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NetBackup PureDisk White Paper
W H I T E PA P E R : DATA P R OT EC T I O N NetBackup PureDisk による グローバルな データ重複排除の効果 NetBackup PureDisk による ストレージおよび帯域幅の最適化効果を 5 つの事例から考察 Peter Elliman 製品マーケティング担当 (NetBackup プラットフォーム) Stefaan Vervaet テクニカル製品マネージャ (NetBackup PureDisk) White Paper : Data Protection NetBackup PureDisk による グローバルなデータ重複排除 ユーザー環境での重複排除の結果 目次 概要 ....................................................................................................................................2 PureDisk によるデータ重複排除技術をどこに導入するか ................................................3 シマンテックが提供する Veritas NetBackup PureDisk ......................................................3 PureDisk のクライアント側の重複排除を使用した場合のネットワーク帯域幅の節約........5 NetBackup PureDisk のクライアント側の重複排除の理解 .............................6 重複排除と圧縮の比較....................................................................................6 ファイル形式による PureDisk の重複排除.....................................................7 Microsoft Exchange Server のバックアップの検証 .........................................7 重複排除の最初の 10 日間の結果 ...............................................................9 帯域幅の最適化とストレージの最適化.............................................................................10 PureDisk の重複排除によるストレージの最適化.............................................................11 まとめ................................................................................................................................13 詳細情報の入手先 ...........................................................................................................13 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー 概要 企業は、データ保護に関する課題に対する新しい取り組み方法を模索しています。 データの増加 は今に始まったことではありませんが、その増加率はさらに大きくなり、データの格納場所は分散さ れ、バックアップデータの管理はますます複雑になっています。 データ重複排除技術は、企業の バックアップに必要なストレージの容量を大幅に減らし、万全なディザスタリカバリのために複数の サ イ ト の バ ッ ク ア ッ プ デ ー タ を 効 率 良 く 集 中 化 す る こ と が で き ま す 。 シ マ ン テ ッ ク Veritas NetBackup PureDisk は、データ重複排除テクノロジにより、データ保護に関する課題の解決を支 援します。 NetBackup PureDisk がユーザーに提供する主なメリットには、柔軟な重複排除テクノロジ、極めて スケーラブルなソフトウェアベースのストレージシステム、NetBackup との統合によるさらなる機能 拡張があります。 PureDisk の重複排除テクノロジは、地理的に離れた異なるバックアップ環境に 導入できます。 サーバーに PureDisk クライアントを導入すると、バックアップ処理の開始点にこ のテクノロジを導入できます。または、クライアントを使用せずに、NetBackup メディアサーバーが データをディスクに書き込む際のバックアップ処理の終了点に導入することもできます。 導入され ている場所にかかわらず、NetBackup PureDisk はバックアップ処理を向上し、以下の効果を実現 します。 y 従来のネットワークベースのバックアップと比較し、帯域幅を 最大 500 分の 1 に削減する y 従来のテープベースのバックアップ方式と比較し、バックアップストレージの消費量を 10 分の 1 から 50 分の 1 にまで削減する データ重複排除テクノロジは 5 年以上前から存在する技術ですが、多くの企業ではまだ重複排除 による運用上およびストレージにおける飛躍的な効率改善の実現にはいたっていません。 