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実はすごいんです!『歴史から見る茨城』の豆知識
実はすごいんです!『歴史から見る茨城』の豆知識 古 世 代 5 億年前 古 墳 時 代 4世紀 奈 良 時 代 8世紀 日本最古の地層は茨城県内(県北地域)から発見 ◇日立市大雄院の地層から発見された変成岩地層は,約 5 億 年 前のカンブ リア紀の地 層であり, 日本最古のものである こ とが確認さ れた。その 後の調査で 常陸太田市内の地層は さらに古いことが確認されている(約 5 億 1100 万年前)。 ~ 古墳や埋蔵文化財の宝庫である茨城 6世紀 ◇茨城は全国有数の古墳や埋蔵文化財等の遺跡の宝庫。 ◇大規模古墳(全長 130 m以上)の数は,東日本で第2位。 ◇石岡市の舟塚山古墳(186 m)は,東日本で第2位の規模。 ◇遺跡数は古来より多くの人が居住したことを証明し,大規 模古墳の出現は,強大な権力と経済力を保持する支配層の 出現と それを維持する生産力の高さを示すと考えられる。 常世の国(理想郷)と記述された常陸の国 ◇奈良時代に編さんされた常陸風土記において,常陸国(茨 城の昔の国名)は,肥よくで海や山の幸に恵まれた「常世 の国」であると記述されている。 9世紀 大国であった常陸の国 ◇平安時代の地方諸国は,国力により大国・上国・中国・下 国の 4 段階に区分されていた。 ◇常陸国は最も上位の大国に位置し,さらに,大国の中でも 常陸・上野・上総国の3国は皇族である親王が国司に任じ られる親王任国であった。 平 安 時 代 全国で最大級の規模を誇る常陸国庁跡 ◇常陸国の国庁(現在の県庁)の敷地規模は東西約 100 m(常 陸国庁の最大規模時には東西 150m 以上となる)に及び全国 でも最大級。 ◇国庁の敷地規模は,東西 70 ~ 90 mが一般的であり,大国 であった常陸国の地位の高さを示すと考えられる。 古来より生産力の高かった常陸の国 10 世紀 ◇常陸の国は,田積(土地面積を示す),官稲(税金として 徴収された稲等)ともに陸奥国についで第2位であり,古 来より農業生産力の高かったことがうかがわれる。 ○ いばらき早わかりガイド 国内で 2 番目に古い地層は,岐阜県飛 騨山脈の地層。約 4.4 ~ 4.9 億年前のオル ドビス紀の地層であるといわれている。 ○本県遺跡数:11,523 所(全国平均は 9,400) 東日本の大規模古墳ランキング (全長 130 m以上) 第1位 群馬県 …5基 第2位 茨城県 …4基 第3位 宮城・栃木・埼玉・千葉・山梨県 …1基 ○常陸風土記の記述 「それ常陸の国は,堺これひろく,地もまたはるかにし て,土壌うるい,原野肥えたり,ひらきたるところ, 山海の利ありて,人々ゆたかに,家々にぎわえり」 ○律令制下における諸国の数は 68 国 大国…大和国,近江国,越前国など 13 国 上国…尾張国,相模国,下野国など 34 国 中国…安房国,長門国,薩摩国など 12 国 下国…伊賀国,伊豆国,飛騨国など9国 ○全国唯一の総瓦葺建物であった那珂郡衙 那珂郡衙(郡役所)の正倉院(倉庫群) は全国でも唯一の総瓦葺きの建物(郡衙 の正倉院の屋根は,萱・板・桧皮葺きが 一般的であった)。 順位 田積(町) 官稲(束) 第1位 陸奥(2,386,430) 陸奥(51,440) 第2位 常陸(1,846,000) 常陸(40,992) 出典『律令封禄制度史』1977年 吉川弘文館 浄土真宗の開祖・親鸞の布教 13 世紀 ◇鎌倉時代前期,20 年に渡って茨城の地に滞在,極楽往生 の教えを広めた。また,主著とされる『教行信証』は茨城 の地で著された。 ~ 鎌 倉 時 代 ~ ○親鸞ゆかりの地 ・西念寺(稲田草庵跡。笠間市)・・・常陸 地方の布教の中心地。『教行信証』を執筆 ・小島草庵跡(下妻市)・・・親鸞最初の逗 留地といわれる ・ 戦国時代を巧みに生き抜いた北関東の雄佐竹氏 戦 国 時 代 16 世紀 江 戸 時 代 17 世紀 ◇佐竹氏は平安時代後期から 450 年もの長きにわたって常陸 国北部を根拠に,群雄割拠の乱世を北条氏や伊達氏と競い 合いながら,有数の戦国大名へと成長した。 ◇活躍の背景には肥よくな水田地帯と金山などの鉱物資源が あり,室町時代佐竹氏のもとでは,禅宗文化が栄え,水墨 画の大家・雪村らを輩出した。 德川氏一門や有力譜代大名が配置された茨城 【雪村の主な作品】 ・雪村自画像・花鳥図屏風・呂洞賓図 ・風濤図・松鷹図 (※すべて国重要文化財に指定) ○御三家水戸藩 ◇幕府守護を主な目的として御三家としての水戸藩徳川家 水戸藩は諸藩の内唯一参勤交代のない江 や,徳川氏の一門が配置された。 戸定府制であった。『大日本史』編さんに着 手し,日本で初めて本格的な文化財発掘調 ◇古河藩主には,大老を務めた土井利勝や堀田正俊(古河藩 査を行った 2 代光圀や弘道館・偕楽園を創 は土井家から堀田家,その後再び土井家が就封。両家とも 設した 9 代斉昭を輩出。 