... 14
図 2-21 業務部門の燃料種別二酸化炭素排出量の構成比 ........................................................................... 14
図 2-22 東京都の業種別延床面積の推移 .................................................................................................... 15
図 2-23 全国の業種別延床面積の推移........................................................................................................ 15
図 2-24 家庭部門の燃料種別二酸化炭素排出量の推移............................................................................... 16
図 2-25 家庭部門の燃料種別二酸化炭素排出量の構成比 ........................................................................... 16
図 2-26 都における家電製品普及率の推移 ................................................................................................ 17
図 2-27 都内の世帯数の推移 ...................................................................................................................... 18
図 2-28 世帯数の比較................................................................................................................................. 18
図 2-29 運輸部門の運輸機関別二酸化炭素排出量の推移 ........................................................................... 19
図 2-30 運輸部門の運輸機関別二酸化炭素排出量の構成比 ....................................................................... 19
図 2-31 運輸部門の燃料種別二酸化炭素排出量の推移............................................................................... 20
27
3.図表目次
図 2-32 運輸部門の燃料種別二酸化炭素排出量の構成比 ........................................................................... 20
図 2-33 東京都の自動車保有台数の推移 .................................................................................................... 21
図 2-34 東京都の自動車走行キロの推移 .................................................................................................... 21
図 2-35 その他の温室効果ガス別排出量の伸び(東京都) ....................................................................... 22
図 2-36 その他の温室効果ガス別排出量の伸び(全国) ........................................................................... 22
図 2-37 東京都の排出構成比(2010 年度) ............................................................................................... 24
図 2-38 全国の排出構成比(2010 年度) .................................................................................................. 24
図 2-39 東京都の排出構成比(2010 年度) ............................................................................................... 24
図 2-40 全国の排出構成比(2010 年度) .................................................................................................. 24
図 2-41 東京都の排出構成比(2010 年度) ............................................................................................... 25
図 2-42 全国の排出構成比(2010 年度) .................................................................................................. 25
28
平成 25 年 3 月発行
印刷 株式会社 サンワ
住所 東京都千代田区飯田橋 2-11-8
電話 03-3265-1816
詳しくは東京都環境局のホームページまで
東京都地球温暖化対策総合サイト http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/index.html
⇒ 東京都の温室効果ガス排出量は、ページ左側「その他の取組」から、
「東京都の温室効果ガス排出量」をクリック
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