この文 書では、実際の 5 つのユーザー環境について検証し、さまざまな環境、オペレーティングシステム およびアプリケーションにおいて NetBackup PureDisk を使用することで実現する成果を示します。 例として、以下のようなことが明らかになりました。 y テープメディアを使用した従来のバックアップ方式と比べて、PureDisk ではバックアップスト レージを 10 分の 1 以下に削減できる y PureDisk の重複排除では、Office データが存在するファイルサーバーにおいては帯域幅を 97% 以上削減できる y PureDisk では、Microsoft Exchange の PST をバックアップする場合のストレージを 98% 以 上削減できる 2 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー PureDisk によるデータ重複排除技術をどこに導入するか NetBackup PureDisk のデータ重複排除テクノロジをどこに導入するかを検討するには、このテクノ ロジによってもたらされる帯域幅とストレージの効率改善効果を理解する必要があります。 y PureDisk のデータ重複排除テクノロジはどこで活用できるか y PureDisk のクライアント側での重複排除では、どのような帯域幅の節約につながるか y 異なるファイル形式、オペレーティングシステム、Microsoft Exchange などのアプリケーション を使用する場合、典型的な重複排除率はどの程度か シマンテックが提供する Veritas NetBackup PureDisk シマンテックが提供する Veritas NetBackup PureDisk は、データ重複排除による帯域幅およびス トレージの最適化と、NetBackup との連携を実現します。 NetBackup プラットフォームの一部とし て、 PureDisk は、分散したデータの集中管理と、ディスク上にあるバックアップデータのストレージ の最適化、ディザスタリカバリのためのテープのローテーションや使用回数の削減を実現します。 データ重複排除テクノロジは、クライアントベースの重複排除では帯域幅とストレージ使用量の最 適化のために導入することができ、ターゲット側の重複排除では単にストレージのみを最適化する ように導入することもできます。 分散されたサーバー NetBackup PureDisk および PureDisk ストレージプール PureDisk クライアント 最適化 (重複排除) されたデータストリーム 図 1. クライアント側の重複排除 3 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー クライアント側の重複排除には、保護するシステムにクライアント (エージェント) が必要です。 こ のクライアントは、バックアップ対象に転送する前にデータ量を削減します。 このエージェントは、 帯域幅またはスループットが制限されている環境のシステム (通常は、リモートオフィス、中規模 のオフィスに分散されているサーバー、ゲスト OS などの仮想サーバー) に導入されるのが一般 的です。 データセンター環境ではよくあることですが、バックアップ処理で帯域幅の制約に問題がない場合、 ターゲットベースの重複排除システムの導入が好ましい場合もあります。これは、ほとんどのケー スでは既存のバックアップアーキテクチャへの変更を最低限に抑えることができるためです。 ターゲットベースの重複排除システムには、ハードウェアベース (装置) とソフトウェアベースの 2 通りの方法があります。 NetBackup PureDisk 6.5 (2008 年より販売開始予定) では、シマン テックは、NetBackup 向けにソフトウェアベースの重複排除ストレージシステムの提供を開始予定 で、これにより、ユーザーは、場所やストレージの種類に関係なくバックアップデータを収容できるよ うになります。 PureDisk の重複排除テクノロジでは、ユーザーは、より多くのバックアップデータを データセンターのディスクに保管できるだけでなく、帯域幅を効率化したディザスタリカバリサイトへ のデータレプリケーションを実現できます。 データセンターのサーバー NetBackup メディア サーバー PureDisk 重複排除 エンジン 従来のストリーミングバックアップ (IP) ファイバーチャネル (FC) 図 2. ターゲット側の重複排除 (2008 年発表予定) 4 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー PureDisk のクライアント側の重複排除を使用した場合のネットワーク帯域幅の 節約 NetBackup PureDisk の重複排除では、バックアップに必要なネットワーク帯域幅を大幅に削減す ることができます。 データ重複排除テクノロジには、Windows、Linux および UNIX に渡るオペ レーティングシステムの、単一のシステムから数千のシステムにいたるまで、バックアップサイズを 削減することができ、128 KBps であれ 1 MBps であれあらゆる環境に適用できます。次の表では、 「削減レベル」(PureDisk による日次バックアップと従来の完全バックアップのサイズの比較) と 「削減係数」(1 つの完全バックアップに相当する PureDisk 日次バックアップ数の測定値) を示し ています。 