大老を輩出する大老 4 家の格付けを有した),また,結城藩 ○大老 4 家・・井伊・酒井・土井・堀田家 主には老中水野忠邦などを輩出した水野氏の宗家,土浦藩 古河藩主土井利位は大阪城代として家老 主には老中として綱吉から吉宗まで 4 代の将軍を補佐した 鷹見泉石とともに大塩平八郎の乱を平定。 土屋政直を輩出した土屋家など有力譜代大名が配置された。 また,雪の結晶を表した『雪華図説』を著 作。 -1- 江戸時代の代表的な新田開発であった飯沼開拓事業 ◇ 8 代将軍吉宗の新田開発奨励策により秋葉左平太らの名主 等が中心になり飯沼(現常総市・坂東市)を含めた湿地帯を 干拓,約 1,525ha の広大な新田が完成。以後昭和初期まで改 修工事が 行われ「美田三千町歩」と呼ばれる米どころとな るなど,現在の農業発展の基盤を形成。 19 世紀 江 戸 時 代 北方(蝦夷地)探検のパイオニアを輩出 ○坂野家住宅(常総市)・・18 世紀初建築。 飯沼新田開発の地元責任者でもあった 有力名主の家。豪壮で意匠に優れた代表的 な豪農建築で国の重要文化財に指定されて いる。 ○地理学の発達に業績を残した人物を輩出 ◇木村謙次(現常陸太田市出身)は,最上徳内・近藤重蔵ら とともに択捉島に渡り北方地方を探検した(択捉島に建てら れた木標「大日本恵登呂府」は謙次の手によるものといわれ る)。 ◇間宮林蔵(現つくばみらい市出身)は,樺太を探検し離島 であることを発見した(樺太と大陸との海峡は「間宮海峡」 と命名され,世界に紹介された)。 長久保赤水(現高萩市出身)・・・日本初の経緯線 入日本地図『改正日本興地路程全図』を作成。 明治初年まで一般に広く使われた。 沼尻墨僊(現土浦市出身)・・・長久保赤水の影響 を受け傘式地球儀を作成。 山村才助(土浦藩士)・・・19 世紀初頭日本で唯一 の総合世界地理書『訂正増訳采覧異言』を著作。 全国最大規模の藩校・弘道館 ◇水戸藩 9 代藩主徳川斉昭によって天保 12 年(1841 年)創 建された弘道館は全国の藩校中最大規模となる 5 万4千坪 (東京ドーム 4 個分)の敷地を有した。ここでは,医学・薬 学・天文学・洋学など総合的な教育活動が行われ,近代化 の発展に大きな貢献を果たした。 ○藩校の比較 ①弘道館 ②明倫堂(金沢藩) ③明倫館(萩藩) ④昌平黌(幕府) 178,400ha 56,100ha 46,200ha 36,300ha 世界無形文化遺産にも登録された本県の「たから」結城紬 ◇中世には常陸紬,江戸時代初期から結城紬と称され,本 ○ユネスコ無形文化遺産 ・結城紬は 2010 年 11 月に「組踊」(沖縄県) 県の特産品として江戸問屋を中心に出荷された。 とともに登録。 ◇明治時代,京都で開催された内国博覧会で高い評価を得, ・2012 年 1 月現在,我が国では 20 件登録。 関西方面にも販路が広がり,紬の代表的存在となっていっ 茨城県では結城紬の他に「日立風流物」が た。 2009 年に登録されている。 明 治 時 代 明治期から全国的に上位県であった茨城の農業 ・本県農業の位置付け(全国順位) 明 37 明 43 大8 農家数 20 世紀 農家人口 経営耕地面積 農業産出額 12 - 4 - 8 - 4 - 8 - 4 - 昭5 7 - 3 - 昭 16 昭 25 昭 35 昭 45 昭 55 平2 4 - 3 - 6 5 3 - 5 4 3 3 4 2 3 2 3 1 3 2 平 12 平 22 1 1 3 2 1 1 3 3 1 2 3 2 ○収穫量全国 1 位の農産物(平成 22 年) 陸稲・れんこん・はくさい・レタス(冬 春 )・ ち ん げ ん さ い ・ く り ・ メ ロ ン ・ ピーマン・みずな・鶏卵など *「農林業センサス累計統計書」「2010 世界農林業センサス」より作成 *平成 2 年以降の農家数・農家人口・経営耕地面積は販売農家 ◇「農林関係県政要綱」(昭和 3 年。茨城県農林課)には,「本 県ノ農業的地位は全国的二見テ有数ノモノナリ」として,食用 農産物総価格5位であることなどを紹介しているが,現在では 農業産出額は2位となっており,当時以上の全国屈指の農業県 になっている。 現 躍進する茨城の工業 ・年々躍進を遂げる本県の工業(全国順位) 代 明 42 大9 事業所数 37 従業員数 製造品出荷額等 34 - 昭5 42 22 39 31 - 30 昭 15 昭 25 昭 35 昭 45 昭 55 平2 21 19 23 24 28 29 23 18 20 21 17 14 19 11 9 16 8 9 平 12 平 22 12 8 9 10 8 8 *「工場統計総表」「工場統計表」「工業統計表」より作成 ◇昭和 30 年代から始まった鹿島開発や筑波研究学園都市整備 事業など大規模な開発事業が進められた結果,本県は全国有 数の工業県に躍進を遂げている。 -2- ○出荷額全国 1 位の工業品目(平成 20 年) ビール・エスカレ-タ・電子顕微鏡 望遠鏡・農業用トラクタ・電子ケーブ ル・ボール盤・感光紙・ショベル系掘 削機・生薬漢方など