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特別レポート
東レ株式会社・株式会社東レ経営研究所共催 繊維産業シンポジウム講演抄録
産業資材・生活資材用繊維の動向と
東レの中期事業戦略
去る 3 月 6 日に、金沢市の ANA クラウンプラザホテル金沢において、東レ株式会社と株式会社東レ経営
研究所の共催で、繊維産業シンポジウム『北陸産地の復権を目指して』を開催しました。当日は、DOWA
ホールディングス株式会社吉川廣和代表取締役会長・CEO、一橋大学イノベーション研究センター米倉誠一
郎 センター長・教授、東レ株式会社中川秀勝取締役の 3 人の講師にご講演いただきました。本号では、その
うち、中川秀勝取締役の講演内容をご紹介いたします。なお、弊社の経営情報誌『経営センサー』5 月号にて
吉川廣和代表取締役会長、6 月号にて米倉教授の講演内容を別途ご紹介いたします。
材・生活資材用途の中期事業戦略としてお話しさ
せていただきます。
第Ⅰ部 世界と日本の繊維動向
合成繊維の歴史は 1932 年のナイロンの発明から
始まり、コストと汎用性の高さから次第にポリエ
ステルが中心となりました。90 年代以降、ポリエ
ステルでも特にフィラメントが急成長してきまし
たが、2008 年は、前半の原料高と、後半の世界同
東レ株式会社 取締役
繊維事業本部 産業資材・衣料素材事業部門長
兼 繊維リサイクル室長
中川 秀勝(なかがわ ひでかつ)
1970 年一橋大学 経済学部卒。東レ株式会社入社。繊維マー
ケティング部長、マーケティング企画室長 兼 EC推進室長を
経て、2006 年トーレ・インダストリーズ・インドネシア社
社長。インドネシア・トーレ・シンセチックス社社長。セン
チュリー・テキスタイル・インダストリーズ社社長。
OST ・ファイバー・インダストリーズ社社長。2007 年取締
役繊維事業本部ファイバー事業部門長 兼 繊維リサイクル室
長。2008 年取締役繊維事業本部産業資材・衣料素材事業
部門長 兼 繊維リサイクル室長、現在に至る。
時不況の影響により、速報値ベースで、全素材で
前年比減少となりました(図表 1)。
図表 1
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東レの中川でございます。本日は「産業資材・
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出所: Fiber Organon、化繊協会速報値(08)
生活資材用繊維の動向と東レの中期事業戦略」と
いう演題で、第Ⅰ部 世界と日本の繊維動向、第
生産国では中国が桁違いの規模で成長を続けて
Ⅱ部 産業資材・生活資材用繊維事業における重
きましたが、その中国ですら、2008 年はこれまで
点事業分野と Innovation の推進、第Ⅲ部 産業資
の 2 桁増の成長率から約 3 %増と、急減速しまし
4
繊維トレンド 2009 年 5・6 月号
産業資材・生活資材用繊維の動向と東レの中期事業戦略
た。更に、中国以外の主要国の動向を見ますと、
2007 年に 6,900 万トンで、これを用途別に見ると、
第 2 の成長国として注目されてきたインドも 2008
産業資材が 1,200 万トン、生活資材が 1,400 万トン
年は前年比▲ 8 %となり、こうした変化は 2008 年
と、両用途で全体の 4 割を占めています(図表 3)
。
の世界同時不況の影響がいかに深刻であるかを物
図表 3
語っています(図表 2)。
世界の全繊維 用途別ミル消費量推移
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図表 2
主要国・地域の合成繊維生産量
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出所: PCI 特別調査レポート 08.4
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出所: Fiber Organon、化繊協会速報値(08)
この割合は 2015 年に向けて大きく変わることが
ないと推定していますが、2009 年までは、点線の
日本の繊維生産は、1960 年代前半まで綿とレー
ヨンが主力でしたが、後半から三大合繊が急成長
矢印で示す通り、世界同時不況による調整局面が
続くものと見ています。
して繊維産業の中心となり、オイルショック時の
しかし、中長期的には、発展途上国での人口増
落ち込みを除いて、ほぼ年間 180 万トン前後で推
に伴い、世界のミル消費は拡大すると考えられ、
移してきました。しかし 90 年代後半以降、中国を
この 2009 年の調整局面を乗り切ることと、次なる
始めとしたアジア諸国からの輸入が急増し、ポリ
好況時に備えることが重要です。
エステルを含めてすべての繊維の生産が減少に転
次に、世界と日本の合繊の産業資材・生活資材
じました。2008 年は更に急減し化合繊全体で 107
用ミル消費推移を見ます。図表 4 は 2008 年 4 月時
