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**2016年 6 月改訂(第 7 版) *2015年 9 月改訂 日本標準商品分類番号 選択的SGLT2阻害剤 − 2 型糖尿病治療剤− 処方箋医薬品 注意−医師等の処方箋により 使用すること 処方箋医薬品 注意−医師等の処方箋により 使用すること イプラグリフロジン L-プロリン錠 8 7 3 9 6 9 錠50mg 錠25mg 承認番号 22600AMX00009 22600AMX00010 薬価収載 2014年 4 月 販売開始 2014年 4 月 国際誕生 2014年 1 月 Tablets 25mg・50mg 貯 法:室温保存 使用期限:ケース等に表示(製造後 3 年) 【禁 忌(次の患者には投与しないこと)】 ⑴本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 ⑵重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡[輸液、 インスリン製剤による速やかな高血糖の是正が必須 となるので本剤の投与は適さない。] ⑶重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[イ ンスリン製剤による血糖管理が望まれるので本剤の 投与は適さない。] 【用法・用量】 通常、成人にはイプラグリフロジンとして50mgを 1 日 1 回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分 な場合には、経過を十分に観察しながら100mg 1 日 1 回ま で増量することができる。 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉 重度の肝機能障害のある患者に対しては低用量から投 与を開始するなど慎重に投与すること。(「慎重投与」 の項参照) 【組成・性状】 【使用上の注意】 1.組成 有効成分( 1 錠中) 1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) ⑴次に掲げる患者又は状態[低血糖を起こすおそれが ある。] ・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全 ・栄養不良状態、るいそう、飢餓状態、不規則な食 事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態 ・激しい筋肉運動 ・過度のアルコール摂取者 ⑵重度の肝機能障害のある患者[使用経験がなく安全 性が確立していない。 ( 「薬物動態」の項参照)] ⑶他の糖尿病用薬(特に、スルホニルウレア剤、速効 型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤)を投 与中の患者[併用により低血糖を起こすおそれがあ る。(「 重 要 な 基 本 的 注 意 ⑴ 」 、「 相 互 作 用 」 、「 副 作 用」及び「臨床成績」の項参照) ] * 尿路感染、性器感染のある患者[症状を悪化させる ⑷ おそれがある。( 「重要な基本的注意⑺」の項参照)] ⑸脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極め て不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)[本剤の 利尿作用により脱水を起こすおそれがある。(「重要 な基本的注意⑻」、「相互作用」、「副作用」及び「高 齢者への投与」の項参照) ] 2.重要な基本的注意 ⑴本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及 びその対処方法について十分説明すること。特に、 スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤 又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリス クが増加するおそれがある。スルホニルウレア剤、 速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と 併用する場合には、これらの薬剤による低血糖のリ スクを軽減するため、スルホニルウレア剤、速効型 インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤の減量を 検討すること。 ( 「相互作用」、「副作用」及び「臨床 成績」の項参照) ⑵糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考 慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、 添加物 イプラグリフロジ ン L プ ロ リ ン スーグラ錠 32.15mg 25mg (イプラグリフロ ジンとして25mg) D マンニトール、結晶セルロース、 デンプングリコール酸ナトリウム、ヒ ドロキシプロピルセルロース、ステア リン酸マグネシウム、 ヒプロメロース、 マクロゴール、酸化チタン、タルク、 黄色三二酸化鉄 イプラグリフロジ ン L プ ロ リ ン スーグラ錠 64.3mg 50mg (イプラグリフロ ジンとして50mg) 結晶セルロース、デンプングリコール 酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセ ルロース、ステアリン酸マグネシウム、 ヒプロメロース、マクロゴール、酸化 チタン、タルク、三二酸化鉄、黒酸化 鉄 2.製剤の性状 剤形 色 外形・大きさ・重量 表 裏 側面 直径 約8.1mm 厚さ 約3.6mm 重量 約186mg 表 裏 側面 直径 約8.6mm 厚さ 約3.9mm 重量 約227mg フィルム スーグラ錠 コーティ 淡黄色 25mg ング錠 フィルム スーグラ錠 コーティ 淡紫色 50mg ング錠 【効能・効果】 2 型糖尿病 〈効能・効果に関連する使用上の注意〉 ⑴本剤は 2 型糖尿病と診断された患者に対してのみ使 用し、 1 型糖尿病の患者には投与をしないこと。 ⑵重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不 全患者では本剤の効果が期待できないため、投与し ないこと。 (「重要な基本的注意⑹」 、「薬物動態」及 び「臨床成績」の項参照) ⑶中等度の腎機能障害のある患者では本剤の効果が十 分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎 重に判断すること。 ( 「重要な基本的注意⑹」 、「薬物 動態」及び「臨床成績」の項参照) −1− ① ② 糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等) を有する疾患があることに留意すること。 ⑶本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食 事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分 な場合に限り考慮すること。 ⑷本剤投与中は、血糖値等を定期的に検査し、薬剤の 効果を確かめ、 3 カ月投与しても効果が不十分な場 合には、より適切な治療法への変更を考慮すること。 ⑸投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減 量する必要がある場合があり、また患者の不養生、 感染症の合併症等により効果がなくなったり、不十 分となる場合があるので、食事摂取量、体重の推移、 血糖値に留意の上、常に投与継続の可否、投与量、 薬剤の選択等に注意すること。 ⑹本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFR の低下がみられることがあるので、腎機能を定期的 に検査するとともに、腎機能障害患者における治療 にあたっては経過を十分に観察すること。 * 尿路感染を起こし、 腎盂腎炎、敗血症等の重篤な感 ⑺ 染症に至ることがある。また、膣カンジダ症等の性 器感染を起こすことがある。 十分な観察を行うなど 尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場 合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて休 薬等を考慮すること。尿路感染及び性器感染の症状 及びその対処方法について患者に説明すること。 (「副作用」の項参照) ⑻本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることが ある。また、体液量が減少することがあるので、適 度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分に行う こと。脱水、血圧低下等の異常が認められた場合は、 休薬や補液等の適切な処置を行うこと。特に体液量 減少を起こしやすい患者(高齢者や利尿剤併用患者 等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、 高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症 等の発現に注意すること。( 「相互作用」、 「副作用」 及び「高齢者への投与」の項参照) * 本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用 ⑼ により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸 代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドー シスに至ることがある。著しい血糖の上昇を伴わな い場合があるため、以下の点に留意すること。(「副 作用」の項参照) 1) 悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、 呼吸困難、意識障害等の症状が認められた場合に は、血中又は尿中ケトン体測定を含む検査を実施 すること。異常が認められた場合には投与を中止 し、適切な処置を行うこと。 2) 特に、インスリン分泌能の低下、インスリン製剤 の減量や中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不 良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシ スを発現しやすいので、観察を十分に行うこと。 3) 患者に対し、ケトアシドーシスの症状(悪心・嘔吐、 食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、 意識障害等)について説明するとともに、これら の症状が認められた場合には直ちに医療機関を受 診するよう指導すること。 ⑽排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する 患者においては、その治療を優先するとともに他剤 での治療を考慮すること。 −2− ⑾本剤投与による体重減少が報告されているため、過 度の体重減少に注意すること。 ⑿低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動 車の運転等に従事している患者に投与するときには注 意すること。 ⒀本剤とインスリン製剤、GLP 1受容体作動薬との併 用における有効性及び安全性は検討されていない。 3.相互作用 本剤は主としてUGT2B7によるグルクロン酸抱合代謝を 受ける。 ( 「薬物動態」の項参照) 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 糖尿病用薬 インスリン製剤 スルホニルウレア剤 チアゾリジン系薬剤 ビグアナイド系薬剤 α グルコシダーゼ 阻害剤 速効型インスリン分 泌促進剤 GLP 1受容体作動薬 DPP 4阻害剤 等 糖尿病用薬との併用時には、低 糖尿病用薬(特 血糖の発現に注意すること。特 に、スルホニル に、スルホニルウレア剤、速効 ウレア剤、速効 型インスリン分泌促進剤又はイ 型インスリン分 ンスリン製剤と併用する場合、 泌促進剤又はイ 低血糖のリスクが増加するおそ ンスリン製剤) れがある。これらの薬剤による と の 併 用 時 に 低血糖のリスクを軽減するた は、本剤の血糖 め、スルホニルウレア剤、速効 コントロール改 型インスリン分泌促進剤又はイ 善により、低血 ンスリン製剤の減量を検討する 糖のリスクが増 こと。低血糖症状が認められた 加するおそれが 場合には、糖質を含む食品を摂 ある。 取するなど適切な処置を行うこ と。α グルコシダーゼ阻害剤 との併用により低血糖症状が認 められた場合には、ブドウ糖を 投与すること。 血糖降下作用を増強す る薬剤 β 遮断薬 サリチル酸剤 モノアミン酸化酵素 阻害剤 フィブラート系薬剤 等 左記薬剤と本剤を併用する場合 左記薬剤との併 には、血糖降下作用の増強によ 用により血糖降 りさらに血糖が低下する可能性 下作用が増強さ があるため、併用する場合には、 れるおそれがあ 血糖値その他患者の状態を十分 る。 観察しながら投与すること。 血糖降下作用を減弱す る薬剤 副腎皮質ホルモン 甲状腺ホルモン 等 左記薬剤と本剤を併用する場合 には、血糖降下作用の減弱によ り血糖が上昇する可能性がある ため、併用する場合には、血糖 値その他患者の状態を十分観察 しながら投与すること。 