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PDF版266KB - 神奈川県立の図書館ホームページ
図書館には図書、雑誌、神奈川資料、新聞、視聴覚資料、インターネットといったたくさんの情報のとびらがあります。 そのとびらを開いて、時事的な話題を複合的な視点から紹介します。 伊福部昭 音楽の世界 (いふくべ・あきら) 伊福部昭(1914-2006)は日本を代表する作曲家の一人です。北海道・釧路に生まれ、北海道帝大を卒業、地方林務 官勤めの一方、独学で作曲技法を習得、作曲活動を続け、後に作曲家として名を成しました。管弦楽・交響楽・舞踊音 楽のオーケストラ曲や『ゴジラ』などの映画音楽まで、その作品は幅広く親しまれています。東京音楽学校(現・東京芸 術大学)講師、東京音楽大学教授を経て、同大学長に就任。教育者としても数多くの音楽家を育成し、直弟子に芥川也 寸志、黛敏郎などがいます。2016(平成28)年2月8日は没後10年に当たりました。伊福部昭の音楽芸術の世界を、県立 図書館の資料から紹介します。 図書のとびら 書 名・内 容 著者等 出版者 出版年 請求記号 (資料番号) 『生の岸辺―伊福部昭の風景《パサージュ》』 同じ北海道生まれの柴橋伴夫(詩人・美術評論家)による伊福部昭の生涯に迫 る評伝です。伊福部家は因幡国宇倍神社(鳥取)の宮司を長年務める家系でし たが明治維新により祖父が離職、父は神奈川県警察署長などを経て北海道に 渡り、釧路署長時代の1914年昭が生まれました。著者は因幡から生地・釧路、音 柴橋伴夫著 更、札幌、厚岸へと伊福部昭の創造の魂を養った地を旅し、その足跡を求めま す。戦中をどのように生き、戦後『原爆の子』『ゴジラ』などの映画音楽に何を込め たのか、伊福部昭を「知の人」と呼び、その肖像・美学を2014年までの100年間追 究しています。 藤田印刷 エクセレン トブックス 762.1/310 2015年 (22857262) 公開 『伊福部昭と戦後日本映画』 (叢書・20世紀の芸術と文学シリーズ) 伊福部昭の生誕100年、『ゴジラ』誕生60年で注目された2014年、株式会社ア ルファベータが『叢書・20世紀の芸術と文学シリーズ』の1冊として刊行しました。 小林淳著 伊福部昭が関わったのは特撮映画だけではありません。東宝、大映、東映、松 竹、日活、独立プロに次々と関わり、巨匠・名優たちとともに数々の映画作りに活 躍しました。伊福部昭を通して見る、戦後映画史を紹介しています。 アルファ ベータ 778.21/562 2014年 (22753180) 公開 『伊福部昭綴る――伊福部昭 論文・随筆集――』 1930年代中期から2000年代初期にわたり、主に雑誌、新聞等に執筆・発表した 論文、随筆類から、29本を選び1冊の本にまとめたものです。北海道新聞に短期 伊福部昭著 連載の「私のなかの歴史――北の譜」(聞き手・奥津義広記者)や、音楽之友社 小林淳編 刊『音楽芸術』で連載された研究論文「明清楽器分疏」などが収録されています。 この論文は、後に『東京音楽大学民俗音楽研究所研究紀要「伝統と創造2002年 度」』(同研究所編)で復刻されています。 ワイズ出版 2013年 (22861736) 『伊福部昭・音楽家の誕生』 木部与巴仁によるノンフィクションです。著者は「序 伊福部昭と私」の中で「(前 略)ひょんなことから彼の音楽を聴き、彼について書こうとしてしまった。彼との出 木部与巴仁 会いを持ち、自分自身に思わせてしまった、書かねばならない、と。原因はたった 著 一つ。魅力ある音楽の創り手が、どのようにして生まれたのかを知りたいため。 (後略)」と綴っています。 新潮社 762.1FF/172 1997年 (20933164) 書庫 『伊福部昭の宇宙』 本書刊行の1992年当時、伊福部昭は78歳。1974-97年東京音楽大学教授を 務め、この間76-87年同大学長に就任。83年にはゴジラ30周年記念「伊福部昭 SF特撮映画音楽の夕べ」が開催され、87年には勲三等瑞宝章を受章していま 相良侑亮編 す。富樫康、小宮多美江、片山素秀、小村公次、井上誠、上野耕路の6人が「シ ンフォニア・タプカーラ」「伊福部昭をめぐる人々」「舞踊音楽の世界」「映画音楽の 世界」などそれぞれの観点で執筆した初のアンソロジーです。 音楽之友 社 762.1AA/154 1992年 (20474516) 書庫 760.4/423 公開 『管絃楽法 上巻(1968年増補版)・下巻』 1953年初版『管絃楽法』を刊行、68年加筆訂正の上、補遺を付した『管絃楽法 上巻』として改めて刊行されました。『同 下巻』は初版から15年を経て1968年に 刊行。管絃楽の性能に関する基礎的概論、管絃楽を構成する個々の楽器の性 伊福部昭著 能、楽器の組み合わせに依る共同効果について書かれています。出版以来、管 弦楽法の最高峰といわれる名著で、上巻13刷、下巻7刷の増刷を重ね、2003年 から改訂版作成に取り掛かりますが、2006年編集半ばで逝去しました。(後に後 継者が完成させ、2008年『完本 管絃楽法』(全1冊)が刊行されました。) 音楽之友 社 AV764.3/C上:7刷 41、C-42 1983年、 (40149007) 下:4刷 (40149015) 1982年 書庫 雑誌のとびら 雑誌名・出版者 記事名・内容 「短期集中連載 民族の血に流れる音楽~伊福部昭、大いに語る 第1回~ 第3回」 諸石幸生(取材・文) 竹原伸治(写真) 「一家を成した大音楽家がその音楽を語るロング・インタビュー・シリーズ」で作 曲家・伊福部昭を3回にわたり取り上げました。