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情報通信技術利活用のための規制・制度改革に関する専門調査会(第6回)

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情報通信技術利活用のための規制・制度改革に関する専門調査会(第6回)
情報通信技術利活用のための規制・制度改革に関する専門調査会(第6回)
日時:平成23年2月3日(木)14:02~17:05
場所:合 同 庁 舎 4 号 館 1 2 0 8 特 別 会 議 室
○出席委員
岩瀬委員、折田委員、楠委員、後藤委員、新保委員、高島委員、野原委員(会長)、森委
員(会長代理)
※この他の出席者:鈴木参考人(総務省自治行政局住民制度課本人確認情報保護専門官)、
西泉参考人(総務省情報流通行政局地方情報化推進室長)、平尾参考人((株)日立製作所
公共システム事業部主任技師)、梅村参考人((株)NTTデータリージョナルビジネス事
業本部 e-コミュニティ事業部主任)、多田参考人(法務省民事局総務課民事調査官)、
岩崎参考人(法務省民事局民事第二課補佐官)、沼田参考人(法務省民事局民事第二課不
動産登記第一係長)、石井参考人(法務省民事局民事第一課法務専門官)、前野参考人
(法務省民事局民事第一課戸籍指導係長)、鈴木参考人(厚生労働省雇児局家庭福祉課補
佐)、小野参考人(厚生労働省老健局介護保険計画課補佐)、正野参考人(厚生労働省保
険局国民健康保険課係長)、河田参考人(国土交通省自動車交通局自動車情報課長)、陰
山参考人(国税庁課税部個人課税課
課長補佐)、島村参考人(警察庁交通局運転免許課
理事官)、中村参考人(警察庁交通局運転免許課課長補佐)、浮ヶ谷参考人(市川市情報
政策部情報政策部長)、金原参考人(市川市情報政策部情報システム担当副主幹)、本山
参考人(川口市企画財政部情報政策課課長)、大山参考人(川口市企画財政部情報政策課
課長補佐兼システム開発係長)、大高参考人(藤沢市総務部IT推進課主幹)
阿久津内閣府大臣政務官、吉田内閣官房内閣参事官、松永内閣官房内閣参事官、竹村内
閣官房内閣参事官
1.「行政機関が保有する情報の再提出不要化」に関する関係者からのヒアリング及び議
論
2.一般用医薬品のインターネット販売等に関する議論
3.今後の進め方について
4.その他
(配付資料)
資料1-1
「行政機関が保有する情報の再提出不要化」を阻む規制について(後藤委
員提出資料)
資料1-2
「行政機関が保有する情報の再提出不要化」に関する質問事項一覧(後藤
1
委員提出資料)
資料2
「行政機関が保有する情報の再提出不要化」に関する質問事項に対する回
答
資料3-1
一般用医薬品のインターネット販売等について(概要)(案)(岩瀬委員
提出資料)
資料3-2
一般用医薬品のインターネット販売等について(案)岩瀬委員提出資料)
資料4
今後の進め方について(案)
参考資料1
行政刷新会議「一般用医薬品のインターネット等販売規制の緩和」に関す
る改革案
参考資料2
行政刷新会議
規制・制度改革に関するスケジュール
参考資料3
「一般用医薬品のインターネット販売及びテレビ電話等を活用した医薬品
販売」に関する再質問に対する厚生労働省からの回答
2
開会
○野原会長
あとお一方の委員がまだなんですけれども、時間になりましたので、ただい
まより規制・制度改革に関する専門調査会の第6回を開催いたします。
今日はご多用中たくさんの方にお集まりいただきまして、ありがとうございます。
この会議については、いつものとおり、インターネットにより中継するとともに、配付
資料についてもIT戦略本部のサイトでご覧いただけるようになっています。
また、今日は折田委員が米国アトランタからオンラインで参加してくださっています。
それでは、まず本日の資料の確認を事務局からお願いします。
○竹村参事官
お手元の資料の確認ですが、資料1-1、1-2が後藤委員からの提出資
料でございます。資料2が質問に対していただいた回答でございます。資料3-1、3-
2が岩瀬委員からの提出資料でございます。資料4が今後の進め方案ということでござい
ます。
参考資料が1から3までございまして、1と2が行政刷新会議の関係の資料、参考資料
3がインターネット販売に関する再質問に対する厚生労働省からの回答ということになっ
てございます。
ご確認の上、不足がありましたらお申しつけください。よろしくお願いします。
○野原会長
ありがとうございます。
本日のテーマは、「行政機関が保有する情報の再提出不要化」に関する関係者からのヒ
アリングと意見交換です。これに当たりまして、ヒアリングのために、総務省、法務省、
国税庁、厚生労働省、国土交通省、警察庁及び川口市、市川市、藤沢市のご担当者の方々
にご出席いただいております。
今日の進め方ですけれども、まず、本件について取りまとめ役をお願いしている後藤委
員から、本件を取り上げた問題意識、調査の対象項目等についてご説明いただきます。そ
の後でヒアリングを行いますけれども、本日取り上げる議題は内容が多岐にわたるもので
すから、対象とする手続や情報ごとにヒアリングを何件かまとめて行い、その都度質疑を
した後で、最後に全体を通しての意見交換を行いたいと考えています。
では最初に、後藤委員から5分程度でご説明をお願いします。
○後藤委員
本件に関しまして担当させていただいております後藤と申します。本日は、
お忙しい中で関係各位にいろいろとご協力いただき、まことにありがとうございます。
お手元の資料1-1をご覧になってください。本件のテーマは、「行政機関が保有する
情報の再提出不要化」を阻む規制等についてということでございます。
スライド2ですけれども、「行政機関が保有する情報の再提出不要化」、すなわち行政
機関間の情報連携による、添付書類の削減や申請届出等手続の簡素化によって、利用者の
利便性を向上し、行政事務の効率化を図り、さらには行政保有情報の正確性を向上させる
ことができるのではないか、したがってその添付書類の削減や申請届出などの手続の簡素
化を実現するための規制・制度改革ができないかということについて議論することになっ
3
ております。
本件の調査対象につきましては、スライド2の四角の枠で囲みましたとおり、第2回専
門調査会で示された項目に加えまして、第4回の専門調査会で合意された④を加えた、大
きく分けて4項目になります。
スライド3ページと4ページには、本件に関する国民の声等々からの要望が書いてあり
ます。これにつきましては、第4回の専門調査会で説明申し上げましたので、省略させて
いただきます。
本件については、政府の新たな情報通信技術戦略においても位置づけられているところ
でありまして、主に関係いたしますのは、全国共通の電子行政サービスの実現、特にバッ
クオフィス連携の推進とある部分でございます。このバックオフィス連携につきましては、
今般話題となっております共通番号制度とか、電子行政タスクフォースの方で重点的に議
論している国民ID制度なども関係するところでありますが、本専門調査会におきまして
は、特に現行の法規制の改正によって「行政機関が保有する情報の再提出不要化」を図れ
ないかを議論することになります。
スライド6ページ、7ページには、行政手続のワンストップ化による効果につきまして
掲載しております。この点は、高島委員から、本件は利用者にとってのメリットが非常に
大きいはずなので定量化してほしいという要望がございまして、掲載したものでございま
す。これまで政府の中でも、例えば引越・退職のワンストップ化ということについて検討
して、その効果を試算するということが行われてまいりました。手続のワンストップ化と
いうのは、単なる情報連携以外のオンライン化による効果も含まれているのですけれども、
引越であれば、官民合わせて年間約1,000億円のコスト削減効果が見込まれているところ
でございます。それから、6ページの下でございますが、児童手当手続の効果ですと、デ
ータ連携によって手続そのものを省略・簡素化することができ、そのことによって年約1,
000万人の方々の更新手続が不要になり、行政コストが年間20億円ほど削減できるのでは
ないかと言われているところでございます。
ただし、7ページをご覧になっていただきますとわかるのですが、例えば引越のワンス
トップ化であれば、現在、最大で訪問機関が7カ所、13種類の添付書類が必要なところ、
訪問機関を1カ所にし、オンライン申請時の添付書類を省略することによって1,000億円
の効果が出るということでありまして、この効果を出すための規制・制度改革ができない
かということを議論することになります。
スライド8ページをご覧になってください。本日のヒアリング調査の対象になります。
先ほど座長からお話がありましたとおり、トピックスごとに質疑応答をするという形をと
らせていただいております。
資料1-2をご覧になっていただきますと、スライド8に「【質問1、2関連】」等々
と書いてありますのは、資料1-2の質問番号と対応しております。
ヒアリング対象団体につきましては、対象団体が大変多いので、今回は民間企業の声に
4
ついては書面でいただいたものにとどめまして、国及び自治体の方々にいらっしゃってい
ただいております。
スライド9ページ以降は、それぞれのトピックスに関する主な質問事項と、主な関連法
令を一部抜粋したものになります。説明は省略させていただきますが、随時ご参照いただ
ければと思います。
私からは以上になります。
○野原会長
ありがとうございます。
それでは、ヒアリングに移りたいと思います。
最初の項目は住基法関連で、総務省、市川市、川口市、藤沢市からヒアリングを行いま
す。資料2の1ページから6ページに質問1、2についていただいた回答をまとめており
ます。まずは、それぞれの皆さんから3分程度で、質問についていただいた回答のご説明
をお願いしたいと思います。
では、総務省の方からよろしくお願いします。
○鈴木参考人
総務省の住民制度課です。では、私から住民基本台帳法の関係の質問につ
いて答えさせていただきます。
まず1ページでございますが、質問1-1でございます。住基ネットで活用できる行政
機関や事務はどのように決まっているのかというところでございます。これにつきまして
は、2つ目の○でございますが、主として継続的に行われるような給付行政、例えば年金
などのようなもの、それから資格付与にかかわる分野で国民に関係の深い行政事務、例え
ば司法試験に関係する事務のようなものに使われているところでございます。
それから、質問の1-2でございますが、各種行政手続における住民票の添付を原則と
して省略しなければならないように制度改正することはできないかというところでござい
ます。これにつきましては、そもそも住民基本台帳法というところで住民票というのがご
ざいまして、これは、ある人がどこどこに住んでいるということを公に証明する、公証す
るという制度でございまして、その公証を具体化するものとして、つまり住民票の写しと
いうものを交付するという制度が住基法上定められているところでございます。
一方で、いろいろな各省庁が所管されている制度におきまして、住民票の情報が欲しい、
公証が欲しいという場合には、各省庁の制度の中で住民票を添付するようにということに
なっているわけでございます。ですので、あくまで住民基本台帳法では、住民票というツ
ールを交付するということは書けますけれども、それにつきまして、住民票の写しの添付
を省略するようにというところまで住基法に書けるかということにつきましては、ちょっ
と困難と考えているところでございます。
それから、ページをおめくりいただきまして、質問2の方でございます。5ページでご
ざいますが、質問2-1の関係です。転入及び転出届を廃止して、住所変更届をいずれか
の自治体に提出するということで代替することはできないかということでございます。そ
もそもといいますか、住民基本台帳法におきましては、原則として市町村窓口に来ていた
5
だきまして届けを出していただくことになっております。ただ、住基カードというものを
お持ちになっている方につきましては、その住基カードの中に本人確認ができる電子証明
書というものが入っておりまして、これで本人確認ができますので、転出時には転出届を
オンラインで行うことが可能でございます。住基カードを持っていない方につきましては、
転出証明書というものを窓口に行ってとってきて、それを出さなければならないんですけ
れども、そういう住基カードの中に本人確認できるものがございますので、それを新たに
転入地へ持っていけばいいという制度になっているところでございます。こういうオンラ
インでできる制度もございますけれども、一方で転出届自体を廃止することにつきまして
は、そもそも住民票というものがさまざまな行政サービスをご提供していく基礎になって
ございますので、例えば税の徴収あるいは水道料の徴収などもございます。そういうとき
に、いつ転出してしまったかわからなかったということになりますと、転出されてしまう
市町村の側で不都合が生じてきますので、その点でなかなか難しいことがあると考えてい
るところでございます。
それから2-2でございますが、引越時におきまして、転出・転入届につきまして、オ
ンラインで実施することは可能かというところでございます。先ほど申し上げましたとお
り、原則は窓口に来ていただくことでございますけれども、ただ、転出届につきましては、
住基カードをお持ちの方はオンラインでできるというところでございます。
3つ目の○でございますけれども、転入届をオンラインでできるかどうかということに
つきまして、そういうことを可能にすることについて、住民の利便に資することも考えら
れますけれども、逆に対面ではないというところがございますので、容易に転入届を行う
ことが可能となるということがございますので、例えば実際に転入していない、居住実態
がないにもかかわらず転入届を行うということも想定されることでございまして、そうい
う問題もございますので、現在のところは、転入届につきまして対面で行うということが
そもそも新しい転入地に入っての適切な住民サービスを提供するという観点から必要と考
えているところでございます。
総務省からは以上です。
○野原会長
ありがとうございます。
では次に、市川市からご説明をお願いします。
○浮ケ谷参考人
市川市の情報政策部です。
それでは、2ページの1-3をお開きください。1-3につきましては、通信回線によ
り情報提供する場合は、この項目に限らず、すべての質問においてそうなんですけれども、
市川市個人情報保護条例で定める審議会の意見を聴いて、認めたときは提供しているとい
うのが原則になります。また、紙情報で提供する場合については、同条例に基づく目的外
利用といったところで対応をとっているところでございます。
次に1-4をお開きください。3ページから4ページにわたるわけですけれども、提供
は可能でございます。この場合も、今申しましたように、個人情報保護条例の審議会の意
6
見を聞いているということです。部署によりましては、税システムの限定的な画面、これ
はあて名システムを利用しまして、そこで閲覧できるような形をとっております。
以上です。
○野原会長
ありがとうございます。
それでは次に、川口市からご説明をお願いします。
○大山参考人
川口市でございます。
1-3の質問に対してお答えいたしたいと思います。このご質問の趣旨といたしまして
は、「本人確認情報」という記述がございましたので、これは住基ネットの本人確認情報
であると認識いたしまして、本市では、条例の定めがございませんので、運営しておりま
せんという回答にさせていただいております。
続きまして質問1-4に関してです。こちらにも「本人確認情報」という記述がござい
ますので、本人確認情報につきましては、条例の定めによって提供が可能と考えておりま
すので、それは提供していない。ただし、本人確認情報の氏名、住所等の市役所が保有す
る住民基本台帳情報につきましては、個人情報保護条例に基づきまして、基本4情報につ
きましては、行政内部で使う場合には目的外利用あるいは外部提供には当たらないという
ことで、利用提供可能になっております。それ以外の情報につきましても、本人様の権利
を害しない場合または個人情報保護条例に基づく審査会の承認を得た場合につきましては、
提供可能となってございます。
以上でございます。
○野原会長
ありがとうございました。
最後に、藤沢市からご説明をお願いします。
○大高参考人
藤沢市IT推進課です。
まず3ページをごらんください。藤沢市では、提供のための条例は制定してございませ
ん。庁内での利用については、住民基本台帳法の趣旨にのっとって、届出の簡略化、各種
行政事務処理の基礎とすることで対応しています。広域行政など、今後この30条の6に基
づく条例によって、行政の効率化に向けた取り組みも必要だと考えております。また、こ
のとき業務主管課等と調整をしたのですが、この条例そのものが非常に、率直に申します
と、わかりにくい条文であるということで、この条例という言葉が3つ出てきて、条例に
基づいて情報を提供するという趣旨は法からきちんと読み取れるのですが、まずその情報
が欲しいというそもそもの相手からの意思表示がどうなるかとか、そういうところが非常
にこれから判断に困る条文だと感じました。
続きまして4ページをご覧ください。住民記録以外の制度、国保や介護、就学手続等、
住民の手続と一緒に総合窓口として事務を行っているもののほか、保健福祉業務や税業務
に対して、個人情報保護条例の手続を事務ごとに行った上で、電子的に提供しています。
他市や他団体への電子的提供については、県内外を問わず、現在は行われていません。法
的根拠に基づく提供であれば、電子的提供も可能であると考えています。
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以上です。
○野原会長
ありがとうございました。
それでは、質疑を行いたいと思います。どなたか質問等。お願いします。
○後藤委員
総務省の方々、自治体の方々、どうもありがとうございます。
まず総務省の方にお尋ねしたいのですけれども、質問1-2の回答におきまして、各種
行政手続における住民票の写しの添付義務につきましては、所管官庁においてその必要性
を検討した上、所管する法令において規定するべきものであるというご回答でありました
けれども、この法を所管し、さらには住基ネットなどが最高裁判決で合法であるというこ
とになった現状を踏まえまして、もう少し利用拡大を図ってほしいという声がB項目の質
問につきましても民間からも出ておりますし、さらには今回の質問への回答で自治体の
方々からも出てきております。住民基本台帳法に書くのが困難というお答えでしたが、そ