ユーザー 業種 ソースデータの種類 A 官公庁 Microsoft Windows Server 2003 ファイルサーバー ソース データ量 (GB) 1 日の 転送量 (GB) 削減 レベル 削減 係数 714 1.50 (0.21%) 99% 476:1 2,683 20.72 (0.77%) 99% 130:1 1,073 22.76 (0.21%) 97% 47:1 4,332 11.23 (0.26%) 99% 386:1 848 1.14 (0.13%) 99% 744:1 (ドキュメントのみ) B 製造業 Microsoft Windows Server 2003 および UNIX のファイルサーバー (Office ドキュメントを使用) C 金融業 Office ファイル、 Microsoft Exchange、 Microsoft Windows レジストリ (20%) D 官公庁 Microsoft Windows Server 2003 ファイルサーバー E 石油 および ガス Microsoft Windows Server 2003 ファイルサーバー (ドキュメントのみ) サーバー/クライアントの数は 10 から 300。保持期間は 11 日から 331 日。 表 1. 5 つの事例からみる NetBackup PureDisk による帯域幅の最適化 5 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー NetBackup PureDisk のクライアント側の重複排除の理解 典型的なバックアップとして、週次で完全バックアップを実施し、それ以外のすべての曜日に増分 バックアップを実行する手法があります。 PureDisk のクライアント側の重複排除では、この概念 は適用されません。 NetBackup PureDisk では、初回に完全バックアップが一度だけ必要で、そ れ以降は新しいファイルまたは変更されたファイルは、従来のバックアップ処理で使用される変更 日などのファイル属性ではなく、データのフィンガープリントアルゴリズムによって、特定されます。 このアプローチによって、非常に小規模な日次バックアップが可能になり、任意の日の任意のバッ クアップから完全なイメージをリカバリすることができます。 表 1 のソースデータ量は、1 日に保護する必要のあるすべてのシステムのデータの総量を示し ています。 通常のバックアップサイクルでは、このすべてのデータが、週ごとの完全バックアップの 実行時にネットワーク経由で転送されます。 PureDisk のクライアント側の重複排除は、このため に要するネットワークに対する負担を軽減します。 1 日の転送量は、1 日に移動されるバックアッ プデータ量の平均を示しています。 クライアント側の重複排除では、重複とも言える完全バック アップの概念が無くなるため、ここで示されるデータ量は、「完全」バックアップと「増分」バックアップ の両方で移動されるデータの量と比較することができます。 2 つの異なる測定値を使用して重複排除の結果を示しているのは、ユーザーによって結果データ の必要性が異なるためです。 前述したとおり、削減レベルの測定値は、バックアップに必要な 1 日の帯域幅とストレージの削減を示す、分かりやすい相対的な測定値 (1-(1.5 GB / 714 GB) = 99%) です。 削減係数はソースボリュームの係数 (714 GB / 1.5 GB = 476:1) でこの情報を示し ており、週に一度の完全バックアップで消費する帯域幅に相当する PureDisk の日次バックアップ 数を容易に確認できます。 なお、これらのユーザーが対象とする保護範囲は多岐にわたり、その 保持期間は 11 日から 331 日までとさまざまでした。 重複排除と圧縮の比較 バックアップサイズの削減という観点で、圧縮テクノロジと重複排除テクノロジは比較の対象となる ことがよくあります。しかしながら、これらのアプローチの処理と結果はまったく異なります。 圧縮は、 ファイル、ディレクトリ、さらにボリュームにも適用できますが、根本となるデータ自体の認識をする ことができないため、異なるディレクトリに同じファイルが 2 つ存在していても、それを認識できま せん。 さらに重要なことに、圧縮アルゴリズムは、重複排除の処理とは異なり、変更されたデータ を認識することも、サブファイルレベルにあるこれらの一意のブロックを取得することもできません。 つまり、圧縮は、対象となるデータのサイズを削減することはできますが、コンテンツの認識が欠け ているため、このデータを保管するスペースにおいて違いが出てきます。 たとえば、リモートサーバーのデータをバックアップする場合に、そのデータをバックアップする前に 圧縮し、2:1 から 3:1 の圧縮率が達成できたとします。 6 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー その場合、サイズが小さいファイルがローカルのバックアップアプリケーションまたはネットワークを 介して中央のバックアップアプリケーションに転送されます。 NetBackup PureDisk の重複排除で は、圧縮が行われる前に、このリモートサーバーのファイルがすでに格納されているものと同じファ イルであることが認識されます。この場合、非常に小さいファイル (フィンガープリント) のみが転 送され、格納されます。 同じ PureDisk ストレージプールにデータを転送するシステムは、同じ データがすでに転送され、格納されているのを認識することができます。 また、重複排除に加えて、 PureDisk は、ファイルを構成する一意のデータセグメントのデータを圧縮することもできます。 