利尿作用を有する薬剤 ループ利尿薬 サイアザイド系利尿 薬 等 左記薬剤と本剤の併用により、 左記薬剤との併 利尿作用が過剰にみられるおそ 用により利尿作 れがあるため、必要に応じ利尿 用が増強される 薬の用量を調整するなど注意す おそれがある。 ること。 左記薬剤との併 用により血糖降 下作用が減弱さ れるおそれがあ る。 4.副作用 承 認 時 ま で の 国 内 の 臨 床 試 験 で は、1,669例 中549例 (32.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。 主 な 副 作 用 は 頻 尿149例(8.9 %)、 口 渇71例(4.3 %)、 便秘53例(3.2%)、尿中β2ミクログロブリン増加41例 (2.5%) 、体重減少39例(2.3%)であった。 (承認時:2014年 1 月) ⑴重大な副作用 1)低血糖:他の糖尿病用薬(特にスルホニルウレア 剤、速効型インスリン分泌促進剤)との併用で低 血糖があらわれることがある。また、他の糖尿病 用薬と併用しない場合も低血糖が報告されている。 低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食 品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、 α グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症 状が認められた場合にはブドウ糖を投与するこ と。(「重要な基本的注意⑴」及び「臨床成績」の 項参照) 2) 、敗血症(頻度不明) :腎盂腎炎 * 腎盂腎炎(0.1%) があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に 至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認 められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う こと。 ( 「重要な基本的注意⑺」の項参照) 3) 脱水(頻度不明) :脱水があらわれることがあるの で、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分 に行うこと。口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状 があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等 の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞 を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されて いるので、十分注意すること。( 「重要な基本的注 意⑻」及び「高齢者への投与」の項参照) 4) :ケトアシドーシス * ケトアシドーシス(頻度不明) (糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれる ことがあるので、観察を十分に行い、異常が認め られた場合には投与を中止し、適切な処置を行う こと。(「重要な基本的注意⑼」の項参照) ⑵その他の副作用 5 %以上 1 ∼ 5 %未満 血液及びリンパ 系障害 1 %未満 ** 眼障害 糖尿病網膜症 ** 胃腸障害 便秘 ** 全身障害及び投 与局所様態 口渇、体重減 空腹、倦怠感 少 肝胆道系障害 感染症 膀胱炎、外陰 鼻咽頭炎 部膣カンジダ 症 筋肉痛、 背部痛 糖尿病性ニューロパ チ ー、 浮 動 性 め ま い、体位性めまい、 頭痛、感覚鈍麻 多尿 尿管結石、腎結石症 生殖系及び乳房 障害 陰部そう痒症 呼吸器、胸郭及 び縦隔障害 上気道の炎症 血管障害 顔面浮腫、 脱力感 肝機能異常 神経系障害 * 皮膚及び皮下組 織障害注) 眼瞼浮腫 下痢、胃炎、胃食道 悪心、嘔 逆流性疾患、上腹部 吐 痛、腹部膨満 ** 筋骨格系及び結 合組織障害 腎及び尿路障害 頻尿 頻度不明 貧血 湿疹、発疹、蕁麻疹 そう痒症 高血圧 5 %以上 1 ∼ 5 %未満 臨床検査 1 %未満 頻度不明 尿 中 β 2 ミ ク 尿中β Nアセチル ログロブリン Dグルコサミニダー 増加 ゼ増加、尿潜血陽性、 尿中アルブミン/ク レアチニン比増加、 尿中ケトン体陽性、 血中ケトン体増加、 尿中α1ミクログロ ブリン増加 *注)投与初期に比較的多く発現していることから、投与後は十分な観察を行い、 症状がみられた場合は投与を中止するなどし、必要に応じて皮膚科専門医 と相談して適切な処置を行うこと。 5.高齢者への投与 ⑴一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患 者の状態を観察しながら慎重に投与すること。 ⑵高齢者では脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそ れがあるので、注意すること。 6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 ⑴妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に は本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用するこ と。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていな い。類薬の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期 及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂及 び尿細管の拡張が報告されている。また、本剤の動 物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。] ⑵授乳婦:授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避け させること。 [動物実験(ラット)で乳汁中への移行 及び出生児の体重増加抑制が報告されている。] 7.小児等への投与 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する 安全性は確立していない。 (使用経験がない。) 8.臨床検査結果に及ぼす影響 本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清 1,5 -AG(1,5 -アンヒドログルシトール)低値を示す。尿 糖、血清1,5 -AGの検査結果は、血糖コントロールの参 考とはならないので注意すること。 9.適用上の注意 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出し て服用するよう指導すること。 [PTPシートの誤飲によ り、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起 こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報 告されている。] 10.その他の注意 雌雄ラットに本剤12.5、40、125、250mg/kg/日(250mg/ kg/日群は雌のみで実施)を104週間反復経口投与したが ん原性試験において、40mg/kg/日以上の雄及び125mg/ kg/日以上の雌で副腎髄質の褐色細胞腫の発生頻度増加 が 認 め ら れ た。 ラ ッ ト に 本 剤40mg/kg/日( 雄 ) 又 は 125mg/kg/日(雌)を反復経口投与したときの曝露量 (AUC24h)は、最大臨床推奨用量( 1 日 1 回100mg)の 約10倍又は約60倍であった。 【薬 物 動 態】 1.血中濃度 ⑴単回投与 1) 健康成人男性に本剤 1 ∼300mgを空腹時単回経口投与し た と き、 血 漿 中 未 変 化 体 濃 度 は 投 与 後 1 ∼ 3 時 間 で Cmaxに達し、その後速やかに消失した1)。 (注)本剤の承認された 1 回用量は50mg(効果不十分な場合は 100mgまで)である。 −3− 与することが示された(in vitro試験)8)。 イプラグリフロジンの各種CYP及びUGT分子種に対す る阻害作用は弱く、CYP1A2及びCYP3A4に対する誘 導作用もほとんど示さなかった(in vitro試験)9)∼11)。 5.排泄 イプラグリフロジンはP-gpの基質であった(in vitro試 12) 。 験) 健康成人男性に本剤 1 ∼300mgを空腹時単回経口投与 したとき、未変化体の尿中排泄率は約 1 %であった1)。 外国人健康成人男性( 6 例)に14C-イプラグリフロジ ン100mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後48時 間までに大部分(84.4%)の放射能が排泄された。投 与後144時間までの放射能の尿中及び糞中排泄率はそ れぞれ67.9%及び32.7%(合計100.6%)であり、投与 した放射能のほとんどは尿中又は糞中に排泄された。 呼気中には放射能は検出されなかった13)。 単回投与時の血漿中薬物動態パラメータ 投与量 n Cmax (ng/mL) 1mg 6 18±4 Tmax (h) t1/2 (h) 0.75±0.27 4.35±1.05 AUCinf (ng・h/mL) 59±11 3mg 6 54±16 0.92±0.20 10.01±2.28 245±35 10mg 6 174±14 0.92±0.20 13.34±4.99 855±168 524±103 1.58±1.11 12.43±5.05 2896±363 30mg 6 100mg 6 1392±423 2.33±1.21 11.71±2.00 9696±2242 300mg 5 3421±690 2.60±1.34 10.34±1.59 27299±4622 (平均値±標準偏差) 2)2 型糖尿病患者( 8 例)に、本剤50mgを食前単 回経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移及 び薬物動態パラメータは下図及び下表のとおりで ある2)。 (注)本剤の承認された 1 回用量は50mg(効果不十分な場合 は100mgまで)である。 本剤50mg単回投与時の血漿中未変化体濃度推移 本剤50mg単回投与時の血漿中薬物動態パラメータ 投与量 Cmax (ng/mL) Tmax (h) 50mg 1045±348 1.43±1.86 t1/2 (h) AUCinf (ng・h/mL) 14.97±4.58 4821±1558 (平均値±標準偏差、n= 8 ) ⑵反復投与 2 型糖尿病患者(各群 9 例)に本剤50又は100mgを 1 日 1 回14日間食前反復経口投与したとき、最終投 与後のCmaxは1225及び2030ng/mL、AUC24hは4808及 び9213ng・h/mLであった3)。 ⑶食事の影響 健康成人男性(30例)に本剤50mgを空腹時、食前 又は食後単回経口投与したとき、空腹時投与に対す る食前投与のCmax及びAUClastの幾何平均比(90% 信 頼 区 間 ) は1.23(1.14∼1.33) 及 び1.04(1.01∼ 1.07)、空腹時投与に対する食後投与のCmax及び AUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は0.82(0.76 ∼0.89)及び1.00(0.97∼1.03)であった2)。 2.吸収(外国人データ) 健康成人男女(14例)に本剤25mgを空腹時 1 時間持 続静脈内投与又は100mgを空腹時単回経口投与したと き、イプラグリフロジンの絶対バイオアベイラビリ ティは90.2%と高く、本剤の吸収は良好と考えられた4)。 3.分布 イ プ ラ グ リ フ ロ ジ ン の 血 漿 蛋 白 結 合 率 は94.6 % ∼ 96.5%であり、主要結合蛋白質はアルブミンであった 5) 6) (in vitro試験) 。 4.代謝 イプラグリフロジンは主にグルクロン酸抱合代謝を受 け、ヒト血漿中には 4 種のグルクロン酸抱合代謝物が 認められた7)。また、 1 種の硫酸抱合代謝物が少量認 め ら れ た。 イ プ ラ グ リ フ ロ ジ ン の 主 代 謝 酵 素 は UGT2B7であり、UGT2B4、UGT1A8及びUGT1A9も寄 −4− 6.腎機能低下患者 腎機能の程度が異なる 2 型糖尿病患者(25例)に、本 剤50mgを食前単回経口投与したとき、腎機能正常患 者( 8 例 ) に 対 す る 軽 度 腎 機 能 低 下 患 者(eGFR: 60mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2未満、 9 例)の Cmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は1.12 (0.83∼1.52)及び0.94(0.69∼1.26) 、中等度腎機能低 下患者(eGFR:30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2 未満、 8 例)のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90% 信頼区間)は1.17(0.85∼1.60)及び1.21(0.89∼1.65) であった。 1 日あたりの尿中グルコース排泄量のベー スラインからの変化量は、腎機能正常患者で約71g、 軽度腎機能低下患者で約61g、中等度腎機能低下患者 で約38gであり、腎機能低下患者で低かった2)。