...

第3章 紛争案件一覧

by user

on
Category: Documents
23

views

Report

Comments

Transcript

第3章 紛争案件一覧
3
章
紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
843
第
第3章
紛争案件一覧
(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
シンガポール
(DS1〜DS15)
経 過
1995/ 1/10 協議要請
3/16 パネル設置要請
「マ」
の制度改正
7/19 パネル設置要請取り下げ
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
マレーシアが石化製品の輸入に際し、
国 内 製 造 業 者 か ら の No Objection
Letter を要求するのは、GATT 第 11
条等に反するとして、シンガポール
が申立て。
ベネズエラ
(2) 1995/ 1/24 協議要請
大気汚染防止のためのガソリン規制
ブラジル
(4)
3/25 パネル設置要請
が、G A T T 第 1、3 条、T B T 第 2 条
【EU、ノルウェー】
4/10 パネル設置
(5/31
「DS4」
合併)
に違反するとの申立てに対して、パ
1996/ 1/29 パネル報告書配布
ネルは、大気汚染防止のためのガソ
2.(4). 米 国 の ガ ソ リ
2/21 米による上級委申立て
リン規制は GATT 第 20 条の例外に
ン規制
4/22 上級委報告書配布
は 当 た ら ず、3 条 4 項 違 反 と 認 定 し
5/20 パネル・上級委報告書採択
た。上級委は、GATT 第 20 条
(g)の
パネルの解釈を一部修正したが、パ
ネルの判断を支持した。
米国
1995/ 4/ 4 協議要請
米国の輸入果実に対する抜き取り検
査制度や柑橘類検査制度は輸入制限
3. 韓国の農産品検疫
となっており GATT 第 11 条等に反
するとして、韓国が申立て。
4. 米国のガソリン規制 ブラジル
(DS2 と合併)
米国
1995/ 5/ 3 協議要請
韓国の冷蔵・冷凍肉の流通期限設定
7/31 二国間合意通報
は科学的根拠を欠いており、TBT・
5. 韓国の食品流通期限
SPS 協定等に反するとして米国が申
立て。
日本
1995/ 5/17 協議要請
(豪第三国参加)
米 国 1974 年 通 商 法 第 301 条、304 条
6. 米 国 の 対 日 自 動 車
6/28 日米自動車協議決着
に基づく一方的な対抗措置
(輸入自
輸入に関する報復関
7/19 双方手続を進行させない旨表明 動車への報復関税の賦課)は GATT
税の賦課
したことにより終了
第 1、2 条違反として日本が申立て。
カナダ
(7)
1995/ 5/19 協議要請
(
「DS12」
7/18、
「DS14」 フランスのホタテガイの名称表示規
【 豪 州、 チ リ、 ア
7/24)
則が、カナダの同種のホタテガイを
イルランド、日本、
7/ 7 パネル設置要請
(
「DS12」
9/14、
差別的に取り扱っており、GATT、
ペルー、米国】
「DS14」
9/13)
TBT 協定の規定する内国民待遇に違
ペルー
(12)
7/19 パネル設置
(
「DS12」
「DS14」
10/11 反している。
7 .(1 2)
、
(1 4)
. EU の
【 豪 州、カ ナ ダ、
合併)
ホタテ貝に関する表
アイスランド、日 1996/ 7/ 5 二国間合意通報
示問題
本、ペルー、米国】
チリ
(14)
【 豪 州、カ ナ ダ、
アイスランド、日
本、ペルー、米国】
EU
(8)
1995/ 6/21 協議要請
(7/7
「DS10」
、
「DS11」
) 以前 1987 年 11 月にも日本の酒税制
加
(10)
9/14 パネル設置要請
度が GATT 違反とのパネル報告書が
米国
(11)
9/27 パネル設置
(
「DS10」
、
「DS11」
と 採択されたが、その後の酒税法改正
合併)
後もウィスキー、コニャック、ブラ
8.(10)、
(11)
. 日本の
1996/ 7/11 パネル報告書配布
ンデー等に対する酒税が焼酎に比べ
酒税格差
8/ 8 日本の上級委申立て
て高率であり、内国民待遇違反とし
10/ 4 上級委報告書配布
て訴えられたもの。それに対して、
11/ 1 パネル・上級委報告書採択
パ ネ ル 及 び 上 級 委 員 会 は と も に、
GATT 第 3 条違反として原告の主張
を認めた。
カナダ
1995/ 6/30 協議要請
輸入穀物新課税制度が GATT 第 2 条
9/14 パネル設置要請
(関税譲許)
、7 条
(関税評価)に違反
9. EU の穀物輸入税
10/11 パネル設置
す る。
(24 条 6 項 交 渉 合 意 の 一 環 で
11/29 二国間合意通報
TQ 枠設定、パネル設置中止等を合
意して決着)
10. 日本の酒税格差
カナダ
(DS8 と合併)
11. 日本の酒税格差
米国
(DS8 と合併)
12. EU の ホ タ テ 貝 に ペルー
(DS7 と合併)
関する表示問題
米国
1995/ 7/19 協議要請
輸入穀物新課税制度が2条
(関税譲許)
、
13. EU の 穀 物 及 び 米
9/28 パネル設置要請
7条
(関税評価)
に違反する。
(24 条 6 項
輸入税
1997/ 4/30 パネル設置要請取り下げ
交渉合意の一環で TQ 枠設定、パネル
設置要請撤回等を合意して決着)
14. EU の ホ タ テ 貝 に チリ
(DS7 と合併)
関する表示問題
EU
1995/ 8/18 協議要請
1994 年 9 月の日米移動電話合意内容
15. 日本の移動電話に
9/18 協議妥結
が欧州企業の製品に対して MFN 違
関する合意
反となっているとして EU が申立て。
1. マ レ - シ ア の 石 油
化学製品の輸入許可
(AP-Approved Perm
it)制度
844
関連協定
GATT
GATT
TBT
GATT
SPS
TBT
GATT
SPS
TBT
GATT
GATT
TBT
GATT
GATT
GATT
GATT
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
(DS16〜DS25)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
グアテマラ、ホン 1995/ 9/28 協議要請
(再協議要請 96/2/5)
16. EU の バ ナ ナ 輸 入
ジュラス、メキシ
制限
コ、米国
タイ
1995/10/5 協議要請
17. EU の米輸入税
7/27
1999/ 7/28
1999/ 9/ 7
2000/ 2/18
3/20
19. ポーランドの自動
車輸入制限
20. 韓国の瓶詰水に関
する規制
インド
1995/ 9/28
1996/ 9/11
カナダ
1995/11/8
1996/ 5/ 6
米国
1995/11/20
【カナダ、EU、香 1999/ 5/11
21. 豪州のサケ輸入禁
港、アイスランド、 6/16
止
インド、
ノルウェー】
11/ 8
2000/10/27
フィリピン
1995/11/30
【カナダ、EU、イ 1996/ 2/ 5
ン ド ネ シ ア、 マ 3/ 5
22. ブラジルの乾燥コ レーシア、スリラ 10/17
コナッツ相殺関税
ンカ、米国】
12/16
1997/ 2/21
3/20
メキシコ
1995/12/5
1997/ 5/ 6
コスタリカ
【インド】
1995/12/22
1996/ 2/22
3/ 5
11/ 8
11/11
1997/ 2/10
2/25
23. ベ ネ ズ エ ラ の
OCTG への AD 調査
24. 米国の綿・人造繊
維下着輸入制限
25. EU の 米 に 関 す る
ウ ル グ ア イ・ ラ ウ ン
ド・コミットメント
ウルグアイ
1995/12/14
845
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
18. 豪州のサケ輸入禁
止
第
カナダ
1995/10/5
【EU、インド、ノ 1997/ 3/ 7
ルウェー、米国】 4/10
1998/ 6/12
7/22
10/20
11/ 6
1999/ 7/15
EU の ACP 諸国へのバナナ輸入割当 GATT
が MFN 違反となっているとして中 ライセンス
南米各国及び米国が申立て。
GATS
EU の輸入穀物新課税制度が GATT GATT
第1条
(MFN)
、2 条
(関税譲許)
、7 条
(関税評価)に違反するとしてタイが
申立て。
協議要請
豪州の検疫制度による鮭輸入禁止措 GATT
パネル設置要請
置 は GATT 第 11 条、13 条 及 び SPS
SPS
パネル設置
協定に違反するとのカナダの主張に
パネル報告書配布
ついてして、パネルは豪州の措置が
豪州上級委申立て
SPS 協定第 2.2 条
(科学的根拠に基づ
上級委報告書配布
く措置実施)
、2.3 条
(内国民・最恵国
パネル・上級委報告書採択
待遇)
、5.1 条
(危険性評価に基づく措
DSU 第 22 条に基づく対抗措置承 置の実施)
、5.5 条
(適切な保護水準の
認申請
設定)
及び 5.6 条
(貿易制限的とならな
豪州による DSU22.6 条仲裁の要 い保護水準の確保)に違反する旨判
請
(→その後仲裁決定は出されず) 断。上級委員会も、5.6 条違反につい
パネル設置要請
(履行確認)
てはこれを覆したものの、その他の
パネル設置
(履行確認)
論点についてはパネルの判断を支持
パネル報告書配布
(履行確認)
した。豪州は 1999 年 7 月までに措置
パネル報告書採択
(履行確認)
の是正を行う義務を負ったが、カナ
ダは、履行期限までに是正が行われ
なかったとして DSU 第 21.5 条基づく
履行確認パネルの手続を行い、パネ
ルは豪州の勧告不履行を認めた。
協議要請
ホーランドの輸入関税引上げ及 EU 産 GATT
二国間合意通報
向け無税枠の設定は GATT 第 1、24
条に違反するとしてインドが申立て。
協議要請
韓国のミネラルウォーターの規制
(6 GATT
二国間合意通報
か月の流通規制、オゾン処理規制) SPS
が輸入制限となっているとしてカナ
TBT
ダが申立て。
協議要請
豪州の検疫制度による鮭輸入禁止措 GATT
パネル設置要請
置 は GATT 第 11 条、13 条 及 び SPS
SPS
パネル設置
協定に違反するとして米国が申立
パネル停止
て。
二国間合意通報
協議要請
ブラジルの農民支援措置に対する相 GATT
パネル設置要請
殺関税賦課は、GATT 第 1、2、6.3、
農業
パネル設置
(a)条、農業協定第 13 条に違反する
6
パネル報告書配布
と の 申 立 て に 対 し て、 パ ネ ル は、
比の上級委申立て
1994 年の GATT 第 6 条及び農業協定
上級委報告書配布
は 本 件 に は 適 用 さ れ な い と し て、
パネル・上級委報告書採択
フィリピンの申立てを退けた。上級
委もパネルの判断を支持した。
協議要請
ベネズエラの AD 調査は AD 協定に
AD
ベネズエラの調査終了により妥 違反するとしてメキシコが申立て。
結
協議要請
米国の経過的繊維 SG 発動は繊維協
繊維
パネル設置要請
定第 2.4、6.2、6.4、6.6
(d)
、6.7、6.10、
パネル設置
8 条に違反しているとのコスタリカ
パネル報告書配布
の申立てに対して、パネルは米国は
コスタリカの上級委申立て
輸入の増加によって重大な損害が発
上級委報告書配布
生したことを立証しておらず繊維協
上級委報告書採択
定第 6.2 条に違反しているとした他、
繊維協定第 2.4、6.4、6.6
(d)
、6.10 条
違反であると認定。コスタリカはパ
ネルが規制措置の遡及的適用を認め
た点を上級委申立てし、これに対し
て上級委は、経過的 SG 措置は可能
な限り限定的に適用されなければな
らず、措置を遡及的に適用すること
はできないと判断。
協議要請
EU の輸入穀物新課税制度が GATT GATT
第1条
(MFN)
、2 条
(関税譲許)
、7 条
(関税評価)に違反するとしてウルグ
アイが申立て。
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
米国
(26)
【 豪 州、カナダ、
ニュージーラン
ド、ノルウェー】
カナダ
(48)
【 豪 州、 ニ ュ ー
ジーランド、ノル
ウェー、米国】
(DS26〜DS27)
経 過
1996/ 1/26 協議要請
(
「DS48」
6/28)
4/25 パネル設置要請
(
「DS48」
9/17)
5/20 パネル設置
(
「DS48」
10/16。その
後パネル統合)
1997/ 8/18 パネル報告書配布
9/24 EU 上級委申立て
1998/ 1/16 上級委報告書配布
2/13 パネル・上級委報告書採択
1999/ 5/17 DSU 第 22 条に基づく対抗措置承
認申請
6/ 2 EU の DSU 第 22.6 条仲裁の要請
7/12 22.6 条仲裁決定の配布
7/26 22.6 条仲裁決定の採択
2008/12/22 EU、本件の履行についての米国
及びカナダとの相違の解決と、米
国及びカナダによる譲許停止の
停止を目的として協議要請
(履行
確認)
2009/ 5/13(DSB への通報は 9/25 付け)
EU・
米国間で、EU が年間一定量
(段
階的に増加)
の牛肉について 0%
の関税率割当を設け、米国は段階
的に EU 産品に対する対抗措置を
停止・撤廃する等の内容の合意が
成立。
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
肉牛の飼料へのホルモン剤添加規制及
SPS
び当該飼料で育成された牛の肉の輸入
TBT
規制に係るEU指令が、米国牛肉の輸 GATT
入を制限し、GATT第 3 条
(内国民待
遇)
、11条
(数量制限)
、SPS 協定、TBT
協定、農業協定等に違反する、との米
国の主張について、パネルはEUの措置
が SPS 協定第3.1条
(国際的基準への準
拠)
、5.1条
(危険性評価に基づく措置の
実施)
及び 5.5条
(適切な保護水準の設
定)
に違反すると判断した。一方、上級
委はSPS第5.1条についてはパネルの判
断を支持したが、3.1条及び 5.5条につい
てはパネルの判断を覆した。また、上級
委は、3.1条の要請する国際基準に基づ
かない措置を執る場合には、係る措置
を執る国が SPS 協定第3.3条
(科学的に
正当な理由がある場合の国際基準よりも
高い保護水準の導入)
との整合性の証明
責任を負う、としたパネルの判断につい
26.(48)
. EU のホルモ
てもこれを破棄した。仲裁によりEUに
ン牛肉に関する措置
は15か月の履行期間が認められたが、
EUが期間内の履行は不可能、としたた
め、米国及びカナダはDSU第22.2条に
基づく対抗措置の承認申請を行い、対
抗措置の規模の仲裁を経て、1999年7
月のDSBにおいて、米国に年1億1680
百万米ドル、カナダに年1130万カナダド
ルの報復関税賦課が承認された。両国
は同月に関税賦課を開始した。なお、
2004 年11月、EUは本件で問題とされ
た措置が是正されたにもかかわらず、
米国及びカナダが対抗措置を継続して
いるのはDSUの関連規定等に反すると
して、両国に対してDSUに基づく二国
間協議要請を行った。
(DS320:対米国、DS321:対カナダ)
DS320 及び 321は、2008 年 3月31日に
パネル報告書、10月16日には上級委報
告書が配布され、早急に履行パネルを
開始するよう勧告された。
エクアドル
1996/ 2/ 5 協議要請
バナナの輸入、販売、流通に関する GATT
4/11 パネル設置要請
グアテマラ
EU の 制 度 が、GATT 第 1、2、3、 ライセンス
5/ 8 パネル設置
ホンジュラス
10、11、13 条、輸入許可手続協定第
農業
1997/ 5/22 パネル報告書配布
メキシコ
1、3 条、農業協定、TRIM 協定第 2、 TRIM
6/11 EU 上級委申立て
米国
5 条、GATS 第 2、4、16、17 条 に 違 GATS
9/ 9 上級委報告書配布
【 ベリー ズ、カメ 反するとの申立てに対して、パネル
9/25 パネル・上級委報告書採択
ルーン、コート・ は GATT 第 1 条 1 項、3 条 4 項、10 条
12/15 パネル設置要請
(履行確認)
ディボワール、ド 3 項、13 条 1 項、 輸 入 許 可 手 続 協 定
(履行確認)
ミ ニ カ 共 和 国、 1999/ 1/12 パネル設置
第 1 条 3 項、GATS 第 2 条、17 条に違
1/14 DSU 第 22 条に基づく対抗措置承 反すると判断した。これに対し、上
ジャマイカ、セン 認申請
(米国)
ト・ルシア、セン
級委員会は概ねパネルの報告を支持
1/29 EU の DSU 第 22.6 条仲裁の要請
ト・ビンセント、
したが、GATT 第 13 条 1 項の義務違
(米国)
グレナディーン、
反を免除する認定についての解釈、
4/ 9 22.6 条仲裁決定の配布
(米国)
スリナム、コロン 輸入許可手続が、GATT 第 10 条と輸
4/12 パネル報告書配布
(履行確認)
ビア、ニカラグア、
入許可手続協定に違反することの認
4/19 22.6 仲裁決定の採択
(米国)
定に際し解釈を修正した。
27. EU の バ ナ ナ 輸 入 日本、ブラジル、 5/ 6 パネル報告書採択
(履行確認)
パナマ、コスタリ 11/ 8 DSU 第 22 条に基づく対抗措置承 履行確認パネル上級委報告書は、本
制限
カ、カナダ、ドミ
件で争われた措置はすでに存在しな
認申請
(エクアドル)
ニカ、マダガスカ 11/19 EUの22.6条仲裁の要請
(エクアドル)いとして、DSB に対して何らの勧告
ル、ガーナ、グレ 2000/ 3/24 22.6条仲裁決定の配布
(エクアドル)も行わないと結論。①エクアドル申
ナ ダ、 イ ン ド、 5/18 22.6条仲裁決定の採択
(エクアドル)立と米国申立について、21.5 条パ
フィリピン、セネ 2001/ 4/30 米 EU、米エクアドル合意
ネルが異なるタイムテーブルにて検
ガル、ベネズエラ】2006/11/16 協議要請Ⅱ
(履行確認)
討 を 行 っ た 点 は DSU9.3 条 に 非 整
2007/ 2/23 パネル設置要請Ⅱ
(履行確認)
合。② 21.5 条パネルによる、ACP
11/12 パネル設置Ⅱ
(履行確認)
諸国に対する無税枠の供与が
2008/ 4/ 7 パネル報告書配布Ⅱ
(履行確認 / GATT13 条に非整合とする事実認定
エクアドル申立)
を却下。③ 21.5 条パネルによる、
5/19 パネル報告書配布Ⅱ
(履行確認 / EC のバナナ輸入措置が GATT 非整
米国申立)
合の措置を含み、米国、エクアドル
9/ 9 エクアドルによる上訴
(履行確認) の協定上の利益を損ねているとの事
11/26 上級委員会報告書配布
(履行確認) 実認定を却下。
12/22 パネル・上級委報告書採択
(履行
確認)
846
(DS28〜DS39)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
28. 日本の著作隣接権
29. トルコの繊維・衣
服輸入制限
経 過
1996/ 2/ 9 協議要請
1997/ 1/24 二国間合意通報
香港
1996/ 2/12 協議要請
スリランカ
1996/ 2/23 協議要請
米国
1996/ 3/11
5/24
6/19
1997/ 3/14
4/29
6/30
7/30
31. カナダの雑誌に係
る措置
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
カナダ上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
インド
1996/ 3/14
32. 米 国 の 女 性 羊 毛【カナダ、
コスタリカ、
4/17
コート輸入制限
EU、ノルウェー、 1996/ 4/25
パキスタン、トルコ】
インド
1994/12/30
【カナダ、EU、ノ 1996/ 3/14
ルウェー、パキス 6/24
タン、トルコ】 1997/ 1/ 6
2/24
33. 米 国 の 毛 織 シ ャ
4/25
ツ・ブラウス輸入制限
5/23
パネル設置要請
パネル設置
パネル設置要請取り下げにより
終了
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
インド
1996/ 3/21
【EU、香港、中国、1998/ 2/ 2
日本、フィリピン、
3/13
タイ、米国】
1999/ 5/31
34. トルコの繊維・衣
7/26
服輸入制限
10/21
11/19
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
トルコ上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
アルゼンチン、豪 1996/ 3/27
州、カナダ、ニュー 1997/ 1/ 9
35. ハンガリーの農産 ジーランド、タイ、
2/25
品輸出補助金
米国
7/30
【 カ ナ ダ、日 本、
タイ、ウルグアイ】
米国
1996/ 4/30
36. パキスタンの医薬
7/ 4
品農業用化学品特許
1997/ 3/ 7
保護
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
合意により解決としながらも
ウェーバーの採用につき未解決
37. ポルトガルの工業
所有権法下の特許保護
米国
EU
【 カナダ、日本、
38. 米国のキューバ自 マレーシア、メキ
由民主化法
シコ、タイ】
39. 米 国 の 対 EU 輸 入
品関税引上げ
EU
協議要請
パネル設置要請
二国間合意により妥結
1996/ 4/30 協議要請
10/ 3 二国間合意により妥結
1996/ 5/ 3
10/ 3
11/20
1997/ 4/21
1998/ 4/22
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
EU によるパネル停止
パネル設置の根拠を失う
1996/ 4/17 協議要請
6/19 パネル設置要請
1996/ 7/15 パネル設置要請取り下げ
日本の著作隣接権保護制度が TRIPs
協定第 14 条などに違反するとして米
国が申立て。
ト ル コ の 繊 維・ 衣 服 輸 入 制 限 が
GATT 第 11、13 条に違反するとして
香港が申立て。
乾燥ココナッツ・ココナッツミルク
に対するブラジルの相殺関税賦課が、
GATT 第 1、2、6 条、農業協定第 13
条
(a)に違反するとしてスリランカ
が申立て。
カナダの雑誌の輸入制限が、GATT
第 11 条に違反する。また雑誌に対す
る税制等が、GATT 第 3 条に違反す
るとの訴えに対し、パネルは GATT
第 3 条 2 項違反を認定した。上級委
員会は、パネルの判断を概ね肯定し
たが、一部カナダの消費税法 V.1
部が、GATT 第 3 条 2 項第 1 文、第 2
文に違反する、また、郵便料金の軽
減は、GATT 第 3 条 8 項
(b)に違反す
るとしてパネルの解釈を修正した。
米国の繊維製品に関するセーフガー
ド措置が、繊維協定第 2、6、8 条に
違反するとして米国が申立て。
関連協定
TRIPs
GATT
繊維
GATT
農業
GATT
繊維
米国の繊維製品に関する経過的繊維
繊維
SG 措 置 が、ATC の 第 2.4、6 条 に 違
DSU
反するとの申立てに対して、パネル
は米国の措置重大な損害の立証にお
いて繊維協定第 2.4、6 条に違反する
と認定
(ATC に関するパネル判断に
ついては上級委申立てされず)
。上級
委は手続的論点として、挙証責任が
申立国にあるとのパネル判断を支持。
パネル報告書配布前の 1996 年 11 月
22日に米国は措置を撤廃したと宣言。
ト ル コ の 繊 維・ 衣 服 輸 入 制 限 が、 GATT
GATT 第 11、13 条、繊維協定第 2 条
繊維
に違反するとの申立てに対し、パネ
ル は GATT 第 11 条、13 条、 繊 維 協
定 第 2 条 4 項違反は、GATT 第 24 条
によって正当化されるとするトルコ
の主張を棄却した。上級委員会は、
パネルの判断を支持したが、GATT
第24条違反の法解釈理由を修正した。
ハンガリーは、約束表のコミットメ
農業
ントのレべルを越えて輸出補助金を
交付しており、農業協定第 3.3 条及び
第 5 部に違反するとして米国、カナ
ダほか各国が申立て。
パキスタンの医薬品農業用化学品に
関する特許保護制度が、TRIPs 協定
第 27、65、70 条に違反するとして米
国が申立て。
ポルトガルの工業所有権法下の特許
保護が、TRIPs 協定第 33、65、70 条
に違反するとして米国が申立て。
米国のキューバ自由民主化法に基づ
く貿易制限、ビザ発給拒否、米国か
らの外国人追放が、GATT 第 1、3、
5、11、13 条、 及 び GATS 第 1、3、
6、16、17 条に違反するとして EU が
申立て。
米国の対 EU 輸入品関税の一方的引
き上げが、GATT 第 1、2、23 条及び
紛争解決了解第 3、22、23 条に違反
するとして EU が申立て。
TRIPs
TRIPs
GATT
GATS
GATT
DSU
847
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
米国
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
30. ブラジルの乾燥コ
コナッツ及びココ
ナッツミルクパウ
ダー相殺関税
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
通信機器に関する韓国の政府調達慣
行と米韓二国間条約に基づく米国企
業への優遇が、GATT、第 3、17 条
に違反するとして EU が申立て。
米国
1996/ 5/24 協議要請
韓国の農産品検疫関連措置が輸入を
制限しており、GATT 第 3、11 条、
41. 韓国の農産品検疫
SPS 協定第 2、5、8 条、TBT 協定第
関連措置
2、5、6 条、農業協定第 4 条に違反す
るとして米国が申立て。
EU
1996/ 5/24 協議要請
日 本 の 著 作 隣 接 権 保 護 制 度 が、
42. 日本の著作隣接権
※ 28 の協議と一本化したため、日米間合意に TRIPs 協定第 14.6、70.2 条に違反す
伴い終了
るとして EU が申立て。
米国
1996/ 6/12 協議要請
トルコの外国映画放映収入税が
43. トルコの外国映画
1997/ 1/ 9 パネル設置要請
GATT 第 3 条に違反するとして米国
放映収入税
2/25 パネル設置
が申立て。
7/14 二国間合意通報
米国
1996/ 6/13 協議要請
日本の消費者フィルム印画紙関連措置
【EU、メキシコ】 9/20 パネル設置要請
が輸入品を差別しており、GATT 第 3、
10/16 パネル設置
10 条に違反する。また利益を無効化・
1998/ 3/31 パネル報告書配布
侵害しているとの申立てに対して、パ
44. 日本の消費者フィ
4/22 パネル報告書採択
ネルは、当該措置により、輸入品が国
ルム印画紙関連措置
内産品と比較して不利な待遇を付与さ
れたこと、実質的に輸入品に与えられ
た利益に影響を及ぼしたことを立証出
来ていないとして、GATT 第 3、10 条
に違反しないと判断した。
米国
1996/ 6/13 協議要請
日 本 の 流 通 サ ー ビ ス 関 連 措 置 が、
45. 日本の流通サービ
9/20 追加的協議要請
GATS 第 3、6、16、17 条に違反する。
ス関連措置
また、利益を無効化・侵害している
として米国が申立て。
カナダ
1996/ 6/19 協議要請
ブラジルの航空機輸出ファイナン
【豪州、EU、韓国、
9/16 パネル設置要請
ス・プログラム
(PROEX)は、補助
米国】
10/ 3 パネル再要請
(カナダより撤回) 金協定第 3、27.4、27.5 条に違反する
1998/ 7/10 パネル設置要請
との申立てに対し、パネルはブラジ
7/23 パネル設置
ル の 措 置 は 補 助 金 協 定 第 3.1
(a)
、
1999/ 4/14 パネル報告書配布
27.4 条に違反し、輸出信用に関する
5/ 3 ブラジルによる上訴
規定の補助金協定附属書Ⅰ
(k)に
8/ 2 上級委員会報告書配布
よっても正当化されず、輸出補助金
8/20 パネル・上級委報告書採択
であると認定した。上級委は一部パ
11/23 パネル設置要請
(履行確認)
ネルの判断と異なる解釈を示しつつ
12/ 9 パネル設置
(履行確認)
もパネルの結論を支持した。その後
2000/ 5/ 9 パネル報告書配布
(履行確認)
の DSU 第 21.5 条パネル及び上級委に
46. ブラジルの航空機
5/10 対抗措置承認申請
おいても改訂されたブラジルのプロ
輸出ファイナンスプ
5/22 ブラジルによる上訴
(履行確認) グラム
(PROEX)等が補助金協定違
ログラム
7/21 上級委員会報告書配布
(履行確認)反であると認定した。その一方、カ
8/ 4 パネル・上級委員会報告書採択 ナダは対抗措置の承認要請を申立て、
(履行確認)
繊維協定の下での譲許停止が承認さ
8/28 対抗措置の規模に係る仲裁裁定の れた。その後カナダは、再度改訂さ
配布
れたブラジルのプログラム
(PROEX
12/12 対抗措置の規模に係る仲裁裁定 Ⅲ)について DSU 第 21.5 条パネルを
の採択
要請、パネルは PROEX Ⅲそれ自体
2001/ 1/22 パネルⅡ設置要請
(履行確認)
は補助金協定第 3.1
(a)違反ではなく
2/16 パネルⅡ設置
(履行確認)
かつ OEUD 輸出信用アレンジメント
7/26 パネルⅡ報告書配布
(履行確認) の遵守グラフについて規定する附属
8/23 パネルⅡ報告書採択
(履行確認) 書Ⅰ
(k)パラ 2 で正当化されるとし
た。
タイ
1996/ 6/20 協議要請
ト ル コ の 繊 維・ 衣 服 輸 入 制 限 が、
47. トルコの繊維・衣
GATT 第 1、2、11、13 条及び繊維協
服輸入制限
定第 2 条に違反するとしてタイが申
立て。
48. EU の ホ ル モ ン 家 カナダ
(DS26 と合併)
畜・牛肉制限する措置
メキシコ
1996/ 7/ 1 協議要請
生鮮・冷凍トマト輸入に対する米国
49. 米国の生鮮・冷凍
の AD 調 査 が、GATT 第 6、10 条、
トマト輸入 AD 措置
及び AD 協定第 2、3、5、6、7.1 条に
違反するとしてメキシコが申立て。
40. 韓国の通信機器調
達関連法令・実態
848
EU
(DS40〜DS49)
1996/ 5/ 9 協議要請
1997/10/29 二国間合意により妥結
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
GATT
GATT
SPS
TBT
農業
TRIPs
GATT
GATT
GATS
補助金
GATT
GATT
AD
(DS50〜DS57)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
米国
【EU】
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
経 過
1996/ 7/ 2
11/ 7
11/20
1997/ 9/ 5
10/15
12/19
1998/ 1/16
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
インド上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
TRIPs
第
3
GATT
TRIM
補助金
GATT
TRIM
補助金
GATT
GATT
TRIM
補助金
TRIPs
GATT
TBT
関税評価
繊維
補助金
849
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
インドの医薬品・農業用化学品の特
許保護制度が TRIPs 協定第 27、63、
65、70.8、70.9 条等に違反するとの
申立てに対し、パネルは、インドは
医薬品・農業用化学品の物質特許申
請の新規性・優先性を保護する適切
な措置及び期間排他的販売権を付与
50. インドの医薬品農
する措置を確立していないとして、
業用化学品特許保護
TRIPs 協 定 第 63.1 条、63.2 条、70.8
(a)条、70.9 条違反を認めた。これに
対 し 上 級 委 員 会 は、70.8
(a)条 及 び
70.9 条についてはパネルの判断を支
持したものの、63 条については、パ
ネルの付託事項ではないとして、パ
ネルの判断を覆した。
日本
1996/ 7/30 協議要請
ブラジルの自動車関連投資措置が、
GATT 第 1、3、11 条、TRIM 協 定
51. ブラジルの自動車
GATS 第 2 条、 補 助 金 協 定 第 3、
関連投資措置
27.2、27.4 条に違反する。また、利
益を無効化・侵害しているとして日
本が申立て。
米国
1996/ 8/ 9 協議要請
ブラジルの自動車貿易投資関連措置
が、GATT 第 1、3 条、TRIM 協定第
52. ブラジルの自動車
2 条、補助金協定第 3、27.4 条に違反
貿易投資関連措置
する。また利益を無効化・侵害して
いるとして米国が申立て。
EU
1996/ 8/27 協議要請
NAFTA 加盟国からの輸入品とそれ
以外の国からの輸入品とで、関税評
53. メキシコの関税評
価基準が異なるメキシコの関税は、
価制度
GATT 第 24 条 5 項
(b)に違反すると
して EU が申立て。
EU
(54)
1996/10/3 協議要請
(
「DS55」
10/4、
「DS59」 「国民車」計画の自動車及び関連部品
日本
(55)
10/8、
「DS64」
11/29 ※ DS64 は
に関する措置が、GATT 第 1、3 条、
米国
(59)
DS55 以外の論点について提起) TRIM 協定第 2 条及び補助金協定第
日本
(64)
1997/ 5/12 パネル設置要請
(
「DS55」
4/17、
3、6、28 条、TRIPs 協 定 第 3、65.5
【インド、韓国、
「DS59」
6/12、
「DS64」
4/17)
条に違反するとの申立てに対して、
米国
(54)
】
6/30 パネル設置
(
「DS55」
、
「DS59」
、 パネルは、GATT 第 1、2 条、TRIM
54.(55)
、
(59)
、
(64)
.