ファイル形式による PureDisk の重複排除 データの変更率およびファイル形式は、重複排除のレベルに影響します。 重複排除処理は、圧縮 されていないファイル形式に対して最も効果的です。 車の燃費が天候や道路状態によって異なる ように、重複排除の効果は、ソースデータの種類とそのデータの変更率によって異なります。 次の 表に、一般的なデータの種類における PureDisk 重複排除の結果のガイドラインを示します。 ソースデータの種類 重複排除の 最適化の範囲 1 日に転送されるデータ (PureDisk クライアント) Microsoft Exchange (PST) 98% - 99.8% 0.25% - 2.0% Office ドキュメント 98% - 99.8% 0.25% - 2.0% Microsoft Exchange Server 2003 90% - 99.5% 0.5% - 8.0% System State 80% - 90% 10% - 20% 表 2. データの種類ごとの重複排除の効率 重複排除の最適化の範囲は、重複排除を実行した後に転送されないソースボリュームデータの量 を示しています (この値が高いほど、1 日に転送され格納されるデータの量は少なくなります)。 このことから、「図 2. ターゲット側の重複排除 (2008 年発表予定)」においては、Office ドキュ メントのバックアップでは、通常、初回バックアップ後のデータが 98% から 99% 重複しているこ とがわかります。 Microsoft Exchange Server のバックアップの検証 アプリケーションデータに対する変更は、予測することが非常に困難です。 以下に、実際のユー ザー事例から採取した Microsoft Exchange Server での平均的なバックアップ環境のデータ増加 による影響と、PureDisk がこれらの影響をどのように軽減するかを示します。 7 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー Microsoft Exchange などのアプリケーションは、頻繁にサイズが変更される非構造化データを制 御するため、この情報は重要です。 データの増減は、一時的に最適化に影響を与える可能性が あり、予測不可能な場合があります。 MS Exchange Server のソースボリューム GB) ボリューム ( 転送される一意のデータ バックアップジョブ 図 3. MS Exchange Server のソースボリュームの増加と対応する転送データの例 「図 3. MS Exchange Server のソースボリュームの増加と対応する転送データの例」には、転送 される Exchange Server データ (緑) と元のソースボリュームデータ (紫) の 34 日間の比較 が示されています。 表 2 に示したとおり、1 日に転送されるデータ量 (保護されるソースデータ の割合) の範囲は、0.5% から 8% までと広い範囲にわたっています。 さらに詳しく調べると、 予期しない環境の変化もこれらの測定値に影響していることがわかります。 最初の 23 日間は安定した期間が続いています。 この期間、保護されるソースデータ量と 1 日 に転送されるデータの量は比較的一定の状態に保たれており、1 日に転送されるデータの量の平 均は 0.5% 前後で推移しています。 24 日目から 30 日目までの間に、ユーザーは Exchange Server メールボックスを追加したため、保護するソースデータが急増し、それに伴い 1 日に転送 されるデータが急増しています。 ただし、グラフの最高点を見るとわかるように、この急上昇は一 時的なものでした。 33 日目以降、ソースボリュームと 1 日に転送されるデータは、新しい一定の 平均値に下降しました。 PureDisk はこのようにシステムの変更に即座に対応し、IT システムへ の影響を最低限に抑えることができます。 8 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー 重複排除の最初の 10 日間の結果 PureDisk の重複排除テクノロジは、より多くのクライアントを対象にすることで、効果が高くなりま す。 クライアントベースの重複排除を使用している場合、あるクライアントが別のクライアントから 受ける良い効果をすぐに見ることができます。 より多くの PureDisk クライアントが同じデータプー ルにアクセスすると、後続の各クライアントは、以前のクライアントが転送したデータによって、その 利益を享受できます。 この効果は、初回のバックアップの時点で発揮され、時間が経つほどに大 きくなります。 「図 4 - NetBackup PureDisk が 10 クライアントの場合のグローバルな重複排除 による効果」では、一連のクライアントの初回のバックアップとそれ以降のバックアップを 10 日間 比較しています。 転送される一意のデータの量 ( ソースデータに対する割合) 導入に際した重複排除の動作 バックアップジョブの経過時間 (日) 図 4. NetBackup PureDisk が 10 クライアントの場合のグローバルな重複排除による効果 重複データは、最初の完全バックアップの開始時に除外されています。 y 軸には、最初のバック アップ時に転送されたデータ量が、元のソースデータ量の 10% から 40% の範囲であったことが 示されています。 つまり、これら 10 クライアントのデータ全体の 60% から 90% は、重複で あったため、ネットワークを介して転送したり、バックアップメディアに書き込んだりする必要があり ませんでした。 