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指導改善のポイント 本単元に関わる学習指導要領に示された目

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指導改善のポイント 本単元に関わる学習指導要領に示された目
第5学年
算数科学習指導案
安芸高田市立小田東小学校 指導者 出原 真由美
単元名:
単元名:図形の
図形の角
1 日時 平成 25 年 10 月4日(金) 第5校時
2 学年 第5学年 男子 11 名 女子6名 17 名
単元について
本単元は,三角形の内角の和が180°であることを帰納的に調べ,その性質を用いて四角形及び多角形の内角
の和を演繹的に見いだすなどして,平面図形についての理解を一層深めることをねらいとしている。
いろいろな三角形を調べ,共通する一般的な事柄を見いだすという帰納的な考え方で,三角形の内角の和が
180°になることを説明する。そして,見つけた三角形の内角の和が180°であることをもとにして,四角形の内
角の和が360°になることを演繹的に考え,説明する算数的活動を行う。さらに発展的に考えて五角形,六角形
など多角形の内角の和を三角形の内角の和をもとにして見いだし,多角形の内角の和を考察する。このように既
習の学習をもとに,筋道立てて考える論理的な考え方を育成する。
本単元に
本単元に関わる学習指導要領
わる学習指導要領に
学習指導要領に示された目標
された目標・
目標・内容・
内容・算数的活動
目標(
目標(3)平面図形についての
平面図形についての理解
理解を
を深めるとともに,
めるとともに,角柱などの
角柱などの立体図形
についての
理解
などの立体図形について
立体図形について理解
について理解できるようにする
理解できるようにする。
できるようにする。
内容C
内容 C 図形
(1)図形についての
図形についての観察
についての観察や
観察や構成などの
構成などの活動
などの活動を
活動を通して,
して,平面図形についての
平面図形についての理解
についての理解を
理解を深める。
める。
ア 多角形や
や正多角形について
について知
知ること。
。
多角形
正多角形
について
ること
イ 図形の
図形の合同について
合同について理解
について理解すること
理解すること。
すること。
ウ 図形の
図形の性質を
性質を見いだし,
いだし,それを用
それを用いて図形
いて図形を
図形を調べたり構成
べたり構成したりすること
構成したりすること。
したりすること。
算数的活動
エ 三角形の
三角形の三つの角
つの角の大きさの和
きさの和が 180 になることを帰納的
になることを帰納的に
帰納的に考え,説明する
説明する活動
する活動。
活動。四角形の
四角形の四つの
角の大きさの和
きさの和が 360 になることを演繹的
になることを演繹的に
説明する活動
演繹的に考え,説明する
する活動。
活動。
内容の関連
中学校 年
6年
5年
4年
角の大きさ
対称な形
基本的な平面図形と平
・回転の角の大きさと 合同な図形
・合同の定義
・線対称・点対称の概念,
行線の性質
単位
・合同な図形
性質,かき方
・角度の測り方・かき方 ・合同な図形のかき方 ・対称性による多角形の ・平行線や角の性質
・多角形の角の性質
・対頂角の性質
考察
図形の角
図形の合同
・三角形・四角形の内角 拡大図と縮図
垂直・平行と四角形
の和
・台形・平行四辺形・ひ ・多角形の定義
・拡大図・縮図の定義, ・平面図形の合同と三
角形の条件
し形の定義・性質・か ・多角形の内角の和
性質,かき方
・証明の必要性と意味
き方
・縮図を利用した実測
及びその方法
多角形と円周の長さ
・対角線の定義
・三角形や平行四辺形
・正多角形の定義
の基本的な性質
・正多角形の性質と作図
2
指導改善のポイント
〈誤答分析から〉
問 角の大きさが45°,45°,90°の三角じょうぎを2つ組み合わせると正方形になります。そのわけを書
きましょう。
誤答類型(%)
条件不足(角が90°辺が等
対角線の長さ 完全誤答ある
正答 しいの片方だけ解答)
が同じ
いは無解答
本校 16.7
37.9
27.7
16.7
誤答分析
・定義と性質が明確に理解できていない。
指導上の課題
・算数用語の定着が不十分。