の他の方法によって、できるだけ住民票の添付を省略するという何らかの法規制を設ける
ことはできないのかというのが第1点の質問でございます。
第2点目といたしまして、質問2-1に関係することなのですが、転出届自体を廃止す
ることは難しいけれども、現在、ある条件を満たした場合には、オンラインで転出届を提
出することが可能であるということです。こういう形ではなくて、例えば、ある方が転入
先の自治体に出向きまして、その転入先自治体において本人の要請を受けた転入先自治体
が本人に代わって転出届を出すということは可能ではないのか。それが難しい場合には、
どうすればそのようなことが可能になるのかということについてお尋ねしたいと思います。
○鈴木参考人
まず第1点目でございますけれども、まさに委員がおっしゃられたとおり、
住基ネットいうものがあるわけでございまして、この活用によって、逆にいろいろな手続
においては、従来であれば、平成14年以前であれば住民票の添付が必要だったものについ
て、住民票が要らなくなったということでございます。ただ、各省庁が必要な情報、本人
確認情報というものを送信させていただくのですけれども、これは氏名、性別、生年月日、
住所という情報でございますけれども、それ以外の情報も欲しい、例えば本籍などもあわ
せて欲しいという状況がございます。そういう場合に、そういうものにつきましては今住
基ネットで流れる情報にはなっておりませんので、逆にそういう観点から、恐らくこれは
想像の部分もございますけれども、各省庁では引き続き住民票というものを紙で持ってき
てほしいということがあるのかなと思います。そういう点で各省庁は、省略できるときに
は住民票は省略し、ほかにもいろいろな本人確認情報以外のものが必要などの理由によっ
て、やはり住民票は紙でいただきたいという場合には、それは窓口でとってきてつけると
いう手続になっているのかなと考えております。ただ、そもそも総務省としても、住基ネ
ットという基盤がございますので、できる限りそれを利用していただきたいと考えていま
すし、さらにその利用拡大は各省庁にお願いしているところでございます。
それからもう1点、2点目の方でございますけれども、実際、若干気になるのはタイム
ラグの関係でございまして、例えば転入届というものは、転入してから14日以内に出しな
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さいということになっていますけれども、法律に則った方であっても、転入という事実が
あってから2週間以内に出さない場合もあり得る。ですから、それでさらに転入届を受け
取って、それから転出地に伝えるということになると、2週間程度タイムラグが生じる可
能性がある。実際には、転入という形で住所を定めた方はそれでいいですけれども、例え
ば少しホテル住まいをしていて、なかなかどこを住所にするか決まらないという方たちも
いて、転入届をなかなか出さないという方もいらっしゃいますと、転出地ではなかなかそ
の情報が来ないということになってしまいます。そういう点で、そうするとこの人は本当
にいなくなったのかなと、いなくなっているにもかかわらずその情報がなかなか転出地の
方に来ないということもあるので、そういったところをクリアするようなものがあればで
すけれども、そういう問題もあって、転出地にご迷惑をかけないように、基本的には一回
転出届を出していただくということが必要なのかなと考えているところです。
○後藤委員
今のご回答に関連しまして、転入届を早いタイミングで出さない、あるいは
全く出さない方につきましては、転出届の届出というのもなかなかなさらないのではない
かと想像されるのですが、その点についてはどのようにお考えになられますか。
○鈴木参考人
そういう方もいらっしゃるかもしれませんが、ですから、今でも転出届と
転入届との両方の制度があれば、とりあえず転出届は一応出してくださいということにな
っているわけです。逆に出さないと法律違反ということになりますので。ただ、転出届自
体を廃止してしまうとなりますと、転入届しか行政と接触する機会がないわけです。実際、
転入届をなかなか出さないというか、あるいはそもそも住所が定まらないという方につい
ては、つまり行政と接触する機会がないですから、そうなると、転出という事実があるに
もかかわらず、いつまでも転出地では何もそれを知らないという事態が継続してしまいま
すので、その点はなかなか難しいのかなと思いますけれども。
○野原会長
○森会長代理
ほかにいかがですか。はい。
すみません。今の1-2の、これは住民票になっていますけれども、住基
ネット情報の利用の拡大というお話がありましたので、その関係でお聞きしたいと思いま
す。今回、都道府県とか市町村からいろいろお答えをいただいた中に、住民基本台帳情報
の利用は法律に決まっているところに限定されている、したがってなかなかそれ以外のこ
とでは利用できないんだといったお答えがぱらぱら見られたのですけれども、別表のとこ
ろで、非常に細かくできる場合を、都道府県-都道府県、都道府県-市町村でやりとりで
きる場合を限定的に書かれているわけなんですが、例えばそこに本人からの申請によりこ
れこれの事務を処理する場合みたいな抽象的な規定を置けば、もしかしたらその利用の拡
大につながるかもしれないなどとちょっと素人考えながら思ったんですけれども、それは
いかがでしょうか。
○鈴木参考人
そもそも別表という形で列記させている趣旨としては、もうご案内かもし
れませんけれども、つまりある意味本人確認情報という、当時法律をつくるときは、つく
ってからもですけれども、大変いろいろな裁判もあったよう形で、センシティブな情報で
9
ございました。そういうものは無限定に使うのではなくて、どの機関にどういう事務で使
うのかを限定的にしなくてはいけないという観点で、別表という形で定めさせていただい
ています。ただ、都道府県や市町村からのご意見という形でございますけれども、都道府
県や市町村で使う事務というのは、もちろん法律に書いてあるところでございますけれど
も、それ以外に、自分たちがこういう事務に使いたい、こういう行政機関に提供する場合
に使いたいという場合については、別途条例の方で定めれば使うということもできますの
で、そういう点で、国が、つまり国会で審議しないと全く広がらないかというと、各都道
府県が自治体のご判断によって提供を広げていくこともできますので、その点ではそうい
う対応もできるのかなと考えていますけれども。
○森会長代理
そうしますと、条例と住民基本台帳法の関係みたいなことも問題になるか
と思うんですけれども、そこはどうなんでしょうか。自治体の管理している情報であれば、
住民基本台帳法の制限があっても、例えば本人の同意などを条件にして、その条例の方で
利用することができるということなのでしょうか。
○鈴木参考人
広く言えば、本人の同意なのかもしれませんが、各自治体さんが条例をつ
くるという段階では、県議会あるいは市町村議会にお諮りして条例をつくるわけですから、
その段階で、つまりこういう事務について条例に載せていいですかというご審議をいただ
いて、それで載せることになりますので、その点で各市町村の方あるいは県民の方の同意
を得ているということになると思います。
○野原会長
ほかにいかがですか。では、高島委員。
○高島委員
ちょっと関係があるのですけれども、今お話をお伺いしていて、引越などの
ときは、住基カードというインフラがあるので、それを使うことによって国民の利便性が
上がるので、それをどんどん使っていただきたいというお立場と感じたのですが、そもそ
も問題としては、そんなに多くの人が住基カードを使っていないということがあるのかな
と思います。多くの国民の方の利便性を上げるという意味で、住基カードというインフラ
を使うのであれば、どのように広げていかれるかとか、その辺はどのようにお考えかとい
う、具体的に国民の利便性が上がるのかなということについてちょっと教えていただけれ
ばと思うんですけれども。
○鈴木参考人
なかなか厳しいところもございますけれども、今、住基カードを持つこと
によって、逆に、例えば転出時にある意味利便がありますということがあるわけでござい
ます。ただ、一方で、今おっしゃられましたように、なかなか住基カードが爆発的に普及
している状況ではないというところでございますので、これについては、どうしたら住基
カードがより魅力的になるかということは継続的に検討しなければいけないと考えている
ところです。
○野原会長
よろしいですか。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○新保委員
自治体の条例で、コンピューター結合、オンライン結合の禁止について定め
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がある自治体が非常に多いわけでありますけれども、この点につきまして、平成15年には
総務省から各都道府県、市区町村向けに、オンライン結合の禁止については、受領者、個
人情報を取り扱う人との関係において考えるべき問題であって、審議会で個別に議論する
ということは適切ではないということで見直しをすることが望ましいという通知が出てお
ります。しかしながら、現在に至るまで多くの自治体においてオンライン結合、コンピュ
ーター結合の禁止については条例の定めがそのまま置かれているという部分があるわけで
あります。この点につきまして、やはりこのネットワークを利用するということについて、
すべてオンライン結合ということになりますと、例えば外部委託をするときにもオンライ
ン結合ということになるわけでありますけれども、そういう場合にすべて個別に審議会の
審議会の意見を聞いているかというところもまた疑問が残るところではありますが、この
ように現状にそぐわない部分があると従来から指摘がなされているオンライン結合の禁止
につきまして、条例においていまだにその条文を改正しない理由が何か特にあればお答え
いただければと思います。こちらは、条例においてオンライン結合の禁止が定められてい
る自治体の方でお答えいただける方がいらっしゃれば、お答えいただきたいという趣旨で
あります。
○野原会長
いかがでしょうか。
○大山参考人
川口市でございます。
一つには、審議会においてオンライン結合を承認を得るという機会が実はなくて、結合
する場合には、現状においては必ず法の根拠のもとの結合のみになっております。審議会
が必要なものはそれ以外にかかわるものの結合でありますので、現状、そういった実態が
ないというのも一つの理由かなと思います。
あと、今後、自治体間連携等が頻繁に行われるようになり、法の定めがなく結合するよ
うな仕組み等々が整備されてくれば、多分条例改正の方に動くのかなとは思っております。
○野原会長
よろしいですか。
どうぞ。
○大高参考人
藤沢市では、個人情報保護に関する条例の中にやはりオンライン結合の原
則禁止という部分が入っております。ただ、この結合の意味するところは、全くネットワ
ークで結んではいけないということではなくて、常時参照できる状態、本当のデータが結
合するという意味でとらえていまして、その辺をファイルで転送するとか、そのような技
術的なやり方に関しては、結合に当たらないという解釈をしております。それで、全くだ
めということではなくて、審議会への諮問をした上で承認するという道が残されておりま
すので、現状のままでも現在は対応可能だと考えております。
○浮ケ谷参考人
市川市でございます。
市川市の場合も、やはり個人情報は厳格にとらえるべきものだという前提は変わりませ
ん。ただ、こういう法令に基づくものとか、一定の定例的に出てくるようなものにつきま
しては、審議会の中にコンピューター結合基準という形で、その概括論のところでご承認
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をいただいております。なおかつ、それで個別に新しく出た業務等については審議会の方
に報告するという手続を踏まえておりますので、わざわざ条例を改正するまでもなく、あ
くまでも個人情報保護条例にのっとった中で、要は本人が知らない間にネットワークを使
って行ってしまうわけだから、そこのところは厳しく、厳格にやっていこうという趣旨で、
現在も条例の方は残しております。
以上です。
○野原会長
どうですか。
○新保委員
現行では、法令で定められている場合については提供が可能ということ、そ
れからそれ以外の部分については別途各自治体の基準に基づいて審議会に諮った上で提供
がなされていることがわかりました。この件につきまして、私も懸念しているところとし
ては、いわゆる過剰反応として、本来、提供または利用が可能なものであっても利用がな
されないということは、これは住民サービスの向上といった観点からも、ネットワークを
利用するということは、より電子自治体の推進のためには必要な部分であるかと思います
けれども、その点につきましては、現状では審議会において審議するという部分において
も、特に過剰反応はないということで考えてよろしいでしょうか。あるということはちょ
っとお答えにくいかもしれませんけれども、もしそのような事例があるということでござ
いましたら、お答えいただければと思います。
○野原会長
お願いします。
○大高参考人
藤沢市です。
逆に、従来は紙でやっていたものがコンピューター利用という、コンピューター利用だ
けでも諮問事項になっている状況でして、最近では、紙でデータを持ち運ぶよりは通信で
行った方が、セキュリティー上安全である、紛失とか盗難といった人的ミスによる情報漏
えいというものがより少ないという観点で、審議会の方では理解されております。
○野原会長
よろしいですか。ありがとうございます。
どうぞ。
○浮ケ谷参考人
市川市でございます。
市川市の場合は、単に個人情報保護条例だけにかかわらず、ISMSを全部署で取得し
ております。そちらを担保する意味も含めまして、やはりそういった絡みだけはきちんと
つけておくという理解のもとに、先ほどお話ししました結合基準という、法令に定まって
いるものについては審議会に諮らなくていいとか、そういったところで適正な管理をして
いるので、ネットワークを利用していく中では何ら問題はないと考えています。ただ、委
員さんの中には、過剰に反応される方も過去にはいらっしゃいました。ですが、きちんと
そこは、このような手段をやっていく、それから適切な保護等に向けて、規定とか、基準
等をつくって、そこで管理をしていくということでご理解いただいているというのが現状
でございます。
以上です。
12
○野原会長
ありがとうございました。
それでは、時間もありますので、次の議題にまいりたいと思います。
次は、その他の引越時の手続・情報に移りたいと思います。申しわけありませんが、席
の交代をお願いします。
(ヒアリング対象者
○野原会長
交代)
それでは、このテーマでは、警察庁、国土交通省、厚生労働省、市川市、川
口市、藤沢市からヒアリングを行います。資料は、資料2の7ページから17ページに質問
3から8についていただいた回答をまとめています。まずは、皆様から回答について3分
程度でご説明をお願いします。
では最初に、警察庁からご説明をお願いします。
○島村参考人
警察庁運転免許課でございます。
まず、質問3-1の添付書類の省略についてでありますけれども、これにつきましては、
住基台帳ネットワークシステムにアクセスできるような端末が警察署等に整備されれば、
可能であろうと考えております。
ただ、ちょっと資料には記載はございませんけれども、2点前提がございまして、1つ
は、先ほどのご議論を聞いておりまして、個人情報保護の関係がクリアされるということ
と、あと、現行規定は内閣府令、道路交通法施行規則というところで定められております
ので、当然それの改正が必要になろうということをちょっと補足で説明させていただきま
す。
それから、質問3-2でありまして、記載事項の変更届出手続自体を省略できるかとい
うご質問でありますけれども、これにつきましては、2点の理由から困難であろうと考え
ております。
理由の1点目は、交通の取締りあるいは交通事故の現場におきまして、迅速に個人を特
定し、国民負担の軽減と誤りの防止を図る必要がございます。したがいまして、例えば住
所を引っ越された場合、新しい住所を免許証の裏側に記載されている必要がございます。
このようなことから、道交法の94条の1項におきまして、記載事項の変更の義務づけがな
されているところでございます。
理由の2点目といたしましては、運転免許証が現在広く身分証として使われているとい
う社会的な実態がございまして、この点から鑑みて、変更事項を免許証に記載すべき必要
性は高いと考えております。
それから、質問3-3の本人の出頭の関係でございますが、これにつきましては質問3
-2と重なるんですけれども、私どもといたしましては、免許の記載事項の変更手続を省
略することは困難と考えておりますので、その上で出頭によらないとすれば、例えば郵送
によって免許証の記載事項の変更を行うということが考えられるわけでありますけれども、
その場合は当然のことながらお手元に免許証がなくなってしまいますので、車の運転がで
きなくなってしまうという不都合がございます。それから、免許は、免許保有者人口8,00
13
0万人の大量行政でありますので、そういった郵送で行うということは、届出を受理する
窓口で事務が煩雑となって、円滑な運営が阻害されるといった支障が生じるので、出頭不
要とするのは妥当ではないと考えております。
最後に質問3-4でありますけれども、そういった住所変更の際に免許証に書きかえる
裏書は自治体において可能ではないかというご質問ですが、このご質問の趣旨が、自治体
の施設内に免許証の記載事項の変更手続の窓口を設けることができるかということであり
ますれば、現に今、警視庁の一部の窓口を東京都庁の庁舎内に設置しておりまして、市町
村の庁舎内においても同様のことは可能であろうと考えております。
以上でございます。
○野原会長
ありがとうございます。
それでは次に、国土交通省からご説明をお願いします。
○河田参考人
質問4に関連いたしまして、国土交通省自動車交通局自動車情報課でござ
います。
自動車の登録に関してのご質問でございますけれども、まず制度といたしましては、自
動車を登録されている方が住所あるいは車の使用の本拠を変更した場合は、これを変更登
録という形で手続をしていただくということになっております。我々もできるだけこの手
続を簡略化したいということでいろいろ検討しておりますけれども、現在どういう形でや
っているかといいますと、住民票をいただきまして、我々が持っております登録情報と住