5 日目または 6 日目までには、すべてのバックアップクライアントが、圧縮されて いない完全バックアップと比較すると非常に高い最適化レベルを達成しました。 9 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー 帯域幅の最適化とストレージの最適化 重複排除の重要性を議論する際に行き着くのは、帯域幅の節約とストレージの節約についてです。 クライアント側の重複排除のアプローチでは帯域幅の節約とストレージの節約が行われますが、 ターゲット側のシステムではストレージの削減のみが行われます。 したがって、従来のストリーミン グバックアップとクライアント側の重複排除を使用したバックアップを帯域幅で比較すると、特定の 保持期間では、「重複排除による節約」に軍配が上がります。 この帯域幅の節約によって、 NetBackup PureDisk クライアントは、分散サーバーまたは仮想マシンゲストのような帯域幅 (お よび I/O) が制限されている環境を保護する最適なテクノロジとなります。 バックアップ形式 従来の ストリーミングバックアップ (ソースデータに対する割合) PureDisk クライアント の重複排除 (ソースデータに対する割合) 帯域幅の削減係数 (従来との比較) 完全バックアップ (初回) 100% 25% 4 分の 1 増分バックアップ 12% 1% 12 分の 1 完全バックアップ (2 回目以降) 100% 1% 100 分の 1 表 3. バックアップ形式ごとのデータの平均ボリュームの比較 従来の完全ストリーミングバックアップでは、データの 100% がネットワークを介してバックアップ アプリケーションに転送されます。 その後、バックアップアプリケーションによってデータがメディア ソース (通常はテープまたはディスク) に送信され、圧縮(重複排除)されます。 保護するシステ ムに NetBackup PureDisk クライアントがインストールされていると、データがネットワークに移動 する前にデータの重複が排除されます。 「表 3 - バックアップ形式ごとのデータの平均ボリューム の比較」に示すように、PureDisk クライアントによって実行される初回の完全バックアップは、通常、 4 分の 1 程度 の帯域幅で実行できます。 NetBackup PureDisk クライアントによって作成される増分バックアップでは、帯域幅が 12 分の 1 に改善されることが示されています。これは、PureDisk 重複排除テクノロジによって、ファイル全 体ではなく、変更されたファイルの変更されたセグメントのみがバックアップされるためです。従来 のストリーミングバックアップでは、ファイル全体がバックアップされます。 また、従来のバックアッ プのアプローチでは、2 回目以降の完全バックアップを実行する必要があり、このバックアップでも 大容量の帯域幅が必要になります。一方、PureDisk クライアント側の重複排除では、ネットワーク を移動するデータが通常 100 分の 1 程度に削減されます。 「合成バックアップ」(NetBackup の機能) によって、新しい完全バックアップを実行する代わりに、以前の増分バックアップに基づい て新しい完全バックアップを組み立てることで、毎週の完全バックアップによる帯域幅の消費量を 削減することもできます。ただし、合成バックアップのアプローチには、PureDisk の重複排除で提 供される高度なデータ削減機能はありません。 10 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー PureDisk の重複排除によるストレージの最適化 クライアント側とターゲット側の重複排除のアプローチでは、どちらも同一レベルのストレージ最適 化を実現できますが、バックアップデータのパスにおける最適化のタイミングが異なります。 ター ゲット側のアプローチでは、データがディスクに書き込まれる前に重複データが排除されます。 ユーザーが実行するストレージ最適化のレベルは、データの種類、データの変更率および保持期 間によって異なります。 最適化される容量は、典型的な Office ファイル形式の場合に最も大きく なります。 最適化される容量が最も小さいのは、音楽、映像、医療画像などに使用される圧縮され たデータ形式です。 また、保持期間が長くなると、重複排除によって得られる利益も、従来のバッ クアップアプローチと比較して大きくなります。 以降の表 で、 官公庁(ユーザー A) での 環境におけ る、従来のバックアップと NetBackup PureDisk のクライアントベースの重複排除を比較します。 次の結果を得ることができました。 y 完全バックアップでの帯域幅の削減: 476 分の 1 y 保持期間中のストレージの削減 (圧縮テープと比較): 14 分の 1 最初の表 (「表 4. ユーザー A の帯域幅の最適化」) に、ユーザーの環境と、NetBackup PureDisk による帯域幅の節約の概要を示します。この結果で重要なのは、これらのシステムに対 して 1 日に転送され格納されるデータの総量が、1.5GB/日に減少していることです。 ユーザー 業種 ソースデータの種類 A 官公庁 Microsoft Windows Server 2003 ファイルサーバー (ドキュメントのみ) ソース データ (GB) 1 日の 転送量 (GB) 削減 レベル 削減 係数 714 1.50 (0.21%) 99% 476:1 表 4. ユーザー A の帯域幅の最適化 次の表 (「表 5. 完全バックアップと増分バックアップのストレージの比較 - ユーザー A」) では、 PureDisk によるストレージの最適化と、テープを使用したアプローチを比較します。 