第1回は作曲の勉強は文献から 『音楽の友』 学んだことや、唯一の師というチェレプニンとの交流を中心に語っています。第2 音楽之友社 回では終戦前後の思い出から、早坂文雄(作曲家)を頼って上京、スタートした新 生活を振り返るなど、苦労時代を回想しています。最終回では今後の進むべき 道を探りながらの作曲論・音楽観を語っています。 「特別対談『伊福部昭の映画音楽』をめぐって」 佐藤勝・小林淳 巻号・ページ 第61巻第7号 2003年7月号 p130~133、 同 第8号 8月号 p98~101、 同 第9号 9月号 p100~103 請求記号 Z760.5/2 第1256号 ワイズ出版から1998年2月に発売された単行本『伊福部昭の映画音楽』につい 『キネマ旬報』 (通巻2070号) て、その著者の小林淳と映画音楽界の巨匠と言われる佐藤勝(伊福部昭と並ぶ キネマ旬報社 1998年5月下旬号 p188~191 戦後日本の映画音楽の開祖である早坂文雄の愛弟子)が対談。伊福部昭の業 績や、日本の映画音楽の歩みを振り返っています。 Z778/13 新聞のとびら 記事名・内容 新聞名 掲載日・ページ 「伊福部昭氏を悼む 本流に対峙した人」 「作曲家としての力量は今更言うまでもないが、伊福部昭先生は、教育者として も傑出した人だった。芥川也寸志、黛敏郎、三木稔、松村禎三、石井眞木、和田 日本経済新 2006年2月14日朝刊 p44 薫……。これだけ多くの、全く個性の違った作曲家を育てた人は、日本には他に 聞 いないだろう。私も教育者となった今、その偉大さが分かる。(後略)」(指揮者・広 上淳一) 視聴覚資料のとびら 内容 タイトル 請求記号 長男・伊福部極(いふくべ・きわみ)とゼール音楽事務所が「伊福部昭十年祭※」の CD18/イフク ために制作。伊福部昭は晩年、邦楽器、とくに多絃箏へ傾倒していました。伊福部 (41353277) 二十五絃箏曲集 (伊福部昭十年祭の 音楽の魅力を引き出した二十五絃箏による合奏作品集で、「日本狂詩曲」「七ツの 2016年発売 視聴覚資料室 ヴェール」「ヨカナーン」「胡哦」「聖なる泉」を収録しています。 ための) 公開 ※「十年祭」とは神道における没後10年を表す。 キングレコードが1995年から手掛けた「伊福部昭の芸術」シリーズは、伊福部昭 CD18/イフク 自らの監修のもと、緻密なセッション・レコーディングにより、管弦楽作品の数々が (41352170- 最高の録音によって生み出されました。2015年に制作開始20周年を記念して、これ 41352303)、 付:別冊解説書1冊 伊福部昭の芸術 まで発売の12タイトル(14枚)と、新たに初CD化となる音源を集めた2枚の計16枚を 20周年記念BOX まとめてプレミアムBOXとして発売。片山杜秀による伊福部昭ロング・インタビュー、 (41352311) 2015年発売 楽曲解説のほか、録音風景の秘蔵写真、伊福部昭の人物相関図など100ページ 視聴覚資料室 に及ぶ充実した別冊解説書付きです。 公開 東宝におけるSF怪獣映画の封切された流れに従って、Ⅰは1954-1968年、Ⅱは CD99(41013830) ゴジラ&怪獣映画音 1968-1984年の映画音楽で構成されています。その中で伊福部昭が関わった作 (41013848) 1991年発売 楽大百科 品は、22タイトル中13と、全体の6割を占めます。CDを聴いて、上映当時に想いを 視聴覚資料室 Ⅰ・Ⅱ 馳せてみませんか? 公開 東宝が初めて制作した特撮怪獣映画『ゴジラ』は、本田猪四郎が監督、原作は香 山滋、脚本を村田武雄と本田猪四郎監督で書き、出演者に宝田明・河内桃子・平 DV78/コシラ 田昭彦・志村喬を迎えて、特殊技術を円谷英二、音楽を伊福部昭が担当していま (41118001) 2001年発売 ゴジラ す。1954年に公開され大ヒットを記録しました。今年公開の『シン・ゴジラ』へと続く、 視聴覚資料室書庫、 一連のゴジラ映画シリーズの原点です。 館内視聴のみ。 (本編:97分、字幕:日本語、音声:日本語、映像特典:52分付) インターネットのとびら タイトル 伊福部昭 公式ホームページ (暫定版) KONAMUCHI news 内容 伊福部昭公式ホームページ設立準備会(AIOHEPA)が主宰のオフィシャルサイ トです。トップページを開くと伊福部昭の写真が出迎え、略歴や、生前に書いた文 書・談話が、関係各方面の承諾の下に全文転載されています。 伊福部家による情報発信サイトです。「2014年の伊福部昭生誕100年に向けて寄 せられたnews、情報を自宅のボードに貼るだけでは余りにも勿体なく、関心のある 方々にも是非見て頂きたく、始めたサイト」で、伊福部昭関連情報が掲載されてい ます。 お問い合わせ:神奈川県立図書館 資料部情報整備課 〒220-8585 横浜市西区紅葉ケ丘9-2 ☎045-263-5922 URL:https://www.klnet.pref.kanagawa.jp/yokohama/index.html URL http://www.akiraifukube.jp/ http://www.ac.auo nenet.jp/~snamuchi/i ndex.html