所との同一性が確認できればよいのですけれども、もし住所が違っている、幾つか飛んで
いるということになりますと、住所の過去の履歴を確認した上でこの変更登録を行うとい
うことでございます。
どこまで厳格性を求めるかということで1点だけ申し上げるべきだと思いますのは、自
動車の登録は、土地・建物の登記と同様、民法の例外規定といたしまして、所有権の第三
者対抗というものをこの登録の効果として持たせております。そういった意味で一定の厳
格性ということを我々は社会から求められているのではないかということで、そういった
住所変更の履歴といったものも確認の上、これを行うということをやっております。した
がいまして、住基ネットワークを活用して、もし過去の住所変更の履歴というところまで
ご提示いただけるようであれば、これは現在の手続をそのまま使える。あと、我々がどう
いう形で確認していくか、端的に言いますと、事務所でどのように照合するかという事務
の手続の問題はございますけれども、制度的に可能な部分が出てくるのではないか。いろ
いろな活用の仕方はあると思うんですけれども、いわゆる住基ネットの4情報のうち、生
年月日と性別については、我々自動車の登録の方ではとっておりません。その部分をどう
するか。新たな申請者の方の負担ということになるかもしれませんけれども、そういった
幾つかの課題について検討する必要があるのではないかと思っております。
それから、4-2でございますけれども、そもそも住民登録を移せば、自動的に車検証
あるいは自動車登録を変更すればいいではないかといったご趣旨ではないかと思いますけ
14
れども、これにつきましては説明のところにも書いておりますが、住所とともに、我々は
自動車登録の非常に重要な構成要素といたしまして、自動車の使用の本拠の位置というの
がございます。これは警察庁さんの所管の法律ですけれども、車庫法という法律がござい
まして、自動車の使用の本拠とその車庫というのは2キロ以内でなければいけない、使用
の本拠から2キロ以内に車庫を確保しなさいということになっておりまして、我々の関係
では、それが確認できないと登録してはいけませんということになっております。したが
って、こちらの使用の本拠という方は当然住民基本台帳ネットワークでは確認できない情
報でありまして、車庫を変えずに住所を変えるというのは極めて例外的な場合であります
から、その住所変更だけを自動化しても、余り利便向上につながらないのかなという気は
しております。
以上でございます。
○野原会長
ありがとうございました。
次に、厚生労働省からご説明をお願いします。
○正野参考人
厚生労働省国民健康保険課です。質問の6についてご回答させていただき
ます。
現行、国民健康保険におきまして、転出入の際は資格取得の届出と資格喪失の届出の双
方が必要になっておりますが、これを資格取得届のみにして、資格喪失届を省略できない
かというご質問かと思います。
こちらにつきましては、まず住所変更に伴って資格の得喪が生ずる場合というのは、先
ほどの住民基本台帳法の転出入届とあわせて届出を行えることになっておりまして、こち
らは一本化されておりますので、国民健康保険の資格喪失届のみを省略することとしても、
被保険者の方の利便にはならないのではと思います。
また、転出入の際には、あわせて健康保険の保険者が変わるということがございまして、
国保から国保でしたら省略ということも考えられるかもしれませんけれども、被用者保険
に加入するということになりますと、やはり、転出元の自治体に資格喪失届を出さなくて
はならないので、この辺も負担軽減とならない場合が存在するのではないかと思います。
それから、転出届が省略されるということになりますと、現行、転出届の提出の際に、
転出元で被保険者証の回収を行っております。こちらができないことになりますので、資
格喪失後受診、つまり転出元の保険者から保険給付を行えないケースに、被保険者の方が
その転出元の被保険者証で医療機関を受診してしまう場合に、後から被保険者の方と保険
者の間で保険給付の調整、お金を一たん転出元の保険者に返して、転出先の保険者で給付
し直すといったことを行うことになります。こちらの被保険者証の回収という点で、保険
給付の調整事務が多く発生する可能性があると考えております。
現在、医療保険については、社会保障・税に関わる番号制度の検討の中で、番号制度の
構築だけではなく、情報連携の範囲や関係機関との情報連携基盤も含めて議論されること
になっておりますので、こちらとあわせて議論されることが必要と考えております。
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続きまして質問6-2ですけれども、現在は窓口において本人確認を行っているけれど
も、旧保険者証を郵送することにより、オンラインで届出をできないかということなんで
すが、先ほどと重複しますが、資格喪失届については転出届と一本化されておりますので、
ここで旧保険者証を回収することができれば、特に別途郵送するということもないと思い
ます。また、転出届の際に回収ができなかった場合には、現行でも郵送により回収を行っ
ていると聞いております。
オンラインでの申請ができるかということにつきましては、システム構築にかかる費用
があります。現在、市町村国保の財政はかなり厳しい状況ですので、被保険者の利便性の
向上に見合ったものになるかどうかの検討が必要と思っております。こちらにつきまして
も番号制度の検討とあわせて議論されることが適当ではないかと考えております。
○野原会長
ありがとうございました。
では次に、市川市からご説明をお願いします。
○浮ケ谷参考人
質問5-4、すみません、回答のところが「求めていない」となってい
ますけれども、それを提出した後、ちょっと確認をとりましたらば、求める場合もありま
すので、5-4の回答のところは「ただし、所得証明を求める場合がある」というふうに
……。
○野原会長
○小野参考人
ごめんなさい。まだ途中でしたか。失礼しました。では、ちょっと戻って。
すみません。厚生労働省の介護保険課ですけれども、質問の7の方で今の
国民健康保険と同じ話がございまして、状況は全く国民健康保険と同じでございますので、
改めてご説明するほどではないんですけれども、介護保険の方も、転出に伴う資格の得喪
というのは住基と一本化されておりますので、介護だけで単独でご指摘のようなことをや
るということですと、メリットがどこまであるかというところはございます。実際にやる
場合の課題としては、これも同様に、保険証の回収を確実に行えるかとか、あるいは転出
に伴って保険料の還付などの手続が発生する場合がございますので、そのあたりをきちん
と行えるかといったあたりが課題かと思っております。
あと、7-2の保険証の郵送という点につきましても、特に法的な縛りがあるわけでは
ございませんで、市町村のご判断で適宜運用しておられると承知しております。
以上でございます。
○野原会長
○鈴木参考人
ありがとうございました。
次に5-1、5-2、5-3で、厚生労働省の雇用均等・児童家庭局なん
ですけれども、児童扶養手当はひとり親家庭という状態に着目して支給されておりまして、
単に住居の移動だけではなくて、実は世帯分離した同居者と、特に母子家庭が転入した先
で同居している新たな男性とか扶養義務者がいる場合には、その方々も事実婚の対象とか
所得制限の対象になりますので、届出だけではなくて、直接来ていただいて面談して状況
を確認しております。転出時も同様に、転出元の自治体でそういった同様の状態がないか、
その辺の確認を行っておりますので、児童扶養手当の住所変更届については、自治体窓口
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まで出向いていただいているところです。
○野原会長
ありがとうございました。
それでは、すみません、先ほどは失礼しました。もう一度お願いします。
○浮ケ谷参考人
今、児童扶養手当について出ましたので、児童扶養手当につきましては、
回答のところに書いてありますように、受給者台帳が移管されてきますので、これについ
ては添付書類は求めていない。
ただ、転入時に家族構成が異なるなどの場合は所得証明を求める場合があります。
以上です。
○野原会長
ありがとうございました。
では次に、川口市からご説明をお願いします。
○大山参考人
5-4の質問に対してご回答いたします。所得証明書の添付は求めており
ません。児童扶養手当台帳の移管請求を実施している場合には、所得の把握ができるから
ということでございます。ただ、転入に伴い、前自治体と家族構成が異なったり、新たに
同居人となる方につきましては、その台帳に載ってございませんので、所得証明の確認が
必要となります。また、前自治体におきまして未申告のため所得情報を保有していないよ
うな場合も確認しなければいけないということがございます。
5-4-1でございますけれども、転出元の自治体から所得情報を得る場合でございま
すけれども、例えば、転出元から全員が転入されるという場合だけではなくて、ほかの自
治体から転入されてこられるという場合もございますので、その場合はすべて所得情報は
必要になるということと、また未申告の場合には、まず前自治体で申告をしていただいた
りとか、そういった手続も必要になってくるのかなと思います。
所得情報につきましては、児童扶養手当に限らず、例えば介護保険とか、後期高齢医療
とか、所得照会というのが自治体の業務の中で頻繁に行われております。これにつきまし
ては、何らか所得情報を取得するなりの方法が統一され、例えば連携によって取得できる
ようになればいいなと現在いろいろと考えているところでございます。
印鑑の方もですね。
○野原会長
○大山参考人
その他の引越関連のことです。質問8までです。
8-1、印鑑情報でございますけれども、印鑑登録は、市の条例に基づき
実施している業務でございまして、独自の業務でございます。場合によりまして、自治体
によりまして対象者の方とか取り扱いが違っているというのは、制度的な面で一つ。例え
ばそれが統一された場合におきましては、今度は技術的な面で、電子的に記録いたします
印影のデータは、形式がそれぞれベンダーによって違ってございます。これを統合するの
が技術的になかなか難しいということと、通常、磁気カードもしくはICカードに登録情
報を記録させるということを行っているわけですけれども、その形式も多分自治体ごと、
ベンダーごとにばらばらということで、なかなか難しいのかなと考えております。
以上です。
17
○野原会長
ありがとうございました。
最後に、藤沢市からお願いします。
○大高参考人
質問5-4にお答えします。12ページをご覧ください。児童扶養手当の転
入時、所得証明そのものは、給付実態が変わっていなければ、求めておりません。ただし、
世帯全員の住民票提出を今義務づけていまして、これは、住所変更という生活の変化があ
ることから、実際、生活実態がどうなっているのかとか、そういうことを確認するという
意味において、住民票を現在とっております。ただし、現在その省略も検討しているとい
うのが、原課から確認した内容になります。
続きまして質問5-4-1、こちらで現在求めているということに関しての回答なんで
すが、実際には所得証明は求めていないんですが、省略は可能であると考えております。
前住所地から所得情報を取得できる場合は省略可能であると考える。実際は、転入直後の
新規認定時に、前住所地の所得証明が必要となっております。
続きまして質問8-1、印鑑登録に関してです。これは18ページになります。印鑑登録
に関しましては、各自治体の条例により規定されているために、取り扱いについては、本
人確認方法や印鑑登録証の扱い、登録印鑑に関する基準等が、多少なりとも差異があるの
ではないかと考えられます。また、この情報は個人の資産への影響が大きいと思いますの
で、当該手続の省略はできないのではないかと考えております。
○野原会長
どうぞ。
○浮ケ谷参考人
すみません、8-1の回答が漏れていました。16ページをお開きくださ
い。
大きく3点ありまして、まず①として、国の法整備がされていない。これは、各市町村
の印鑑登録の手続につきましては、国からの印鑑登録証明事務処理要領に準拠しておりま
すので、証明交付などの事務を行っているということです。
②として、登録番号の管理ができなくなる。これは各自治体個々に振っておりますので、
もし統一的にやるという形になるのであれば、例えば頭に市町村コードをつけるなりして、
ユニークなコードにしなければいけないというのが一つあると思います。
③として、登録印に関する説明ができないということです。これは原課の方から聞いた
内容なんですけれども、現行では登録印について証明書交付時に登録者から「登録してい
る印鑑が違う」とか「改印した覚えがない」などの問い合わせがあったときには、登録の
履歴、これは登録地と証明書交付地が同一のため、過去の履歴等が追えますけれども、そ
うでなかった場合、その辺が難しくなってくるのではないか。もしその辺をシステム化す
るのであれば、例えばクラウドとか、そういった状況で国において一括して管理された方
が、各市町村も運用は楽になるのではないかなと一応考えております。
以上です。
○野原会長
どうもありがとうございました。
ここまでがヒアリングになります。それでは、それについての質疑を行いたいと思いま
18
す。では、後藤委員、お願いします。
○後藤委員
皆様、ご回答をありがとうございます。今の皆様のご回答を伺っておりまし
て、引越時のさまざまな手続を簡素化したり、添付書類を削減するのは大変難しそうだと
いう印象を抱きました。確かに個人情報保護等々は非常に重要なことですし、さまざまな
障害はあろうかとは思いますけれども、利用者の利便性の観点からはできるだけ手続を簡
素化したいという思いから質問させていただければと思います。
まず警察庁の方にお伺いしたいのですけれども、質問3-1のご回答は、かなりの前向
きなものだととらえさせていただきました。前向きにお考えになられているのであれば、
具体的に検討を進めていただきたいと思うのですけれども、その具体的な検討の進め方
等々についてお考えがあればお聞かせ願いたいというのが、まず第1点でございます。
第2点は、質問3-4に関係するのですけれども、この住所変更の際に免許証に裏書を
加えることは重要であるというのが質問3-3のご回答でありましたけれども、警察署や
運転免許センターではなくて自治体で行うことができれば、その他の手続と一緒にできま
すので、利用者にとっても利便性が高まるのではないかと思うわけなんですけれども、そ
れが可能というご回答のようですが、そのような方向で利用者の利便性を高めるための検
討を行っていらっしゃるのかどうか、またこれから行う予定がおありかどうかというのを
お尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○島村参考人
2点ご質問いただきまして、1点目の具体的な今後の検討、質問3-1に
ついてということですけれども、これは先ほども少し申し上げましたけれども、前提とし
て2点ございまして、内閣府令の改正の方はきちんと理屈がつけばできるのですけれども、
先ほどもご議論されています個人情報保護条例あるいは個人情報保護法との関係をきちん
とクリアする必要があろうかと思います。
それからもう1点は、全国に警察署は1,000ほどあるのですけれども、そこにそういっ
た住民基本台帳ネットワークシステムにアクセスできるような端末の整備ということにな
りますと、費用もかかりますので、そういった点で、確かに回答では1行目に「可能で
す」と書いてありますけれども、直ちにすぐ今日明日できるという状態ではないので、そ
こはもし誤解がありましたら、ちょっと訂正していただきたいと思います。
それから、最後の質問3-4の部分でありますけれども、これは先ほどもご説明しまし
たけれども、警視庁の府中試験場では、免許の窓口が東京都庁の方に入っておりますので、
そういった点では他の県警本部においても同様の取組みができるかと思いますけれども、
これにつきましても、そういった例えば引越センターみたいな建物をつくるといいますと、
大規模なインフラが必要になりまして、今はご案内のとおりの予算の状況ですので、そう
いったことができればという前提ですので、これも直ちに全国都道府県警察でそういった
記載事項変更の窓口が市町村に設置されるというのはかなり難しいと思います。また、市
町村側でも、そういった警察のための窓口のスペースが、庁舎内において余裕がなければ、
難しいということがあろうかと思います。
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前向きに答えなさいということなのですけれども、現状、警察署と市役所というのは、
私は幾つかの県で県警勤務をしておりますけれども、大体そんなに離れておりませんので、
国民の負担の軽減では市町村の中に窓口があった方がいいということですけれども、ただ、
必ずしも今の状況でもそんなに不都合があるとは考えていないということも、あわせてち
ょっと余計な話ですけれども、発言させていただきたいと思います。
以上です。
○後藤委員
よろしいでしょうか。時間が限られておりますので、とりあえず私からの質
問はもう一つに留めたいと思うのですが、児童扶養手当関連の、厚生労働省様からのご回
答の中で、対面による聞き取り調査が必要であるために、手続きを省略して公簿だけで住
所変更を行うことは難しいということだったのですが、この実態について若干わからない
ところがありますので、もし可能であれば、自治体の方々に、対面による確認が本当に必
要なのかどうか、公簿による省略は本当に難しいのかどうかについてご意見をいただけれ
ばと思います。よろしくお願いいたします。
○野原会長
では、お願いします。
○大高参考人
藤沢市です。
児童扶養手当は、厚生労働省さんも言われたように、生活実態をきちんと確認して給付
を行うという形で、住民登録の世帯の中に一緒になっているとは限らず、同居人がいると
いう形で、同じ住所、同じところに別々の住民登録をしているという実態も結構見受けら
れます。また、住民登録の届出がなく居住実態があって、事実婚的な形の実態など、結構
聞き取り調査によって確認できることが多々ありますので、こういうところは、生活実態
が公簿と一致しないケースが多い、また変化が大きいということで、特に住所の移動とい
うのは大きなライフイベントの変化ですので、そのときにはやはり確認すべきだと考えて
おります。
○野原会長
そのほか、いかがでしょうか。お願いします。
○大山参考人
川口市でございます。
児童扶養手当に限らず、以前に川口市ではEA事業をやらせていただきましたが、その