・図形の定義を使って,説明する活動の経験が少ない。
改善のポイント
・図形の定義や性質を使って,問題を解き考え方を説明する
活動を多く経験させる。
(1)指導内容・方法
いろいろな三角形を調べ,共通する一般的な事柄を見いだすという帰納的な考え方で三角形の内角の和が
180°になることを説明する際,図形の中に求める角に印をつけて説明する。そして,見つけた三角形の内角
の和が180°であることをもとにして,四角形の内角の和が360°になることを演繹的に考え,説明すること
を行い,筋道を立てて考える力を育てていく。さらに,多角形について知り,三角形の内角の和を用いて多角
形の内角の和の求め方も演繹的に筋道立てて考え,説明できるようにする。
演繹的に考え説明する方法として,二つの方法が考えられる。一つ目は,対角線で多角形を分け,いくつか
の三角形に分割する方法である。二つ目は、多角形の内部に点を取り,その点と頂点を結んだ直線で三角形に
分割し,最後に内部にかいた点の周りにできた360°を引く方法である。児童からは二つ目の方法は導き出せ
ないことも考えられる。その際は,新しい考え方として紹介し,筋道を立てて考えることに興味をもたせるよ
うにする。また,いろいろな三角形や四角形の敷き詰め活動を通して,三角形や四角形の角の大きさと関連付
けて考えさせ,図形の性質や幾何学的模様等に関心をもたせる。
(2)ことばの教育との関連
図形の定義や性質を言葉で覚えさせるだけで終わることがないよう,図形を示し,それがどんな図形である
か「辺」「角」「頂点」などの算数用語を的確に書き,また筋道を立てて友だちに分かりやすく説明させること
が必要である。本単元においては,図形の「角」に着目し,まず合同な三角形は敷き詰められるという既習事
項から,算数的活動を通し三角形の内角が180°に集まることに気付かせていく。そして,「どの三角形の内角
の和も180°であること」を帰納的に説明させる。次に,この定義を使って,四角形の内角の求め方を式や言
葉を使ってまとめ,説明できるようにする。さらに多角形では,はじめにどこに補助線を引いて,いくつ三角
形ができ,どの角を合わせることになったのか記号を使って説明できるようにする。また,この多角形の内角
の和の求め方から,きまりを見つけさせ,その考え方や求め方を記号や算数的用語を使って説明できるように
することに重点をおく。
(3) 書く活動の充実
三角形の内角の和が180°という定義を使って,演繹的に四角形,五角形,六角形という順で内角の和を考
える際,図に補助線を引いて考えさせる。補助線は,交わらないよう,重ならないように引くことが重要であ
ることに気付かせていきたい。できた図のどこの角度の和を求めるのかが分かりやすいように角のしるし等を
かきこみ自分の考えを整理していく。そして,整理したことを順序立てて,みんなに分かりやすく説明させた
い。さらに,七角形,八角形と調べていき,表にまとめ多角形にできた三角形の数と角の大きさから帰納的に
考えてきまりを見つけさせ,帰納的に考えていくおもしろさや有用性に気付かせていく。
(4) 生徒指導(共感的人間関係の育成)
本単元,とりわけ本時では,多角形の内角の和を考える際に様々な考え方が生まれてくる。それを互いに交
流し, 多様な考え方を認め合い,お互いの考えのよさを感じ取らせる中で,共感的人間関係を育成する。また,
適用題でペアトークを取り入れることにより,最初の自力解決や集団解決では意見をまとめきれなかった児童
にも問題を解いたり発表したりするチャンスを与え,自己達成感や自己肯定感を感じさせたい。
三角形や四角形の内角の和について,図形の性質として見出し,それを用いて図形を調べたり構成したりするこ
とができる。
単元の目標
ア 算数への
イ 数学的な考え方
ウ 数量や図形につい エ 数量や図形につい
関心・意欲・態度
ての技能
ての知識・理解
① 図形の性質に関心 ① 三角形の三つの角の大きさ ① 図形の性質を用い ① 三角形の三つの角
をもち,図形の性 の和が180°であることや
て図形を構成する
の大きさの和が
質を調べようとし 多角形の内角の和の求め方
ことができる。
180°になること
ている。
を帰納的に考えている。 ② 三角形の内角の和
や,四角形の四つの
② 三角形や四角形, ② 四角形の四つの角の大きさ
が180°であること 角の大きさの和が