「DS64」
と合併)
協定第 2 条、補助金協定第 5 条に違
インドネシアの自動
1998/ 7/ 2 パネル報告書配布
反すると判断したが、補助金協定第
車関連措置
7/23 パネル報告書採択
28.2 条 の 違 反 は 認 め な い、 ま た
TRIPs 協定第 3 条及び 65.5 条違反の
問題は原告の論証が不十分と判断し
た。パネル報告を受け、インドネシ
ア政府は、1999 年 6 月に新自動車政
策を導入し、履行を果たした。
55. インドネシアの自 日本
(DS54 と合併)
動車関連措置
米国
1996/10/4 協議要請
アルゼンチンの靴・繊維・衣服に関
【EU、インドネシ 1997/ 1/ 9 パネル設置要請
連 す る 特 定 関 税 な ど の 措 置 が、
ア】
2/25 パネル設置
GATT 第 2、7、8、10 条、TBT 協 定
11/25 パネル報告書配布
第 2 条、関税評価協定第 1、8 条、繊
1998/ 1/21 アルゼンチン上級委申立て
維協定第 7 条に違反する。パネルは
3/27 上級委員会報告書配布
GATT 第 2、8 条違反とした。一方、
4/22 パネル・上級委員会報告書採択 上級委員会は、譲許表に規定された
56. アルゼンチンの靴
形式と異なる形式での関税の適用は、
繊維衣服関連措置
譲許表に規定した関税を超える徴収
をもたらす限りにおいて GATT 第 2
条違反とし、パネルの認定を変更し
た。上級委報告を受け、アルゼンチ
ンは、1999 年 1 月1日までに統計税を
0.5% に削減し、1998 年 10 月19日まで
に特別関税の上限を 35%
(譲許税率)
とする事で、勧告の履行を行った。
米国
1996/10/7 協議要請
豪州の革製品に対する補助金交付が、
57. 豪州の繊維衣服靴
補助金協定第 3 条に違反するとして
輸入信用制度
米国が申立て。
関連協定
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
(DS58〜DS67)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
インド
1996/10/8 協議要請
海ガメの保護を意図した、米国のエ
マレーシア
1997/ 1/ 9 マレーシア・タイ、パネル設置要 ビ 及 び エ ビ 製 品 の 輸 入 制 限 が、
パキスタン
請
(1997/1/30 パキスタン、パネ GATT 第 1、11、13 条に違反する。
タイ
ル設置要請)
また利益を無効化・侵害していると
【豪州、コロンビ 2/25 パネル設置、インドがパネル設置 の 申 立 て に 対 し て、 パ ネ ル は、
ア、コスタリカ、
要請
GATT 第 20 条 で は 正 当 化 さ れ ず
EU、グアテマラ、
4/10 インド単独パネル設置
(前者に併合)GATT 第 11 条 1 項違反と判断したの
58. 米国のエビ保護海 香港、日本、メキ 1998/ 5/15 パネル報告書配布
に対し、上級委員会は、20 条
(g)に
ガメ法
シコ、ナイジェリ 7/ 3 米国上級委員会申立て
対するパネルの判断のアプローチを
ア、パキスタン、 10/12 上級委員会報告書配布
拒絶し、まずはじめに極めて抽象的
フィリピン、セネ 11/ 6 パネル・上級委員会報告書採択 な審査のみで 20 条
(g)の要件が満た
ガル、シンガポー 2000/10/23 パネル設置
(履行確認)
されると判断し、次に柱書基準が満
ル、スリランカ、 2001/ 6/22 パネル報告書配布
(履行確認)
たされているかどうかより具体的に
ベネズエラ】
10/22 上級委員会報告書配布
(履行確認)判断するというアプローチを採用し、
11/21 パネル・上級委員会報告書採択 最終的には 20 条での正当化は認めら
(履行確認)
れず、GATT 違反と判断した。
59. インドネシアの自 米国
(DS54 と合併)
動車関連措置
メキシコ
1996/10/15 協議要請
メキシコからのセメント輸入に対す
【カナダ、エルサ 1997/ 2/ 4 パネル設置要請
る AD 調査が、AD 協定第 2、3、5、
ル バ ド ル、 ホ ン 3/20 パネル設置
7.1 条に違反するとの申立てに対し、
ジュラス、米国】 1998/ 6/19 パネル報告書配布
パネルはグアテマラが調査開始を正
8/ 4 グアテマラによる上訴
当化するためのダンピング、損害及
11/ 2 上級委員会報告書配布
び因果関係に関する十分な証拠がな
11/25 パネル・上級委報告書採択
いにもかかわらず調査を開始したと
60. グアテマラのポー
して、AD 協定第 5.3 条違反を認めた。
トランドセメント輸
一方、上級委は、メキシコはパネル
入 AD 調査
設置要請の際に申立て措置の特定を
行わなかったため DSU 第 6.2 条違反
があるとして、適切にパネル設置要
請を行ったとのパネルの判断を覆し
た。このため、パネルが行った実質
的な論点については何ら判断しな
かった。
フィリピン
1996/10/25 協議要請
海ガメの保護を意図した、米国のエ
ビ及びエビ製品の輸入制限が GATT
61. 米国のエビ保護海
第 1、2、3、8、1 1、1 3 条、T B T 協
ガメ法
定第 2 条に違反する。また利益を無
効化・侵害しているとしてフィリピ
ンが申立て。
米国
1996/11/8 協議要請
(
「対英国 DS67」
及び
「対 コンピューター機器に関する関税分
【日本、韓国、イン
アイルランド DS68」
1997/2/14) 類の変更が、GATT 第 2 条に違反す
ド、シンガポール】1997/ 2/11 パネル設置要請
(
「DS67」
「DS68」 ると の 申 立 て に 対 し て、 パ ネ ル は
3/7)
GATT 第 2 条 1 項違反と判断した。上
62.(67)
、
(68)
. EU の
2/25 パネル設置
(3/20
「DS67」
「DS68」 級委員会もパネルと同様に GATT 第
コンピューター機器
と併合)
2 条 1 項違反としたが、輸出国の
「正
関税分類
1998/ 2/ 5 パネル報告書配布
当な期待」
の観点からの譲許の解釈、
3/24 EU 上級委申立て
輸出国の
「正当な期待」の観点からの
6/ 5 上級委報告書配布
解釈がウィーン条約法条約第 31 条に
6/22 パネル・上級委報告書採択
規定された誠実な解釈の規則に合致
するとのパネルの判断を棄却した。
EU
1996/11/28 協議要請
旧東独からの固形尿素輸入に対し米
63. 米国の旧東独固形
国が行った AD 措置は、AD 協定第 9
尿素輸入への AD 措置
条及び 11 条に違反しているとして
EU が申立て。
64. インドネシアの自 日本
(DS54 と合併)
動車関連措置
米国
1997/ 1/10 協議要請
DS52 に基づく協議後、ブラジルが
新 た に と っ た 自 動 車 関 連 措 置 が、
65. ブラジルの自動車
GATT 第 1、3 条、TRIM 協定第 2 条、
貿易投資関連措置
補助金協定第 3、27.4 条に違反し、ま
た利益を無効化・侵害しているとし
て米国が申立て。
EU
1997/ 1/15 協議要請
豚肉及び豚肉製品に係る日本の措置
が、GATT 第 1、10.3、13 条 に 違 反
66. 日本の豚肉輸入に
する。また利益を無効化・侵害して
係る措置
9 条及び 11 条に違反しているとして
EU が申立て。
67. 英国のコンピュー 米国
(DS62 と合併)
ター機器関税分類
850
関連協定
GATT
AD
GATT
TBT
GATT
AD
GATT
TRIM
補助金
GATT
(DS68〜DS75)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
68. アイルランドのコ 米国
ンピューター機器関
税分類
ブラジル
【タイ、米国】
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
経 過
関連協定
(DS62 と合併)
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書
ブラジル上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
851
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
鶏肉製品に関する EU の輸入レジー GATT
ム及び関税割当が 1994 年 GATT 第 ライセンス
10、27 条、輸入許可手続協定第 1、3 農業協定
条に違反する。また利益を無効化・
侵害している。関税率割当の枠外に
ある鶏肉の輸入に対し課される特別
69. EU の 鶏 肉 製 品 輸
セーフガードの実行において、農業
入に関する措置
に関する協定第 4、5 条に違反すると
の申立てに対して、パネルは農業に
関する協定第 5 条違反を認定した。
これに対し上級委員会は、パネルの
5条1項bの解釈を修正するとともに、
5 条 5 項違反を認定した。
ブラジル
1997/ 3/10 協議要請
ブラジルへの民間機輸出に対する加 補助金
【EU、米国】
1998/ 7/10 パネル設置要請
政府・州の補助金交付は、補助金協
7/23 パネル設置
定第 3 条に違反するとの申立てに対
1999/ 4/14 パネル報告書配布
して、パネル及び上級委は、カナダ
5/ 3 加上級委申立て
の補助金の一部
(CA 制度に基づく融
8/ 2 上級委報告書配布
資と技術提携制度
(TPC)
)について
9/ 6 協議要請
(履行確認)
のみ輸出補助金であると認定し、こ
11/23 パネル設置要請
(履行確認)
れらの廃止を勧告した。なお、補助
70. カナダの民間航空
12/ 9 パネル設置
(履行確認)
金協定第 1.1
(b)の利益の判定に受益
機輸出に係る措置
2000/ 5/ 9 パネル報告書配布
(履行確認)
者利益説と商業的ベンチマークが採
5/22 ブラジルによる上級委申立て
(履 用 さ れ た。DSU 第 21.5 条 パ ネ ル は
行確認)
TPC については履行されたことを認
7/21 上級委報告書配布
(履行確認)
定したが、CA 制度については完全
2000/ 8/ 4 パネル・上級委報告書採択
に 履 行 さ れ て い な い と 判 断 し た。
DSU 第 21.5 条上級委は、TPC につい
てはブラジルが立証に失敗したと判
断した。
ブラジル
1997/ 3/10 協議要請
カナダの DS70 と同様の措置は、補 補助金
71. カナダの民間航空
助金協定第 5 条の悪影響があり、相
機輸出に係る措置
殺関税の対象となる
(補助金協定第 7
条)
としてブラジルが申立て。
ニュージーランド 1997/ 3/24 協議要請
EU 及び英国税務局の NZ 産バターに GATT
【米国】
11/ 6 パネル設置要請
対する措置が GATT 第 2、10、11 条
TBT
72. EU の 乳 製 品 に 係
11/18 パネル設置
及び TBT 協定第 2 条、輸入許可手続 ライセンス
る措置
1999/11/11 二国間合意通報
協定第3条に違反しているとして
ニュージーランドが申立て。
EU
1997/ 3/26 協議要請
日本の人工衛星調達の入札に係る明 政府調達
7/31 二国間合意通報
細事項は明示的に米国以外を排除す
73. 日本の人工衛星調達
るものであり、政府調達協定附属書
付表 1 に反し、6
(3)
、7
(2)に違反す
るとして EU が申立て。
米国
1997/ 4/ 1 協議要請
フィリピンの豚肉・鶏肉の関税割当 GATT
1998/ 3/12 二国間合意通報
に 伴 う 許 可 等 の 遅 延 は、1994 年
農業
GATT 第 3、10、11 条、農業協定第 ライセンス
74. フ ィ リ ピ ン の 豚
4 条、輸入許可手続協定第 1、3 条、 TRIM
肉・鶏肉に係る措置
TRIM 協定第 2、5 条違反するととも
に、利益を無効化・侵害していると
して米国が申立て。
EU
1997/ 4/ 4 協議要請
韓国の酒税法・教育税法による酒類 GATT
【カナダ、メキシコ】
9/10 パネル設置要請
への内国税賦課は、1994 年 GATT 第
10/16 パネル設置
3 条 2 項に違反するとの申立てに対し
75. 韓国の酒税
1998/ 9/17 パネル報告書配布
て、パネルは 1994 年 GATT 第 3 条 2
10/28 韓国上級委申立て
項違反を認定。これに対し上級委員
1999/ 1/18 上級委員会報告書配布
会もパネルの判断を支持した。
2/17 パネル・上級委報告書採択
第
1997/ 2/24
6/12
7/30
1998/ 3/12
4/29
7/13
7/23
資料編
(DS76〜DS85)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
米国
1997/ 4/ 7
【ブラジル、EU、 10/ 3
ハンガリー】
11/18
1998/10/27
11/24
1999/ 2/22
3/19
2001/ 8/23
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
日本上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
二国間合意通報
76. 日本の農産物に係
る措置
EU
【米国】
77. アルゼンチンの靴
繊維衣服関連措置
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル停止
パネル設置根拠喪失
協議要請
852
関連協定
日本が特定の農産物への検疫措置と
SPS
して品種ごとの検査を義務付けてい GATT
る こ と が、SPS 協 定 の 関 連 規 定、
農業
GATT 第 11 条、農業協定第 4 条に違
反し、利益を無効化・侵害している
とする米国の主張について、パネルは
日本の措置は SPS 協定第 2.2 条
(科学
的根拠に基づく措置実施)
、第 5.6 条
(貿易制限的とならない保護水準の確
保)
及び衛生植物検疫上の規制の透明
性確保に係る附属書 B に違反すると
判断し、上級委員会もパネルの判断
をおおむね支持した。日本は 1999 年
12 月末までにパネル・上級委の勧告
を履行する旨米国と合意し、同期間
内に問題の措置を廃止。その後も日
米は新たな検疫措置について協議を
継続し、2001 年 8 月に本件について完
全な合意に至った旨 DSBに通報した。
アルゼンチンの織物等に対する特定 GATT
関税などの措置が GATT 第 2 条、繊
繊維
維協定第 7 条、及び TBT 協定第 14.1
TBT
条に違反しているとして EU が提訴。
米国のトウモロコシ輸入に対する SG
措 置 が、SG 協 定 第 2、4、5、9、12
条、GATT 第 2、13、14 条に違反し、
また利益を無効化・侵害していると
してコロンビアが申立て。
EU
1997/ 4/28 協議要請
インドの医薬品・農業用化学品の特
【米国】
9/ 9 パネル設置要請
許 保 護 制 度 が TRIPs 協 定 第 70.8、
10/16 パネル設置
70.9 条に違反するとの申立てに対し、
1998/ 8/24 パネル報告書配布
パネルは、インドは医薬品及び農業
79. インドの医薬品農
9/22 パネル報告書採択
用化学品の物質特許申請の新規性・
業用化学品特許保護
優先性を保護する適切な措置及び期
間排他的販売権を付与する措置を確
立していないとして、TRIPs 協定第
70.8
(a)
条及び 70.9 条違反を認めた。
米国
1997/ 5/ 2 協議要請
ベルギーの電話帳出版業に対する免
許付与条件等の措置が、GATS 第 2、
80. ベルギーの商業用
6、8、17 条に違反し、EU のコミッ
電話帳サービス
トメントによる利益を無効化・侵害
しているとして米国が申立て。
EU
1997/ 5/ 7 協議要請
ブラジル自動車関連措置
(1997 年 3 月
に新たにとられた措置等を含む)
が、
81. ブラジルの自動車
GATT 第 1、3 条、補助金協定第 3、
貿易投資関連措置
5、27.4 条、TRIM 協定第 2 条に違反
し、利益を無効化・侵害していると
して EU が申立て。
米国
1997/ 5/14 協議要請
アイルランドの著作隣接権付与の制
82. アイルランドの著
1998/ 1/ 9 パネル設置要請
度が、TRIPs 協定第 9-14、63、65、
作隣接権付与に係る
2/13 パネル設置要請取り下げ
70 条に違反するとして米国が申立
措置
2000/11/6 二国間合意通報
て。
米国
1997/ 5/14 協議要請
デンマークの知的財産権を含む民事
2001/ 6/ 7 二国間合意通報
訴訟手続に係る暫定措置を策定しな
83. デンマークの知的
いことは、TRIPs 協定第 50、63、65
財産権に係る措置
条による義務に違反するとして米国
が申立て。
米国
1997/ 5/23 協議要請
韓国の酒税法・教育税法による酒類
【カナダ、メキシコ】
9/10 パネル設置要請
への内国税賦課は、1994 年 GATT 第
10/16 パネル設置
3 条 2 項に違反し、同条の利益を侵害
84. 韓国の酒税
1998/ 9/17 パネル報告書配布
しているとの申立てに対して、パネ
10/20 韓国上級委申立て
(DS75 と同一) ルは 1994 年 GATT 第 3 条 2 項違反を
1999/ 1/18 上級委員会報告書配布
認定。これに対し上級委員会もパネ
2/17 パネル・上級委報告書採択
ルの判断を支持した。
EU
1997/ 5/23 協議要請
米国の織物・衣服に関する原産地規
1998/ 2/11 二国間合意通報
則の変更は、繊維協定第 2.4、4.2、
85. 米国の織物・衣服
4.4 条、 原 産 地 規 則 協 定 第 4.2 条、
に係る措置
GATT 第 3 条及び TBT 協定第 2 条に
違反するとして EU が申立て。
78. 米国のトウモロコ
シ輸入に係るセーフ
ガード措置
コロンビア
1997/ 4/17
9/10
10/16
1998/ 7/29
1999/ 7/29
1997/ 4/28
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
SG
GATT
TRIPs
GATS
GATT
補助金
TRIM
TRIPs
TRIPs
GATT
繊維
原産地
GATT
TBT
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
米国
(DS86〜DS96)
経 過
1997/ 5/28 協議要請
1998/12/2 二国間合意通報
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
TRIPs
GATT
第
3
政府調達
GATT
AD
GATT
農業
GATT
農業
GATT
農業
GATT
農業
GATT
GATT
農業
SPS
853
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
スウェーデンの知的財産権を含む民
事訴訟手続に係る暫定措置を策定し
ないことは、TRIPs 協定第 50、63、
65 条による義務に違反するとして米
国が申立て。
EU
(DS87)
1997/ 6/ 4 協議要請
(
「DS110」
12/15)
EU は、チリが輸入蒸留酒に対し国
【 カナダ、メキシ 10/ 3 パネル設置要請
(
「DS110」
1998/3/9)産蒸留酒
(ぶどう酒を蒸留させた『ピ
コ、ペルー、米国】
11/18 パネル設置
スコ』
)よりも高い特別売上税を課し
EU
(DS110)
(
「DS110」
1998/3/25。その後
ているのは、GATT 第 3 条に違反す
【カナダ、ペルー、
DS87 と合併)
る旨主張。チリは DS87 の提起に伴
米国】
1999/ 6/15 パネル報告書配布
い暫定的な措置改正を行ったが、EU
9/13 チリ上級委申立て
は 当 該 新 措 置 も GATT 違 反 と し て
12/13 上級委報告書配布
DS110 を提起。パネルはチリの新措
87.(110)
. チリの酒税
2000/ 1/12 パネル・上級委報告書採択
置 に つ い て も GATT 第 3.2 条
(内国
税・課徴金に係る内国民待遇)に違
反すると判断し、上級委員会もパネ
ルの判断をおおむね支持した。2001
年 2 月の DSB において、チリは輸入
蒸留酒と『ピスコ』への課税率を同
率にする法改正を完了し、パネル・
上級委の勧告を履行した旨通報を
行った。
EU
1997/ 6/20 協議要請
(
「DS95」
7/18)
米国マサチューセッツ州法が州に対
【日本】
1998/ 9/ 8 パネル設置要請
(
「DS95」
9/8)
しミャンマー政府と取引のあった企
88.(95)
. 米国の政府
10/21 パネル設置
(DS95 と合併)
業と取引することを禁じているのは、
調達に係る措置
1999/ 2/10 パネル停止
政府調達協定第 8
(B)
、10、13 条に違
2000/ 2/11 パネル設置根拠喪失
反し、利益を無効化・侵害している
として EU が申立て。
韓国
1997/ 7/10 協議要請
米国が韓国製カラーテレビに対し、
【ブラジル】
11/ 6 パネル設置要請
ダンピングの不在及び輸出中断にも
89. 米 国 の 韓 国 製 カ
1998/ 1/ 5 パネル設置要請撤回
(再要請の権 拘わらず AD 義務を賦課していたこ
ラーテレビ輸入に係
利留保)
と は、GATT 第 6 条 及 び AD 協 定 第
る AD 措置
9/22 韓国が要請を撤回
1、2、3、4、5、11 条 に 違 反 す る と
して韓国が申立て。
米国
1997/ 7/15 協議要請
イ ン ド が 2700 品 目 に 及 ぶ 農 業・ 織
10/ 3 パネル設置要請
物・工業製品につき輸入数量制限を
11/18 パネル設置
行 っ て い る の は、GATT 第 11、18
1999/ 4/ 6 パネル報告書配布
条、農業協定第 4 条 2 項、輸入輸入
5/26 インド上級委申立て
ライセンス協定第 3 条に違反すると
8/23 上級委報告書配布
の米国の主張について、パネルはイ
9/22 パネル・上級委報告書採択
ンドの措置が、GATT 第 11 条
(数量
制限)
、18.11 条
(経済開発を目的とす
90. インドの農業・織
る範囲内での輸入制限の維持)に違
物・ 工 業 製 品 輸 入 に
反するとともに、農産品に対する輸
係る数量制限
入制限は農業協定第 4.2 条
(農産品の
輸入制限措置の一般的禁止)に違反
し、米国の協定上の利益を無効化・
侵害していると判断。上級委もパネ
ルの判断を全面的に支持した。2001
年 4 月の DSB において、インドは問
題とされたすべての品目について数
量制限を撤廃し DSB の勧告を履行し
た旨通報した。
91. インドの農業・織 豪州
1997/ 7/16 協議要請
(DS90. の米国による申立て事由と同
物・ 工 業 製 品 輸 入 に
1998/ 3/23 二国間合意通報
様)
係る数量制限
92. インドの農業・織 カナダ
1997/ 7/16 協議要請
(DS90. の米国による申立て事由と同
物・ 工 業 製 品 輸 入 に
1998/ 3/25 二国間合意通報
様)
係る数量制限
93. インドの農業・織 ニュージーランド 1997/ 7/16 協議要請
(DS90. の米国による申立て事由に加
物・ 工 業 製 品 輸 入 に
1998/ 9/14 二国間合意通報
え)
利益を無効化・侵害している。
係る数量制限
94. インドの農業・織 スイス
1997/ 7/18 協議要請
(上記 DS90.~93. の申立て事由と同
物・ 工 業 製 品 輸 入 に
1998/ 2/23 二国間合意通報
様。但し農業協定を除く)
係る数量制限
95. 米国の政府調達に 日本
(DS88 と合併)
係る措置
96. インドの農業・織 EU
1997/ 7/21 協議要請
(上記 DS90. の米国による申立て事由
物・ 工 業 製 品 輸 入 に
1998/ 4/ 7 二国間合意通報
に加え)
SPS 協定第 2、3、5 条に違反
係る数量制限
するとして申立て。
86. スウェーデンの知
的財産権に係る措置
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS97〜DS100)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
97. 米国のチリ産さけ チリ
輸入に係る相殺義務
調査
EU
【米国】
98. 韓国の乳製品輸入
に係るセーフガード
決定
韓国
99. 米 国 の 韓 国 製
DRAM に 対 す る AD
税賦課
100. 米 国 の 鶏 肉 製 品
輸入に係る措置
854
EU
経 過
1997/ 8/ 5 協議要請
1997/ 8/12
1998/ 1/ 9
6/10
7/23
1999/ 6/21
9/15
12/14
2000/ 1/12
協議要請
パネル設置要請
新規のパネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
韓国による上訴
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
1997/ 8/14
1998/ 1/16
1999/ 1/29
2000/ 3/19
4/25
9/21
10/20
1997/ 8/18
協議要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル設置要請
(履行確認)
パネル設置
(履行確認)
パネル停止
(履行確認)
二国間合意通報
協議要請
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
チリ産さけに対する米商務省の補助
金相殺義務調査は補助金協定第 11 条
に違反するとしてチリが申立て。
韓国が乳製品に輸入割当の形で SG
発動したのは、SG 協定第 2、4、5、
12 条及び GATT 第 19 条に違反する
との申立てに対して、パネルは、重
大な損害の認定に関する SG 協定第
4.2 条違反及び SG 措置の適用に関す
る SG 協定第 5 条違反
(ただし、上級
委は数量制限を適用する場合以外の
いかなる場合にも明白な説明が必要
とのパネルの判断は破棄)を認定し
た。上級委は、GATT 第 19.1 条につ
いてのパネルの解釈を破棄し、
「予
見されなかった発展」は独立の要件
であると判断した。
韓国製 DRAM に対する米商務省の
AD 決定は、AD 協定第 6、11 条に反
するとして韓国が申立て。
米国による EU 産鶏製品の輸入禁止
が GATT 第 1、3、10、11 条及び SPS
協定、TBT 協定に反するとして EU
が申立て。
関連協定
補助金
SG
GATT
AD
GATT
SPS
TBT
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
米国
(DS101〜DS108)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
1997/ 9/ 4 協議要請
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
855
第
メキシコの米コーンシロップに対す
AD
る AD 決 定 及 び 措 置 の 発 動 が、AD
協定第 5、6 条に反するとして米国が
申立て。
米国
1997/10/7 協議要請
(DS74. の対象となった措置を改善す GATT
102. フ ィ リ ピ ン の 豚
1998/ 3/12 二国間合意通報
るとの 1997 年政令 8 号も申立てに含
農業
肉・鶏肉に係る措置
む)
ライセンス
TRIM
米国
(103)
1997/10/8 協議要請
(
「DS113」
1997/12/29) カナダの乳製品に係る輸出補助金及 補助金
ニュージーランド 1998/ 2/ 2 パネル設置要請
(
「DS113」
び関税割当は、GATT 第 2 条、農業 GATT
(113)
1998/3/12)
協定第 3 条、9 条、補助金協定第 3 条、 農業
【アルゼンチン、 3/25 パネル設置
輸入ライセンス協定第 1、3 条に違反
豪州、EU、日本、
5/17 パネル報告書配布
するとの申立てに対し、パネル及び
メ キ シ コ、 米 国 7/15 カナダ上級委申立て
上級委は農業協定第 9 条の輸出補助
(113)
】
1999/10/13 上級委報告書配布
金に該当する措置であり、農業協定
10/27 パネル・上級委報告書採択
第 10 条違反であると認定した。DSU
2001/ 2/16 パネル設置要請
(履行確認)
第 21.5 条パネル及び上級委は、カナ
3/ 1 パネル設置
(履行確認)
ダの履行が不十分であると判断し
103.(113). カ ナ ダ の
7/11 パネル報告書配布
(履行確認)
た。
乳製品に係る措置
9/ 4 カナダ上級委申立て
(履行確認)
12/ 3 上級委報告書配布
(履行確認)
12/ 6 パネルⅡ設置要請
(履行確認)
12/18 パネル・上級委報告書採択、パネ
ルⅡ設置
(履行確認)
2002/ 7/26 パネルⅡ報告書配布
(履行確認)
9/23 カナダ上級委Ⅱ申立て
(履行確認)
12/20 上級委Ⅱ報告書配布
(履行確認)
2003/ 1/17 上級委Ⅱ報告書採択
(履行確認)
5/15 二国間合意通報
米国
1997/10/8 協議要請
EU のプロセスチーズ輸出に係る補
農業
104. EU のプロセス・
助金が、農業協定第 8、9、10、11 条、 補助金
チーズ輸出に係る措
補助金協定第 3 条に反するとして米
置
国が申立て。
パナマ
1997/10/24 協議要請
バナナの輸入、販売、流通に関する
105. EU のバナナ輸入
EU の制度に関する申立て
(関連する
制限
WTO 協定を特定せず)
。
米国
1997/11/10 協議要請
豪州が自動車用皮革製品の生産者・ 補助金
106. 豪 州 の 自 動 車 用
1998/ 1/22 パネル設置
輸出者に対する補助金は、補助金協
皮 革 生 産 者・ 輸 入 者
6/11 パネル設置要求を撤回
定第 3 条に違反するとして米国が申
への補助金
立て。
EU
1997/11/7 協議要請
パキスタンの獣皮輸出制限措置は
107. パ キ ス タ ン の 獣
EU 産業の未加工、半加工原料調達
皮輸出制限
を制限しているとして EU が申立て
(関連する WTO 協定を特定せず)
。
EU
1997/11/18 協議要請
米国の外国小売業者
(FSC)に対する 補助金
【豪州、バルバド 1998/ 7/ 1 パネル設置要請
特別課税制度は、補助金協定第 3.1 GATT
ス、ブラジル、カ 9/22 パネル設置
条、GATT 第 3.4、16 条 に 違 反 す る
ナダ、中国、イン 1999/10/8 パネル報告書配布
との申立てに対して、パネルは補助
ド、ジャマイカ、 11/26 米上級委申立て
金協定第 3.1 条の輸出補助金に該当す
日本】
2000/ 2/24 上級委報告書配布
るとして廃止を勧告、上級委もこれ
3/20 パネル・上級委報告書採択
を支持し採択された。これを受けて
11/17 DSU 第 22 条に基づく対抗措置承 米国は履行措置として FSC 廃止並び
認申請
に改正法 ETI を制定したが、第 1 回
11/27 米国の DSU 第 22.6 条仲裁の要請 DSU 第 21.5 条パネル及び DSU 第 21.5
12/ 7 EU によるパネル設置要請
(履行 条上級委は依然として輸出補助金で
確認)
あ り 協 定 違 反 で あ る と 認 定 を し、
108. 米 国 の 外 国 小 売
12/20 パネル設置
(履行確認)
DSU 第 21.5 条上級委は補助金協定第
業者への課税制度
2001/ 8/20 パネル報告書配布
(履行確認)
4.7 条の完全な実施を要請した。これ
10/15 米国による上級委申立て
(履行確認)により米国は、ETI 廃止法案である
2002/ 1/14 上級委報告書配布
(履行確認)
米国雇用創出法を制定したが、第 2
1/29 パネル・上級委報告書採択
(履行 回 DSU 第 21.5 条パネルはこの実施措
確認)
置についても完全な勧告を実施して
2005/ 1/13 EU によるパネルⅡ設置要請
(履 い な い と 認 定 し た。 ま た、DSU 第
行確認)
21.5 条パネルは新たな勧告が必要で
2/17 パネルⅡ設置
(履行確認)
あるとの米国の主張には同意しない
9/30 パネルⅡ報告書配布
(履行確認) とした。
11/24 米国による上級委Ⅱ申立て
(履行
確認)
2006/ 2/13 パネル・上級委Ⅱ報告書配布
(履
行確認)
101. メキシコの米国産
高糖度コーンシロップ
に対する AD 調査
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS109〜DS121)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
米国
1997/12/11 協議要請
EU
アルゼンチン
1997/12/19 協議要請
ブラジル
1997/12/23 協議要請
109. チリの酒税
110. チリの酒税
111. 米 国 の グ ラ ン ド
ナッツに係る関税割
当
112. ペ ル ー の ブ ラ ジ
ル製バス輸入に係る
CVD 調査
113. カ ナ ダ の 乳 製 品 ニュージーランド
に係る措置
EU
1997/12/19
【 日 本、 豪 州、 ブ 1998/11/11
ラジル、コロンビ 1999/ 2/ 1
ア、キューバ、イ 2000/ 3/17
114. カ ナ ダ の 医 薬 品 ンド、イスラエル、
4/ 7
特許保護
ポーランド、スイ
ス、タイ、米国】
115. EU の著作隣接権
付与に係る措置
116. ブ ラ ジ ル の 支 払
期間に係る措置
米国
EU
1998/ 1/ 6
1/ 9
2000/11/6
1998/ 1/ 9
(DS103 と合併)
協議要請
パネル設置要請
二国間合意通報
協議要請
1998/ 1/20 協議要請
119. 豪 州 の コ ー ト 紙 スイス
輸入に対する AD 措置
について
EU
1998/ 2/20 協議要請
5/13 二国間合意通報
EU
【ブラジル、イン
ドネシア、パラグ
ア イ、 ウ ル グ ア
イ、米国】
121. ア ル ゼ ン チ ン の
履き物輸入に係る
セーフガード措置
856
1998/ 2/ 6 協議要請
1998/ 3/16 協議要請
2000/10/12 パネル設置要請
1998/ 4/ 3
6/10
7/23
1999/ 6/25
9/15
12/14
2000/ 1/12
関連協定
チリが輸入スピリッツに対し国産品 GATT
よりも高い特別売上税を課している
のは GATT 第 3 条 2 項に違反すると
して米国が申立て。
(DS87 と合併)
米 国 の 関 税 割 当 に 係 わ る 措 置 は GATT
GATT 第 2、10、12 条、農業協定第
農業
1、4、15 条、原産地規則協定第 2 条、 原産地
輸入ライセンス協定第 1 条に違反し、 ライセンス
又無効化・侵害を生じているとして
アルゼンチンが申立て。
ブラジル製バス輸入に係わるペルー 補助金
の CVD 調査手続は、補助金協定第
11、13.1 条に違反するとしてブラジ
ルが申立て。
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
117. カ ナ ダ の フ ィ ル EU
ム流通サービスに係
る措置
EU
118. 米 国 の 港 湾 維 持
税
120. イ ン ド の 特 定 商
品の輸入に係る措置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
経 過
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
アルゼンチンによる上訴
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
カナダの特許法等の現行法は、医薬 TRIPs
品分野の発明の保護が不十分であり、
TRIPs 協定第 7、8、27.1、28、30、33
条等に違反するとの申立てに対し、パ
ネルは、カナダ特許法第 55.2
(2)
条は、
TRIPs 協定第 28 条に基づき特許権者
に付与された排他的権利を制限してお
り、TRIPs 協定第 30 条に認められた
限定的例外にも該当しないとして、
TRIPs 協定第 28.1条違反を認めた。
EU の 著 作 隣 接 権 付 与 の 制 度 が、 TRIPs
TRIPs 協定第 9-14、63、65、70 条に
違反するとして米国が申立て。
ブラジルの輸入の支払期間に係る措 ライセンス
置は、輸入ライセンス協定第 3、5 条
に違反するとして EU が申立て。
カナダのフィルム流通サービスに係 GATS
る措置は、GATS2、3 条に違反する
として EU が申立て。
米国の港湾維持税は、GATT 第 1、 GATT
2、3、8、10 条及び 1994 年 GATT 第
2条1項
(b)についての解釈了解に違
反するとして EU が申立て。
豪州のスイス産コート紙の輸入に対
AD
す る AD 措 置 は、AD 協 定 第 3、5 条
に違反するとしてスイスが申立て。
インドの EXIM 政策において、獣皮 GATT
革が輸入品のネガティブ・リストに
掲載され、実質的に輸入許可が拒否
されているのは、GATT 第 11 条に違
反するとして EU が申立て。
アルゼンチンが輸入履き物に対して
SG
とったセーフガード措置は、セーフ GATT
ガード協定第 2、4、5、6、12 条及び
GATT 第 19 条に違反するとの申立て
に対して、上級委は、アルゼンチン
の調査、輸入の増加、重大な損害、
因果関係の認定は SG 協定第 2.4 条に
違反するとのパネルの判断を支持し
た。また、SG 措置は GATT 第 19 条
と SG 協定双方が適用されるという
解釈を示した。なお、SG 協定第 2.1
条脚注と GATT 第 24 条に関するパ
ネルの認定を破棄した上で、アルゼ
ンチンがメルコスール諸国を含むす
べての輸入を考慮して重大な損害の
認定をしたのに、SG 措置をメルコ
スール以外の輸入にのみ発動したこ
とは正当化できないとした。
(DS122〜DS130)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
ポーランド
1998/ 4/ 6
【日本、EU、米国】1999/10/13
11/19
2000/ 9/28
10/23
2001/ 3/12
4/ 5
125. ギリシャの動画・
テレビ番組に係る知
的財産権の執行
1998/ 4/23
1999/ 4/15
5/10
米国
1998/ 4/30
2001/ 3/20
米国
1998/ 4/30
2001/ 3/20
米国
1998/ 5/ 4
【EU、メキシコ】 6/11
6/22
1999/ 5/25
10/ 4
126. 豪 州 の 自 動 車 用
皮 革 生 産 者・ 輸 出 者
10/14
への補助金
2000/ 1/21
2000/ 2/11
2000/ 7/24
127. ベ ル ギ ー の 補 助
金の性質を有する所
得税
128. オ ラ ン ダ の 補 助
金の性質を有する所
得税
129. ギ リ シ ャ の 補 助
金の性質を有する所
得税
130. ア イ ル ラ ン ド の
補助金の性質を有す
る所得税
米国
1998/ 5/ 5
米国
1998/ 5/ 5
米国
1998/ 5/ 5
米国
1998/ 5/ 5
タイのポーランド製鉄鋼に対する
AD 税賦課、及び情報開示の拒否は
AD 協定第 2、3、5、6 条に違反する
との申立てに対し、パネルは
(a)
「実
証的証拠」
の
「客観的審査」
に基づき、
ダンピング輸入の価格への影響を考
慮しなかったとして AD 協定第 3.2 条
第 2 文、3.1 条違反、
(b)
AD 協定第 3.4
条に列挙された要因をすべて考慮せ
ず、また
「公平かつ客観的な評価」若
しくは
「実質的証拠」の
「客観的審査」
に基づきいかに損害が肯定されたか
に関し、的確な説明を怠ったとして
AD 協定第 3.4、3.1 条違反、
(c)
(a)及
び
(b)に基づき、ダンピング輸入と
損害との因果関係を認定したとして
AD 協定第 3.5、3.1 条違反を認めた。
一方、上級委は AD 協定第 3.1 条の一
部、及び AD 協定第 17.6
(i)条につい
てのパネル決定を破棄したが、タイ
の上級委申立てがなかった AD 協定
第 3.2、3.4、3.5 条違反に関するパネ
ル決定については審査しなかった。
協議要請
アルゼンチンが輸入履き物に対して
パネル設置要請
とったセーフガード措置は、セーフ
パネル設置要請取り下げにより ガード協定第 2、4、5、6、7、12 条、
終了
及び GATT 第 19 条に違反するとし
てインドネシアが申立て。
協議要請
ギリシャにおいて著作権者の許可な
二国間合意通報
く動画及びテレビ番組が放映され、
権利保護の措置がとられていないの
は TRIPs 協定第 41、61 条に違反する
として米国が申立て。
協議要請
ギリシャにおいて著作権者の許可な
二国間合意通報
く動画及びテレビ番組が放映され、
権利保護の措置がとられていないの
は TRIPs 協定第 41、61 条に違反する
として米国が申立て。
協議要請
豪州が自動車用皮革の生産者・輸出
パネル設置要請
者に対して与えた財政的援助は、補
パネル設置
助金協定第 3 条に違反するとの申立
パネル報告書配布
てに対し、パネルは事実上の輸出条
米国によるパネル設置要請
(履行 件を認定して補助基金協定第 3 条違
確認)
反の輸出補助金であると判断し、90
パネル設置
(履行確認)
日以内に廃止することを勧告した。
パネル報告書配布
(履行確認)
DSU 第 21.5 条パネルは豪州は禁止補
パネル報告書採択
(履行確認)
助金を廃止していないと認定した。
二国間合意通報
また、一度きりの過去の補助金の実
効的な救済のためには補助金全額の
返済を求めるという考え方も示した。
協議要請
ベルギーが
「輸出経営者」をリクルー
トした者に対し税控除を認めている
のは、補助金協定第 3 条に違反する
として米国が申立て。
協議要請
オランダの所得税法において輸出に
よる収入に
「輸出留保」を認めている
のは、補助金協定第 3 条に違反する
として米国が申立て。
協議要請
ギリシャの所得税法において輸出者
に年間の輸出収入の割合に応じて税
控除を認めているのは、補助金協定
第 3 条に違反するとして米国が申立
て。
協議要請
アイルランドの所得税法において国
内製造品の輸出による収入に特別の
税率を適用する資格を設けているの
は、補助金協定第 3 条に違反すると
して米国が申立て。
関連協定
AD
3
SG
GATT
TRIPs
TRIPs
補助金
補助金
補助金
補助金
補助金
857
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
124. EU の動画・テレ
ビ番組に係る知的財
産権の執行
インドネシア
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
タイによる上訴
上級委員会報告書配布
パネル・上級委報告書採択