万トンの規模にまで縮小しています。
点での予測値です。世界全体では 2005 年の約 1,600
韓国、台湾、日本、中国について用途別の動向
万トンから 2015 年には 2,500 万トンまで拡大する
を見ると、韓台の衣料用は中国の拡大で競争力を
と見ていますが、日本のミル消費は、2005 年の 59
失い大きな山を描きながら落ち込んでいますが、
万トンから 2015 年には 41 万トンまで減少すると予
産業用は輸出の拡大を中心に安定しています。ま
測されており、品質の追求と、新商品・新用途の創
た、日本も衣料用は減少していますが、産業用は
出による事業構造の変革が重要であると言えます。
一定規模を堅持しています。これは、品質追求と
図表 4 世界と日本の「合成繊維」
産業資材・生活資材別 ミル消費量推移
商品開発に加え、多様な用途への適応の結果であ
ると私は考えています。
中国はどの用途も増加基調であり、中でも衣料
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用の急増が目立ちますが、産業用繊維も急拡大し
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ており、特に 2000 年前半からの加速が顕著に見ら
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れます。これに対し、日本の産業用繊維はほぼ横
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這いの規模を維持していますが、たゆまざる品質
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の追求や、新商品・新用途の創出で、その中身の
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強化を図っていくことが今後ますます重要な課題
となると考えます。
さらに、世界全体の産業資材、生活資材、衣料用
ミル消費推移を見ると、天然繊維を含めた全繊維が
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出所: PCI 特別調査レポート 08.4、Red Book 08.10
繊維トレンド 2009 年 5・6 月号
5
特別レポート
一方、原料価格の推移では、石油とナフサの変
当社の資材用繊維事業は 1950 年代の漁網用ナイ
動幅に連動して合繊原料の価格が振れており、そ
ロン以降、様々な用途へ拡大し、三大合繊に加え、
の変動幅について、2000 年 1 月を 100 とした指標
高機能繊維、環境配慮型素材を展開しています。
で見ると、これまで原油やナフサの上昇幅は約 6
こうした多岐にわたる資材用途の中で、これら合
倍となったのに対して、EG、AN など合成繊維の
成繊維の機能性・可能性がさらに貢献できる分野
原料価格の上昇幅は約 3 倍、更に市中価格でみた
として、図表 6 の通り自動車、情報・通信、生活
原糸の上昇幅は約 2 倍にとどまっています。
資材、環境保全という 4 つの重点分野を設定し、
このことから原油やナフサがいかに実体とかけ
現在展開している 74 の用途に加え、今後展開を計
離れた上昇率であったか、また、原糸の価格がい
画している 13 の有望用途と素材(四角く囲った枠
かに原料価格のアップ分を吸収できていないかが
内)での拡大を目指しています。
お分かりいただけると思います。
図表 6 資材重点 4 分野での展開用途と将来に向けた展開
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第Ⅱ部 産業資材・生活資材用繊維事業における
重点事業分野と Innovation の推進
当社は、高分子科学、有機合成化学、バイオテ
クノロジー、ナノテクノロジーといったコア技術
を軸に、“Innovation by Chemistry”をコーポレー
トスローガンとして、企業活動のあらゆる領域に
おける Innovation によって進化と持続的な発展の
実現を目指しています。
産業資材・生活資材用途、いわゆる資材用繊維
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枠内は将来の有望用途
出所:東レ(株)
とコストのあくなき追求、新商品・新用途のたゆ
まざる創造、グローバル展開の推進の 3 点を目標
に掲げ、5 つの切り口で Innovation を推進していま
第Ⅲ部 産業資材・生活資材用途の中期事業戦略
す。
1.事業構造の Innovation
本日はこの 5 つの Innovation のうち、事業戦略
NVC の推進
当社の資材用途の中期事業戦略として、まず、
に深く関わる「事業構造」、「技術」、「競争力」の 3
事業構造の Innovation として取り組んでいる NVC
つの Innovation について第Ⅲ部でお話しさせてい
