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総括 [PDFファイル/64KB]
Ⅰ
改訂の概要
1
作業体制
改訂作業に当たっては、野生生物について優れた学識経験を有する委員から構成する「岡山
県野生動植物調査検討会」を設置し、岡山県野生生物目録(2003)の作成以降、毎年度データの
収集及び更新を行った。
また、作業方針や事業スケジュールなど検討会の事業に関する重要事項を協議するため、検
討会に「運営委員会」を設置するとともに、それぞれの対象分類群での選定作業をより的確に
進めていくため、検討会のもと「動物部会」、「昆虫部会」及び「植物部会」を設置し、作業
を進めた。
◇「岡山県野生動植物調査検討会」(37名)
会長
○
千 葉 喬 三
(岡山大学長)
〔動物部会〕(12名)
阿 部
○
◎
○
○
司
(日本学術振興会特別研究員)
伊 藤 邦 夫
(川崎医科大学附属高等学校教頭)
江 木 寿 男
(株式会社日本総合科学)
江 田 伸 司
(倉敷市立自然史博物館学芸員)
川 原 啓 路
(岡山の自然を守る会)
小 林 秀 司
(岡山理科大学准教授)
佐 藤 國 康
(川崎医科大学特任教授)
野 嶋 宏 一
(株式会社ウエスコ大阪支社環境調査課長)
丸 山 健 司
(日本野鳥の会岡山県支部支部長)
森
(岡山県自然保護センター主任研究員)
生 枝
山 田 信 光
(作州野鳥の会)
山 田
(岡山県自然保護センター友の会)
勝
〔昆虫部会〕(10名)
◎
○
青 野 孝 昭
(元倉敷市立自然史博物館館長)
○
伊 藤 國 彦
(岡山県立大学教授)
奥 島 雄 一
(倉敷市立自然史博物館学芸員)
近 藤 光 宏
(元倉敷市立自然史博物館館長)
中 村 具 見
(倉敷昆虫同好会会員)
守 安
敦
(倉敷市立児島中学校教諭)
山 地
治
(岡山昆虫談話会会員)
○
○
吉 鷹 一 郎
(関西高等学校教諭)
渡 辺 昭 彦
(岡山昆虫談話会会員)
渡 辺 和 夫
(倉敷昆虫同好会会員)
- 1 -
〔植物部会〕(11名)
○
○
◎
池 田
博
(東京大学総合研究博物館植物部門准教授)
榎 本
敬
(岡山大学資源生物科学研究所准教授)
片 岡 博 行
(津黒いきものふれあいの里自然観察専門員)
狩 山 俊 悟
(倉敷市立自然史博物館学芸員)
小 畠 裕 子
(倉敷市立自然史博物館友の会評議員)
地 職
(岡山県自然保護センター研究員)
恵
西 村 直 樹
(岡山理科大学自然植物園園長)
○
西 本
(岡山県自然保護センター主任研究員)
○
波 田 善 夫
(岡山理科大学学長)
星 野 卓 二
(岡山理科大学生物環境システム学科教授)
山 下
(岡山大学資源生物科学研究所助教)
○ 土 屋
孝
純
充
(財団法人岡山県環境保全事業団常務理事)
○ 岡山県自然保護センター所長
○ 岡山県生活環境部自然環境課長
「◎」印は、部会長
「○」印は、運営委員会委員
(所属は、平成21年3月現在)
(敬称略、各分科会は五十音順)
◇協力員
〔動物部会〕
鶴 崎 展 巨
福 田
宏
〔植物部会〕
浅 井 幹 夫
池 畑 怜 伸
熊 瀬 徳 輝
古屋野
寛
猪
雅 人
高 田 真 一
片 山
久
高 見 源 廣
川 合 啓 二
高 山 敬 三
立 石 幸 敏
(敬称略、五十音順)
- 2 -
2
調査経過
本調査においては、岡山県野生生物目録(2003)を基に、その後新たに確認された情報を反映
するとともに、名称等の変更があったものについては最新のものに改めた。
また、岡山県版レッドデータブックの改訂に先立ち、岡山県版レッドデータブックのカテゴ
リー区分を見直すとともに再度評価を行った。
さらに環境省レッドリストに掲載されているもの、外来生物法による特定外来生物、要注意
外来生物に指定されているものについては、新たに欄を設けてその旨を記載した。
平成10年度から今回の改訂に至る取り組み事項については、以下のように実施した。
調査の実施フロー
年
度
平成10年度
事
項
「岡山県野生生物調査検討会」の設置
暫定版の「野生生物目録」作成
平成11年度
仮レッドリストの選定
現地調査や追加情報で分布情報を補充
平成12年度
「岡山県版レッドデータブック」掲載候補種の選定、公表
カテゴリー区分の決定
平成13年度
生息(生育)状況、生息(生育)環境区分の検討
「岡山県版レッドデータブック」掲載候補種の検討・見直し
平成14年度
「レッドリスト」の確定
『岡山県版レッドデータブック』『岡山県野生生物目録』の発刊
平成15年度
~平成19年度
平成20年度
「岡山県野生動植物調査検討会」の設置
生息・生育情報の収集、データベースの更新
「岡山県版レッドデータブック」カテゴリー区分の見直し