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
122. タ イ の ポ ー ラ ン
ド製鉄鋼に対する AD
措置
123. ア ル ゼ ン チ ン の
履き物輸入に係る
セーフガード措置
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS131〜DS135)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
131. フ ラ ン ス の 補 助
金の性質を有する所
得税
米国
経 過
1998/ 5/ 5 協議要請
米国
1998/ 5/ 8
【ジャマイカ、モー 10/21
リシャス】
11/25
2000/ 1/28
2/24
10/12
132. メキシコの米国産
高糖度コーンシロップ
に対する AD 調査
10/23
2001/ 6/22
7/24
10/22
11/21
スイス
1998/ 5/11
インド
1998/ 5/28
カナダ
1998/ 6/28
1998/10/21
11/25
2000/ 9/18
10/23
2001/ 3/12
4/ 5
133. ス ロ バ キ ア の 乳
製品輸入及び家畜輸
送に係る措置
134. EU のコメの輸入
税
135. EU のアスベスト
及びその製品に係る
輸入禁止措置
858
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
フランスの所得税法において、企業 補助金
の海外取引の初期費用を暫定的に税
控除し、企業に特別な準備金を認め
ているのは、補助金協定第 3 条に違
反するとして米国が申立て。
協議要請
メキシコの 米 国 産 高 糖 度 コーンシ
AD
パネル設置要請
ロップに対する AD 調査及び損害の
パネル設置
おそれの決定は、AD 協定第 2~7、9、
パネル報告書配布
10、12 条に違反するとの申立てに対
パネル報告書採択
し、パネルは AD 協定第 3.1、3.2、3.4、
米国によるパネル設置要請
(履行 3.7
(i)条
(損害認定)
、7.4 条
(暫定措
確認)
置)
、10.2 条
(暫定措置適用期間への
パネル設置
(履行確認)
遡及的賦課)
、10.4 条
(暫定措置適用
パネル報告書配布
(履行確認)
期間中の供託金返還)
、12.2、12.2.2
メキシコによる上級委申立て
(履 条
(AD 税 の 遡 及 的 賦 課 に 関 す る 説
行確認)
明)
それぞれの違反を認めた。また、
上級委報告書配布
(履行確認)
DSU 第 21.5 条パネルはメキシコの再
パネル・上級委報告書採択
(履行 認 定 は AD 協 定 第 3.1、3.4、3.7、3.7
確認)
条
(i)に違反しており、したがってメ
キシコは当初パネルの勧告を実施し
ていないと結論し、DSU 第 21.5 条上
級委もこれらをすべて支持した。
協議要請
スロバキアの乳製品輸入及び家畜輸 GATT
送に係る措置は、スイスのチーズ及
SPS
び家畜の輸出に悪影響を与えており、ライセンス
G A T T 第 1、3、5、10、11 条、S P S
協定第 5 条、輸入ライセンス協定第 5
条に違反するとしてスイスが申立て。
協議要請
1997 年 7 月から施行された EU のコ GATT
メ の 輸 入 税 を 決 定 す る C R S 関税評価
(cumulative recovery system)はイ ライセンス
ン ド か ら の コ メ の 輸 入 を 制 限 し、
TBT
GATT 第 1、2、3、7、11 条、関税評
SPS
価協定第 1-7、1 条、輸入ライセンス
農業
協定第 1、3 条、TBT 第 2 条、SPS 協
定第 2 条、農業協定第 4 条に違反す
るとしてインドが申立て。
協議要請
フランスのアスベスト及びその製品
SPS
パネル設置要請
の輸入禁止措置は、SPS 協定第 2、3、 TBT
パネル設置
5 条、TBT 協定第 2 条、農業協定第 4
農業
パネル報告書配布
条に違反する、とのカナダの主張に
カナダが上級委申立て
ついて、パネルは、①輸入の一般的
上級委報告書配布
禁止には GATT が適用されるべきで
パネル・上級委報告書採択
あり、TBT 上の問題ではなく、例外
的な輸入許可については TBT が規
定する
「強制規格」と見なしうるもの
の、カナダを例外規定について争っ
ていない、とした上で、②フランス
が輸入を禁止した温石綿とそれに代
替しうる繊維、又は温石綿を含む産
品と温石綿に代替しうる繊維を含む
産品とは、GATT 第 3.4 条
(同種の産
品に対する内国民待遇)における
「同
種の産品」であるため、フランスの
輸入禁止命令は 3.4 条に違反している
も の の、 ③ GATT 第 20 条
(b)
(健康
保護措置の一般的例外)により正当
化される旨判断した。これに対して
上級委員会は、①と②についてパネ
ルの判断を覆す一方で、③について
はこれを支持し、申立て国は本件措
置に関する EU の協定違反を立証し
なかったとして措置の是正に係る勧
告を行わなかった。
(DS136〜DS140)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
EU
【ブラジル、メキ
138. 米 国 の イ ギ リ ス シコ】
製鉄鋼製品に対する
相殺関税賦課
1998/ 6/30
1999/ 1/14
2/17
12/23
2000/ 1/27
5/10
6/ 7
日本
(139)
1998/ 7/ 3
EU
(142)
11/12
【インド、韓国、 1999/ 2/ 1
米国】
2000/ 2/11
3/ 2
5/31
6/19
139.(142)
. カナダの自
動車政策に係る措置
インド
140. EU のインド産無
漂白綿布に関する AD
調査
1998/ 8/ 3
関連協定
協議要請
米国 1916 年 AD 法は 1930 年関税法と
AD
パネル設置要請
並行して存在しており、GATT 第 3、 GATT
パネル設置
6 条、WTO 設 立 協 定 第 16 条
(4)
、 WTO 設立
パネル報告書配布
AD 協定第 1~5 条に違反するとの申
米国による上訴
立てに対し、パネルは、1916 年米国
上級委員会報告書配布
AD 法は、
(a)損害認定を要件として
パネル・上級委員会報告書採択 いないとして GATT 第 6.1 条違反、
対抗措置承認申請
(b)
AD 税以外の救済措置を規定して
対抗措置規模に係る仲裁裁定配布 いるとして GATT 第 6.2 条違反、
(c)
(a)及 び
(b)よ り WTO 設 立 協 定 第
16.4 条違反、
(d)十分な手続的要件を
規定していないとして AD 協定第 1、
4、5.5 条違反を認め、上級委もこれ
らをすべて支持した。
協議要請
カナダからの松柏類木材の輸入に係 GATT
る EU 理事会指令及び関連措置は、
SPS
GATT 第 1、3、11 条、SPS 協定第 2、 TBT
3、4、5、6 条、TBT 協定第 2 条に違
反するとしてカナダが申立て。
協議要請
米国の英国製鉄鋼製品に対する米国 補助金
パネル設置要請
の相殺関税の賦課は、補助金協定の
パネル設置
1.1、10、14、19.4 条に違反してして
パネル報告書配布
いるとして EU が申立て。
米国が上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
協議要請
(
「DS142」
8/17)
米加 FTA
(自由貿易協定)に基づく GATT
パネル設置要請
オートパクト協定によって、カナダ TRIM
パネル設置
(
「DS142」
と合併)
は一部の自動車会社にローカル・コ 補助金
パネル報告書配布
ンテント要求、製造販売要求を条件 GATS
カナダが上級委申立て
に自動車の無関税輸入を許しており、
上級委報告書配布
こうした措置は、GATT 第 1.1、3.4、
パネル・上級委報告書採択
24 条、TRIM 第 2 条、補助金協定第 3
条、GATS2、6、17 条違反する、と
の日本・EU の主張に対して、パネ
ルは、同措置は① GATT 第 1.1 条
(最
恵国待遇)に違反し、24 条
(自由貿易
地域への一般例外)で正当化されな
い、 ② ロ ー カ ル コ ン テ ン ト 要 求 は
GATT 第 3 条
(内国民待遇)違反、③
輸入税の免除は補助金協定第 3.1 条
(禁止補授与金)違反、④自動車販売
サービスへの免税及びローカルコン
テント要求はサービス協定第 2 条及
び 17 条違反、との判断を行った。こ
れに対し上級委員会は、④について
サービス協定第 2 条違反としたパネ
ルの判断を棄却したものの、それ以
外の論点については、これらをおお
むね支持した。カナダは 2001 年 2 月
に問題となった優遇措置を廃止する
行政命令を施行した。
協議要請
インド産無漂白綿布に対する EU の
AD
AD 決定プロセスは、客観性を欠き、 GATT
インドの開発途上国としての立場を
無視しており、AD 協定第 2、3、5、
6、12、15 条及び GATT 第 1、6 条に
違反するとしてインドが申立て。
859
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
1998/ 6/17
137. EU の松柏類木材
の輸入に係る措置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
EU
1998/ 6/ 9
【日本、インド、 11/11
メキシコ】
1999/ 2/ 1
2000/ 3/31
5/29
8/28
136. 米国の 1916 年 AD
9/26
法
2002/ 1/ 7
2004/ 2/24
カナダ
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS141〜DS147)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
インド
1998/ 8/ 3
【日本、エジプト、1999/ 9/ 7
韓国、米国】
10/27
2000/10/30
12/ 1
2001/ 3/ 1
3/12
2002/ 3/ 8
5/ 7
5/22
11/29
2003/ 1/ 8
141. EU のインドから
4/ 8
のベットリネン輸入
4/24
に対する AD 措置
142. カ ナ ダ の 自 動 車 EU
政策に係る措置
ハンガリー
143. ス ロ バ キ ア の ハ
ンガリー小麦に対す
る輸入税
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
協議要請
インド産のベッドリネンに対する
AD
パネル設置要請
EU の AD 措置決定プロセスは、不公 GATT
パネル設置
正で客観性を欠き、AD 協定第 2、3、
パネル報告書配布
5、6、12、15 条 及 び GATT 第 1、6
EU による上訴
条に違反するとの申立てに対し、パ
上級委員会報告書配布
ネルは、EU が
(a)ダンピング・マー
パネル・上級委報告書採択
ジンを決定する際に、ゼロイングを
協議要請
(履行確認)
行ったとして AD 協定第 2.4.2 条違反、
パネル設置要請
(履行確認)
(b)
国内産業の状態を考慮する際に、
パネル設置
(履行確認)
AD 協定第 3.4 条に列挙された要因の
パネル報告書配布
(履行確認)
すべてを考慮しなかった等として 3.4
インドによる上訴
(履行確認)
条違反、
(c)
AD 税賦課前に、建設的
上級委員会報告書配布
(履行確認)な救済の可能性を検討しなかったと
パネル・上級委報告書採択
(履行 して AD 協定第 15 条違反を認めた。
確認)
一方、上級委は AD 協定第 2.4.2 条違
反に係るパネル認定を支持しつつ、
更に、EU の SG & A 及び利潤額の計
算についてのパネル認定を一部破棄
し、2.2.2
(ii)条違反を認めた。また、
DSU 第 21.5 条 パ ネ ル は、EU の AD
措置は AD 協定及び DSU に違反して
いないと結論したが、DSU 第 21.5 条
上級委は一部 DSU 第 21.5 条パネル認
定を破棄し、ダンピング輸入量の決
定 に つ い て AD 協 定 第 3.1、3.2 条 違
反を認めた。
(DS139 と合併)
1998/ 9/19 協議要請
カナダ
1998/ 9/25 協議要請
EU
1998/ 9/23 協議要請
144. 米 国 の 牛・ 豚・
穀物輸入に係る措置
145. ア ル ゼ ン チ ン の
EU 産小麦グルテン輸
入に係る相殺関税
EU
(146)
1998/10/6
【日本、韓国】
2000/10/12
米国
(175)
【日本、韓国、EU】
11/17
2001/12/21
2002/ 1/31
3/14
146.(175). イ ン ド の
3/19
自動車セクターに係
4/ 5
る措置
EU
147. 日 本 の 皮 革 に 係
る関税割当及び補助
金
860
関連協定
協議要請
(
「DS175」
1999/5/1)
パネル設置要請
(
「DS175」
2000/5/15)
パネル設置
(
「DS175」
と合併)
パネル報告書配布
インドが上級委申立て
インド、上級委申立て取り下げ
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
1998/10/8 協議要請
1998 年 9 月に発効した、スロバキア GATT
のハンガリーからの小麦に対する輸
農業
入 税 賦 課 の 規 則 は、GATT 第 1、2
条、農業協定第 4 条に違反するとし
てハンガリーが申立て。
米 国 サ ウ ス・ ダ コ ダ 州 等 で、 牛・
SPS
豚・穀物を積載したカナダのトラッ
TBT
クの州内への立入り・通過を禁じて
農業
いるのは、SPS 第 2~6、13 条、附属 GATT
書 B、C、TBT 第 2、3、5、7 条、 農
業 協 定 第 4 条、GATT 第 1、3、5、
11、24.12 条 に 違 反 し、 利 益 を 無 効
化・侵害している。カナダは DSU 第
4.8 の緊急規定を援用。
アルゼンチンの EU 産小麦グルテン 補助金
に対する相殺関税は、補助金協定第
11.11 に定める 18 か月の調査期間を
超過しており、補助金協定第 10 条に
違反。
インドが自動車会社に課している一 GATT
定レベルのローカルコンテントの達 TRIM
成や部品の輸出義務達成度に応じた
輸入量規制による輸出入均衡制度等
は、GATT 第 3、11 条 及 び TRIM 協
定第 2 条に違反するとの EU・米国の
主張について、パネルはインドの措
置について、ローカルコンテント要
求は GATT 第 3.4 条
(内国民待遇)に
違反、②輸出入均衡要求は GATT 第
11 条
(数量制限の一般的禁止)に違反
するとともに GATT 第 3.4 条にも違
反、との判断を行った。これに対し、
インドは上級委員会に申立てを行っ
たが、審理開始後に同申立てを取り
下げた。2002 年 8 月、インドは問題
の措置を完全に廃止した。
日本の皮革の関税割当の運用及び補 ライセンス
助金は、日本の皮革産業と同和地域 補助金
に利益を与えており、輸入許可手続
協定第 1.6、3.5
(g)
(h)
(i)
(j)及び補助
金協定第 6 条に違反するとして EU
が申立て。
(DS148〜DS154)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
1998/10/12 協議要請
EU
1998/10/29 協議要請
148. チ ェ コ の ハ ン ガ
リー小麦の輸入税に
係る措置
EU
1998/10/30 協議要請
EU
1998/11/19 協議要請
2000/ 7/30 二国間合意通報
150. イ ン ド の 関 税 引
き上げ措置
151. 米 国 の 織 物・ 衣
服に係る措置
153. EU の医薬品・農
薬の特許保護
154. EU のコーヒーに
係る特恵措置
1998/11/25
1999/ 1/26
3/ 2
1999/12/22
2000/ 1/27
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
カナダ
1998/12/2 協議要請
ブラジル
1998/12/7 協議要請
関連協定
1998 年 10 月に発効した、チェコの規 GATT
制
(ハンガリー小麦に対する輸入税
農業
を増額)は、譲許表のバインド率を
上回り、ハンガリーのみに適用して
おり、GATT 第 1、2 条、農業協定第
4 条に違反するとしてハンガリーが
申立て。なお、ハンガリーは DSU 第
4.8 の緊急規定を援用。
インドの輸出入政策による輸入制限 GATT
は、GATT 第 3、10、11、13、17 条、 農業
農業協定第 4.2 条、輸入ライセンス協 ライセンス
定第 1、2、3 条に違反し、GATT 第
20、21 条によって正当化されないと
して EU が申立て。
インドの 1975 年関税法譲許表 1、特 GATT
別関税、特別付加関税に関する措置
は、全体として譲許税率を上回る関
税 を 課 す も の で あ り、GATT 第 2.1
(b)
、3.2 条に違反するとして EU が
申立て。
米国の織物・衣服に関する原産地規
繊維
則 の 変 更 に つ い て、 米 国 は
( 前 述 原産地
85. の)二国間合意の内容を実施して GATT
おらず、依然として繊維協定第 2.4、
TBT
4.2、4.4 条、原産地規則協定第 4.2 条、
GATT 第 3 条、TBT 第 2 条に違反す
るとして EU が申立て。
EU は、バナナ問題の EU の勧告不履
DSU
行に関する米国の一方的決定に関連
して、米国の 1974 年通商法タイトル
Ⅲ第 1 章
(301 条~310 条、特に 305、
306 条)が、DSB での承認を経ること
なく貿易紛争に係る米国の対抗措置
の 発 動を一 方 的に 決 定 する制 度と
なっていることは、DSU 第 23 条
(一
方的措置の禁止)
等に違反し、利益を
無効化・侵害しているとの主張を行っ
た。これについてパネルは、米国が、
SAA
(Statement of ADministrative
Act)の中で、
「WTO 協定違反若しく
は米国の協定上の権利侵害に関する
通商法第 301 条決定は、いかなる場
合も DSB によって 採 択 され た パ ネ
ル・上級委員会の決定に基づくもの
とする」
旨規定していること、またそ
の遵守をパネル審理において繰り返
し約束したことをふまえ、問題の措
置は DSU に反しないと判断した。し
かしその一方で、仮にこの約束が撤
回されることがあれば、上記パネル
の結論もその根拠を失うこととなる
旨指摘した。
EU 規則は医薬品と農薬に限って特 TRIPs
許 期 間 の 延 長 制 度 を と っ て お り、
TRIPs 協定第 27 条 1 項に違反すると
してカナダが申立て。
EU の一般特恵に基づくコーヒーの GATT
輸入は、ブラジル産コーヒーの輸入
に悪影響を与えており、授権条項、
GATT 第 1 条に違反し、ブラジルの
利益を無効化・侵害しているとして
ブラジルが申立て。
861
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
149. イ ン ド の 輸 入 制
限
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
ハンガリー
EU
【 ブ ラジ ル、カナ
ダ、コロンビア、
コスタリカ、キュー
バ、ドミニカ、ド
ミニカ共和国、エ
クアドル、香港、
インド、イスラエ
ル、ジャマイカ、
日本、韓国、セン
トルシア、タイ、
中国】
152. 米 国 の 1974 年 通
商法第 301 条~310 条
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS155〜DS160)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
EU
【米国】
経 過
1998/12/23
1999/ 5/31
7/26
2000/12/19
2001/ 2/16
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
1999/ 1/ 5
7/15
9/22
2000/10/24
12/12
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
155. ア ル ゼ ン チ ン の
牛革輸出及び加工済
み皮革の輸入に係る
措置
メキシコ
【EU、 エ ク ア ド
ル、エルサルバド
ル、 ホ ン ジ ュ ラ
ス、米国】
156. グ ア テ マ ラ の メ
キシコ製灰色ポート
ランドセメントへの
確定 AD 税
157. ア ル ゼ ン チ ン の
イタリア製ドリル刃
に対する AD 課税
EU
1999/ 1/14 協議要請
グアテマラ、ホン 1999/ 1/20 協議要請
ジュラス、メキシ
158. EU の バ ナ ナ 輸
コ、パナマ、米国
入・販売・流通制度
159. ハ ン ガ リ ー の
チェコ製鉄鋼製品輸
入に係るセーフガー
ド措置
チェコ
EU
【 日 本、豪州、ブ
ラジル、カナダ、
スイス】
160. 米 国 の 著 作 権 法
第 110 条(5)
862
1999/ 1/21 協議要請
1999/ 1/26
4/15
5/26
2000/ 6/15
7/27
2002/ 1/ 7
2002/ 2/26
2003/ 6/23
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
対抗措置承認申請
仲裁手続中断
二国間暫定合意
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
アルゼンチンの牛革の事実上の輸出 GATT
禁 止 は GATT 第 11.1 条、10.3 条
(a)
に違反し、また、付加価値税及び事
前取引高税は GATT 第 3.2 条に違反
するとの EU の主張について、パネ
ルは、事実上の輸出禁止措置につい
て、GATT 第 11 条
(数量制限の一般
的廃止)違反は否定したものの、同
措置は GATT 第 10.3 条
(a)
(貿易規制
の公平かつ合理的な方法での実施)
に違反すると判断した。また、付加
価値税及び事前取引高税については、
ともに GATT 第 3.2 条
(内国民待遇)
違 反 す る と し、 こ れ ら の 違 反 は
GATT 第 20 条
(d)
(法令遵守確保の
ために必要な措置の一般的例外)に
よって正当化されないと判断した。
グアテマラのメキシコ製ポートラン
AD
ドセメントに対する確定 AD 税は、 GATT
AD 協 定 第 1~3、5~7、12、18 条、
附属書Ⅰ、Ⅱ及び GATT 第 6 条に違
反するとの申立てに対し、パネルは、
AD 協定第 5.3、5.8 条
(調査開始の十
分な証拠)
、5.5 条
(メキシコ政府への
通知)
、12.1.1 条
(調査開始の公告)
、
6.1.3 条
(申請書全文の提供)
、6.1.2、
6.4 条
(調査ファイルへのアクセス拒
否等)
、6.2 条
(輸出者の反論の機会)
、
附属書(2)
I ( 調査団に民間の専門家
が含まれていることの通知)
、6.5、
6.5.1 条
(秘密情報)
、6.9 条
(重要事実
の開示)
、6.8 条
(ファクツ・アベイラ
ブル)
、3.1、3.2、3.4、3.5 条
(損害及
び因果関係の認定)それぞれの違反
を認めた。
アルゼンチンのイタリア製ドリル刃
AD
に対する AD 税賦課に際し、調査期
間が 18 か月を超えており、AD 協定
第 1 条、5.10 条に違反するとして EU
が申立て。
EU が勧告の実施として行ったバナ ライセンス
ナ 輸 入 制 度 の 改 善 は、 依 然 と し て
WTO 輸入ライセンス協定第 6 条に違
反するとして米国及び中南米諸国が
申立て。
(関連協定を特定せず)
ハンガリーが広範囲の鉄鋼製品の輸 GATT
入割当をチェコに対してのみ行って
SG
いるのは、GATT 第 119 条、セーフ
ガード協定に違反するとしてチェコ
が申立て。
米国の著作権法第 110 条
(5)は公共の TRIPs
場でラジオ・テレビによる音楽を著
作権料を払うことなく放送すること
を認めるものであり、ベルヌ条約 1
条~21 条の遵守を規定する TRIPs 協
定第 9.1 条に違反するとの申立てに対
し、パネルは、米国著作権法第 110
条
(5)
(B)の規定は、TRIPs 協定第 13
条で認められている著作権保護の例
外の要件を満たしていないとして、
TRIPs 協定第 9.1 条に基づき、ベル
ヌ条約11条の2
(1)
(ii)
及び同11条
(1)
(iii)
条違反を認めた。
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
米国
(161)
1999/ 2/ 1
【 豪 州、カ ナ ダ、 4/15
ニュージーランド】
5/26
豪州
(169)
【カナダ、ニュー 2000/ 7/31
ジーランド、米国】
9/11
12/11
2001/ 1/10
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
(DS161〜DS164)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
協議要請
(
「DS169」
4/13)
パネル設置要請
(
「DS169」
7/12)
パネル設置
(
「DS169」
7/26。その
後 DS161 と合併)
パネル報告書配布
韓国が上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
863
第
韓国が輸入牛肉に対する措置
(取扱 GATT
店の限定、売上へのマークアップ税 ライセンス
賦課、輸入牛肉への詳細なラベリン
農業
グの義務づけ、国内畜産業者への補
助金等)
は GATT 第 2、3、11、17 条、
農業協定第 3、4、6、7 条、輸入ライ
センス協定第 1、3 条に違反する、と
の米国の主張について、パネルは、
マークアップ税賦課等一部の制度は
韓国の譲許表に規定された経過期間
161.(169). 韓 国 の 生
内に廃止すべきとした上で、各種の
鮮・ チ ル ド・ 冷 凍 牛
流通制限及び国産牛肉より厳しいラ
肉の輸入に係る措置
ベリング要件等については GATT 第
3.4 条
(内国民待遇)違反、国内畜産業
者への補助金は農業協定第 7.2 条
(国
内助成に関する一般的規律)違反と
するなど、米国の主張をほぼ全面的
に認める判断を行った。上級委員会
は農業協定に関するパネルの判断を
一部破棄したものの、GATT に関す
るパネルの判断についてはおおむね
これを支持した。
日本
1999/ 2/10 協議要請
1916 年米国 AD 法が特定の場合に商
AD
【EU、インド】 6/ 3 パネル設置要請
品を米国内に輸入・販売する行為に GATT
7/26 パネル設置
対して刑事罰や損害賠償請求権を認 WTO 設立
2000/ 5/29 パネル報告書配布
めていること、及び AD 協定に定め
5/29 米国による上訴
る手続的セーフガードなしに法的決
8/28 上級委員会報告書配布
定を行うのは、GATT 第 3、6、11 条
9/26 パネル・上級委員会報告書採択 及び AD 協定に違反するとの申立て
2002/ 1/ 7 対抗措置承認申請
に対し、パネルは 1916 米国 AD 法が
162. 米国の 1916 年 AD
2/27 仲裁手続中断
(a)損害認定を要件としていないと
法
して GATT 第 6.1 条違反、
(b)
AD 税
以外の救済措置を規定しているとし
て GATT 第 6.2 条、AD 協定第 18.1 条
違反、
(c)調査開始要件及び申請の
証拠要件に関する規定がないとして
AD 協定第 4.1、5.1、5.2、5.4 条違反、
(d)
(a)~
(c)より AD 協定第 18.4 条、
WTO 設立協定第 16.4 条違反を認め、
上級委もこれらをすべて支持した。
米国
1999/ 2/16 協議要請
韓国の空港建設機関
(KOACA)は政 政府調達
【EU、日本】
5/11 パネル設置要請
府調達協定の規律の対象であり、そ
6/16 パネル設置
の入札方法、国内のパートナー化、
2000/ 5/ 1 パネル報告書配布
不服申立て手続の欠如は、政府調達
6/19 パネル報告書採択
協定第 1 条
(1)に違反するとの米国の
主 張 に 対 し て、 パ ネ ル は、 ①
KOACA は韓国が協定附属書におい
163. 韓 国 の 政 府 調 達
て約束した協定の適用対象機関に含
に係る措置
まれない、②協定加盟時の適用範囲
に関する交渉で、米国に対する韓国
の説明が十分ではなかったことは事
実だが、米国はその際に更なる確認
を行うべきだった、③韓国の措置が
協定上の利益を無効化・侵害してい
ることについて米国は十分な説明を
行わなかった旨判断した。
米国
1999/ 3/ 1 協議要請
アルゼンチンの決議 1506 は、非メル
SG
【インドネシア】 7/15 パネル設置要請
コスール 諸 国 からの 履き物 輸 入 に
164. アルゼンチンの履
7/26 パネル設置
(結局パネルは編成さ セーフガード義務を課し、更に関税
き物輸入に係る措置
れず終了)
割 当 数 量 措 置 を 設 け て い る 点 で、
セーフガード協定第 5 条
(1)
、7 条
(4)
、
12条に違反するとして米国が申立て。
資料編
(DS165〜DS170)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
経 過
EU
1999/ 3/ 4
【ドミニカ、エ ク 1999/ 5/11
アドル、インド、 1999/ 6/16
ジャマイカ、日本、2000/ 7/17
セントルシア】
9/12
12/11
2001/ 1/10
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
EU が上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
165. 米国の EU からの
特定品目に係る輸入
措置
EU
1999/ 3/17
【 豪 州、 カ ナ ダ、 6/ 3
ニュージーランド】
7/26
2000/ 7/31
9/26
12/22
2001/ 1/19
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
米による上訴
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
166. 米 国 の 小 麦 グ ル
テン輸入に係るセー
フガード措置
167. 米 国 の 加 か ら の
牛肉輸入に関する相
殺関税調査
168. 南 ア フ リ カ の イ
ンドからの特定の薬
品に対する AD 関税
カナダ
1999/ 3/19 協議要請
インド
1999/ 4/ 1 協議要請
169. 韓 国 の 冷 凍 牛 肉 豪州
に関する措置
米国
170. カ ナ ダ の 特 許 保
護に関する期間
864
米国が仲裁の結果
(このケースでは
DS27
(EU バナナⅢ案件)に係る対抗
措置の規模に関する仲裁)
を待たずに
制裁措置を賦課することは、DSU 第
3、21、22、23 条及び GATT 第 1、2、
8、11 条に違反する、との EU の主張
に つ い て、 パ ネ ル は、 米 国 に よ る
DSB の承認を経ない制裁措置の発動
決定は DSU 第 3.7 条
(DSB の承認を条
件とした対抗措置の発動)
、23 条
(一
方的措置の禁止)
、22.6 条
(対抗措置
の規模に係る仲裁等)
に違反し、措置
の発動による輸入手続費用の増カナ
ダは GATT 第 1 条
(最恵国待遇)
、2 条
(譲許表に基づく関税賦課)に違反す
ると判断した。上級委員会は GATT
違反に関するパネルの判断を破棄す
るとともに、DSU 第 23 条違反につい
て は、米 国 の 制 裁 決 定 は 23.2 条
(a)
(DSB 承認に基づく制裁決定)には違
反するとしたパネルの判断を破棄し
たが、23.2
(c)
(対抗措置の規模に関す
る DSB の承認)
、3.7 条及び 22.6 条違
反については、これを支持した。
1998 年 6 月 1 日から実施された小麦
グルテン輸入に係る数量制限措置は、
セーフガード協定第 2、4、5、8 条、
農業協定第 4 条
(2)
、GATT 第 1、19
条に違反するとの申立てに対し、上
級委は、米国の因果関係の認定は SG
協定第 4.2
(a)
、4.2
(b)
条に違反すると
したパネルの結論を支持した。一方
で、上級委は、パネルの解釈を破棄
し、調査当局は、SG 協定第 4.2
(a)条
に列挙されていない要因でも調査当
局が関係を有すると認識した要因も
検討する必要があるとし、また、SG
協定第 4.2
(b)条は輸入の増加単独で
はなくその他の要因とあわせて重大
な損害が発生しているか否かを決定
しなければならないとの解釈を示し
た。また、カナダを SG 措置の対象か
ら除外したことについての SG 協定第
2.1、4.2 違反をとしたパネルの判断を
支持し、米国の通報について 12.1
(a)
、
12.1
(b)違反としたパネルの判断を支
持したが 12.1
(c)違反のパネルの判断
は破棄し違反していないとした。
1998 年 12 月 22 日から実施されたカ
ナダからの輸入牛肉に関する対抗関
税調査は、補助金協定第 1、2、10、
11、12 条及び農業協定第 13 条に違反
するとしてカナダが申立て。
1997 年 3 月 26 日に決定されたインド
からの特定薬品に対する AD 関税は、
AD 協 定 第 2、3、6 条 及 び GATT 第
1、6 条に違反するとしてインドが申
立て。
関連協定
DSU
GATT
SG
農業
GATT
補助金
農業
AD
GATT
(DS161 と合併)
1999/ 5/ 6
7/15
9/22
2000/ 5/ 5
6/19
9/18
10/12
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
カナダ上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
カナダ特許法が規定する 1989 年 10 月
1 日以前に申請された特許の保護期
間が 17 年であるのは、TRIPs 協定第
33、62、65、70 条等に違反するとの
申立てに対し、パネルは、TRIPs 協
定第 70.2 条に従い、カナダは TRIPs
協定適用の日に特許で保護されてい
た発明についても、TRIPs 協定上の
義務の履行が求められるのであり、
特許の最低保護期間を 20 年とする
TRIPs 協定第 33 条違反を認めた。上
級委もパネルの判断を支持した。
TRIPs
(DS171〜DS176)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
171. ア ル ゼ ン チ ン の
薬品に対する特許保
護期間及び農業化学
品に対する試験数値
の保護
経 過
米国
1999/ 5/21
GATT
補助金
米国
(174)
豪州
(290)
【アルゼンチン、
豪州、ブラジル、
カナダ、中国、台
湾、コロンビア、
グアテマラ、イン
174.(290). EU の農産
ド、 メ キ シ コ、
物と食糧に関する商
ニュージーラン
標と地域的表示の保
ド、トルコ】
護
1999/ 6/ 1
2003/ 8/18
10/ 2
2005/ 3/15
4/20
米国
1999/ 6/ 2
【EU、日本、韓国】2000/ 5/15
7/27
2001/12/21
2002/ 1/31
3/14
3/19
175. イ ン ド の 自 動 車
4/ 5
部門における貿易と
投資に係る措置
EU
1999/ 6/ 8
【日本、カナダ、 2000/ 6/30
ニカラグア】
9/26
2001/ 8/ 6
10/ 4
2002/ 1/ 2
2/ 1
3
GATT
補助金
TRIPs
GATT
GATT
TRIM
TRIPs
865
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
173. フ ラ ン ス の フ ラ
イト管理システムの
開発に係る措置
第
TRIPs
1999/ 5/21
アルゼンチンにおける、薬品に対す
る特許保護の欠如と排他的商業特権
を付与する効率的な体制の欠如、及
び経過期間における協定との整合性
を 減 ず る よ う な 法 律 等 の 変 更 は、
TRIPs 協定第 65 条 5 項に違反すると
して米国が申立て。
協議協議
フランス政府が供与に同意し EU が
承認した、エアバス社の飛行機に搭
載されるフライト管理システムの開
発に対する 1 億 4 千万フランの優遇
された条件での融資は、GATT 及び
補助金協定に違反するとして米国が
申立て。
協議要請
フランス政府が供与に同意し EU が
承認した、エアバス社の飛行機に搭
載されるフライト管理システムの開
発に対する 1 億 4 千万フランの優遇
された条件での融資は、GATT 及び
補助金協定に違反するとして米国が
申立て。
協議要請
(
「DS290」
2003/4/17)
EU の地理的表示
(GI)保護制度は内
パネル設置要請
(
「DS290」
合併) 国民待遇を確保しておらず、又 GI と
パネル設置
類似または同一の先在商標に対する
パネル報告書配布
効果的な保護を怠っており、TRIPs
パネル報告書採択
協定及び GATT に違反するとの米国
等の主張について、パネルは、EU
の制度が外国 GI の保護要件として、
当該外国における EU の GI への同等
の保護
(
「同等性及び相互主義要件」
)
を求めていること等は、TRIPs 協定
第 3.1 条及び GATT 第 3 条
(内国民待
遇)に反するとした一方、既に登録
されている商標と同一又は類似の GI
の限定的な登録については、TRIPs
協定第 16.1 条に反するが、17 条
(商
標権に係る限定的な例外)によって
正当化されるとした。
協議要請
インドが自動車会社に要求している
パネル設置要請
①ローカルコンテントの達成②完成
パネル設置
(DS146 と同一パネル)車・部品の輸出額と他製品の輸入額
パネル報告書配布
との均衡要求による為替制限、及び
インドが上級委申立て
③前年の輸出額をベースとした輸出
上級委申立て取り下げ
入 均 衡 は、GATT 第 3、11 条 及 び
上級委報告書配布
TRIM 協定第 2 条に違反するとの米
パネル・上級委報告書採択
国の主張について、パネルはインド
によるローカルコンテント要求は
GATT 第 3.4 条
(内国民待遇)
に反し、
輸出入均衡要求は GATT 第 11 条
(数
量制限)に違反すると判断した。イ
ンドはパネル判断について上級委へ
申立てを行ったが、後に新自動車政
策の導入を理由に同申立てを取り下
げた。
協議要請
米 国 の オ ム ニ バ ス 法 第 211 条 は、
パネル設置要請
キューバ法により資産等を没収された
パネル設置
商標権者が以前に放棄した商標等に
パネル報告書配布
ついて、米国内での登録・更新を認め
EU 上級委申立て
ておらず、TRIPs 協定第 (
2 パリ条約 2
上級委報告書配布
条等)
、3、4、15、16、21、41、42、
パネル・上級委報告書採択
62 条等に違反するとの申立てに対し、
パネルは、オムニバス法第 211 条
(a)
(2)
が商標権者の民事手続の権利を制
限しておりTRIPs 協定第 42 条に違反
するとした。これに対し上級委員会は、
オムニバス法第 211条はTRIPs 協定第
42 条には違反しないとしてパネルの判
断を覆したが、商標・商号について最
恵国待遇、内国民待遇を遵守してい
ないとして、TRIPs 協定第 2.1
(パリ条
約 8 条)
、3、4 条違反を認めた。
関連協定
1999/ 5/ 6 協議要請
2002/ 5/31 二国間合意通報
172. EU のフライト管
理システムの開発に
係る措置
176. 米 国 の オ ム ニ バ
ス法第 211 条
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
米国
米国
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS177〜DS183)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
ニュージーランド
(177)
豪州
(178)
【 豪 州、 ニ ュ ー
ジーランド、カナ
ダ、EU、 ア イ ス
ランド、日本】
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
経 過
1999/ 7/16
10/14
11/19
2000/12/21
2001/ 1/31
5/ 1
5/16
協議要請
(
「DS178」
7/30)
パネル設置要請
(
「DS178」
同日)
パネル設置
(
「DS178」
と合併)
パネル報告書配布
米国による上訴
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
177.(178). 米 国 の 生
鮮、 チ ル ド、 冷 凍 ラ
ム肉輸入に係るセー
フガード措置
178. 米 国 の ラ ム 肉 輸 豪州
入に係るセーフガー
ド措置
韓国
【日本、EU】
181. コ ロ ン ビ ア の タ
イ製ポリエステル単
繊維輸入に係るセー
フガード措置
1999/ 7/30
10/14
11/19
2000/12/22
2001/ 2/ 1
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
カナダ
1999/ 9/ 6 協議要請
タイ
1999/ 9/ 7 パネル設置要請
10/27 タイがパネル設置要求取り下げ
182. エ ク ア ド ル の メ メキシコ
キシコ産灰色ポート
ランドセメント輸入
に係る暫定的 AD 措置
EU
183. ブ ラ ジ ル の 輸 入
ライセンスと最低輸
入価格
866
米国は、輸入生鮮、チルド、冷凍ラ
SG
ム肉に関税割当の様式でセーフガー GATT
ド措置を課した。これに対して豪州
及びニュージーランドはSG協定第2、
3、4、5、11 条及び GATT 協定第 1、
2、19 条に違反すると申立て。パネ
ル及び上級委は、米国は
「事情の予
見されなかった発見」について立証
しておらず GATT 第 19.1
(a)条に違
反するとした。また、米国が上流の
産物の生産者も含めて国内産業とみ
なしたことは SG 協定第 4.1
(c)条違反
とした。また重大な損害のおそれに
ついて上級委は、米国 ITC の調査は
使用したデータについて SG 協定第
4.1
(c)
条の要求を満たしていない為、
SG協定第4.2
(a)
条に違反するとした。
因果関係の認定については、上級委
は調査当局には
「真正かつ相当な関
係」の立証が求められるとして、米
国 ITC は因果関係の立証責任を果た
していないとの判断を下した。
(DS177 と合併)
179. 米 国 の 韓 国 産 ス
テンレス鋼板(厚板及
び 薄 板 )に 対 す る AD
措置
180. 米 国 の シ ュ ガ ー
シロップの再分類
関連協定
1999/10/5 協議要請