(New Value Creator)の推進についてご紹介します。
ただきますが、その前に、3 つの Innovation 推進に
ここでは、新製品・新素材を拡大すること、新商
あたって設定しました資材重点 4 分野についてご
流を構築すること、新用途・新規顧客を開拓するこ
紹介させて頂きます。
とという 3 つの切り口でお客様と課題を共有し、
その解決に向け総力をあげて対応します。そのた
めに課題解決型営業への Innovation が必要であり、
図表 5
資材用繊維事業での Innovation の推進
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NVC の 3 つの切り口を念頭に日々営業活動に取り
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図表 7 の通り、上記 4 分野における NVC につい
ては、それぞれに合繊繊維が果たすべき価値、機
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NVC の推進事例−−①自動車分野
まず、自動車分野についてです。PPS やフッ素
繊維などの高機能繊維では各種摺動材やモーター
結束材、長繊維ではエアバッグやカーシートなど、
出所:東レ(株)
6
繊維トレンド 2009 年 5・6 月号
短繊維では吸音材などを展開しています(図表 8)。
産業資材・生活資材用繊維の動向と東レの中期事業戦略
図表 7
資材重点 4 分野での NVC
図表 9 自動車で使用されている合成繊維のパーツ・部材
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出所:東レ(株)
出所:東レ(株)
図表 10
図表 8
自動車分野での繊維事業の展開
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グローバル化するサプライチェーンへの対応
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出所:東レ(株)
出所:東レ(株)
一方、日本における自動車生産は、減少傾向で
環境配慮型素材ではカーシートやドアトリムな
はあるものの、一定の規模は残ると考えられ、国
どが採用されており、将来的には、物性面での難
内工場の生産ラインに密接に組み込まれている
しい課題はありますが、シートベルトやエアバッ
パーツ・部材は国内に残ると予想されます。その
グ向けにも検討していきたいと考えています。
ようなパーツとして、例えば吸音材・遮音材・制
現在、当社を含む自動車産業に関連する企業は
大変厳しい事業環境下に置かれていますが、中長
振材などがあり、国内生産ラインに密着したサプ
ライチェーンの構築を強化することが必要です。
期的には、新興国を中心とした需要の回復と、電
不織布の吸音材を例としますと(図表 11)、車の
気自動車の開発促進・上市などにより、自動車の
天井の部分に使われるルーフライナー、エンジン
生産台数は 2015 年に向けて増加基調に戻ると考え
られます。
図表 9 は自動車で使用されている合成繊維を
図表 11
不織布が使われる部位の国内市場規模
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パーツや部材別に示していますが、これらの部材
やパーツは、大きな流れとしてモジュール化と共
に海外移転が進むパーツと、国内の生産ラインに
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密着し国内に残るパーツとがあり、双方に対応で
きる体制やサプライチェーンを構築していくこと
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が必要です。
図表 10 は、繊維事業に関連する東レグループ各社
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パーツに対しては、こうしたグローバルなネット
ワークを活用し様々な形での対応が可能と考えます。
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出所:東レ(株)
繊維トレンド 2009 年 5・6 月号
7
特別レポート
図表 12
国産パーツ・部材に向けた事業戦略展開
図表 13
全社を挙げた取り組み
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出所:東レ(株)
周りのエンジントップカバー、フロアインシュ
出所:東レ(株)
図表 14
情報・通信分野での繊維事業の展開
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レーターなどがあります。これらの部位に使われ
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る不織布の国内市場規模は、月 3 万 4,000 トン強あ