ときに届出の窓口の業務フローとしてどのような形で流れていくかという分析を行ってお
ります。そのときに、例えば児童関係の窓口につきましては、できればフェース・トゥ・
フェース、対面でやりたいというご要望を原課の方からいただいております。それは、藤
沢市さんもおっしゃられたとおり、台帳だけではわからない情報があるので、できれば聞
き取りをして実態を正しく把握したいといった考え方から、電子的なことではなく、フロ
ントオフィス、実際の窓口として市民と触れ合う形で、ぜひともそこは対面でやりたいと
いう希望を受けております。
○野原会長
ありがとうございます。
どうぞ。
○浮ケ谷参考人
両市さん同じです。必ずその実態をつかんで、住民福祉という観点から
20
は、やはりそこでやらないと、きちんと正しい実態、本人が不利益になる場合も当然考え
られますので、そういった場合は窓口で情報を与えて、その人が不利益にならないような
形もとるという場合もありますので、必ずそういう対面のものは必要だと担当課の方でも
考えております。情報がネットで提供いただければ効率があがりますが、ただ市からそう
いう福祉を提供するときにあってはやはり実態として対面で行いたいと担当課の方から伺
っております。
以上です。
○野原会長
岩瀬委員。
○岩瀬委員
今の点なんですけれども、電話ではだめなんですか。
○浮ケ谷参考人
本人確認を電話でしたときに厳格にとれるかという場合と、どうしても
内容によっては電話だと長くなるというところがあるので、やはりちょっと難しいところ
もあるのではないかなと考えております。それと、開庁時間ですから、9時~5時の中で
やっていく必要上、やはり対面で、電話でもできないことはないと思いますけれども、そ
こはちょっとまだ検討の余地はあると思います。
以上です。
○野原会長
岩瀬委員。
○岩瀬委員
皆さんとしては対面でやりたいという意思はわかるんですけれども、今回の
そもそもの趣旨が、できる限り住民の利便性を図るべく、電子的に情報をやりとりできる
部分はするし、非対面でできるものはできないかということかなと思いますので、今の理
由をお伺いしている限りは、必ずしも絶対に対面でなければいけないというわけではなく
て、対面の方が皆さんにとっては便利だというにすぎないのかなと感じました。
○野原会長
○鈴木参考人
どうぞ。
今、各市からはポジティブな話があったんですけれども、一方でネガティ
ブな話をすると、実は行った先で事実婚状態があって、電話で「あなたは事実婚ですか。
同居の男性はいますね」と言っても、大概そういう人たちは「いません。おつき合いして
いるだけです」というお話になってくると、なかなか電話ではそこまでの詰めたお話はで
きなくて、実際のところは事実婚状態で過払いが生じているというのが非常に多々あるも
のですから、なるべくそういうのを、ちょっと言葉は悪いんですけれども、逃さないため
にも、しっかりお話を聞いて対応していきたいと思っております。
○野原会長
すみません。その場合は、窓口に行っても結果は同じような気がするんです。
訪問してご自宅に行けば事実がわかるかもしれませんが、それは窓口だと解消されるので
すか。
○鈴木参考人
もちろん窓口だけではなくて、自治体によっては実際に訪問したり、ちょ
っと言葉は悪いですけれども、張り込んで生活実態を確認するというのもやっている自治
体もあります。そのように確かに電話よりは対面、対面よりは調査というのはあるんです
けれども、要はそれをどこまで一生懸命やるかというところからすると、やはり、せめて
21
対面で生活実態をお伺いしてと、事務としては考えているかと思います。
○野原会長
どうぞ。
○岩瀬委員
国交省さんと警察庁さんに、4-2なんですが、自動車保管場所証明書とい
うのは、実際、現地に行って、ここに車があるという確認をされるわけではないんですよ
ね。されるんですか。
○中村参考人
私どもは運転免許課でして、ちょっと担当が違うので、正確なところは実
は承知していないんですけれども、確かこれは、申請がありますと、一度現地を確認して、
その上で証明しているということだったと思います。
○岩瀬委員
○中村参考人
全件やられているのですか。
各都道府県警察でも同様の取り扱いをしていると思います。
○岩瀬委員
わかりました。ありがとうございます。
○野原会長
後藤委員、まだありますか。
○後藤委員
先ほどの児童扶養手当関連の再確認なのですが、岩瀬委員からいいご質問を
いただきましたように、やはり、必ずしも対面でなくてもよいこともあり得るとも思いま
す。仮に、転入先での確認が対面でなければならないとしても、転出自治体への届出を省
略することはできるのではないかと思いますが、質問5-3の回答につきまして、転出自
治体において転出の事実を把握することができず過払いが生ずることとなるため、届出が
必要であるとあります。しかし、転入先の自治体において実際に対面で詳しく調査をして
いただければ、転出の事実もわかるわけなので、転入先の自治体で、転出元の自治体に対
する届出をかわりにやってもらうとかで手続を省略できるのではないかと思うんですけれ
ども、その点についてはいかがでしょうか。
○鈴木参考人
転入先で児童扶養手当を受給する人は当然しっかり手当の手続に行くので
すけれども、実は転入先では、行った先でだれかと同居するので児童手当は要りませんと
いう人だとすると、自治体の住基の手続には行くのですけれども、児童扶養手当の手続は
行わないとすると、転出元での児童扶養手当の手続がいつまでも残ったままという状態に
なりますので、そういう意味からすると、転出元でも手続をしていかないと、状況は変わ
らないというか、手続が終了しないという形になります。
○野原会長
よろしいでしょうか。
○後藤委員
おっしゃることはよくわかりました。では、仮にどこかに引越をして、その
児童扶養手当の申請を新たにしない場合には喪失届を出さなければならないけれども、ま
た新しい自治体においても同じような申請を行うという場合には省略するという方法をと
ることは可能でしょうか。
○鈴木参考人
転出元での手続を省略して、転入先で申請をする場合には、そこは検討の
余地はあると思います。
○野原会長
○森会長代理
ほかにいかがでしょうか。はい。
すみません、細かいことなので、先にあれするのも何なんですが、警察庁
22
にお聞きしたいと思います。先ほどの免許の記載事項の変更のところなんですけれども、
これも質問3-3、7ページ、8ページのところですが、これも出頭でということなんで
すけれども、これも結構面倒かなというところもあります。まず、その理由の①が、手続
の間、免許証を携帯することができないので、自動車の運転ができない。これはそうです
けれども、それは、申請する人が甘受する不利益といいますか、行くのが面倒になると、
比較して決めることなので、ちょっとこれは理由にはならないかなと思います。あと②の
方の業務煩雑。これは確かに煩雑になるだろうなと思うんですけれども、ほかの行政サー
ビスでも郵送でやってくれるものもありますので、ウエブで申請書か何かをダウンロード
して、それと一緒に書留で送れば、送り返していただくというわけにはいかないかなとち
ょっと思ったんですが、いかがでしょうか。
○島村参考人
まさにおっしゃるとおりだと思います。1点目の理由は、確かにそういっ
た方については、自分で不利益を甘受しておりますので。
ただ、2点目については、窓口等ではよくあるのですけれども、必要な書類がそろって
いなかったり、あるいは必要な書くべきことが書かれていなかったりというのはどこの受
付窓口でもあろうかと思うんですけれども、さて実際に書留が来た、ところがダウンロー
ドする書類が違っていたという場合には、免許証をまた返送し直したりとか、それから免
許証は大事なものですから、受け取ったときにきちんと受理番号をつくって、現在はすぐ
その場でお返ししていますので、保管といった作業も必要ありませんけれども、大量行政
の中で免許証を大量に保管する。さらには、変更した記載事項を裏に書いたものをまた書
留で送る。郵便事故があったときに、だれがその責任を負うのかといったこと。あるいは、
免許の更新等で期限が切れているものがあるのですけれども、そういったことを余りよく
ご存じない方が送ってしまって、免許の更新期間を過ぎてしまったといったケースも、限
界的な話ですけれども、もしかしたらあるかもしれません。そのようなことから確かに、
そんなに大変になるのかなというご指摘だと思うんですけれども、警察庁免許課としては、
事務が煩雑になるので、いかがかなと考えているということでございます。
○野原会長
どうぞ。
○高島委員
国土交通省のご担当の方にお伺いしたいと思います。国土交通省の手続とし
て、自動車保有関係手続は既にワンストップサービスで提供されていますけれども、こち
らはワンストップのサービスの中では非常に使いやすいサービスではないかと思うわけで
ありますが、この点につきまして、本日のご回答との関係で、現在は自動車検査証を初め
とする登録手続については、ワンストップサービスで利用が可能になっているわけであり
まして、この点について、本日のご回答では、住基ネットを活用して本人確認をする場合
には添付書類等の添付は不要ということも想定されるということではありますけれども、
この点については、公的個人認証サービスを利用して変更登録のオンライン手続を行うと
いうことも当然可能かと思いますが、この点につきまして、現行の自動車保有関係手続ワ
ンストップサービスで、公的個人認証サービスを活用して、それに変更登録手続も追加す
23
るという可能性があるかどうかということについてお答えできるようでしたらお伺いした
いと思います。
○河田参考人
自動車保有関係手続ワンストップサービスについてご説明申し上げます。
これにつきましては、当初、個人認証を住基カードで行うということを理念として始めま
した。ところが、何と申しましても住基カードの普及率が芳しくないということもござい
まして、非常に利用が低迷いたしました。ということで、新車の登録につきましては、現
在、従来からの紙手続と併用するような形で、そういった情報については電子的に送って
いただく。ただ、個人認証については、住基カードの普及が進まない以上、これは何とか
しなくてはいけないということで、別途紙を提出していただく。印鑑登録証明書と、それ
からこれをディーラーに委任する場合は委任状というものを別途提出していただくという
形の併用方式と呼んでおりますけれども、これを導入しましてから利用が急に伸びまして、
紙併用、印鑑登録証別途併用の前まではちょっと0.何%という世界だったのですけれども、
一昨年度2.6%、昨年度10%ということで、最新月で37%まで利用が伸びました。という
ことで、その個人認証というのがいかにもこの電子申請の壁になっているということは、
もう全くおっしゃるとおりだと思います。ここを何とかブレークスルーしたいなというと
ころがございます。
○森会長代理
○野原会長
ありがとうございます。
それでは、時間の関係もありますので、次のテーマに移りたいと思います。
ヒアリングをさせていただいた方、どうもありがとうございました。
次は所得情報に移りたいと思いますので、席の交代をお願いいたします。
(ヒアリング対象者
○野原会長
交代)
では、所得情報についての議論をしていきたいと思います。ここでは、国税
庁、市川市、川口市、藤沢市からヒアリングを行います。資料2の23ページから26ページ
に質問12についていただいた回答をまとめてあります。まずはそれぞれから回答について
2分程度で説明をお願いします。
では、国税庁からお願いします。
○陰山参考人
国税庁個人課税課で課長補佐をしております陰山と申します。よろしくお
願いいたします。
私の方から、質問12-1に関してお答えいたします。それに関連しまして、参考条文と
して、42ページに国家公務員法と国税通則法の条文を掲げさせていただきました。こちら
を見ていただくとわかるのですけれども、我々税務職員には、国家公務員法に規定する守
秘義務とともに、国税通則法によりまして、より一層重い罰則というものが定められてご
ざいます。国税通則法の罰則では、2年以下の懲役または100万円以下の罰金ということ
で加重となっているものでございます。このように国税通則法が特に重い罰則を定めてお
りますのは、税務職員が、その職務の性質から、納税者の財産、一身上の秘密に広く接す
る立場でございます。その際知り得た秘密を他に漏らすようなことがございますと、納税
24
者との間の信頼関係が損なわれ、ひいては適正公平な課税の実現が阻害されるということ
に対処したものと考えられているところでございます。我々国税当局の有する所得情報に
つきましては、納税者の皆様が国税の賦課徴収のために使用されると信頼して国税当局に
提出していただいたものでございまして、この情報がご質問の健康保険の扶養者の異動届
出、児童扶養手当の認定の請求など、別途の目的に使用されることになる場合には、納税
者と国税当局との信頼関係が損なわれるおそれが強いと考えまして、その取り扱いにつき
ましては極めて慎重になるべきと考えてございます。
この点につきまして、国会等の場におきまして、個別の納税者の方の課税状況、申告状
況を問われた場合におきましても、常に答弁を差し控えまして、個々の納税者の課税状況
等についてはお答えしていないというところでございます。国税当局といたしましては、
この守秘義務について極めて厳格に考えているということはご理解いただきたいと思って
ございます。
また、税務署、国税当局が有する所得情報について若干補足をさせていただきますと、
基本的に年末調整のみで課税関係が終了するような給与所得者の方、また課税最低限に満
たない所得しかないなど、申告義務がない方などは、原則として申告書が提出されないと
いったことでございます。また、法定調書として、給与の支払者から税務署に提出される
源泉徴収票は、支払金額が500万円を超える方の場合についてのみ提出していただいてい
るということでございまして、国税当局が有する所得情報につきましても、その対象は限
定的なものとなっているといったところでございます。
国税庁からは以上でございます。
○野原会長
ありがとうございました。
それでは次に、市川市からご説明をお願いします。
○浮ケ谷参考人
市川市です。
12-2については、可能です。これは、検索システムによる閲覧をしていただくのと、
それから国保業務に関しましては、データ連携等も行っております。
次に、12-2-2です。できるという理由ですけれども、これは、先ほど来お話しして
おりますように、個人情報保護審議会の意見を聴いて、コンピューター結合等の意見を聞
きまして、提供している。検討された課題については、コンピューター結合についてであ
りまして、意見を聴いて提供しているということです。
次に、26ページをお開きください。質問12-3でございますが、これにつきましては同
様に、法令または条例に特別の定めのあるとき、それ以外のときは個人情報保護審議会の
意見を聴いて認めたときは、提供しているという状況です。
以上です。
○野原会長
ありがとうございます。
では次は、川口市から説明をお願いします。
○大山参考人
川口市でございます。
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12-2-2につきましてご回答を差し上げます。本市におきましては、地域情報プラッ
トフォームの仕様を活用した共通基盤システムというものを導入しておりますので、現行
法上、所得情報が必要な場合につきまして、正しく権限を付与すると、容易に所得情報が
取得できるような仕組みになってございます。自治体内で所得情報が容易に共有できるよ
うな状況になっているということは、さらに広げますと、自治体間におきましてもこのよ
うな仕組みを利用して共有ができないかといった形で、今はいろいろ検討を進めていると
ころでございます。
12-2-2でございますけれども、先ほど来申しているとおり、個人情報保護条例に基
づきまして、利用することは可能でございます。以前は、そういった個人情報の漏えいの
懸念からなかなか税情報を見せたがらないという状況はあったのですけれども、逆に個人
情報保護条例ができたことにより、その条例に基づき適正な手続のもと、外部提供なり目
的外利用ができるようになったといった形になってございます。
それから、12-3でございますけれども、やはり法令の定めや個人情報保護条例に反し
ない限りにおいて外部提供は可能であると考えてございます。
ただし、ネットワークにつきましては、先ほど接続禁止というお話をさせていただきま
したが、これも審査会へ諮りまして、それが認められた場合には接続は可能という形にな
っております。
以上でございます。
○野原会長
ありがとうございました。
では最後に、藤沢市からお願いします。
○大高参考人
12-2についてお答えいたします。情報を提供することに関しては、可能
でございます。国民健康保険や児童扶養手当などの事務ごとに、個人情報の保護に関する
条例の手続を行った上で、情報を現在提供しております。
続きまして12-2-2です。こちらも、個人情報の保護に関する条例において、本人以
外からの情報収集、目的外利用、オンライン結合など原則禁止となっていますが、本人か
ら収集できないことにより行政事務の執行上著しい支障が生ずる場合に、やはり条例の手
続において審議会に諮問した上で実施します。この場合、目的外利用をする旨の通知や広
報などによる住民への周知、本人以外から情報収集する旨の本人同意を行うなど、個人情
報に関する本人の情報コントロール権を確保した上で行っております。
続きまして12-3、他の行政機関からの照会に対してですが、個人情報の保護に関する
条例において、「実施機関は、登録事務の目的以外の目的のために管理情報を実施機関以
外のものに提供してはならない」とされております。ただし、提供することについて実施
機関が適当であると認めるときにおいて、審議会に諮問し、実施する場合がございますが、
審議会の開催が月に1回なので、時間がかかり、国民健康保険や児童扶養手当など、他の
業務からの問い合わせに対しては、現実的ではございません。また、電子的に提供するこ
とについては、個人情報の保護に関する条例において、新たにコンピューター処理を行う
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場合に審議会へ諮問することになりますが、そこでコンピューター処理の必要性、システ
ムの安全性などが課題となります。
以上です。
○野原会長
ありがとうございました。
それでは質疑を行います。後藤委員、口火を切っていただけますか。
○後藤委員
ご回答ありがとうございました。