1999/10/14 協議要請
米国商務省の仮決定及び最終決定は、 GATT
ダンピング・マージンの賦課、計算
AD
等に欠陥があり、GATT 及び AD 協
定に違反するとの申立てに対し、パ
ネルは、
(a)不必要な通貨の換算を
行っているとして AD 協定第 2.4.1 条
違反、
(b)未払い販売について、非
関連企業への直接販売に関する価格
の比較可能性を確保しない調整を
行っていること、及び関連輸入業者
経由での販売について、輸出価格の
構成のためのものとしては許容され
ない調整を行っているとして、AD
協定第 2.4 条柱書違反、
(c)複数の期
間の平均値を用いて正常価額と輸出
価格との比較を行っているとして
2.4.2 条第 1 文違反を認めた。
米国税関によって提案されているあ GATT 農
る種類のシュガーシロップの再分類
業
は GATT 協定第 2 条及び農業協定第 4
条に違反するとしてカナダが申立て。
コロンビアは 1998 年 10 月よりタイ
繊維
製ポリエステル単繊維の輸入を一方
的に抑制するセーフガード措置を
とっており、繊維及び繊維製品に関
する協定第 2 条及び 6 条に違反する
としてタイが申立て。
エクアドルの暫定的 AD 措置及びそ
AD
れ に 先 行 す る 行 為 は AD 協 定 及 び GATT
GATT 協定に違反するとしてメキシ
コが申立て。
ブラジルの織物製品等の輸入品に対 GATT
するライセンス制度と最低価格の設
農業
定は、GATT 協定、農業協定、ライ ライセンス
センス協定他に違反するとして EU
が申立て。
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
日本
【ブラジル、カナ
ダ、 チ リ、EU、
韓国】
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
(DS184〜DS191)
経 過
AD
GATT
3
AD
GATT
TRIPs
GATT
GATT
GATS
AD
繊維
AD
867
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
本件 AD 措置は、損害の認定に際し
米国産業への影響及びダンピング・
マージンが過大評価されている、調
査手続が不公正である、などの点で
GATT 及び AD 協定に違反するとの
申 立 て に 対 し、 パ ネ ル は、 ① 個 別
ケースに係る入手可能な事実の利用
について AD 協定第 6.8 条違反、②独
立当事者間の価格を基準とした正常
価額の計算における本国での関連企
184. 米 国 の 日 本 製 熱
業への販売の除外決定方式について
延鋼板に対する AD 措
同 2.1 条違反、③入手可能な事実に完
置
全に基づいているダンピング・マー
ジンのみを調査対象企業以外のダン
ピング・マージン計算から除外する
ことを義務づけた米国法令について
同 9.4、18.4 条及び WTO 設立協定第
16.4 条違反を認めた。一方、上級委
はパネル判断を概ね支持し、また、
損害認定における次工程向け産品市
場の扱いに関する米国 1930 年法の本
措置への適用について、AD 協定第
3.1、3.4 条違反を認めた。
コスタリカ
1999/11/18 協議要請
トリニダードトバゴの AD 調査とそ
185. ト リ ニ ダ ー ド ト
れに先立つ予審、同国の 1996 年ダン
バゴのコスタリカか
ピング防止税及び相殺関税規制は
らのパスタ輸入に関
AD 協定に違反するとしてコスタリ
する措置
カが申立て。
EU
2000/ 1/12 協議要請
米国関税法第 337 条は 1994 年にウル
186. 米 国 の 1930 年 関
グアイ・ラウンド実施法により改正
税法第 337 条とその改
されているが、未だその改正は不十
正
分であり、内国民待遇及び TRIPs 協
定に違反するとして EU が申立て。
187. ト リ ニ ダ ー ド ト コスタリカ
2000/ 1/17 協議要請
トリニダードトバゴのコスタリカか
バゴのコスタリカか
らの当該輸入品に対する AD 措置は、
らのパスタ類輸入に
GATT 協定に違反するとしてコスタ
おける AD 措置
リカが申立て。
コロンビア
2000/ 1/17 協議要請
ニカラグアが 1999 年に設置した、ホ
188. ニ カ ラ グ ア の ホ
【カナダ、コスタ 3/27 パネル設置要請
ンジュラス及びコロンビアからの物
ンジュラスとコロン
リ カ、EU、 ホ ン 5/18 パネル設置
(結局パネルは編成さ 品及びサービスについての税制は、
ビアからの輸入に対
ジュラス、米国】
れず終了)
最恵国待遇他に違反するとしてコロ
する措置
ンビアが申立て。
EU
2000/ 1/26 協議要請
本件 AD 調査及び措置は不適正であ
【日本、トルコ、 9/14 パネル設置要請
り、AD 協定に違反するとの申立て
米国】
11/17 パネル設置
に対し、パネルは、アルゼンチンが、
2001/ 9/28 パネル報告書配布
①ダンピング計算のために輸出者か
11/ 5 パネル報告書採択
ら提示された情報の多くを、理由に
2002/12/20 二国間合意通報
関する説明もなく無視したことは
AD 協定第 6.8 条及び附属書Ⅱに、②
189. ア ル ゼ ン チ ン の
サンプルとされた輸出者の個別ダン
イタリアからのセラ
ピング・マージンを算出しなかった
ミック製床タイル輸
ことは AD 協定第 6.10 条に、③価格
入に対する AD 措置
の比較可能性に影響を与える物理的
な特性における差異に対して妥当な
考慮を払わなかったことは AD 協定
第 2.4 条に、④確定的措置を発動する
か否かの基礎として考慮した重要な
事実を輸出者に公開しなかったこと
は AD 協定第 6.9 条に違反すると判断
した。
190. ア ル ゼ ン チ ン の ブラジル
2000/ 2/11 パネル設置要請
アルゼンチンのブラジル産綿及び綿
ブ ラ ジ ル 産 綿 及 び 綿【パキスタン、パ 3/20 パネル設置
混合織物輸入に対する経過的セーフ
混 合 織 物 輸 入 に 対 す ラグアイ、米国】 6/30 二国間合意通報
ガード措置は、繊維協定第 2、6、8
る経過的セーフガー
条他に違反するとしてブラジルが申
ド措置
立て。
191. エ ク ア ド ル の メ メキシコ
2000/ 3/15 協議要請
エクアドルのメキシコ産セメントに
キシコ産セメントに
対 す る 最 終 的 な AD 措 置 は、AD 協
対 す る ア ン チ・ ダ ン
定第 1~9、12、18 条他に違反する。
ピング措置
関連協定
第
1999/11/18 協議要請
2000/ 2/11 パネル設置要請
3/20 パネル設置
2001/ 2/28 パネル報告書配布
4/25 米国による上訴
7/24 上級委報告書配布
8/23 パネル・上級委報告書採択
2005/ 7/20 二国間合意通報
(承認)
(米国は現在も引き続き DSB 会合において完
全履行に向けて取り組む旨発言)
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
資料編
(DS192〜DS200)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
パキスタン
【EU、インド】
経 過
2000/ 4/ 3
6/19
2001/ 5/31
7/ 9
10/ 8
11/ 5
協議要請、パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
米が上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
192. 米 国 の パ キ ス タ
ン産綿製紡績糸に係
る経過的セーフガー
ド措置
EU
2000/ 4/19
11/ 6
12/12
2003/11/12
2007/12/13
2010/ 5/28
カナダ
2000/ 5/19
【豪州、EU、インド】
8/ 4
9/11
2001/ 6/29
8/23
194. 米 国 の 輸 出 制 限
を補助金として扱う
措置
193. チ リ の メ カ ジ キ
の輸送及び輸出に対
する措置
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
二国間合意通報
パネル設置停止を継続
パネル取り下げ
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
米国
2000/ 5/23 協議要請
195. フ ィ リ ピ ン の 自
【インド、日本】 10/12 パネル設置要請
動 車 開 発 計 画
11/17 パネル設置
(MVDP)
196. ア ル ゼ ン チ ン の
特許及び試験データ
保護
米国
2000/ 5/30 協議要請
2002/ 5/31 二国間合意通報
米国
2000/ 5/30 協議要請
米国
2000/ 5/30 協議要請
2001/ 9/26 二国間合意通報
197. ブ ラ ジ ル の 最 低
輸入価格措置
198. ル ー マ ニ ア の 最
低輸入価格措置
米国
2000/ 5/30
199. ブ ラ ジ ル の 特 許【ドミニカ共和国、2001/ 1/ 9
保護
ホンジュラス、イ 2/ 1
ンド、日本】
7/19
EU
2000/ 6/ 5
200. 米 国 の 1974 年 通
商法第 306 条改正
868
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
二国間合意通報
協議要請
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
米国のパキスタン産綿製紡績糸に係
る経過的セーフガード措置は、同措
置発動の要件
(繊維協定第 6 条 2、3、
4 及び 7 項)を満たしていないので、
上記各条項に違反するとの申立てに
対して、パネル及び上級委は、米国
の垂直統合された生産者が自己消費
する場合を国内産業から除外したこ
とは繊維協定第 6.2 条違反であると認
定した。また、重大な損害の帰責分
析については、米国がメキシコから
の輸入の効果を個別に検討しなかっ
たことは繊維協定第 6.4 条に違反する
と認定した。なお、上級委は、国内
当局の措置決定時に存在しなかった
証拠をパネルが考慮したことは DSU
第 11 条に違反しているとの判断を示
した。
チリ漁業法第 165 項を基礎として設
立された、チリの漁港におけるメカ
ジキ陸揚げの禁止は、GATT 第 5 条
及び 11 条に違反するとして EU が申
立て。
関連協定
繊維
GATT
米国の SAA
(Statement of ADminis- 補助金
trative Action)他は、他国の輸出制
限措置を資金面での貢献と扱うもの
であり、これらは補助金協定第 1.1、
10、11、17、19、32.1、32.5 条及びマ
ラケシュ協定第 16.4 条に違反すると
の申立てに対し、パネルはこの紛争
で定義された輸出制限は補助金協定
第 1.1
(a)の資金面での貢献になり得
ず、 ま た、 米 国 の 1930 年 関 税 法 第
771
(5)
(B)
( ⅲ)条は補助金協定第 1.1
条に違反しないと判断した。
フィリピンの自動車開発計画は、貿 補助金
易関連投資措置協定第 8 条、補助金
協定第 4 条及び 30 条に違反するとし
て米国が申立て。
アルゼンチンは、医薬品等の秘密試 TRIPs
験やデータに対する保護を怠ってい
る 等、TRIPs 協 定 第 27、28、31、
34、39、50、62、65 及び 70 条に違反
するとして米国が申立て。
ブラジルの最低輸入価格措置は、関 関税評価
税評価協定第 1~7 条及び 12 条、輸 ライセンス
入許可手続に関する協定第 1~3 条、
繊維
繊維協定第 2~7 条及び農業協定第 4
農業
条 2 項に違反するとして米国が申立
て。
ルーマニアの農産品、衣服類、蒸留 関税評価
酒等に対する最低又は最高輸入価格
繊維
の 設 定 は、 関 税 評 価 1~7 条 及 び 12
農業
条、農業協定第 4 条 2 項及び繊維協
定第 2 条及び 7 条に違反するとして
米国が申立て。
ブラジルの 1996 年工業所有権法は、 TRIPs
TRIPs 協定第 27 条、28 条に違反する
として米国が申立て。
米国の 1974 年通商法第 306 条はアフ
リカ CBI 法第 407 条により改正され、
譲許停止品目を定期的に変えること
を一方的に義務づけている。これは、
DSU 第 3 条 2 項、21 条 5 項、22 条 及
び 23 条に違反するとして EU が申立
て。
DSU
(DS201〜DS206)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
201. ニ カ ラ グ ア の ホ
ンジュラスとコロン
ビアからの輸入に対
する措置
ホンジュラス
経 過
2000/ 6/ 6 協議要請
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
米国による上訴
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
米国、SG 措置を終了
202. 米 国 の ラ イ ン パ
イプ輸入に係るセー
フガード措置
203. メ キ シ コ の 米 国
産輸入豚に対するア
ン チ・ ダ ン ピ ン グ 措
置
米国
米国
【日本、EU、カナ
ダ、豪州、ブラジ
ル、キューバ、グ
ア テ マ ラ、 ホ ン
204. メ キ シ コ の 電 気
ジ ュ ラ ス、 イ ン
通信サービスに対す
ド、ニカラグア】
る措置
205. エ ジ プ ト の 大 豆
油入りツナ缶の輸入
禁止措置
タイ
2000/ 7/10 協議要請
2000/ 8/17
11/10
2002/ 4/17
2004/ 4/ 2
6/ 1
2000/ 9/22 協議要請
インド
2000/10/4
【チリ、EU、日本】2001/ 6/20
7/24
2002/ 6/28
7/29
206. 米 国 の イ ン ド か
らの鋼板に対するア
ン チ・ ダ ン ピ ン グ 措
置及び相殺関税措置
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
関連協定
ニカラグアが 1999 年に設置した、ホ GATT
ンジュラス及びコロンビアからの物 GATS
品及びサービスについての税制は、
GATT 第 1、2 条及びサービス協定第
2、16 条に違反するとしてホンジュ
ラスが申立て。
米国のラインパイプ輸入について SG GATT
措置発動に至る手続と決定及び同措
SG
置自体が SG 協定第 2、3、4、5、7、
8、9、12 条 及 び GATT 第 1、13、19
条に違反するとの申立てに対して、
パネルは GATT 第 13:2 条、19 条及
び SG 協 定 第 3.1、4.2
(b)
、4.2
(c)
、
8.1、9.1 及び 12.3 条に違反すると認定
した。これに対して上級委は、損害
認定について重大な損害若しくはそ
のおそれのいずれかについて個別に
認定をしなければならないと判断し
たパネル判断を覆し、
「重大な損害
又はそのおそれがある」と認定した
米国 ITC の認定は SG 協定と整合的
であるとした。SG 調査対象国と SG
措置の適用国との適応関係
(パラレ
リ ズ ム )に つ い て は、 上 級 委 は、
NAFTA 国からの輸入を調査対象と
して損害認定をしていながら、SG 措
置の発動では NAFTA 国を対象から
外したことは SG 協定第 2、4 条に違
反するとした。
メキシコは 1999 年 10 月に米国から
SPS
の生きた豚に対して AD 調査を行い、 農業
その結果、同措置を実施したが、こ
TBT
れは SPS、農業、TBT、AD の各協
AD
定に違反するとして米国が申立て。
パネルはメキシコが電気通信サービ GATS
ス分野において反競争的で差別的規
制維持したことは自由化約束違反
(参照文書 1.1 不履行)
、また、越境基
本電気通信サービスの供給をコスト
に見合う合理的なレートで認めてこ
なかったことも約束違反
(参照文書
2.2
(b)不履行)と判断。ただし、国内
に拠点を持たずかつ回線設備を保有
しない形での外国事業者の墨におけ
る専用回線利用の禁止措置は墨の自
由化約束に違反しないとした。
エジプトによるタイからの大豆油入 GATT
りツナ缶輸入禁止は、GATT 第 1、
SPS
11 及び 13 条、また SPS 協定第 2、3、
5 及び附属書 B に違反するとしてタ
イが申立て。
本 件 AD 措 置 に 係 る 米 国 商 務 省
AD
(DOC)の課税決定、国際貿易委員会 補助金
(ITC)の損害認定、ファクツ・アべ GATT
イラブル
(FA)に関する DOC 規則の WTO 設立
適用等は GATT、AD 協定、補助金
協定、WTO 設立協定に違反すると
の申立てに対し、パネルは、DOC が
米国販売価格についての情報を用い
ず、FA にのみ基づいてダンピング
認定をしたことは AD 協定第 6.8 条及
び附属書Ⅱパラグラフ 3 に違反する
と結論した。他方、FA に関する修
正 1930 年 関 税 法 776 条
(a)
、782 条
(d)
、
(e)の規定自体は、AD 協定第
6.8 条、附属書Ⅱに違反していないと
された。
869
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
2000/ 6/15
9/14
10/22
2001/10/29
11/19
2002/ 2/15
3/ 8
2003/ 3/18
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
韓国
【豪州、カナダ、
EU、 日 本、 メ キ
シコ】
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
(DS207〜DS212)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
アルゼンチン
2000/10/5 協議要請
チリによる小麦、小麦粉及び食用植
【豪州、ブラジル、2001/ 1/19 パネル設置要請
物油の輸入に関する価格拘束制度及
コロンビア、コス 3/12 パネル設置
び SG 措置について、前者は GATT
タ リ カ、EU、 エ 2002/ 5/ 3 パネル報告書配布
第 2 条及び農業協定第 4 条、また後
クアドル、エルサ 6/24 チリ上級委申立て
者は SG 協定及び GATT 第 19 条に違
ルバドル、グアテ 9/23 上級委報告書配布
反するとアルゼンチンが申立て。パ
マラ、ホンジュラ 10/23 パネル・上級委報告書採択
ネルは、チリの価格拘束制度は農業
ス、日本、ニカラ 2005/12/29 パネル設置要請
(履行確認)
協 定 第 4.2 条 及 び GATT 第 2 条 に 違
グ ア、 パ ラ グ ア 2006/ 1/20 パネル設置
(履行確認)
反していると認定。他方、上級委は
イ、ベネズエラ、 12/ 8 パネル報告書配布
(履行確認)
農業協定違反についてはパネル判断
207. チリの農産物に対 米国】
2007/ 2/ 5 チリによる上級委申立て
(履行確認)を支持したものの、GATT 第 2 条違
する価格拘束制度及び
5/ 7 上級委報告書配布
(履行確認)
反は認めなかった。またパネルは、
セーフガード措置
5/22 パネル・上級委報告書採択
(履行 チリの SG 措置は GATT 第 19.1
(a)条
確認)
と SG 協定第 2、4、5 条に違反すると
認定した
(SG 措置については上級委
申立てせず)
。DSU 第 21.5 条パネル
は、チリによる価格拘束制度や各種
課徴金制度に類似する国境措置の維
持は、農業協定第 4.2 条に反している
とし、チリは DSB による勧告を履行
していない旨判断した。DSU 第 21.5
条上級委は、農業協定第 4 条等の違
反を認定した。
ブラジル
2000/10/9 協議要請
トルコによるブラジルからの鉄管継
手対する AD 課税は、調査開始、調
208. ト ル コ の 鉄 管 継
査方法、ダンピングと被害の関係の
手 に 対 す る ア ン チ・
評価や決定、及び課税賦課につき、
ダンピング措置
GATT 第 6 条 及 び AD 協 定 第 2、3、
5、6、15 条に違反するとしてブラジ
ルが申立て。
ブラジル
2000/10/12 協議要請
EU のブラジル産インスタントコー
209. EU のインスタン
ヒーに対する GSP 適用の引き下げ、
トコーヒーに影響を
及び 1999 年 1 月の適用廃止は GATT
与える措置
の授権条項に違反するとしてブラジ
ルが申立て。
米国
2000/10/12 協議要請
ベルギーが 1997 年 7 月に導入した米
210. ベ ル ギ ー の コ メ【インド、日本】 2001/ 1/19 パネル設置要請
に関する関税制度は、関税評価協定、
に対する関税措置の
3/12 パネル設置
TBT 協定及び農業協定に違反すると
実施
7/26 パネル停止
して米国が申立て。
12/18 二国間合意通報
トルコ
2000/11/6 協議要請
エジプトの AD 措置は適切な調査に
【チリ、EU、日本、2001/ 5/ 3 パネル設置要請
基づいておらず、GATT 及び AD 協
米国】
6/20 パネル設置
定に違反するとの申立てに対し、パ
2002/ 8/ 8 パネル報告書配布
ネルは、損害認定にあたり、AD 協
211. エ ジ プ ト の ト ル
10/ 1 パネル報告書採択
定第 3.4 条に列挙されている要因をす
コからの鉄鋼に対す
べて考慮しなかったことによる同条
る ア ン チ・ ダ ン ピ ン
違反、トルコの輸出企業 2 社に対し
グ措置
て説明なくファクツ・アベイラブル
(FA)を利用したことに関する AD 協
定第 6.8 条及び附属書Ⅱパラグラフ 6
違反を認めた。
EU
2000/11/10 協議要請
米国の相殺関税措置の賦課継続は、
【ブラジル、中国、2001/ 8/23 パネル設置要請
補 助 金 協 定 第 1、10、14、19、21 条
インド、韓国、メ 9/10 パネル設置
に違反するとの申立てに対して、パ
キシコ】
2002/ 7/31 パネル報告書配布
ネル及び上級委は民営化後の利益継
9/ 9 米国上級委申立て
続 の 認 定 に つ い て は 10、14、19、
12/ 9 上級委報告書配布
21.1、21.2、21.3 条違反であると認定
212. 米国の EU からの
2004/ 3/19 協議要請
(履行確認)
した。ただし、上級委は、民営化前
輸入品に対する相殺
9/27 パネル設置
(履行確認)
の補助金による利益の民営化後の継
関税措置
2005/ 8/17 パネル報告書配布
(履行確認)
続については、独立当事者間の公正
2005/ 9/27 パネル報告書採択
な価格での民営化が民営化前の補助
金利益を必ず消滅させるというパネ
ル認定を破棄して消滅させると推定
す る こ と が で き る と し た。DSU 第
21.5 条パネルは、なお一部について
補助金協定違反であると認定した。
870
関連協定
農業協定
GATT
SG
GATT
AD
GATT
関税評価
TBT
農業
AD
GATT
補助金
(DS213〜DS217)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
EU
2000/11/10
【日本、ノルウェー】2001/ 8/10
2001/ 9/10
2002/ 7/ 3
213. 米 国 の ド イ ツ か
8/30
らの鉄鋼板に対する
11/28
相殺関税措置
2002/12/19
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
米国上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委員会報告書採択
2000/12/15 協議要請
ブラジル
2000/12/20 協議要請
217:豪州、ブラジ 2000/12/21
ル、チリ、EU、イ 2001/ 7/12
ンド、インドネシ 9/10
ア、日本、韓国、 2002/ 9/16
タイ
10/18
【アルゼンチン、カ 2003/ 1/16
ナダ、コスタリカ、 2004/ 1/15
香港、イスラエル、
メ キ シ コ、 ノ ル
ウェー】
1/23
234:カナダ、メキ 2004/ 8/31
シコ
11/10
【アルゼンチン、豪
州、ブラジル、コ
スタリカ、EU、香 11/26
港、インド、イン 12/ 6
ドネシア、イスラ 12/17
エル、日本、韓国、
12/23
217.(234). 米 国 1930 ノルウェー、タイ】 2005/ 1/ 7
関 税 法 改 正 条 項( 通
1/11
称:バード条項)
4/29
8/18
2006/ 4/28
8/22
2007/ 4/19
2007/ 8/23
2008/ 8/29
2009/ 8/14
2010/ 8/25
2011/ 8/26
協議要請
(
「DS234」
2001/5/21)
パネル設置要請
(
「DS234」
8/10)
パネル設置
(DS234 と合併)
パネル報告書配布
米国上級委申立て
上級委報告書配布
DSU 第 22 条に基づく対抗措置承
認申請
(日本、EU、韓国、ブラジ
ル、インド、チリ、墨、カナダ)
米国の DSU 第 22.6 仲裁の要請
対抗措置申請仲裁判断発出
7 か国・地域が対抗措置の内容を
申請
(日、EU、韓、加、墨、印、
ブラジル)
対抗措置の内容承認
チリが対抗措置の内容を申請
チリの対抗措置の内容承認
豪州、米国と合意
タイ、米国と合意
インドネシア、米国と合意
EU、カナダが対抗措置の内容を
申請
日本が対抗措置の内容を申請
EU、新たな対抗措置品目リスト
を申請
日本、新たな対抗措置品目リスト
を申請
EU、新たな対抗措置品目リスト
を申請
日本、対抗措置を 2007/9/1 より
一年間延長を表明
日本、対抗措置を 2008/9/1 より
一年間延長を表明
日本、対抗措置を 2009/9/1 より
一年間延長を表明
日本、対抗措置を 2010/9/1 より
一年間延長を表明
日本、対抗措置を 2011/9/1 より
一年間延長を表明
米国は、ドイツからの腐食防止鉄鋼製
品に対して1993 年より相殺関税措置を
開 始し、2000 年 8 月の サンセットレ
ビューにおいてもその継続を決定した。
本件は、補助金協定第 10、11、21 条
に違反するとの申立てに対し、パネル
及び上級委は、米国法令は第 21.3 条違
反に違反しないとした。また、上級委
は、サンセットレビューのデミニマス
基準についてのパネルの認定を破棄し、
デミニマス基準の準用を否定した。
米国の 1974 年通商法第 201 及び 202
条は、輸入増加と損害の因果関係の
決定に関する規定においてセーフ
ガード協定第 4、5 条に違反し、また、
NAFTA 実施法第 311 条は同協定の
2、4、5 条に違反し、これら両規定
は、最恵国待遇違反でもある、とし
て EU が申立て。
フィリピンの韓国からの合成樹脂に対
するAD 措置は、ダンピング・マージ
ンの分析、収集及び賦課、また同種の
産品、ダンピング、損害及び因果関係
の結論の出し方に問題があり、AD 協
定 第 2、3、5、6、7、9、12 及 び 附 属
書Ⅱに違反するとして韓国が申立て。
メキシコが 2000 年 7 月に行ったブラ
ジルからの電気変圧器に対する AD
上の暫定措置は、AD 協定第 5 条 2、
3、8 条、6 条 8 項、7 条 1 項 ⅰ、 ⅱ 及
び附属書Ⅱに違反するとしてブラジ
ルが申立て。
バード修正条項は、関税当局が徴収
した相殺関税、AD 税に相当する額
を、影響を受けた生産者に対して配
分することを規定しており、AD 協
定、補助金協定、GATT 及び WTO
設立協定に違反するとの申立てに対
し、パネルは、本条項は AD 及び補
助金協定上許容される措置に該当し
ないため、AD 協定第 18.1、18.4 条、
補 助 金 協 定 第 32.1、32.5 条、GATT
第 6.2、6.3 条 及 び WTO 設 立 協 定 第
16.4 条違反、また、AD 調査申請支
持のインセンティブとなるとして、
AD 協定第 5.4 条、補助金協定第 11.4
違反を認めた。一方上級委は、同条
項 が AD 調 査 申 請 支 持 の イ ン セ ン
ティブとなり AD 協定第 5.4 条、補助
金協定第 11.4 条に違反するとのパネ
ル判断を否定し、AD 協定第 18.1、
18.4 条、補助金協定第 32.1、32.5 条及
び WTO 設立協定第 16.4 条違反につ
いてはパネル判断を支持した。
関連協定
補助金
SG
GATT
AD
AD
AD
補助金
GATT
WTO
871
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
韓国
215. フ ィ リ ピ ン の 韓
国からの合成樹脂に
対 す る ア ン チ・ ダ ン
ピング措置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
EU
2000/12/1 協議要請
【アルゼンチン、 2001/ 8/ 8 パネル設置要請
214. 米 国 の 鉄 鋼 製 品 カナダ、日本、韓 9/10 パネル設置
(結局パネルは編成さ
及 び 溶 接 ラ イ ン パ イ 国、メキシコ】
れず終了)
プに対するセーフ
ガード措置
216. メ キ シ コ の 電 気
変圧器に対するアン
チ・ ダ ン ピ ン グ 暫 定
措置
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
ブラジル
(DS218〜DS224)
経 過
2000/12/21 協議要請
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
米国は、国内相殺関税法に従い、ブラ
ジルの民営化企業が民営化前に受け
た補助金の利益に対して相殺関税を
賦課し続けており、この行為は、補助
金協定第 1、10、11、14、19、21 条に
違反するとしてブラジルが申立て。
ブラジル
2000/12/21 協議要請
本件 AD 措置に係る調査及び評価は
【 チ リ、日本、米 2001/ 6/20 パネル設置要請
AD 協 定 第 1~7、9、11、12、15 条
国】
7/24 パネル設置
及び GATT 第 6 条に違反するとの申
2003/ 3/ 7 パネル報告書配布
立てに対し、パネルは、
「ゼロイン
219. EU のブラジルか
4/23 ブラジルによる上訴
グ」に関する AD 協定第 2.4.2 条、
「損
らの可鍛鋳鉄管継手
7/22 上級委報告書配布
害関連要因の公開」に関する AD 協定
に 対 す る ア ン チ・ ダ
8/18 パネル・上級委報告書採択
第 12.2 条及び 12.2.2 条違反を認めた。
ンピング措置
一方上級委は、パネル判断を概ね支
持したが、損害認定に関する情報公
開 に つ い て AD 協 定 第 6.2、6.4 条 に
違反していないとしたパネル判断を
破棄し、同条違反を認めた。
グアテマラ
2001/ 1/ 5 協議要請
チリの農産品に対する価格拘束制度
及びセーフガードに関する国内法、
220. チ リ の 農 産 品 に
セーフガード調査及び発動、またそ
対する価格拘束制度
の対象品目の拡大要求は、GATT 条、
及びセーフガード措
農業協定第 4 条、及びセーフガード
置
協定第 2、3、4、5、68、12 条等に違
反するとしてグアテマラが申立て。
カナダ
2001/ 1/17 協議要請
米国のウルグアイ・ラウンド合意実施
7/13 パネル設置要請
法
(URAA)及びその解釈指針
(SAA)
8/23 パネル設置
の下では、DSBにおいてWTO 協定違
2002/ 7/15 パネル報告書配布
反とされたAD 又は相殺関税措置につ
8/30 パネル報告書採択
いて、DSB の勧告に整合的な形でこ
れを課すことを規定しており、これは
過去にダンピング認定が行われた未
精算の輸入案件についてオリジナル
221. 米 国 の ウ ル グ ア
調査とは異なるルールによる行政見直
イ・ ラ ウ ン ド 合 意 実
しと、これに基づくAD・CVDの適用
施法 129 条
(c)
(1)
を義務づけるものであり、DSU、AD
協定、補助金相殺協定及び GATT の
諸規定に違反するとのカナダの主張に
ついて、パネルは、URAA 及び SAA
はカナダが問題としている措置
(未精
算の過去の輸入に対する修正ルール
の適用)を義務づけておらず、WTO
諸規定には違反しないとして、カナダ
の主張を全面的に退けた。
ブラジル
2001/ 1/22 協議要請
加政府及び政府関連企業からの加地
【豪州、EU、イン 3/ 1 パネル設置要請
方航空機産業に対する輸出信用及び
ド、米国】
3/12 パネル設置
融資保証は、輸出補助金に該当し補
2002/ 1/28 パネル報告書配布
助金協定第 3 条に違反するとの申立
5/23 補助金協定第 4.10 条及び DSU 第 てに対し、パネルは、補助金協定附
22.2 条に基づく対抗措置の承認申 属書Ⅰ
(k)で正当化されないと判断
222. カ ナ ダ の 地 方 航
請
したものも含めて一部の制度につき
空機産業に対する輸
12/23 仲裁人の報告
(秘密版)
の送付
補助金協定第 3.1
(a)条違反を認め、
出信用及び融資保証
2003/ 2/17 仲裁人の報告
(非秘密版)
の配布 補助金協定第 4.7 条に基づき 90 日以
2003/ 3/18 ブラジルの対抗措置の内容承認 内に廃止することを勧告した。カナ
ダはこの勧告履行を拒否したので、
ブラジルは対抗措置の申請をし、仲
裁人はカナダの履行を促すため 2 割
増しの対抗措置の規模を認定した。
米国
2001/ 1/25 協議要請
EU は小麦グルテンケースの DSB 採
択をもって米国産コーングルテン飼
223. EU の米国からの
料に対する関税割当が実施可能に
コーングルテン飼料
なったとしているが、本件は必要な
に対する関税割当
手続を満たしておらず、SG 協定第 8
条、 及 び GATT 第 1 条、2 条、14 条
に違反するとして米国が申立て。
ブラジル
2001/ 1/31 協議要請
米国特許法
(18 章他)は、政府の助成
を受けた発明に関する特許権につき
制 限 を 行 っ て お り、TRIPs 協 定 第
224. 米国の特許法
27、28 条、TRIM 協 定 第 2 条、 内 国
民待遇及び数量制限に違反するとし
てブラジルが申立て。
関連協定
補助金
218. 米 国 の ブ ラ ジ ル
からの鉄鋼製品に対
する相殺関税賦課
872
AD
GATT
農業
SG
DSU
補助金
SG
GATT
TRIPs
TRIM
GATT
(DS225〜DS231)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
EU
2001/ 2/ 5 協議要請
アルゼンチン
2001/ 2/19 協議要請
225. 米 国 の イ タ リ ア
からのシームレスパ
イプに対するアンチ
ダンピング措置
2001/ 3/ 1
5/ 3
6/24
7/12
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
チリがパネル取り下げ
コロンビア
2001/ 3/15 協議要請
インド
2001/ 4/ 9 協議要請
コロンビア
2001/ 4/17 協議要請
228. チ リ の 砂 糖 に 対
するセーフガード措
置
229. ブ ラ ジ ル の イ ン
ドからのジュート製
鞄に対するアンチダ
ンピング措置
230. チ リ の 砂 糖 に 対
するセーフガード措
置と譲許表の修正
ペルー
【 カナダ、チリ、
コロンビア、エク
アドル、ベネズエ
ラ、米国】
231. EU のイワシの表
示
2001/ 3/20
6/20
7/24
2002/ 5/29
6/28
9/26
10/23
2003/ 7/25
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
EU による上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
二国間合意通報
関連協定
イタリアからのシームレスパイプに
AD
関 す る 2000 年 11 月 の DOC に よ る WTO 設立
AD 賦 課 継 続 と の サ ン セ ッ ト レ
ビュー最終決定、及びサンセットレ
ビュー開始は、AD 協定第 5.8、11.1、
11.3、18.4 及びマラケシュ協定第 16.4
に違反するとして EU が申立て。
チリは本年 1 月に輸入混合食用油に GATT
対し暫定セーフガード措置を適用し
SG
たが、本件は SG 協定上の事前の協
議を行っておらず、また、同種の又
は直接競合産品の定義や、決定基準
が不明確であること等から、GATT
条及び SG 協定第 2、4、6、12 条に違
反するとしてアルゼンチンが申立
て。
1999 年 9 月に修正された一般販売税 GATT
は選択的な消費税について規定して
おり、本規定はペルーブランドのタ
バコに比べて、輸入タバコに対して
高い税金を課しており、GATT 第 3
条2項
(内国民待遇)に違反するとし
てチリが申立て。
チリの砂糖に対するセーフガード措
SG
置は、2000 年 1 月の決定及び同年 11 GATT
月の延長決定において、SG 協定第 2、
3、4、5、7、9、12 及 び GATT 第 19
条が求めている諸手続に違反してい
るとしてコロンビアが申立て。
ブラジルのインド産ジュート鞄に対 GATT
する AD 措置は、存在しないインド
AD
企業に関するデータに基づいた AD WTO 設立
措置継続の決定や、その決定に関す
る再考の拒否、生産コスト・国内販
売価格・輸出価格等の新な証拠の無
視、等が GATT 第 6 条及び 10 条 AD
協定各条項及び WTO 設立協定第 16
条に違反するとしてインドが申立
て。
チリの砂糖に対するセーフガード措
SG
置とその延長決定、及び当該砂糖の GATT
譲許表修正の交渉においてチリがコ
ロンビアを実質的利害関係無しとし
たことは、SG 協定第 2、3、4、5、7、
9、12、GATT 第 2、14、28 条等に違
反するとしてコロンビアが申立て。
EU 欧州理事会規則はヨーロッパマ GATT
イワシ
(Sardina pilchardus)から製
TBT
造されたイワシ製品のみ、保存イワ
シ
(preserved sardines)と表示する
ことを認め、ペルーから輸出された
イワシ
(Sardinops sagax)に つ い て
「イワシ」の表示を使うことを認めて
いないことは TBT 協定第 2、12 条、
GATT 第 1、3、11.1 条に違反すると
のペルーの主張について、パネルは、
EU 規則はイワシ製品の表示に関す
る国際規格
(Codex 規格)に整合的で
はなく、国際規格への準拠を規定し
た TBT 協定第 2.4 条に違反しており、
また、同条の例外的な適用除外につ
いて EU は十分な立証を行わなかっ
たと判断した。上級委員会は、2.4 条
の例外的な適用除外についてはペ
ルー側に EU の措置がこれに該当し
ないことについての立証義務がある
としたが、その他はパネルの判断を
おおむね支持した。
873
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
チリ
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
226. チ リ の 混 合 食 用
油に対する暫定セー
フガード措置
227. ペ ル ー の タ バ コ
税
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS232〜DS238)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
チリ
2001/ 5/21 協議要請
2004/ 2/ 2 協議取り下げ
インド
2001/ 5/25 協議要請
232. メ キ シ コ の マ ッ
チの輸入に関する措
置
233. ア ル ゼ ン チ ン の
医薬品輸入に関する
措置
234. 米 国 1930 関 税 法 カナダ、メキシコ
改正条項(通称:バー
ド条項)
ポーランド
2001/ 7/11 協議要請
2002/ 1/11 二国間合意通報
235. ス ロ バ キ ア の 砂
糖の輸入に対する
セーフガード措置
カナダ
2001/ 8/21
【EU、インド、日本】
10/25
12/ 5
2002/ 9/27
11/ 1
2006/10/12
236. 米 国 の カ ナ ダ か
らの軟材に対する仮
決定
エクアドル
2001/ 8/31
【コロンビア、EU、2002/ 6/14
米国】
7/29
237. ト ル コ の 生 鮮 果
11/22
物に関する輸入手続
チリ
2001/ 9/14
【EU、パラグアイ、
12/ 6
米国】
2002/ 1/18
2003/ 2/14
4/15
2004/ 1/23
238. ア ル ゼ ン チ ン の
桃缶の輸入に関する
セーフガード措置
874
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
メキシコはマッチの素材及びその廃
TBT
棄物について環境の観点も含めたリ ライセンス
スト化や、輸送の規定等を定めてい GATT
るが、これらはチリ製マッチのマー
ケ ッ ト ア ク セ ス を 阻 害 し て お り、
TBT 協定第 1、2、5 条、ライセンス
協定第 1、3、5 条及び内国民待遇に
違反するとしてチリが申立て。
アルゼンチンが医薬品の輸入に関し、 TBT
輸出国を annex Ⅰ、Ⅱにリスト化し、 GATT
それぞれに異なった検査や許可等を WTO 設立
要 求 す る の は、TBT 協 定 第 2、5、
12 条、最恵国待遇、内国民待遇及び
WTO 設立協定第 16.4 に違反すると
してインドが申立て。
(DS217 と合併)
スロバキアの砂糖の輸入に対する
SG
セーフガード措置は、セーフガード
協定に定められた調査手続、損害の
決定、適用期間及びセーフガード委
員会への通報等に不備があり、同協
定 の 3 条 1、4 条 2
(b)
、5 条 2
(a)
、7
条 4、12 条 1
(b)
、1
(c)
、3 に そ れ ぞ
れ違反するとしてポーランドが申立
て。
協議要請
2001 年 8 月の米国商務省によるカナ
SG
パネル設置要求
ダからの軟材に対する相殺関税仮決 GATT
パネル設置
定 及 び 危 機 的 な 事 態 の 仮 決 定 は、
パネル報告書配布
GATT 第 6 条 3 及び補助金協定第 1、
パネル報告書採択
2、10、14、17、10、21 条 に 違 反 す
二国間合意通報
る。また、米国の相殺関税措置に関
するレビューについては GATT 条 3
及び補助金協定第 10、19、21、32 条
にそれぞれ違反しており、本件につ
いては DSU 第 4 条 8 による緊急な協
議を求めるとの申立てに対して、パ
ネルは、カナダの立木伐採権の付与
制度は補助金協定第 1.1
(a)に該当す
るとした上で、米国の調査は補助金
協定第 1.1
(b)
、10、14、14
(d)
、17.1
(b)
条違反であると判断した。
協議要請
トルコの生鮮果物に関する輸入手続 GATT
パネル設置要請
は、トルコ農業省による書類の発行