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り、ルーフライナーがその半分、フロアインシュ
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レーターとダッシュインシュレーターを加えると 3
つの部位で 8 割強を占めていると推定されます。
今後、不織布は合繊の使用比率がますます拡大
すると考えており、不織布メーカーに向けて合繊
の機能性など可能性を訴求し素材代替を推進して
います。今後は、易リサイクル設計によるリサイ
クルの取り組みも進んでいくものと考えています
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出所:東レ(株)
(図表 12)。
更に東レグループでは、グループの総合力を結
集したソリューション提案を行うための取り組み
た材料設計・構造制御・計測評価技術などの技術
の強化を図っており、2006 年 1 月に東レグループ
シーズを元に、高精細、最先端分野でのソリュー
のお客様への総合窓口として自動車材料戦略推進
ションを創造していきたいと考えています。
室を設置し、2008 年 10 月に自動車向け先端材料の
図表 15 は、これまでの展開例ですが、最近の事
開発力強化のため、オートモーティブセンターを
例として電波暗室で使用される電波吸収体をご紹
開所しました。オートモーティブセンターでは、
介させて頂きます。電波吸収体の形態は図表 16 の
先端材料技術、先端加工技術、製品設計支援の技
術融合を図りながら、お客様の初期設計の段階か
ら東レが参画することで、材料の特性を最大限に
発揮する革新的な設計や新たな自動車のあるべき
姿の創造を目指しています。現在、自動車産業は
大きな変革期にありますが、その課題へ全力で対
図表 15
情報・通信分野での展開例
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応していきたいと考えています(図表 13)。
NVC の推進事例−−②情報・通信分野
次に、情報・通信分野では、図表 14 の通り、高
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機能繊維、長繊維、短繊維、環境配慮型素材など
の各分野で展開しており、将来的には、高機能繊
維での絶縁ペーパーの検討や複写機用ペーパーの
拡大をはじめ、4 つのコア技術をベースに蓄積され
8
繊維トレンド 2009 年 5・6 月号
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出所:東レ(株)
産業資材・生活資材用繊維の動向と東レの中期事業戦略
図表 16
電波吸収体における提案
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図表 17
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生活資材分野での繊維事業の展開
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出所:東レ(株)
出所:東レ(株)
通り、従来のものは発泡体ですが、お客様から頂
戴した使用上の問題点として、重くて嵩張るため
輸送・保管コストが高いこと、難燃性が低いこと
図表 18
生活資材分野での展開例
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抄紙による吸収体を暗室メーカーと共同で開発し
ました。そのメリットは、中空構造であるため軽
量であること、それを折り畳んでの輸送も可能で
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あること、また、防炎 1 級レベルの高い難燃性を
有していることであります。
東レグループでは、この電波吸収体など繊維を
始めとする東レグループのすべての素材や材料に
出所:東レ(株)
ついて、情報通信分野での用途開拓や事業化を推
進していくべく電子情報材料、フィルム、繊維な
どの関係部署から成る横断的な組織として IT-SBU
す。お客様からはレーヨンを更に上回る機能性の
が編成されており、今後も IT-SBU と連携して市場
付与が求められており、その実現に向け開発を強
ニーズやウォンツの探索をしっかりと行うと共に、
化していきます。
お客様との密接な関係の構築をし続けていかねば
ならないと考えています。
更に現在、介護の現場に向けて、フッ素繊維の
摺動性を活用したシーツの取り替え器具、衣類脱
着の補助器具といった新用途の開拓などを開始し
NVC の推進事例−−③生活資材分野
次に、3 つ目の生活資材分野についてお話ししま
す。図表 17、18 をご覧下さい。この分野では、長
ており、引き続き安全、快適、衛生、健康、医療、
環境配慮という観点から新規用途開拓を継続して
いきます。