今のご回答を伺っておりまして、国税庁のご回答と自治体のご回答との間でかなり大き
な隔たりがあるのではないかという印象を持ちました。すなわち、国税庁のご回答は、守
秘義務が課せられているので情報提供はできないというものであり、守秘義務が課せられ
ている理由は、納税者との信頼関係を維持するためということであります。納税者との信
頼関係を維持することももちろん重要ですし、課税情報の保護、個人情報の保護という観
点も大変重要だとは思いますが、やはり納税者の利便性にかなうことであれば、積極的に、
例えば本人の同意がある場合には提供することも検討すべきではないかと思うのですが、
その点についてどのようにお考えになっているかをお尋ねしたいと思います。
もし理解が違っていたらご指摘いただきたいのですけれども、例えば統計目的で行政機
関が保有する業務データを使う場合にはこの守秘義務違反には当たらないといった内規も
あるようですし、それから他の行政機関からの照会という点では、確定申告の国税連携、
自治体との連携は始まっているという進展もあるところであります。一歩進めて、ここに
書かれているような所得情報の確認が必要な申請の受け付けに伴う照会に対しても、所得
情報を提供することが可能だと踏み込むことはできるのではないかと思いますが、どのよ
うにお考えになりますでしょうか。
○陰山参考人
まず1点目でございますけれども、自治体と我々国税庁の守秘義務という
ものの理解が違うのではないかというご指摘かと思ってございます。そこは、給付的な行
政サービスを行う市町村と我々内国税の賦課・徴収を専らの目的とする国税庁では、その
守秘義務に係る解釈もおのずから違ってくるということも考えられるというところでござ
いまして、市町村の方が守秘義務を解除して他の部局に所得情報を提供するといった場合
であっても、同様の理由で我々国税当局がその所得情報を提供してよいということになる
わけではないと考えてございます。
また、2点目、本人の同意があればよろしいのではないかといったご指摘かと思うんで
すけれども、その点につきましては、我々税務職員が知り得た情報というのは、納税者本
人の財産上や一身上、家族の状況、企業秘密といったいわゆる私人の秘密というものもご
ざいますけれども、その納税者と取引関係にある方とか、我々の調査手法的な職務上の秘
密といったところも含まれているところでございます。現実的にはそれらが相互に絡み合
っているといったものでございますので、なかなか、本人が同意したからたちまち守秘義
務が解除になるとは考えてはございません。
また、実務上の問題としてとらえても、納税者の秘密を国税当局が開示するといったこ
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とで、開示する内容とか方法等をめぐって、国税当局と納税者の方の間、あるいはそのご
本人がよいとしても、その申告書等々であらわれてくる取引先などの関係者の間で紛議を
招くおそれということもございますので、我々国税当局としては、その点については極力
慎重であるべきと考えてございます。
最後にデータ連携の話がございましたけれども、こちらは地方税法の方で守秘義務が解
除される場合といった形でございますので、任意で提供するといったものではなくて、法
律上でそれが義務づけられているといった形、また地方税の場合ですと、同じ課税目的で
あるといった形でこのような条文ができていると理解しているところでございます。
○野原会長
いかがですか。
○後藤委員
では、その守秘義務が解除される場合の要件というのを何らかの形で明らか
にしていただくことは可能でしょうか。その要件を広げるということを検討していただく
ことが今回の利便性向上のための規制緩和につながるのではないかと思うんですけれども、
ご説明をお願いいたします。
○陰山参考人
我々の守秘義務が解除されるというのは、基本的には法令等で守秘義務が
解除されると、先ほど申し上げました地方税法の場合とか、国家公務員法の100条第2項
ですか、証人、鑑定人となりまして所轄庁の許可を受けて職務上の秘密について証言をす
る場合などでございまして、先ほど申しましたとおり、申告納税制度という、納税者の方
の自発的な納税義務の履行に担保されている制度でございますので、この守秘義務といっ
たものにつきましては相当厳格に解釈していく必要があるのではないかと考えてございま
す。
○野原会長
よろしいですか。
○後藤委員
時間がありませんので、後でまとめて意見交換をしたいと思います。
○野原会長
では、ほかの方からも質疑があるかもしれませんが、ちょっと時間が押して
いるので、次の議題にいきたいと思います。
今日は2時から5時までという3時間の予定でこれを実施しているのですけれども、長
時間にわたりますので、ここで一たん5分ほど休憩の時間をとりたいと思います。再開後
に登記情報についての説明、質疑に入りたいと思います。今33分ですので、38分から再開
したいと思います。よろしくお願いします。
(休憩)
○野原会長
それでは、時間を過ぎましたので、後半を始めたいと思います。
阿久津大臣政務官がいらっしゃいましたので、一言ごあいさつをお願いいたします。
○阿久津内閣府大臣政務官
皆さん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました、この
たび科学技術の中でITを含んで内閣府大臣政務官ということで新たに担当させていただ
くことになりました阿久津幸彦でございます。これまでは海江田大臣、それから和田政務
官という体制でやっておりましたが、今度は私を含めて、平野副大臣、そして玄葉国家戦
略担当大臣ということで、3人で担当させていただくことになりましたので、よろしくお
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願いいたします。引き続きITの利活用の推進など、IT戦略の実践に向けて頑張ってい
きたいと思っております。
さて、政府内では、行政刷新会議においても規制改革の議論が進んでおります。蓮舫大
臣のところでやられているわけなのですけれども、政務レベル、事務レベルでも連携を密
にしまして、規制・制度改革を着実に進めてまいりたいと考えております。
それから、本日のテーマでございますが、「行政機関が保有する情報の再提出不要化」
については、非常に生活感のあるITの分野だと考えております。恐らくすべての国民が、
例えば本籍をとるのに、田舎まで戻って云々とか、送ってもらうのに1週間かかるとか、
そういう不便さをみんな感じていた問題で、この10年、20年で随分改善されてきておりま
すけれども、まだまだ不十分だと考えております。このような国民の利便性に直結するテ
ーマで、ぜひ国民の理解を得ながら進んでいっていただければと考えております。
最後になりましたけれども、第2回からインターネットによる中継が行われていると聞
いております。3万人もの方々がご覧になると聞いているのですけれども、やはり「見え
る化」というのは非常に大切なことだと思います。IT政策も含めて、国民の理解を得な
がら、ともに国民生活を豊かにすることにご努力いただきますよう心からお願い申し上げ
まして、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。
○野原会長
どうもありがとうございました。
それでは、説明、質疑を続けます。次は、登記情報についての説明、質疑応答に移りま
す。ここでは、法務省からヒアリングを行います。資料は、資料2の18ページに質問9に
対していただいた回答があります。22ページに質問11に対していただいた回答をまとめて
あります。まずは、いただいた回答について3分程度でご説明をお願いします。
○岩崎参考人
法務省民事局民事第二課、不動産登記を担当しております岩崎と申します。
どうぞよろしくお願いします。
それでは、質問の回答をさせていただきますが、質問9の方です。不動産登記情報の登
記名義人の住所変更の届出の省略ができないかという点についてでございます。回答の方
は非常にぶっきらぼうな回答になっておりまして、これは申しわけございません。この場
で謝罪させていただきます。
付加して説明させていただきますと、この点は不動産登記制度そのものの話になってく
るのかなと思っています。不動産登記制度につきましては、表示に関する登記と権利に関
する登記というのがありまして、この登記名義人というお話になりますと、権利に関する
登記と考えています。それで、権利に関する登記というのは、民法177条を基本とした制
度でございまして、登記をすることによって第三者に対抗することを得る。登記をするこ
とによって自分がこの権利を持っているということが主張できるということを踏まえたの
が不動産登記制度なものですから、申請義務を課していません。ですから、そういう対抗
要件を具備したいんだという者がみずから登記を申請するということを原則としておりま
すので、この不動産登記手続、権利に関する登記につきましては、本人からの申請を原則
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としているものですから、この登記名義人の住所変更に限ってその義務を課すとかという
ことも考えられませんので、これは通常の一般通則である申請をしてもらうことによって
その変更の登記をするというルールになっているものですから、手続を省略することは可
能かということに関しましては、住民基本台帳ネットワークとつないだからそうというこ
とにはならないのかなと思っています。
ちなみになんですけれども、住所変更の登記をする際には、通常、変更を証する書面、
情報として住民票などを出していただくのですが、これは住基コードの番号を付与してい
ただきますと、住民票の添付は省略することができるという取り扱いになっております。
質問9は以上でございます。
続きまして、質問11-1、入札資格参加申請手続等における情報提供、登記申請時の登
記事項証明書につきましては、入札資格参加申請などで登記情報が必要な申請の受け付け
に伴って行政機関から照会があれば、電子情報でその登記情報を提供することは可能かと
いうことでございます。現在、私どものサービスの中に登記情報提供サービスというもの
があります。通常は、登記事項証明書という形で紙で証明書をつくってお渡しするという
のが一般的なんですが、インターネットを利用して登記情報を目で確認する。これが電子
情報の提供ということで考えているのですが、行政機関に対して、例えば登記事項証明書
を添付して申請しなければならないという手続があったとして、その業務を所管する行政
機関がそれを登記情報提供サービスでかえてもいいですという規定があれば、この登記情
報提供サービスというものを使って、申請人の方に照会番号という、提供サービスを見る
権利というのですか、IDパスワードみたいなものをとってもらって、それを申請情報に
一緒につけて出してもらって、受け取った行政機関はそのIDパスワードを使って最新の
登記情報を確認することができるといった仕組みがございます。そういう意味では、現状
でもやることができる、仕組みとしてはあると考えております。ただ、すべての行政機関
でこういう手続がとれるように、所掌の法令等を整備しているかどうかというのは、私ど
もは承知しておりませんが、それはそれぞれの省庁さんのお話なのかなと思います。
それから、最後の質問11-2で、登記申請時の登記事項証明書。これは利用者ニーズの
ところにもありましたが、登記所の情報共有はみずからやるべきではないかというご指摘
だと思っておりまして、この点につきましては、私どもも平成22年、昨年末にコンピュー
ター登記情報システムというものを導入していたのですが、それが一応の完成を見たもの
ですから、これを前提に昨年の9月に不動産登記、それから商業登記を担当している実務
者を集めまして、ネットワークを使って添付情報の省略ということができないかという協
議を始めたところでございます。
ご質問の中では、「登記所が他の登記所の管轄に属する物件について調査を行うことと
なる場合の建物の敷地についてのことを例にされておりますが、実は登記の手続の中には
これ以外にも、登記情報をお互いに参照する手続というか、ものがあります。例えば、抵
当権を設定しまして、その後追加設定をするような場合に、前に抵当権の設定をしていた
30
ことを証明するために登記事項証明書をつけてくださいという規定もあります。そういっ
たものも含めまして、現在の登記手続の中に他の登記所から登記情報を提供してもらって、
登記事項証明書をつけて出してもらっているようなものにはどういったものがあるかとい
うことをまず法令上洗い出しております。それについて、各々どういう問題があるかとい
うことをまず意見交換しました。問題点はそれなりにというか、実はすべてがコンピュー
ター化されているわけではありませんので、紙のものもあったりするわけです。そうした
ときにどう扱うかといった問題も具体的に出ておりまして、その整理を今やっておりまし
て、一定の方向づけは平成23年度中には具体化して、もうこれは、やれるものというか、
実施していく方向で考えているところでございます。
以上でございます。
○野原会長
ありがとうございます。
それでは、質疑を行いたいと思います。では、後藤委員からでよろしいですか。
○後藤委員
ご回答、ありがとうございます。質問11-2の方につきましては、登記所間
での情報共有のインフラ整備はある程度進んでおり、法令の改正についても平成23年度末
をめどにして取りまとめをするということでありますので、進むものと思って期待してお
ります。ただし、行政機関が保有する情報を再提出することを不要化するという今回のテ
ーマにかんがみますと、もう一歩踏み込んだ対策を期待したいところです。例えば質問9
のご回答には、登記の場合には申請等がなければ情報を変更できないので、住所変更につ
いて例外的な措置を考えることはできないとありますが、この点についてもう少し踏み込
んだ検討はできないでしょうか。
また、法務省の方からは、たしか本専門調査会の第1回か第2回のときの資料で、バッ
クオフィス連携を推進するためには、登記だけで考えるだけではなくて、通則法のような
ものを検討すべきではないかというご意見をいただいているところでもございます。した
がいまして、まず申請主義を変更することが難しい理由と、それを可能にするための法制
度のあり方としてどのようなことが求められるのかということについて、お考えをお聞か
せ願えればと思います。よろしくお願いいたします。
○岩崎参考人
まず最初の方でいただきました質問11-2の関係につきましては、23年度
末までにということで進めさせていただきますし、これは本当に積極的に取り組むという
ことで私どもの省内でも取り決めておりますので、ご紹介したいと思います。
最後のところでお話がありました行政機関間での情報の共有というところで、私どもも
一括化法のようなものが必要ではないのかということで意見を出させていただいたのはご
紹介のとおりなんですが、私どもも正直、なかなか、どういう形がいいのかというのは、
登記の情報というのは、例えば不動産の所有者といった情報がありますから、いろいろな
場面で使われるので、ただ私どもはその情報を用意している。ですから、それを使う側の
方からこういった形での提供が必要ではないのか。単に電子的な形でできるとかではなく
て、どういった点に注意してやるべきか、あるいはそれはリアルタイムに必要なのか、そ
31
れとも一定の更新期間みたいなものを置いて出すのがいいのか、そういったことによって
も検討することは変わってくるのかなと思っております。それともう一つ、一番大きいの
は、こういった仕組みをつくるときに、登記の情報ばかりではなくて、登記以外の情報で
も行政機関として共有すべき情報というのが多分あるのだろうと思っているんです。そう
したいろいろな情報があって、共通化するルールができれば、その中に登記の情報も載せ
ていって、それも積極的に。正直、自治体さんも含めて登記の情報というのは公開の要請
が相当多いものですから、現行の登記の手続ではなくて、一歩進んだ形での情報共有とい
う形ができていけばいいんだろうなと思っていまして、具体的にこうしたらいいというア
イデアはないのが実際のところで、その辺をいろいろ検討していっていただければなと思
っているところでございます。
○野原会長
ほかにいかがですか。
では、ちょっと時間も押しているので、次の議題にいきたいと思います。どうもありが
とうございました。
次は、戸籍情報の説明、質疑応答に入ります。ここでは、法務省、市川市、川口市、藤
沢市からヒアリングを行います。資料2の27ページから32ページに、質問13、14に対して
の回答があります。まずは、皆様からいただいた回答について、3分程度でご説明をお願
いします。では、法務省からご説明をお願いします。
○石井参考人
法務省民事局民事第一課石井と申します。どうぞよろしくお願いいたしま
す。
まず、質問13-1でございます。これにつきましては、国あるいは地方公共団体の機関
は、法令の定める事務を遂行するために必要があるときは、交付請求をすることができる
と規定してございます。これを私どもは公用請求と呼んでいるわけでございますけれども、
この場合、法令において各いろいろな手続がありますけれども、法令の中で、申請人等が
戸籍謄本を提出しなさいということが定めてあって、提出されていないと、その届出なり
申請なりが却下あるいは不受理ということになるようなものであれば、当然、各行政機関
は申請人の方から戸籍謄本等の添付を受けるということになりますし、受けなければ、そ
の申請なり届出というのは受理されないということになりますので、もしそうであれば、
そもそも必要がある場合、法令の定める事務を遂行するために必要がある場合、つまり必
要性がないということになりますので、そうなってくると公用請求ができないといったこ
とになってくるかと思っております。
また、この公用請求でありますけれども、もし行政機関の方が公用請求を電子的な方法
で行って、かつ交付も電子的な方法で受けたいといった話があった場合に、法令上可能か
不可能かという話であれば、少なくとも戸籍法あるいは戸籍法施行規則の中にこういった
ものを妨げる規定はないと認識しているところでございます。
それから若干飛びまして、31ページ、質問14-4でございます。この中で、本籍地以外
の市区町村あるいはコンビニ等での交付の実現について、ガイドラインと書いてあるとこ
32
ろでございます。そもそも戸籍事務は本籍地の市区町村の事務であると規定されておりま
す。したがいまして、本籍地の市区町村が交付事務の部分も含めて、自らの責任を持って
