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炭焼き体験 ドラム缶製の炭窯 この中に竹を入れて炭を焼きます。 奥に
炭焼き体験 ○ドラム缶製の炭窯 この中に竹を入れて炭を焼きます。 奥に立っているのが煙突です。 炭窯の中全体の温度が均一になる よう、煙突は下の方に付いていま す。これは、煙突が上方に付いて いると竹が燃えてしまい炭ではな く灰になってしまうためです。 ○竹割り 炭窯に入れる炭材を作るために、 竹割機を使って竹を4~7つに割 ります。昔から「木元竹裏」と言 われており、木は根元の方から、 竹は先端の方から割るのがポイン トです。 ○竹の節取り 窯の中に竹材をより多く詰める ために、竹に残っている節をナタ を使って取り除きます。 ○窯入れ 竹材をドラム缶窯の中へ詰めま す。いかに多くの竹材を詰められ るかがポイントです。(当然、多 く詰めれば詰めるほど焼ける炭 の量も多くなります。) また、焼いている途中に竹から染 み出る水分が貯まらないように、 竹はアーチが上になるように詰 めていきます。 ○窯入れ完了 ドラム缶窯いっぱいに竹材を詰 め込みました。引っ張ってもびく ともしないほど詰め込んであり ます。 ○下穴 ドラム缶(炭窯)の下3分の1ほ どが入る穴を掘ります。穴はドラ ム缶の煙突の方が若干下になる ように斜めにします。これは、竹 から出た水分などを煙突方向に 流すためです。 ○焚き口の取り付け 竹材を詰め終えたら、窯に前蓋兼 焚き口を取り付けます。 窯と蓋に隙間が出来ないように 粘土でしっかりと隙間をふさぎ ます。 そして、窯の気密と保温のために 窯全体にある程度の土をかけま す。 ○火起こし 窯に火を入れる前に、まず窯の外 で火を起こします。(これが意外 と難しい!?) 火起こしは、まず小さいものから 少しずつ点けます。この火起こし で、炭焼きの90%は決まってし まう…!? ○火入れ 火起こしが出来たら、いよいよ火 入れです。焚き口に火のついた木 をくべます。 この段階では、中の竹を「燃やす」 のではなく、「煙でいぶす」とい うのが正しい炭の焼き方です。煙 を炭窯の中へ入れることによっ て、炭窯の中を温めていきます。 また、クヌギやマツなどの堅い木 を用いると強い煙が出るので良 い炭ができます。 ○いぶし ひび割れのない良い炭を焼くた めに、竹を煙でいぶします。この 時、竹が燃えないようにするのが ポイントです。今では珍しい「吹 き竹」を用いていぶしますが、あ まり強く焼きすぎると炭材が灰 になってしまいます。 ○炭化 煙突の温度が約 75℃になったら、 5cm四方ほどの通気口を残し て焚き口の蓋を閉めます。この時、 窯の中で竹が徐々に炭に変わっ ていきます。 なお、通気口を残して蓋を閉める のは、空気の入る量が多すぎて、 通気口 炭が灰になってしまわないよう にするためです。(約 12 時間) ○温度測定 炭窯の中は見ることができない ので、煙突内部などの温度によっ て管理するしかありません。 最初は1時間に1回程度でも良 いのですが温度が徐々に上がっ ていくので、150℃を越えたあ たりから30分に1回・15分に 1回…と、こまめに温度測定をし ます。 ○精錬 煙が無色透明になり炭化が終了し 煙突内部の温度がほぼ一定になる か下がり始めたら15分ほど通風 口を開け、一気に酸素を入れて余 分なガスを燃焼させる作業「精錬」 をします。 この一瞬だけ、焼いている途中の 炭窯の内部を見ることができます が、焚き口から見える真っ赤な竹 は神秘的です。 ○消火・冷却 精錬をかけた後、写真のように焚 き口と煙突を土でふさぎ炭材を 消火冷却します。(約 10 時間) 炭窯の中の温度が70℃以下に なったときに開けないと、せっか く出来ていた炭が自然発火して 燃えてしまいます。 ○窯開け 窯がすっかり冷えたら、窯を開け、 炭材を取り出します。 ○完成 めいっぱい詰めたはずの竹が、水 分を出して3分の1ほどになっ てしまいました。 炭を焼いたときに出るものはす べて使えると言われるほど、無駄 な部分はありません。 ドラム缶で1000℃以上まで 上がった炭…果たしてどのよう な特性を持っているのでしょう か? ○講義 講師の土屋さんから炭の焼き方 から炭の利用方法・効能まで幅広 い話を聞きました。 ドラム缶窯の温度変化 煙突温度(℃) 1200 窯内温度(℃) 窯内最高温度 1060℃ 1000 600 400 200 時刻 時刻 煙突温度(℃) 窯内温度(℃) 備考 2003/8/20 11:40 2003/8/20 12:00 33 - 焼き始め 2003/8/20 12:20 28 - 煙突を長く 2003/8/20 13:00 52 - 2003/8/20 13:40 73 - 2003/8/20 14:10 80 - 2003/8/20 14:30 74 - 2003/8/20 16:15 80 - 2003/8/20 18:00 83 - 2003/8/20 19:35 100 - 2003/8/20 21:00 115 - 2003/8/20 22:00 160 - 2003/8/20 23:00 220 - 2003/8/20 23:45 270 - 2003/8/21 0:00 290 - 2003/8/21 0:30 338 - 2003/8/21 1:00 420 - 2003/8/21 1:10 460 - 2003/8/21 1:25 540 - 2003/8/21 1:30 540 820 2003/8/21 1:35 - 1020 2003/8/21 1:36 - 1060 2003/8/21 1:45 - 840 2003/8/21 1:55 - 720 2003/8/21 2:00 - 690 2003/8/21 8:00 - 130 2003/8/21 9:00 - 80 土を被せた 精錬開始 精錬終了 土を取り除く 11:00 9:00 7:00 5:00 3:00 1:00 23:00 21:00 19:00 17:00 15:00 13:00 0 11:00 温度(℃) 800 このドラム缶焼きは沼津高専平成 15 年度公開講座(中学生対象)の一部です。 炭焼き講師は、静岡県田方郡函南町で巨大な窯にて電気抵抗の小さい(数オーム)竹炭を 焼いておられる土屋常正氏(富士活水理研:社長、炭との関わり 24 年)にお願いしていま す。 本講座では、2日間は炭焼き、1日半は炭に関する講義、竹炭の特性調査(顕微鏡観察 や水質検査等の自由研究)、竹炭ペンダント制作などを行っています。