繊維でカーテンなどのインテリア用の素材、短繊
生活資材用繊維事業では、このように需要を
維でシップ剤向けの貼付 基材、衛材、オムツ、寝
しっかり把握し、お客様へ合成繊維の機能性を提
具など、環境配慮型素材で水切りネットや空調用
案し合成繊維への素材代替を目指すと共に、新しい
フィルターを展開しています。
価値の創造を推進・強化していきたいと考えます。
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例えば短繊維のワイピングクロスですが、この
用途における合繊の優位性は保水性、吸水拡散性、
NVC の推進事例−−④環境保全分野
安全性、速乾性、かさ高性、強度、そしてコスト
最後に環境保全分野についてご紹介します。図
といった点にあります。こうした優位性から、現
表 19 はその展開用途を素材別に示しています。さ
行素材のレーヨンの部分を、耐久親水原綿という
らに図表 20 は、「二酸化炭素の削減」、「空気・水
ポリエステル短繊維に代替すべくお客様である不
浄化」、「国土・都市の環境保全」の切り口で展開
織布メーカーの方々と共に課題に取り組んでいま
例を示したものですが、今後も、例えば高機能繊
繊維トレンド 2009 年 5・6 月号
9
特別レポート
図表 19
環境保全分野での繊維事業の展開
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技術である高分子科学、有機合成化学、ナノテク
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環境保全分野での展開例
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フッ素繊維、PLA 繊維、ナノファイバーの 4 素材
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図表 21 は、素材別の展開用途を図示したもので
図表 21 技術シーズと市場ニーズ・商品・用途を繋ぐ
技術プラットホーム
出所:東レ(株)
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と先端材料を創出し続けてきました。
についてご紹介します。
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出所:東レ(株)
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出所:東レ(株)
先端材料−−① PPS 繊維
PPS 繊維とはポリフェニレンサルファイドの略
称で、当社のブランドは「トルコン」です。
維の特性を利用した光触媒フィルターの検討や、
PPS 繊維の特徴は、耐熱性、耐薬品性、難燃性、
現在展開している河川護岸ネットを海洋護岸ネッ
耐蒸熱性、に優れ、熱伝導率と水分率の低さから
トへ展開すべく開発強化するなど、省資源から住
保温性にも優れる点が挙げられ、それを活かして
空間に至る環境保全の全域にわたって合成繊維の
図表 22 の通り、複写機用トナー拭き取りペーパー、
可能性を追求していきます。
電気自動車のモーター用結束糸、航空機用のマ
ジックテープなど、様々な用途で展開されていま
事業構造の Innovation
NVC の推進(まとめ)
す。この PPS は、樹脂・フィルム・繊維で事業化さ
以上の通り、新製品・新素材拡大、新商流構築、
新用途・新規顧客開拓という NVC の 3 つの切り口
から、重点 4 分野における、お客様の合繊の機能
図表 22
PPS 繊維の製品例
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性への要望、新たなサプライチェーン構築への要
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などの課題を共有しながら NVC を推進し、事業拡
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大を図っていきたいと考えています。
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2.技術の Innovation
繊維先端材料の拡大
それでは、産業資材・生活資材用途の中期事業
戦略の 2 つ目、技術の Innovation 先端材料の拡大
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についてご説明します。
東レグループは先端材料で世界のトップ企業を
10
繊維トレンド 2009 年 5・6 月号
出所:東レ(株)
産業資材・生活資材用繊維の動向と東レの中期事業戦略
れており、当社は、これらを一貫で生産する世界
で唯一の企業です。
先端材料−−③ポリ乳酸繊維 「エコディア」
ポリ乳酸はポリラクティックアシッドの略で
PPS 事業において当社は、安定した供給能力、
PLA 繊維と呼ばれています。PLA は非石化原料素