多角形の角の大き の和が360°になることを, を用いて四角形,多 360°になることを
さの和について, 三角形の三つの角の大きさ
角形の内角の和を
理解している。
筋道立てて考えよ の和が180°であることを
計算で求めること
うとしている。
基に,演繹的に考えている。 ができる。
単元の評価規準
指導時間(全9時間)
次
学習活動(時数)
三角形
の内角
の和
(3)
三角形の敷詰を通し
て気づいたことを基
に三角形の内角の和
の調べようとする。
指導と評価の計画
評価規準
関 考 技 知
◎
学習における具体的評価規準
□評価規準 ◆努力を要する状況の児童への手立て
□合同な三角形を敷き詰める活動に関心をもち,三角形の
内角の和を調べようとしている。(ア①)
◆三角形の角の大きさに焦点を絞り,三つの角を色分けし
並び方の規則性からきまりに気付かせる。
四角形
の内角
の和
(2)
色々な三角形の角を
集め,どの三角形も
180°になることを
帰納的に考え説明す
る。
三角形の内角の和は
180°であることを
理解し,計算で三角
形の角の大きさを求
める。
四角形の内角の和は
360°であることを
理解し,計算で四角
形の角の大きさを求
める。
多角形
の内角
の和
(2)
「多角形」を知り,
多角形の内角の和の
求め方を考え,内角
の和を求める。
しきつ
め(1)
基本図形の敷き詰め
を通して,幾何学模
様に触れ,その美し
さを感得する。
学習したこと生かし
て問題を解く。
まとめ
(1)
◎
◎
○
◎
◎
◎
◎
◎
◎
読 む
★内角を求める式を見て,分割の仕方や
□三角形の内角の和を切って合わせたり,三角定規の角の
大きさを調べたりすることを通して帰納的に考え,内角
の和が180°になることを説明している。(イ①)
◆いろいろな三角形を切って合わせる活動を通して感覚的
に180°になることに気付かせる。
□いろいろな三角形について,内角の和が180度になるこ
とを理解している。(エ①)
□計算で三角形の角の大きさを求めることができる。
(ウ①)
◆分度器で測ったり切った三角形の角を集めたり,操作的
な活動の時間を十分とる。
□三角形の内角の和を基にして,四角形の内角の和の求め
方を演繹的に考え,説明している。(イ②)
□三角形の内角の和を基にして四角形の内角の和が360°
になることを,計算で求めることができる。(ウ②)
◆補助線を引くことに気付かせ,三角形の内角の和を基に
考えるよう助言する。
□三角形の内角の和を基に,多角形の内角の和を三角形に
分けて求める方法を考え,説明している。(イ②)
◆四角形の時と同様に考えてみるよう助言する。
□多角形の内角の和の求め方から帰納的に考えてきまりを
見つけ説明している。(イ①)
◆表をつくり規則性を見つけるよう助言する。
□三角形や四角形の性質を用いて敷き詰め模様を作ろうと
している。(ア①)
◆より良い作品やサンプルを提示し意欲を高める。
□三角形の三つの角の大きさの和が180°になることや,
四角形の四つの角の大きさの和が360°になることを理
解している。(エ①)
◆今までの学習を掲示やヒントカードなどを活用して
振り返りながら学習を進める。
書 く
研究主題とのかかわり
☆図形に角を求めるための補助線をかき
入れる。 求める式を書く。
角を指して説明することができる。
考 え る
・ 三角形の内角の和が180°であることを活用し,五角
形の内角の和の求め方を考える。
発問・指示・切り返し
①何を基に考えましたか。
②三角形・四角形の内角の
和が一定であることを
基に考えましょう。
③共通していることは何
ですか。
言語活動の充実
思考
三角形と四角形の内角の和を基
に演繹的に考える。
表現
三角形の三つの角の大きさの和
が180°と四角形の四つの角の大
きさの和が360°であることを基
に考え,説明する。
教材提示・ワーク・学習形態
・三角形・四角形の内角の和
を求める際に使用したシ
ートを提示し,活用する。
・自分の考えをペアトークで
交流させる。
(1)本時の目標
三角形の内角の和が180°であることを用いて,多角形の内角の和の求め方を考え,説明する。
(2)評価規準
三角形の内角の和が180°であることを基に,多角形の内角の和を三角形に分けて求める方法を考え,説明
している。【数学的な考え方】
(3)準備物
五角形をかいたワークシート