『岡山県野生生物目録』の改訂
- 3 -
3
調査対象分類群
生物は、プランクトンなど顕微鏡的な大きさのものから哺乳類に至るまで様々な種が見られ
るが、本調査の対象とする分類群は、以下の野生生物とした。
動物‥‥脊椎動物(哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、汽水・淡水魚類)
無脊椎動物
昆虫類
昆虫類以外の無脊椎動物
脊索動物、棘皮動物、触手動物、腕足動物、節足動物、
星口動物、ユムシ動物、環形動物、軟体動物、類線形動物、
紐形動物、扁形動物、刺胞動物、海綿動物
植物‥‥維管束植物(シダ植物、種子植物)
維管束植物以外の植物(コケ植物)
- 4 -
Ⅱ
岡山県野生生物目録
1
総括表
本書に掲載した種数は、下表のとおりである。
「岡山県野生生物目録 2009」掲載種の集計表(亜種・変種等を含む)
分 類 群
動 物
植 物
脊椎動物
哺乳類
鳥類
爬虫類
両生類
汽水・淡水魚類
無脊椎動物 昆虫類
昆虫類以外の 脊索動物
無脊椎動物
棘皮動物
触手動物
腕足動物
節足動物
星口動物
ユムシ動物
環形動物
軟体動物
類線形動物
紐形動物
扁形動物
刺胞動物
海綿動物
小 計
維管束植物 シダ植物
種子植物
維管束植物以外の植物(コケ植物)
小 計
合 計
- 5 -
種 数
48
352
19
20
159
8,656
12
12
3
3
709
2
2
27
639
2
1
3
7
17
10,693
233
2,505
532
3,270
13,963
2
目録の解説項目と内容
目録は、番号、目名、科名、和名、学名、生息(生育)状況、生息(生育)環境区分・その他、
岡山 RDB カテゴリー、環境省レッドリスト、特定/要注意外来生物の各項目について記載した。
目録の作成にあたって準拠した文献等については、動物(昆虫を除く)については別記1、昆虫
については別記2、植物については別記3のとおりである。
(1)各項目の記載内容は以下のとおりである。
・番号:分類群ごとに通し番号とした。
・目名、科名:動物は目名及び科名を、植物は科名を記載した。
・和名:標準和名を記載。よく用いられる異名がある場合は(
)内に示した。
・学名:学名は、属名、種・亜種名、命名者名を示した。昆虫は命名者名を略した。
・生息(生育)状況
:岡山県を4の区域に分け、それぞれの区域内における生息(生育)状況を記号で表した。
区域
北:岡山県の北部(概ね姫新線以北)
中:岡山県の中部(吉備高原を含む中間地域)
南:岡山県の南部(概ね旧山陽道以南)
海:岡山県の海岸(砂浜等海岸特有の地域)
生息(生育)状況
◎:多い
○:普通
+:少ない
−:記録なし
?:情報不足
全ての欄が「?」の場合は、生息(生育)状況が把握できない
もの
・生息(生育)環境区分等
:林地、草地、河川、池沼、海岸及び海域等の環境区分及び特記事項を記載した。
・岡山県 RDB カテゴリー
:絶滅のおそれのある種については、今回見直しを行った岡山県カテゴリー区分である
「絶滅」「野生絶滅」「絶滅危惧Ⅰ類」「絶滅危惧Ⅱ類」「準絶滅危惧」「情報不足」「留
意」の中から、該当するカテゴリーを表示した。
・環境省レッドリスト
:平成 18 年 12 月及び平成 19 年8月に公表された環境省レッドリストのカテゴリーを
記載した。
・特定/要注意外来生物
:特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成 16 年6月2日法
律第 78 号)に基づき、特定外来生物及び要注意外来生物に選定されている種につい
ては、その旨を記号で記した。
●:特定外来生物
○:要注意外来生物
- 6 -
(2)岡山県 RDB カテゴリーについて
岡山県 RDB カテゴリーについて、環境省レッドリストや他県との比較を考慮し、次のと
おりカテゴリーの区分を改めた。
岡山県のカテゴリー区分
環境庁のカテゴリー区分(1997)
2003 年版
絶滅種
2009 年版
絶
滅
絶
滅
野生絶滅種
野生絶滅
野生絶滅
絶滅危惧種
絶滅危惧Ⅰ類
絶滅危惧ⅠA類
絶滅危惧ⅠB類
危急種
絶滅危惧Ⅱ類
絶滅危惧Ⅱ類
準危急種
準絶滅危惧
準絶滅危惧
情報不足
情報不足
情報不足
希少種
−
留意種
留
意
絶滅のおそれのある地域個体群
- 7 -
岡山県カテゴリーの定義
区分及び基本概念
絶
滅
すでに絶滅したと考えられる種又は亜種
要
件
過去に岡山県に生息したことが確認されており、かつ次のいずれかに該当するもの
① 信頼できる調査や記録によりすでに絶滅したことが確認されている。
② 複数の信頼できる調査によっても、生息が確認できない。