高品質、世界販売チャネルの 3 つの強みを有して
材であり、かつカーボンニュートラル素材です。
おり、特に高純度な樹脂を生産する技術は 1.0 デシ
現状ではトウモロコシのでんぷんを発酵させ乳酸
テックスの生産を可能にしています。今後は保温
化し、重合する事によりポリ乳酸樹脂を作り、そ
性能を活用し、生活資材分野や、環境保全分野で
れで繊維、フィルム、樹脂成型体の製品を製造し
の用途展開を考えています。
ており、最終製品は焼却または埋立てにより生分
解します。将来的にはでんぷんを抽出する植物も、
先端材料−−②フッ素繊維
トウモロコシなどの可食植物ではなく、非食糧、
当社が取り扱っているフッ素繊維は四フッ化エ
非可食植物とすべく研究が重ねられています。
チレンを原料とした繊維で、先程の PPS 繊維より
自動車ではオプションマット、スペアタイヤカ
も高い耐熱性と耐薬品性を有しており、また、低
バー、生活資材分野では催事用のカーペットや宣
摩擦性に優れている点から、バグフィルターやベ
伝用の幕、あるいはボディタオル、水切りネット
アリングなどの摺動材に使用されています。この
から、カバンや机など様々な用途へ展開していま
フッ素繊維において当社は世界ナンバーワン企業
す。今後も、ポリマーの改質技術(改質剤の添加
であります。
等により摩耗性、湿熱老化性を改善する技術)、繊
摺動性と離型性にも優れるフッ素繊維は、滑り
維構造を制御し改質する技術(当社独自の製法に
易さを必要とされる用途として、図表 23 の通り、
より適正な繊維構造を形成させ耐熱性向上を図る
自動車の窓の上下動を安定させるウィンドスタビ
技術)、複合による改質技術(例えば他のポリマー
ライザーでのパイル織物や、防振用途として、自
とアロイ化するなどして、PLA 繊維の課題を克服
動車のサスペンションの軸受け用防振ゴムなどに
する技術)などの適用により、自動車分野を始め
も使用されています。防振ゴムの内側にはフッ素
生活資材、環境保全など幅広く用途展開を進めて
繊維のダブルラッセルの編み地が接着されており、
いきます。
これには、ポリエステルやナイロンを複合した編
み地を使用しています。フッ素繊維は離型性に優
先端材料−−④ナノファイバー
れるため通常の編み物ではゴム面への接着ができ
東レが開発したナノファイバーは、直径が
ませんが、ポリエステルやナイロンとの複合化で
100nm 以下で、マイクロファイバー(スエード調
接着を可能にするよう工夫しています。
人工皮革「エクセーヌ」やワイピングクロス「ト
レシー」などに適用される)よりも更に 1 オー
ダー以上細いものであり、このように細くするこ
とで比表面積が飛躍的に増加します。
さらに、当社ナノファイバーは、バンドル構造、
図表 23
フッ素繊維の製品例
単繊維分散構造、スパイダーウエッブ構造など各
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る資材として、微細構造を活用したフィルター、
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放性、拭取性など、様々な機能を有することから、
美容・ファッションから IT /バイオに至るまで、
活用の可能性はまだまだあると考えており、北陸
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産地の皆様と連携し、商品開発、用途開拓を進め
出所:東レ(株)
ていきたいと考えています。
繊維トレンド 2009 年 5・6 月号
11
特別レポート
技術の Innovation 繊維先端材料の拡大(まとめ)
化へ速やかに対応できる効率的な体制づくり、強
以上でご紹介した PPS、フッ素、ナノファイ
靱な事業体質への Innovation を推進していく所存
バー等の高機能繊維、PLA などの環境配慮型素材
です。
を将来、図表 24 で示す用途への展開を推進し、繊
維先端材料の更なる拡大を目指していきます。
(2)グローバルな展開による競争力強化
次にグローバルな展開による競争力強化につい
図表 24
資材重点 4 分野での先端材料の拡大
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てです。当社は、産業資材、生活資材用途の生産
拠点をグローバルに有しています。こうしたグ
ローバルなネットワークの活用例として、カー
シート用繊維事業では、日本、中国、韓国、タイ
で原糸を生産しています。このうち汎用品は主に
中国、韓国、タイで生産し、現地の市場に対応す
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枠内は将来の有望用途
出所:東レ(株)
3.競争力の Innovation 効率化とグローバル化推進
(1)組織統合・再編による競争力強化
最後に、産業資材・生活資材用途の中期事業戦
ると共に、日系のファブリックメーカーの北米、
タイへの進出に対応し輸出も行っています。更に
中国から原糸を輸入し、日本で特殊加工すること