一方、 腎機能の程度が異なる外国人 2 型糖尿病患者に本剤 100mgを空腹時単回経口投与したとき、腎機能正常患 者( 8 例)に対する重度腎機能低下患者( 8 例)の Cmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は1.05 (0.85∼1.31) 及 び1.47(1.12∼1.92) で あ っ た。20時 間あたりの尿中グルコース排泄量は、腎機能正常患者 で約49g(ベースライン値:約 1 g)であったのに対し、 重度腎機能低下患者では約12g(ベースライン値:約 2 g)であった2)。 7.肝機能低下患者(外国人データ) 中等度(Child-Pugh分類B、スコア 7 ∼ 9 )の肝機能 低下患者( 8 例)に本剤100mgを空腹時単回経口投与 したとき、健康成人( 8 例)に対する中等度肝機能低 下患者のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区 間)は1.27(0.93∼1.73)及び1.25(0.94∼1.66)であっ た14)。 8.高齢者(外国人データ) 健康な高齢(25例)及び非高齢(24例)男女に本剤 100mgを食前反復経口投与したとき、非高齢男性に対 する高齢男性のCmax及びAUC24hの幾何平均比(90% 信頼区間)は0.99(0.84∼1.16)及び1.21(1.06∼1.38) で あ っ た。 一 方、 非 高 齢 女 性 に 対 す る 高 齢 女 性 の Cmax及びAUC24hの幾何平均比(90%信頼区間)は1.25 (1.06∼1.49)及び1.45(1.27∼1.67)であった2)。 9.相互作用 ⑴メトホルミン(外国人データ) 2 型糖尿病患者(18例)にメトホルミン(850、1000 又 は1500mg) を 1 日 2 回 及 び 本 剤300mgを 1 日 1 回14日間反復併用投与したとき、メトホルミンの Cmax及びAUC10hの単独投与時に対する幾何平均比 (90%信頼区間)は1.11(1.03∼1.19)及び1.18(1.08 ∼1.28)であった15)。 (注)本剤の承認された 1 回用量は50mg(効果不十分な 場合は100mgまで)である。 ⑵ミグリトール 健康成人男性(30例)に本剤100mg及びミグリトー ル75mgを空腹時単回併用投与したとき、ミグリトー ルのCmax及びAUCinfの単独投与時に対する幾何平 均比(90%信頼区間)は0.761(0.672∼0.861)及び 0.796(0.719∼0.881)であった。一方、イプラグリ フロジンのCmax及びAUCinfの単独投与時に対する 幾何平均比(90%信頼区間)は1.034(0.944∼1.132) 及び1.015(0.988∼1.043)であった2)。 ⑶ピオグリタゾン(外国人データ) 健康成人男女(32例)に本剤150mgを 8 日間食前反 復投与及びピオグリタゾン30mgを併用投与(本剤 投与 5 日目に食前単回投与)したとき、ピオグリタ ゾンのCmax及びAUCinfの単独投与時に対する幾何 平均比(90%信頼区間)は0.986(0.877∼1.108)及 び1.017(0.966∼1.070)であった。健康成人男女(32 例)にピオグリタゾン30mgを10日間食前反復投与 及びイプラグリフロジン150mgを併用投与(ピオグ リタゾン投与 7 日目に食前単回投与)したとき、イ プラグリフロジンのCmax及びAUCinfの単独投与時 に対する幾何平均比(90%信頼区間)は0.935(0.863 ∼1.012)及び1.000(0.981∼1.020)であった16)。 (注)本剤の承認された 1 回用量は50mg(効果不十分な 場合は100mgまで)である。 ⑷シタグリプチン(外国人データ) 健康成人男女(32例)に本剤150mgを 7 日間食前反 復投与及びシタグリプチン100mgを併用投与(本剤 投与 5 日目に食前単回投与)したとき、シタグリプ チンのCmax及びAUCinfの単独投与時に対する幾何 平均比(90%信頼区間)は0.924(0.828∼1.031)及 び1.001(0.969∼1.035)であった。健康成人男女(32 例)にシタグリプチン100mgを 7 日間食前反復投与 及び本剤150mgを併用投与(シタグリプチン投与 4 日目に食前単回投与)したとき、イプラグリフロジ ンのCmax及びAUCinfの単独投与時に対する幾何平 均比(90%信頼区間)は0.965(0.904∼1.031)及び 0.950(0.934∼0.966)であった16)。 (注)本剤の承認された 1 回用量は50mg(効果不十分な 与 3 日目に食前単回投与)したとき、ミチグリニド のCmax及びAUCinfの単独投与時に対する幾何平均 比(90%信頼区間)は0.871(0.769∼0.986)及び1.011 (0.994∼1.029)であった。健康成人男性(30例)に ミチグリニド10mgを 1 日 3 回 4 日間食前反復投与 及び本剤100mgを併用投与(ミチグリニド投与 2 日 目に食前単回投与)したとき、イプラグリフロジン のCmax及びAUCinfの単独投与時に対する幾何平均 比(90%信頼区間)は0.946(0.896∼0.999)及び1.004 (0.982∼1.026)であった2)。 ⑺フロセミド(外国人データ) 健康成人男女(24例)に本剤150mgを 1 日 1 回 5 日 間及びフロセミド40mgを 1 日 1 回 7 日間併用投与 したとき、1 日あたりの尿中ナトリウム排泄量のフ ロセミド単独投与時に対する幾何平均比(90%信頼 区間)は、投与開始 1 日目では1.137(1.091∼1.185) 、 投与開始 5 日目では0.993(0.926∼1.065)であった。 ま た、 投 与 開 始 5 日 目 の フ ロ セ ミ ド のCmax及 び AUCtauの単独投与時に対する幾何平均比(90%信 頼 区 間 ) は1.071(0.884∼1.296) 及 び1.062(0.950 ∼1.187)であった2)。 (注)本剤の承認された 1 回用量は50mg(効果不十分な 場合は100mgまで)である。 【臨 床 成 績】 いずれの試験もLOCF(Last observation carried forward) 法を適用した。 1.単独療法 ⑴第Ⅱ相二重盲検比較試験17) 食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十 分 な 2 型 糖 尿 病 患 者 を 対 象 に、 本 剤(12.5、25、 50、100mg)又はプラセボを 1 日 1 回12週間投与し た。本剤12.5∼100mg/日のいずれの用量においても プラセボに比べ有意なHbA1c値(NGSP値)の低下 が確認された(P<0.001) 。低血糖症状の副作用発 現 率 は 本 剤100mgで1.4 %(72例 中 1 例 )、 本 剤 12.5mg、25mg、50mg、プラセボは 0 %(74例、74例、 72例、69例中 0 例)であった。 (注)本剤の承認された 1 回用量は50mg(効果不十分な 場合は100mgまで)である。 