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現地視察の報告はこちらから(PDF)
第 2 回 地熱開発理解促進事業・農林業ワーキンググループ(WG)(山梨県北杜市 現地視察)報告 ■【視察先① 地中熱利用のハウストマト栽培(株式会社四季菜)】…トマトの加温栽培 通常のエアコンと同じような、暖気、冷気の吹き出し 口。向かって右手側奥にも設置されているのが見え 説明は株式会社四季菜顧問の山崎さん。 全体の栽培面積は約 2ha 、うち トマト栽培は約 る。 1ha。現在、写真の左側のハウスで地中熱利用シス テムの実証試験が行われている。 地中から熱を取り出すパイプは全部で 3 本あり、すべ て深さは 100m。ハウスの前面に打ち込まれている。 この深さでは温度が年間を通じて約 15℃と一定。こ の温度と外気との差の熱を集め、ハウス内を 40∼ 45℃にまで加温可能。 ハウス内の様子。 収穫期は観光農園として摘み取りが行われるため、 畝間が広くなっている。 温度制御盤と各種配管。 繁忙期には、1 日当たり最大で 35 台、平均で 10 台の観光バスが訪れるとのこと。 この農場では、複数のハウスで多品種のトマトが栽培 されている。「全国的にも事例は少ない」とのこと。 ヒートポンプ配管とメータ。 通常のエアコンと同様に、暖気や冷気を吹き出して暖 敷地内に設けられた直売所。 トマトやトマト製品(ストレートトマトジュース)のほ か、他の野菜類や加工品も販売されている。 房、加温することとあわせ、ハウス内の土中に埋めてあ る配管に循環液を流して加温、冷却する。 冬期は土中加温によりトマトの生育速度は 2 倍にな り、夏期は土中冷却により実が小さくならずに成熟す るとのこと。この結果、収量は増加している。 1 直売所とは別に設けられた「ジュースバー」 ジュースやアイスクリームが食べられる。 ジュースはストレートトマトジュースで、山崎さんが北海 ■【視察先② 「べるが」での温泉水からの製塩・商品化】…温泉水からの製塩と商品化 道で味わった 1 本 15,000 円の風味を再現したも 尾白(おじら)の湯。源泉は赤湯で、泉質は塩化物 強塩温泉(高張性中性温泉)。湧出温度は の。「味はかなり近づいた」とのこと。 39.5℃。多様な高濃度のミネラルを多く含む「日本 最高級超高濃度温泉」とのこと。 森林公園内にある小さな小屋で塩作りが行われてい る。 ハウスに併設された共同出荷所。契約している地域 の農家が作物を持ち込み、自らが値付けする。 販売先は、直売所、県内のスーパーや百貨店のほ か、首都圏のスーパーや飲食店。首都圏では 50 店 舗のスーパーに「山梨コーナー」が設置され、そこで販 分を飛ばして結晶化させる。試行錯誤の結果、土鍋 売されている。 に行き着いたらしい。 契約農家は午前中に出荷所に作物を持ち込んで値 赤湯らしく、煮詰めた温泉水は強い褐色。 付けする。午後には大型の配送車がこれを搬出す 焦げないように細心の注意を払って、最終的には下の る。 奥にある大きな釜で温泉水を煮詰めた後、土鍋で水 写真のように、さらさらになるまで煮詰める。 この日は、大きな白菜が持ち込まれた。(下の写 真) 製品塩は、かなり細かなパウダー状。これも時間をか けて結晶化させたためか。 2 塩作りしている土鍋の下に、製塩の工程がわかりやす ■【視察先③ ドームファーム北杜】…大規模ハウス栽培+農産物加工(外観見学のみ) く説明されている。 内部の見学も話を聞くこともできなかったため道路上 から見学。 白くて四角い建物(おそらく加工施設と思われる。) の向こうにドーム状の温室が見える。 この塩を使った、塩サイダーと塩アイス。ネットでも販売 されている。 透光性フィルムで覆われた 太陽光利用型の温室 (植物工場)。半透明のフィルムの上を白いフィルム (おそらく遮光フィルム)が覆っている。 40 棟のドーム温室で 650 トンのレタスを栽培。レタス は 30 日で収穫できるため、収穫周期は年 12 回。 3 併設する加工場は 1,000m2 の面積がある。 ■【視察先④ えがおつなげて】…企業との協働による耕作放棄地活用の事業化と人材育成 ススキは「放棄地センサー」。手入れされた農地の間 に、ススキが点在している。ススキは、確かにそこが耕 作放棄地であることを示してくれている。南伊豆での 放棄地センサーはセイタカアワダチソウか? 説明は NPO えがおつなげての齋藤さん。バスに乗り込 み、増富地区にある耕作放棄地だった農地を案内し ていただいた。 えがおつなげてが管理する農地には、自社ファームで あるえがおファームと、企業と契約して運営管理する 企業ファームがある。 バス内から間伐された林地を見学。 えがおつなげてが林業体験に使った林地。林業の専 門家はおらず、どこまで間伐していいのかわからないと のこと。 増富地区に向かう途中の農地の風景。 段々畑で区画が狭く、重機が入れられない。 耕作放棄地になるような農地は、もっと扱いにくい場 所にある。おおよそ 1 年かけて耕作地に戻していく。 最奥の集落、増富地区にある食堂。近隣に宿泊施 設もある。首都圏からの来訪者はこうした施設を使 い、食事や宿泊をする。 えがおつなげてが管理している農地では、収穫した稲 今回の見学会でも、この食堂で地元の方々に夕食の お弁当を用意していただいた。 がはざ掛けされている。こうした農地があちこちに点在 している。 4 えがおつなげての事務所がある古民家。 ■行程マップ 視察先③(外観見学のみ) 視察先② 視察先④ 視察先① 収穫された米 古民家の中で、スクリーンを使い、えがおつなげての事 業についていろいろ説明いただいた。 説明の途中からも参加者からの質問が相次ぎ、齋藤 さんには丁寧に対応いただいた。 情報交換の時間が不足したほど。次回からは情報交 換の時間を増やすようにしたい。 5