SPS
パネル設置
を求めており、本手続は GATT 第 2、ライセンス
二国間合意通報
3、8、10、11 条、SPS 協定第 2.3、8、 農業
附属書 B、C、ライセシング協定第 1 GATS
条、農業協定第 4 条、及びサービス
協定第 6、17 条にそれぞれ違反する
としてエクアドルが申立て。
協議要請
アルゼンチンの桃缶の輸入に対する
SG
パネル設置要求
SG 措置に関する調査は、
「事前の予 GATT
パネル設置
見されなかった発展」の要件を満た
パネル報告書配布
しておらず、また国内産業への損害
パネル報告書採択
についての証拠がない等不備があり、
アルゼンチン、2003/12/31 に問 SG 協 定 第 2、3、4、5、12 条 及 び
題のセーフガード措置を撤廃し GATT 第 19.1 条に違反するとの申立
たことを表明
てに対し、パネルは、
「予見されな
か っ た 発 展 」に つ い て の GATT 第
19.1
(a)条違反であると認定。また、
アルゼンチン当局による輸入増カナ
ダ の 認 定 は 不 十 分 で あ り GATT 第
19.1
(a)条、SG 協 定 第 2.1、4.2
(a)条
違反、また重大な損害のおそれにつ
いてアルゼンチン当局は、関連する
すべての要因を検討していないこと
や重大な損害が明らかに差し迫った
も の で な い こ と 等 か ら、GATT 第
19.1
(a)条、SG 協 定 第 2.1、4.1
(b)
、
4.2
(a)
条違反であると認定。
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
ブラジル
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
(DS239〜DS243)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
2001/ 9/17 協議要請
米国商務省は、AD 協定に定められ
11/ 1 9 月のリクエストをキャンセル、 る 2%
(デミニマス)ルールをダンピ
新規協議要請
ング調査にのみ適用し、レビューに
は 0.5%を適用しており、AD 協定
第 5.8、11.1、18.3 条等に違反すると
してブラジルが申立て。
ハンガリー
2001/10/18 協議要請
ルーマニアは 2001 年 7 月より、小麦
11/27 パネル設置要求
及び小麦粉の輸入に対して品質要件
12/20 パネル設置要求取り下げ
を課し、それを満たさないものにつ
いては輸入を禁止している。本件は
240. ル ー マ ニ ア の 小
GATT 第 11 条 1 項
(数量制限の一般
麦及び小麦粉の輸入
的禁止)違反、かつ国内の同産品に
制限
は本要件を課していないことから、
GATT 第 3 条
(内国民待遇)違反であ
るとしてハンガリーが申立て。
(本
件についてハンガリーは DSU 第 4 条
8 による緊急な協議を要請)
ブラジル
2001/11/7 協議要請
本 件 AD 措 置 は、 調 査 手 続、AD 税
【 カ ナ ダ、 チ リ、 2002/ 2/25 パネル設置要請
の賦課及び課税価格の決定につき、
EU、グァテマラ、 4/17 パネル設置
AD 協 定 第 1~6、9、12 条、 関 税 評
パラグアイ、米国】2003/ 4/22 パネル報告書送付
価協定第 1、7 条及び GATT 第 6 条に
5/19 パネル報告書採択
違反するとの申立てに対し、パネル
は、本件 AD 措置に係る、調査開始
に関する決定・申請拒否・通知、質
問への回答期限、知られている輸出
者への申請書提示、輸出者から提示
241. ア ル ゼ ン チ ン の
された価格データの扱い、個別のダ
ブラジルからの家禽
ンピング・マージン算出、正常価額
に 対 す る ア ン チ・ ダ
算出における運送費等の相違に対す
ンピング措置
る妥当な考慮、物理的特性の相違へ
の対応、加重平均に基づく正常価額
の算出、損害認定における客観的な
検討・経済的要因や指標の考慮及び
ダンピングでない輸入の扱いについ
て、AD 協定第 2.4、2.4.2、3.1、3.2、
3.3、3.4、3.5、5.1、5.8、6.1.1、6.1.3、
6.8 条及び附属書Ⅱ、12.1 条違反を認
めた。
タイ
2001/12/7 協議要請
2001 年 11 月 14 日付で修正された、
2002 年 1 月 か ら 2004 年 12 月 ま で の
242. EU の一般特恵
EU の一般特恵は、GATT 第 1 条
(最
恵国待遇)及び授権条項に違反する
としてタイが申立て。
インド
2002/ 1/11 協議要請
米国の繊維製品及び衣類に関する非
【バングラディシュ、
5/ 7 パネル設置要求
特恵分野の原産地規則
(ウルグアイ・
中 国、EU、 パ キ 6/24 パネル設置
ラウンド実施法
(URAA)第 334 条等)
スタン、フィリピ 2003/ 6/20 パネル報告書配布
改正案は、繊維製品の付加価値又は
ン】
7/21 パネル報告書採択
製品の品質の変化に関係のない基準
に基づき原産地を決定するもので、
米国内産業の保護を目的に利用され
て お り、 原 産 地 規 則 協 定 第 2 条
(b)
243. 米 国 の 繊 維 製 品
(c)
(d)
(e)に違反するとのインドの
及び衣類に関する原
主張について、パネルは、原産地規
産地規則
則協定第 2 条
(b)
( 貿易上の目的を追
求する手段としての原産地規則の利
用)違反についてインドは URAA334
条の国内産業保護の効果を立証でき
ておらず、また、334 条は原産地規
則協定第 2 条
(c)が禁止する貿易歪曲
効果を持つ規則とは見なし得ないこ
と等から、インドの主張を全面的に
退ける判断を行った。
関連協定
AD
239. 米 国 の ア ン チ・
ダンピングの適用方
法に関する措置
GATT
第
AD
関税評価
GATT
GATT
原産地
875
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
3
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
日本
2002/ 1/30
【ブラジル、カナダ、
4/ 4
チリ、EU、インド、
5/22
韓国、ノルウェー】2003/ 8/14
9/15
12/15
244. 米 国 の 日 本 製 表
2004/ 1/ 9
面処理鋼板へのアン
チ・ ダ ン ピ ン グ 措 置
に対するサンセット・
レビュー
(DS244〜DS247)
経 過
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
日本による上訴
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
本 件 AD 措 置 に 関 す る 米 国 商 務 省
AD
(DOC)及び国際貿易委員会
(ITC)の
判断について、十分な証拠のないサ
ンセットレビュー手続の自動開始、
不当に高い AD 措置撤回基準、不適
切なダピングマージンによる認定及
び不適切な累積判断が GATT 第 6、
10 条、AD 協 定 第 2、3、5、6、11、
12、18.4 条及び同附属書Ⅱ及び WTO
設立協定第 13 条に違反するとの申立
てに対し、パネルはこれらを退けた。
上級委は、申立てにおける法的主張
を一部認めたものの、パネルの事実
認定が不十分なこと等から、米国の
本判断が WTO 協定不整合であると
は判断できないとした。
米国
2002/ 3/ 1 協議要請
1994 年以降日本が課している、火傷 GATT
【豪州、ブラジル、 5/22 パネル設置要請
病の可能性のある米国産リンゴ
(火
SPS
中国、台湾、EU、 6/ 3 パネル設置
傷病が検出された場所の近隣の果樹
農業
ニュージーランド】2003/ 7/15 パネル報告書配布
園のリンゴを含む)への検疫措置
(火
8/28 日本による上訴
傷病完全無病園地の指定、輸出園地
11/26 上級委員会報告書配布
周囲への衝地帯の設置、年 3 回の園
12/10 パネル・上級委員会報告書採択 地検査の実施等)は、GATT 第 6 条、
2004/ 7/30 パネル設置
(履行確認)
SPS 協定第 2.2、2.3、5.1、5.2、5.3、
2005/ 6/23 パネル報告書配布
(履行確認)
5.6、6.1、6.2、7 条、附属書 B、農業
7/30 パネル報告書採択
(履行確認)
協定第 14 条に違反するとの米国の主
9/ 2 二国間合意通報
張について、パネルは日本の措置は
十分な科学的根拠に基づいておらず
SPS 協定第 2.2 条
(科学的根拠に基づ
245. 輸 入 リ ン ゴ に 係
く措置の実施)
に違反するとともに、
る検疫措置
5.7 条
(科学的根拠が不十分な場合の
国際的な衛生植物検疫措置の参照)
の要件を満たしておらず、5.1 条の規
定する危険性評価にも基づいていな
い旨判断した。上級委員会も上記パ
ネルの判断を全面的に支持した。日
米は 2004 年 6 月末までの DSB 勧告の
履行に合意したが、米国は期限内に
履行が行われなかったとして履行パ
ネルの設置を要請、パネルは日本の
改正検疫措置は依然として SPS 協定
第 2.2、5.1 条に違反すると判断した。
日本は 2005 年 8 月に問題の措置を改
正した。
インド
2002/ 3/ 5 協議要請
EU による特恵関税制度
(麻薬の生産 GATT
【 ボリビア、ブラ 12/ 6 パネル設置要請
及び取引の撲滅を目的とした、特定
ジル、コロンビア、2003/ 1/27 パネル設置
開発途上国からの輸入品に対する特
コ ス タ リ カ、 12/ 1 パネル報告書配布
恵付与)は、GATT 第 1 条の最恵国待
キューバ、エクア 2004/ 1/ 8 上級委申立て
遇等を無効化・侵害しているとのイ
ドル、エルサルバ 4/ 7 上級委報告書配布
ンドの主張について、パネルは、EU
ドル、グアテマラ、
4/20 パネル・上級委報告書採択
の措置が GATT 第 1.1 条に反するこ
ホ ン ジ ュ ラ ス、
とをインドが立証した一方で、EU
246. EU の開発途上国 モーリシャス、ニ
は同措置が GATT 第 20 条
(b)
(生命・
に対する差別的関税 カラグア、パキス
健康の保護を目的とする措置の一般
タン、パナマ、パ
的例外)に該当すること及び開発途
ラグアイ、ペルー、
上国に対する特別な待遇を認めた授
スリランカ、べネ
権条項により正当化できることを立
ズエラ、米国】
証できなかったとして、インドの主
張を認めた。上級委員会は授権条項
に関するパネルの解釈を一部破棄し
たものの、その他のパネルの判断に
ついてはこれを支持した。
カナダ
2002/ 3/ 6 協議要請
米国のカナダ産軟材に対する暫定的
AD
247. 米 国 の カ ナ ダ か
2006/10/12 二国間合意通報
AD 措置は、調査開始の要件である
らの軟材に対する暫
ダンピングの証拠がない等、AD 協
定 的 ア ン チ・ ダ ン ピ
定第 2.1 条、2.2 条、5.2 条、7.1 条に違
ング措置
反するとしてカナダが申立て。
876
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
(DS248〜DS259)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
SG
DSU
GATT
第
3
GATT
GATT
GATT
SPS
農業
補助金
GATT
877
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
EU
(248)
2002/ 3/ 7 協議要請
(
「DS249」
「DS251」
3/20、 米国の鉄鋼製品に対するセーフガー
日本
(249)
「DS252」
3/26、
「DS253」
4/3、
ド措置は、国内産業への重大な損害
韓国
(251)
「DS254」
4/4、
「DS258」
5/14、
等のセーフガード措置発動条件が欠
中国
(252)
「DS259」
5/21)
如している等、セーフガード協定第
スイス
(253)
5/ 7 パネル設置要請
(
「DS249」
2、3、4、5、7、8、9、12 条、GATT
ノルウェー
(254)
「DS251」
5/21、
「DS252」
5/27、
第 1、2、10、13、19 条等に違反する
2 4 8 .(2 4 9)
、(2 5 1)
、 ニュージーランド
「DS253」
「DS254」
6/3、
「DS258」 との申立てに対して、パネル及び上
(252)
、
(253)
、
(254)
、
(258)
6/27、
「DS259」
7/18)
級委は米国の SG 措置は、事情の予見
(258)
、
(259)
. 米国の ブラジル
(259) 6/ 3 パネル設置
(その他案件は以下の されなかった発展についての GATT
鉄 鋼 製 品 に 対 す る【カナダ、キュー
日付でパネル設置と同時に DS248 第 19.1
(a)
条、SG 協定第 3.1 条に違反、
セーフガード措置
バ、台湾、メキシ
に併合→
「DS249」
「DS251」
6/14、 輸入の増加に関する事実認定に関す
コ、 タ イ、 ト ル
「DS252」
「DS253」
「DS254」
6/24、 る SG 協定第 2.1、4.2 条違反、調査対
コ、ベネズエラ】
「DS258」
7/8、
「DS259」
7/29)
象と措置対象の範囲が不一致である
2003/ 7/11 パネル報告書配布
として SG 協定第 2.1、2.2、4.2 条違反
8/11 米による上訴
であると認定。
11/10 上級委報告書配布
12/10 パネル・上級委報告書採択
249. 米 国 の 鉄 鋼 製 品 日本
に対するセーフガー
(DS248 と合併)
ド措置
ブラジル
2002/ 3/20 協議要請
フロリダ州の国内産でない柑橘類
250. フ ロ リ ダ 州 の オ
【チリ、EU、メキ 8/19 パネル設置要請
(オレンジ及びグレープフルーツ)の
レンジ及びグレープ
シコ、パラグアイ】
10/ 1 パネル設置
加工品に対する消費税はGATT第2.1
フルーツの加工品に
2004/ 5/28 二国間合意通報
(a)条 及 び 3.1 条、3.2 条、3.4 条 に 違
対する消費税
反するとしてブラジルが申立て。
251. 米 国 の 鉄 鋼 製 品 韓国
に対するセーフガー
(DS248 と合併)
ド措置
252. 米 国 の 鉄 鋼 製 品 中国
に対するセーフガー
(DS248 と合併)
ド措置
253. 米 国 の 鉄 鋼 製 品 スイス
に対するセーフガー
(DS248 と合併)
ド措置
254. 米 国 の 鉄 鋼 製 品 ノルウェー
に対するセーフガー
(DS248 と合併)
ド措置
255. ペ ル ー か ら の 特 チリ
2002/ 4/22 協議要請
ペルーの国産品以外の産品に対する
定の製品に対する課
6/13 パネル設置要請
税制措置は GATT 第 3 条に違反する。
税措置
9/25 パネル設置要請取り下げ
ハンガリー
2002/ 5/ 3 協議要請
トルコの BSE
(牛海綿状脳症)拡大を
防止するためのペットフード輸入禁
256. ト ル コ の ハ ン ガ
止措置は、GATT 第 11 条、SPS 協定
リー産ペットフード
第 2.2 条、2.3 条、5.1 条、5.2 条、5.6
の輸入禁止措置
条、6.1 条、6.2 条、7 条、附属書 B、
農業協定第 14 条に違反するとしてハ
ンガリーが申立て。
カナダ
2002/ 5/ 3 協議要請
米国がカナダからの軟材に対して決
【中国、EU、イン 7/18 パネル設置要請
定した補助金の存在、程度及び影響
ド、日本】
10/ 1 パネル設置
を決定するための調査の開始及び実
2003/ 8/29 パネル報告書配布
施等については、補助金協定第 1、2、
10/ 2 米国上級委申立て
10、11、12、14、15、19、22、32.1
2004/ 1/19 上級委報告書配布
条、GATT 第 6.3、10.3 条に違反する
257. 米 国 の カ ナ ダ か
2/17 パネル・上級委報告書採択
との申立てに対して、パネル及び上
らの軟材に対する相
12/30 パネル設置要請
(履行確認)
級委は米国は必要な補助金の利益の
殺関税決定
2005/ 1/14 パネル設置
(履行確認)
「転嫁」分析を一部の取引において
8/ 1 パネル報告書配布
(履行確認)
怠 っ た と し、 補 助 金 協 定 第 10 条、
9/ 6 米国による上級委申立て
(履行確認)32.1 条 及 び GATT 第 6.3 条 に 違 反 す
12/ 5 上級委報告書配布
(履行確認)
ると認定した。DSU 第 21.5 条パネル
12/20 パネル・上級委報告書採択
はなお同協定違反があると判断した。
2006/10/12 二国間合意通報
DSU 第 21.5 条上級委パネルもこれを
2007/ 2/23 更なる二国間合意の通報
支持した。
258. 米 国 の 鉄 鋼 製 品 ニュージーランド
に対するセーフガー
(DS248 と合併)
ド措置
259. 米 国 の 鉄 鋼 製 品 ブラジル
に対するセーフガー
(DS248 と合併)
ド措置
関連協定
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
(DS260〜DS266)
経 過
米国
2002/ 5/30 協議要請
【エジプト、日本、
8/19 パネル設置要請
260. EU の鉄鋼製品に 韓国、トルコ】 9/16 パネル設置
対する暫定セーフ
ガード措置
チリ
2002/ 6/18
261. ウ ル グ ア イ か ら
【EU、メキシコ、 2003/ 4/ 3
の特定の製品に対す
米国】
5/19
る課税措置
2004/ 1/ 8
EU
2002/ 7/25
262. 米 国 の フ ラ ン ス
産及びドイツ産鉄鋼
製品に対するアンチ
ダンピング措置及び
相殺関税賦課へのサ
ンセット・レビュー
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
二国間合意通報
協議要請
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
EU の鉄鋼製品に対する暫定セーフ
SG
ガード措置は、国内産業への重大な GATT
損害等のセーフガード措置発動条件
が欠如している等、SG 協定第 2.1 条、
2 . 2 条、3 条、4 . 1 条、4 . 2 条、6 条、
12.1 条、GATT 第 1 条、10 条、19 条
に違反するとして米国が申立て。
ペルーの国産品以外の産品に対する GATT
税制措置は GATT 第 1 条及び 3 条に
違反するとしてチリが申立て。
米国のフランス産及びドイツ産腐食 GATT
防止鉄鋼製品等へのアンチダンピン
AD
グ措置及び相殺関税賦課のサンセッ 補助金
ト・レビューによる継続の決定等は、WTO 設立
GATT、アンチダンピング協定、補
助金協定、WTO 設立協定に違反す
るとして EU が申立て。
アルゼンチン
2002/ 9/ 4 協議要請
EU のワインの製造方法等に関する
TBT
263. EU の輸入ワイン
規 則 は TBT 協 定 第 2 条、12 条、 GATT
に対する措置
GATT 第 1.1 条、3.4 条、WTO 設 立 WTO 設立
協定第 16.4 条に違反する。
カナダ
2002/ 9/13 協議要請
米国のカナダ産軟材に対するダンピン
AD
【中国、EU、イン 12/ 6 パネル設置要請
グの最終決定等は、AD 協定・GATT GATT
ド、 日 本、NZ、 2003/ 1/ 8 パネル設置
に違反するとの申立てに対し、パネル
タイ】
2004/ 4/13 パネル報告書配布
及び上級委は、米国がゼロイング手法
5/13 米国上級委申立て
を用いてダンピング・マージンを計算
8/11 上級委報告書配布
したことはAD 協定第 2.4.2 条に違反す
2005/ 5/19 パネル設置要請
(履行確認)
るとの判断を下した。米国は DSB 勧
6/ 1 パネル設置
(履行確認)
告の履行措置として新たなダンピン
2006/ 4/ 3 パネル報告書配布
(履行確認)
グ・マージンを算定する際、正常価格
5/17 上級委申立て
(履行確認)
(国内価格)
と輸出価格の比較を個別
8/15 上級委報告書配布
(履行確認)
取 引ごとに 行う中 で
(T-T 方 式:
264. 米 国 の カ ナ ダ 産
10/12 二国間合意通報
transaction to transaction)引き続き
軟材に対するダンピ
2007/ 2/23 更なる二国間合意の通報
ゼロイングを適用した。カナダはこれ
ングの最終決定
をAD 協定第 2.4.2 条及び 2.4 条違反と
主張し、DSU 第 21.5 条パネルが設置
されたが、パネルはカナダの主張を認
めなかった。これに対して同上級委は、
T-T 方式におけるゼロイングの適用は
協定第 2.4.2 条違反とするとともに、ウ
ルグアイ・ラウンド実施法 129 条決定
におけるT-T 方式でゼロイングが適用
されたことは、AD 協定第 2.4 条が定
める
「公正な比較」
要件に反するとして、
パネルの判断を覆した。
豪州
(265)
2002/ 9/27 協議要請
(
「DS266」
同日、
「DS283」EU の砂糖への輸出補助金は、農業 補助金
ブラジル
(266)
2003/3/14)
協定
( 第 3.3、8、9.1、10.1、11 条 )
、
農業
タイ
(283)
2003/ 7/ 9 パネル設置要請
(
「DS266」
補助金協定
(第 3.1、3.2 条)
、GATT
【豪州、ブラジル、
「DS283」
同日)
(第 3.4、16 条)
に違反するとの申立て
タイはそれぞれの 8/29 パネル設置
(
「DS266」
「DS283」
と に対して、パネルは、EU が譲許表
パネルに第三国参
併合)
に明記されている約束の水準を超え
加、バル バドス、 2004/10/15 パネル報告書配布
て輸出補助金を交付しており農業協
ベリーズ、カナダ、 2005/ 1/13 EU 上級委申立て
定第 3.3 条及び 8 条に違反したと認定
中国、コロンビア、 1/15 豪州・ブラジル・タイ上級委申立 した。上級委もパネルの認定を支持
キューバ、フィジー、
て
した。
265.(266)
、
(283)
. EU
ギ ア ナ、インド、 4/28 上級委報告書配布
の砂糖への輸出補助
ジャマイカ、ケニア、
5/19 パネル・上級委報告書採択
金
マダガスカル、マラ 2006/ 6/ 8 豪州、ブラジル、タイがそれぞれ
ウイ、モーリシャス、
EU と DSU 第 21 条及び 22 条に基
ニュージーランド、
づく了解に至ったことを通報
パラグアイ、セント
キャッツアンドネー
ビーズ、スワジラン
ド、タンザニア、ト
リニダードトバゴ、
米国、コートジボ
アール】
266. EU の砂糖への輸 ブラジル
(DS265 と合併)
出補助金
878
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
(DS267〜DS268)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
879
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
2002/ 9/27 協議要請
米国の高地産綿花に対する国内補助
農業
2003/ 2/ 6 パネル設置要請
金及び輸出補助金は、農業協定
(第 補助金
3/18 パネル設置
3.3、8、9.1
(a)
、10.1 条)補助金協定 GATT
2004/ 9/ 8 パネル報告書送付
(第 3.1
(a)
、3.1
(b)
、3.2、5、6、附属
10/18 上級委申立て
書Ⅰ
(j)条)
、GATT 第 3.4 条に違反す
2005/ 3/ 3 上級委報告書送付
るとの申立てに対して、パネルは、
3/21 パネル・上級委報告書採択
農業協定第 8 条違反や補助金協定第 3
8/18 パネル設置要請
(履行確認)
条違反等を認定した。上級委もパネ
2006/ 9/28 パネル設置
(履行確認)
ルの認定を支持した。
2007/12/18 報告書配布
(履行確認)
21.5 条パネルは、補助金協定第 5、6
2008/ 2/12 米国による上級委上訴
(履行確認)条等の違反を認定し、米国が履行を
2/25 ブラジルによる上訴
(履行確認) 行っていないとしたところ、21.5 条
6/ 2 上級委員会報告書採択
(履行確認)上 級 委 員 会 は、 米 国 に よ る 措 置 は
267. 米 国 の 高 地 産 綿
6/20 パネル・上級委員会報告書採択 DSB の勧告と裁定の履行を行ってお
花に対する補助金
(履行確認)
らず、WTO 農業協定及び補助金協
8/25 2005/8/18 に停止した仲裁の再開 定に非整合的であり、両協定上の義
を要請
務を果たすよう DSB が米国に要求す
10/ 1 仲裁人につき合意
ることを勧告するとした。
2009/ 8/31 仲裁決定書発出
11/ 6 対抗措置承認申請
11/19 対抗措置承認
2010/ 3/ 8 ブラジル、2010/4/7 から対抗措
置を発動する旨通知
4/30 ブラジル、対抗措置発動延期
8/25 ブラジル・米国、Framework for
a Mutually Agreed Solution to
the Cotton Dispute in the World
Trade Organization の締結を通知
アルゼンチン
2002/10/7 協議要請
米国のアルゼンチン産 OCTG に対す
AD
【台湾、EU、日本、2003/ 4/ 3 パネル設置要請
る AD 措置のサンセット・レビュー GATT
韓国、メキシコ】 5/19 パネル設置
による措置継続の決定等は AD 協定、 WTO 設立
2004/ 7/16 パネル報告書送付
GATT、WTO 設立協定に違反する
8/31 米国上級委申立て
との申立てに対し、パネルは、米国
11/29 上級委報告書送付
SPB
(Sunset Policy Bulletin)を AD
12/17 パネル・上級委報告書採択
協定第 11.3 条違反と認めたが、上級
2006/ 3/ 6 パネル設置要請
(履行確認)
委は
「パネルは“客観的評価”を行っ
3/20 パネル設置
(履行確認)
ていない」とし、その認定を破棄し
11/30 パネル報告書配布
(履行確認)
た。また、本件ではパネル及び上級
2007/ 1/12 米国による上級委申立て
(履行確 委 が、waiver に つ い て 定 め た 米 国
認)
1930 年関税法及び商務省
(DOC)規則
268. 米 国 の ア ル ゼ ン
1/24 アルゼンチンによる上級委申立 (輸出企業がサンセット・レビュー
チン産油井管(OCTG)
て
(履行確認)
参加権を放棄した場合、商務省はダ
に対するアンチダン
4/12 上級委報告書配布
(履行確認)
ンピングの存続又は再発の可能性を
ピング措置へのサン
5/11 上級委報告書採択
(履行確認)
認める決定をしなければならないと
セット・レビュー
5/21 アルゼンチン対抗措置承認申請 する)を AD 協定第 11.3 条
(一部 6.1、
6/ 1 米国、仲裁を要求
6.2 条)違反とした。更に、アルゼン
6/21 仲裁手続を中断
チン申立てによる DSU 第 21.5 パネル
は、waiver に つ い て 定 め た 商 務 省
(DOC)規 則 を 引 き 続 き AD 協 定 第
11.3 条違反としたほか、DOC による
ダンピング再発可能性の決定につい
ても十分な事実関係に基づいておら
ず、同じく 11.3 条に反するとした。
また、申立て人の意見書の守秘に関
する DOC の措置は協定第 6.5.1 条に
反すると判断された。
第
ブラジル
【アルゼンチン、
豪州、ベナン、カ
ナダ、チャド、中
国、 台 湾、EU、
イ ン ド、 ニ ュ ー
ジーランド、パキ
スタン、パラグア
イ、ベネズエラ、
日本、タイ】
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
(DS269〜DS276)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
ブラジル
(269) 2002/10/11 協議要請
(
「DS286」
2003/3/25) 「加塩肉」として譲許した冷凍骨なし GATT
【中国、タイ、米国】2003/ 9/19 パネル設置要請
(
「DS286」
10/27) 鶏肉
(加塩)の関税分類を
「冷凍肉」に
タイ
(286)
11/ 7 パネル設置
(
「DS286」
11/21。この 変更する EU 規則は、GATT 第 2 条、
【ブラジル、中国、
後パネル合併)
28 条に違反し、GATT 第 23.1 条の無
米国】
2005/ 5/30 パネル報告書配布
効化又は侵害を生じさせるとのブラ
6/13 EU 上級委申立て
ジル及びタイの主張について、パネ
9/12 上級委報告書配布
ルは文言の
「通常の意味」や
「文脈」か
9/27 パネル・上級委報告書採択
ら解釈して、EU は加塩された冷凍骨
2006/ 7/14 タイ・EU、シークエンス合意
なし鶏肉を
「加塩肉」として譲許して
269.(286). EU の冷凍
(DS286)
いると判断した上で、EU の関税分類
骨なし鶏肉の関税分類
7/26 ブラジル・EU、シークエンス合 の変更により従価税で譲許された
「加
意
(DS269)
塩肉」
に従量税が課されていることに
ついて、直ちに協定違反となるもの
ではないが、従価換算の結果、実際
の税率は譲許税率を上回っていると
して、EU の措置は GATT 第 2 条
(a)
(b)
(譲許表に基づく関税賦課)
に違反
すると判断した。上級委員会はパネ
ルの判断をおおむね支持した。
フィリピン
2002/10/18 協議要請
豪州の輸入果物及び野菜に対する措 GATT
【チリ、中国、EU、2003/ 7/ 7 パネル設置要請
置 は GATT 第 6 条、8 条、SPS 協 定
SPS
270. 豪州の輸入果物及
エクアドル、イン 8/29 パネル設置
( 第 2、3、4、5、6、10 条 )
、 輸 入 ラ ライセンス
び野菜に対する措置
ド、タイ、米国】
イセンス協定第 1 条、3 条に違反する
としてフィリピンが申立て。
フィリピン
2002/10/18 協議要請
豪州の輸入パイナップルに対する措 GATT
271. 豪 州 の 輸 入 パ イ【EU、タイ】
置 GATT 第 6 条、8 条、SPS 協定
(第
SPS
ナップルに対する措置
2、3、4、5、6、10 条)に違反すると
してフィリピンが申立て。
アルゼンチン
2002/10/21 協議要請
ペルーのアルゼンチン産野菜油に対
AD
272. ペ ル ー の ア ル ゼ
する AD 暫定措置等は、AD 協定
(第 GATT
ンチン産野菜油に対
2.2、2.4、3.1、3.2、3.4、3.5、4.1、
するアンチダンピン
5 . 2、5 . 3、5 . 8、6 . 8、7、1 2 . 2 条 )
、
グ暫定措置
GATT 第 6 条に違反するとしてアル
ゼンチンが申立て。
EU
2002/10/21 協議要請
韓国の商用船造船に対する補助金は、 補助金
【 中 国、台湾、日 2003/ 6/12 パネル設置要請
補助金協定第 3.1
(a)
、3.2、5
(c)
、6.3
本、メキシコ、ノ 7/21 パネル設置
(c)条等に違反するとの申立てに対
273. 韓 国 の 商 用 船 貿
ルウェー、米国】 2005/ 3/ 7 パネル報告書配布
して、パネルは、韓国の補助金が 3.1
易に関する措置
2005/ 4/11 パネル報告書採択
条
(a)の禁止補助金であることを認
め、廃止を勧告した。EU の著しい
害の主張は退けた。
台湾
2002/11/1 協議要請
米国の鉄鋼製品に対するセーフガー
SG
【日本】
ド措置は、国内産業への重大な損害 GATT
274. 米 国 の 鉄 鋼 製 品
等のセーフガード措置発動条件が欠
に対するセーフガー
如している等、セーフガード協定第
ド措置
2.1 条、2.2 条、3.1 条、4.1 条、4.2 条、
5.1 条、GATT 第 1.1 条、19.1 条 に 違
反するとして台湾が申立て。
米国
2002/11/7 協議要請
ベネズエラの農産品
(とうもろこし、
農業
【アルゼンチン、
乳製品等)に対する輸入ライセンス GATT
275. ベ ネ ズ エ ラ の 農 カ ナ ダ、 チ リ、
措置は、農業協定
(第 4.2 条)
、GATT ライセンス
産 品 に 対 す る 輸 入 ラ EU、 ニ ュ ー ジ ー
( 第 3、10、11、13 条 )
、TRIM 協 定 TRIM
イセンス措置
ランド】
(第 2.1 条)
、輸入ライセンス協定
(第
1.4、3.2、3.5、5.1、5.2、5.3 条 )に 違
反するとして米国が申立て。
米国
2002/12/17 協議要請
カナダ政府及びカナダ小麦委員会の GATT
【 豪 州、チリ、中 2003/ 3/ 6 パネル設置要請
小麦の輸出に関する措置
(小麦委員 TRIM
国、 台 湾、EU、 3/31 パネル設置
会への売買、価格設定、支払保証等
日本、メキシコ】 2004/ 4/ 6 パネル報告書配布
に係る特権の付与等)は GATT 第 17
6/ 1 上級委申立て
条に違反し、輸入穀物の保管・運搬
8/30 上級委報告書配布
に係る差別的取扱は GATT 第 3 条、
9/27 パネル・上級委報告書採択
TRIM 協定第 2 条に違反するとの米
276. カ ナ ダ の 小 麦 の
2005/ 8/31 カナダ、2005/8/1 より改正国内 国の主張について、パネルは、カナ
輸出に関する措置及
法が発効したことを発表
ダの小麦輸出関連制度の GATT 第 17
び輸入穀物の取扱
条
(国家貿易企業の協定遵守)違反に
ついて米国はこれを立証しなかった
とする一方で、カナダの輸入穀物へ
の差別的取り扱いは GATT 第 3.4 条
(内国民待遇)
に違反すると判断した。
上級委員会はパネルの判断を全面的
に支持した。
880
(DS277〜DS281)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
アルゼンチン
EU
【米国】
関連協定
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
パネル設置要請
(履行確認)
パネル設置
(履行確認)
パネル報告書配布
(履行確認)
カナダによる上級委申立て
(履行
確認)
4/13 上級委報告書配布
(履行確認)
5/ 9 パネル・上級委報告書採択
(履行
確認)
10/12 二国間合意通報
2002/12/20
2002/12/23
279. イ ン ド の 2002 年
~2007 年 の 輸 出 入 政
策の下での輸入制限
メキシコ
2003/ 1/21
280. 米 国 の メ キ シ コ
【カナダ、中国、 8/ 4
産鉄鋼製品に対する
台湾、EU】
8/29
相殺関税賦課
メキシコ
2003/ 1/31
【カナダ、中国、 7/29
台湾、EU、日本】
8/29
281. 米国のメキシコ産
2006/ 1/16
セメントに対するアン
2007/ 1/14
チダンピング措置
5/16
カナダ産軟材に対する ITC
(国際貿易
AD
委 員 会 )の 調 査
( 損 害 認 定 等 )は、 GATT
GATT、AD 協定、補助金協定に違 補助金
反するとの申立てに対し、パネルは、
損 害 の 因 果 関 係 の 認 定 に お い て、
ITC が検討した要因からは
「輸入が相
当程度増加している」とし、それに
基づいて損害のおそれを肯定したこ
と は AD 協 定 第 3.5、3.7 条、 補 助 金
協定第 15.5、15.7 条違反であると認
めた。
カナダの申立てにより設置された
DSU 第 21.5 条パネルは、米国による
履行措置は補助金協定等に整合的で
あり、米国は DSB 勧告を履行したと
判断した。しかし、同上級委は、損
害のおそれに係るITC決定について、
パネルの検討方法は不適切であった
としてパネル判断を破棄したが、米
国の履行措置の適法性及び履行の成
立・不成立については、パネルによ
る事実関係の審理が不十分として判
断を行わなかった。
協議要請
チリの輸入果糖に対するセーフガー
SG
ド 措 置 は、SG 協 定
(2.1、3.1、3.2、 GATT
4.1、4.2、5.1、7.1、7.5 条 )
、GATT
第 19.1 条に違反するとしてアルゼン
チンが申立て。
協議要請
インドの 2002 年~2007 年の輸出入政 GATT
策の下での輸入制限は、GATT
(第 3、 農業
10、11 条)
、農業協定第 4.2 条、輸入 ライセンス
ライセンス協定
( 第 1、2、3 条 )
、
SPS
SPS 協 定
( 第 2、3、5、7、8 条 )
、
TBT
TBT 協定第 2 条に違反し、GATT 第
20、21 条によって正当化されないと
して EU が申立て。
協議要請
米国のメキシコ産鉄鋼製品に対する 補助金
パネル設置要請
相殺関税賦課は、補助金協定第 10、
パネル設置
14、19、21 条に違反するとしてメキ
シコが申立て。
協議要請
米国のメキシコ産セメントに対する
AD
パネル設置要請
AD 措置は、AD 協定
(第1、2、3、4、 GATT
パネル設置
6、8、9、10、11、12、18 条)
、GATT WTO 設立
メキシコの要請によりパネル停止 ( 第 3、6、10 条 )
、WTO 設 立 協 定 第
パネル設置根拠喪失
16.4 条に違反するとしてメキシコが申
二国間合意通報
立て。
2009 年 2 月 1 日 付 け で AD 措 置 を 取
り消すことを合意。
881
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
278. チ リ の 輸 入 果 糖
に対するセーフガー
ド措置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
カナダ
2002/12/20
【 中 国、EU、 日 2003/ 4/ 3
本、韓国】
5/ 7
2004/ 3/22
4/26
2005/ 2/14
2/25
11/15
2006/ 1/13
277. 米 国 の カ ナ ダ 産
軟 材 に 対 す る ITC の
調査
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS282〜DS289)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
メキシコ
2003/ 2/18
【アルゼンチン、 7/29
カナダ、中国、台 8/29
湾、EU、 日 本、 2005/ 6/20
ベネズエラ、タイ】
8/ 4
8/16
11/ 2
11/28
2006/ 8/21
2007/ 4/12
4/24
7/ 5
282. 米 国 の メ キ シ コ
2008/ 7/ 6
産油井管に対するア
ンチダンピング措置
283. EU の砂糖への輸 タイ
出補助金
ニカラグア
284. メ キ シ コ の ニ カ
ラグア産キングサリ
(black beans)に 対 す
る輸入禁止措置
4/ 7
4/20
2006/ 6/ 8
7/ 6
7/19
2007/ 3/30
5/22
6/21
7/23
7/24
12/21
286. EU の冷凍骨なし タイ
鶏肉の関税分類
EU
2003/ 4/ 3
287. 豪 州 の 輸 入 品 へ【カナダ、チリ、中 8/29
の検疫制度
国、インド、フィリ 11/ 7
ピン、タイ、米国】 2007/ 3/19
トルコ
2003/ 4/ 9
288. 南 ア フ リ カ の ト
ルコ産毛布類へのア
ンチダンピング措置
882
ポーランド
米 国 の メキシコ産 油 井 管 に 対 す る
AD
AD 措置は、AD 協定
(第 1、2、3、4、 GATT
6、11、18 条)
、GATT
(第 6、10 条)
、 WTO 設立
WTO 設立協定第 16.4 条に違反する
とのメキシコの主張について、パネ
ルはサンセットレビュー
(AD 税の見
直し手続)に係る米国商務省のサン
セット・ポリシー・ブルテン
(SPB:
サンセットレビューに関する運用規
則)
が DOC の判断にとって
「決定的又
は結論づけるもの」
であるとして、当
該 SPB の 内 容 に つ い て AD 協 定 第
11.3 条
(AD 税及び価格約束に係る起
案及び見直し)
違反を認定したが、も
う 1 つの主要論点であった、米国貿
易委員会
(ITC)によるサンセット・
レビューにおける損害継続・再発の
「蓋然性」判断については、AD 協定
(第 3、11 条)には違反しないと判断
した。これら判断について両当事国
は上級委への申立てを行ったが、上
級委員会は SPB そのものの違法性に
ついてパネルの判断は客観性を欠い
ていたとしてこれを破棄する一方、
ITC による損害継続・再発の
「蓋然
性」
判断については、協定に違反しな
いとしたパネルの判断を支持した。
(DS265 と合併)
289. チ ェ コ の ポ ー ラ
ンド産輸入豚肉への
追加関税
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
メキシコ上級委申立て
米国上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
協議要請
(履行確認)
パネル設置要請
(履行確認)
パネル設置
(履行確認)
メキシコの要請によりパネル停止
パネル設置根拠喪失
関連協定
2003/ 3/17 協議要請
2004/ 3/ 8 ニカラグア協議取り下げ
ア ン テ ィ グ ア・ 2003/ 3/13
バ ー ブ ー ダ【 日 6/12
本、EU、カナダ、
7/21
メキシコ、台湾、 2004/11/10
中国】
2005/ 1/ 7
1/19
285. 米 国 の 賭 博 サ ー
ビスの越境移動に関
する措置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
メ キ シ コ の 輸 入 禁 止 措 置 は GATT GATT
( 第 1.1、10.1、10.3
(a)
、11.1、13.1 ライセンス
条)
、ライセンス協定
(第 1.2、1.3、
SPS
1.4
(a)
、2.2
(a)
条)
、SPS 協定
(第 2.1、
2.2、2.3、5.1、7 条等)に違反すると
してニカラグアが申立て。
協議要請
米国のインターネット賭博の越境取 GATS
パネル設置要請
引を禁じる措置は GATS
(第 2、6、8、
パネル設置
11、16、17 条)に違反するとして提
パネル報告書配布
訴。上級委は、米の当該措置は、米
米国、上級委申立て
国が自由化を約束した
「娯楽サービ
アンティグア・バブーダー上級委 ス」の自由化約束違反であるとのパ
申立て
ネル判断を支持。ただし、GATS 第
上級委報告書配布
14 条
(一般例外)に該当するか否かに
パネル・上級委報告書採択
ついては、米国がアンティグアと十
協議要請
(履行確認)
分な協議をしていないことを理由に、
パネル設置要請
(履行確認)
該当しないと判断していたパネル判
パネル設置
(履行確認)
断を覆し、当該措置が内外無差別に
パネル報告書配布
(履行確認)
運用されることを確保すれば、米国
パネル報告書採択
(履行確認)
のインターネット賭博禁止措置は
アンティグア・バブーダー対抗措 GATS 第 14 条 に 合 致 す る と し た。