より深い理解 のために、完全バックアップと増分バックアップの両方でこれらの節約を比較しています。 11 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー バックアップ形式による ストレージの最適化 テープに書き込まれるデータ (圧縮) NetBackup PureDisk 完全バックアップ (ソースに対する割合) 50% 22% 完全バックアップのサイズ (GB) 357 GB (714 GB の 50%) 157 GB (714 GB の 22%) 増分バックアップ (ソースに対する割合) 4.0% 0.21% 増分バックアップのサイズ (GB) 29 GB (714 GB の 4%) 1.5 GB (714 GB の 0.21%) 表 5. 完全バックアップと増分バックアップのストレージの比較 - ユーザー A 最後の表では、保持期間中のストレージの節約の合計をデータセットごとに示します。 ユーザー A の保持期間は 42 日 (6 週間) で、毎日のリカバリポイントが必要でした。 ユーザーは、これ らのリカバリポイント目標 (RPO) に従って、6 回の完全バックアップと 36 回の増分バックアップ を実行しました (42 日間の保持)。 NetBackup PureDisk では、同じ期間 (合計 42 日間) で 1 回の完全バックアップと 41 回の増分バックアップを実行しました。ただし、完全バックアップと 同等のリカバリが常に可能な状態でした。 バックアップ形式による ストレージの最適化の集計 テープに書き込まれるデータ (圧縮) NetBackup PureDisk 格納される完全バックアップ 2.1 TB (357 GB×6 回) 0.15 TB (157 GB/1024) 格納される増分バックアップ 1 TB (29 GB×36 回) 0.06 TB (1.5 GB×41 回) 必要なストレージの合計 3.1 TB 0.21 TB ストレージの最適化とテープ (圧縮) の比較 14 分の 1 (3.1 TB / 0.21 TB) 表 6. ストレージ最適化の比較の集計 - ユーザー A 重複排除の比較についてのより深い理解のため、帯域幅とストレージの最適化の数字を並べて示 しています。 言うまでもなく、NetBackup PureDisk クライアントによる帯域幅の最適化によって、 ネットワークの帯域幅が制限された環境 (リモートオフィス、分散サーバー、仮想マシン) でのシス テム保護の集中管理を可能にします。 また、PureDisk の重複排除によるストレージの最適化に よって、複数の場所にあるディスクへのバックアップデータの格納とその管理をコスト効率良く行う ことができます。 12 NetBackup PureDisk 重複排除に関するテクニカルホワイトペーパー まとめ NetBackup PureDisk テクノロジは、クライアントベースのデータの重複排除により帯域幅の利用 の効率化と、ターゲットベースの重複排除によるストレージの最適化の両方を実現できます。 リ モートオフィスで分散サーバーを使用している環境では、NetBackup PureDisk によるスタンドアロ ンソリューションが最適です。クライアントベースの重複排除を使用することで、リモートオフィス、 データセンターおよび仮想環境に分散されたデータを、効率化された帯域幅と最適化されたスト レージを使用して保護することができます。 データセンター内のシステムの場合、PureDisk Deduplication Option を使用して、NetBackup に 統合されているターゲットベースの重複排除を利用できます。 このように、シマンテックのソリュー ションでは、NetBackup PureDisk テクノロジを導入する場所にかかわらず、サーバーとストレージ を任意に組み合わせて、スケーラブルな重複排除ストレージシステムを構築できます。 データの 削減結果は、データの種類、データの変更率、サーバーの数によって左右される場合があります が、それでも PureDisk テクノロジによる管理とストレージコストの効率化は有益です。 詳細情報の入手先 追加のホワイトペーパーおよび NetBackup PureDisk に関するその他の情報は、シマンテック社 の Web サイトの製品ページで入手できます。 (http://www.symantec.com/ja/jp/business/products/overview.jsp?pcid=2244&pvid=1381_1) 米国内のシマンテック社営業部門 (800-745-6054) に問い合わせることもできます。 米国以外 の地域の問い合わせ先については、シマンテック社の Web サイトをご覧ください。 (http://www.symantec.com/jp) 13 免責事項:本書は、現状のままで提供されるものであり、その商品性、特定目的への適合性、または不侵害の暗黙的な保証を含む、明示的あるいは暗黙的な条件、表明、および保証はすべて免責されるものとします。ただし、 これらの免責が法的に無効であるとされる場合を除きます。 Symantec Corporation およびその関連会社は、本書の提供、パフォーマンスまたは使用に関連する付随的または間接的損害に対して、一切責任を負わないもの とします。本書の内容は、事前の通知なく、変更される可能性があります。 Copyright ©2008 Symantec Corporation. 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