第Ⅱ相二重盲検比較試験の結果(最終評価時) 空腹時血糖(mg/dL) HbA1c(%) 投与群 場合は100mgまで)である。 ⑸グリメピリド(外国人データ) 健康成人男女(26例)に本剤150mgを 7 日間食前反 復投与及びグリメピリド 2 mgを併用投与(本剤投 与 5 日目に食前単回投与)したとき、グリメピリド のCmax及びAUCinfの単独投与時に対する幾何平均 比(90%信頼区間)は1.100(1.019∼1.188)及び1.051 (1.013∼1.090)であった。健康成人男女(26例)に グリメピリド 1 mgを 5 日間食前反復投与及び本剤 150mgを併用投与(グリメピリド投与 3 日目に単回 投与)したとき、イプラグリフロジンのCmax及び AUCinfの単独投与時に対する幾何平均比(90%信 頼 区 間 ) は0.973(0.892∼1.062) 及 び0.991(0.966 ∼1.016)であった16)。 (注)本剤の承認された 1 回用量は50mg(効果不十分な ベースライン ベースラインからの プラセボとの差 ベースラインからの プラセボとの差 (標準偏差) 変化量(標準偏差) [95%信頼区間]a 変化量(標準偏差) [95%信頼区間]b プラセボ(n=69) 8.36(0.787) 0.49(1.004) 9.8(26.17)d − − イプラグリフロジン −0.97 −35.7※ 8.32(0.831) −0.47(0.693) −23.0(33.17) [−1.210,−0.721] [−44.10,−27.28] 25mg(n=74) ※ −46.0※ イプラグリフロジン −1.29※ 8.33(0.795) −0.79(0.567)c −31.4(28.67) [−1.536,−1.041] [−54.54,−37.55] 50mg(n=72) −1.31※ −58.9※ イプラグリフロジン 8.25(0.764) −0.79(0.715) −45.9(29.68) [−1.554,−1.060] [−67.37,−50.43] 100mg(n=72) a:共分散分析(投与群、ベースラインのHbA1c値をモデルに含む) b:共分散分析(投与群、ベースラインの空腹時血糖値をモデルに含む) c:n=71、d:n=68、※:P<0.001 ⑵第Ⅲ相二重盲検比較試験18) 食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十 分な 2 型糖尿病患者を対象に、本剤50mg又はプラ セボを 1 日 1 回16週間投与した。本剤50mgはプラ セボに対して、有意なHbA1c値(NGSP値)の低下 が確認された(P<0.001) 。低血糖症状の副作用発 現率は本剤50mg及びプラセボでそれぞれ 0 %(62 例中 0 例)及び 0 %(67例中 0 例)であった。 場合は100mgまで)である。 ⑹ミチグリニド 健康成人男性(30例)に本剤100mgを 3 日間食前反 復投与及びミチグリニド10mgを併用投与(本剤投 −5− 第Ⅲ相二重盲検比較試験の結果(最終評価時) ベースライン (標準偏差) との併用試験の結果(最終評価時) 空腹時血糖(mg/dL) HbA1c(%) 投与群 メトホルミン、ピオグリタゾン、スルホニルウレア剤 ベースラインからの プラセボとの差 ベースラインからの プラセボとの差 変化量(標準偏差) [95%信頼区間]a 変化量(標準偏差) [95%信頼区間]b プラセボ(n=67) 8.25(0.678) 0.54(1.003) − 6.3(30.05) 試験名 投与群 − 空腹時血糖(mg/dL) HbA1c(%) ベースライン ベースラインからの プラセボとの差 ベースラインからの プラセボとの差 (標準偏差) 変化量(標準偏差) [95%信頼区間]a 変化量(標準偏差) [95%信頼区間]b メトホルミン併用試験 −1.24※ −45.8※ イプラグリフロジン 8.40(0.857) −0.76(0.697) −40.2(33.34) [−1.537,−0.950] [−55.50,−36.10] 50mg(n=62) メトホルミン 8.38 0.38 単独投与(n=56) (0.738) (0.708) a:共分散分析(投与群、スクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬 投与の有無及びベースラインのHbA1c値をモデルに含む) b:共分散分析(投与群、スクリーニング期開始前 8 週以内の血糖降下薬 投与の有無及びベースラインの空腹時血糖値をモデルに含む) ※:P<0.001 − 10.7 (27.46) − イプラグリフロジン 8.25 −0.87 −1.30※ −22.2 −39.4※ 50mg併用投与 (0.719) (0.655) [−1.501,−1.095] (26.72) [−46.96,−31.85] (n=112) ⑶長期投与試験(24週)19) 食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十 分な 2 型糖尿病患者(174例)を対象に、本剤50mg を 1 日 1 回24週間投与した結果、HbA1c値(NGSP値: 平均値±標準偏差)のベースライン(7.65±0.663%) から最終評価時までの変化量は−0.32±0.671%であ り、安定した血糖コントロールが得られた。低血糖 症状の副作用発現率は1.7%(174例中 3 例)であっ た。 20) ⑷長期投与試験(52週) 食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十 分な 2 型糖尿病患者(182例)を対象に、本剤50mg 又は100mg(増量時)を 1 日 1 回52週間投与した結 果、HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベー スライン(7.93±0.791%)から最終評価時までの変 化量は−0.51±0.806%であり、安定した血糖コント ロールが得られた。また、朝食前及び朝食後投与に おける検討において、食前・食後の投与による効果 に影響はみられなかった。低血糖症状の副作用発現 率は1.1%(182例中 2 例)であった。 2.併用療法 ⑴メトホルミン21)、ピオグリタゾン22)、スルホニルウ レア剤23)との併用試験 1) 二重盲検比較試験 食事療法、運動療法に加えてメトホルミン、ピオ グリタゾン、スルホニルウレア剤で血糖コント ロールが不十分な 2 型糖尿病患者を対象に、本剤 50mg又はプラセボを 1 日 1 回24週間投与した。 本剤50mgの併用投与はメトホルミン、ピオグリ タゾン、スルホニルウレア剤の各単独投与に対し て、有意なHbA1c値(NGSP値)の低下が確認さ れた(P<0.001)。