置申請
21.5 条パネルでは、米国が本件履行
米国、仲裁を申請
にあたって行った新たな立法措置に
仲裁に付託
よっても履行がなされていないとの
仲裁報告書発出
判断を行った。
(DS269 と合併)
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
二国間合意通報
協議要請
2003/ 4/16 協議要請
豪州の輸入品への検疫措置は SPS 協
定
( 第 2.2、2.3、3.3、4.1、5.1、5.6、
5.7、8 条等)に違反するとして EU が
申立て。
南アフリカのトルコ産毛布へのアン
チダンピング措置は、GATT
(第 3、
10 条)
、アンチダンピング協定
(第 5、
6、9、12 条)に違反するとしてトル
コが申立て。
チェコのポーランド産輸入豚肉への
追加関税は農業協定第 4 条に違反し、
GATT 第 1 条、2 条 の 下 で 享 受 す る
利益を無効化・侵害しているとして
ポーランドが申立て。
SPS
GATT
AD
農業
GATT
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
(DS290〜DS293)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
883
第
290. EU の農産品及び 豪州
食品の商標及び地理
(DS174 と合併)
的表示の保護
米国
(291)
2003/ 5/13 協議要請
(
「DS293」
5/14)
EU の遺伝子組み換え作物の認可及
SPS
カナダ
(292)
8/ 7 パネル設置要請
び販売に関する措置はSPS協定
(第2、 GATT
アルゼンチン
(293)
8/29 パネル設置
(合併)
5、7、8 条等)
、GATT
(第 1、3、10、 TBT
【アルゼンチン、豪 2006/ 9/29 パネル報告書配布
11 条)
、農業協定第 4 条、TBT 協定
州、ブラジル、カ 11/21 パネル報告書採択
(第 2、5 条)に違反するとして米国等
ナダ、チリ、中国、2007/ 6/21 履行期限 2007/11/21 に
が申立て。パネルは、EU による検
台湾、コロンビア、2007/11/21 RPT を 1/11 とすることに合意
疫関連措置は、危険性の評価が不十
エルサルバドル、 2008/ 1/11 RPT を 2/11 とすることに合意
分で科学的根拠を欠いており、SPS
ホンジュラス、メ
(DS292)
協定第 2.2 条、5.1 条、5.7 条、附属書
キ シ コ、 ニ ュ ー RPT を 6/11 とすることに合意
C1
(a)
等に反する旨判断。
ジーランド、ノル
(DS293)
ウェー、パラグア 1/14 シークエンス合意
(DS291)
イ、ペルー、タイ、
1/17 米国、対抗措置申請
(DS291)
ウルグアイ】
2/ 6 EU、仲裁を要請
2/ 8 仲裁に委ねることに合意
(DS291)
2/11 RPT を 6/30 まで延長することに
合意
(DS292)
2/15 米国・EU、仲裁停止を要請
6/11 RPT を 8/12 まで延長することに
291. EU の遺伝子組み
合意
(DS293)
換え作物の認可及び
6/23 RPT を 7/31 まで延長することに
販売に関する措置
合意
(DS292)
7/29 RPT を 12/31 まで延長することに
合意
(DS292)
8/12 RPT を 12/1 まで延長することに
合意
(DS293)
12/ 1 RPT を 2009/3/1 まで延長するこ
とに合意
(DS293)
12/16 RPT を 2009/3/1 まで延長するこ
とに合意
(DS292)
2009/ 2/26 RPT を 6/30 まで延長することに
合意
(DS293)
6/30 RPT を 12/31 まで延長することに
合意
(DS293)
7/15 カナダ・EU、二国間で解決合意
2010/ 1/29 RPT を 2/26 まで延長することに
合意
(DS293)
2/26 RPT を 3/31 まで延長することに
合意
(DS293)
3/19 アルゼンチン・EU、二国間で解
決合意
292. EU の遺伝子組み カナダ
換え作物の認可及び
w
販売に関する措置
293. EU の遺伝子組み アルゼンチン
換え作物の認可及び
(DS291 と合併)
販売に関する措置
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
EU
【アルゼンチン、
ブラジル、中国、
台湾、香港、イン
ド、日本、韓国、
メ キ シ コ、 ノ ル
ウェー、トルコ】
(DS294〜DS296)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
2003/ 6/12 協議要請
米国のダンピング・マージンの算出
AD
2004/ 2/ 5 パネル設置要請
に 係 る 法 律、 規 則 及 び 計 算 方 法 は GATT
3/19 パネル設置
AD 協定、GATT、WTO 設立協定に WTO 設立
2005/10/31 パネル報告書配布
違反するとの申立てに対し、パネル
2006/ 1/17 EU による上訴
は初回調査におけるゼロイングの個
1/30 米国による上訴
別ケースにおける適用及びゼロイン
4/18 上級委員会報告書配布
グ手法そのものを AD 協定第 2.4.2 条
5/ 9 パネル・上級委員会報告書採択 違反とした。一方、同条の射程は当
2007/ 7/ 9 協議要請
(履行確認)
初調査に限られるとして行政見直し
9/13 パネル設置要請
(履行確認)
におけるゼロイングの個別ケースに
9/25 パネル設置
(履行確認)
おける適用及びゼロイング手法その
11/30 パネル構成
(履行確認)
ものは違反とされなかった。これに
2008/12/17 パネル報告書配布
(履行確認)
対して上級委は、初回調査に関する
2009/ 2/17 EC 上訴
(履行確認)
パネルの判断を支持する一方、行政
2/25 米国上訴
(履行確認)
見直しにおけるゼロイングの個別
5/14 上級委員会報告書送付
(履行確認)ケース適用が AD 協定第 9.3 条に反し
294. 米 国 の ダ ン ピ ン
6/11 パネル・上級委員会報告書採択 ないとしたパネルの判断については
グ・ マ ー ジ ン の 算 出
2010/ 1/29 EU、対抗措置承認申請
これを覆した。
に 係 る 法 律、 規 則 及
2/16 米国、仲裁を要請
履行確認パネルは、a)原手続におけ
び計算方法
2/18 仲裁に付託
る DSB 勧告の採択以後に行われた後
9/ 7 仲裁手続停止
継の定期見直しの決定について履行
2011/ 9/ 7 仲裁手続停止延長
確認パネルの審理対象となると判断
2012/ 1/6、1/13、2/6 仲裁手続停止延長
したほか、EU の主張の一部を認め、
2012/ 2/ 6 米 EU 間で解決に向けた覚書に合 b)履行期間経過後にゼロイングを用
意
いて行われた定期見直しの決定、c)
履行期間経過後にのゼロイングを用
いて算定された預託率の適用につい
て協定違反を認定したが、d)履行期
間経過以前にゼロイングを用いて行
われた定期見直しの決定については
協定違反を認定しなかった。これに
対し、上級委員会報告書では、履行
期間経過以前にゼロイングを用いて
行われた定期見直しの決定について
も協定違反が認定された。
米国
2003/ 6/16 協議要請
本件 AD 措置及びそれに関する法制
AD
【中国、EU、トルコ】
9/19 パネル設置要請
は、AD 協定に違反するとの申立て
11/ 7 パネル設置
に対し、パネルは、損害認定に際し
2005/ 6/ 6 パネル報告書配布
て
「実質的な証拠」に基づく
「客観的
7/20 メキシコ上級委申立て
な検討」を行わなかったこと、ダン
11/29 上級委報告書配布
ピングマージンが僅少の輸出者の調
12/20 パネル・上級委報告書採択
査を終了しなかったこと、提訴状に
記載されていない輸出者に十分な情
295. メ キ シ コ の 牛 肉
報提出の機会を付与することなく
及びコメに対するア
オールアザーズレートを適用したこ
ンチダンピング措置
と、ファクツ・アベイラブル使用の
際に、マージンが最高になる証拠の
採用を当然に求める国内法の規定、
企業の回答期限を短く設定した国内
法の規定等につき、AD 協定第 3.1、
3.2、3.4、3.5、5.8、6.8 条違反である
ことを認めた。また上級委は、パネ
ルの判断を概ね支持した。
韓国
2003/ 6/30 協議要請
米国の韓国産 DRAM に対する相殺関 補助金
【中国、台湾、EU、
11/19 パネル設置要請
税調査は、GATT 第 6.3 条、10.3 条、
日本】
2004/ 1/23 パネル設置
補助金協定第 1、2、10、11、12、14、
2005/ 2/21 パネル報告書配布
15、19、22、32 条に違反するとの申
3/29 米国上級委申立て
立てに対して、パネルは、韓国政府
6/27 上級委報告書配布
による指示委託は政府機関を除き立
7/20 パネル・上級委報告書採択
証されていなと認定し、需要の減退
296. 米 国 の 韓 国 産
の因果関係に関するノンアトリ
DRAMS に対する相殺
ビューション
(15.5 条)について補助
関税調査
金協定違反とした。上級委は、パネ
ルの証拠の認定方法等に誤りがある
として、米国の指示委託の認定は 1.1
(a)
(1)
( ⅳ)条に違反としたパネルの
判断を取り消した。ただし、米国の
当該措置が WTO 協定整合的か否か
の判断には立ち入っていない。
884
(DS297〜DS300)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
297. ク ロ ア チ ア の 野
生動物及び肉製品の
輸入に関する措置
経 過
ハンガリー
2003/ 7/ 9 協議要請
2009/ 1/30 2003 年に二国間合意に至ってい
たことを通報
グアテマラ
2003/ 7/22 協議要請
2005/ 8/29 二国間合意通報
300. ド ミ ニ カ 共 和 国
の紙巻きタバコの輸
入に関する措置
ホンジュラス
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
2003/ 8/28 協議要請
関連協定
クロアチアの野生動物及び肉製品の GATT
輸入に関する措置は GATT
(第 11、20
SPS
条)
、SPS 協定
(第 2.2、2.3、3.1、5.1、
5.2、5.3、5.6、6.1、6.2、7 条 等 )に 違
反するとしてハンガリーが申立て。
メキシコの関税評価等のための価格制 GATT
度はGATT 第1、2、7、10 条、GATT 関税評価
第 7 条の実施に関する協定
(関税評価
農業
協定)
第1、2、3、4、5、6、7、8、12、WTO 設立
13、15、16、22 条、農業協定第 4 条、
WTO 設立協定第16.4 条に違反する。
EU の韓国産 DRAMS に対する相殺 補助金
関税調査は補助金協定第 1、2、10、
12、14、15、19、22、32 条に違反す
るとの申立てに対して、パネルは、
EU が認定した韓国政府による指示
委託の一部
(1.1
(a)
(1)
(ⅳ)条)と利益
認定の一部
(1.1
(b)条、14 条)と損害
決定の一部
(15.4、15.5 条)について
補助金協定違反と判断したものの、
EU の相殺関税措置に関する主張を
相当程度認め、韓国の主張を退けた。
ドミニカ共和国の紙巻きタバコの輸 GATT
入に関する措置は GATT
(第 1.1、2.1
(b)
、3.2、3.4、11.1 条)に違反すると
してホンジュラスが申立て。
885
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
韓国
2003/ 7/25
【中国、台湾、日 11/19
本、米国】
2004/ 1/23
2005/ 6/17
299. EU の 韓 国 産
8/ 3
DRAM チ ッ プ に 対 す
る相殺関税措置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
298. メ キ シ コ の 関 税
評価等のための価格
制度
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS301〜DS308)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
韓国
2003/ 9/ 3
【中国、日本、米国】2004/ 2/ 5
3/19
4/22
2005/ 6/20
301. EU の商用船の貿
易に関する措置
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
ホンジュラス
2003/10/8
【チリ、中国、EU、
12/ 8
エルサルバドル、 2004/ 1/ 9
グアテマラ、ニカ 11/26
302. ドミニカの紙巻き
ラグア、米国】
2005/ 1/24
タバコの輸入及び国内
4/25
販売に関する措置
5/19
2005/ 8/16
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
二国間合意通報
303. エ ク ア ド ル の 繊
維板
(ファイバーボー
ド )の 輸 入 に 関 す る
セーフガード措置
チリ
2003/11/24 協議要請
EU
2003/12/8 協議要請
304. インドの EU から
【トルコ、台湾】
の特定製品に対する
アンチダンピング措
置
米国
305. エ ジ プ ト の 繊 維
【EU】
製品及び衣料品の輸
入に関する措置
306. イ ン ド の バ ン グ
ラディシュ製電池に
対するアンチダンピ
ング措置
2003/12/23 協議要請
2005/ 5/20 二国間合意通報
バングラディシュ 2004/ 1/28 協議要請
2006/ 2/20 二国間合意通報
韓国
2004/ 2/13 協議要請
307. EU の商用船への
援助
米国
2004/ 3/16
【 カ ナダ、中国、 6/10
EU、グアテマラ、
7/ 6
日本】
2005/10/7
12/ 6
2006/ 3/ 6
3/24
2007/ 1/23
308. メ キ シ コ の ソ フ
トドリンク及びその
他の飲料に係る税制
措置
886
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
メキシコ上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
メキシコが違反措置の撤廃
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
韓国の商用船に関する補助金措置
(DS273)に対抗する形で EU が新設
した商用船の貿易に関する補助金措
置は、WTO によらない紛争解決手
段 で あ り、 補 助 金 協 定 第 32.1 条、
GATT 第 1.1、3.4 条、DSU 第 23.1、
23.2 条に違反するとの申立てに対し
て、パネルは、補助金協定と GATT
の違反については認めないとした。
一方、EU の措置は WTO 紛争解決と
同じ種類の是正を求めるものであり
DSU第23.1条に違反すると判断した。
ドミニカの紙巻きタバコの輸入及び
国内販売に関する措置はGATT
(第2、
3、11、15 条 )に 違 反 す る と の ホ ン
ジュラスの主張について、パネルは、
ドミニカによる外国産タバコへの課
徴金賦課が GATT 第 2 条
(譲許表)
に、
納税印紙貼付義務は GATT 第 3.4 条
に、特別消費税の賦課は GATT 第 3.2
条に反するとの判断を行い、上級委
もパネルの判断を支持した。
エクアドルの繊維板の輸入に関する
セーフガード措置はセーフガード協
定
( 第 2、3、4、5、6、7、1 2 条 )
、
GATT 第 19.1
(a)条に違反するとし
てチリが申立て。
インドの EU からの特定製品に対す
るアンチダンピング措置は GATT 第
6.1 条、AD 協定
(第 1、3.1、3.2、3.5、
6.6、6.8、6.9、12.2 条)に違反すると
して EU が申立て。
エジプトの繊維製品及び衣料品の輸
入に関する措置は GATT 第 2 条及び
繊維協定第 7 条に違反するとして米
国が申立て。
インドのバングラディシュ製電池に
対するアンチダンピング措置は
GATT 第 1.1、2.1、6.1、6.2、6.6 条、
アンチダンピング協定第 2.1、2.2、
3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.7、5.4、
5.8、6.2、6.4、6.5、6.8、6.9、12.2 条
に違反するとしてバングラディシュ
が申立て。
EU の商用船への補助金は、補助金
協 定 第 1、2、3.1
(a)
、
(b)
、5
(a)
、
(b)
、
(c)
、6 . 3
(a)
、
(b)
、
(c)
、6 . 4、
6.5 条に違反するとして韓国が申立
て。
メキシコにおけるさとうきびによる
砂糖を使用した以外の飲料及び関連
するサービスへの課税及び同サービ
スに係る簿記や報告の義務づけは
GATT 第 3.2、3.4 条に違反するとの
米 国 の 主 張 に つ い て、 パ ネ ル は
GATT 第 3.2、3.4 条
(内国民待遇)の
違反を認定するとともに、当該税制
措 置 が GATT 第 20 条
(d)
(法令遵守
を目的とした措置の適用除外)によ
り正当化されるとのメキシコの主張
を退ける判断を行った。上級委は、
GATT 第 20 条
(d)はメキシコが主張
するような
「他の国際協定
(この場合
は NAFTA)を他国に遵守させるた
めの措置」までも正当化するもので
はない、としてメキシコの主張を退
けるとともに、他の論点についても
概ねパネルの判断を支持した。
関連協定
補助金
GATT
GATT
SG
GATT
AD
GATT
GATT
AD
GATT
補助金
GATT
(DS309〜DS315)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
米国
2004/ 5/18 協議要請
【EU、日本、メキ 2005/10/5 二国間合意通報
309. 中 国 の 半 導 体 回 シコ】
路に係る増値税
カナダ
2004/ 4/14 協議要請
2006/10/12 二国間合意通報
311. 米 国 の カ ナ ダ 産
軟材に対する相殺関
税措置見直し
インドネシア
2004/ 6/ 4
【カナダ、中国、 8/16
EU、日本、米国、
9/27
台湾】
2005/10/28
11/28
2006/10/26
12/22
312. 韓 国 の イ ン ド ネ
2007/ 1/23
シア製紙に対するア
9/28
ン チ・ ダ ン ピ ン グ 関
10/22
税
313. EU のインド製鉄
鋼製品に対するアン
チ・ダンピング関税
314. メキシコの EU 産
オリーブオイルに対
する暫定的相殺関税
措置
インド
2004/ 7/ 5 協議要請
10/22 二国間合意通報
EU
2004/ 8/18 協議要請
米国
【アルゼンチン、
豪州、ブラジル、
中 国、 台 湾、 香
港、 イ ン ド、 日
本、韓国】
315. EU の通関措置
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
協議要請
(履行確認)
パネル設置要求
(履行確認)
パネル設置
(履行確認)
パネル報告書配布
(履行確認)
パネル報告書採択
(履行確認)
2004/ 9/21
2005/ 1/13
3/21
2006/ 6/16
8/14
11/13
12/11
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
米国上級委申立て
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
中国国内で生産・販売された半導体
の生産者に対する増値税の還付は半
導体輸入品については実施されてお
らず GATT 第 1、3.2 条及び GATS 第
17 条に違反するとして米国が申立
て。
カナダ産小麦に対する米国 ITC のダ
ンピング決定は GATT 第 6.5
(a)条、
AD 協 定 第 1、3.1、3.2、3.4、3.5、
18.1 条及び補助金協定第 10、15.1、
15.2、15.4、15.5、19.1、32.1 条 に 違
反するとしてカナダが申立て。
カナダ産軟材に対する米国の相殺関
税 措 置 見 直 し は 補 助 金 協 定 第 10、
19.1、19.3、19.4、21.1、21.2、21.4、
32.1 条 及 び GATT 第 6.3 条 に 違 反 す
るとしてカナダが申立て。
インドネシア産の紙に対する韓国の
AD 調査は、調査開始要件の不備、
損害認定、ファクツ・アベイラブル
(FA)
の利用等が AD 協定及び GATT
に違反するとの申立てに対し、パネ
ルは、FA における
「二次的情報源か
らの情報」に基づいて判断を行う場
合の AD 協定第 6.8 条及び附属書Ⅱ .7
違反、損害認定に関する 3.4 条違反、
機密情報の取り扱いに対する AD 協
定第 6.5 条違反等を認めた。他方、韓
国当局による collapsing
( 複数の輸出
者を同一の主体とみなすこと)の適
用については、パネルは AD 協定に
整合的と判断した。21.5 条パネルは、
履行手続における韓国当局の再決定
の AD 協定第 6.8 条及び附属書Ⅱ .7 違
反等を認定した。
インド製鉄鋼製品に対する EU の AD
税の差別的賦課は AD 協定第 3.4、3.5、
4.1、9.2 条に違反としてインドが申
立て。
EU 産オリーブオイルに対するメキ
シコの暫定的相殺関税措置は補助金
協定第 10、11、15、16、17 条及び農
業協定の 13、21.1 条に違反するとし
て EU が申立て。
EU による産品の関税上の分類又は
評価に関する措置及び輸入の要件、
制限又は禁止の実施方法が GATT 第
10.3 条
(a)の 規 定 す る
「一律の実施
(uniform administration)
」の義務に
従っていないとして、米国が申立て。
パネルは米国の申立てのうち 3 件に
ついては EU による関税分類及び関
税評価が GATT 第 10.3 条
(a)に違反
するとしたが、5 件については違反
がなく、また 11 件については米国が
EU の措置の違法性を十分証明して
い な い と し た。 上 級 委 は、 米 国 は
EU の
「関税措置全体について」法的
な判断を求めることはできない、と
したパネルの判断を覆したが、事実
関係が十分に審理されていないとし
て、通関制度そのものに関する実体
的判断は行わなず、デジタル・ビデ
オ・インターフェース付き LCD モニ
ターの関税分類に関する共通関税の
実施についてのみ、10.3 条
(a)違反を
認め、それ以外の EU の個別措置に
ついては、米国の申立てを退ける判
断を行った。
関連協定
GATT
GATS
AD
補助金
AD
GATT
AD
補助金
GATT
887
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
2004/ 4/ 8 協議要請
6/10 パネル設置要請
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
カナダ
310. 米 国 の カ ナ ダ 産
小 麦 に 対 す る ITC の
ダンピング決定
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
米国
2004/10/6
【豪州、ブラジル、2005/ 5/31
カナダ、中国、日 7/20
本、韓国】
2010/ 6/30
316. EU の大型民間航
7/21
空機の取引に関連す
2011/ 5/11
る措置
6/ 1
12/ 9
12/22
2012/ 1/20
3/30
EU
2004/10/6
317. 米 国 の 大 型 民 間【豪州、ブラジル、2005/ 5/31
航 空 機 の 取 引 に 関 連 カナダ、中国、日 7/20
する措置
本、韓国】
(DS316〜DS321)
経 過
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
EU による上訴
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
対抗措置承認申請
EU、仲裁を要求
仲裁手続を中断
パネル設置要請
(履行確認)
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
EU による民間大型航空機企業への
補助金供給は補助金協定第 3.1
(a)
、
3 . 2、5
(a)
、5
(c)
、6 . 3
(a)
、6 . 3
(b)
、
6.3
(c)
、6.4 条及び GATT 第 16.1 条に
違反するとして米国が申立て。上級
委 は、 約 180 億 ド ル の EU 補 助 金 に
ついて撤廃か米国への悪影響除去を
勧告
(輸出補助金として即時撤廃を
求める補助金はなし)
。
米国による民間大型航空機企業への
補助金供給は補助金協定第 3.1
(a)
、
(b)
、3.2、5
(a)
、
(c)
、6.3
(a)
、
(b)
、
(c)条及び GATT 第 3.4 条に違反する
として EU が申立て。
台湾
2004/10/28 協議要請
台湾製製品に係るインドの AD 措置
318. イ ン ド の 台 湾 製
は GATT6.1、6.2 条及び AD 協定第 1、
製 品 に 係 る ア ン チ・
2、3.1、3.2、3.4、3.3、3.5、3.7、3.8、
ダンピング措置
4、5、6、7.4、12.1、12.2 条に違反と
して台湾が申立て。
EU
2004/11/5 協議要請
米国の 1930 年関税法 776 条に基づく
319. 米 国 の 1930 年 関【米国】
ダンピング決定は AD 協定第 1、6、
税法 776 条
18.4 条 及 び GATT 第 6.1、6.2 に 違 反
するとして EU が申立て。
EU
2004/11/8 協議要請
米国によるホルモン・ケースに係る
【豪州、ブラジル、2005/ 1/13 パネル設置要請
WTO 上の義務停止及び EU 製品に対
中国、台湾、イン 2/17 パネル設置
する報復関税賦課の継続は GATT 第
ド、 メ キ シ コ、 2008/ 3/31 パネル報告書配布
1、2 条及び DSU 23.1、23.2
(a)
、23.2
ニュージーラン 5/29 EU による上訴
(c)
、22.8、21.5 に 違 反 す る と し て
ド、ノルウェー、 6/10 米国による上訴
EU が申立て。
320. 米 国 の ホ ル モ ン カナダ】
10/16 上級委員会報告書配布
上級委は、米国、カナダ及び EC に
牛肉紛争に係る対抗
11/14 パネル・上級委員会報告書採択 対し、EC が SPS 協定違反である旨
措置の継続
の判示にしたがい非整合の措置を改
めたか、また、米加が WTO 上の義
務の停止を継続していることが正当
化されるか否かについての米、加、
EC 間の相違を解決するため、早急
に履行パネルを開始する旨 DSB が当
事者に求めるよう勧告。
EU
2004/11/8 協議要請
カナダによるホルモン・ケースに係
【豪州、ブラジル、2005/ 1/13 パネル設置要請
る WTO 上 の 義 務 停 止 及 び EU 製 品
中国、台湾、イン 2/17 パネル設置
に対する報復関税賦課の継続は
ド、 メ キ シ コ、 2008/ 3/31 パネル報告書配布
GATT 第 1、2 条 及 び DSU 23.1、
ニュージーラン 5/29 EU による上訴
23.2
(a)
、23.2
(c)
、22.8、21.5 に 違 反
ド、ノルウェー、 6/10 米国による上訴
するとして EU が申立て。
321. カ ナ ダ の ホ ル モ 米国】
10/16 上級委員会報告書配布
上級委は、米国、カナダ及び EC に
ン牛肉紛争に係る義
11/14 パネル・上級委員会報告書採択 対し、EC が SPS 協定違反である旨
務の継続的な延長
の判示にしたがい非整合の措置を改
めたか、また、米加が WTO 上の義
務の停止を継続していることが正当
化されるか否かについての米、加、
EC 間の相違を解決するため、早急
に履行パネルを開始する旨 DSB が当
事者に求めるよう勧告。
888
関連協定
補助金
補助金
AD
GATT
AD
GATT
DSU
GATT
DSU
GATT
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
(DS322〜DS328)
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
日本
2004/11/24
【中国、EU、香港、2005/ 2/ 4
ノルウェー、台湾 2/28
(履行パネル)
】 2006/ 9/20
10/11
2007/ 1/ 9
1/23
2008/ 1/10
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
889
第
協議要請
米国の行政見直し等におけるゼロイ
AD
パネル設置要請
ング
(ダンピング・マージンを集計 GATT
パネル設置
する際、国内価格を上回る価格で輸
パネル報告書配布
出された製品の価格データを無視す
日本による上訴
る 手 法 )は GATT 第 6.1、6.2 条 及 び
上級委員会報告書配布
AD 協定第 1、2.1、2.4、2.4.2、3、5.8、
パネル・上級委員会報告書採択 6.1、6.2、9、11、18.3、18.4 等に違反
対抗措置承認申請
(日米間の合意 するとして日本が申立て。パネルは、
により仲裁手続を中断)
米国のアンチ・ダンピング手続のう
1/18 米国、仲裁を要請
ち、
(1)初回調査において、国内価
1/21 仲裁に付託
格及び輸出価格の加重平均を用いて
4/ 8 パネル設置要請
(履行確認)
ダンピング率を算出する際にゼロイ
4/18 パネル設置
(履行確認)
ングを用いることは WTO 協定違反
5/28 パネル構成
(履行確認)
である、と判断しつつも、
(2)その
6/ 9 日米両国の合意に基づき仲裁手 他の手続
(定期見直し等)におけるゼ
続停止
ロイングは WTO 協定違反ではない、
322. 米 国 の ゼ ロ イ ン
2009/ 4/24 パネル報告書配布
(履行確認)
との判断を行った。これに対して上
グ 及 び サ ン セ ッ ト・
5/20 米国による上訴
級委は、日本の主張を全面的に受け
レビューに係る措置
8/18 上級委員会報告書配布
(履行確認)入れ、個別措置を含めて、アンチ・
8/31 パネル・上級委員会報告書採択 ダンピング手続のほとんどにおいて、
2010/ 4/23 日本、仲裁手続の再開要請
ゼロイングを使用することは WTO
12/15 日米両国の合意に基づき仲裁手 協定に違反すると認定し、この点に
続停止
関するパネルの結論を覆した。
2011/ 9/12、11/7、11/30、2012/1/12、2/1
履行確認パネルの報告書では、ゼロ
仲裁手続停止延長
イング手法そのもの
(as such)
、及
2012/ 2/ 6 日米間で解決に向けた覚書に合 び、ゼロイングの個別ケースにおけ
意
る適用
(as applied)について、是正
がなされておらず、米国は WTO 勧
告を履行する義務を果たしていない
と認定された。上級委員会も、パネ
ル報告を全面的に支持する報告書を
発出し、米国が WTO 勧告を履行す
る義務を果たしていないことが確定
した。
韓国
2004/12/1 協議要請
日本における韓国産の乾燥・味付け GATT
【中国、EU、ニュー 2005/ 2/ 4 パネル設置要請
海苔の輸入割当制度は GATT 第 11、 ライセンス
ジーランド、米国】
3/21 パネル設置
10.3 条及び農業協定 4.2 条及びライセ
323. 日 本 の 海 苔 の 輸
2006/ 1/23 二国間合意通報
ンス協定第 1.2、1.6 条に違反すると
入割当制度
2/ 1 パネル報告書
(案件の経緯のみ記 して韓国が申立て
(韓国産海苔への
載)
配布
輸入割当を増やすとの合意により妥
結)
。
タイ
2004/12/9 協議要請
ゼロイング等の手法により決定され
AD
324. 米 国 の タ イ 産 の
【日本、ブラジル、
たタイ産のエビに対する米国の暫定 GATT
エビに対する暫定的
EU、 中 国、 イ ン
的 AD 措 置 は、AD 協 定 第 1、2.4、
ア ン チ・ ダ ン ピ ン グ
ド、エクアドル】
2.4.2、6.8、6.13、7.1 条及び GATT 第
措置
6 条に違反するとしてタイが申立て。
メキシコ
2005/ 1/ 5 協議要請
メキシコ製ステンレス鋼に対する米
AD
325. メ キ シ コ 製 ス テ
【日、EU】
国の AD 決定は AD 協定第 1、2、5、 GATT
ンレス鋼に対する米
9、11、18.4 条及び GATT 第 6.1、6.2、
国 の ア ン チ・ ダ ン ピ
10.3 条
(a)に違反するとしてメキシコ
ング決定
が申立て。
チリ
2005/ 2/ 8 協議要請
チ リ 産 の サ ー モ ン に 対 す る EU の GATT
326. EU のチリ産サー
5/12 チリ協議取り下げ
セーフガード措置は、セーフガード
モンに対するセーフ
協定第 2、4、5 条及び GATT 第 19 条
ガード措置
に違反するとしてチリが申立て。
パキスタン
2005/ 2/21 協議要請
パキスタン製マッチへのエジプトの
AD
327. エ ジ プ ト の パ キ
【日本、米国、EC、 6/ 9 パネル設置要請
アンチ・ダンピング課税に係る手続 GATT
スタン製マッチに対
中国】
7/20 パネル設置
やダンピング決定手法は、AD 協定
す る ア ン チ・ ダ ン ピ
2006/ 3/27 二国間合意通報
及び GATT の関連規定に違反すると
ング課税
してパキスタンが申立て。
ノルウェー
2005/ 3/ 1 協議要請
EU に よ る 外 国 産 サ ー モ ン に 係 る
SG
【チリ】
セーフガード措置
(関税割当や最低 GATT
328. EU のサーモン対
価格制度等)の最終決定は、SG 協定
するセーフガード措
第 2、3、4、5、7、11 条 及 び GATT
置最終決定
第 19 条に違反するとしてノルウェー
が申立て。
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
メキシコ
(DS329〜DS335)
経 過
関連協定
パナマによるミルクの加工製品に係 GATT
る関税分類の変更
(従来の
「加工ミル
農業
ク製品」を
「粉ミルク」と
「その他」に
再分類し、
「その他」について関税率
329. パ ナ マ の 乳 製 品
を引上げ)は、GATT 第 1、2、28 条
に関する関税分類
及び農業協定第 4 条に違反するとと
もに、メキシコの協定上の利益を無
効化・侵害しているとしてメキシコ
が申立て。
EU
2005/ 4/29 協議要請
アルゼンチンの輸入オリーブオイル、 補助金
小麦グルテン及び桃缶詰に対する相 GATT
330. ア ル ゼ ン チ ン の
殺関税は、その決定にあたって、補
オ リ ー ブ オ イ ル、 小
助金の存在や国内産業における
「実
麦グルテン及び桃缶
質的な損害」
の認定等に問題があり、
詰に対する相殺関税
GATT 第 6.3 条及び補助金協定第 1、
10、11、12、14、19、21 に違反する
として EU が申立て。
グアテマラ
2005/ 6/17 協議要請
メキシコによるグアテマラ製鋼管へ
AD
【中国、EU、ホン 2006/ 2/ 6 パネル設置要請
の AD 税の調査及び賦課は、GATT GATT
331. メ キ シ コ の グ ア ジュラス、日本、 3/17 パネル設置
第 6 条及び AD 協定第 1、2、3、4、5、
テ マ ラ 製 鋼 管 へ の ア 米国】
2007/ 6/ 8 パネル報告書加盟国配布
6、9、12、18 条及び附属書Ⅱに違反
ン チ・ ダ ン ピ ン グ 税
7/24 パネル報告書採択
するとしてグアテマラが申立て。パ
賦課
9/25 二国間合意通報
ネルは、メキシコ当局が不十分な証
拠に基づいて調査開始をしたとして、
AD 協定第 5、6 条違反等を認定した。
EU
2005/ 6/20 協議要請
ブラジルによる再生タイヤの輸入禁 GATT
【アルゼンチン、豪 11/17 パネル設置要請
止措置、輸入禁止に伴う罰則金制度
州、中国、キュー 2006/ 1/20 パネル設置
及びメルコスール諸国に対する同措
バ、グアテマラ、 2007/ 6/12 パネル報告書配布
置の適用除外は、GATT 第 1.1、3.4、
日本、韓国、メキ 9/ 3 EU による上級委申立て
11.1、13.1 条に違反するとして EU が
シコ、パラグアイ、
12/ 3 上級委員会報告書配布
申立て。パネルはブラジルの措置は
台湾、タイ、米国】
12/17 パネル・上級委員会報告書採択 GATT 第 20 条
(b)の例外措置への該
2008/ 6/ 4 EUよりRPT 期間について仲裁要請 当性を認めたが、ブラジル国内裁判
332. ブ ラ ジ ル の 再 生
8/29 仲裁により RPT を 12 月 17 日まで 所による仮差し止め命令に基づく中
タイヤの輸入に関す
と決定
古タイヤ輸入が著しい量である点は
る措置
2009/ 1/ 7 シークエンス合意
「偽装された貿易制限」であり同条柱
書きを満たさないとして GATT 第 11
条違反を認定。上級委は、GATT 第
20 条柱書の判断については差別の理
由・合理性に基づいて行うべきであ
るとして、パネルが採用した数量基
準を否定したが、GATT 第 11 条違反
という結論は支持した。
コスタリカ
2005/ 9/12 協議要請
ドミニカ共和国の外貨取引に係る為 GATT
333. ド ミ ニ カ 共 和 国
替手数料
(13%)は、GATT 第 2.1 条
のコスタリカからの
(b)の規定する課徴金に該当し、同
輸入に係る外国為替
条項及びその他関連条項に違反する
手数料
としてコスタリカが申立て。
米国
2005/11/2 協議要請
トルコによる米国産米の輸入に係る TRIM
【アルゼンチン、 2006/ 2/ 6 パネル設置要請
措置
(譲許税率を超える税率での輸 GATT
豪州、中国、エジ 3/17 パネル設置
入ライセンスの発給、関税割当にあ
農業
プト、EU、韓国、2007/ 9/21 パネル報告書配布
たっての輸入者への国産米購入義務 ライセンス
334. ト ル コ の 米 の 輸 パ キ ス タ ン、 タ 10/22 パネル報告書採択
づけ等)は TRIM 協定第 2 条、GATT
入に係る措置
イ】
11/20 トルコ、履行の意思通報
第 3、11 条、 農 業 協 定 第 4 条 及 び 輸
2008/ 5/ 7 シークエンス合意
入ライセンス協定第 1、3、5 条に違
反するとして米国が申立て。パネル
は、農業協定第 4 条違反等を認定し
た。
エクアドル
2005/11/17 協議要請
米国が、初回調査において、エクア
AD
【ブラジル、チリ、2006/ 6/ 8 パネル設置要請
ドル産エビのダンピング・マージン GATT
中 国、EU、 イ ン 7/19 パネル設置
計算に
「ゼロイング」手法を使い、こ
ド、日本、韓国、 2007/ 1/30 パネル報告書配布
れに基づき AD 税の賦課を行ったこ
335. 米国のエクアドル メキシコ、タイ】 2/20 パネル報告書採択
と は、GATT 第 6 条 及 び AD 協 定 第
産エビに対するアン
2.4.2 条等に違反するとしてエクアド
チ・ダンピング措置
ルが申立て。パネルは、初回調査に
おけるダンピングの最終認定及びア
ンチ・ダンピング税の最終決定にお
けるゼロイングの適用は、AD 協定
第2.4.2条に反するとの判断を行った。
890
2005/ 3/16 協議要請
10/ 6 二国間合意通報
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
(DS336〜DS340)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
韓国
【EU、米国、台湾
(履行確認パネ
ル)
】
336. 日 本 の 韓 国 製
DRAM チ ッ プ に 対 す
る相殺関税措置
2006/ 3/14
5/18
6/19
2007/ 7/13
8/30
11/28
12/10
日本による韓国製 DRAM
(Dynamic 補助金
Random Access Memories)に対す GATT
る 相 殺 関 税 賦 課 は、GATT 第 6.3、
10.3 条、補助金協定第 1、2、10、11、
12、14、15、15.5、19、19.1、21、22
及び 32.1 条に反するとして韓国が申
立て。パネルは補助金協定第 1、14、
19.4 条違反を認定した。上級委は、
1、14 条違反の一部の論点について
パネルの判断を取り消した。
3
EUによるノルウェー産養殖サーモン
AD
のダンピング最終決定と、暫定的な GATT
AD 税の賦 課は、GATT 第 6 条、AD
協 定 第 1、2、3、5、6、9、12、18 条
の関連条項及び附属書ⅠとⅡに反する
としてノルウェーが申立て。パネルは、
AD 協定第 2、3、4、5、6、9 条の関連
条項についてEUの違反を認定した。
カナダによる米国産粒トウモロコシへ
AD
の AD 税及び相殺関税の暫定賦課は、 補助金
AD 協定第 1、3、7、12.2.1 条、補助金 GATT
協定第 5、10、17、22.4 条及び GATT
第 6 条に反するとして米国が申立て。
協議要請
(
「342」
4/13)
中国が
「自動車産業発展政策」におい GATT
パネル設置要請
(統一パネルの設置)て、輸入自動車部品が完成車の特徴 TRIM
パネル設置
を備えていると認定される場合、自 補助金
パネル報告書配布
動車部品ではなく完成車としての特 GATS
中国による上訴
徴を備えていると認定し、完成車の 加盟議定書
上級委報告書配布
関税率を適用するとしていることは、
パネル・上級委報告書採択
GATT 第 2.1
(a)
、2.1
(b)
、3.1、3.4、
RPT について合意
3.5 条、TRIM2.1、2.2 条、補助金協定
RPT 終了
第 3 条及び加盟議定書・作業部会報
告書の関連条項に反するとして EU、
米国及びカナダが申立て。
パネルが、GATT2 条1
(b)
「 通常の関
税」
の意味を語釈している、また、その
語釈の故に、GATT3 条 2の
「内国税そ
の他の内国課徴金」
に係る事実認定に
おいて誤っているなどとして、中国よ
り上訴された件について、上級委報告
書が配布され、上級委は、①中国によ
る当該措置は、GATT3 条 2 項にいう
内国税であり、GATT2 条1項
(b)
にお
ける
「通常の関税」
には当たらないとす
るパネル報告書の判断を支持。②中国
による当該措置は、同種の国内産自動
車部品には適用されず輸入品にのみ適
用されるものであり、GATT3条 2 項に
非整合とするパネル報告書の判断を支
持。③中国による当該措置は、同種の
国内産自動車部品より不利な待遇
(less
favorable treatment)
を輸入品に課し