も行っています。日本では特品を主として国内向
けに供給していますが、それらの一部を北米や南
米へも輸出しています。
今後は AJCEP 1 、米韓 FTA などの EPA / FTA
を活用し、海外拠点の原糸を、日本を含む ASEAN
など対象国へ展開し更なる競争力の強化を目指し
ていきます。
略の 3 つ目、競争力の Innovation 効率化とグロー
バル化推進についてご説明します。まず、効率化
中期事業戦略(まとめ)
として、組織統合・再編による競争力強化につい
以下の通り中期事業戦略として、資材用繊維事
てです。当社の繊維事業本部では、事業環境の変
業において、クオリティーとコストのあくなき追
化に対してより迅速に対応していくこと、更に強
求、新商品・新用途のたゆまざる創造、グローバ
靱な事業体質へ転換すること、好況期に不況を見
ル展開の推進という 3 つの目標を掲げ、「事業構
据えた対策をとることを狙いとして、昨年の 7 月
造」、「技術」、「競争力」という 3 つの Innovation
に組織の統合・再編を致しました。
を通して、新たな資材重点分野を開拓するととも
その中で、ファイバー事業部門と産業資材・機
能素材部門の統合・再編は、本日ご紹介しました
に、新しい価値の創造を目指しています。今後も、
皆様のご支援を心よりお願いいたします。
産業資材・生活資材用途の強化・拡大を目指す中
期戦略の実行を大きな狙いの一つとしています。
結び
昨年の後半から、米国の金融危機に端を発する世
それでは最後に、東レ合繊クラスターの活動を
界同時不況となり、ますますこの統合再編を実効
ご紹介し、本日の話を締めくくりたいと思います。
性のあるものとしなければならないと考えていま
図表 25 をご覧下さい。東レ合繊クラスターは、
民間ベースで形成された初めての産業クラスター
す。
具体的には、ワンストップサービスによる顧客
です。原糸・高次一貫の知恵と技術の融合、会員
利便性の強化を打ち出し、①マネジメント領域の
相互の研鑽と有機的連携によって、国際競争力の
拡大による意思決定の迅速化、②個々人のスキル
ある高次生産基盤の構築を目的として形成されま
アップと多機能化、③重点用途への人材の柔軟な
した。
投入という 3 つの変革を行い、急激な事業環境変
この東レ合繊クラスターの活動事例として、2 つ
1 AJCEP : ASEAN Japan Comprehensive Economic Partnership(日本アセアン包括的経済連携協定)
12
繊維トレンド 2009 年 5・6 月号
産業資材・生活資材用繊維の動向と東レの中期事業戦略
図表 25
図表 27
北陸産地における取り組み
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北陸産地とともに
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出所:東レ(株)
出所:東レ(株)
図表 26
ミツカワ様: PLA 砂漠緑化
漠の緑化という壮大な目標に向け、PLA 繊維の生
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イルの開発事例ですが、この開発は、2008 年 12 月
に繊研新聞の「繊研合繊賞」の「ニューフロン
ティア部門」を受賞しました。
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次に、サンエス、創和テキスタイル、小松精練
による多色展開が可能なケブラー長繊維テキスタ
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分解性が活用された事例です。
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本日は、東レにおける産業資材・生活資材用繊
維事業の拡大に向けた戦略についてお話ししまし
たが、これらの戦略を現実のものとするには、北
出所:東レ(株)
陸産地の皆様の叡智を結集する必要があると私は
考えています(図表 27)。
ほどご紹介します。まず、ミツカワによる PLA 繊
東レは今後も強い意志を持って繊維事業を継続
維を使った砂漠緑化についてです。図表 26 で示し
していきます。北陸産地の皆様とともに、新素材、
ます通り、PLA 繊維の特殊チューブ型資材を使っ
新商品、新市場、新用途、新規顧客の開発・開拓に向
た砂漠緑化の仕組みが、ミツカワ、鳥取大学、中
け全社の総力を挙げて取り組んでいきます。北陸
国の大学の連携のもと開発されました。砂漠にミ
の皆様とともに新たな飛躍を誓いまして、私から
ツカワのチューブを敷設 し、風による砂の移動を
のお話を締めくくらせていただきます。長時間、
防ぎ植物が育ちやすい環境を作る取り組みで、砂
ご清聴ありがとうございました。
ふせつ
繊維トレンド 2009 年 5・6 月号
13
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