③ 過去50年程度にわたり信頼できる生息の情報が得られていない。
野生絶滅
飼育栽培下でのみ存在している種
過去に岡山県に生息したことが確認されており、飼育・栽培下では存続しているが、
野生ではすでに絶滅したと考えられるもの
① 信頼できる調査や記録によりすでに絶滅したことが確認されている。
② 複数の信頼できる調査によっても、生息が確認できない。
③ 過去50年程度にわたり信頼できる生息の情報が得られていない。
※本県産であることが確認されておれば、飼育・栽培の場所は県内外を問わない。
絶滅危惧Ⅰ類
絶滅の危機に瀕している種又は亜種
もしも現在の状態をもたらした圧迫要因が
引き続き作用するならば、その存続が困難に
なるもの
①
②
③
④
既知のすべての個体群で、個体数が危機的水準にまで減少している。
既知のすべての生息地で、生息条件が著しく悪化している。
既知のすべての個体群がその再生産能力を上回る捕獲・採集圧にさらされている。
ほとんどの分布域において交雑可能な別種・別亜種が侵入している。
絶滅危惧Ⅱ類
絶滅の危険が増大している種又は亜種
もしも現在の状態をもたらした圧迫要因が
引き続き作用するならば、近い将来「絶滅危
惧Ⅰ類」のランクに移行することが確実と考
えられるもの
①
②
③
④
大部分の個体群で個体数が大幅に減少している。
大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつある。
大部分の個体群がその再生産能力を上回る捕獲・採取圧にさらされている。
分布域の相当部分に交雑可能な別種・別亜種が侵入している。
準絶滅危惧
① 環境条件の変化によって、容易に「絶滅危惧Ⅰ類」または「絶滅危惧Ⅱ類」に移行し
存続基盤が脆弱な種又は亜種
得る属性を本来有しているもの。具体的には次のいずれかの要素を持つこと。
現在のところ「絶滅危惧Ⅰ類」にも「絶滅危 a どの生息地においても生息密度が低く希少である。
惧Ⅱ類」にも該当しないが、生息条件の変化 b 生息地が局限されている。
によって容易に上位のランクに移行するよう c 生物地理上、孤立した分布特性を有する(分布域がごく限られた固有種等)。
な要素(脆弱性)を有するもの
d 生活史の一部または全部で特殊な環境条件を必要としている。
② 生息状況の推移から見て、種の存続への圧迫が強まっていると判断されるもの。具
体的には分布域の一部において次の傾向が顕著であり、今後さらに進行するおそれが
あるもの。
a 個体数が減少している。
b 生息条件が悪化している。
c 過度の捕獲・採集圧による圧迫を受けている。
d 交雑可能な別種・別亜種が侵入している。
情報不足
評価するだけの情報が不足している種
留
意
絶滅のおそれはないが、岡山県として記
録しておく必要があると考えられる種
環境条件の変化によって、容易に絶滅危惧のカテゴリーに移行し得る属性(具体的
には、次のいずれかの要素)を有しているが、生息状況をはじめとして、ランクを判定す
るに足る情報が得られていないもの
a)どの生息地においても生息密度が低く希少である。
b)生息地が局限されている。
c)生物地理上、孤立した分布特性を有する(分布域がごく限られた固有種等)。
d)生活史の一部または全部で特殊な環境条件を必要としている。
優れた環境の指標となる種
岡山県の特産種
岡山県が分布の限界となっている種
その他岡山県として記録しておく必要のある種
- 8 -
岡山県カテゴリー別集計表
岡山県カテゴリー
分類群
絶滅
哺乳類
鳥類
爬虫類
両生類
汽水・淡水魚類
昆虫類
脊索動物
棘皮動物
触手動物
腕足動物
動物
節足動物
星口動物
ユムシ動物
環形動物
軟体動物
類線形動物
紐形動物
扁形動物
刺胞動物
海綿動物
小計
シダ植物
種子植物
植物
コケ植物
小計
計
野生絶滅
3
絶滅危惧 絶滅危惧 準絶滅
情報不足
Ⅰ類
Ⅱ類
危惧
7
16
4
7
17
6
1
13
5
22
4
3
14
20
2
18
4
14
49
1
4
23
2
小計
留意
9
5
32
3
3
48
3
29
1
2
4
1
14
24
32
72
88
15
175
20
169
9
198
373
157
107
9
39
14
62
169
1
1
23
0
9
2
11
34
3
3
3
79
18
119
15
152
231
- 9 -
105
17
134
6
157
262
19
2
21
178
21
88
6
14
43
172
1
0
0
2
52
0
0
1
244
0
0
1
1
0
646
64
492
48
604
1,250
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