ており、GATT3条 4 項に非整合とする
パネル報告書の判断を支持し、中国に
対して、GATT上の義務を履行するよ
うDSBが要求するよう勧告した。
(DS339 と合併)
891
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
米国
340. 中 国 の 自 動 車 部【アルゼンチン、
品 の 輸 入 に 関 連 す る 豪州、ブラジル、
措置
日本、メキシコ、
台湾、タイ】
2006/ 3/30
9/15
10/26
2008/ 7/18
9/15
12/15
2009/ 1/12
2/27
9/ 1
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書加盟国配布
日本、上級委申立て
上級委報告書配布
韓国の DSU 第 21.3
(c)
条に基づく
仲裁要請
仲裁報告書発出
パネル設置要請
(履行確認)
シークエンス合意
パネル設置
(履行確認)
パネル検討手続停止
(履行確認)
パネル設置根拠喪失
(履行確認)
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
EU、履行の意思表明
RPT について合意
RPT 終了
協議要請
関連協定
第
339.(340)、(342). 中
国の自動車部品の輸
入に関連する措置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
経 過
2008/ 5/ 5
9/ 9
9/10
9/23
2009/ 3/ 5
2010/ 3/ 5
ノルウェー
2006/ 3/17
【カナダ、中国、 5/29
香港、日本、韓国、
6/22
337. EU のノルウェー
米国】
11/16
産サーモンへのアン
2008/ 1/15
チ・ダンピング措置
2/ 8
5/ 6
11/15
米国
2006/ 3/17
338. カ ナ ダ の 米 国 産
トウモロコシへのア
ン チ・ ダ ン ピ ン グ 及
び相殺関税
EU
(339)
米国
(340)
カナダ
(342)
【アルゼンチン、
豪州、日本、メキ
シコ、台湾、ブラ
ジル、タイ】
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
EU
2006/ 3/31
【 カ ナダ、中国、 12/ 7
日本、
ノルウェー、2007/ 1/23
米国】
2008/ 9/ 4
10/21
(DS341〜DS345)
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
経 過
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
メキシコによる EU 産オリーブ油へ GATT
の相殺関税調査及び相殺関税の賦課 補助金
は、GATT 第 6 条、補助金協定第 1、
農業
10、11、12、13、14、15、16、19、
22、32 条及び農業協定第 13、21 条に
反するとして EU が申立て。
パネル報告書は、国内産業の定義に
ついて、申請者が申請をした時点で、
あるいは、調査期間中に生産を行っ
ていない場合には国内産業を構成し
ないという EC の主張に対し、パネ
ルは 16.1 条では申請時点、あるい
は、調査期間中に生産を行っていな
ければならないことまで求めている
のではないとして、EC の主張を棄
却し、メキシコ政府が行った EC 産
オリーブオイルに関する 2000 年~
2003 年の期間の損害調査は、限定的
であり、実証的な証拠に基づいた損
害決定ではないとした。
341. メキシコの EU 産
オリーブ油への相殺
関税最終決定
カナダ
342. 中 国 の 自 動 車 部【アルゼンチン、
品 の 輸 入 に 関 連 す る 豪州、ブラジル、
措置
日本、メキシコ、
台湾、タイ】
米国
2006/ 4/24
【ブラジル、チリ、 9/15
中国、EU、インド、
10/26
韓国、日本、メキ 2008/ 2/29
シコ、ベトナム】 4/17
4/29
7/16
343. 米 国 の タ イ 産 エ
8/ 1
ビへの措置
8/29
10/31
2009/ 4/ 1
関連協定
(DS339 と合併)
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
タイによる上訴
米国による上訴
上級委報告書配布
パネル・上級委報告書採択
米国、履行の意思表明
RPT について合意
RPT 終了
米国によるタイ産エビへの AD 仮決
AD
定・最終決定における
「ゼロイング」 GATT
の適用及び算定されたダンピング・
マージンに基づく AD 税の賦課は、
AD 協 定 第 1、2.1、2.4、2.4.2、3.1~
3.5、5.8、9.2、9.3 条及び GATT 第 2、
3、6 条に反し、また、米国によるボ
ンド要求それ自体及びタイ産エビ輸
入 へ の 適 用 は、GATT 第 1、2、3、
11.1、13.1、20
(d)に反するとしてタ
イが申立て。
上 級 委 は、 米 国 の 措 置 は AD 協 定
18.1 条に非整合であるとしたパネル
の決定を支持し、DSB に対し、米国
に WTO 協定上の義務の履行を求め
るよう勧告する旨の報告書を配布。
メキシコ
2006/ 5/26 協議要請
米国によるメキシコ製ステンレス鋼
AD
【 チ リ、 中 国、 10/12 パネル設置要請
へ の AD 最 終 決 定 に つ い て、 米 国 GATT
EU、日本、タイ】
10/26 パネル設置
1930 年関税法の関連規定、商務省の WTO 設立
2007/12/20 パネル報告書配布
関連規則及びダンピング・マージン
2008/ 1/31 メキシコによる上訴
の初回調査及び行政見直しに係るゼ
4/30 上級委報告書配布
ロイングの適用は、GATT 第 6 条、
5/20 パネル・上級委報告書採択
AD 協 定 第 1、2.1、2.4、2.4.2、5、
344. 米 国 の メ キ シ コ
8/11 メキシコ、仲裁要請
6.10、9、11、18 条及び WTO 設立協
製ステンレス鋼への
10/31 仲裁人、RPT を 2009/4/30 に決定 定第 16.4 条に反するとしてメキシコ
ダンピング最終決定
2009/ 4/30 RPT 終了
が申立て。パネルは、初回調査 W -
8/19 メキシコによる協議要請
(履行確認)W 比較におけるゼロイングの違反を
9/ 7 パネル設置要請
(履行確認)
認定しつつも、定期見直しにおける
2011/ 5/13 パネル設置
(履行確認)
違法性を否定。
上級委員会は、定期見直しにおける
違法性を認定し、パネルの判断を取
り消した。
インド
2006/ 6/ 6 協議要請
米国の改正ボンド指令及びインド産
AD
【ブラジル、中国、
10/13 パネル設置要請
エ ビ へ の 拡 張 的 な ボ ン ド 要 求 は、 GATT
EU、日本、タイ】
11/21 パネル設置
AD 協定第 1、7.1、7.2、7.4、7.5、9.2、 補助金
2008/ 2/29 パネル報告書配布
9.3、9.3.1、18.1、18.5 条、GATT 第
4/17 インドによる上訴
1、2、3、6.2、6.3、10、11、13 条 及
345. 米国の AD・相殺
4/29 米国による上訴
び 補 助 金 協 定 第 10、17.4、17.5、
関税に基づくボンド
7/16 上級委員会報告書配布
19.3、19.4、32.1、32.5 条に反すると
指令
8/ 1 パネル・上級委員会報告書採択 してインドが申立て。
10/31 RPT について合意
上 級 委 は、 米 国 の 措 置 は AD 協 定
2009/ 4/ 1 RPT 終了
18.1 条に非整合であるとしたパネル
の決定を支持し、DSB に対し、米国
に WTO 協定上の義務の履行を求め
るよう勧告する旨の報告書を配布。
892
(DS346〜DS353)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
アルゼンチン
経 過
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
2006/ 6/20 協議要請
346. 米 国 の ア ル ゼ ン
チン製油井管への AD
行政見直し
2006/ 7/20
12/ 1
アルゼンチン
2006/ 9/ 6
348. コ ロ ン ビ ア の パ
ナマからの物品輸入
に関する税関措置
349. EU のニンニクへ
の関税割当関連措置
EU
2006/10/2
【ブラジル、中国、
10/ 9
エジプト、インド、2007/ 5/10
日本、韓国、メキ 2007/ 6/ 4
シコ、ノルウェー、2008/10/1
台湾、タイ】
11/ 6
350. 米 国 の ゼ ロ イ ン
11/18
グ手法の維持と継続
2009/ 2/ 4
的な適用
2/19
6/ 2
12/19
2010/ 1/ 4
2012/ 2/ 6
2006/10/25
2007/ 3/ 8
4/24
7/31
2007/ 8/ 3
2008/ 8/ 1
EU
2006/11/20
【豪州、チリ、日本、2007/ 3/23
米国】
4/24
7/13
352. インドの EU 産ワ
7/16
イン・蒸留酒の輸入・
2008/ 7/17
販売に関連する措置
EU
2005/ 6/27
【豪州、ブラジル、2006/ 1/20
353. 米国の大型民間航 カナダ、中国、日 2/17
空機の取引に関連する 本、韓国】
2011/ 3/31
措置
(二次申立て)
2012/ 3/12
893
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
パナマ
米国のアルゼンチン製油井管への
AD
AD 行政見直しは、AD 協定第 2.2、 GATT
2.4、6.1、6.2、6.6、6.8、6.9、9.2、
9.3、12.2、12.2.2 条、 附 属 書 Ⅱ 及 び
GATT 第 6 条に反し、また、ダンピ
ング・マージンの算定に関する米国
1930 年 関 税 法 の 規 定 は AD 協 定 第
2.2.2 条及び GATT 第 6 条に反すると
してアルゼンチンが申立て。
協議要請
EU による民間大型航空機企業への 補助金
パネル設置要請
補助金供給は補助金協定第3.1
(a)
(b)
、 GATT
パネル設置
3 . 2、5
(a)
、5
(c)
、6 . 3
(a)
、6 . 3
(b)
、
米国、パネル手続の一時停止を要 6.3
(c)
、6.4 条及び GATT 第 3.4、16.1
請
条に違反するとして米国が申立て
パネル設置根拠喪失
(先行していた DS316 への付託事項
を拡張するための二次申立て)
。
協議要請
コロンビアによるパナマからの物品 関税評価
二国間合意通報
輸入に関する税関措置
(関税額の算 GATT
定方法、輸入港の制限、インボイス
への追加的な情報記載要求)は、関
税評価協定第 1、7、13 条及び附属書
I 総 則、GATT 第 1.1、2.1
(a)
(b)
、
5.6、10.1、10.3
(a)
、11.1、13.1 条 に
反するとしてパナマが申立て。
協議要請
二国間合意に基づく EU の中国産生・ GATT
冷凍ニンニクへの関税割当枠拡大は、WTO 設立
他国が交渉によって得た権利を損な
うものであり、地域貿易協定に関す
る GATT 第 24.6 条、譲許表の修正に
関する GATT 第 28 条及び WTO 設立
協定第 14.4 条等に反するとしてアル
ゼンチンが申立て。
協議要請
米国によるダンピング・マージンの
AD
EU、追加協議を要請
行政見直し最終決定におけるゼロイ GATT
EU、パネル設置要請
ン グ 適 用 の 維 持 は、AD 協 定 第 1、 WTO 設立
パネル設置
2.1、2.4、2.4.2、9.1、9.3、9.5、11、
パネル報告書配布
18.4 条、GATT 第 6 条 及 び WTO 設
EU による上訴
立協定第 14.4 条に反するとして EU
米国による上訴
が申立て。
上級委報告書配布
米国によるイタリアのボールベアリ
パネル・上級委報告書採択
ング等に対する AD 調査にあたって
RPT について合意
ゼロイングが用いられたことについ
RPT 終了
て争われた本件について、パネルは、
シークエンス合意
米 国 の 措 置 を WTO 非 整 合 と し、
米 EU 間で解決に向けた覚書に合 DSB が米国に対し、それらの措置を
意
WTO 協定整合的に改めるよう求め
るよう勧告。
協議要請
チ リ に よ る 乳 製 品 へ の 暫 定 セ ー フ GATT
アルゼンチン、パネル設置要請 ガード措置は、GATT 第 1、19 条及
SG
パネル設置
び セ ー フ ガ ー ド 協 定 第 2、3.1、4、
アルゼンチン、パネル手続停止要 5.1、6、12.4 条に反するとしてアル
請
ゼンチンが申立て。
パネル停止
パネル設置根拠喪失
協議要請
インドによる EU 産ワイン・蒸留酒 GATT
パネル設置要請
への追加関税、特別追加関税の賦課
パネル設置
及びインドの Tamil Nadu 州による
パネル手続停止要請
同 産 品 へ の 流 通 規 制 の 適 用 が、
パネル停止
GATT 第 2.1
(a)
(b)
、3.2、3.4、11 条
パネル設置根拠喪失
に反するとして EU が申立て。パネ
ル会合前にインドがワイン・蒸留酒
への追加関税の撤廃の通達を発出し
たことを受け、EU はパネル進行停
止を要請。
協議要請
米国による民間大型航空機企業への 補助金
パネル設置要請
補助金供給は補助金協定第 3.1
(a)
、 GATT
パネル設置
(b)
、3.2、5
(a)
、
(c)
、6.3
(a)
、
(b)
、
パネル報告書配布
(c)条及び GATT 第 3.4 条に違反する
上級委報告書配布
と し て EU が 申 立 て
(先行していた
DS317 への付託事項を拡張するため
の二次申立て)
。
第
米国
2006/ 1/31
【豪州、ブラジル、
4/10
347. EU の大型民間航 カナダ、中国、日 5/ 9
空 機 の 取 引 に 関 連 す 本、韓国】
10/ 6
る措置
(二次申立て)
2007/10/7
アルゼンチン
【米国】
351. チ リ の 乳 製 品 へ
の暫定セーフガード
措置
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS354〜DS361)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
354. カ ナ ダ の ワ イ ン
とビールへの課税免
除・減額
EU
経 過
2006/11/29 協議要請
2008/12/17 カナダ、EU、相互合意
アルゼンチン
2006/12/26
【日本、EU、台湾、2007/ 6/ 7
米国】
7/24
355. ブ ラ ジ ル の ア ル
2008/ 2/ 4
ゼンチン産の樹脂に
2009/ 2/ 5
対する AD 措置
アルゼンチン
【米国】
356. チ リ の 乳 製 品 へ
の確定セーフガード
措置
2006/12/28
2007/ 3/ 8
4/24
7/31
8/ 3
2008/ 8/ 1
カナダ
2007/ 1/ 8
【アルゼンチン、 2007/ 6/ 7
357. 米 国 の ト ウ モ ロ 豪 州、EU、 ニ カ
コ シ 他 農 産 品 へ の 補 ラグア、タイ、チ 11/ 8
助金等国内支持
リ、中国、インド、
12/17
メ キ シ コ、NZ、
南ア、台湾、日本】
米国
2007/ 2/ 2
【 日 本、 豪 州、 4/27
358. 中 国 の 租 税 そ の
EU、 メ キ シ コ、 7/12
他 支 払 の 還 付、 減 額
カナダ】
8/31
及び免除
12/19
メキシコ
2007/ 2/26
【日本、豪州、EU、
5/ 4
359. 中 国 の 租 税 そ の
米国、カナダ】
7/12
他 支 払 の 還 付、 減 額
8/31
及び免除
2008/ 2/ 7
米国
2007/ 3/ 6
【日本、豪州、チリ、
5/24
EU、べトナム】 6/20
2008/ 6/ 9
8/ 1
8/13
360. インドの米からの
10/30
輸入に対する追加関税
11/17
及び特別追加関税
361. EU のバナナ輸入
制度
894
コロンビア
2007/ 3/21
2010/ 6/ 8
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
カナダによるカナダ産ワインへの課
税免除及びカナダ産ビールへの課税
額の減額措置は、GATT 第 3.2、3.4
条、補助金協定第 3.1
(b)
、3.2 条に反
するとして EU が申立て。
協議要請
ブラジルによるアルゼンチン産樹脂
アルゼンチン、パネル設置要請 への AD 調査、決定及び AD 税の賦課
パネル措置
は AD 協定第 2.2.1、2.2.1.1、2.2.2、2.4、
パネル手続停止
3.1、3.2、3.4、3.5、6、8、10、12 条及
パネル設置根拠喪失
び GATT 第 6 条に反し、また、ダン
ピング決定の見直し手続は AD 協定
第 9、18.4 及び GATT 第 10 条 等に反
するとしてアルゼンチンが申立て。
協議要請
チリによる乳製品への確定セーフ
アルゼンチン、パネル設置要請 ガード措置は、GATT 第 1、19 条及
パネル設置
び セ ー フ ガ ー ド 協 定 第 2、3.1、4、
アルゼンチン、パネル手続の停止 5.1、7.1、12.2 条等に反するとしてア
要請
ルゼンチンが申立て。
パネル議長、パネル停止を表明
パネル設置根拠喪失
協議要請
米国による米国内のトウモロコシ及
カナダ、パネル設置要請
(11/15 びその他農産品の生産者・輸出者へ
この要請を撤回)
の補助金その他国内支持は、補助金
パネル設置要請
協定第 3.1
(a)
、3.2、5
(c)
、6.3
(c)条及
パネル設置
(DS365 と併合)
び 農 業 協 定 第 3.2、3.3、8、9.1、10.1
条に反するとしてカナダが申立て。
協議要請
米国、追加協議要請
米国、パネル設置要請
パネル設置
(DS359 と合併)
中国と米国で本件について合意
関連協定
GATT
補助金
AD
GATT
SG
GATT
補助金
農業
中国による輸出型企業を対象とした GATT
租税その他支払の還付、減額及び免 補助金
除 措 置 が、 補 助 金 協 定 第 3 条、 TRIM
GATT 第 3.4 条、TRIM2 条及び中国 加盟議定書
の加盟議定書・作業部会報告書の関
連規定に反するとして米国が申立て。
協議要請
中国による輸出型企業を対象とした GATT
メキシコ、追加協議要請
租税その他支払の還付、減額及び免 補助金
メキシコ、パネル設置要請
除措置が、補助金協定第 3 条、GATT TRIM
パネル設置
(DS358 と合併)
第 3.4 条、TRIM2 条及び中国の加盟 加盟議定書
中国とメキシコで本件について 議定書・作業部会報告書の関連規定
合意
に反するとしてメキシコが申立て。
協議要請
インドによる米国からの輸入品、と GATT
パネル設置要請
りわけワイン及び蒸留酒の輸入に対
パネル設置
してインドが課している追加関税及
パネル報告書配布
び 特 別 追 加 関 税 は、GATT 第 2 条 1
米国による上訴
(a)
、
(b)
、3 条 2、4 の規定に反する
インドによる上訴
として米国が申立て。
上級委報告書配布
上級委は、パネル報告書パラ8.1に
パネル・上級委報告書採択
おける、米国がインドによるアルコー
ル飲料への追加関税が GATT2 条に非
整合であることの立証を行えていない、
また、米国が、インドによる特別追加
関税が GATT2 条に非整合であること
の立証を行えていないとの事実認定を
破棄した上で、パネル報告書と同様、
上級委も何らの勧告も行わず。
協議要請
EU によるバナナの ACP 向け関税割 GATT
EU と 関 係 諸 国 の 間 で Geneva 当 は、GATT 第 1 条、2 条 1、3 条、
Agreement on Trade in Bananas 13 条及び DSU 第 4.8 条の規定に反す
に署名
るとしてコロンビアが申立て。
(DS362〜DS365)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
米国
2007/ 4/10
【日本、EU、カナ 2007/ 8/13
ダ、メキシコ、ア 9/25
ルゼンチン、豪州、
12/13
ブラジル、インド、2009/ 1/26
韓国、台湾、トル 3/20
コ、タイ】
6/29
2010/ 4/ 8
363. 中 国 の 著 作 権 物
に係る市場アクセス
問題
パナマ
2007/ 6/22
2010/ 6/ 8
ブラジル
2007/ 7/11
【アルゼンチン、 11/ 8
365. 米 国 の 農 産 品 に 豪州、インド、ニ 12/17
対 す る 国 内 補 助 及 び カラグア、タイ、
輸出信用
EU、 カ ナ ダ、 コ
スタリカ、グアテ
マラ、メキシコ】
関連協定
協議要請
米国、パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
パネル報告書採択
RPT を 2010/3/20 までと合意
シークエンス合意
中国における、①商標の不正使用及 TRIPS
び著作物の違法な複製に係る刑事手
続及び刑事罰の扱い、②税関におい
て没収された知的財産権侵害物品の
処理、③中国国内での発行又は流通
が許可されていない作品に関する著
作権及び著作隣接権の保護及び執行
の欠如、④著作物の未許可の複製あ
るいは未許可の頒布のいずれかのみ
を行った者に対する刑事手続及び刑
事罰の欠如、は TRIPS 協定第 9.1 条、
14 条、41.1 条、46 条、59 条、61 条等
に整合的でないとして米国が申立
て。
パネル報告書は、②について、税関
措置に関し、商標の単なる除去で十
分であるとの点については TRIPS 協
定第 59 条に非整合、③について同協
定第 9.1 条、41.1 条に非整合として米
国の主張を是認する一方、①・④に
ついて、米国は刑事罰の閾値が同協
定第 61 条に非整合であることに関し
て挙証責任を果たしていない、また、
②について、税関措置のうち、侵害
物品を競売に付しているとの点につ
いては米国は同協定第 59 条に非整合
であることに関して挙証責任を果た
していないと判断した。
協議要請
中国による出版物及び音響映像製品 GATT
米国、追加協議要請
の輸入・流通制限が、中国の加盟議 GATS
米国、パネル設置要請
定書 5 条
(貿易権の付与)
、GATT 第 加盟議定書
パネル設置
3.4 条、GATS 第 16 条、17 条 等 に 反
パネル構成
するとして米国が申立て。
パネル報告書配布
パネル報告書では、①外資事業者が
中国上訴
書籍・映像製品・劇場用フィルム等
米国上訴
の輸入事業に従事することを禁止す
上級委員会報告書配布
る措置等につき、貿易権を付与して
パネル・上級委員会報告書採択 いないとして加盟議定書及び加盟作
RPT を 2011 年 3 月 19 日までと決 業部会報告書違反、かつ、GATT20
定
条
(a)
( 公徳の保護のために必要な措
置)により正当化されないと判断、
②出版物、電子的形態の音声記録製
品、音響映像娯楽製品の流通に関す
る措置について、GATS 第 16、17 条
違反と判断、③輸入出版物を不利な
競 争 条 件 に お く 措 置 に つ い て、
GATT 第 3.4 条違反と判断した。
上級委員会報告書では、①・②に係
る中国の上訴に対し、パネル報告書
の判断を是認した。他方、加盟議定
書違反に対する GATT 第 20 条
(a)の
例外規定の適用可能性の問題につい
て、適用可能との判断を示した
(パ
ネル報告書は判断を避けた)
。
協議要請
EU によるバナナの ACP 向け関税割 GATT
EU と関係諸国の間で Geneva
当は、GATT 第 1 条、2 条、8 条 1、8
Agreement on Trade in Bananas 条 2 及び 18 条の規定に反するとして
に署名
パナマが申立て。
協議要請
米国による農産品に対する国内補助
農業
パネル設置要請
と輸出信用は、農業協定第 3.2 条、3.3 補助金
パネル設置
(DS357 と併合)
条、8 条、9.1 条、10.1 条 及 び 補 助 金
協定第 3.1 条
(a)
、3.2 条に反するとし
てブラジルが申立て。
895
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
米国
2007/ 4/10
【EU、 日 本、 豪 7/10
州、韓国、台湾】 10/10
11/27
2008/ 3/27
2009/ 8/12
9/22
10/ 5
12/21
2010/ 1/19
2010/ 7/12
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
362. 中 国 の 知 的 財 産
権問題
364. EU のバナナ輸入
制度
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS366〜DS372)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
パナマ
2007/ 7/12
【グアテマラ、ホン 9/14
ジュラス、台湾、 10/22
中国、エクアドル、 2008/ 2/ 8
EU、トルコ、米国】2009/ 4/27
5/20
10/ 2
366. コ ロ ン ビ ア に よ
る入港規制
2010/ 2/23
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
パネル報告書採択
仲裁人、RPT を 2010/2/4 までと
決定
シークエンス合意
ニュージーランド 2007/ 8/31
【チリ、EU、日本、
12/ 6
パキスタン、台湾、2008/ 1/21
米国】
3/12
367. 豪州による NZ か
2010/ 8/ 9
らのリンゴ輸入に関
2010/ 8/31
する措置
2010/ 9/13
2010/11/29
2011/12/17
2011/ 1/31
2011/ 9/13
中国
2007/ 9/14
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
豪州上訴
NZ 上訴
上級委員会報告書配布
上級委員会報告書採択
RPT を 2011/8/17 までと決定。
シークエンス合意
協議要請
368. 米 国 の 中 国 産 光
沢紙に対する AD 及び
相殺関税の暫定措置
カナダ
369. EU のアザラシ製
品の輸入販売に係る
禁止措置
2007/ 9/25 協議要請
2011/ 2/14 パネル設置要請
EU
2008/ 1/25 協議要請
【米国、フィリピン】
370. タイの EU からの
輸入品に係る関税評
価
フィリピン
【EU】
371. タ イ の フ ィ リ ピ
ン産のタバコに対す
る税関に於ける措置
EU
【米国】
372. 中 国 の 金 融 情 報
に係る配信規制
896
2008/ 2/ 7
9/29
11/17
2010/11/15
2011/ 2/22
2011/ 6/17
2011/ 7/15
2011/ 9/23
協議要請
パネル設置要請
パネル構成
パネル報告書配布
タイ上訴
上級委員会報告書配布
上級委員会報告書採択
RPT を 2012/10/15 までと決定
2008/ 3/ 3 協議要請
12/ 4 二国間合意
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
コロンビアによる物品販売税の算出 関税評価
方法は、関税評価協定第 1-7 条及び GATT
13 条 と GATT 第 2 条 1
(a)
、1
(b)
、3
条 2、5 条 1、5 条 2、5 条 3
(a)
、5 条 6、
6 条 1、7 条、8 条 1 に反するとしてパ
ナマが申立て。
パネルは、指示価格設定について関
税評価協定非整合、指示価格措置に
係る入港に関する措置について
GATT 第 1 条
(最恵国待遇)
、5 条
(通
過の自由)
、11 条
(数量制限の禁止)
に非整合、更に、コロンビアによる
入港措置について GATT20 条による
正当化主張を却下。コロンビアに対
し、 当 該 措 置 を 関 税 評 価 協 定・
GATT上の義務に適合するよう勧告。
豪州によるニュージーランドからの
SPS
輸入リンゴに対して要求されること
となった検疫措置が、SPS 協定第 2
条、5 条、8 条及び AnnexC に非整合
であるとしてニュージーランドが申
立て。
米 国 商 務 省 が 2007 年 4 月 2 日 と 5 月
AD
29 日にそれぞれ決定した、中国産光 GATT
沢紙
(塗工紙の一種)に対する AD 及 補助金
び 相 殺 関 税 の 暫 定 措 置 に つ い て、
GATT 第 6 条
(AD 税及び相殺関税)
、
補助金協定及び AD 協定に非整合的
であるとして中国が申立て。
ベルギーとオランダで行われている
TBT
アザラシ製品に対する輸送、製造、 GATT
市場に於ける売買及び販売に係る措
置 が、GATT 第 1.1、3.4、5.2、5.3、
5.4、11.1 条及び TBT 協定第 2.1、2.2
条に抵触するとしてカナダが申立
て。
タイ税関が 2006 年 9 月から EU から GATT
のアルコール飲料その他の製品につ
いて、輸入者の取引価格によらず、
タイ税関当局が情報開示のないまま
設定した標準利益と支出に基づいて
産出した価格により関税を決定し、
それによらない場合には保証金を要
求しているのは、GATT 第 1
(最恵国
待遇)
、2
(譲許表)
、3
(内国民待遇)
、
(関税評価)
7
、10
(貿易規則の公表)
、
11
(数量制限)の各条に非整合である
として EU が申立て。
タイ財務省と密接な関係にあるタイ GATT
におけるタバコ専売会社 TTM によ
るフィリピンからのタバコ輸入につ
いて、関税評価、内国消費税等の課
税、付加価値税の課税、小売業のラ
イセンス制について、GATT 第 2
(譲
許表)
、3
(内国民待遇)
、7
(関税評
価)
、10
(貿易規則の公表及び施行)
、
関 税 評 価 協 定 第 1-7、10、13、16 の
各条等に非整合であるとしてフィリ
ピンが申立て。
中国に於いて、外国の金融情報供給 GATS
者が新華社の承認
(approval)や年間 TRIPS
の 活 動 を 新 華 社 に 対 し て 報 告 加盟議定書
(report)を要求されていることは、
GATS16、17、18 条、中国加盟議定
書パラ 309、TRIPS 協定 39.2 条に非
整合的であるとして EU が申立。
(DS373〜DS379)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
米国
【EU】
373. 中 国 の 金 融 情 報
に係る配信規制
インドネシア
経 過
2008/ 3/ 3 協議要請
12/ 4 二国間合意
2008/ 5/ 9 協議要請
11/20 インドネシア、協議要請撤回
2011/ 7/ 6
日本
2008/ 5/28
【豪州、ブラジル、 8/29
中国、コスタリカ、 9/23
香港、中国、インド、2009/ 1/22
376. EU による IT 製品
韓国、フィリピン、 2010/ 8/16
の関税上の取扱い
シンガポール、タイ、2010/ 9/21
トルコ、ベトナム】 2010/12/20
2011/ 7/ 6
台湾
2008/ 6/12
【豪州、ブラジル、 8/29
中国、コスタリカ、 9/23
香港、中国、インド、2009/ 1/22
377. EU による IT 製品
韓国、フィリピン、 2010/ 8/16
の関税上の取扱い
シンガポール、タイ、2010/ 9/21
トルコ、ベトナム】 2010/12/20
378. 中 国 の 金 融 情 報
に係る配信規制
2011/ 7/ 6
2008/ 6/20
12/ 4
中国
2008/ 9/19
【アルゼンチン、豪 12/ 9
州、バーレーン、 2009/ 1/20
ブラジル、カナダ、
3/ 4
379. 米 国 に よ る 中 国 EU、インド、日本、2010/10/22
製品に対する AD・相 クウェート、メキ 12/ 1
殺関税最終措置
シコ、ノルウェー、2011/ 3/11
サウジアラビア、 2011/ 7/ 5
台湾、トルコ】
2012/ 1/17
関連協定
中国に於いて、外国の金融情報供給 GATS
者 が 新 華 社 に 指 名 さ れ た 主 体 TRIPS
(entity)を通じて提供することを求 加盟議定書
められていることは、GATS16、17、
18 条、中国加盟議定書パラ 309 に非
整合であるとして米国が申立。
2005 年 8 月 17 日に行われたインドネ
AD
シア産非コート紙に対する AD 措置
のサンセットレビューにて、AD 措
置終了が決定されたにもかかわらず
AD 税の徴収が継続されたため、AD
協定 11.3、11.4 条に非整合として
インドネシアが申立。
南アは、2008 年 6 月 10 日、2003 年 11
月 27 日以降実施されたインドネシア
からの A4 版非コート紙に対する AD
措置の撤回を発表し、2008 年 6 月 10
日には、これら AD 措置に係るサン
セットレビューの廃止と、2003 年 11
月 27 日以降支払われた AD 税の還付
を決定したことを受け、11 月 20 日、
インドネシアは協議要請を撤回する
旨表明。
EU による ITA 対象製品に対する課 GATT
税は GATT2 条等に非整合的である
として米国より申立。
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
パネル報告書採択
RPT を 2011/6/30 までとすること
に合意
シークエンス合意
協議要請
EU による ITA 対象製品に対する課 GATT
パネル設置要請
税は GATT2 条等に非整合的である
パネル設置
として日本より申立。
パネル構成
パネル報告書配布
パネル報告書採択
RPT を 2011/6/30 までとすること
に合意
シークエンス合意
協議要請
EC による ITA 対象製品に対する課 GATT
パネル設置要請
税は GATT2 条等に非整合的である
パネル設置
として台湾が申立。
パネル構成
パネル報告書配布
パネル報告書採択
RPT を 2011/6/30 までとすること
に合意
シークエンス合意
協議要請
中国において、外国の金融情報供給 GATS
カナダと中国、相互合意
者 が 新 華 社 に 指 名 さ れ た 主 体 加盟議定書
(entity)を通じて提供することを求
められていることは、GATS16、17、
18 条及び中国加盟議定書パラ 309 に
非整合であるとしてカナダが申立。
協議要請
米国による中国製鉄製パイプ、オフ
AD
パネル設置要請
ロ ー ド タ イ ヤ、 織 物 製 袋 に 対 す る 補助金
パネル設置
AD 及び相殺関税賦課は、GATT1
(最 GATT
パネル構成
恵国待遇)
、6 条
(AD 及び相殺関税)
、
パネル報告書配布
補助金協定 1、2、10、12、13、14、
中国上訴
19 条
(特定性、補助金額の算定、相
上級委報告書配布
殺関税の賦課、徴収、等)
、AD 協定
RPT を 2012/2/25 までとすること 1、2、6、9、18 条
(ダンピングの決
に合意
定、証拠、AD 税の賦課及び徴収、
RPT を 2012/4/25 まで延長するこ 等)等に非整合であるとして中国が
とに合意
申立。
897
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
米国
2008/ 5/28
【豪州、ブラジル、 8/29
中国、コスタリカ、 9/23
香港、中国、インド、2009/ 1/22
375. EU による IT 製品
韓国、フィリピン、 2010/ 8/16
の関税上の取扱い
シンガポール、タイ、2010/ 9/21
トルコ、ベトナム】 2010/12/20
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
374. 南 ア フ リ カ の 非
コート紙に対する AD
措置
カナダ
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS380〜DS384)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
EU
経 過
2008/ 9/22
12/17
2009/ 5/ 4
11/16
協議要請
追加協議要請
追加協議要請
追加協議要請
380. イ ン ド の 輸 入 ワ
イン及びスピリッツ
に対する税その他の
措置
メキシコ
2008/10/24
【アルゼンチン、 2009/ 3/ 9
豪州、ブラジル、 4/20
381. 米 国 の マ グ ロ、
カナダ、中国、エ 12/14
マグロ製品の輸入、売
ク ア ド ル、EU、 2011/ 9/15
買及び販売に関する
グアテマラ、日本、2012/ 1/20
措置
韓国、ニュージー
ランド、台湾、タ
イ、ベネズエラ】
ブラジル
2008/11/27
【アルゼンチン、 2009/ 8/20
EU、日本、韓国、
9/25
台湾、タイ】
2011/ 3/25
382. 米国のブラジルか
2011/ 6/17
らのオレンジジュース
2011/ 6/17
輸入に係る AD 見直し
その他の措置
2012/ 4/ 3
タイ
2008/11/26
【アルゼンチン、 2009/ 3/ 9
EU、日本、韓国、
3/20
台湾】
8/20
2010/ 1/22
2/18
383. 米 国 の タ イ か ら
2010/ 3/31
のポリエチレン製買
物袋に対する AD 措置
カナダ
2008/12/1
【メキシコ、アルゼ 2009/10/7
ンチン、豪州、コ 11/19
ロンビア、EU、イ 2010/ 5/10
ンド、日本、韓国、2011/11/18
ニュージーランド、2012/ 3/23
中国、ペルー】
384. 米 国 の 特 定 国 か
らの輸入に係るラベ
リング要求
898
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
米国、上訴
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
インドの Maharashtra 州が輸入ワイ
ン等に課している special fee、及び
自州企業に免除しているにもかかわ
らず外国製ワイン及びスピリッツに
課 し て い る excise fee が GATT3 条
(内国民待遇)及び補助金協定 3 条
(禁
止補助金)に非整合、Goa 州が輸入ワ
イン及びスピリッツに課している
import fee 及び label recordingfee が
GATT3 条
(内国民待遇)に非整合、
Tamil Nadu 州が同州の許可を有し
ていない限り、同州への輸入、同州
内の輸送及び販売を禁じていること
及び、special fee を課していること
が GATT3 条
(内国民待遇)に非整合
であるとして、EU が申立。
米国によるマグロ及びマグロ製品の
輸 入 に 係 る 3 つ の 措 置 に つ い て、
TBT 協定 2
( 強制規格の立案、制定
及び適用)
、5
( 適合性評価手続)
、6
(適合性評価の承認)
、8
( 適合性評価
手続)条、GATT1
( 最恵国待遇)
、3
(内国民待遇)条に非整合としてメキ
シコが申立。
関連協定
GATT
TBT
GATT
協議要請
ブラジルからのオレンジジュースの
AD
パネル設置要請
輸入に係る 2005 年 8 月 24 日~2007 年 GATT
パネル設置
2 月 28 日までの AD 調査見直しと、 WTO 設立
パネル報告書配布
現在または将来行われる AD 見直し
パネル報告書採択
において、米国の措置は、GATT2
RPT を 2012/3/17 までとすること(譲許表)
、6 条
(AD)
、AD 協定 1
(原
に合意
則)
、2
( ダンピングの決定)
、9
(AD
シークエンス合意
税の賦課及び徴収)
、11
(AD 税及び
価格約束の期間及び見直し)
、18 条
(最終規定)
・WTO 設 立 協 定 16 条
(WTO 協定の遵守)に非整合として
ブラジルが申立。
協議要請
米国は、2004 年 6 月 18 日に商務省よ
AD
パネル設置要請
り発表された AD 調査結果と 2004 年 GATT
パネル設置
7 月 15 日に同省より発表された最終
パネル構成
決定
(いわゆる初回調査)により、タ
パネル報告書配布
イからのポリエチレン製買物袋に対
パネル報告書採択
して、ゼロイング手法を用いて AD
RPT を 2010/8/18 までとすること 税賦課を 2004 年 8 月 9 日より開始し
に合意
たところ、タイは、特に修正された
最終決定におけるゼロイング手法の
適用は、GATT6 条及び AD 協定 2.
4.2 条
(公正な比較)に非整合として
申立。
米国は、タイの請求を実質的に争わ
ず、パネル報告書は、タイの請求を
全面的に認めた。
協議要請
米国の 2008 年農業法修正に基づく義
TBT
パネル設置要請
務的な原産国ラベリング制度
(COOL:
SPS
パネル設置
(DS386 と統合)
the mandatory country of origin GATT
パネル構成
labeling)
は、小売レベルで消費者に対
パネル報告書配布
し牛肉と豚肉を含む商品について原産
米国、上訴
国表示を義務づけ、誕生、生育及び
屠殺を米国国内で行った動物のみを
排他的に米国産とすることとしており、
牛肉又は豚肉について米国での飼育
若しくは直ちに屠殺するために輸出さ
れた家畜との区別を行うための措置で
あり、GATT3 条 4 項
(内国民待遇)
、9
条4項
(原産地表示)
、10 条 3 項
(貿易
規則の公表及び施行)
、TBT 協定 2 条
(強制規格の中央政府機関による立案、
制定及び適用)
あるいは SPS 協定 2 条
(基本的な権利及び義務)
、5 条
(危険
性の評価)
、7 条
(透明性の確保)
・原
産地協定 2 条
(経過期間における規律)
に非整合としてカナダが協議要請。
(DS385〜DS388)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
インド
経 過
米国
2008/12/19
【豪州、カナダ、 2009/ 1/15
コロンビア、エク
ア ド ル、EU、 グ 1/16
アテマラ、メキシ
コ、NZ、トルコ】 1/19
2/ 3
2008/12/19
2009/ 1/15
1/16
1/19
2/ 9
2008 年 12 月 4 日付けで、インドは、
AD
EC がインドからのポリエチレンテレ
SCM
フタレート
(PET)輸入に際して賦課
している AD 税及び相殺関税に係る
措置について、EC の措置
(regulation)
は AD 税及び相殺関税の終期設定を
求めておらず、AD 税及び相殺関税
の賦課の日から 5 年以内に撤廃する
と し て い る AD 協 定 11.3 条 及 び
SCM 協 定 21.3 条 に 非 整 合、EC の
AD 税及び相殺関税賦課決定は明確
な事実と事実に基づく客観的な調査
に基づいておらず、AD 協定 3.1 条
(損害の決定)及び SCM 協定 15.2 条
(損害の決定)に非整合、秘密情報の
取り扱いについて、EC は AD 協定 6.