行うとなっているわけでございます。したがいまして、もしいろいろな形で交付をしたい
という場合であれば、まずは市区町村の方でやるかどうかを主体的に判断していただくと
いうことになっていると考えております。
そういった中で、こういった本籍地以外の市町村で交付を行うという話であれば、それ
は恐らくかなりさまざまな形態のものがあるのではないかと思っております。いずれにし
ましても、いろいろな形態がある中で、個々の事案に応じまして、戸籍法の関連法令に違
反していないかどうかとか、あるいはプライバシー上の問題、特に戸籍は秘匿性の高い身
分事項といったものを記録している公簿でございますので、そういったプライバシー上の
問題が発生しないかどうか、こういった観点から可否を判断していくということになるも
のと思っております。逆にいろいろな形態があり得るということになりますので、そうい
ったいろいろな形態を網羅したようなガイドラインをつくることは恐らく困難であると言
わざるを得ないと思っておりますし、具体的な基準を定めてガイドラインを策定するとい
うことは、現在のところ考えていないというところでございます。
それから、必要な法改正というものがこの質問の中であるのでございますけれども、特
に現在、戸籍に関する情報の市区町村以外における情報の提供について、改正を行う必要
があるという法令の存在については、特に認識はございません。
次は質問14-5でございますけれども、オンライン化に関する制度整備が完了している
と理解していて、一つもないのはなぜかというところでございます。ここのところも若干
繰り返しになるところでございますけれども、もしオンライン、インターネットでもって
交付を受け、かつ交付をしたいという話になりますと、それはまさに本籍地の市区町村の
具体的な判断によるところになりますので、特に当省として把握はしておりません。
次に質問14-6でございますが、32ページに書いてあるとおりでございます。特に、繰
り返しになりますけれども、秘匿性の高い個人情報を記録しているものでございますので、
慎重な取り扱いが必要といった趣旨でございます。
質問14-7につきましては、こういった先例があるということをご紹介しております。
こういったものについては、例えば一部事務組合等は、地方公共団体としてみずからの責
任でもって戸籍事務、特に管理等を行うことができるということになりますので、こうい
った一部事務組合あるいは受託した市区町村が管理するということになった場合に、庁舎
内で管理してくれれば、戸籍法施行規則7条の規定に違反するということにはならないと
考えております。
それ以外にどういった場合があり得るのかというのかは当方は承知しておらないのです
けれども、個々の事案に応じて可否を判断するということになります。
説明は以上でございます。
○野原会長
ありがとうございました。
33
それでは次に、市川市からご説明をお願いします。
○浮ケ谷参考人
市川市でございます。
27ページ、質問13-2、ちょっと厳しい状況なんですけれども、一応法改正を視野に入
れながら、ということが前提条件にありますけれども、本籍地と居住地が一致していない
実情を踏まえますと、ネットワークシステムが発達した今日であるからこそ、戸籍に関す
る事務のバックオフィスは国において全国統一的な整備をするべきものと考えております。
また、電子申請等のオンラインサービスについては、汎用型電子申請における諸問題から
も明らかなように、フロントオフィスとバックオフィスの連携を行わなければ市民サービ
スの向上にはつながらないとも考えております。そのため、フロントオフィスについても、
国レベルで整備していただければなと考えております。
参考で掲げてありますけれども、市川市では、バックオフィスとしての戸籍システムは
本稼働しております。また、質問14-3でも回答させていただきますけれども、住基カー
ドを使用した自動交付機による戸籍証明書等の発行は、市内に本籍地を有する者に限ると
いう条件がつきますが、既に実施しているという状況になっております。
続きまして29ページ、質問14-1につきましては、市川市の場合は32.3%が他団体の住
民でございます。
続きまして14-2につきましては、一般的な戸籍証明の需要は、パスポート申請の際の
添付書類とか、婚姻届を提出する際の添付書類となっております。市川市の住民でかつ他
市本籍の方が戸籍証明をとりに市川市役所に訪れることは非常に多く、戸籍証明が本籍自
治体でしか取得できないことを認識していない住民が多いということも認識しています。
また、他市の住民で市川本籍の方が郵送で戸籍証明を申請するケースが非常に多くありま
す。そういった場合につきましては、本籍地でない自治体でも戸籍証明が取得可能であれ
ば、根本的な解決になると考えております。
相続手続の際に、除籍や改製原戸籍の需要もかなりあります。これにつきましては、自
治体で検索用見出しをセットアップしない限りオンライン化することができないと考えて
おります。
続きまして30ページ、質問14-3でございますが、市川市では既に市内の主要駅、大規
模商業施設等に証明書自動交付機を設置しておりまして、戸籍証明書等がとれる状況をつ
くっております。また、住民票と印鑑証明をコンビニのキオスク端末で発行していること
に加えて戸籍証明書も発行できるよう、口頭ではありますが、関係機関の方に追加の要望
を個別で上げているといった状況もあります。戸籍証明書の他自治体交付については、ど
の自治体と連携するのが最適なのかという問題もありますが、突き詰めていくと、国内す
べての自治体と連携するのが望ましいと考えると、上述のように国レベルでの統一的な運
用が必要であり、一自治体で検討するのは難しいと考えております。
以上でございます。
○野原会長
ありがとうございます。
34
では次に、川口市からご説明をお願いします。
○大山参考人
川口市でございます。
質問13-2に対しましてご回答申し上げます。戸籍オンライン化につきましては、文字
の問題、また費用面、運用面につきまして、必ずしも導入費用対効果が大きいとは考えら
れないということから、導入いたしておりません。例えば、市民の方々の届出に関しまし
ては、出生に関しましては出生証明書、死亡に関しては死亡診断書等、添付書類が必要で
あること、また戸籍の届出がその後の行政手続のスタートとなるという場合が多々ありま
す。その後、住民票に記載し、先ほど出たような児童関係の手続をするといった形で、戸
籍の手続のみで完結するというシーンではない場合が多いということで、それ以外でご来
庁いただかなければいけないかなという場合もございます。また、行政の方に目を向けま
すと、紙の届出というものがなくなるわけではございませんので、電子申請に対する対応
が従来の紙に対する対応に対して業務が増えるという形で、必ずしも業務の効率化にはな
らないのかなと考えてございます。
14-1に関しましては、ご覧のとおりでございます。
14-2、他自治体に本籍がある住民の方の戸籍の問い合わせですけれども、電話等で日
に5~6件程度あるように担当課の方から聞いております。一定数のニーズがあるのかな
と認識しております。
それから14-3でございますけれども、これは一団体単独で実施できるものではござい
ませんので、その運用などにつきましては、全国統一のものを何かしら整備する必要があ
ると考えてございますので、現在は検討していないということでございます。
以上です。
○野原会長
ありがとうございます。
では最後に、藤沢市から、お願いします。
○大高参考人
藤沢市です。
13-2にお答えいたします。戸籍に関してですが、証明書の交付請求については、電子
的証明書のオンライン交付が可能となっておりますが、提出先など利用先、ニーズが現在
ほとんどない状態だと思っております。また、紙の交付においては、本市ではまだ経費等
の問題からペイジーによる電子決済が実現できていないため、オンライン請求というもの
は実施しておりません。
戸籍の届出につきましては、添付書類のすべてが基本的には電子的に行われなければな
らない、郵送での添付がたしか認められていないということから、例えば医師の診断書と
か警察署の証明書等が電子化されていないとか、そのようなところで現在利用している電
子申請の汎用受付システムでは戸籍には対応できておりません。それで、利用者のPCに
おいて戸籍統一文字の扱い等がネックになるのではないかなと思っております。また、個
人的意見となりますが、チケット取得とか予約、申し込み手続とは異なって、戸籍の手続
というのは、個人の身分に関する大きなライフイベントであることから、インターネット
35
における電子申請に対する現在の信頼感や手続の重みといった観点から、戸籍の手続では
利用する側からちょっと敬遠されてしまうのではないかなと感じております。
続きまして14-2です。パスポートの取得において、住基ネットの活用により住民票の
添付が省略されましたが、戸籍の写しの提出は必要となることから、パスポート申請場所
における戸籍の証明交付はニーズがあると考えております。
また、相続において、戸籍だけでなくて除籍・改製原戸籍の取得が必要であり、他の市
町村への請求が郵送で行われることが多いのが実態でございます。
ただし、戸籍の証明交付につきましては、必ずしも本市の住民登録者でないことから、
住基カードや自治体固有の自動交付機用のカードとのひもづけが実現していませんので、
全国的な自動交付機やコンビニ交付における課題となっております。
続きまして14-3です。他の場所における戸籍の証明の交付ということですが、現在、
本市の近隣2市1町との広域においてパスポートセンター開設の準備を進めております。
有人無人は別にしまして、広域における証明交付も検討していますので、その中で戸籍の
証明が扱えればと考えております。
以上です。
○野原会長
ありがとうございました。
では質疑に入ります。後藤委員、よろしくお願いします。
○後藤委員
ご回答、ありがとうございました。
法務省の方にお尋ねしたいのですが、特に戸籍については、身分にかかわるセンシティ
ブな情報であるということなんですけれども、しかし資料1-1のスライド4でご紹介い
たしましたとおり、特に戸籍関係証明書の本籍地以外の市区町村での交付および管理につ
きましては、現行の法規を見直してほしいという国民ニーズが非常に強くあるところであ
ります。また、今、自治体の方々のご意見を聞いておりましても、やはり国がバックオフ
ィス連携、フロントオフィス連携のところに関して責任を持って全国的なインフラ整備を
主導してほしいというご要望が多くあります。本籍地以外の人々が現在住んでいる市区町
村に行って戸籍を請求するという事例が多くみられる現状があるわけですので、現行法ま
たはその解釈を変えることを前向きに検討する必要があると思います。したがいまして、
このスライド4ページにありますような要望を実現するために、どのような条件を満たせ
ばよいのかという点についてご説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○石井参考人
法務省でございます。まず、ここで法律を改正すべきだというお話があっ
たところでございますが、現行の法制下におきましても、先例の中で、本籍地以外の市区
町村で認めた例もございます。例えば、複数の市区町村においてネットワークを構築しま
して、相互に戸籍謄本を交付するという取り扱いも認めてございます。逆に、1条1項と
いうのは、そもそも戸籍事務というのは、交付事務も含めまして、本籍地の市区町村のい
わば責任で行うべき事務であるということになりまして、まさに大原則というものでござ
います。ですので、それを変えるという話であれば、かなり慎重な検討が必要ではないか
36
と思ってございます。
さらに言えば、もし今までの先例等で認められていない形態で交付を行いたいというの
であれば、そこは個々の事案ごとに判断が必要ではないかと思っておりますので、早い段
階で管轄の法務局の方に市区町村の方からご相談をいただくということになろうかと思っ
てございます。
○後藤委員
ご回答、ありがとうございます。
今のご回答は、先ほどさせていただいた質問の回答には必ずしもなっていないのではな
いかと思います。先ほどの質問は、自治体の方々からのご要望として、国がリーダーシッ
プをとって、戸籍情報の共有、それから本籍地以外での市区町村での管理・交付等々がで
きるようなルールづくりをはじめとする環境整備を行ってほしいというご意見があるので、
それを実現するために、どうすればよいかという質問だったので、それに対するご回答を
お願いできればと思います。
○石井参考人
回答いたします。これは先ほどの説明のところの繰り返しになってしまう
のですけれども、ではどういった形態で行えばいいのかというところについては、まさに
具体的な事案というものは、こちらの方で用意するというよりは、むしろこういった形態
があるのでいいかどうかという形で照会していただくということになろうかと思っており
ます。
これも繰り返しになりますけれども、戸籍事務というのはあくまでも市区町村の事務で
ございます。また、一方で法務大臣あるいは法務局、地方法務局というのは、戸籍法3条
という世界の中で、例えば基準を示し、報告を行い、助言、勧告、指示を行うという立場
でございますので、どういったものがあるのかということを網羅的に示すことは、こちら
の方としては、個々の事案にどんな形態があるのかもわかりませんので、難しいのかなと
思っております。
○阿久津内閣府大臣政務官
ちょっと頭がかたいのではないかと思いますね。今、後藤先
生のおっしゃったのは、現状が本籍地以外の国民の需要があるわけです。それに対して、
それを国からもっと拾いにいくような形で国民によりよいサービス提供をするというのは、
やはり国の責任だと思うんですけれども、その点を含めて、今のご回答ではなくて、もう
少しこれから検討も含めてやっていっていただければと思います。
○野原会長
○石井参考人
いかがでしょうか。よろしいですか。
そうですね。ただ、すみません、何度も繰り返しになっておしかりをこう
むるところではあるとは思うんですが、ちょっとここは、まさに市町村の事務でありまし
て、どのような形で交付していくかというのもいろいろな方法がとり得ると思うんです。
そこはまさに実情に応じて、こういった形でしたいということを各市町村の方で検討して
いただくということが必要ではないかと思っております。ちょっと繰り返しになりまして、
申しわけございません。
○野原会長
楠委員。
37
○楠委員
初歩的な質問を3つほどさせていただければと思います。
私は素人で、最初は住民票と戸籍の違いは何だろうというところから勉強を始めたので
すけれども、そもそも日本において法的身分関係と居住関係というのを別々の省で所管し
てばらばらに管理している理由というのはどういったところにあるのでしょうかというこ
とが第1点です。
2点目が、基本的に紙の時代において、基礎自治体でそれらを台帳として管理するとい
うのは非常に合理的であったと思うんです。ところが、恐らくITを使った場合に、それ
ぞれの市町村が何件もばらばらなシステムを調達するよりは、ある程度共通化していった
方が、事務手続も容易になりますし、制度変更に伴うシステム改修等も容易になると思う
んですけれども、これらを機関委任事務とし続けることが本当に自治体にとって望ましい
ことなのかということは、自治体の方にもお伺いしたいですし、そうであり続けなければ
ならない理由というのがありましたら、教えていただければと思います。
○野原会長
いかがですか。
○前野参考人
今現在別々になっているということですけれども、昔は住んでいるところ
ですべてを管理するということだったんです。ただ、人の移動が激しくなってきたという
ところで、身分関係は把握できるのだけれども、いろいろなところに住んでいらっしゃる
ということで、居住関係がすべてを追えるわけではなくなってきたというところがありま
して、居住関係は別に登録しましょうということで、住民票は分かれていったという経緯
があります。確かに、おっしゃるように、戸籍はもともと紙でできていますので、もとも
と一つの家族を登録するというところで、1カ所で身分関係は一覧性がわかるように登録
しようということで、動かさない本籍という形で登録していったのだろうと思います。今
現在、コンピューターが進んできて、どのようにどこに置くのが望ましいかというのは確
かに検討されるべき問題ではあるとは考えていますけれども、戸籍のコンピューター化と
いうのが今現在八十数%で、まだまだ情報が自由に動かせるような状況でもないというこ
ともありまして、今現在どうすべきかというところまでまだ踏み込んで検討はしていない
ので、ご質問に対しても、今この場でどのように考えますということもちょっとまだ現在
ははっきり申し上げられないという状況だと思います。
○野原会長
○楠委員
どうぞ。
もうITをやっている者の立場として、なかなか簡単に戸籍を電子化できない
理由というのは存じ上げているつもりでありまして、住民票で使っている住基文字と戸籍
の文字ではまた違いがあったりとか、ちょうどコンピューターで漢字を使うようになった
昭和40~50年代のところでいろいろ行政の混乱があって、戦後基本的には使う漢字は制限
していく方向に行っていたのが、余りうまくできなかったりとか、そういった背景があっ
て、今現在集約が難しいということは理解しているのですけれども、ちょうど折しも社会
保障と税の一体改革の中で番号制度等に関しても議論されているところだと思いますので、
そういった議論の一環として、ぜひほかの行政サービスの連携の基礎となるような住民票
38
と戸籍を今後どういった形で管理していって連携させていくのがより効率的であるかとい
うことはぜひご議論いただければと思います。
もう一つは、現実問題として、今の戸籍は、皇居に置かれている方とか、尖閣諸島に置
かれている方とか、いろいろな方がいらっしゃって、本当に管理できているのか。200歳
みたいな人がいたりする中で、本当にそこの自治体が法的身分関係を正しく管理できてい
るとは思えませんので、ここはきちんと住民登録とも連携しながら管理していかないと、
また200歳とか、いろいろな問題が出てきてしまうのではないかと心配しております。
○野原会長
今の点について、よろしいですか。
自治体の方で何かご発言があれば。よろしいですか。どうぞ。
○浮ケ谷参考人
今のご質問に直接ではないですが、私どもは、先ほど答弁させていただ
いたように、戸籍の事務自体は市区町村の事務で、それは市区町村できちんとやっていく
という前提のもとに、システムの整備があります。今回一番問題になっているのは、本籍
地と現住所が違う。それで、各々の自治体でそこは把握していくという状況の中にあると