(4)本時の展開(6/9)
学習活動
指導上の留意点
評価規準(方法)
◆努力を要する児童への支援
1前時の想起
・五角形と六角形の定義を提示する。
五角形や六角形の定義を知る。 ・四角形の内角の和を考えたとき,
どうしたかを想起させ,いくつ方
法があるか考えさせ,対角線を引
いて既習事項の内角の和を使って
2問題把握
考えればよいことに気付かせる。
◆補助線は重ならないこと交わらな
五角形の角の大きさの和を求めましょう。
いことを確認する。
本時の学習
多角形の内角の和の求め方を考え,説明しよう
3 五角形の内角の和を求める。
・図の中に対角線や
対角線や印,言葉を
言葉を ・三角形の内角の和を基
① 3つの三角形に分割する。
書きこんで考
きこんで考えさせる。
えさせる。
に,五角形の内角の和を三角
・図に書きこんだことを式
きこんだことを式にす
形に分けて求める方法を考
ることも考
ることも考えさせる。
えさせる。
えている。【考】
180×3=540
(ノート)
書く活動
540°
② その他の三角形分割にする。 ・早くできた場合,他の方法も考え
させるように促し,それぞれの共
通性を考えさせる。
◆四角形の時と同様に三角形にする
方法を考えさせる。(補助線記入)
180×4-180=540
図を活用しながら,内角の和を
180×5-360=540
考える。
540°
考
4 五角形の内角の求め方を説明す ・どの考えにおいても既習の三角形
【共感的人間関係】
る。
の内角の和が180°であることを 友だちの発表を聞いて,多
使っていることを確認する。
既習事項を生かして内角の求め方 ・②の考え方が児童から出た場合は 様な考え方を認め合う。
を説明する。
表 説明させる。
三角形の内角の和が180°であることを活用し,五角形の内角の和の求め方を考え,説明する。
■四角形の内角の和の求め方で,既習事項である「三角形の角の大きさの和は180°である」ことを使っ
てまとめたことを生かして,五角形の内角の大きさについてもまとめる。
■図の中で内角にあたる部分を明確にさせ,引いた角度はどこにあたるか指し示しながら,自分の考えを
わかりやすく説明する。
■算数用語「角の大きさ」「和」やポイントとなる言葉「対角線」を用いて説明する。
まず,四角形の角の大きさを求めるときに考えたように対角線を引いてみると,三角形に分けること
ができました。そして,三角形の数を数えて計算すると180×3で求められました。
だから,五角形の内角の和は三角形の内角の和を基にすると求められます。
言語活動の充実
5 まとめる。
・対角線で三角形に分けて計算すれ
ばよいことをまとめさせる。
Tどの求め方にも,共通している
何ですか。
Cどれも補助線を入れて,三角形
を見つけています。
C三角形の内角の和が180°であ
るということを使っています。
6 適用題を解く。
・六角形の内角の和を求める。
・表に三角形の数と内角の和をま
とめる。
・七角形,八角形の内角の和を求
める。
7 本時の学習を振り返る。
C○君の考えで五角形でも六角
形でも三角形に分ければ簡単
に求められることがよく分か
りました。
既習の三角形の角の和が
180°であることを使って
求められることをまとめ
る。
教
・本時の学習を基に補助線を引き予 ・三角形の内角の和が180°で
想を立てさせて自力解決させ自分 あることを基に,多角形の内
の考えをペアトークで交流させ説 角の和の求め方を考えてい
明することにより,学び合いの場 る。【考】(ワークシート)
をもつ。
B:三角形の内角の和が
180°であることを基
・自分の考えや友だちの考えのよさ
に,五角形の内角の和
を見つけさせる。
を三角形に分けて求め
る方法を考えている。
A:三角形の内角の和を
基に複数の方法を考え
ている。
(5)板書計画
4 図形の角 ④
10/
め 多角形の内角の和の求め方を考えて説明しよう ○問五角形の内角の和を求めよう
○
180×3=540
180×3=540
三角形の内角の和180°
180×4-180 180×5-360
問2六角形の内角の和を求めよう
180×4=720
○ま 多角形は線を引いて三角形にわければ,
内角の和を求めることができる。
(6)ノート計画
E
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