5条
(証拠)及び SCM 協定 12.4 条
(証
拠)
に非整合等として協議を要請。
協議要請
2008 年12月17日付けで、メキシコは、 TBT
パネル設置要請
米国における2008 年農業法により修
SPS
パネル設置
(DS384 と統合)
正された1946 年農業マーケティング法 原産地協定
パネル構成
に基づく義務的な原産国ラベリング制 GATT
パネル報告書配布
度
(COOL:the mandatory country
米国、上訴
of origin labeling)は、GATT3 条
(内
国民待遇)
、9 条
(原産地表示)
、10 条
(貿易規則の公表及び施行)
、TBT 協
定2条
(強制規格の中央政府機関によ
る立 案、制定 及び 適 用)
、あるいは
SPS協定2条
(基本的な権利及び義務)
、
5条
(危険性の評価)
、7 条
(透明性の確
保)
、原産地協定 2 条
(経過期間におけ
る規律)
に非整合であるとして、協議
を要請。なお、全く同様の協定非整合
を指摘して、カナダが 2008 年12月1日
付けで協議要請を行っており
(DS384)
、
メキシコは 2008 年12 月12日付で第三
国参加を要請し、2008 年12 月18日付
で、米国より、メキシコの第三国参加
を受け入れが通知されている。
協議要請
2008 年 12 月19 日、米国は、中国によ
農業
カナダ、EU、メキシコ、トルコ るⅠ.中国世界トップブランドプロ 補助金
が協議参加を要請
グラム
(the China World Top Brand 加盟議定書
豪州、コロンビアが協議参加を要 Program)
Ⅱ.中国有名輸出ブランド GATT
請
プログラム
(the Chinese Famous
エクアドル、グアテマラ、NZ が Export Brand Program)に関して繊
協議要請を参加
維や家電製品、農産品等の幅広い分
中国が各国の第三国参加を受け入 野において、輸出実績に合致した中
れ
国企業に対して拠出される贈与、貸
付け及びその他の奨励措置は、補助
金協定 3 条
(禁止)
、農業協定 (
3 譲許)
、
(
9 輸出補助金に関する約束)
、10
(輸
出補助金に関する約束の回避の防止)
条、中国加盟議定書 1.2、12.1 条、
GATT3 条 4 項
(内国民待遇)
に非整合
であるとして協議を要請。
協議要請
2008 年12月19日、メキシコは、中国に
農業
カナダ、EU、トルコが協議参加 よるⅠ.中国世界トップブランドプログ 補助金
を要請
ラム
(the China World Top Brand 加盟議定書
豪州、コロンビア、米国が協議参 Program)
Ⅱ.中国有名輸出ブランドプ GATT
加を要請
ログラム
(the Chinese Famous Export
エクアドル、グアテマラ、NZ が Brand Program)
に関して繊維や家電
協議要請を参加
製品、農産品等の幅広い分野において、
中国が各国の第三国参加を受け 輸出実績に合致した中国企業に対して
入れ
拠出される贈与、貸付け及びその他の
奨励措置は、補助金協定 3 条
(禁止)
、
農業協定 (
3 譲許)
、9
(輸出補助金に関
する約束)
、10
(輸出補助金に関する約
束の回避の防止)
条、中国加盟議定書
1.2
(全般的規定)
、12.1
(農業)
条及び
中国加盟に関する作業部会報告書パラ
234
( 農産品に関する輸出補 助金 )
、
GATT3 条 4 項
(内国民待遇)
に非整合
であるとして協議を要請。
899
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
386. 米 国 の 特 定 国 か
らの輸入に係るラベ
リング要求
388. 中 国 - 贈 与、 貸
付け及びその他の奨
励措置
関連協定
第
メキシコ
2008/12/17
【 カナダ、アル ゼ 2009/10/9
ンチン、豪州、コ 11/19
ロンビア、EU、イ 2010/ 5/10
ンド、日本、韓国、2011/11/18
ニュージーランド、2012/ 3/23
中国、ペルー】
メキシコ
【豪州、カナダ、
コロンビア、エク
ア ド ル、EU、 グ
ア テ マ ラ、NZ、
トルコ、米国】
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
2008/12/4 協議要請
385. EU のインドから
のポリエチレンテレ
フ タ レ ー ト(PET)輸
入に課される AD 措置
失効見直し及び相殺
関税
387. 中 国 - 贈 与、 貸
付け及びその他の奨
励措置
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS389〜DS391)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
米国
2009/ 1/16
【豪州、中国、韓国、
1/30
ノルウェー、グア 2/10
テマラ、ニュージー 10/ 9
ランド、台湾】
11/19
389. EC -米国からの
鶏肉等及び鶏肉等の
製品の輸入に関する
措置
グアテマラ
2009/ 1/19
390. 中 国 - 贈 与、 貸
付け及びその他の奨
励措置
カナダ
【アルゼンチン、ブ
ラジル、中国、台
湾、EC、インド】
391. 韓 国 - 牛 肉 及 び
牛肉製品に関する措
置
900
2009/ 4/ 9
2009/ 7/ 9
2009/ 7/20
2011/ 6/28
協議要請
豪州、協議参加を要請
EU、豪州の第三国参加を受け入れ
米国パネル設置要求
パネル設置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
2009 年 1 月 16 日 付 で、 米 国 は、EC
SPS
が、物質の承認に係る公表及び手続
TBT
を行わないまま、肉に含まれる微生 GATT
物を減少させるよう科学的処理を
行った鶏肉等の輸入を禁止したこと
に伴い、全ての米国からの鶏肉等の
輸入を禁止し、2002 年に米国が EC
の病原体削減処理に用いる 4 物質の
使用の承認を求めたものの、6 年以
上にわたり、いくつかの EC の機関
が、これら 4 物質の使用は、人体の
健康へのリスクを増すことないと報
告しているにもかかわらず、これら
4 物質の使用について承認も否認も
行わなかったこと、2008 年 5 月には、
EU 委員会が EC フードチェーンと動
物衛生に関する常設委員会及び EC
農業漁業理事会に、これら 4 物質の
使用した鶏肉等の輸入を認めるよう
提案したのに対し、これら委員会 /
理事会が否認したことは、① SPS 協
定 2.2
(基本的な権利義務)
、5
(危険
性評価及び適切な保護水準)
、8
(管
理、 検 査 及 び 承 認 手 続 )条、 ②
GATT10、11 条
(貿易規則の公表及
び施行)農業協定 4.2 条
(市場アクセ
ス)
、③ TBT 協定 2 条
(強制規格の中
央政府による立案、制定及び適用に
非整合として、協議を要請。
協議要請
2009 年 1 月 19 日、グアテマラは、中
農業
国によるⅠ.中国世界トップブラン 補助金
ドプログラム
(theChina World Top 加盟議定書
Brand Program)Ⅱ.中国有名輸出 GATT
ブランドプログラム
(theChinese
Famous Export Brand Program)に
関して繊維や家電製品、農産品等の
幅広い分野において、輸出実績に合
致した中国企業に対して拠出される
贈与、貸付け及びその他の奨励措置
は、①補助金協定 3 条
(禁止)
、②農
業協定 3
(譲許)
、8,9
(輸出補助金に関
する約束)
、10
( 輸出補助金に関する
約束の回避の防止)条、③中国加盟
議定書 1.2
( 全般的規定)
、12.1
(農
業)条、④中国加盟に関する作業部
会報告書パラ 234
(農産品に関する輸
出補助金)⑤ GATT3 条 4 項
(内国民
待遇)に非整合であるとして協議を
要請。米国、メキシコによる同様の
協議要請
(DS387、388)において指摘
している措置と全く同一の措置につ
いて協議を要請。
協議要請
韓国は 2003 年 5 月からカナダ産の牛
SPS
パネル設置要請
肉及び牛肉製品の輸入を禁止。韓国 GATT
パネル設置
は当該措置の目的を BSE のリスクを
カナダ、パネル手続中断の要請 防ぐためとしていた。本措置につい
て、 カ ナ ダ は、SPS 協 定 第 2.2、2.3
(基本的な権利及び義務)
、3.1、3.3
(措置の調和)
、5.1、5.5、5.6、5.7
(危
険性の評価及び衛生植物検疫上の適
切な保護の水準の決定)
、6.1
(有害動
植物又は病気の無発生地域及び低発
生地域その他の地域的な状況に対応
した調整)
、8
( 管理、検査及び承認
の手続)条及び別表 C
(管理、検査及
び承認の手続)並びに GATT 第 1 条 1
項
(一般的最恵国待遇)
、第 3 条 4 項
(内国の課税及び規則に関する内国
民待遇)
、第 11 条 1 項
(数量制限の一
般的廃止)に非整合であるとして、
2009 年 4 月 9 に協議要請。
(DS392〜DS397)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
中国
2009/ 4/17
【ブラジル、台湾、2009/ 6/23
EC、グアテマラ、 2009/ 7/31
392. 米 国 - 中 国 か ら 韓国、トルコ、
】 2009/ 9/23
の家禽類の輸入に関
2010/ 9/29
する措置
2010/10/21
2009/ 5/14
米国
2009/ 6/23
【アルゼンチン、 2009/11/4
ブラジル、カナダ、2009/12/21
チリ、コロンビア、2011/ 7/ 5
エクアドル、イン 2011/ 8/31
394. 中 国 - 鉱 物 資 源
ド、日本、韓国、 2012/ 1/30
の輸出規制措置
ノルウェー、台湾、2012/ 2/22
トルコ】
EC
【アルゼンチン、
ブラジル、カナダ、
395. 中 国 - 原 材 料 の チリ、コロンビア、
輸出規制措置
エクアドル、イン
ド、日本、韓国、
ノルウェー、台湾、
トルコ】
EC
2009/ 7/29
【オーストラリア、2009/12/10
中国、メキシコ、 2009/12/21
396. フ ィ リ ピ ン - 蒸
タイ、台湾】
2010/ 7/15
留酒に対する課税措
2011/ 8/15
置
2011/ 9/23
2011/12/25
2012/ 1/20
中国
2009/ 7/31
【ブラジル、カナダ、2009/10/12
チリ、コロンビア、 2009/10/23
インド、日本、ノ 2009/12/9
ルウェー、台湾、 2010/ 7/15
タイ、トルコ、米 2011/ 3/25
397. EC -中国産ファ
国】
2011/ 7/15
スナーに対する AD 措
2011/ 7/28
置
2012/ 1/19
関連協定
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
パネル報告書採択
2009 年 4 月 17 日付けで、中国は、米
SPS
国のオムニバス法 727 条は、米国農 GATT
務省が中国からの輸入に必要な規則
の制定や規則の実施を行うための支
出を行うことを禁じていること等は、
GATT1.1 条
(最恵国待遇)
、11.1 条
(一般的数量制限の禁止)及び農業協
定 4.2 条
(市場アクセス)及び SPS 協
定に非整合であるとして協議を要請。
協議要請
アルゼンチンはチリによるアルゼン
AD
チン産小麦粉に対するアンチダンピ GATT
ング措置は、千九百九十四年の関税 WTO 設立
及び貿易に関する一般協定第 6 条の
実施に関する協定第 1 条
(原則)
、2.1、
2.2、2.2.1、2.2.2、2.4 条
(ダンピング
の決定)
、3.1、3.2、3.4、3.5、3.7、3.8
条
(損害の決定)
、5.2、5.3、5.4、5.8
条
(調査の開始及び実施)
、6.1、6.1.3、
6.2、6.6、6.8、6.10 条
(証拠)
、7.1、
7.5 条
(暫定措置)
、9.2、9.3 条
(ダンピ
ング防止税の賦課及び徴収)
、12.1、
12.1.1、12.2、12.2.1 条
(公告及び決定
の説明)
、13 条
(司法上の審査)
、
18.1、18.3 条
(最終規定)
、附属書Ⅱ
(6.8 に規定する入手可能な最善の情
報)
、GATT 第 6 条、世界貿易機関を
設立するマラケシュ協定 16.4 条に非
整合として協議を要請。
協議要請
2009 年 6 月 23 日付けで、米国は、中 GATT
パネル設置要請
国によるボーキサイト、コークス等 加盟議定書
パネル設置
の輸出数量規制措置は、GATT 第 8
パネル報告書配布
条
(輸入及び輸出に関する手数料及
中国、上訴
び手続)
、10 条
(貿易規則の公表及び
上級委報告書配布
施行)
、11 条
(数量制限の一般的廃
パネル報告書・上級委報告書採択 止)
、中国加盟議定書パラグラフ 1.2
(全般的規定)
、5.1、5.2
(貿易権)
、8.2
(輸出入許可)
、11.3
(輸出入品に課さ
れる税及び課徴金)に非整合として
協議を要請。
DS394 に統合
協議要請
2009 年 7 月 29 日 付 け、EU は、 フ ィ GATT
パネル設置要請
リピンが輸入された蒸留酒に対して
パネル設置
高 い 関 税 を 課 し て い る こ と は、
パネル構成
GATT 第 3 条 2 項
(内国の課税及び規
パネル報告書配布
則に関する内国民待遇)に非整合と
フィリピン、上訴
して協議を要請。
上級委報告書配布
パネル報告書・上級委報告書採択
協議要請
2009 年 7 月 31 日 付 け、 中 国 は、EU GATT
パネル設置要請
が中国からののファスナーの輸入に WTO 設立
パネル設置
ついて、EU 規則 No.384/96 に基づい
AD
パネル構成
て AD 税を賦課していることは、世
パネル報告書配布
界貿易機関を設立するマラケシュ協
EC、上訴
定第 16 条 4 項
(雑則)
、GATT 第 1 条
上級委報告書配布
1項
(一般的最恵国待遇)
、第 6 条 1 項
パネル報告書・上級委報告書採択(ダンピング防止税及び相殺関税)
、
RPT を 2012/10/12 までとするこ 第 10 条 3 項
(a)
( 貿易規則の公表及び
とに合意
施行)
、AD 協定第 6.10
(証拠)
、9.2、
9.3、9.4
( ダンピング防止税の賦課及
び徴収)
、12.2.2
( 公告及び決定の説
明)
、18.4
(最終規定)に非整合等とし
て協議を要請。
901
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
393. チ リ - ア ル ゼ ン
チンからの小麦粉輸
入に対するアンチダ
ンピング措置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
チリ
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
(DS398〜DS400)
経 過
メキシコ
DS394 に統合
【アルゼンチン、
ブラジル、カナダ、
398. 中 国 - 原 材 料 の チリ、コロンビア、
輸出規制措置
エクアドル、イン
ド、日本、韓国、
ノルウェー、台湾、
トルコ】
中国
2009/ 9/14 協議要請
【アルゼンチン、 2009/12/9 パネル設置要請
ブラジル、カナダ、2010/ 1/19 パネル設置
399. 米 国 - 中 国 産 タ
チリ、コロンビア、2010/ 3/12 パネル構成
イヤの輸入に関する
エクアドル、イン 2010/12/13 パネル報告書配布
措置
ド、日本、韓国、 2011/ 5/24 中国、上訴
ノルウェー、台湾、2011/ 9/ 5 上級委報告書配布
トルコ】
カナダ
2009/11/2 協議要請
2011/ 2/14 パネル設置要請
2011/ 3/25 パネル設置
400. EC -アザラシ製
品の販売禁止措置
902
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
2009 年 9 月 14 日付け、中国は、米国 GATT
が中国からのタイヤの輸入について
SG
高関税を課すことは、GATT 第 1 条 加盟議定書
1項
(一般的最恵国待遇)に非整合で
あり、GATT19 条
(特定の産品の輸
入 に 対 す る 緊 急 措 置 )及 び セ ー フ
ガード協定によっても正当化さえれ
ない等として協議を要請。
2009 年 11 月 2 日 付 け、 カ ナ ダ は、 GATT
EC がアザラシ製品の EC 域内での流
TBT
通を禁じる措置は、TBT 協定第 2.1、 農業協定
2.2
( 強制規格の中央政府機関による
立案、制定及び適用)
、GATT 第 1 条
1項
(一般的最恵国待遇)
、第 3 条 4 項
(内国の課税及び規則に関する内国
民待遇)
、第 11 条 1 項
(数量制限の一
般的廃止)
、農業協定第 4.2 に非整合
として協議を要請
(DS401〜DS407)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
ノルウェー
401. EC -アザラシ製
品の販売禁止措置
経 過
2009/11/5 協議要請
2011/ 3/14 パネル設置要請
2011/ 4/21 パネル設置
米国
【 豪 州、 中 国、コ
ロンビア、EU、イ
403. フ ィ リ ピ ン - 蒸
ンド、メキシコ、
留酒に対する課税措
タイ、台湾】
置
2010/ 1/14
2010/ 3/26
2010/ 4/20
2010/ 7/ 5
2011/ 8/15
2011/ 9/23
2011/ 9/28
2011/ 1/20
ベトナム
2010/ 2/ 1
【中国、EU、イン 2010/ 4/ 7
ド、日本、韓国、 2010/ 5/18
メキシコ、タイ】 2010/ 7/26
404. 米 国 - ベ ト ナ ム
2011/ 7/11
からのエビの輸入に
2011/ 9/ 2
対する AD 措置
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
フィリピン上訴
EU 上訴
上級委員会報告書採択 協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
パネル報告書採択
中国
2010/ 2/ 4
【豪州、ブラジル、2010/ 4/ 8
コロンビア、日本、2010/ 5/18
405. EU -中国からの トルコ、米国、ベ 2010/ 7/ 5
革 靴 の 輸 入 に 対 す る トナム】
2011/10/28
AD 措置
2012/ 2/22
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
パネル報告書採択
インドネシア
2010/ 4/ 7
【ブラジル、コロ 2010/ 6/ 9
ンビア、ドミニカ、2010/ 6/22
EU、グアテマラ、 2010/ 7/20
メ キ シ コ、 ノ ル 2011/ 9/ 2
ウェー、トルコ】 2012/ 1/ 5
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
米国上訴
406. 米 国 - ク ロ ー ブ
入 り タ バ コ の 流 通・
生産に関する措置
407. 中国- EU からの
鉄製ファスナーに対
する AD 税の賦課
2010/ 5/ 7 協議要請
2009 年 11 月 5 日付け、ノルウェーは、
EC がアザラシ製品の EC 域内での流
通を禁じる措置は、TBT 協定第 2.1、
2.2、GATT 第 1 条 1 項、第 3 条 4 項、
第 11 条 1 項、農業協定第 4.2
( 市場ア
クセス)
に非整合として協議を要請
2009 年 11 月 24 日 付 け、 韓 国 は、 米
国が韓国からのステンレス鋼の輸入
に対する AD 措置に際して
「ゼロイン
グ」によりダンピングマージンを算
出することは、GATT 第 6 条
(ダンピ
ング防止税及び相殺関税)
、AD 協定
第1
(原則)
、2.1、2.4、2.4.2
(ダンピン
グの決定)
、5.8
(調査の開始及び実施)
に非整合として協議を要請。
2010 年 1 月 14 日付け、米国は、フィ
リピンが輸入された蒸留酒に対して
高 い 関 税 を 課 し て い る こ と は、
GATT 第 3 条 2 項
(内国の課税及び規
則に関する内国民待遇)に非整合と
して協議を要請。
関連協定
GATT
TBT
農業協定
GATT
AD 協定
3
GATT
2010 年 2 月 1 日付け、ベトナムは、 GATT
米国がベトナムからのエビの輸入に AD 協定
ついて AD 措置を行っていること及 WTO 設立
び
「ゼロイング」手法を使ったダンピ
ング・マージンの計算は、GATT 第
1条
(一般的最恵国待遇)
、2 条
(譲許
表)
、6 条第 1 項及び 2 項
(ダンピング
防止税及び相殺関税)
、AD 協 定、
WTO 設立協定第 16 条 4 項
(雑則)等
に非整合として協議を要請。
2010 年 2 月 4 日付け、中国は、EU が WTO 設立
中 国 か ら の 革 靴 の 輸 入 に つ い て、 GATT
AD 措置を行っていること及びダン AD 協定
ピング・マージンの計算方法等は、 中国加盟
WTO 設協定第 16 条 4 項
(雑則)
、中
国加盟議定書第 1 条 1 項
(総則)
、第 6
条1項
(国家貿易)
、第 10 条
(補助金)
、
GATT、AD 協定に非整合として協
議を要請。
2010 年 4 月 7 日付け、インドネシア
TBT
は、米国が導入したクローブ等の香
SPS
料等が付加されたタバコの生産・販 GATT
売を禁止した措置は、衛生植物検疫
措置の適用に関する協定
(SPS 協定)
第2条
(基本的な権利及び義務)
,3 条
(措置の調和)
、5 条
(危険性の評価及
び衛生植物検疫上の適切な保護の水
準の決定)
,7 条
(透明性の確保)
、関税
及び貿易に関する一般協定
(GATT)
第3条
(内国民待遇)等及び貿易の技
術的障害に関する協定
(TBT 協定)
2
条
(強制規格の中央政府機関による
立案、制定及び適用)
、12 条
(開発途
上加盟国に対する特別のかつ異なる
待遇)等に非整合であるとして協議
を要請。
2010 年 5 月 7 日付け、EU は、中国に
AD
よる EU からの鋼鉄製ファスナーに GATT
対する AD 税の賦課は、千九百九十
四年の関税及び貿易に関する一般協
定第 6 条の実施に関する協定
(AD 協
定)
2.2、2.2.2、2.4
(ダンピングの決
定)
3.1,3.4,3.5
(損害の決定)
、6.1.3、
6.2、6.6、6.8,6.10 条
( 証 拠 )等 及 び
GATT 第 6 条に非整合であるとして
協議要請。
903
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
パネル報告書配布
パネル報告書採択
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
韓国
2009/11/24
【 中 国、EU、イン 2010/ 4/ 8
ド、日本、メキシ 2010/ 4/20
402. 米 国 - ゼ ロ イ ン コ、タイ、ベトナム】2010/ 7/ 8
グによるダンピング
2011/ 1/18
マージンの計算
2011/ 2/24
EU
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
(DS408〜DS412)
経 過
インド
2010/ 5/11 協議要請
ブラジル
2010/ 5/12 協議要請
ペルー
2010/ 5/12 協議要請
ウクライナ
2010/ 7/20 協議要請
2010/ 9/ 8 パネル設置要請
408. EU 及び加盟国-
ジェネリック医薬品
の接収措置
409. EU 及び加盟国-
ジェネリック医薬品
の接収措置
410. ア ル ゼ ン チ ン -
ペルーからのファス
ナー及びチェーンに
対する AD 税の賦課
411. ア ル メ ニ ア - タ
バコ及びアルコール
飲料の輸入販売に関
する措置
日本
【米国、EU】
412. カ ナ ダ - オ ン タ
リオ州による再生可
能エネルギーによる
発電に関する措置
904
2010/ 9/13 協議要請
2011/ 6/ 1 パネル設置要請
2011/ 7/20 パネル設置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
2010 年 5 月 11 日づけ、オランダはイ TRIPS
ン ド の 製 薬 会 社 が 製 造 し た ジ ェ ネ GATT
リック医薬品は、EU 域内の知的財
産を侵害しているとして、オランダ
の港でトランジットしている貨物を
接収。インドはオランダによる本件
措置は、知的所有権の貿易関連の側
面に関する協定第 2 条
(知的所有権に
関する条約)
,7 条
(目的)
,8 条
(原則)
,28
条
(与えられる権利)
,31 条
(特許権者
の許諾を得ていない他の使用)
,41 条
(一般的義務)
,42 条
(公正かつ公平な
手続)
、GATT 第 5 条
(通貨の自由)
、
第 10 条
(貿易規則の公表及び施行)に
非整合として協議要請。
2010 年 5 月 12 日付け、オランダはブ GATT
ラジルの製薬会社が製造したジェネ 加盟議定書
リック医薬品は、EU 域内の知的財
産を侵害しているとして、オランダ
の港でトランジットしている貨物を
接収。ブラジルはオランダによる本
件措置は、知的所有権の貿易関連の
側面に関する協定第 2
(知的所有権に
関する条約)
,7 条
(目的)
,8 条
(原則)
,28
条
(与えられる権利)
,31 条
(特許権者
の許諾を得ていない他の使用)
,41 条
(一般的義務)
,42 条
(公正かつ公平な
手続)
,49 条
(行政上の手続)
,50 条
(暫
定措置)
,51 条
(税関当局による物品の
解放の停止)
,52 条
(申立て)
,53 条
(担
保又は同等の保証)
,54 条
(物品の解放
の停止の通知)
,55 条
(物品の解放停止
の期間)
,58 条
(職権による行為)
,59 条
(救済措置)
、WTO 設立協定第 16 条
4項
(雑則)
,GATT 第 5 条
(通貨の自
由)
、第 10 条
(貿易規則の公表及び施
行)
に非整合として協議要請。
2010 年 5 月 12 日付け、ペルーは、ア
AD
ルゼンチンによるペルーからのファ GATT
スナー及びチェーンに対する AD 税
の賦課は、千九百九十四年の関税及
び貿易に関する一般協定第 6 条の実
施に関する協定
(AD 協定)
(原則)
1
、
2.1、2.2、2.4、2.6
(ダンピングの決
定)
、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.7、
3.8
( 損害の決定)
、4.1
( 国内産業の定
義)
、5.2、5.3、5.8
( 調査の開始及び
実施)
、6.6、6.7、6.8、6.9、6.13
(証
拠)
、9.1、9.2、9.3
( ダンピング防止
税の賦課及び徴収)
、10.2、10.4
(遡
及)
、12.1、12.2
( 公告及び決定の説
明)
,18.1
(最終規定)及び GATT 第 6 条
に非整合であるとして協議要請。
2010 年 7 月 20 日付け、ウクライナは、 GATT
アルメニアによる、輸入された煙草
及びアルコール飲料に対して差別的
な内国税を賦課する措置は、GATT
第3条
(内国民待遇)
に非整合であり、
さらに、輸入された煙草に対して協
定税率以上の関税を賦課しているこ
とは GATT 第 2 条
(譲許表)に非整合
であるとして協議を要請。
2009 年 9 月 13 日付け、日本は、カナ GATT
ダ・オンタリオ州が再生可能エネル 補助金
ギー由来の電力の固定価格買取制度
への参入条件として課した州内産品
優遇措置は GATT 第 3 条
(内国民待
遇)及び補助金及び相殺措置に関す
る協定第 3 条
(禁止補助金)に非整合
であるとして協議要請。
(DS413〜DS419)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
2010/ 9/15 協議要請
2011/ 2/11 パネル設置要請
2011/ 3/25 パネル設置
米国
2010/ 9/15 協議要請
2011/ 2/11 パネル設置要請
2011/ 3/25 パネル設置
コスタリカ
【中国、コロンビ
ア、エルサルバド
ル、EU、 グ ア テ
マラ、ホンジュラ
ス、ニカラグア、
パナマ、トルコ、
415. ド ミ ニ カ - ポ リ
米国】
プロピレン製のバッ
グ等に対するセーフ
ガード措置
2010/10/15
2011/ 1/25
2011/ 2/ 7
2012/ 1/31
2012/ 2/22
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
グアテマラ
2010/10/15
【中国、コロンビ 2011/ 1/25
416. ド ミ ニ カ - ポ リ ア、コスタリカ、 2011/ 2/ 7
プ ロ ピ レ ン 製 の バ ッ エルサルバドル、 2012/ 1/31
グ 等 に 対 す る セ ー フ EU、 ホ ン ジ ュ ラ 2012/ 2/22
ガード措置
ス、ニカラグア、
パナマ、トルコ、
米国】
ホンジュラス
2010/10/15
【中国、コロンビ 2011/ 1/25
417. ド ミ ニ カ - ポ リ
ア、コスタリカ、 2011/ 2/ 7
プロピレン製のバッ
エルサルバドル、 2012/ 1/31
グ等に対するセーフ
EU、グアテマラ、 2012/ 2/22
ガード措置
ニカラグア、パナ
マ、トルコ、米国】
エルサルバドル 2010/10/15
【中国、コロンビ 2011/ 1/25
418. ド ミ ニ カ - ポ リ
ア、コスタリカ、 2011/ 2/ 7
プロピレン製のバッ
EU、グアテマラ、 2012/ 1/31
グ等に対するセーフ
ホンジュラス、ニ 2012/ 2/22
ガード措置
カラグア、パナマ、
トルコ、米国】
米国
2010/12/22
【EU、日本】
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
419. 中 国 - 風 力 発 電
設備に関する措置
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル報告書配布
パネル報告書採択
協議要請
2010 年 9 月 15 日付け、米国は、中国
による電子支払いサービスの提供を
中国国内企業にのみに許可をしてい
る等の措置は、サービスの貿易に関
する一般協定
(GATS)第 16 条
(市場
アクセス)
, 第 17 条
(内国民待遇)に非
整合として協議要請。
2010 年 9 月 15 日付け、米国は、中国
が米国からの冷間圧延珪素鋼の輸入
について実施した、相殺関税措置及
び AD 措置は、補助金及び相殺措置
に関する協定 10
( 千九百九十四年の
ガット第六条の規定の適用)
、11.2、
11.3
( 調査の開始及び実施)
、12.3、
12.4.1、12.7、12.8、12.8
(証拠)
、
15.1、15.2、15.5
( 損害の決定)
、19、
22.2
(iii)
、22.3、22.5
(公告及び決定の
説明)
、千九百九十四年の関税及び
貿易に関する一般協定第 6 条の実施
に関する協定
(AD 協 定 )
(原則)
1
、
3.1、3.2、3.5
(損害の決定)
、6.9
(証
拠)
、12.2
(公告及び決定の説明)及び
GATT 第 6 条に非整合であるとして
協議要請。
2010 年 10 月 15 日付け、ドミニカは、
ポリプロピレン製のビニールバッグ
等についてセーフガードを発動。コ
スタリカは、ドミニカが実施した措
置は、セーフガードに関する協定 2.1、
2.2
( 条件)
、3.1、3.2
( 調査)
、4.1、4.1
(a)
、4.1
(b)
、4.1
(c)
、4.2、4.2
(a)
、
4.2
(b)
、4.2©
(重大な損害又はそのお
それの決定)
、5.1
(セーフガード措置
の適用)
、6
( 暫定的なセーフガード
措置)
、8.1
( 譲許その他の義務の水
準)
、9.1
( 開発途上加盟国)
、11.1
(a)
(特定の措置の禁止及び撤廃)
、12.3
(通報及び協議)
及び GATT 第 2 条
(譲
許表)
、第 19 条
(特定の産品に対する
緊急措置)等に非整合等として協議
を要請。
関連協定
サービス
協定
AD
補助金
GATT
3
SG
GATT
DS415 に統合
DS415 に統合
DS415 に統合
2010 年 12 月 22 日 付 け、 米 国 は、 中 補助金
国が風力発電設備の生産企業に対し 加盟議定書
て交付する補助金等は、補助金及び GATT
相殺措置に関する協定 3
( 禁止補助
金)
、25.1、25.3、25.4
(通報)
、中国
加盟議定書 1.2、GATT 第 16 条
(補助
金)
に非整合として協議要請。
905
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
414. 中 国 - 米 国 産 冷
間圧延珪素鋼に対す
る相殺関税及び AD 措
置
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
米国
413. 中 国 - 電 子 支 払
いサービスに関する
措置
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
(DS420〜DS426)
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
経 過
韓国
2011/ 1/31 協議要請
2012/ 2/ 9 パネル設置要請
2012/ 2/22 パネル設置
ウクライナ
2011/ 2/17 協議要請
2011/ 5/12 パネル設置要請
2011/ 6/17 パネル設置
中国
2011/ 2/28
2011/10/13
2011/10/25
2011/12/21
モルドバ
2011/ 3/ 3 協議要請
EU
2011/ 4/ 1 協議要請
2011/ 4/18 日本が協議への参加を要請
420. 米 国 - 韓 国 か ら
の耐食鋼製品に対す
る AD 措置
421. モ ル ド バ - 物 品
の輸入及び国内販売
に関する措置
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
422. 米 国 - 冷 凍 エ ビ
に対す AD 措置
423. ウ ク ラ イ ナ - 蒸
留酒に対する課税措
置
424. 米 国 - イ タ リ ア
からのステンレス薄
板の輸入に対する AD
措置
EU
【 日 本、米国、タ
イ、ノルウェー、
425. 中国- EU からの インド、チリ】
X 線安全検査機器に対
する AD 税の賦課
2011/ 7/25
2011/12/8
2012/ 1/20
2012/ 3/12
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
EU
2011/ 8/11
【 米 国、 日 本、 2011/ 1/ 9
オーストラリア、 2011/ 1/20
426. カ ナ ダ - オ ン タ
中国、台湾、イン 2012/ 1/23
リオ州による再生可
ド、サウジアラビ
能エネルギーによる
ア、ブラジル、韓
発電に関する措置
国、メキシコ、ノ
ルウェー、トルコ、
エルサルバドル】
協議要請
パネル設置要請
パネル設置
パネル構成
906
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
2011 年 1 月 31 日付け、韓国は、米国 WTO 設立
による韓国産の耐食鋼製品に対する
AD
AD 措置は、世界貿易機関を設立す GATT
るマラケシュ協定第 16 条 4 項
(雑則)
、
千九百九十四年の関税及び貿易に関
する一般協定第 6 条の実施に関する
協定
(AD 協定)
( 原則)
1
、2.1
( ダンピ
ングの決定)
,5.8
( 調査の開始及び実
施)
、9.1、9.3
(ダンピング防止税の賦
課及び徴収)
、11
( ダンピング防止税
及び価格に関する約束に係る期間及
び見直し)
、18.3、18.4
( 最終規定)
、
GATT 第 6 条
(ダンピング防止税及び
相殺関税)
に非整合として協議要請。
2011 年 2 月 17 日付け、ウクライナは、 GATT
モルドバによる環境保護を目的とし
て輸入品に対してのみ課徴金を課す
等の措置は、GATT 第 3 条
(内国民待
遇)
に非整合として協議要請。
2011 年 2 月 28 日付け、中国は、米国
AD
による中国産冷凍エビに対する AD GATT
措置は、千九百九十四年の関税及び
貿易に関する一般協定第 6 条の実施
に関する協定
(AD 協 定 )
2.1、2.4、
2.4.2
( ダンピングの決定)
、9.4
( ダン
ピング防止税の賦課及び徴収)
、11.3
(ダンピング防止税及び価格に関す
る約束に係る期間及び見直し)
、
GATT 第 6 条
(ダンピング防止税及び
相殺関税)
に非整合として協議要請。
2011 年 3 月 3 日付け、モルドバは、 GATT
ウクライナが、蒸留酒に対する内国
税の税率を、国産品に対しては低く、
輸入品には高く設定しているおり、
輸入品に対して差別的な内国税を課
すことは GATT 第 3 条第 2 項
(内国民
待遇)
に非整合として協議を要請。
2011 年 4 月 1 日、EU は、米国による
AD
イタリアからのステンレス薄板の輸 GATT
入に対する AD 措置
(具体的にはゼロ
イングを使用したダンピング・マー
ジンの計算方法)が、AD 協定 2
(ダン
ピングの決定)
、5.8
(調査の開始及び
実施)
、6.8
(証拠)
、9.3
(ダンピング防
止税の賦課及び徴収)
、11.1、11.2、
11.3 条
(ダンピング防止税及び価格に
関する約束に係る機関及び見直し)
及び GATT6 条
(ダンピング防止税及
び相殺関税)に非整合として協議要
請。
2011 年 7 月 25 日、EU は、 中 国 に よ
AD
る EU からの X 線安全検査機器に対 GATT
する AD 税の賦課
(調査手続)が、AD
協定 2.4
( ダンピングの決定)
、3.1、
3.2、3.4、3.5
(損害の決定)
、6.1、6.2、
6.4、6.5、6.9
(証拠)
、12.2.2 条
(公告
及び決定の説明)及び GATT6 条
(ダ
ンピング防止税及び相殺関税)に非
整合として協議要請。
2009 年 9 月 13 日 付 け、EU は、 カ ナ GATT
ダ・オンタリオ州が再生可能エネル 補助金
ギー由来の電力の固定価格買取制度
への参入条件として課した州内産品
優遇措置は GATT 第 3 条
(内国民待
遇)及び補助金及び相殺措置に関す
る協定第 3 条
(禁止補助金)に非整合
であるとして協議要請。
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
(DS427〜DS432)
経 過
米国
2011/ 9/20 協議要請
【EU、日本、ノル 2011/12/8 パネル設置要請
427. 中 国 - 米 国 か ら
ウェー、タイ、サ 2012/ 1/20 パネル設置
の鶏肉の輸入に対す
ウジアラビア、チ
る AD 措置及び相殺関
リ、メキシコ】
税措置
インド
2012/ 2/13 協議要請
429. 米 国 - ベ ト ナ ム
からの冷凍エビに対
する AD 措置
米国
【コロンビア】
2012/ 3/ 6 協議要請
430. イ ン ド - 米 国 か
らの農作物の輸入に
関する措置
米国
2012/ 3/12 協議要請
【EC、日本、カナ
ダ】
431. 中 国 - レ ア ア ー
ス・ タ ン グ ス テ ン・
モリブデンの輸出規
制措置
EC
2012/ 3/12 協議要請
【米国、日本、カ
ナダ】
432. 中 国 - レ ア ア ー
ス・ タ ン グ ス テ ン・
モリブデンの輸出規
制措置
関連協定
2011 年 9 月 20 日付け、米国は、中国 GATT
が 米 国 か ら の 鶏 肉 の 輸 入 に つ い て AD 協定
AD 措置及び相殺関税措置を行って SCM 協定
いることについて、調査手続き、措
置 の 決 定 な ど 様 々 な 点 で GATT、
AD 協定及び SCM 協定に非整合とし
て協議を要請。
2012 年 2 月 13 日付け、インドは、ト GATT
ルコが発動した綿糸に対する SG 措 SG 協定
置について、適切な決定を行わずに
措置を発動したこと、同様に適切な
決定を行わずに延長措置を発動した
ことは、SG 協定 2、2.1、3、3.1、4、
4.1
(c)
、4.2
(a)
、4.2
(b)
、4.2
(c)
、5、
5.1、6、7、7.1、7.2、7.3、7.5、8、
12、12.1
(c)及 び GATT19 条 1
(a)に
非整合として協議を要請。
2012 年 2 月 16 日、ベトナムは、米国
AD
によるベトナムからの冷凍エビに対 GATT
する AD 措置、行政見直し及びサン
DSU
セット・レビュー
(ゼロイング使用)
が、AD 協 定 2.1、2.4、2.4.2
(ダンピ
ングの決定)
、6
( 証拠)
、9
( ダンピン
グ防止税の賦課及び徴収)
、11 条
(ダ
ンピング防止税及び価格に関する約
束 に 係 る 機 関 及 び 見 直 し )及 び
GATT6 条
(ダンピング防止税及び相
殺関税)
等に非整合として協議要請。
2012 年 3 月 6 日、米国は、インドに
SPS
よる鳥インフルエンザを理由とした GATT
米 国 産 農 作 物 の 輸 入 禁 止 措 置 は、
SPS 協定 2.2、2.3
( 基本的な権利及び
義務)
、3.1
( 措置の調和)
、5.1、5.2、
5.5、5.6、5.7
( 危険性の評価及び衛生
植物検疫上の適切な保護の水準の決
定)
、6.1、6.2
(有害動植物または病気
の無発生地域及び低発生地域その他
の地域的な状況に対応した調整)
、7
(透明性の確保)
AnnexB 及び GATT
第1条
(一般的最恵国待遇)
、第 11 条
(数量制限の一般的廃止)に非整合と
して協議要請。
2012 年月 3 月 12 日付け、米国は、中 GATT
国が行っているレアアース・タング 中国加盟
ステン・モリブデンに関する輸出規 議定書
制措置は、GATT 第 8 条
(輸入及び輸
出に関する手数料及び手続)
、10 条
(貿易規則の公表及び施行)
、11 条
(数
量制限の一般的廃止)
、中国加盟議
定書加盟議定書パラグラフ 11.3 条
(輸
出入品に課される税及び課徴金)等
に非整合であるとして協議を要請。
2012 年 月 3 月 12 日 付 け、EC は、 中 GATT
国が行っているレアアース・タング 中国加盟
ステン・モリブデンに関する輸出規 議定書
制措置は、GATT 第 8 条
(輸入及び輸
出に関する手数料及び手続)
、10 条
(貿易規則の公表及び施行)
、11 条
(数
量制限の一般的廃止)
、中国加盟議
定書加盟議定書パラグラフ 11.3 条
(輸
出入品に課される税及び課徴金)等
に非整合であるとして協議を要請。
907
3
章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
2012/ 2/16 協議要請
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
第
428. ト ル コ - 綿 糸 に
対する SG 措置
ベトナム
資料編
第 3 章 紛争案件一覧(WTO 発足後の紛争案件)
資料編
案件名
申立国
(番号はWTO 紛争解決
【第三国参加国】
機関のDS 番号に対応)
(DS433〜DS436)
経 過
日本
2012/ 3/12 協議要請
【米国、EC、カナ
ダ】
433. 中 国 - レ ア ア ー
ス・ タ ン グ ス テ ン・
モリブデンの輸出規
制措置
ウクライナ
2012/ 3/13 協議要請
【ブラジル、カナ
ダ、EU、 グ ア テ
マラ、ニュージー
ランド、ニカラグ
434. オ ー ス ト ラ リ ア
ア、ノルウェー、
-タバコ製品の包装
ウルグアイ】
に関する規制に関す
る措置
ホンジュラス
2012/ 4/ 4 協議要請
インド
2012/ 4/12 協議要請
435. オ ー ス ト ラ リ ア
-タバコ製品の包装
に関する規制に関す
る措置
436. 米 国 - イ ン ド か
らの熱間圧延鋼板の
輸入に対する相殺関
税措置
908
主な申立て事由及び
パネル・上級委員会報告の概要
関連協定
2012 年月 3 月 12 日付け、日本は、中 GATT
国が行っているレアアース・タング 中国加盟
ステン・モリブデンに関する輸出規 議定書
制措置は、GATT 第 8 条
(輸入及び輸
出に関する手数料及び手続)
、10 条
(貿易規則の公表及び施行)
、11 条
(数
量制限の一般的廃止)
、中国加盟議
定書加盟議定書パラグラフ 11.3 条
(輸
出入品に課される税及び課徴金)等
に非整合であるとして協議を要請。
2012 年 3 月 13 日、 ウ ク ラ イ ナ は、
TBT
オーストラリアによるタバコ製品の TRIPS
包装に関し、商標を制限し無地パッ GATT
ケージを強制する措置は、TBT2.1、
2.2
( 強制規格の中央政府機関による
立案、制定及び適用)
、TRIPS1、1.1
(義務の性質及び範囲)
、2.1
( 知的所
有権に関する条約)
、3.1
( 内国民待
遇)
、15
( 保護の対象)
、16
( 与えられ
る権利)
、20
( その他の要件)
、27
(特
許の対象)及び GATT 第 3 条
(内国の
課税及び規制に関する内国民待遇)
に非整合として協議要請。
2012 年 4 月 4 日、ホンジュラスは、
TBT
オーストラリアによるタバコ製品の TRIPS
包装に関し、商標を制限し無地パッ GATT
ケージを強制する措置は、TBT2.1
(強制規格の中央政府機関による立
案、制定及び適用)
、TRIPS2.1
(知的
所有権に関する条約)
、3.1
(内国民待
遇)
、15.4
(保護の対象)
、16.1
(与えら
れる権利)
、20
(その他の要件)
、22.2
(b)
( 地理的表示の保護)
、24.3
( 国際
交渉及び例外)及び GATT 第 3 条
(内
国の課税及び規制に関する内国民待
遇)
に非整合として協議要請。
2012 年 4 月 12 日付け、インドは、米 SCM 協定
国がインドからの熱間圧延鋼板の輸
入について相殺関税措置を課してい
ることについて、米国の法令が定め
る補助金の額の算定方法、米国によ
る補助金の認定及び損害の認定等が
SCM 協定の各条項に非整合であると
して協議を要請。
Fly UP