回答させていただいたように、川口市さんの方からもありましたけれども、一自治体で検
討していくのはやはり限界がある。だから、バックグラウンドとして、最低限できるとこ
ろはやっているのだけれども、ICTの時代ですから、インフラを整備していただければ、
こういうICTが出てきた時代ですから、インフラの方さえ整備してくれれば、市区町村
はそこへ乗って自分の事務としてやっていきますよと。そうなれば、当然今度は各自治体
の例えばそういう附票とか、いろいろなものの動きも統一的な形で運用されていくのでは
ないでしょうか。全国一斉にスタートしなくてもいいわけです。各自治体のシステムのリ
ース切れなどの時点で乗りかえていけばいいわけですから。そのような形である程度の長
期スパンの中で、システムをつくり上げていただきたい。
後段の話にもなりますけれども、印鑑証明についても然りだと考えています。各自治体
が、人口割だか何だかわかりませんけれども、そういった形での負担割合をしていくとか、
そういった相互の仕組みをつくっていただければ、自治体としてもこういう財政状況の中
ですか、かなりスムーズに乗り換えが進むのではないか。戸籍も否定するわけではないで
すし、住民票との連携というお話もありましたけれども、そこは日本固有の形で進んでき
たわけですから、すみ分けはやはり必要なのかなと考えています。
以上です。
○野原会長
ありがとうございます。
それでは、質疑はここまでで、次のテーマにまいりたいと思います。どうもありがとう
ございました。
それでは次に、制度的課題全般に移りたいと思いますので、説明員の交代をよろしくお
願いします。
(ヒアリング対象者
○野原会長
交代)
個別テーマの最後のテーマになります、制度的課題全般に関する質疑を行い
39
ます。ここでは、総務省からヒアリングを行います。資料2の19ページから21ページに質
問10に対する回答があります。33ページから34ページに質問15に対していただいた回答を
まとめております。まずは、いただいた回答について、5分程度でご説明をお願いします。
○西泉参考人
総務省でございます。
私たちのところでは、昨年度、引越・退職で一つ、それからもう一つは障害者福祉の分
野で一つ、実証実験を行いました。その実証実験の内容は、さまざまな関係機関がバック
オフィス連携によって結びついて円滑な情報連携が実現するという前提のもと、さまざま
な添付書類を削減していこう、あるいはできる限りワンストップサービスを実現していこ
うといった内容の実証実験でございます。本日、10-1は、その引越のものが当たってお
ります。それから15の方は、その障害者福祉の分野を対象にした実証実験の内容に対応し
ております。それで、実証実験の内容を詳細に説明しないと、なかなかわかりにくいとこ
ろが多分にあるのではないかなと思っております。また、設問に対するきちんとした回答
になっていない部分もあろうかと思いますが、ご了承いただければなと思います。
それで、今回の実証実験につきましては、バックオフィス連携を実現するためにはどう
したらいいか、そこがポイントでございます。バックオフィス連携を実現して、添付書類
の削減、それからワンストップサービスといったものを実現するためにはどうしていく必
要があるのか。それを実現するに当たってどんな技術的、制度的、運用面の課題があるの
か、そんなところを探ってきたものでございます。その意味で、目指すべき姿を実現する
ための課題でありまして、必ずしも現状を前提とした内容にはなっておりません。という
ことをご理解いただければなと思っております。10-1が現状、課題で、10-2がそれに
対する検討経過という形になっておりますので、参照いただきながら見ていただければな
と思います。
まず10-1の(1)でございますけれども、これは、バックオフィス連携が実現して、
さまざまな機関での情報連携が実現できるようになったとき、バックオフィス連携で必要
な情報は入手できるのに、添付書類は引き続き求めるのかといったことでございます。現
状の規定上、法令の中で添付書類を「添付しなければならない」といった規定は実は随分
あります。そうすると、バックオフィス連携で必要な情報は入手できているのに、こうい
った規定が引き続き必要なのかどうかと。それに対して、当然バックオフィス連携で必要
な情報は入手できておりますので、これは10-2の(2)の方の回答になりますけれども、
そのような添付を義務づける規定があるものについては、見直す必要があるのではないか
という整理をさせていただいております。
また10-1の質問に戻っていただきまして(2)でございますけれども、これも、バッ
クオフィス連携によってさまざまな情報が必要な機関から入手できるような状態になるに
もかかわらず、申請・届出に当たって重ねて、もう既に入手できている情報も含めて申
請・届出書に書いてもらって提出してもらう必要があるのかどうか。これにつきましても、
また回答は、検討状況は21ページの(2)の方でございますけれども、必要な情報は入手
40
できるような状況になっているわけでございますので、改めて記載してもらう必要はない
わけですが、法令の中ではこれとこれとこれを記載して申請してくださいという規定があ
りますので、そういった規定は見直す必要があるのではないかということでございます。
それから、また質問10-1に戻っていただいて、(3)は、さまざまな機関が情報連携
をするに当たって、情報連携をすること自体が個人情報保護法制との関係で問題があるの
ではないかと、そのあたりの整理をしたものでございます。私たちの実証実験の中では、
基本的にはご本人の同意を得ることによってそこはクリアできるのではないかという前提
を置いて実証実験をやっております。ただ、提供することが本人の権利を侵害する、ある
いは守秘義務違反であるということで情報の提供を拒むことがないわけではないというか、
そういった場合が想定されないわけでもございませんので、そのような場合を想定すると、
これまた10-2の(3)の方にまいりますけれども、そのような場合に備えて、法令の整
備も必要なのではないかということでございます。
それから、また10-1に戻っていただいて、(3)のところです。②はちょっと細かい
話なので飛ばしますけれども、自治体の中にはまだオンライン結合を禁止あるいは制限し
た条例を持っているところがございますので、その関係の一定の整理をしながら進めてい
く必要があるというのが、21ページの(3)の回答でございます。
続きまして質問15にまいりたいと思います。質問15は、障害者福祉の分野を対象にした
実証実験に対応したものでございまして、基本的には今ご説明した問10と内容的には非常
に似たものになっておりますが、若干スコープが違う関係で、検討の範囲も少し違ってい
るところもございます。これも15-1が現状、課題、それから15-2がそれに対する検討
結果ということになっております。
まず15-1の(1)は、各種添付書類の省略という部分でございます。これにつきまし
ても、バックオフィス連携が実現して、関係機関で必要な情報が入手できるような状態に
なっている中で、添付書類を引き続き求めるのかどうか。これは先ほどのものと全く同じ
でございますが、15-2の(1)の回答、その添付を義務づけているようなものについて
は、一定の法令の整備が必要であろうということでございます。また、その場合の法整備
のあり方として、一括的な規定みたいなものを整備するのもやり方としてあるのではない
かという整理をさせていただいております。
それから、添付書類の関連で、自治体の内部文書、それから第三者が発行する証明書類
の電子化というものも記載させていただいておりますけれども、自治体の内部文書という
のは、自治体間でやりとりするときに、法令で定められている文書以外にいろいろな文書
が流通しておりますけれども、それが省略できるのどうか。検討結果は、法的な制約がな
い以上、できるであろうという整理をさせていただいております。
それから、第三者が発行する証明書類の電子化というものなんですが、障害者福祉を対
象にしておりますと、お医者さんから診断書を求めるといった場面が多々ありまして、そ
の場合、お医者さんが作成した診断書であるということが一定程度証明できるような形に
41
ならないと、病院まで含めたバックオフィス連携というのはなかなか難しくなるのではな
いか。そのために、一定の資格を有する者が発行した書類であるといったことが一定程度
証明できるような仕組みも必要なのではないかという問題提起をさせていただいておりま
す。
それから、15-1の(2)は、これも先ほどのものと同じでございます。バックオフィ
ス連携に当たって、個人情報保護との関連で問題があるのではないかと。それに対する回
答は、これも先ほどと同じでございますけれども、個人、ご本人の同意があれば、バック
オフィス連携で情報を流通させることは問題はないのではないか。同時に、オンライン結
合を禁止している場合がございますので、これについては先ほど同じような整理。それか
ら、お医者さんが診断書等を提出する場合について、お医者さん自体がいろいろな機関に
情報流通されるのだということを知れるような仕組みの整備も必要なのではないかといっ
た整理をさせていただいております。
簡単ではございますが、昨年度の実証実験の制度的な課題、それに対する検討の結果と
いうことでご紹介させていただきました。よろしくお願いいたします。
○野原会長
ありがとうございました。
それでは、質疑を行います。後藤委員から、お願いします。
○後藤委員
ご説明ありがとうございました。
この件につきましては、私は実証実験において有識者委員としてかかわらせていただき
ましたので、ほかの委員の方からご質問があればと思います。よろしくお願いいたします。
○野原会長
ほかの委員の方、質問はいかがですか。よろしいですか。
では、時間も押していますので、以上で総務省へのヒアリング、質疑を終わります。
それでは最後に、行政保有情報全般に移りたいと思いますので、席の交代をお願いしま
す。
(ヒアリング対象者
○野原会長
交代)
ここでは、既に座っていただいています市川市、川口市、藤沢市からヒアリ
ングをさせていただきます。資料の方は、34ページから40ページに質問15に対していただ
いた回答をまとめてあります。時間の関係もありますので、ここでは説明時間は設けず、
質疑のみを行いたいと思います。説明のないままなので、ちょっと大変ですが、では質疑。
後藤委員からちょっと口火を切っていただいていいですか。
○後藤委員
自治体の方々から貴重なご意見をいただいたわけですが、これまで質疑応答
をさせていただいた中では、現状を前提とした障害を挙げることにとどまっており、「行
政機関が保有する情報の再提出不要化」を前提として議論するということがなかなかでき
ておりませんので、そのような意見交換につなげるために、具体的な例を挙げていただけ
ればと思います。具体的には、本日一番初めに取り扱いました住基関連については、すべ
ての自治体の方々がもう少し住基ネットの利用制限が緩和されればといったことをご提案
されているので、具体的にどのような形の利活用の範囲の拡大が必要なのか、自治体の立
42
場からご説明いただければと思います。
それからもう一つ、藤沢市さんの回答におきまして、国民年金業務についてかなり便利
になったけれどもなお課題が残るというご指摘がございました。ここのところはほかの業
務とも関係すると思いますので、もう少し補足説明をしていただければと思います。
○野原会長
ではお願いします。
○本山参考人
川口市でございます。お世話になります。
今のご質問といいますかお話の中で、私どもは、今住基カード等がございますけれども、
本来であれば、住基カードをお持ちいただけるものであれば、住民票そのものの提出は必
要ないものと考えたいと思っているところでございます。ただし、住基カードそのものに
ついては、多少お金がかかるというところもございますし、なぜか広がっていかないとい
うところもあります。何のために住基カードを利用するのかという部分もございますけれ
ども、住基カードに付加する部分も検討していかなければいけないとは思っているのです
けれども、なかなか利用する頻度も数も限られているというところもあると思います。し
かしながら、今後、金融機関等々も含めて、住基カードを利用することによって住民票の
提出の必要がないということになれば、サービスの向上は図られるのではないかなとは考
えてございます。
○大高参考人
藤沢市です。
資料の方は37ページになると思いますが、国民年金業務において、住基ネット利用が進
みまして、現況届出等が簡略化されるなど、効果を挙げていると思っております。ただし、
今なお、市町村では年金加入者の情報を社会保険事務所とは別にシステム化して維持管理
を行っています。これは何をしているかというと、所得情報の照会であったり、いろいろ
な市民との相談、そういう業務に活用しているわけですが、この社会保険事務所と自治体
との間でのデータのやりとりが、一部電子化はされているものの、すべてがそうなってい
るわけではなくて、紙によるやりとりであったり、データの遅延があったりなどしている
のが実情でございます。同じようなシステムを両方で維持管理している無駄もありますし、
所得情報が社会保険事務所の方で見られないということなどが解消されれば、こういう点
がかなりよくなるのではないかなと思っております。
○野原会長
ありがとうございます。どうぞ。
○浮ケ谷参考人
市川市です。
住基ネットに関しては、正直な話、利用を緩和させていただけないかなと考えておりま
す。現段階でもさほど不自由はしていないといった話もあるのですが、例えば税関係です
と、前住地を追いかけるのにいまだにハンドリングでやっています。転入前、そのさらに
転入前という形で、どんどん履歴を追っていくに当たっては、前住地の自治体に行ったり
とか、まだそういった部分も残っておりますので、住基ネットの活用を柔軟にしてほしい。
それと、今、藤沢市さんの方から話がありましたが、年金に限らず、今話題にもなって
おります共通番号は住基ネット番号と何が違うのかというのが一つ、素朴な疑問もありま
43
す。今いろいろ税の方でも何とか番号とかと考えておられる中で、できたらば住基ネット
の番号を利用していただければ、と思います。例えば法務省さんとのデータのやりとりに
しても、年金も含めてそうですけれども、突合するのは必ず住所、氏名、性別、生年月日
なんです。ハンドリングという二度手間になっています。ですから、そういったところに
住基ネットの番号を入れていただければ、自治体は効率のよいシステム運営ができるので
はないかと考えています。ぜひそういったところを国の方では考慮していただければなと
考えております。
以上です。
○野原会長
ありがとうございます。
ほかに。後藤委員、質問の方はいいですか。
それ以外に質疑はいいでしょうか。
では、時間も大分押していますので、これでヒアリングを終了したいと思います。
たくさんの方にヒアリングにお越しいただきまして、どうもありがとうございました。
ご退席をお願いします。
(ヒアリング対象者
○野原会長
退席)
それでは、ここからは委員の間での意見交換をお願いします。
この件については、先ほどからずっと口火を切ってもらっていますけれども、また後藤
委員に口火を切っていただければと思います。お願いします。
○後藤委員
長時間にわたりまして関係者の方々、委員の方々にご議論いただいたわけで
すが、先ほど申し上げましたように、今回のテーマである「行政機関が保有する情報の再
提出不要化」につきましては、関連する法規制、業務が非常に多いために、これまでの質
疑応答では、まず縦の行政業務ごとに現状を把握し、現行法ないし現在の手続きが維持さ
れている理由を明らかにするということを行ってまいりました。これまで議論されてきた
ことを横断的に見つめ直しますと、「そもそも行政保有情報については再提出を不要化す
る」という原則に基づいて現行法令を一斉に見直すといった取り組みが不可欠になるので
はないかと考えられます。そのような横断的な検討を行うに当たっては、今日ご説明にあ
りましたように、対面で審査する必要があるとか、守秘義務との関係で問題がある等、共
通する論点がいくつかありますので、それらの共通する論点ごとに検討することが必要に
なってくると考えられます。その際には、例えば今日、守秘義務につきましては、国と自
治体との解釈の違いが浮き彫りになったところでございますので、利用者目線でギャップ
を埋めるように歩み寄りをして、より利用者の利便性の高い方向へと法制度を改正するこ
とができるのではないかと思います。
まとめますと、「行政機関が保有する情報の再提出不要化」ということを前提にして、
現行法令を洗い出して見直すことが必要であるというのが、私の現時点での結論でござい
ます。
以上です。
44
○野原会長
ありがとうございます。
アメリカの折田さんも一度入ってもらいたいと思っていますので、意見があったら、そ
ちらから声を出してもらえばいいですので、よろしくお願いします。
○折田委員
そうしましたら、ちょっとまだメモをしながら伺っていましたが、後ほど手
を挙げさせていただきます。
○野原会長
ほかの方、いかがですか。今の件です。
○高島委員
高島です。
今日は本当にすごく勉強になりました。今日最初に後藤委員が出してくれたもので、引
越に1,000億で、退職に1,200億と出ていて、すごいインパクトがあるなと思ってテンショ
ンが上がっていたんですが、今日の議論を聞くにつれてだんだんテンションが下がって、
やれない理由というのがすごくいっぱい出てきたなと思いました。やっぱり、どこかが明
確にリーダーシップをとってやらないと、結構省庁間であるとか、あるいは後藤委員がお
っしゃられたように、地方自治体と国との認識の違いとかでちょっとスタックしてしまっ
ているという感じがあって、これは国がリーダーシップをとってしっかりやるべきではな
いのかなということを強く感じました。
今回の後藤委員のものは、国民IDを除いて解けるのではないかというところを集中的
にご議論いただいたのですが、リーダーシップをとるという意味では、もしかしたら国民
IDの議論の中で議論するというやり方もあるかなと感じまして、今日出てきたいろいろ
なやれない理由というのが国民IDとかを考える上でのいい要件定義につながるのではな
いのかなと思いましたので、そういう議論をする際に本日のやれない理由をうまく要件定
義に使っていただきたいとも思いましたし、あとは、住基カードがいまいちだというとこ
ろも、今後の番号制度を考える際には十分に、何がいまいちだったかというところは検討
に入れてもらいたいなと思いました。
さらに言うと、さっき楠さんからも戸籍と住民票の両方が何で必要なのかみたいなこと