併用療法における低血糖症状 の副作用発現率は本剤50mg及びプラセボでそれ ぞれメトホルミン併用時 0 %(112例中 0 例)及 び 0 %(56例中 0 例) 、ピオグリタゾン併用時1.0% (97例中 1 例)及び 0 %(54例中 0 例) 、スルホニ ルウレア剤併用時0.6%(166例中 1 例)及び1.3% (76例中 1 例)であった。 ピオグリタゾン併用試験 ピオグリタゾン 8.39 0.22 単独投与(n=54) (0.644) (0.811) − 6.1 (30.99) − イプラグリフロジン 8.24 −0.64 −0.88※ −36.4 −41.0※ 50mg併用投与 (0.670) (0.609) [−1.108,−0.648] (33.35) [−50.34,−31.66] (n=97) スルホニルウレア剤併用試験 スルホニルウレア剤 8.34 0.32 単独投与(n=75) (0.727) (0.963) − −1.0 (40.20) − イプラグリフロジン 8.38 −0.83 −1.14※ −41.4 −38.0※ 50mg併用投与 (0.641) (0.717) [−1.348,−0.936] (30.80) [−45.27,−30.75] (n=165) a:共分散分析(投与群、ベースラインのHbA1c値をモデルに含む) b:共分散分析(投与群、ベースラインの空腹時血糖値をモデルに含む) ※:P<0.001 2)長期継続投与試験 上記 1)の二重盲検比較試験に引き続き、本剤 50mg又は100mg(増量時)を 1 日 1 回28週間(合 計52週間)投与した。ベースラインから最終評価 時までのHbA1c値(NGSP値)の変化量(平均値 ±標準偏差) はメトホルミンを併用した群(112例) で−0.95±0.671%、ピオグリタゾンを併用した群 (97例)で−0.74±0.694%、スルホニルウレア剤 を投与した群(165例)で−0.84±0.714%であり、 52週にわたって安定した血糖コントロールが得ら れた21)∼23)。低血糖症状の副作用発現率はメトホ ルミン併用時 0 %(112例中 0 例) 、ピオグリタゾ ン併用時1.0%(97例中 1 例) 、スルホニルウレア 剤併用時3.0%(166例中 5 例)であった。 ⑵α グルコシダーゼ阻害剤24)、DPP-4阻害剤25)、ナテ グリニド26)との併用試験 食事療法、運動療法に加えてα グルコシダーゼ阻 害剤、DPP-4阻害剤、ナテグリニドで血糖コントロー ルが不十分な 2 型糖尿病患者を対象に、本剤50mg 又は100mg(増量時)を 1 日 1 回52週間投与した。 ベースラインから最終評価時までのHbA1c値(NGSP 値)の変化量(平均値±標準偏差)はα グルコシ ダ ー ゼ 阻 害 剤 を 併 用 し た 群(109例 ) で −0.82± 0.712%、 DPP-4阻害剤を併用した群(105例)で−0.81 ±0.617%、ナテグリニドを併用した群(118例)で −0.75±0.720%であり、52週にわたって安定した血 糖コントロールが得られた(ベースラインはそれぞ れ、7.96±0.820%、7.84±0.767%、7.99±0.801%で あった) 。低血糖症状の副作用発現率はα グルコ シダーゼ阻害剤併用時 0 %(113例中 0 例)、DPP-4 阻害剤併用時 0.9%(106例中 1 例) 、ナテグリニド 併用時2.5%(122例中 3 例)であった。 3.腎機能低下患者での効果 ⑴二重盲検比較試験27) 食事療法、運動療法もしくはα グルコシダーゼ阻 害剤、ピオグリタゾン、スルホニルウレア剤で血糖 −6− コントロールが不十分かつ軽度(eGFR:60mL/min/ 1.73m2 以 上90mL/min/1.73m2 未 満 ) か ら 中 等 度 (eGFR:30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満) の腎機能低下を伴う 2 型糖尿病患者を対象に、本剤 50mg又はプラセボを 1 日 1 回24週間投与した。低 血糖症状の副作用発現率は本剤50mg及びプラセボ でそれぞれ軽度腎機能低下患者で 0 %(61例中 0 例) 及び 0 %(23例中 0 例) 、中等度腎機能低下患者で 1.7%(58例中 1 例)及び 0 %(23例中 0 例)であっ た。 腎機能低下患者での二重盲検比較試験の結果(最終評価時) 【有効成分に関する理化学的知見】 全体(軽度∼中等度) 軽度 中等度 腎機能低下患者 腎機能低下患者 腎機能低下患者 HbA1c (%) プラセボ イプラグリフロジン プラセボ イプラグリフロジン プラセボ イプラグリフロジン (n=46) 50mg(n=118) (n=23) 50mg(n=60) (n=23) 50mg(n=58) 一般名:イプラグリフロジン L プロリン (Ipragliflozin L Proline) 化学名:(1S)1,5 Anhydro 1 C {3[(1 benzothiophen 2 yl)methyl]4 fluorophenyl} D glucitol− (2S)pyrrolidine 2 carboxylic acid (1:1) 構造式: ベースライン 7.52 7.52 7.57 7.45 7.47 7.59 (標準偏差) (0.536) (0.550) (0.523) (0.485) (0.554) (0.605) ベースライン −0.17 −0.42 −0.26 −0.56 −0.09 −0.28 からの変化量 (0.516) (0.514) (0.522) (0.397) (0.507) (0.581) (標準偏差) プラセボとの差 −0.25a −0.35b − − − [−0.415,−0.080] [−0.545,−0.153] [95%信頼区間] P値 − P=0.004 a − P<0.001 b − 養剤負荷後の血糖値上昇を抑制した31)。更に、イプ ラグリフロジンは 2 型糖尿病KK-Ayマウス並びにdb/ dbマウスにおいて、 1 日 1 回28日間の反復経口投与 によりHbA1c低下作用を示した32)33)。 2 型糖尿病患者を対象に、本剤50mg、100mg又は プラセボを 1 日 1 回14日間投与したところ、本剤投 与群において最終投与後24時間までの累積尿中グル コース排泄量のベースラインからの変化量が増加し た。また、空腹時血糖値のベースラインからの変化 量も増加した3)。 −0.17b [−0.449,0.103] P=0.215 S F b H N a:共分散分析(投与群、ベースラインのHbA1c値及びeGFRのカテゴリー をモデルに含む) b:共分散分析(投与群、ベースラインのHbA1c値をモデルに含む) ・ HO ⑵長期継続投与試験27) 上記⑴の二重盲検比較試験に引き続き、本剤50mg 又は100mg(増量時)を 1 日 1 回28週間(合計52週 間)投与した。ベースラインから最終評価時までの HbA1c値(NGSP値)の変化量(平均値±標準偏差) は−0.44±0.595%であった。