がありましたけれども、住基カードと国民共通番号と社会保障・税の番号と、これは全部
必要なんですかというところも、最終的には国民の利便性を考えて、要件をしっかりと考
えるということが必要かなと思います。
以上です。
○野原会長
○森会長代理
ほかにいかがですか。お願いします。
では、ちょっと一般的な話になりますけれども、伺っていて若干感じたの
は、本人の同意がある場合、申請者の同意がある場合には、提供なり利用なりをしていた
だいていいんじゃないかと思いました。特に国税のときに非常に重い義務を負っているか
らだめだという話がありましたけれども、そんなにいろいろな国税がお持ちの情報を一切
合財提供してくださいみたいなことを言っているわけではなくて、ごく簡単に特定できる
ような書類について、それを提供してくださいという委任を別の行政機関にした場合に、
それであれば提供しようということにならない理由は恐らくないんだろうと思います。一
45
方で、ただ、そういうことをすると煩雑になると、これは免許のところで出てきましたけ
れども、それは確かにそうだろうと思いますけれども、そうだとすると結局のところ、簡
単に言ってしまえば、それは国民の煩雑化、政府の煩雑化みたいなことになってしまうわ
けですから、そこはひとつかぶっていただいて、IT利活用でうまくやっていただくとい
うのが筋なのではないかと思いました。
以上です。
○野原会長
ほかにいかがですか。どうぞ。
○新保委員
各自治体の方からも大変率直なご意見をいただきまして、ありがとうござい
ます。感想として、2つの面からちょっとお話をさせていただきたいと思います。
1つは、制度運用面における問題ですけれども、この点は今後の国民IDの制度を導入
するに当たっての問題の洗い出しとしても非常に有効ではなかったかという高島委員のご
指摘のとおりだと思います。とりわけ、既に番号として活用がなされているはずの住民票
コードの利用がかなり限定されているというのは、これは現状として厳然たる事実であり
まして、住民基本台帳法上の問題としてこれを考えるのか、それともそもそもの番号の利
用、番号制度という観点から考えるのかという問題があるかと思います。ですから、制度
運用面における問題としては、制度的な問題として、番号の活用によってかなり効率的に
解決ができる問題がかなり多いとも感じております。
その一方で、対面によらなければならない場合とか、あとはオンライン化によるコスト
面の問題と、逆にシステム構築にかかる費用が利用者の利便性向上に見合うものかどうか
という問題もありますので、費用対効果の面で、利用者が享受できるメリットと、オンラ
イン化することに要する費用との関係において必ずしもすべてオンライン化すればよいと
いうものではないというところも、制度的な面、運用的な面ではあるかと思います。
さらに、制度的な面について、随所に出てきました個人情報保護との関係における問題
ですけれども、本日のお話では、個人情報保護条例における制限というのは現実の支障と
はなっていないということではありました。しかし、自治体の方の回答を見ると一目瞭然
でありますけれども、同じ問題でも回答が違ってくるわけです。これは個々の自治体が団
体内部の審査会などにおいて個別に判断すると、これはまさに憲法が定める地方自治の本
旨に基づいているわけでありますので、これに基づいて各自治体が判断するということは
当然認められてしかるべき問題であります。しかし、住民側からすると、統一的な対応。
その住んでいる自治体によって対応が違うということについては、公正な行政の観点から
すると問題があるのではないか。ですから、この点について、公的部門における問題につ
いては、現在、個人情報保護については第三者機関などが設置されておりませんので、こ
ういった観点からも自治体における取り組みについて適切に統一的な見解を示す第三者機
関というものの設置も必要だろうと感じております。
もう一方の技術的な面ですけれども、技術的というよりも、本日の話を聞いて改めて感
じたところとしては、仕組みの問題と。つまり、これがまさに本委員会におけるITの活
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用との関係において解決しなければならない問題かと思いますけれども、一言で言うと、
利便性の向上という次元ではなくて、使いづらい、不便であるということが問題であるこ
とが明らかになりました。とりわけ、公的個人認証サービスを初めとして、既に構築され
ているこの仕組みがあるわけです。ですから、結論としては、住民基本台帳ネットワーク、
公的個人認証サービス、これらについては利便性の向上というよりも、ユーザビリティー
の向上という次元よりも、そもそもその仕組みが不便なのではないか、使いづらいのでは
ないか。これがかなり現行の制度運用面における足かせであったり、制約になっていると
いうことがかなり明確になったと感じております。
以上です。
○野原会長
ありがとうございます。
ほかにいかがですか。では、楠委員。
○楠委員
今、新保委員からもありましたように、公的個人認証サービスの不便さという
のが紙のなくならない大きな理由にもなっているというところでありまして、この辺は前
回私から発表させていただいたように、韓国やデンマークでは、民間とも連携しながら、
例えばオンラインバンキング等との連携とか、ICカードだけではないいろいろな電子証
明書の持ち方ということも含めて、海外にすばらしいベストプラクティスはいっぱいあり
ますので、そういったものを踏まえながら、もっと多くの人にとって身近な電子政府を実
験していくということが重要ではないかと考えております。
もう一つは、これまでワンストップサービスで専ら電子窓口について論じられている場
合が多かったと思うんですけれども、それが本当に正しいのか。自治体からもご指摘があ
りましたように、結局のところ、バックオフィスで連携をしていない限り、オンライン化
とか横での連携によって事務がふえるということでございますから、まさにバックオフィ
ス連携の仕組みと電子窓口とはセットで考えていかないといけない。森委員からもお話が
ありましたけれども、今よりも自治体の仕事をふやすということではなくて、きちんと基
盤をつくっていって、それによってオンラインのワンストップもできるし、自治体に負担
をかけないで、住民から見ると、もっとかゆいところに手の届いたサービスを実現してい
くということが非常に重要になるのではないかと思います。
○野原会長
ありがとうございます。
時間も残り少なくなってきましたので……。
○折田委員
座長、私からもよろしいでしょうか。
○野原会長
はい、どうぞ。
○折田委員
では、すみません、遠隔から失礼いたします。3つほどコメントさせていた
だきたいと思います。
まず1つ目は、特に児童扶養手当の際の話からも感じたことなんですけれども、こうい
った手続におきまして、一般的な手続、普通に窓口に行って、例えば届出をしてという部
分と、それからご自宅まで行ってとか、実際に詳しく見ていくといったものというのは、
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現実には違うプロシージャなのではないか。それを一緒にして考えてしまうことで、かえ
って対面でこれを確認しなければならないといったように足を引っ張ってしまうようなこ
とになっているのではないかなという感想を持ちました。そもそもさまざまな手続を必要
としている方は、何かを受給されるとか、届出が必要だという方は、非常に多くの手続を
踏まなければいけない。そうなると、本当に利便性とか使い勝手という意味で、そういっ
た方々こそ1回の手続でバックオフィスの連携によっていろいろなことが済んでしまうと
いう環境を提供することが、ご本人にも、また手続を受けられる窓口の方にも非常に必要
なのではないかということを考えました。レギュラーな一般的な手続の部分と、それから
例外的に、では本当にその人がそこにいるのかと調べに行く部分というのはちょっと切り
離して考えていく。みんながどうするかと、一部の人がどうするかというのは、違う問題
だというのを認識しておく必要があるのかなというのがありました。これが1点です。
2つ目は、プライバシーについて今回かなり言及されていたかと思います。また、個人
情報保護の話も出てきましたし、戸籍の話になった際には、ここにはセンシティブな情報
があるということがありましたけれども、これは発想を逆に変えていくことで、例えば電
子化をすることによってプライバシーが侵害されるという見方ではなくて、守るためにそ
ういったシステムを使っていくということも考えられるのではないかと思いました。毎回、
例えば戸籍とか住民票というものを紙に印刷して窓口へ持っていってということであると
か、それから今回、申請・届出者が世帯全員に関する手続を実施することを想定されてい
る。ただし、情報を流通させることに関しては、これはできないと考えるといった情報連
携の同意のあり方として、届出者だけではだめだといったご見解をいただいていますけれ
ども、ではそもそも申請者・届出者のみで引越その他の手続ができてしまうわけですから、
これもプロセスの一つだと考えると、ではなぜそれ以上のことがだめなのかといった部分
で、過度に電子化することによるプライバシーの侵害に対するおそれというものがあるの
ではないかという気がします。ここでは、ではプライバシーの侵害とか情報の漏えいとい
うものが一体何を指していて、具体的な脅威は何で、それは逆に電子化することによって
どのように防げるのかといった考え方が必要になるのかなと考えました。これは新保委員
のおっしゃったような仕組みの部分とか活用の部分にも関係するかと思います。
最後に、3つ目ですけれども、バックオフィスで連携されていく上で戸籍と住民票とい
う話が今回両方出てきたかと思います。これは、窓口にいらっしゃる方はもちろん経験さ
れていることであると思いますけれども、では戸籍と住民票では扱いが違う家族関係があ
ると、具体的には、例えば未届けの妻といった事実婚関係にある場合、これは住民票上で
届けておくと、社会保障の範囲では家族関係になるのですが、戸籍上で違うと税金ではだ
めだといったように、単純に一緒にできるものではない。こういった事例で幾つか、バッ
クオフィスで連携していく上でずれというものが出てくる可能性があるのかもしれないな
ということが、今回のいろいろな事例を伺っていても思いました。
非常に細かな作業になってしまうとは思いますけれども、何が連携していけるのかとい
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うこと、それから高島委員からは国民IDというお話も出ましたけれども、そのIDの前
提となる、そもそもどういったものがあるのかというところから、バックオフィス連携で
していけるのではないかなということを思っています。
長くなりましたが、以上です。
○野原会長
ありがとうございました。
それでは、本件については、引き続きメーリングリストで意見交換を行って取りまとめ
ていくということで進めていきたいと思います。今日はたくさんの人にヒアリングにお越
しいただいて、非常に長時間にわたってとても具体的な状況をヒアリングできたので、こ
の結果がコンセプチュアルなものに終わるのではなくて、具体的なアクションにつながる
ような取りまとめをぜひやれればと思います。
それでは、まだ次の議題があります。では次に、一般用医薬品のインターネット販売等
について検討を行いたいと思います。この点について事務局からご説明をお願いします。
○竹村参事官
本件につきましては、昨年11月30日にヒアリングを行い、その後メーリン
グリストを用いて意見交換を行ってまいりました。本件は、行政刷新会議の規制・制度改
革に関する分科会でも取り上げておりまして、参考資料1にありますとおり、既に分科会
としての考え方を取りまとめており、本調査会のこれまでの議論とおおむね同じ方向性が
示されております。参考資料2にありますとおり、行政刷新会議としましては、今後、分
科会の取りまとめを踏まえまして、制度を所管している府省との協議を行うという予定に
なっております。IT戦略本部としても、行政刷新会議の方と連携して協議を行っていく
ために、本件については他の案件に先駆けて意見を取りまとめていただきたいと考えてお
ります。
○野原会長
ありがとうございました。
では、本件の取りまとめを担当していただいている岩瀬委員から説明をお願いします。
○岩瀬委員
資料3-1と3-2になります。事前に委員の皆さんの間ではメールで何回
かやりとりをさせていただきましたので、詳細には踏み込みませんが、調査でヒアリング
した内容、その後皆さんと議論を重ねた結果として、3-1のような概要でまとめさせて
いただきました。
確認ですが、上の箱にありますように、副作用のリスクその他、安心・安全への配慮と
いうことと利便性のバランスをとった上で、ネット、非対面で売っていいのか、いけない
のかという二元論ではなく、どのような要件を満たせば非対面でも安全に販売を認めるべ
きかという観点からこのようにまとめさせていただきました。
まず1番目、医薬品販売規制の見直しというところにありますが、右側に書かせていた
だきました「以下のような販売ルールを設けることで、ネット販売等を認める」べきであ
るということで、5つのポイントについて書かせていただきました。このような条件を満
たせば、非対面でも販売することができるのではないかということです。
もう一つが、事後のモニタリングになるのですが、現在、厚生労働省さんの方で副作用
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報告というものが取りまとめられていますが、非対面か対面かというチャネル別のデータ
がきちんととられていないということで、今後、果たして非対面の取り扱いが適切かどう
かということを判断するためにも、販売経路や情報提供の有無に関する情報も把握すべき
ではないか。大きくこの2点についてまとめさせていただきました。
あわせて、この規制の見直しだけではなく、多くの委員から指摘されたポイントですが、
今後、IT活用による医薬品販売の安全性を向上するために、1つは、医薬品の個人輸入
における安全性向上ということで、右側に書かせていただきましたが、国内で認められて
いる医薬品を販売するサイトを容易に見分けられるようにさせるとともに、リスクについ
ての啓発を強化すべきではないかということ、及び副作用などの被害の拡大を防止するた
めに、購入者の購入医薬品と連絡先を把握し、新たな副作用が発生した場合に、購入者へ
メール等で注意喚起を行うなどのルールを策定する。これは中期的な方策として、このよ
うなものもあわせて書かせていただきました。
以上になります。
○野原会長
この件について意見交換を行いたいと思いますが、メーリングリスト上で皆
さん見ていただいていると思うので、特に異論がなければ、この形でまとめたいと思いま
すが、よろしいでしょうか。
では、この案のとおり、専門調査会として意見を取りまとめたいと思います。
それでは、最後の議題になりますけれども、今後取り上げる予定の検討項目について意
見交換をしたいと思います。書面調査をした項目のうち、専門調査会の場でヒアリングす
べき項目について、メーリングリストで意見交換をし、案を作成しました。それについて
事務局から説明をお願いします。
○竹村参事官
前回のご意見とかメーリングリスト上のご意見をもとに、資料4のとおり
取りまとめてございます。
第7回が2月15日、第8回が2月24日ということでございますけれども、個人情報保護
の案件とあわせまして、以下の案件についてヒアリングを実施したいと考えております。
ヒアリング対象は、関係府省及び可能なものについては要望提出者などの関係者からの
ヒアリングをしたいということでございます。
進め方としましては、書面による回答について簡潔に説明していただいた後、質疑応答、
意見交換という形で進めさせていただければと思っております。
以上です。
○野原会長
ありがとうございます。
これについて、何かご質問とか意見とか、いかがでしょうか。次回が2月15日で、その
ときには議題はこの5点をということですね。8回目が2月24日で、残りの5点の議題に
ついてという予定になっています。どうぞ。
○岩瀬委員
印象なんですけれども、項目数が多いので、もう一度ちょっとメーリングリ
スト等で議論して、多分2つぐらいに絞り込んだ方がいいのではないかと。すみません、
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7回目の個人情報保護以下の4つのポイントは、互いに関連している可能性が高いので一
くくりでもいいかもしれないんですが、第8回の部分がかなり多岐にわたっていますので、
絞り込むことが可能かどうかは追ってメールで相談させてください。
○野原会長
ほかにいかがでしょう。よろしいですか。
では、この件についても、引き続きメーリングリスト上で議論をしながら、次回以降に
向けて準備を進めたいと思います。
それでは、以上が今日の議題です。大体終わりました。どうもありがとうございました。
最後に、阿久津政務官からごあいさつをいただけないでしょうか。お願いします。
○阿久津内閣府大臣政務官
本日は本当にありがとうございました。委員の先生方、そし
て参考人、説明者の方々、特に自治体の参考人の方々は、事例を出していただきながらわ
かりやすくご説明いただいて、また現状の問題点等をご指摘いただいて、本当に心から感
謝申し上げたいと思っております。
さまざまな話題について今日ご議論いただいて、私の印象を1点だけ申し上げると、
「行政機関が保有する情報の再提出不要化」については、お話がありましたとおり、やは
りそれを前提として進めることができないかということを強く感じました。いろいろな理
由もあると思うし、いろいろな問題点もあると思うし、注意点もあると思うんですけれど
も、ぜひその辺をご考慮いただきまして、積極的な議論を積み重ねて結論を出していきた
いと考えております。よろしくお願いいたします。
○野原会長
ありがとうございました。
次回の会合は、2月15日を予定していますけれども、事務局から改めて正式に連絡をさ
せていただきます。
なお、恐縮ですが、実は次回は私は所用により欠席しますので、議事進行は森会長代理
にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
以上で終了します。
本日はお忙しい中、長時間にわたり、皆さん、どうもありがとうございました。
閉会
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