腎機能別にサブグルー プ解析した結果、軽度腎機能低下患者では−0.54± 0.478%、中等度腎機能低下患者では−0.33±0.684% であった。低血糖症状の副作用発現率は軽度腎機能 低下患者で6.6%(61例中4例) 、中等度腎機能低下 患者で3.4%(58例中 2 例)であった。 CO2H H O H H OH H H OH HO H 分子式:C21H21FO5S・C5H9NO2 分子量:519.58 融 点:約205ºC(分解) 性 状:イプラグリフロジン L プロリンは白色∼微帯褐白 色の結晶又は粉末である。ジメチルスルホキシドに 溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水 にほとんど溶けない。 【包 装】 【薬 効 薬 理】 1.作用機序 Na+/グ ル コ ー ス 共 輸 送 担 体(SGLT:Na+ glucose cotransporter)は、Na+の濃度勾配を駆動力としてグル コースを細胞内へ能動輸送するトランスポーターであ る。ヒトにおけるSGLT1とSGLT2の機能について、消 化管におけるグルコース吸収はSGLT1が、腎近位尿細 管におけるグルコース再吸収はSGLT2が、それぞれ主 たる役割を担っていることが明らかになっている28)。 イプラグリフロジンは腎近位尿細管に発現するSGLT2 を阻害し、血液中の過剰なグルコースを体外に排出す ることで血糖降下作用を発揮する。 2.薬理作用 ⑴ヒトSGLT2阻害作用 イプラグリフロジンは、ヒトSGLT2に対して選択的 な阻害作用を示し、その50%阻害濃度(IC50値)は、 7.38nmol/Lで あ っ た。SGLT1に 対 す るIC50 値 は、 1880nmol/Lであった29)。 ⑵尿中グルコース排泄促進作用及び血糖降下作用 イプラグリフロジンは、正常マウス、ニコチンアミ ド/ストレプトゾトシン誘発軽症 2 型糖尿病マウス 及び 2 型糖尿病KK-Ayマウスにおいて単回経口投与 により投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄 量を増加させた30)。また、イプラグリフロジンは、 それらのマウスにおいて単回経口投与により液体栄 −7− 錠25mg:100錠(10錠×10) 、140錠(14錠×10) 錠50mg:100錠(10錠×10) 、140錠(14錠×10)、 300錠(バラ) 、500錠(10錠×50) 【主要文献及び文献請求先】 1.主要文献 1 )Kadokura, T. et al.:Diabetol. Int. 2(4):172, 2011 [SGL 00020] 2 )Kadokura, T. et al.:Clin. Pharmacokinet. 53(11):975, 2014[SGL 00170] 3 )Kadokura, T. et al.:Diabetes Res. Clin. Pract. 106(1): 50, 2014[SGL 00089] 4 )社内報告書(健康成人・絶対バイオアベイラビリティ 試験)(DIR130185) 5 )社内報告書(血漿蛋白結合率・薬物動態)(DIR130172) 6 )社内報告書(血漿中主要結合蛋白の推定・薬物動態) (DIR130173) 7 )社内報告書(代謝物の検索及び同定・薬物動態) (DIR130174) 8 )社内報告書(UGT分子種同定・薬物動態) (DIR130175) 9 )社内報告書(CYP阻害作用・薬物動態)(DIR130176) 10)社内報告書(UGT阻害作用・薬物動態)(DIR130177) 11)社内報告書(CYP誘導作用・薬物動態)(DIR130178) 12)社内報告書(P-gp基質性・薬物動態) (DIR130212) 13)社内報告書(健康成人・マスバランス試験) (DIR130187) 14)Zhang, W. et al.:Clin. Drug Investig. 33(7):489, 2013 [SGL 00015] 15)Veltkamp, S.A. et al.:Clin. Ther. 34(8) :1761, 2012 [MED 01740] 16)Smulders, R.A. et al.:Diabetes Obes. Metab. 14(10):937, 2012 [SGL 00018] 17)Kashiwagi, A. et al.:J. Diabetes Investig. 5(4):382, 2014 [SGL 00073] 18)Kashiwagi, A. et al.:Diabetol. Int. 6(1):8, 2015[SGL 00224] 19)社内報告書(2型糖尿病患者・長期投与試験)(DIR130210) 20)柏木厚典 他:薬理と治療 43(1):85, 2015[SGL 00173] 21)Kashiwagi, A. et al.:Diabetes Obes. Metab. 17(3):304, 2015 [SGL 00176] 22)Kashiwagi, A. et al.:Diabetol. Int. 6(2):104, 2015 [SGL 00348] 23)Kashiwagi, A. et al.:Diabetol. Int. 6(2):125, 2015 [SGL 00345] 24)柏木厚典 他:薬理と治療 42(12):923, 2014 [SGL 00165] 25)柏木厚典 他:薬理と治療 42(12):941, 2014 [SGL 00167] 26)柏木厚典 他:薬理と治療 42(12):959, 2014 [SGL 00166] 27)Kashiwagi, A. et al.:Diabetes Obes. Metab. 17(2):152, 2015 [SGL 00204] 28)Wright, E.M. et al.:J. Intern. Med. 261(1):32, 2007 [SGL 00028] 29)Tahara, A. et al.:Naunyn Schmiedeberg’ s Arch. Pharmacol. 385(4):423, 2012[SGL 00019] 30)社内報告書(尿中グルコース排泄促進作用・薬理試験) (DIR130161) 31)社内報告書(液体栄養剤負荷後高血糖の改善作用・ 薬理試験)(DIR130162) 32)社内報告書(KK-Ayマウス反復投与試験・薬理試験) (DIR130163) 33)社内報告書(db/dbマウス反復投与試験・薬理試験) (DIR130164) *2.文献請求先・製品情報お問い合わせ先 主要文献に記載の社内報告書につきましても下記にご請求下さい。 アステラス製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター 〒103 8411 東京都中央区日本橋本町 2 丁目 5 番 1 号 7 0120 189 371 製造販売 販売提携 販売提携 −8− 16.6 H 38966SgH SGL31107Z01